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1949-09-16 第5回国会 衆議院 予算委員会 第17号
公式Web版
会議録情報
0
昭和
二十四年九月十六日(金曜日) 午後二時
開議
出席委員
委員長
植原悦二郎
君
理事
上林山榮吉君
理事
庄司
一郎
君
理事
三宅 正一君
理事
中曽根康弘
君
理事
今井 耕君 天野 公義君 井手 光治君 尾崎 末吉君 大上 司君 小金 義照君 小平 久雄君 坂田
道太
君
中村
幸八君 松浦
東介
君
松野
頼三君 稻村 順三君
小野
孝君
笹山茂太郎
君
風早
八十二君 志賀 義雄君 砂間
一良
君
奧村又十郎
君
中村
寅太
君 黒田 寿男君
中野
四郎君
出席國務大臣
建 設 大 臣
益谷
秀次君 國 務 大 臣 青木 孝義君
委員外
の
出席者
大藏事務官
河野
一之君
大藏事務官
忠 佐市君 專 門 員 小竹 豊治君 專 門 員
小林幾次郎
君 五月二十五日
委員有田喜一
君、
中野武雄
君及び
山崎猛
君
辞任
につき、その
補欠
として
小野孝
君、
高塩三郎
君 及び
松野頼
三君が
議長
の
指名
で
委員
に選任され た。 九月二日
委員風早
八十三君
辞任
につき、その
補欠
として
神山茂夫
君が
議長
の
指名
で
委員
に選任された。 同月八日
委員神山茂夫
君
辞任
につき、その
補欠
として風 早八十二君が
議長
の
指名
で
委員
に選任された。 同月十五日
委員野坂參三君辞任
につき、その
補欠
として砂
間一良
君が
議長
の
指名
で
委員
に選任された。 同日
理事西村久之
君及び
水田三喜男
君の
補欠
として
小峯柳
多君及び
庄司一郎
君が
理事
に当選した。 九月十六日
庄司一郎
君が
委員長
の
指名
で
予算
の
実施状況調
査に関する小
委員長
に
補欠選任
された。
—————————————
五月三十一日
予算制度
に関する件
予算
の
適正実施監査
に関する件 の閉会中
審査
を本
委員会
に付託された。
—————————————
本日の
会議
に付した事件
理事
の互選 小
委員長
の
補欠選任
に関する件
昭和
二十五
年度
予算編成方針
に関する件
税制改革
に関する件
派遣委員
の
調査報告
に関する件
—————————————
植原悦二郎
1
○
植原委員長
これより
会議
を開きます。 御
報告
いたしたいことがあります。
理事西村久之
君、
水田三喜男
君の両君が今般
理事
を
辞任
されましたので、その
補欠選任
を行いたいと思います。これは先例によりまして
委員長
が
指名
することに御
異議
ありませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
植原悦二郎
2
○
植原委員長
御
異議
なければさ
よう
決定
いたします。
小峯柳
多君及び
庄司一郎
君を
理事
に
指名
いたします。
—————————————
植原悦二郎
3
○
植原委員長
次に
予算実施状況
に関する小
委員長西村久之
君が、これまた
辞任
されましたので、
庄司一郎
君を小
委員長
に
指名
いたしたいと思いますが、御
異議
ありませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
植原悦二郎
4
○
植原委員長
それではさ
よう
に
決定
いたします。
—————————————
植原悦二郎
5
○
植原委員長
これよりかねて公報をも
つて
御
報告
申し上げました
昭和
二十五
年度
予算編成方針
に関する件、
税制改革
に関する件を議題といたすのでありますが、事実は各地に先般の
キテイ台風
によ
つて損害
を受けたる所が多大な
よう
であります。幸い
建設大臣
がここにお見えにな
つて
おりますから、まず
建設大臣
に風水害の被害の
状況
を御
説明
願いたいと思います。
益谷秀次
6
○
益谷國務大臣
本年の
雪解け災害以來
、先般の
キテイ台風
までの
災害
の概要を申し上げます。各
都道
府縣
にわけられる詳細なものはございますが、ただいま
手元
に持参いたしておりませんので、後ほどお
手元
に配付いたす
考え
であります。私所管いたしております
建設省関係
の
災害
の
総額
は、いまだ明確に
数字
を把握しておりませんが、各
地方
からの
報告
を積算いたしますと、
先一般
の
ジユデイス台風
までの
災害
は大体二百八十億に達しておると存じます。今回の
キテイ台風
の災難もひとしくまだ明確な
数字
をとらえておりませんが、これも
地方
の
報告
によ
つて
推算いたしますと、大体百六十億
程度
にな
つて
おるかの
よう
に推測いたします。ただいま申し上げました
通り
、
春以來
の各
府縣
に区分をいたしましたものは、後ほどお
手元
に配付いたす
考え
であります。
植原悦二郎
7
○
植原委員長
建設大臣
は
材料
を
手元
に所持しておらないということであります。それで今
材料
を取寄せ中であるとのことでありますから、
建設大臣
から御
説明
を願うことはとりあえずこの
程度
にいたします。
—————————————
植原悦二郎
8
○
植原委員長
次に今日
大藏大臣
が出席して
予算
の
編成方針
の大体を
説明
されるはずでありましたが、急用があ
つて御殿場
に行かれたということでありますから、
大藏大臣
からは、いずれ都合を聞き合せ日を改めて
説明
を願うことにいたしまして、ここに
事務当局
が参
つて
おりますので、
事務当局
で
説明
のできることだけこの際伺うことはいかがでし
よう
か。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
植原悦二郎
9
○
植原委員長
御異存なければさ
よう
に取扱います。
河野一之
10
○
河野
(一)
説明員
明二十五
年度
の
予算
の
編成
