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1949-10-21 第5回国会 衆議院 農林委員会 第50号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十四年十月二十一日(金曜日)     午後二時五分開議事  出席委員    委員長 小笠原八十美君    理事 河野 謙三君 理事 野原 正勝君   理事 松浦 東介君 理事 藥師神岩太郎君    理事 山村新治郎君 理事 八百板 正君    理事 深澤 義守君 理事 寺本  齋君       小淵 光平君    奈良治 二君       平野 三郎君    井上 良二君       小林 運美君    山口 武秀君       寺崎  覺君  委員外出席者         農林政務次官  坂本  實君         農林事務官   藤田  巖君         食糧庁長官   安孫子藤吉君         林野庁長官   三浦 辰男君         専  門  員 岩隈  博君         専  門  員 藤井  信君 十月十七日  委員園田直辞任につき、その補欠として小林  運美君が議長指名委員に選任された。 十月二十日  委員井上良二辞任につき、その補欠として、  西村榮一君が議長指名委員に選任された。 十月二十一日  委員西村榮一辞任につき、その補欠として井  上良二君が議長指名委員に選任された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した事件  食糧確保臨時措置法の一部を改正する法律案  食糧増産確保基本法案  薪炭に関する件     ―――――――――――――
  2. 小笠原八十美

    小笠原委員長 これより会議開きます。  まず前会に引続き薪炭に関する件を議題といたします。
  3. 井上良二

    井上(良)委員 二、三薪炭需給特別会計廃止後に関する問題について質問したい。これは林野局長官で答えられるかどうかわかりませんけれども政府はこの薪炭需給特別会計の運用を今停止しておるのですが、これはこの次の第六国会でこの会計廃止法律案承認を求める手続をとるつもりですか。それとも来年の四月までこのまま行くつもりですか、これは非常に大事なことですから、この点をまず明らかにしてもらいたい。
  4. 三浦辰男

    三浦説明員 その廃止手続は、この年度内はとらない、こういうふうに考えております。
  5. 井上良二

    井上(良)委員 そうしますと、政府はこの会計一般会計から五十四億七千万円の繰入れを、次の第六国会承認を求めてやろうとしておるのでありますが、これは当然木炭債券発行限度五十五億にプラスされることになります。そうしますとこれは当然この会計資金関係において、国会の新しい承認を要することになると思いますが、その手続はとられるつもりでありますか。
  6. 三浦辰男

    三浦説明員 この特別会計借入れ薪炭証券限度は、仰せのごとく五十五億でありますが、今度政府が予定しております五十四億何がしかの、この会計への一般費からの繰入れの問題につきましては、これは単に予算的措置でありまして、あの法律には抵触しない。ただこれを繰入れます場合に、当然国会予算としての御審議を経る、こういうふうに考えております。
  7. 井上良二

    井上(良)委員 木炭特別会計資金のわくは法律によつてきまつております。それを増額します場合は、当然国会承認を経なければなりません。しかるにこの会計が現に政府の一方的な処置で停止されている。休業状態にあるこの会計に、一般会計から国民の膏血による五十四億七千万円の金を繰入れようとしている。そうしたら当然資金がそれだけふえることになるのです。ふえるという行為は、この会計法に規定してありますこととは違うのです。それは当然新しい承認を必要とすると私は思いますが、単なる予算的処置だけでそういうことが許されますか。
  8. 三浦辰男

    三浦説明員 それは許されるという解釈であります。
  9. 井上良二

    井上(良)委員 許されるという解釈は、それは政府の一方的な解釈であつて、少くとも国会としてこの会計を審査し、この会計に関する法律案を可決して来たことから考えますならば、それは当然違法であります。明らかなる違法であります。いま一つ、それを私はここであえて議論をしようとは思いませんが、伺いたいのは、去る七月の末でしたか、政府の方から農林省、経済安定本部、それから大蔵省、三省の名前でもつて、この会計赤字実情についての清算報告書というものが、本委員会に提出されております。それによりますと、現物不足が十四億、昨年末の暖冬異変によるいろいろな損害がやく十億、さらにまた増産、輸送の奨励金、あるいはまた長尺物まきの値下げの損害、こういつたものを全部合計いたしまして、たしか三十三億五千万円でないかと記憶いたしておりますが、それだけが当面の赤字である、こういう断定のもとに、国会経過報告をされておる。従つて当面の赤字は、まずそれだけになつております。しかるに第六国会で、政府補正予算として出そうとする薪炭特別会計赤字補填という項目の中に、計上されておる金額は、五十四億七千万円となつておる。約二十億というものが多いのであります。これは一体どういうことを意味するのか。二十億これから赤字が出るという想定のもとに、こういう予算を計上したものでしようか、それとは全然関係なしに、単に薪炭債券支払い期日が来ておるがゆえに、やむを得ずこれは払うのである、こういうのですか、その点を明確に願いたいと思います。
  10. 三浦辰男

    三浦説明員 ただいま政府の方で、一応組んである五十四億何がしの繰入金の問題につきましては、これは繰入れるということによつて、いわゆる政府債権を切捨てる、ないしはその債権回収に対してとことんまで行かない、ということにはならない。それとは関係がないのでありまして、現在まだ政府債権回収が思うように行きませんために、生産者関係方面に対しまして、約二十億の未支払金がある。これに対しまして、支払いをなるべくすみやかにしなければならない点と、また日本銀行が発行しております薪炭証券の五十四億何がしというものも、これまた全体の金融関係から見て、その償還問題が全体の金融関係に支障を与えている。こういうようなことからいたしまして、一応薪炭証券を発行しておる額を一般費から繰入れて、一は生産者方面に対する未支払金に充当し、一は薪炭証券の一部返却に充てるのであつて、繰返して申し上げますけれども、このことによつて政府債権というものの取立てをどうということには全然ならない。またすべきでない。かように考えておるわけであります。
  11. 井上良二

    井上(良)委員 そうしますと、五十四億七千万円を日銀及び中金等に、裏ずけになつて発行されております薪炭債券支払いをいたしますと、この両金融団から生産者支払う約二十億の金が融通されるという見通しでありますか。それはどうです。
  12. 三浦辰男

    三浦説明員 すでにこの金融問題につきましては、政府の当然支払わなければならない金でありますので、支払うべきものを支払わない関係から、金融措置としてただいま申し上げました約二十億の政府支払いに対しまする分を、すでに金融的には立てかえてもらいつつあるわけであります。それを金融でなしに、すみやかに債権取立ての金をまたずに、政府としては支払いを完了したい、一部はこういう意味の金でございます。
  13. 井上良二

    井上(良)委員 そこのところがよくわからないのですが、その生産者に払う二十億の金は、一体どこから持つて来るのですか。現にあなたは昨日の予算委員会において、いろいろ説明をされているところを聞くと、この委員会で話されているところと、多少食い違うところがあります。われわれは少くとも売掛代金回収なり、政府手持薪炭をすみやかに売却して、その間は政府の方から一時立てかえて金を払つてやれということをやかましく言うているけれども、それがまだ具体的に実現していない。単なる金融的措置ということならば、薪炭証券は二箇月の借りかえができるのですよ。この臨時国会で、あなたが先におつしやつたようにやめずに、四月までこれは継続して行くのですよ。この会計はこのまま法律上生きている。行為は停止しておりますけれども会計自身はあるのです。そうするならば、当然あなたは、薪炭生産者の未支払代金はあなたの方で金利をつけておられますか、今までほつておいたならば、金利をつけて払うべきが当然でしよう。薪炭生産者の未支払代金金融の道をつけるだけで、ほつて代金支払わない。支払わなければ、金利をつけてやらなければならぬ。金利を払うということならば、一方まだ清算事務は現に進行中ですから、日銀が五十億やそこらで行詰まるようなことはありはせぬ。うしろには大蔵大臣が控えているのだから、そんなことはちつとも心配ない。二箇月で借りかえができるのだから、三分何厘かの利子を払えばいい。片方の利子もどうせ払わなければならぬ。だからあなたのおつしやつた、二十億の未支払金をどこから持つて来て払おうというのか、単なる金融的措置だけではいけませんよ。代金をどこから持つて来て払うかということを明確にお答え願いたい。
  14. 三浦辰男

    三浦説明員 私の言葉が不十分のために誤解を生じて恐縮に存じます。前会でありましたか、この委員会で、井上委員等の発言があつての問題の関係でありますが、そこで二十億とすれば、その二十億生産者に払うべき政府債務を、どこから金を持つて来て払うか、金融だけではいけないことはその通りでありまして、ただいま政府が五十四億何がしを組んでおりますその金は、予算がその通り成立いたしましたあかつきは、その一般会計から繰入れます五十四億何がしの中から、生産者にただちに払える、こういうことに考えております。
  15. 井上良二

