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猪俣委員 官吏が出張して
行つて、そうして
報告してもらわぬということは、実にどうも官の取締り上困るという非常に封建的なことを
言つてお
つた。それで私は印象に残
つておる。しかしそのときはわれわれがなぜ
檢察廳に行
つたかというと、どうも
警察局長が、あなたの
警察署なりその他で、内部のことを漏らす者があ
つて困るというような訓授をして歩いたということが耳に入
つたので、これは下手をやると、ここへ來て
証人とな
つて証言したような者に対して、何か身分上の変動を起さなければいいがと心配した。そうな
つて來るとわれわれの國政
調査というものが頓挫してしまう。そこで
警察署にその旨を書いて、どういうことをここへ來て
言つても——あるいは
警察に事実あるならば不利なことを言うかもしれぬ。しかしそれによ
つて報告しろ、さあ何を言うた。
上司に対して惡いことを言うたなら、なかなか言いにくいことはあなた方人情上わかるでしよう。そうなるとわれわれの國政
調査から言うと、あるいはあなた方あるいはそれ以下の幹部諸君の知性を
調査しなければならぬこともあるが、その場合にずいぶん下つぱの人の言うたことを一々どう言うた、
署長は大どろぼうしておりましたというようなことを
言つても、かりにそれが事実であ
つても、その
報告書を長上の者の面前に出せぬことは事実でしよう。そういうことをわれわれは國政
調査によ
つても考えなければならぬし、それによ
つて異動されたりなんかすると、われわれの國政
調査が鈍るようになるから、さようなことをしてもらわぬようにということを、老婆心で折入
つて局長に頼んで來た。それはあなた方に通じてあるはずだろうと思う。われわれが頼みに行
つたのだから、傳えないとすると小林は不都合千万だ。しかるにかかわらず、かような行動をや
つておる。それであなた方はまるでひた隠しに隠して、やあこれはあるいは勤務状態がおもしろくないからだの何だのと
言つておる。まじめな
巡査であることは、
証人が何人もおる。非常に熱心過ぎるために同僚と衝突することがある。この男の行動を私たち
調査してよく知
つておる。非常に執念に
巡査だ。だから経済にも拔擢されて來ておるわけなんだ。それがいきなりこういうふうにな
つたということで、本人に対してわれわれ実に氣の毒であるとともに、こういうことでは
調査の進展上われわれは困ると
思つてあなた方に聞いたのだけれども、あなた方はほんとうのことをおつしやらない。すべての周囲の事情から、それはいくらあなた方が陳弁してもぼくはそうとれない。小林隊長の話ぶりから見て、われわれが特に頼んで來たのだから、それはこういうことだと、われわれの頼みに行
つたことをあなた方は聞いておりませんか。身分の変動をすると言うと誤解を生ずるから、そのためでないにしても、
國会へ
行つて証言なんかして來たから飛ばされてしま
つたという誤解が起ると困るから、とにかくそういうことをしないようにしてくれということを、小林隊長に私は懇切丁寧に懇願して來た。だから今
言つたように、
報告はどうしても出さなければならぬというような封建的なことを
言つてお
つても、私たちはそれにさからわぬようにして來た。しかるにこういう結果を來しておる。あなたはどう思いますか。