につきましては、目下鋭意進行中でありますが、今までにおける大体の
経過
を申し上げます。 お
手元
に
昭和
二十五
年度
予算編成方針
というのを差上げてあるのでありますが、これが七月六日に
閣議決定
に相な
つて
おりまして、この
方針
に
從つて目下編成
の進捗中でございます。この大体の
方針
を御
説明
申し上げますと、冒頭に書いてある文句で大体盡きるのでありますが、いわゆる
総合予算
の眞の
均衡
という
方針
をあくまで貫いて行く、そうしてすでにその緒についた
経済
安定を確保して行く、そしてその上に
経済基盤
の
充実
と
輸出
の
振興
を
基軸
として、
経済
の
合理
的なかつ自主的な
運営態勢
を推進して行く、こういうことが基本的な
方針
でありまして、その具体的な
施策
といたしまして、以下数項目にわたりまして書いてある次第であります。 その第一の問題は、
総合予算
の眞の
均衡
を実現する上においての
財政規模
の
縮減
でありますが、
経済
の安定を推進して行きます上においては、
財政
のバランスというものは巌に確保して
行つて
、
財政面
からする
インフレ再発
の要因を防ぐ。そして
財政
の
規模
を極力
縮減
、圧縮して、
国民経済
に対して
財政
が関與するという
よう
な点を
最小限度
に制約する。
從つて
明年の
財政
の
規模
といたしましては、
一般会計
の
歳出総額
を、これも後ほどに申し上げまする
合理
的に改正せられた
税制
に基く租
税收入
その他の
普通歳入
の範囲内に嚴に圧縮して参る。それから
行政機構
の問題につきましても、
目下行政制度審議会
におきましていろいろ御
檢討
中なのでありますが、先般行われました
行政整理
及びこれに伴う
機構
の
改革
とい
つた
よう
な点に十分再
檢討
を遂げて、要すれば
機構
の
簡素化
、
事務
の
整理
ということをさらに推進して参りたいという
考え
でおります。また既定の
経費
についても、事態の推移に照らして再検討することはもちろんであります。
財政規模
の
縮減
の問題で一番大きな問題は言うまでもなく
價格調整費
でございまして、七千四十六億円の本
年度
の
歳出
のうち、二割
程度
、一千二十二億円というものが
價格調整費
に占められておる。
價格調整費
の從来果しておりました機能は最近において急激に変貌いたしまして、その本来の目的とは違
つた
ものにな
つて
来ておるのであります。
從つて價格調整費
をこの際大幅に切りまして、少くとも半分以下、千億円以下にこれを削減いたしまして、そうして
租税負担
の
軽減
に資することはもちろんでありますが、あわせて企業の育成を確保して参りたいということであります。 次に
統制
の問題でありますが、この
統制
の問題も大分最近ではかわ
つて
参
つた
ことは御承知の
通り
であります。石炭が
統制
が撤廃になりましたほか、たくさんの種目の
統制
が撤廃されたのでありますが、今後において
統制
の存続せられるものはほんの少数のものになると思われるのでありまして、まあ一番大きなものは主食でありますが、そのほかにおきましてもあるいは
細糸
、綿布の
関係
、毛織物の
関係
あるいは
皮革製品
、油脂とい
つた
よう
な、
國内需給
の非常に逼迫しているわずかなものに限られるのじやないか、
從つて
これに
伴つて公團
の組織というものは当然再
檢討
せられなければならないというふうに
考え
ております。 二まではむしろ
予算編成
の
消極面
と申しますか、でありますが、三以下におきまして、
経済基盤
の
充実
と
失業対策
という問題を取上げております。安定した
基盤
の上において自立復興して行くという
建前
におきましては、荒れた
経済基盤
というものを立て直さなければならない、そのために
財政
が積極的に参與して行くという
考え方
であります。その第一点としましては、当然
公共事業費
のことが問題になるわけであります。これはあわせて
失業対策
の問題をも
考慮
しながら、
国土資源
の保全、開発、從いましてその根本をなすところの
治山治水
、
災害
の
復旧
ということについては、できるだけの金額を盛
つて
行きたい。また交通、通信及び
教育関係
の施設の
改善
にも重点を置きたいと
考え
ております。
輸出
の
振興
という問題はわが
國経済
の基本的な問題でありまして、現在
輸出
の
振興
についていろいろの
対策
がとられておりますが、なかなか思うにまかせない点がある。その原因は一にしては盡きないのであります、こういう点の
打開策
について積極的な
施策
を講じて参りたい。また最近現われて來ております
失業対策
の問題につきましては、
公共事業
あるいは
輸出
の
振興
を
基軸
とする
産業
の
振興
によ
つて
、
失業者
の
積極的吸収
をはかるのであります。なおこれでも吸収し得ないものにつきましては、
失業應急事業等
を大幅にや
つて
参りたい。一般的な
産業資金
につきましてはもちろん
國民貯蓄
の増強によるのでありますが、諸
産業
その他におきまして
再建
上必要な
資金
については、
預金部資金
あるいは
見返り資金
というものを利用して参る、また
財政
と
金融
との中間にあります
住宅資金
とか
生業資金
につきましては、これは最近における
金融状況
その他を
考え
まして、要すればこうした
特殊金融
あるいは
財政資金
にある
程度
考慮
を拂いたい
考え
であります。
税制
の
合理化
の問題でありますが、これは昨日
シヤウプ使節團
の
報告
が発表にな
つたの
でありますが、その
ライン
に沿いまして
税制
を
合理化
し、
國民負担
の
軽減
をはかる。また
徴税能率
の
改善向上
という
よう
な点につきましても、
シヤウプ博士
の
勧告
の
ライン
に
從つて
参りたいと
考え
ておる次第であります。
地方財政
の問題でありますが、これも
シヤウプ勧告案
に
相当
大幅の章をと
つて