    井上(良)委員 そうすると、それは私に言わせるならばいんちきです。なぜかというと、ただいまのあなたの説明を聞いていると、五十四億七千万円というものは、日銀薪炭債券支払に充てるということになつている。そうすると、これは日銀に入つて行く。薪炭債券支払期間が来たから払わなければならぬというのが、理由なんです。主計局長の昨日の話を聞きましても、薪炭会計にはもう金がないのだ、だから一般会計からこれだけ繰入れて、この金は薪炭証券支払に充てますということを、きのうはつきり主計局長予算委員会で言明している。この五十四億のうち、二十億を薪炭生産者に払いますということがはつきりしていない。これがはつきりしておれば私は何も文句はない。当然払わなければならない、置いておけば利子がつくものですから、そういうことについて私は異議を申し立てるのではない。この四月に買上げを停止して以来、これをほとんどほつたらかして、今日その金がもらえず、山元の生炭者はどれほど苦しんでおるでしよう。それに何らの手当をしてやらない。日銀から借り入れたものは借りかえがきかないじやない。二箇月の更新がきくのです。その方はちつとも手を打たないで、単に期間が来たからということで、一般会計からそれを繰入れて支払う、問題はそこにあろうと思う。この五十四億七千万円のうち、二千億が薪炭生産者に払われて、あと三十四億が薪炭債券支払いに充てるということをはつきり言うならば、それではつきりするのですが、その点どうですか。
  16. 三浦辰男

    三浦説明員 今の御質問に対する答弁でありますけれども、私どもといたしましては、先ほど申し上げた通りに、五十四億何がしか一般会計からの繰入れの予算成立いたしましたあかつきには、そのうち政府生産者に対して支払わなければならない債務のものにつきましては、支払いをただちに開始する。それから一部は今の日銀の発行しております薪炭証券の一部償還に充てる、かように承知しております。
  17. 井上良二

    井上(良)委員 だからまわりくどいのです。私は端的にものを言うているのですが、五十四億七千万円の中で、未払代金というのが約二十億ほど残つているわけですね。私は、この前のあなたの答弁では三十億と聞いていますが、あなたの今の答弁では二十億というのですから、二十億としておいて、五十四億七千万円の中で三十四億は、日銀から貸してもらつた薪炭債券支払いに充てる、あと二十億は生産者に払う、こういう予算でございますか。それをはつきりしてもらいたい。
  18. 三浦辰男

    三浦説明員 そういう予算であることに私どもは承知しております。
  19. 井上良二

    井上(良)委員 そうしますと、これは一応大蔵省主計局長または大蔵大臣でもここに来てもらわぬと、昨日予算委員会における主計局長答弁は、この五十四億七千万円は薪炭債券支払いに充てるということを言明いたしておりますから、今の林野局長官答弁とは非常に食い違つておりますので、私どもどちらを信用してよいかということはここで申し上げませんが、この点は委員長においておとりはからい願いたい。  それからいま一つ伺いたいのは、昨日長官予算委員会において、政府手持薪炭の、現在持つておりますものについての報告をされておりました。本委員会において先般林野庁長官でしたか、薪炭課長でしたか、はつきりいたしませんが、政府手持薪炭は四月末現在木炭で三十七万トン、まき百三十八万層積石ガスまき九万トン、こういう報告を本委員会においてされております。しかるに昨日予算委員会において長官答弁を聞いておりますと、木炭が十三万トン、まきが七十七万層積石ガスまきが一万トン、こういう報告をされ、その金額は約十億円、この前の本委員会での報告では二十億と言つている。そうすると、この十億円というものはすでに売り払つたものでございますか、この点明かにしてもらいたい。
  20. 小笠原八十美

    小笠原委員長 井上君、明日大臣が見えないときは大蔵省主計局長でいいのですか。
  21. 井上良二

    井上(良)委員 そうです。
  22. 三浦辰男

    三浦説明員 ただいまこの委員会の席で、木炭幾らまき幾らガスまき幾らと申し上げたときの数字は、再三開いております関係から、いつ申し上げたか、今調べますが、大体現在手持しておると考えられる数量につきましては、昨日予算委員会で申し上げた数字でございます。
  23. 井上良二

    井上(良)委員 そうしますと、先般本委員会において発表した数字と、昨日予算委員会において発表した数字とには非常な開きがあります。ところが先般濱田薪炭課長はこの前の委員会において、すでに手持薪炭払下げというか、売払いについて一々調整をいたして準備いたしている、こういうことであつたのです。そうしますと、この薪炭はまだ金になつていないのじやないかという見通しが大体つけられる。ところが数字は非常に開きがある。一体これは何を意味するのかということです。これはすでに速記録にあなたの答弁されたことがはつきり載つていますから、お調べを願いますとわかりますが、四月末にはこれこれの手持がある、金額は二十億である、そうして山元で約三割、消費地で約二割の損害が来はしないかということを予想されるということを、はつきり答弁されている。その後薪炭課長は、その後の清算状況について報告されました場合、今各木炭事務所に対して政府手持ち薪炭払下げについての整備をいたしている。こういう報告をされている。そうしますと、この間わずか二箇月ほどの間に約十億円ほどの開きが出て来た。一体これは何を意味しているのか。いいかげんな、でたらめなことを説明され、報告されたのじやないですか。これは非常に重要な問題ですよ。
  24. 三浦辰男

    三浦説明員 私どもの今手元にある数字は、七月末の在庫の数字であります。あのときには木炭において二十五万トン、こういつた数字だと思います。先ほど御質問の中で述べられた数字は、その後における経過的の処置のときかと、今数字を探しておりますが、その七月と言いますと、木炭におきまして六万二千トン――あとは省略いたしますが、まきで四十九万一千層積石ガスまきで一万六千トン、こういうものをその後処分をいたしました。そこで先ほど申し上げたような数字になるわけなんです。現在私どもといたしましても、この冬を目がけているわけでありまするから、整理のつき次第どしどし売払いをしておるわけであります。
  25. 井上良二

    井上(良)委員 なお本会計清算事務に入つておる過程において、政府がその過程を無視されて、補正予算赤字補填として五十四億七千万円を計上することは、国民に与える影響が非常に重要なものがありますので、補正予算計上反対動議を提出してありますが、これは今長官説明をいろいろ承つておりますると、大分話はつきりわかつて参りましたから、明日さらに主計局長を呼びまして、実情をよく調査の上でさらに適当な手続をとりたいと思いますから、それまで動議は一応保留いたしておきます。
  26. 小笠原八十美

    小笠原委員長 他にきようのところ薪炭に関する質疑はありますか。
  27. 藥師神岩太郎

    藥師神委員 私は先々月の委員会に、つまり整理木炭代の未済の処理及びこの製炭資金の問題とは別個に考えられることを希望しておつたのであります。言葉をかえて言えば、債権回収して、それを木炭払代金に充当するというような緩慢なことでは、非常に現在こげついておる未払代金のために、生産者その他が非常に困つている現状にかんがみ、この意見を吐いたのでありますが、今度一般会計から予算措置によつて赤字補填に充当する。あるいは薪炭手形返済に充てるというようなのは、今井上委員からいろいろ議論があつたのでありますが、しかしその大蔵当局予算委員会説明したという五十四億七千万円というものは、結局日銀薪炭証券支払いに充てるということと、林野局長官が一部は木炭代金支払うということとは、非常に疎隔があるように思うが、私考えるのに、結局五十四億七千万円というものは、薪炭証券支払いに充当されるものではあるが、暫定的に今のこげついている木炭代金に二十億くらいなものは一応まわして、そうして債権回収された場合において薪炭証券の方はつまり解消するという意味に解してよろしいですか。
  28. 三浦辰男

    三浦説明員 問題の五十四億七千万円につきましては、先ほど御答弁申し上げましたように、あの予算成立いたしますれば、その一部をもつて政府支払いをしなければならない。つまり債務となつておりまする分について支払いをいたしまして、その間は日銀の発行しておりまする薪炭証券返済については待つてもらう。一方回収することによりまして、回収に応じまして薪炭証券支払いに充てる。現在政府手持薪炭についても、それぞれの事情からいたしまして、なるべく損害のない方法で売り払つておりますけれども、まだ先ほど申したような数量を持つております関係、また債権回収に努めておりますけれども、その目標はなるべく年内というようなことでやつておりますけれども、今日の時勢なかなか思うようなスピードで来ない。こういうような事情からいたしまして、さしあたりその数字はたまたま日本銀行の発行しております薪炭証券と同じ額の五十四億七千万円ではありますけれども、それを一般会計から繰入れてかりにいただいて、その中で一部は政府債務に、薪炭関係債務に充てる、一部は今まで待つてもらつてつた薪炭証券返済に充てる。かように考えております。
  29. 藥師神岩太郎

