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風早委員 昨日でありましたか、社会党の提唱によりまして、民主野党も含めまして、全野党派が
政府に臨時國会の開催を
要求したのであります。その理由といたしますところは、今日吉田内閣の施策がよろしきを得ないために、もう國民の生活がとことんまで今破壞されようとしておる。また産業も今ますますその危機が破局に達しようとしておる。であるからこの際われわれ國会としては、やはり國民の要望にこたえて、
政府の施策に対する
根本的な再檢討を加える必要がある。これはわれわれの國民に対する義務である。こういう観点から
政府に対して臨時國会の
要求をいたしております。
さて今日ただいま賀來労政局長やあるいは
神山説明員から、いろいろ今回の
國鉄スト事件でありますとか、あるいは列車
妨害事件と言われるものでありますとか、いろいろこういうものについて御
説明がありましたが、私はこの御
説明を聞いて、これはいよいよ一刻も早く臨時國会を開いて、
根本的に
政府のやり方に対してわれわれが檢討、批判を加えて行かなければならないということを痛感したのです。一体あなた方の今日の御
説明は、私の受けた印象は、これはポツダム
宣言の受諾以後、すなわち戰後の日本の
政府委員の御
説明としては、実に私は意外だ。戰前、戰時に私もずいぶんと
警察のおせわになりましたが、あの当時におきまして、特高
警察の吏員が私どもを調べる場合に、まさに今御
説明があ
つたようなああいう筋書でや
つておる。ま
つたく今日同じことを私は聞かされた。一体今回の
國鉄ストというものがどこから起
つて來たか、こういう点について、あなた方は、一体どういうことを考えておられるか、ただ
法律を適用するといたしましても、
法律にもいろいろある。またその適用の仕方にもいろいろある。戰前におきましてわれわれの上に旧憲法というものがあ
つたのであります。しかしながら今回ポツダム
宣言以後新しい憲法ができた。先ほど
上村委員の方からも質疑がありましたが、あの問題にしましても、
根本的な人権を擁護する
規定でありますとか、あるいはまた
労働者の團結権、
團体交渉権、團体行動権、こういうものを擁護する
規定でありますとか、こういうものにつきましては、それに違反する一切の
法律、
命令、その他いかなるものでありましようとも、そういうものは無効である。そういうものは効果がないということが新しい憲法の第九十
八條にありますけれども、これが新しい憲法の特徴なんです。そこに旧憲法と
根本的な違いがある。旧憲法でも、なるほど同じようにわれわれの基本的な人権を
規定しておりましたけれども、これはしかしながらか
つてな
法律や緊急勅令で破られてしま
つた。それが新憲法では違
つておる。そこのところは一体皆さん方はどう考えておられるか。こういう点につきましても
根本的に今日の御
説明の頭というものは旧憲法時代、
警察國家時代のあの特高吏員の調べの筋書にそつくりだということを非常に私は意外に思う。こういう点が
根本的に再檢討されなければ、何をしても問題は
解決しないと思う。今回の
ストにおきまして、私は伺いたいのでありますが、一体今回の
ストが起りますと、
ストではないとかあるとかいう
法律論は一應おきまして、ああいう騒ぎが起りましたのは、た
つた十九名の首切りを発表しただけで、ああいう騒ぎが起
つた。その原因はどこにあるか。今回の首切りはなるほど
定員法の
規定に
從つて徐々に始められたことでありましようが、これについて
政府は他の大きな一半をはずしておるのです。失業対策を全然持
つておられない。首を切られたら最後、われわれは二度と就職の機会はない。そういう点につきまして何らの施策なくして首を切ることは、これは
定員法の
規定だ、あるいはまたこれに対して騒ぐことは
公共企業体法の違反である。こういうふうに申されますけれども、そもそも先ほど申しました首切りの問題にしましても、もしも失業対策のない首切りでありましたならば、明らかに憲法の二十五條に違反しておる。憲法二十五條は、おごそかにわれわれ國民に対して生活——しかも文化的な生活の権利を保障しておるのでありますが、そういうことは全然踏みにじられておる。こういう頭から憲法に違反し、ポツダム
宣言に違反し、また極東
委員会の十六原則にも違反した、そういうつまり無効であるものをも
つて立ち向
つて、しかもこれに抗議を申し込む一切の行動に対して、それを
警察力をも
つて彈圧する。こういうところに騒ぎがますます横に拡大して行く
根本の原因があるのではないかと私は思うのでありますか、そういう
ストの
根本原因について、
政府の
所見を伺いたいのです。実は私は今日は、当然
労働大臣並びに地方行政につきまして樋貝國務大臣、この御両人に出てもらうことを
要求してあ
つたのでありますが、いまだにおいでにならないので、やむを得ずお聞きしましたが、もしも御答弁ができればこれに答弁していただきたい。また答弁ができないならば、これは両大臣を即刻呼んでや
つていただきたいのです。