書いてあるのであります。政府といたしましてはこの
方針
ももとよりでありますが、
地方財政
についてはその
自治
をますます
拡充
して行くという
建前
のもとに、國の
財政規模
の
縮減
に基く
財源
の
相当部分
を
地方自治團体
に委譲する、與えるという
考え
でも
つて
來ております。
從つて
その
建前
から申しますれば、
地方
に対する一般的な
補助金
は可及的にこれを
整理
して、
地方自治團体
の積極的な
自主的活動
を期待するという方向でや
つて
参りたいと
考え
たのであります。この
予算編成方針
を八月六日に
閣議決定
いたしまして、八月末日までに
各省
の
概算要求書
というものを提出する。これは
財政法
の規定があるのでありますが、提出することにな
つて
おりまして、大体八月三十一日までに
各省
の
要求
が一部遅れましたが集ま
つて
おります。それに基きまして
大藏当局
といたしましては
各省
の
予算
の
説明
を聽取し、目下
明年度予算
の
檢討
を
行つて
おるという
段階
でございます。申し上げるまでもなく、今度の
シヤウプ勧告案
に基く減税あるいは
災害関係等
に基く
補正予算
の問題は、
明年度
の
予算
と一体とな
つて
考え
られなければならないという
よう
な
段階
でありまして、特に
税制
の問題につきましては、
明年度
の
財政規模
と密接な関連を持
つて
おりまする
関係
上、本
年度
の
補正予算
を
編成
いたしますにつきましても、
明年度
の大体の
見通し
を得たいという
考え方
でありまして、早急にその
見通し
を得たいと
考え
ております。
補正予算
の問題につきましても
明年度
の
予算
の
檢討
と同時に現在
行つて
おる次第でありまして、その
見通し
というのはいつまでにできるかなかなか困難でありますが、でき得ますれば、おそくも今月一ばいくらいにはある
程度
の
見通し
を得るという
よう
なつ
もりで
目下事務
を進行しておる次第であります。
予算編成
の大体の
経過
は以上の
通り
であります。
—————————————
植原悦二郎
11
○
植原委員長
河野主計局長
が
税制改革
に対しての大体の
説明
を申し上げるそうです。
河野一之
12
○
河野
(一)
説明員
シヤウプ勧告案
が昨日発表されたわけでありますが、この具体的な詳細につきましては、後ほど
主税局長
が参りますので、その方が適当かと思うのでありますが、この問題につきまして、多少私ども参画いたしましたので、私としまして、いろいろこの
勧告案
について見るところを申し上げてみたいと思います。抽象的な話になるのでありますが、この
シヤウプ勧告案
、これは六万五千語に上る厖大なものでありますが、この中を流れておると申しますか、私どもが見るところでは、五つか六つくらい
問題点
があるというふうに
考え
るのであります。 まず抽象的な問題でありますが、この中にもございますが、
税制
の
改革
について、
経済
安定ということを非常に意図して
考え
ておるとい
つた
よう
な点が、第一点にあげられる
よう
であります。特別の章がございますが、日本の
経済
というものは、
よう
やく安定をとりもどしたけれども、將来いつでもこれが逆行するという
よう
な懸念もあるのであるし、この
税制
を通じて
経済
安定を推進して行くという
よう
な
考え方
でなければならない、
從つて
その
税制
というものは、
弾力性
ある直接
税体系
を主として、
間接税
というものはできるだけ少くと申しますか、中心を
所得税体系
に置くという
よう
な
考え方
がある
よう
であります。 第二の問題といたしましては、この
税制勧告
は、
税制
を恒久的なものとするというふうな、数年間にわた
つて
改正するということのない、ある
程度
安定性
を持
つた
、
恒久性
を持
つた
税制
というものを
考え
る。その点は戰時中もそうでありますし、終戦後わが國の
税制
というものは、継ぎはぎだらけでありまして、
税率
も毎年かわ
つて
おるという
よう
なことで、この点が
経済
の
再建
に、復興ということについて
相当支障
があ
つた
ということは、ある
程度
いなむことはできないと思うのでありますが、こうい
つた
経済界
に
摩擦
、混乱を與える
税制
の
改革
というものは、たびたび行うべきものではないのでありまするから、これを
相当
期間にわた
つて
安定した
税制
に持
つて
行くという
よう
な
考え方
が、
一つ
あるかと思います。 これまでは抽象的な
方針
に相なるのでありますが、そのほか、これは実質的な問題になるのでありますが、
税制
の
合理化
と
負担
の
軽減
ということを目途といたしております。この点は、特に申し上げることもないのでありまして、
所得税
における
基礎控除
、
扶養控除
が
相当
に上
つて
おるということ、それから
税率
というものは、
從來
に比較して、たとえて申しますれば、現在三万円以下の二〇%が、五万円以上の二〇%に上
つて
おるという
よう
な点、
負担
の
相当軽減
にな
つて
おる。たとえて申しますと、
事業所得
におきまして、十万円で
夫婦
に
子供
三人とい
つた
よう
な家族におきましては、現在の
負担
というものは一万七千八百五十円でありますが、これが九千円ほどになり、
勤労所得
で十万円のところで参りまして、同じく
夫婦
に
子供
三人とい
つた
ところで、九千六百円というものが六千円
程度
になります。大体平均いたしまして三割五分
程度
に減るという
考え方
にな
つて
おる
よう
であります。 それから、現在の
税制
というものが、いろいろな点において不
合理
あるのでありますが、この
税制
について流れておる
考え方
というものは、種々な雑多な税というものをできるだけ
整理
して、そうして
弾力性
のある、伸びる税というものを伸ばして行く。要するに雑税というものを
整理
して、
所得税