    藥師神委員 大体私の解釈と一致するようでありますから、その点は了承できるのでありますが、次には暫定措置として、各府県の木炭事務所において売渡した数量に対しての認証ができれば、農林中金から一時借入をさす。こういう措置がとられておるようでありますが、これはいつごろ実際において生産者その他に現金が渡る見込でありますか、その点をちよつと……。  それとなおそれに附随して、今まで支払いの延びておる利息というものは、まだ今日は相当ふえておると思います。先々月九千八百万円くらいに達しておつたと思いますが、これはやはり規定通りに払われるのか。今の農林中金の問題は十分御存じだと思つたのですが、御本尊が御存じないのはいかんと思います。これは地元では待ちこがれておるのだから……。今の各木炭事務所において、政府に売渡した額についてあらかじめ認証のとれた分については、農林中金からすぐに金を融通するという措置が講ぜられつつある。これは暫定措置として……。予算成立までは金がないわけだから、それはいつごろ生産者方面に渡されるのかということです。
  30. 三浦辰男

    三浦説明員 金融の問題は、九月の二十七日にその問題のとりきめがきまりまして、さつそく木炭事務所関係者を呼びまして、こういう措置が締結できてきまつたら、今までの政府の払うべき債務、それに対して、一方もし――たとえば同じ団体で言えば、取立てるものがあるとすれば、相殺をして、そこでその政府の払うべき額はまさにこれであるという証明を出して、そうしてこの暫定金融措置に乗せるように、こういうふうにこちらとしてもその滲透をはかつておりまするし、また中金方面でも、それと同じような措置をとつてくれておりまするので、私どもといたしましては、もうすでにこの新しいと言いますか、暫定的な措置によつて、すでに金になつているのではなかろうか、私どもは当然なつているものだと今のところ考えておるわけであります。
  31. 藥師神岩太郎

    藥師神委員 われわれの方の県では、おそらく全国で類例のないくらい、木炭については事故がないのですけれども、その問題は一向進捗しないのです。進捗しないのだから、まだ一銭も金は出ておりません。それを見ても、多少事故の多い所などはなかなか解決つかない。われわれはひよつとすると、今度一般会計から繰入れをしようという予算成立の方が、ぐずぐずしておつたら先になりやしないかと思うのであつて、そういう暫定措置は早急に講じられなくてはならぬと思うのでありますが、一向にこの問題は進んでいないのです。われわれの県でも運賃を入れると約七千万円くらいあるのです。全国では福島の次くらいじやないかと思うので、実に困り切つておるわけですが、こういう問題は、せつかくそういうように暫定措置を講ずるのでありますから、早急にこれが解決するように、特別の御配慮を願わなければならぬ。そうすることがまた親切なやり方である、かように考えるわけであります。  それからもう一つは、つまり先々月の委員会において、現在までに出ている欠損というものが三十四億五千万円、これから出て来る見込みのものが二十億、こういうふうであつたのでありますが、われわれの県で見ると、粉炭に、中央で予想されているよりも以上の大量な欠損が出て来やしないかと思うわけであります。これはここで数量等については、資料がなければ次の機会でもよろしいのですが、粉炭言つて木炭の粉となつたものとは違つて、おが屑を炭化したものです。それがわれわれの県には一つの倉庫でも数万貫というものが、はや何年間堆積をしておるのですけれども、今日処分すれば十分の一に売れるか、あるいは十分の二しかとれないかというような状態にあるのであつて、実際問題として、処分するということになると、ほとんど取手がないような現状にあるのであります。これが全国的にどれくらいな数量に上るか。これは全国的には相当大きな数量に上るのではないかと私思うのですが、これが今わかつておりますれば、その数量等林野庁の方での損耗の予想を聞かしてもらいたいと思う。資料がなければ次の機会でよろしい。これは案外、あなたらの方で見込まれているよりは数倍の欠損が出て来るのではないかと私は見ております。この点をひとつ出してもらいたいと思います。  それからなお続いてもう一つお伺いしておきたいのは、木炭特別会計の方に勤めでおる職員の問題であります。これは委員会のたびに、委員の方からも相当温情があると申しますか、理解のある意見が吐かれておるわけであります。総体的には、この身柄というものは十分処置しなくてはならぬ。また長官においても、この点は十分責任を持つて解決つけるという御答弁であつたのでありますが、もう五箇月後になつたら、実際問題としてこの問題にぶつつからなくてはならぬ。それで委員会の方の意見を総合してみますると、この木炭事務所においては不都合な者も相当あると考えられるわけであります。刑事問題を起さないにしたところで、不適格者が相当あると考えられるわけでありますが、これらの処分は当然であると考えます。しかし一面においては、一木炭事務所のみの責任によつて、こういう事態が起つたものではないのでありますから、当然これらの身柄については、処置を構じなくてはならぬのでありますが、今木炭事務所などの現状を見てみますと、浮き足が立つてしまつておる。実際においては一人も就職の見込みが立つていないわけであつて、腰が浮いてしまつておるわけです。これではほんとうに残務の整理が完全にできぬのじやないかと私は思うわけであります。もとより今日は購買の方も、売渡しの方も機能を停止しておるのでありますから、整理のためにこれまでの人員がいるとは考えられないのであります。私は半分なりあるいは三分の一なりで、十分この整理の問題はこと足りると見るのでありまするが、この問題については、一刻も早く不適格者あるいは犯罪その他の事実があると認められる者は整理をして、そして残し得る者は身柄を十分保障するだけの措置をとつてやらなくては、完全な整理はできぬのではないかと、かように思うわけであります。この点は私は単に一県の問題をお話ししておるのではないのであります。単に各府県の所長に責任を持たして、どこかに世話してやれというような投げやりな考えでは、この問題は解決つかないと思うわけでありますが、何かはかにまとまつたお考えがあるか、この点をひとつあわせて承つておきたいと存じます。
  32. 三浦辰男

    三浦説明員 第一番目のせつかくやつたあの金融暫定措置が、さつぱり滲透しておらない。これについてのすみやかな実現ということについて、さらに措置しろという御注意は、私どもとしてまことに恐縮に存じます。これはさつそく措置しなければならない。私どもといたしましては、先ほど申し上げたように、動いておるものだと、かように存じておつたのでありますが、さらに措置をいたします。  それから粉炭についての問題でありますが、現在粉炭は一万七千二百四十四トン程度あります。この問題については、松炭の古くなつたのとともに、実は非常に処分上困窮をいたしております。ものによつては、極端に言えば御指摘のような価格でなければ引取り手はない、こういうことであります。そこで政府の方としては、どのくらいにこれを評価しておるか、というお尋ねでございますが、私どもといたしましては、平均のところ、いろいろの事情がありますが、大体六割八分くらいになるのではなかろうか、こういうふうに考えているような状況でございます。  それから第三のこの職員の身分についての問題でございますが、確かに仰せのごとくに、残務を一生懸命になつてつておるもの、そうしてしかもその人に別に非がない、ただ薪炭特別会計としての終幕のために、その身分の転換をはからんというようなものにつきましては、私どもといたしまして、当然その問題を心配をせずに急いでやつてもらいたい。まじめに整理をしまいまでやつてもらえるものについては、私どもとして、何としてでも心配をかけないからというようなことを申しておりました。現に同じ林業関係であります営林局署の方面、あるいは作物報告所の方面、またあるいは県庁またはその団体等の方面、またさらには民間の薪炭あるいは林業関係方面にせわするべく、一応の計画を立てて、大体の期別を申しますか、たとえばこの十二月までにそこの木炭事務所ではどのくらいあればいいか、それが来年の三月になればどのくらいに減つてもいいか、あるいはこの木炭事務所整理が進捗しているから、大体十二月一ぱいでもうよそへ転換してもいいじやないか、あるいは転換しても働けない人ならば、その際に他の方へせわするわけだが、どういう希望があるかというようなことを調べて、現に実行してありまして、御注意の点につきましてはでまるだけ配慮をしておるつもりでございます。
  33. 井上良二