を育てて行くということになるわけでありますが、これは國、
地方
を通じまして行われておるところでありますが、たとえて申しますれば、
織物消費税
を撤廃するとか、あるいは
砂糖消費税
、それから
骨牌税
という
よう
な問題もあります。それから
印紙税
についても、ある
程度
整理
という
よう
なことを
考え
てみたらどうかという
よう
なこともある
よう
であります。
地方税
におきましては、
不動産取得税
でありますとか、その他雜多な税がたくさんあるのでありますが、それを
整理
したらどうかという
よう
なことを
勧告
しておる
よう
であります。 それから、
体系
の上におきまして、國と
地方
とにおける
税制
の問題でありますが、従来わが國の
税制
は、
一つ
の
税源
を國と
地方
とにおいてわけ合うというかつこうでありまして、それは
配付税
というものが、
所得税
、
法人税
の一定のパーセンテージを
地方
にわけてやるという
建前
にな
つて
おることは御存じの
通り
であります。また
住民税
につきましても、
府縣
と
市町村
を通じまして千四百五十円というものを、七百円と七百五十円とでわけておる。
地租
につきましても二百と百とでわけ合
つて
おる。
一つ
の
税源
について、國と
地方
、あるいは
地方
でも
都道
府縣
と
市町村
とが
一つ
の
税源
をわけ合
つて
おるという
関係
が、課脱標準その他について各種の
摩擦
を起しておる。これは要するに、
税源
が伸びのある
税源
が少いという点に帰着するのでありますが、とにかく、
一つ
の
税源
を両方でわけ合うことによ
つて
、いろいろなトラブルを起しておる。これに対して、
税制そのもの
を、これは國の税、これは
地方
の税、
地方
も
都道
府縣
の税、あるいは
市町村
の税というふうに、画一的に、
体系
的にわけておるということは、これはまた
一つ
の特色であろうかと
考え
ております。 それから、第四の問題といたしまして、
地方財政
の問題でありますが、國の
財政
と
地方
の
財政
とが密接な
関係
にあることは、特に申し上げる必要もないのでありますが、
從來地方財政
というものが極度に窮乏の度にあり、
從つて地方自治
というものが発達しないという点に着目しておるのでありまして、
地方財政
を、大幅に
税源
を
拡充
してやる。申しまするならば、今
年度
の千五百億円の
地方税
というものを、千九百億円ほどになる
よう
に、
税源
の
拡充
を
考え
る。一方千二百億円に
相当
する
地方財政平衡資金
というものを國から
地方
に交付して、これを
経費
の需要その他によ
つて
合理
的に配分して参るということが
考え
られておるのであります。
從來
國が
地方
に対して出しておりまする
補助金
は、
全額補助
の
経費
が大体百億円、それから一部
補助
の
経費
が四百億円、それから
公共事業関係
の
補助金
が三百五十億円、そのほか
配付税
が五百七十七億円でありまして、合計いたしますと千四百三十億円になるのでありますが、この
地方
と國との間における、
補助
その他を通ずる
財源配分
というものを、
相当
根本的に
檢討
して、
全額補助
の形式というものは原則としてこれをやめたらどうか、
從つて
百億の
全額補助
の
経費
はこれをやめる。それから一部
補助
の
経費
につきましては、
地方自治
の
拡充
の
建前
から
言つて
、これは
地方團体
の自主的なる
活動
にまつべきものでありますから、四百億円を百五十億円
程度
に減らしてみる。それから
公共事業費
の
補助
は、三百五十億円でありますが、これを三百億円に減らす。他方最近における
災害
のために
地方財政
というものが非常に圧迫をこうむ
つて
おるという実情から
考え
て、
災害復旧関係
の
経費
について國が全額
負担
するという
よう
な
制度
を
考え
てみたらどうか、それとともに、一方
地方財政平衡資金
として、
從來
の
配付税
五百七十七億にかわるものとして、千二百億円を國から出す。合計いたしますと千六百五十億円ということになりますが、差引二百二十億円
程度
のものは
地方
の方によけいにやるという
よう
なことを
勧告
しておられる
よう
であります。 それから、その次の
シヤウプ勧告
の問題としまして、
徴税面
の
合理化
ということを非常に強調せられておる
よう
であります。
徴税
の問題は、
國民
の
租税負担
が高いことと相伴いまして、大きなフリクシヨンを起しておるわけでありますが、ある
程度
の
税制
の
合理化
ということとも相ま
つて
、
徴税面
を徹底的に一—徹底的にと申しますか、
從來
に対して
相当
改善
しなければならぬ。
税務官吏
の質及び量をともに
改善
しなければならぬのであります。このほかあるいは税についての
特別裁判
の
制度
でありますとか、
審査請求
に対しまして、
從來
の
決定
に当
つて
お
つた官吏
とは別の
官吏
がこれをやる
よう
にする、あるいは
青色申告用紙
の問題でありますとか、この
申告用紙
で申告によ
つて
出したものについては、
実地調査
をしなければこれを
更正決定
はできない、そういうことになるのであります。そうい
つた
徴税面
について
相当
の
改善
を加えなければならぬということが
勧告
せられておる
よう
であります。 それから、その第六項でありますか、第五項でありますか、
資本
の蓄積ということが何とい
つて
もこの中に問題とな
つて
おるということはいなめないかと思うのであります。その点
法人税
につきましては、
從來
三五%の
普通所得
の税がかかり、そのほか
超過所得
に対して一割から三割までの分の
超過所得
に対して
法人税
が累加されてお
つたの
でありますが、これを三五%の一律にいたしましたこと、それから
配当所得
につきまして、
從來
二〇%
控除
で
源泉徴収
をして、さらに
総合
でこれを調整するという
制度