    井上(良)委員 ついでにもう一点伺つておきたいのです。それは非増に大事なことですが、この五十四億七千万円の赤字補填の問題ですが、大体概数にいたしまして、三十三億五千万円が去る四月末日に出された赤字の予想、そのときの政府のつじつまは、未回収金額が約二十億ある。それから支払うべきものが大体二十億あまりある。それからその後に政府手持薪炭の売払い代金が入つて来る、こういうことに計算をいたしてみますと、全体でもつて赤字はやはり三十三、四億でとまりはせぬかという見通しであります。そういたしますと、ここへ五十四億の赤字補填ということで出て行きますと、一体二十億というものはどこへ逃げたかということになりますが、この内容をもつと詳しく説明を願いたいということ。  そのついでに、昨日あなたは予算委員会で、この赤字の出ました原因は、過去十年間この会計がたなおろしをしなかつた、こういうことを説明されておる。それ自身まことにけしからんことであります。会計としてはまつたくなつていない状態を暴露しておりますが、少くとも一手買上げ、一手販売をするこの会計が、現物を照し合さずに、帳簿を合すというようなばかな会計が天下にあるべきものじやない。しかしそれをやらなかつたということを、公然と国会委員会であなたは報告されているのですが、かりにあなたのその御説明によるたなおろしをしなかつたということによつて生じた赤字の内容を、われわれが推定をしますと、結局それは現物不足として出ている十四億というものでないかと推定されるのであります。その他の赤字の原因というものは最近起つた赤字の原因であります。すると、十四億の赤字の内容をいろいろ検討しますと、いろいろ問題はありましようが、ともかくこれを過去十年間にさかのぼつたといたしましても、かりに一年二年とこれを割つてみたところで、年間大体一億一千万円くらいの赤字の累積でないかと推定される。現にあなたは本委員会において昭和二十二年度末の赤字は、この会計においては一億四千万円しかないということを言明されている。そうしますと、この五十四億幾ら赤字補填として計上されます内容でございますが、私どもから考えますならば、結局過去十年間に累積しているというのが、十四億の現物不足だけでないかと思いますが、それよりほかにありますか。その点事もあわせて明確に願いたい。
  34. 三浦辰男

    三浦説明員 たなおろしをしたことがないということを申し上げて、まことにおしかりをいただきましたが、これは遺憾ながら事実であつたので、私もいかんともすることができません。まことに残念でございます。ところで、過去の欠損と考えられるものは、その現物不足であつたもの以外にあるかというお尋ねでございます。その問題については、調査をして二十日ごろまでにそれを明らかにしたいと存じましたが、まだすこし遅れておりまして、ここに報告するわけには参りません。至急これは近くある程度御報告のできることになろうと存じますが、当時の薪炭特別会計規則、それから戦後の会計令におきまして、三月三十一日の手持薪炭については、市価をもつて評価するという言葉がございます。そしてそういう会計規則、勅令ないしは政令でありますので、この特別会計の始まつた昭和十五年以来の決算におきまして、いわゆる市価で、帳簿上の数字ではありますが、評価をして決算をしております。そこで、私どもは十五年来のこの会計の決算報告に基きます数字ではありますが、角度をかえて、いわゆるこれを企業会計的と申しましようか、商売的な角度から分析してみた場合、どうなるかということでやつてみておるのでございます。その数字が近くまとまるし、またまとめねばならぬと存じますが、それによつて説明を申し上げたいと存じます。
  35. 井上良二

    井上(良)委員 わかりました。     ―――――――――――――
  36. 小笠原八十美

    小笠原委員長 それでは次に食糧確保臨時措置法の一部を改正する法律案及び食糧増産確保基本法案を一括議題とし、質疑を継続いたします。深澤君。
  37. 深澤義守

    ○深澤委員 食糧の確保をいたす場合におきまして、生産の裏づけとなる肥料問題は、重大な関心を持たれておるのでありますが、最近においてこの肥料を扱う肥料公団の経理関係に、非常に疑惑をはさまなければならぬ問題が出て参りましたので、この点について監督官庁である農林当局がどういう見解を持つているか、これをひとつお伺いしたいのであります。  ます肥料公団の発表しております、二十三年の十月から二十四年の三月までの下半期の決算でありまして、肥料運賃の決算表とありますが、これを見ますと、われわれには納得しかねる数字が出ておるのであります。     〔委員長退席、山村委員長代理着席〕  それはどういうことかと申しますと、大運送賃の中に、一般的に公表されているところの運賃は十七億、実績が十三億ということになつておりまして、それには差額が約四億ばかりある。この差額を一体肥料公団はどういうぐあいに処置されておるのか。つまり公表されているものと実績とのその差額をどういうぐあいに処置されているのかということであります。それから小運送の面におきましても、この公表と実績の間に約二億五千九百万円ばかりの差額があり、大運送、小運送を通じまして六億五千九百万円が、公表と実績の間に差額がある。もつとつつ込んで申しますと、農民からは公表によるところの代金をとつているが、実際に払つているのは実績に基くものであるから、六億五千九百万円が農民の負担になつている。これを肥料公団はどういうぐあいに処置されているのか、こういう問題が第一番に考えられるのでありますが、あとから御返事によりましてなお質問したいと思います。農政局長の、監督官庁としての責任のある立場から、この点についての御意見を伺いたいと思います。
  38. 藤田巖

    ○藤田説明員 一部の方から、ただいま御指摘のような問題があるという話があつたわけでありまして、私どもといたしましても非常に重要視しております。この問題は現在調査をいたしております。まず私どもといたしましては、公団の監事として、この事実に対する責任のある決算として、これは正しいと見るか、あるいは不正と見るかということを聞かしてもらいたいということで、今調査をやらしているわけであります。それからまた別途経済調査庁におきましても、たしかこの月の中ごろから、いろいろ公団経理についての検査を現在進めております。従つてどもといたしましては、これらの結果を一応聞きまして、その結果に基きまして適当な処置を講じて参りたい。もしも不正の事実があります場合は、適当に処置して参りたいと思つております。その結果は大体今月一ぱいかかると考えますので、しばらく時日の御猶予をいただきたいと思つております。
  39. 深澤義守

    ○深澤委員 なお農政局長にお伺いしたいのでありますが、肥料公団は、この二十三年度下半期の決算表を農林省に提出しておるかどうか。その提出されたものを、正式なものとして農林省はそれを受けつけられておるかどうか、その点をひとつ伺いたい。
  40. 藤田巖

    ○藤田説明員 これはたしか公団経理に対しましては、安本長官の監督に属しておると思います。従つて安本長官に対する申請が参つております。しかしそういう事実が一方に出ておりますので、これは未処理で解決はしておりません。
  41. 深澤義守

    ○深澤委員 今のお言葉によりますと、農林省が直接監督をしておるのでありますが、よし経済安本の方へ出すにいたしましても、農政局長としては、この二十三年度下半期の肥料公団の決算書を見られているのかどうか。正式にそれが出されているのかどうか。その点を伺いたい。
  42. 藤田巖

    ○藤田説明員 決算書はそれぞれ提出されていると考えます。ただそれについては、その後こういう問題が起つて参りましたので、この真相を明らかにした結果をまつて、適当に処置したいということで、まだ処置はいたしておりません。
  43. 深澤義守

    ○深澤委員 なおこの問題と関連いたしておりますが、かますの運賃問題について、われわれの非常に納得できない点があるのであります。それはどういうことかと申しますと、わら工品の指定業者に対してかますは供出させるのでありまして、これが公団を通じて肥料工場に行つておるのでありますが、このかますの運賃諾がかりが、一枚について六円ずつかかるのでありまして、これが消費者であるところの農民から負担されておるのであります。ところがこれをしさいに検討いたしてみますと、北海道、関東、東北、近畿、中国、四国、九州というぐあいに、この運賃はおのおの違つておりますが、平均しますとこれが二円七十八銭でまかない得る状況になつておるのであります。諸がかりがかかるといたしましても、三円で十分これはまかない得るのであります。従つてこの一年間に公団の扱うところの大体予想する四千万枚のかますが、一枚三円であるとするならば、一億二千万円でまかない得るのであります。ところが六円ということにして、消費者である農民の方から負担させておるのであります。そういたしますと公団が不当に一億二千万円との差額を所得しているという結果になるわけであります。われわれはこういう問題についても、これは不当に農民に負担させるのではないか、公団の不当な所得であるというぐあいに考えることができるのであります。こういう問題もあるのであります。  さらにもう一つの問題は、肥料公団が不正融資をやつているという問題であります。これは総裁の鈴鹿さんの名前において預け入れた勧銀への預入金のうちから、東宝の社長である渡邊銕蔵氏に、五月二十日付で二千万円の融資をしているということも発表されておりますが、こういう点についても、われわれはまことに納得の行かない問題であると考えます。この肥料問題は、全国の農民が頼みの綱として非常に心配している折柄、この肥料を配給するところの肥料公団が、こういう納得の行かない処置をとつているということに対しましても、これは監督官庁である農林省とも、厳重に内容を調査いたしまして、われわれの納得の行くような御報告を、ひとつ願いたいと考えているわけであります。  それからもう一つの問題は、昨年度の下半期の決算書が、農林省あるいは安本の方に行つておるそうでありますが、現に肥料公団のある一人の監事は、これに対して署名していないという事実があるのであります。それにもかかわらず、それが正式な決算であるかのごとくに取上げられているのであります。明らかにわれわれがその人に会いまして、はつきり聞いておる。自分は判を押していない。もしも判を押すならば、この決算書のすべての書類というものに一応目を通さなければ判を押せない。こういうことをはつきり言つておるのです。こういう点について、これは農林省が一方において農民に供出を要請しておきながら、肥料の面においては、こういう納得の行かない状態をそのままほうつておくということは、まつたく農民としてもわれわれは承知できないと考えるのであります。どうかひとつこういう問題について、農林省は十分の調査をいたしまして、至急にこの問題を明らかにしてもらいたいということを要望しておきます。
  44. 藤田巖

    ○藤田説明員 御指摘の点については、現在私どもも調査しておりますので、十分調査いたしました結果、真相を明らかにいたしたい、かように考えます。
  45. 山口武秀

    ○山口(武)委員 今深澤委員から言われた問題なのでありますが、これは農政局長にお伺いしたいと思うのであります。と言いまするのは、きのう私はその問題につきまして、肥料配給公団の副総裁に会つたのです。そのときに、肥料公団の秩序の問題について、きわめてけしからぬものを見て参つたのであります。これは単に秩序の問題のみならず、公務員が人民に対する態度、これは容赦ならないという態度を感じた。と言いますのは、実は私ども副総裁に会いまして、部屋へ通りまして、名刺を出して話をしていた。ところがそこへ緒方という庶務課長がやつて参りまして、君たちは何だ、こういう態度なんだ。ぼくは国会議員だ、身分証明書を見せろ、こういう態度であります。国会議員だという名刺を出しておるのに、なんだ、国会議員もへちまもあるか、こういう暴言をはいた。すでに副総裁とわれわれが会つて話をしている。そこへ来て庶務課長がそういう物の言い方をしていいものか、庶務課長というものは副総裁の上にあるものか、はなはだけしからぬという感じを受けた。それからなおその問題につきまして、いろいろ副総裁から回答を求めた。ところがわれわれがいろいろな質問をしていると、副総裁が答える前に、庶務課長が、そういうことに対して返答の必要はなし、こう言うのです。これは変な話だ。副総裁はわれわれの話を聞いておる。ところが庶務課長は返答する必要はなし。そうすると庶務課長というものは副総裁の上にあるのか、副総裁は庶務課長の指図を受けるのか、こういろようなけしからぬ秩序というものはないだろう。しかもそういう態度が、ほかの人たちに対して、往々にしてあの庶務課長からなされているのではないだろうか。あるいは公団からなされているのではないだろうか。そうすると、農民の重大な問題である肥料を扱つている公団の態度としては、きわめてけしからぬ、こう思つて来たのです。これにつきまして、農政局長の意見をお聞きしたい。
  46. 藤田巖

    ○藤田説明員 ただいまの話は私まだ初耳でございまして、まだわかりません。よく聞きまして、もしも非常に行き過ぎたような点がございますれば、注意をいたします。
  47. 山口武秀

    ○山口(武)委員 注意をされるくらいでは困るのです。もう少しはつきりした処置をとつてもらいたい。
  48. 藤田巖

    ○藤田説明員 ともかく事実を取調べました上、処置いたします。
  49. 河野謙三

    ○河野(謙)委員 先ほどの深澤さんの御指摘の、公団の経理の問題につきまして、私も関連して農政局長にお伺いしたいと思います。と申しますのは、ただいま政府では重要物資の補給金を削つて、一部生産費の中にしわ寄せをいたしましても、大部分のものが削つた補給金を販売価格の中に繰入れるということをやつているわけであります。これは肥料につきましても、一部補給金を削つて、その額は二十六億とか三十億とかいうことを聞いておりますが、その削つた額を右から左に肥料の販売価格に加えて、来年の春から農民に配給するということが伝えられております。そういう際でありますから、ただいま御指摘のように、運賃において不正があり、結果において経理において不正があり、決算において不正があるということならば、これは時期が時期でありますから、至急に私はこの黒白を明かにしてもらいたい。先ほど農政局長は今月一ぱいということでありましたが、ぜひともお約束の通り今月一ぱいにやつてもらいたい、かようにまず第一にお願いします。  なお引続いてお伺いしますが、今回の肥料公団の不正事件につきましては、たまたまこの担当の経理の職員が、私が公団に就職をあつせんした男であります。この若い男の将来の問題もありますから、二日間にわたつて私は自宅に呼びまして、軽卒の行動のないように、また真偽のほどを自分自身から確かめました。大体私も先ほど御指摘のような事実があることを、私自身想像がついたのであります。つきましては、この問題についてまず第一点に伺いたいのは、従来からの慣例から行きまして、これは単に肥料公団に限りません。あらゆる公団、統制会社の決算については、直接監督官庁である農林省が、まず決算について下打合せの相談にあずかるわけです。民間の会社ほどではありませんが、各種の公団や統制会社においても、決算の裏表はあると私は想像いたしますが、この場合には、監督官庁がこの裏表に相談にあずかつているのが慣例であります。つきましては、この三月の公団の決算の前後において、農林省がこの決算に相談にあずかつたかどうか。先ほどこの、決算は監督は安本であるとか大蔵省であるとか言われましたが、これは形式上の問題でありまして、実質上には農林省が私は相談にあずかつていると思いますが、これについてあずかつておられるかおられないか、それをます伺いたいと思います。
  50. 藤田巖

    ○藤田説明員 そういう点についてもいろいろ調べているわけでありますが、必ずしも緊密なる連絡がとられているということは申せないようでございます。
  51. 河野謙三

    ○河野(謙)委員 これは私はおかしいと思います。あなたが直接なり、あるいはあなたの部下の方が相談にあずかつたか、あずからないか、これは呼んで見ればすぐわかることです。調査も何も必要がないことで、もし局長が今日までそういうことについておわかりになつておらなかつたら、即刻に明日の委員会報告してもらいたいと思います。私は相談にあずかつているのじやないかと思います。  もう一つ伺いたいのは、もともと事件の発端は運賃の問題でございます。この運賃は物価庁で査定するのでありますが、この査定そのものがあまりにでたらめであるから、実はこういう結果を生んだのである。この運賃の査定については、公団が運賃の原価を出して、これを農林省と相談して、その上で物価庁へ持つてつて査定してもらう。つきましてはただいま実施中の運賃につきましては、これまた私は公団の当事者と農林省の当事者と、運賃について十分に打合せをして、物価庁にその要求すべき書類を提出していると思いますが、今回のでたらめな運賃の査定の経路におきまして、農林省が従来の慣例に従つて、肥料公団と連絡の上で物価庁に書類を提出したか、どうか、これもひとつ伺いたいと思います。
  52. 藤田巖

    ○藤田説明員 この点も私の想像では間違いのもとになりますから、よく確かめましてあすお答え申し上げます。
  53. 河野謙三

    ○河野(謙)委員 この機会に、私はこの問題につきましては、特に重点を物価庁に置いて質問をしたいと思います。つきましては委員長にお願いしますが、明日物価庁と、それから経理そのものにつきましてのいろいろの関係から、会計検査院の担当の局長ですか、部長ですか、これをひとつ本委員会に呼んでいただきたい。かようにお願いしまして私の質問は一まず打切ります。
  54. 深澤義守

    ○深澤委員 今の肥料問題につきまして、もう一点お伺いしておきたいと思うのです。今までこの経理の上に納得のし得ない問題があつたのでありますが、それが本年の九月になりまして、大運送、小運送のプトル価格が引下げられておるのであります。それは大運送において八百五十円から七百円に、小運送においては千二百円から千円に引下げられているという事実があるのでありますが、なぜこういうことをしたのかということをわれわれは考える。今まで通りで行くということは、相当これは運賃を多く見積り過ぎておるのだ、その多く見積られた運賃において運営されて来た今までの肥料公団の運営というものには、当然そこに疑惑が持たれるのです。しかもこの価格を九月に決定する場合におきましては、肥料公団はABCの三つの案を出したそうです。ところが物価庁が非常に簡単にこのまん中のB案をのんだ。肥料公団はC案としては、六百円ないし六百五十円という大運送においては案を持つてつたそうです。これに決定されてもしようがないと思つてつたところが、その上のB案を採用されたということで、ひそかに喜んでおるというようなうわさもあるようなわけであります。従つて、非常にこれは疑惑がさしはざまれることも当然であると考えるのであります。従つて、われわれはこれを徹底的に明らかにする必要があると思うのでありまして、私は資料をひとつ提出することをお願いしたいと思うのであります。実は昨日われわれが肥料配給公団に参りましても、直接資料を提出することはできない、われわれに渡すことができない、だから監督官庁である農林省を通じて、国会の方に提出するというような手続をとりたいという意見でありましたから、さつそく肥料配給公団から農林省は資料をとりまして、本委員会に御提出を願つて、そうして十分この全貌を委員会の方々にも御承知願つて、御審議を願いたいということを私は希望しておきます。どうかひとつ委員長資料の提出方をお願いいたします。
  55. 山村新治郎