でありましたけれども、これを
源泉徴收
の
制度
をやめる、すなわち
法人
と
個人
との間における
從來
行われてお
つた
よう
な二重課税の
制度
を改める、
法人
の
所得
というものは
個人
に歸一すべきものであるという
よう
な
考え方
で、
税制
が調整せられております。 その他
資本
の再評価の問題でありますか、いろいろ問題になりました
取引高税
の不
合理
という
よう
なものを新しく
勧告
せられております。
附加價値事業税
でありますが、原文には
附加價価税
とな
つて
おりますが、
事業税
とい
つた
よう
な
考え方
、それから
富裕税
の思想とい
つた
よう
な点も
考慮
の点にあろうかと
考え
られるのであります。 以上の点が
シヤウプ勧告案
の特徴と申せる
よう
なものかと存ずるのでありますが、これを通じまして、
明年度
の
税收
というものを、中央すなわち國におきましては五千七百六十億円というふうに
考え
ておられます。この五千七百六十億円のうちには四百五十億円という
取引高税
は入
つて
おりません。
取引高税
は、
明年度
の
歳出
が、
債務償還費
、
地方團体
に対する
交付金等
を除いて四千五百億円以下に
なつ
た場合にはこれを減らすことが可能であろうというふうに言われております。
地方團体
におきましては、現在
地方團体
、
都道
府縣
の
歳入
というものは七百五十億でございますが、これは
明年度
も同じ七百五十億円、ただ
地方税
につきましては、縣民税、
住民税
を全部
市町村
に委譲いたしております。
地租
、
家屋税
も委譲して、そのかわり新しい
附加價値
を
基礎
とする
事業税
というものを課しております。
入場税
は
從來
十五割の税でありましたが、これを十割にいたしまして、
府縣
に全部持
つて
参る。
不動産取得税
は廃止する。
遊興飲食税
は
府縣
の
收入
になります。それから酒の五割の
消費税
は廃止するということで、
府縣
の
税収入
は七百五十億で、前年とかわ
つて
おらないのでありますが、
市町村
につきましては、現在七百九十億円という
税收入
を持
つて
いるのでありますが、
明年度
におきまして、この
勧告案
の
通り
実行いたしますと、千百九十億ということになりまして、約四百億円がふえるということに相なります。現在
地方團体
の
歳出
は、今
年度
は三千五百億ばかりに一應推定いたしたのでありますが、これが
相当
むりがあるということもある
程度
認めざるを得ないのでありますが、
地方團体
の
歳出
の中には、もちろん
歳入
の中でもありますが、
相当
寄付金
というものがある。この
寄付金
というものは、推定でどのくらいになるか。これも
予算
を通
つて
いる場合もありますが、通
つて
いない場合もありまして、明確にはわからないのでありますが、大体四百億円
程度
というふうに
勧告案
では
考え
られている
よう
であります。この四百億円のうち、本人の自発的の
寄付金
というものも
相当
あるでし
よう
が、いわゆる税と同じ
よう
に割当てられたというと語弊がありますが、そうい
つた
趣旨のものも
相当
あるじやないかというふうなことで、この三百億というものを税に持
つて
行く、そういうふうな
建前
で、
地方團体
の
歳入
にとられているのでありまして、千五百億の
税收入
が一應増税というふうに見られるのでありますが、実態は必ずしもそうではないのであります。
シヤウプ勧告
についてのほんの抽象的なあらましを申し上げたのでありますが、こまかい点につきましては、
主税局長
がち
よう
ど参
つて
おりますし、あるいは主税局の課長が参
つて
おりますので、御質問に應じて詳細申し上げることにいたしたいと思います。
植原悦二郎
13
○
植原委員長
外資導入のことをかなり
考慮
して税を
考え
ておられる
よう
ですが、その点あなたはあまり触れなか
つた
が、それが税の上から現行とこのシヤウプ案とどのくらいの隔たりがあるか、もしできたらそれをちよつと
説明
しておくといいと思います。
忠佐市
14
○忠
説明員
ただいまの外資導入の問題につきましては、シヤウプ氏はわが日本
経済
再建
のためと、それから
産業
の伸張のために
相当
御研究をなさいました
よう
に
考え
られております。それで結論を申し上げますと、
勧告
にはこう
言つて
おります。
法人税
を非常に
合理化
する。従いまして、従来課税されておりました
超過所得
を除く、それから資産再事評價によりまして再評價された申告額を
基礎
にして減價償却を認めることによりまして、
法人税
の
負担
は
相当軽減
される。それでこの
程度
の
負担
でありますれば、外資導入が行われまして、
法人
の企業が内地に起るその場合において外資について特に
考慮
をする必要はないと思う。こういう結論にうかがわれます。 その次に起ります問題は、一例として申し上げますと、年俸一万ドル以上の人、現在三百六十円の為替換算で申しますと、
所得
が三百六十万円と相なります。こういう外資導入に関連して、技術指導その他についてぜひ日本に渡
つて
來なければならない人の
負担
はどうするか、これが非常に大きな問題である。それにつきまして、
所得税
制を非常に
合理化
することを
考え
られまして、最高
税率
を五五%にとどめる、この
程度
であれば、技術指導その他の
関係
で外國から日本に移住されて来られました人でも、十分
負担
としては耐え得るはずだ。か
よう
な
勧告
をなさ
つて
おります。 さらに問題として残りますのは、債権債務の形において投資される面がある、この点につきましては、現在は利子に対しましては二〇%の
源泉徴收
をいたしておるのでありますが、この点については日本がもしほんとうに外資導入を欲し、しかもそれによ
つて
いろいろ事業計画を立てることにするならば、ただいまの二〇%という利子に対する
源泉徴收
の
税率
を、一〇%ぐらいに引下げるという
よう
な
考慮
を拂う良識を持
つて
いるであろう、この点につきましては
勧告
という文字は使
つて
おりませんが、そういう
よう
な使節團の希望を漏らしておるのでございますが、外資導入につきましては、
勧告
面にありましたものは大体か
よう
なことであろうと
考え
ております。
植原悦二郎
15
○
植原委員長
なお安本長官が來て、安本長官の立場から二十五
年度
予算編成
に対する
考慮
を拂われておることを
説明
されるはずであります。さつき二十五分たてば参るということでしたから、もう七、八分すれば來なければならないと思います。それまでの間の時間を、先刻
災害
に関する実際の
状況
を
建設大臣
から御
説明
を願いましたけれども、
材料
を手持ちしておらぬからというので、たいへん簡単な御
説明
でありましたが、ただいまお
手元
に多分配付されておるところの書類によれば、本
年度
における台風の被害は、各縣別に
数字
をも
つて
明示されておる
よう
でありますから、これに対しては、この
数字
を繰返して御
説明
を願う必要はないと思いますが、未確定でありまし
よう
けれども、これらの
状況
から
考え
まして、
災害
対策
として
建設大臣
が持
つて
おられる大体の御
方針
でも伺うことができれば便利だと思いますが、
建設大臣
お話くだされますか、どうですか。
益谷秀次
16
○
益谷國務大臣
本年春以来の
災害
は、総計國費支弁の北海道の分を加えまして、四百六十八億なにがしにな
つて
おります。このほかに直轄河川の分が約三十五億あります。それが総計いたしました本年春以来の
災害
に対するものであります。そこでただいま
委員長
の申された
通り
四百六十八億なにがしの
災害
費については、今なおまだ直接査定をいたしておりません。あるいは私どもの想像でありますが、九州方面の分は三回も台風に襲われておるので、あるいは
数字
がダプ
つて
おる箇所もありはしないかという
よう
な推測をいたしております。
從つて
これ以上厳密に査定をいたしますると、あるいはこれ以上になるかも存じません。あるいはこれ以下になるともわからない状態であります。そこでこの
災害
に対しましては、御承知の
通り
、本年は
予算
の上で予備金という
制度
もございませんで、新聞紙等でおそらく御承知でありまし
よう
が、
春以來
のキテイまでの台風に対しましては、とりあえず第四・四半期の
公共事業費
の差繰り並びに
地方
に対する緊急の融資、こういう
よう
な應急措置をと
つたの
であります。その全額は総計五十五億三千百万円にな
つて
おると思います。これはもとより私所管の建設方面の河川、あるいは道路の
災害
復旧
に充てた部分のみではございません。このうちで、あるいは農林省あるいは運輸省等の
災害
に対する應急措置の部分もございます。ございますがこれは最終的には目下安本が中心になりまして操作をいたしております。最も近い機会において確定いたすものと存じております、それでとにかくにも台風による
災害
に対する應急、緊急の措置を今講じておるのであります。それでなお不足であるという
よう
なことがはつきりいたしますと、さらに第四・四半期の
公共事業費
を差繰りいたしてもいいという
考え
を政府としては持
つて
おります。これは
公共事業費
の差繰りであります。
從つて
來月二十五日から召集せられます臨時議会においては
補正予算
といたしまして、
災害
復旧
費を提出いたして御審議を願わなければならぬと
考え
ております。明確な
数字
はなお
財源
の方もありますので、今日ここで
災害
復旧
費をどれだけということは申し上げる
段階
に遺憾ながら達しておりませんが、過
年度
の
災害
の分に対する助成金はすでに交付済みにな
つて
おるものもあります。そういう過
年度
の
災害
もこれを一日も放置いたすわけには参りませんから、すでにその助成済みの金額等を勘案いたして、今年の
災害
に対処して参りたいと存じておるのであります。私ども大体これまでの台風から見ますると、應急的の措置は一割三分五、六厘にな
つて
おると存じます。しかしながらこれではとうてい満足することはできませんので、少くとも三割
程度
の
災害
の
復旧
に努めたいという
考え
を持
つて
おります。これも私どもは現在の組織、やり方を標準といたしております。すなわち中小河川に対しましては、御承知の
通り
災害
費の三分の二國庫
補助
で三分の一は
地方自治
体の
負担
であります。だからこの
考え
からただいま何割になるかということを申しておるのでありますが、大藏省の主計局長が申した
通り
、
地方財政
の今日極度に窮乏している点にかんがみまして、中小河川に対する
災害
に対しては、すでに全額國庫
負担
すべきものであるという
建前
から、その
方針
で今検討いたしておるのであります。
從つて
現在私の
考え
ておる何割という
よう
なことが全額
負担
になりますと、また
考え
をかえなければならないのであります。そして過
年度
の
災害
に対するつり合いをと
つて
、そして應急的の緊急なる部分の措置をいたして参る。來
年度
の
予算
においては正式に足りない部分を
要求
して、そして來年の出水期に備えたいと
考え
ておる次第であります。
植原悦二郎
17
○
植原委員長
これより
昭和
三十五
年度
予算編成方針
に関することにつきまして安本長官の御
説明
を願います。
青木孝義
18
○青木國務大臣
昭和
二十五
年度
に対する
財政
收支の問題でありますが、御承知の
通り
にツヤウプさんの
勧告
は
よう
やく最近に至りまして全部発表に相
なつ
たという
よう
な次第でありまして、われわれも実はそれを十分検討をしながら二十五
年度
の
財政
收支というものをつくり上げる予定でありますが、しかしながらまだ
大藏当局
といたしましても、ただいまのところでは
シヤウプ勧告
による
財政
收支という
よう
なものの輪郭をつくりつつあるという
よう
な