    ○山村委員長代理 資料の内容は。
  56. 深澤義守

    ○深澤委員 二十三年度下半期の肥料配給公団の決算関係に関する資料
  57. 井上良二

    井上(良)委員 食糧確保臨時措置法の一部を改正する法律案について質疑をいたしたいのですが、この法律案は第五国会から継続審査をされております。臨時国会も来る二十五日に召集になつておりますので、今日、明日のうちに大体態度をきめなければならぬことになりはせんかと考えますが、この場合この法案に関連をいたしまして特に伺つておきたいのは、本年の農業計画によります米及びかんしよの生産並びに保有、供出等を見ますと、米におきましては六千七百万石、保有が三千五百万石、供出が三千二百万石。かんしよは十四億九千七百三十一万五千貫。これで保有を七億五千四百万貫ほどとり、供出が七億四千三百万貫、こういう数字になつております。ところが本年は御存じ通り、九州は三回にわたる台風の被害を受け、関東また台風の被害にあい、近畿中部その他各地には病虫害が発生いたしまして、非常な被害を各地にこうむつており、所によつては鉱害その他いろいろな被害が伝えられておりますが、政府は本年の収穫予想を何ぼと押えておるか、一つは各県からそれぞれ被害についての減額補正を政府に要求しておろうと思いますが、この際わかります範囲において、各県から出ております減額補正の要求額、それから食糧庁の下部機関であります食糧検査所が調べました、作況の実情なり収穫予想高、それから作物報告事務所の集計に基く本年度の収穫予想額、そういうものがそれぞれ資料があろうと思いますから、それを御発表を願いたい。同時に、すでに一部はどんどん供出が始まつておりますし、刈取り、脱穀がどんどん進行しておりますので、本年度の補正割当の最後的決定は、一体いつ行うつもりであるか、この点もあわせて御説明を願いたいと思います。     〔山村委員長代理退席、委員長着席〕
  58. 安孫子藤吉

    ○安孫子説明員 ただいまの御質問にお答え申し上げます。二十四年産米の作況につきましては、植付当初においていろいろ危惧をしておつたのでありますが、幸いその後の天候が比較的高温でありましたために、一時楽観をいたしておつたのであります。しかしながらその間におきまして、台風あるいは病害、虫害等も発生いたしましたが、全体的には相当いいのではないかというような、大観して感じを持つてつたのであります。九月中旬以降になりまして、いもちその他うんかというような関係で、ただいまのところでは、作柄といたしましてはどうもあまりよくないのではないかというように見ておるわけであります。それでただいま御質問のありました第一点の、作報の収穫予想でございますが、これはこの十月二十一日に公表いたしておるものでありますが、作付面積が三百万七千百町歩、この作付面積のうち立毛が皆無でありました面積が一万三百二十町歩、従いまして、差引き収穫見込面積といたしましては二百九十九万六千七百八十町歩であります。これに予想反収を二石一斗八升と見まして予想収穫高が六千五百五十四万八千二十石、割当に比較いたしまして一〇四%というのが作報の調査になつておるわけであります。これは十月一日現在ということであります。  次に食糧事務所あるいは府県の方で、いかように今見ておるかというお尋ねであります。ただいまの作報の調査は減収増収両方キャンセルいたしました総体の数字でありますが、私どもは、今月の上旬に各府県別に各府県の状況を聴取いたしたのでありますが、これはどれだけその県においては減収になつたかという点を、いろいろ原因別に聞いたのであります。そのなまの数字を申し上げますと、府県の言つておりまする減収高は総計約九百三十万石であります。それから食糧事務所の末端機関におきまして、いろいろ減つておる方を調査いたしたのでありますが、この数字は減収が五百三十三万石という数字に相なつております。私どもといたしまして、この作報の数字並びに道府県からの御報告あるいは食糧事務所の調査、その他いろいろな情報も収集いたしておりまするので、この辺を勘案いたしまして、できれば今月の末、多少延びるかとも思いますが、今月の末あるいは来月の五日までには、本年度の補正高をきめまして、府県知事の御審議を願いたいと思つております。
  59. 井上良二

    井上(良)委員 そうしますと、農林省としてはまだこれらのいろいろな資料整理中といいますか、被害の実情をいろいろな資料によつて検討を加えて、最後的のものはまだできてない、こういうことですか。
  60. 安孫子藤吉

    ○安孫子説明員 ちようど各方面資料整理いたした段階でありまして、私どもとしての原案はまだできておりません。実は昨日、本日この調整委員の中央審議会を開催いたしまして、かような資料を提出いたしまして、委員各位の御意見も伺つておるところであります。その辺も十分勘案いたしまして、これから早急に原案を作成いたしたいと考えておる段階であります。
  61. 井上良二

    井上(良)委員 一番やつかいな問題は、御存じ通り作報の調査でありまして、これは私本農林委員会を代表いたしまして、委員会から九州の各地をずつと視察をしてまわり、その他各農村地帯をまわりまして、一番問題にされておるのは作報の作況調査のやり方であります。これがどこの農民も納得しておらぬし、どこの県側も納得しておらぬ。そのやり方がまことに科学的なような説明はしておりますけれども、実際の現実にあてはまつてない。しかもその作報の予算なり人員というものが、満足に渡つておりません関係から、その調査のやり方に対しましても、ほとんど机上的な計算が多くて、現実にあてはめられた場合には、そこにいろいろなむりが生じておるということは、すでにお聞きの通りと思いますが、この資料が、実は作況決定の一番重要な資料に採用される危険がいつもあるのであります。これらの点に対して、少くとも米買上げの、供出の責任者であります食糧長官は、この資料を一体どう見られておるか。いわゆる本年の収獲予想見込みを、六千五百万石と作報は押えた。しかし作報の調査は今お話の通り、被害がほんとに最終段階に来ておるところを押えたのではなしに、一応出穂いたしまして穂数がそろうたという、そういう程度を抑えた数字ではないかとわれわれはにらんでおりますが、それらの点について検討を加えたことがありますか。この点を伺いたい。
  62. 安孫子藤吉

    ○安孫子説明員 この作報の収穫予想高の発表といたしましては、十月一日現在でありますけれども、これが末端において調査をされました時期は、おそらく九月の上旬あるいは中旬であろうと思う。ことしの作柄は非常に妙な状況であります。収穫期に近づいて非常に悪くなつたというのが一般的な情勢であります。九月の中旬以降の状況が悪化した因子が、今回の予想収穫高の中にどの程度織り込まれておるかという点については、相当私どもも疑問に思つております。この点は補正をいたしますについては、十分考慮を加えて行かなければならぬ点かと存じております。県別にこれから当つて、実はその点を見当をつけてみたいと思つておる最中であります。
  63. 井上良二

    井上(良)委員 次に今年度の作況並びに補正に対して重大な関係をもつております問題は、一つは米価問題かと思います。一つはいも類の統制を一部解除するとか、あるいは来年から統制をしないとか、あるいはまたは米券案なるものを検討を加えて、これを法制化しようというような動きも一部にございます。新聞の伝うるところでございますから、どこまで正確かわかりませんが、九月十二日総司令部より農林大臣あて、いも類統制撤廃に関する覚書が手交されたというのですが、それは確かでございますか。ちよつとこの際お伺いいたします。
  64. 安孫子藤吉

    ○安孫子説明員 それは事実でありますが、その内容は一九五〇年度においては、いも類の統制あるいは価格統制、配給統制について、日本の政府は統制を緩和する考えがあるならば、それは考えてもよろしいという意味のことであります。従つて一応その点については、日本政府の方に預けられたような形になつておるものであります。このメモランダムは九月九日に来ております。
  65. 井上良二

    井上(良)委員 そうしますと、政府の方から司令部に対して、そういう要請をいたしたのですか。少くとも現行食管法及び食糧確保臨時措置法には、いも類は主食として統制をされておるのです。その統制をされておりますものを、法律として何ら改正も加えずに、そういうことが許されますか。その点どうお考えですか。
  66. 安孫子藤吉

    ○安孫子説明員 このメモランダムについて、こちら側から何とか働きかけたのかというようなお尋ねですが、さようなことはございません。司令部といたしましては、相当長期にわたり需給の推算をやつておりまするので、また全般の情勢からいたしまして、かようなメモランダムが出たものだろうと思います。私はさように考えております。
  67. 井上良二

    井上(良)委員 どうも非常に上手な答弁でございますが、そうしますと、食糧庁長官はそういうメモランダムをもらつて、一九五〇年度の食糧の需給の見通しは、いも類の統制を撤廃した方がよいとお考えでございますか。これは現行の食糧需給の上において、重要な問題を持つて来るのでありますし、また本年度の補正割当供出等に重大な関係を持つて来ますので、この際その点を明らかにしてもらいたい。
  68. 安孫子藤吉

    ○安孫子説明員 二十五年度のいもについては、かようなメモランダムが出ておりまするけれども、これは強制をしているモランダムじやありませんので、その点については、十分研究してみたらよかろうという程度のメモだと、私は解釈しております。食糧の需給につきましては、よほど慎重に考えなければなりませんので、その点はことしの状況とも考え合せなければなりませんし、もう少し研究をやつてみなければならぬということで、私どもは、このメモランダムに対する回答の成案というものをいまだ持つておりません。いろいろの状況を考慮いたしまして、研究をいたしておるという過程でございます。
  69. 井上良二