状況
であろうかと思いますので、私の立場から申し上げますれば、ただ全体の
方針
としてはどうかということでございまし
よう
が、その全体について私としてもまた皆様の前で申し上げる
程度
のまとま
つた
意見も持
つて
おりません。と申しますのは、二十四
年度
の
予算
から、さらに二十五
年度
の
予算
を
考え
、しかも、二十四
年度
の
経過
から見ていかにすべきかという
よう
な問題は、これはかなりむずかしい問題がありますと同時に、そのむずかしいということは
シヤウプ勧告
は連合國に対する
勧告
でありまして、われわれがこれを十分検討しながら、この
勧告
に基いて二十五
年度
の
予算
を立てるということになりますので、なおわれわれといたしましては、さらにもう少しまとま
つた
時機に、われわれの
方針
とその内容とが大体一致を見るかどうかという
よう
な
見通し
をつけたところで皆様の前で申し上げるということが、適当なのではないかというふうに
考え
ますので、今日のところでは、さしづめわれわれは二十五
年度
の
予算
を
考え
ながら、当然二十四
年度
におきますところのただいま
建設大臣
が御答弁中でございました
災害
対策
の補正という
よう
な問題と、でき得るならば今
年度
においても適当な減税をしたいという
よう
な希望等を
考え
まして、それらの問題をも一應われわれとしてはきめてかからなければならぬというふうに
考え
ておりますが、大体私の担当しております
経済
安定本部といたしましては、この
予算
の問題についての全体的構想ということにあると思います。しかしながらその実質的な内容におきましては、言うまでもなく大藏省がこれを担当し、これを実施に移して参るのであります。今のところまだ二十五
年度
予算
等についても、また二十四
年度
の
補正予算
の問題につきましても、はつきりとまだ話合い等はいたしておりませんけれども、また閣議におきましてもそういう点について詳細の
報告
はまだ受けておりません。さ
よう
なわけでありますので、今日のところただちにここで私の
方針
という
よう
なことを申し述べるのは、少し早いというふうにも自分は
考え
ておりますので、今日のところでははなはだ残念ではございますけれども、二十五
年度
の
予算
の組立ての
方針
という
よう
なものについては、もちろんシヤウプさんの
勧告
に基いてやるということは
考え
ておりますけれども、しかしながらここではつきりと御
説明
を申し上げることができないので、以上の
よう
な私の陳述によ
つて
御了承おきを願いたいと思う次第でございます。
植原悦二郎
19
○
植原委員長
安本長官にお尋ねいたしますが、大体の構想についてでも質問があればお答えになる準備がありますか。そういうことはまだ答えられぬとおつしやるのでありますか、それが
一つ
。もう
一つ
安本と
大藏当局
に私
予算
委員長
として申し上げておきたいのは、まだ政府と議会の
関係
につきまして、ややもすると旧憲法のもとで政府が主で議会はただ参與機関の
よう
なふうにお
考え
でありはせぬかという
よう
な感じを持ちます。新しい憲法においては議会が中心である。
從つて
議会が
要求
いたさなんでも、大体の構想でもできましたならば、それを
國民
に議会を通じて発表するというくらいなことがなければ、新憲法の精神には私は沿わざるものだ、か
よう
に思うております。新憲法においては
國民
がすべてであ
つて
、そうしてそれを代表する議会が政治の
基礎
をなすものである。もちろん行政に当
つて
おる者が
予算編成
の責任を持たなければならないけれども、いつでもそれは議会と相呼應して、その計画を立てるべきものだというふうにならなければ、ほんとうの新憲法の精神にのつと
つて
デモクラシーを実現することは私はできないものだと思う。そこで私はなるほど御説の
通り
、シヤウプの
報告
というものも、
よう
やく昨日にな
つて
全貌が明らかに
なつ
た次第でありますがゆえに、
経済
九原則を守り、ドツジの提案に基き、シヤウプの
税制
に対する意向をくんで、
予算
を
編成
するものとすれば、今日において政府部内においてはつきりとした構想を立てられないということはよくわかりますが、最後の
決定
をして、國会に押しつけて、同意さえさせておけばいいという態度でなく、ある
程度
ものがまとまりましたならば、議会人と比較にならないほど政府は二重三重にお忙しいのでありまし
よう
が、議会人も決してひまなわけではないのですから、どうかよくその点をお
考え
くださいまして、大藏省、安本両者が出まして、大体の腹案ができて
説明
のできる機会に、こちらから求めることによることをまたずして、政府の方から進んで
事務
の方に交渉してくだす
つて
、そうして一應政府の大体の
見通し
がついたら、最後の
決定
をする以前において、
予算
委員
に
説明
するという
方針
でその手続をと
つて
いただきたいのであります。これは
予算
委員長
として私は主計局長を通じて
大藏大臣
にお傳えを願います。そうして安本長官はここにおいでになりますから、そのことをお含み願
つて
、最後の
決定
をなす以前において、一應政府のはつきりとした計画が立ちましたならば、それを
予算
委員
に一應御
説明
願う手続をと
つて
いただきたいと思います。これは
委員長
として申し上げておるのでありますが、おそらく新しい憲法の精神を遵守しなければならないという
考え
を持
つて
おります
委員
全体の御意向と見て私は誤りないとしてこのことをお傳えしておきます。
青木孝義
20
○青木國務大臣 ただいまの
委員長
のお言葉はまことにごもつともだと存じます。私どももいよいよ大体の
方針
がきま
つて
、まず一應これならばということになりましたらば、できるだけ早く皆様にお示しをして何かとまた御援助をいただくということがよかろうと私は
考え
ておる次第でございます。私もその旨をよく
関係
大臣にも傳え、内閣の
方針
としてもそういうふうなことに相なる
よう
に努力いたしたいと
考え
ます。
植原悦二郎
21
○
植原委員長
今日は先刻申し上げた
通り
、やむを得ざる御都合で
大藏大臣
は御出席になれませんので、
河野主計局長
の御
説明
を一應承りました。そこで今日の大体の日程はこれで終
つた
わけでありますが、なおこの場合に
委員
の方々から何か御意見があ
つた
らば、伺
つて
おくことも便宜かと思います。
中野四郎
22
○
中野
(四)
委員
関係
の大臣がおいでにならぬので安本長官からお聞かせを願いたいと思うのは、昨日の毎日新聞にちよつと載
つて
いる問題ですが、日本と中共のバーター契約が許可をされたということが載
つて
おるのですが、これははたして事実であるかどうか。日本と中共との貿易がバーター契約によ
つて
許可されたということが事実上あるかないかという問題であります。もしあるとすれば、どういう形式でこれが許可されたか。日本政府と中共の民間業者、あるいは日本の民間業者と向うの民間業者、ないしは香港における米國人あるいは英國人の買付によ
つて
これが許可されたものか、こういう点をきわめて簡單でよろしいが、御
説明
願いたいと思います。
青木孝義
23
○青木國務大臣 ただいま
中野
委員
からの御質問で、わが國と中共との間に交易が開かれるということについて何が新聞に報道があ
つた
ということでございますが、私ははなはだ申訳ない次第でありますが、それを見ておらなか
つた
ことと、もう
一つ
はそれについては何ら、
関係
方面といいますか、
関係
の人からそういうことを聞いてもおりませんので、私は今日帰りまして、本部の方でもなおよく取調べて、わか
つて
おればわか
つた
ことを文章に書いてお管えをいたします。それから安定本部においても、その他のわれわれの
関係
においてそういうことはまだ問題にな
つて
いるということを聞かぬということであれば、そういう
よう
なお答えもいたします。さ
よう
御了承を願いたいと思います。
志賀義雄
24
○志賀(義)
委員
今日は
大藏大臣
にはあらかじめ
委員長
の方から御通知があ
つた
と思いますが、御殿場やらへ行かれたそうで、何のために
委員会
を開いたのかわからぬ
よう
な始末で、しかも
河野主計局長
からは
昭和
二十五
年度
の
予算
の
方針
について八月五日ですか、六日ですか、言われますが、安本長官の御意見を伺うと、まださつぱりわからぬということで、二つ政府の意見があ
つて
、一体どちらを本物にと
つて
いいやらわからない
よう
な次第で、何のために今日の会合が開かれたかわからない
よう
な始末でありまして、この次いつ開くか、それからそのときには政府がはたして責任ある答弁ができるかどうか、そういう点を
委員長
の方から確かめて、次にもう一度この
委員会
を開く
よう
におきめ願いたいのでございます。
植原悦二郎
25
○
植原委員長
御承知かどうか存じませんが、先刻
理事
会で、今日は一應政府の
説明
を聞いて、あらためて質疑をし
よう
ということに御
決定
に
なつ
たと承知いたしております。そこで今お話の
大藏大臣
が出席しなか
つた
ことは、万やむを得ざることができて、今日は出席できなか
つた
。それゆえに
委員長
として
委員
諸君のお
考え
も、
委員長
の
考え
ておる
よう
なことであろうと、付度してははなはだ失礼ですけれども、先刻申した
通り
、主計局長を通じて
大藏大臣
にお傳え願い、安本長官はここにおりますから、いつでもこちらから
要求
するのでなくて、最後の
決定
をする前に、國会中心の政治を理解して、そうして
予算
委員
を集めて御
説明
を願う
よう
に、日取りその他は
事務当局
と打合せをしていただきたい、こういうことを申したわけであります。そこでなおただいま安本長官のお話を何
つて
も、それから
大藏大臣
が今日おられないのでありますが、主計局長のお話を伺
つて
も、まだ十分に質疑を許す
段階
に到達しておらないと私も思います。どうか先刻
委員長
が申した
通り
の趣意によ
つて
、政府当局においてお取扱い願いたい。その際に質疑もするものと御了承願
つて
おきたい。こういうことであなたの御意向も通ずるのじやなかろうかと思います。
志賀義雄
26
○志賀(義)
委員
それでけつこうでございますが、そういうふうにしておきますと、いよいよ國会が再開される前にな
つて
、結局
委員長
が心配される
よう
に、のみ込んでしまえというのが今までの往々の例でありますから、ひとつ
委員長
の責任においてそういうふうにならない
よう
にするべく早くやはりや
つて
いただきたいのですが……。
植原悦二郎
27
○
植原委員長
委員長
は御説の
通り
努めます。政府においても
委員長
の言を必ず重んじて、さ
よう
なふうなことでなかろうと私は政府を信じております。
志賀義雄
28
○志賀(義)
委員
但し國会がだんだん迫
つて
来るのに、まだまだという
よう
な場合には、やはりこちらから促進する
よう
なふうにしておきませんと、また一ぱい食わされますから。
植原悦二郎
29
○
植原委員長
ただいまの
委員長
の言葉をよく志賀君が翫味してくだす
つた
ならば、仰せの意味も十分にその中に含蓄されておると思います。 なお本日は國政調査の御
報告
を願うはずでありましたが、この際に願いまし
よう
か、き
よう
はかなり時間が過ぎましたから、日を改めて願うことにいたしまし
よう
か、皆さんにお諮りいたします。 〔「次に願います」と呼ぶ者あり〕
植原悦二郎
30
○
植原委員長
それではこの次に
理事
の方々と打合せをして、日を改めて御
報告
を願うことにいたす
よう
に
決定
いたしまして、御異存ありませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
植原悦二郎
31
○
植原委員長
それではさ
よう
に決します。これにて散会いたします。 午後三時十二分散会