    井上(良)委員 しからば、今年度現に供出されておりますいもについては、これは統制を撤廃しないという方針で参りますか、それを明らかにしてもらいたい。同様に米券柔なるものが一部に唱えられて、末端においてはどうなるかということで、供出の上にもいろいろな影響を与えております。これらのものに対して、責任者であるあなたは、どうお考えでありますか。この際明確にしてもらいたい。
  70. 安孫子藤吉

    ○安孫子説明員 事務当局といたしましてお答えを申し上げまして、あと政務次官からお話願つた方がよいと思いますが、本年のいもにつきましては、作況の関係もあり、また財政上の問題も真剣に考えて行かなければなりませんので、全面的に最後まで統制を続けて行くかどうかということについては、いろいろ問題があろうと思います。その点について、政府の内部といたしましては、食確法の建前もございますし、割当をいたしたものを中途でやめるというわけにも参りませんので、割当数量は全面的にこれを約束通り買う、なお超過供出についても、ある程度のものは買いとる、しかもいもの生産が多かつた場合におきましては、これまで全部しよい込むということは財政上の観点からして多少問題も残りますので、その点については、例外的な措置をとることが適当じやなかろうかというような意味合いにおきまして、ただいま関係筋ともいろいろ交渉いたしておる段階でございます。米券制度につきましては、政務次官よりお答えいたします。
  71. 坂本實

    ○坂本説明員 お答えいたします。いも類の統制撤廃の問題につきましては、九月の下旬ごろから、与党にもいろいろ意見がございまして、連絡をとりつつ、本年度のいもにつきましては、供出完了後の自由販売を認める方針で一応立案を進めて参つたのでありましてただいま関係方面ともいろいろ折衝をいたしておるのでありまするが、明年度の問題、一九五〇年につきましては、メモランダムのお話もございますが、今年度につきましては、いろいろ司令部の間にも御意見があるかのように考えられます。それといま一つは、食糧管理特別会計におきまする赤字の問題でありますが、統制をこのまま続行して行きますることの方がよいか、あるいはまた一部に自由を認めるがよいかというような問題につきましても、司令部におきましていろいろ御研究になつていると思うのであります。しか政府こいたしましては、いずれにせよ早く結論を出さなければならないと考えているのでありまして、いろいろ折衝を続けているのが現状でございます。
  72. 井上良二

    井上(良)委員 そうすると、大体政府の方では、割当だけのいもは買い上げる。超過供出の一部を買い上げる。そのあとのいもは自由販売にする。こういう大体の意向のように今承つたのですが、末端の方では御承知の通り九月、十月、十一月、十二月と、出荷計画がそれぞれ立てられておりまして、一度にいもを出すことを抑制しております。そうしますと、ある地域では非常に早く供出を完了され、また超過供出の分も買い取つてもらえましようし、ある地域では十一月の末、十二月にかからぬと供出の完了もできませんし、また超過供出も買つてもらえぬ、そういうことに事実なるのです。そうなりますと、ある地域のいもはすでに自由販売に売られているものがある、ところがある地域、ある農家においては供出を完了しておりませんから、そこは自由販売はできない。こういうことになつて、マル公のいもと自由販売のいもとを政府は一体どう見分けますか、それと同時に、この自由販売のいもで、かりに澱粉をつくつた場合、統制している澱粉と自由販売のいもによる澱粉とどう見分けますか、この点を明らかにしてもらいたい。
  73. 安孫子藤吉

    ○安孫子説明員 供出完了後の自由販売について、いもにしるしはないんだから、どこで一体見分けをつけるかというお話でありますが、まさしくその点はおつしやる通りだと思います。ただいまお話がありましたが、ある地帯では供出が完了したら自由であり、ある地帯は完了しないから自由じやないというお話でございますが、実はもつと細分されて、それは各農家ごとに違つて来るわけであります。その際に出ましたいもが、これが完了農家のいもであるか、不完了農家のいもであるかという区別は、実際問題としてつきかねると思います。その点において、非常にやかましい意味で取締りをして行くという観点からいたしますと、いろいろ問題はあろうかと思いますけれども、大勢としておおむねこの出荷計画に基いて完了いたしますならば、その一帯のものが割合に自由に動いて行くというような事態に相なるのじやなかろうかと思つております。それに引続いて、その際の統制いもと、統制されざるいもとの澱粉の関係はどうなるか、この点は、統制されたいもは政府が買い、公団に行つておりますので、従来のようにこれを澱粉工場に原料として送りまして、その澱粉を政府が買いとるという形において、これははつきりして来ると思います。しからざるいもについては自由になる。ただ原料いもを政府が渡したものを使つたかどかという点につきましては、これは十分監督しなければならぬと思います。
  74. 井上良二

    井上(良)委員 そこでもう一つあなににお伺いしたいのですが、現に継続審査までやつております本法案、食糧確保臨時措置法の一部を改正する法律案に対して、あなたの方でこういう提案理由を出しておるのです。今日まで、つまり現在食糧が不足をいたして約二割五分を輸入食糧に仰いでおるのであります。そして今日までこれはすべて連合軍占領地救済基金によりまして供給されておるのでありまして、われわれが自力で調達し得たものではないのであります。われわれは連合軍の絶大なる援助により、終戦以来今日まで、国民生活の破綻を防止して来たと言えるのであります。しかしながら、いつまでも連合軍の好意ある援助にのみすがることはできないのでありますから、われわれはこの際その必要とする食糧を、自力によつて最大限に確保することについて、従来にも増し一層努力を傾けなければならないのであります。これがためには国内産の食糧を、可能な限り余すところなく集荷し、これを公平に分配するのが第一で、その十分な実現をして後にこそ、初めて真に不足量を輸入することができるのであります。こういうあなたの方の提案理由書です。そうすると、今あなたのおつしやつた政府のやろうとしておる意図と、この提案理由書とは非常な食い違いを生じて来ます。現にいもを入れてさえ二合七勺で配給するのに、年間二割五分は連合軍の援助にまたなければ、配給が確保できない現状にあるのです。だから一層追加供出を農民にお願いをして、国内自給度を高めて、公平にこれを配給して、連合軍の援助を求めるようにしなければならぬ。こういうことじやないかと私は理解をしておるのですが、それと今あなた方のお考えになつておることとは、食糧確保の上に、集荷の上に、非常に食い違いを生じて来る意見が横たわつておりはせぬかと思うのですが、その点どうあなた方は説明をされようとするのですか。いもが腐つて損するから、自由販売にしたらいいというのは、それは政府の操作の良否の問題であつて、操作さえうまく、かつ貯臓に対する十分な設備さえありますれば、あるいは切干かんしよ等によつて、これを粉末にして保存することができますし、手はいくらでもあろうと思います。そういう面は全然せずに、買うだけ買うてあとは自由だ。それで足らぬ分は、外国の人が働いた金で援助を受ければいい。それでいいんですか。そんなものじやない。ちよつとそこはわからぬですがね。この食糧確保措置法をここまでもんで追い込んで来ておいて、あなたのおつしやるその言い方は、ちよつとおかしいと思う。どうですか。
  75. 坂本實

    ○坂本説明員 井上委員が御指摘になりましたように、食確法を提案いたしました本来の趣意は、ただいま御説明通りであります。従いまして、政府として国内食糧の自給度を高め、できるだけ集荷をしなければならないことは申すまでもないのであります。従つてこの供出完了後という条件をつけましたのも、当初事前割当は、供出割当いたしました七億四千三百万貫はどこまでも政府が買い上げる、そうしていわゆる配給基準量の二合七屯のこの量には絶対不足をさせない、この建前なのでございます。ことに最近の食糧事情から見まして、いろいろ配給拒否があり、配給辞退があり、なおその上多くの超過供出のいもが持ち込まれますならば、自然政府会計の上にも非常に苦しくなつて来る。こういう面からいたしまして、供出が完了いたしましたならば、これを自由にした方がむしろ本筋ではないか、実はこういうような考えをいたしておるのでありまして、決して集荷を放任するというような意味ではないのでありまして、政府が予定をいたしました七億四千三百万貫は買い上げますし、また一定の超過供出も当然これは買い取る所存でございます。
  76. 井上良二

    井上(良)委員 私はそういうことを言うんじやない。私の言おうとしておることは、この食確法というのは追加供出を規定している法律ですよ。一定の供出割当をして、それでよけいできたものは、さらに出してくれという法律をきめようとしているんですよ。それにあなた方のやるのは、割当以上は自由販売になつておるじやないか、そうしたらこの法律と食違いがあるじやないか。この法律はいらないことになつてしまう。審議する必要はありはせぬじやないか。そうじやないか。(需給状況に応じて……」その他発言する者あり)需給状況に応じてと言うても、現に米は千二百万石から足らないのですから、需給は絶対安定しておりません。安定したということは言い得ないのであります。安定し得ないところにこの食確法さえつくれと言われておるんじやないですか。いもは主要食糧の中に入つておるんです。主要食糧として食確法の中にちやんと入つておるものを、あなた方はいもだけは供出割当だけ買うて、あとは買わぬというなら、この食確法はいらぬことになつてしまう。その矛盾をどうするんですか。そこを私は突いているのだ。はつきりしなさい。
  77. 安孫子藤吉

    ○安孫子説明員 井上さんが御承知の通り政府が買つておりますかんしよは、総合用のほかに工業用も相当あるわけであります。これは全面統制という建前から、総合用以外のものも買つておるという状況であります。これが状況が変化いたしますならば、この工業用等の点については別途の考えをしてもよいのじやないかということは、私は事務的には考えられると思つておるのであります。従つていもの統制をどう持つて行くか、あるいは統制をしないにしても、どんな措置を講ずるかということについては、メモランダムの趣旨に基いて相当研究する余地はあるのであつて、ただいまお話のございましたように、イエスかノーか、どちらかじやないかというようなものじやなく、いもについては、そこに多少考究する部分が相当あるものである。こういうふうに事務的には考えておるわけです。
  78. 井上良二

    井上(良)委員 私は誤解を生ずるといかぬから申し上げますが、私自身また生いものようなものを統制することには反対です。早くこういうものは廃したらよいと思う。しかしこれをやはり主食として取入れなければならぬわが国の食糧事情があるということを、われわれは考えなければならぬ。そこに私はこれをやかましく言つておりますのは、もしこのいもがだらしなくなりますと、それは当然米麦に対する割当が強化するのではないかということを憂えるがゆえであります。それはまた当然本年度の補正割当の上にも、非常にやつかいな問題を巻き込んで来はせぬかということを憂えるのであります。補正の割当が明らかになり、なおまた農民が納得し得る米価が大体きめられ、そうして明年度の農業計画というものが、大体前年度とかわりがないということが予想される上において、今の問題が論議されるなら、私は一向さしつかえないと思う。そういうものはみな未解決である。当然いもが一部自由販売にされることになりましたならば、また統制が撤廃されるということになれば、米麦に対する割当が一層強化して来ることを、われわれは考えなければならぬ。またそれが本年の補正割当の上に、非常な悪影響を持つて来ることを考えなければならぬ。そこにもつて来て、私が次に質問しようとすることは、米価の問題でありますが、御存じ通り、私は本委員会において、先般農林大臣に対して、米価審議会を設けるそうだが、まことにけつこうだ。非常に民主的な方法でやられるということは、今までのやり方から言えば非常に進歩だ。しかしこういう機関をつくつても、そこできめられたことを実行いたしますかどうですか。単なる参考として承つておくだけですか、どうですかということを、私は質問した。そうしたところが農林大臣は、できるだけその委員会の決定を採用したいということを言明しているのです。これは国会で長谷川第二部長もはつきり言つておる。しかるに最近の新聞の伝えるとこるによると、米価が四千七百円という、非常に低米価の生産者価格をきめているにかかわらず、それをまたはるかに下まわるようにきめられるという動きがある。一体この間、政府としてはどういう責任をとるのか、米価審議会の決定を一体どう考えられるのか、あれは不当だと考えますか。これが第一点。それから米価の決定を発表をされようとするのですか、その時期。その次は、米価審議会の決定によりますと、生産者価格を四千七百円とし、消費者価格を五千七百円とする、こういうふうにきめておりますが、私は本年の麦、ばれいしよの生産者価格をきめました場合に、また消費者価格をあの当時改訂されたときに、当然秋には米の価格をきめなければならぬが、そのときに消費者価格は動かすか動かさぬか。改訂するかしないかということを私は確かめた。そうしたら農林大臣は、消費者価格は来年の四月まではかえないということを、はつきりこの委員会で言明している。しかるに最近農林大臣は地方へ参りまして、新聞記者にインタビューして言うところによると、食糧特別会計赤字が出る。だから消費者価格はかえるということを言つておるのですが、一体――きようは農林大臣は来ておりませんから、大臣に伺うわけに行きませんが、農林当局としては、消費者価格はどうするつもりであるかという点も、あわせて承りたいと思います。
  79. 坂本實

    ○坂本説明員 米価に関連いたします御質問でありまするが、これを決定いたしますることは、非常に重大な問題でありますことは、御指摘の通りであります。またかような意味からいたしまして、かねてから国会の御要望もありまして、米価審議会をつくつたのであります。しかも米価審議会の委員諸氏は、非常に御熱心にこの問値を取上げて御審議を願つたのでありまして、その得られました結論につきましては、われわれといたしましては十分敬意を表し、また政府といたしましても、その実現に対しましては、あらゆる努力をしなければならないと考えておるような次第であります。従いまして、米価審議会の決定の四千七百円を目標といたしまして、いろいろ作業をいたし、また司令部とも折衝を続けておるのであります。この点につきましては、後刻事務当局からも御答弁いたすことにいたしますが、ただいま折衝中でありまして、一日も早くこれの御決定が願いたい。かように実は申入れをいたしておるような次第でございます。なお米価の生産者価格の改訂に伴いまする消費者価格の問題でありまするが、農林大臣といたしましては、極力これを改訂しないように努力をいたしたいということで、考えておるのでありまするが、しかしながら所詮は生産者価格が値上りいたしますことによつて、消費者価格に影響しますことはもとよりでございますので、われわれといたしましては、明年一月にするかあるいは四月にするか、いずれが妥当かという問題について、いろいろ検討いたしておる現状でございます。
  80. 安孫子藤吉

    ○安孫子説明員 米価につきましては、政務次官がただいま申し上げましたほかに、格別つけ加えることもございませんが、一、二つけ加えてみますと、米価審議会において御決定を願いました線に近づけることについて、われわれは非常な努力をいたしておるのでありますが、いろいろな事情からいたしまして、なかなか困難な状況にあります。従つてこの決定も、各種の事情からいたしまして、実は延びのびになつております。供出も進んで参りますし、できるだけ米価を早く決定してもらわなければならぬ。しかも私どもの希望しておるような線においてきめていただかねばならぬということについて、大臣、政務次官も、絶えず関係筋の方に御折衝なすつておるような状況であります。それから消費者価格の点は、大体四月というふうに従来考えておるわけであります。ただ一部この特別会計の点その他の事情から、一月に改訂をしたらどうかというような議論もございます。この点は現在のところ、四月改訂という前提をとつておりますが、その点について、ただいま申し上げましたような議論が、内部にもあるということだけはつけ加えておきます。
  81. 井上良二

    井上(良)委員 次に二十四年度産米の報奨物資の内容について一応お示しを願いたいと思いますが、今資料がなければ、後ほどお示しを願いたいと思います。  なお報奨物資というものが、最近いろいろな統制が緩和され、撤廃されて参りまして、農村地帯の方では、報奨物資をどこへ行きましてもあまり喜んでおりません。逆に肥料の補給金の切られることを非常に心配しております。だからいつそのこと、今まで扱つておりますいろいろな報奨物資を一切やめてしまつて、肥料の補給金を一部政府で負担をしてやるなり、あるいはまたいろいろな農村施設についての経費を――供出を完納しました部落あるいは村に対して、共同倉庫をつくるとか、電動機を買わすとか、あるいはまた牛を買わすとかいうように、農村経営に必要ないろいろな施設資材というようなものを政府で配給する。そういう方向にかえた方がいいではないか。農民の要求に基いて、原反の配給をいたしておりますけれども、これが点数で渡される関係で、一反の布が四つにも五つにも切られてしまう。せつかく渡されたのが何にもならぬという状態があり、また進駐軍から、ごていねいにいろいろ進駐軍のいらぬ物資を放出してくれるのですが、その中に軍靴というやつがありますが、十一文も十二文もするような大きな靴を放出されたところで、足が二つも入つて始末がつかぬ。しかも値段は千円以上もかかるというようなものを、平気で配給しておる。こういうことこそまことに農民心理を非常に阻害するものが多いのでありますから、これは一応根本的にかえる必要があると思う。現に二十四年度の早場米の報奨物資の原反の生産におきましても、順調に行つておりながら、ぞれがまだ各県の割当、発送さえ十分に進んでいない。ましてや普通の米の供出に対する各県割当というものは、まだ完了してない。発送さえ準備されてない状態にありまして、非常にやつかいでございますから、そういうことをやめてしまつて、そういう経費を全部今私が申したような方法に使つてつた方が、かえつて農民は喜ぶのではないかと思いますので、そういう方向をとられるようなやり方をとつたらどうか、たとえば大都市近郷におきましては、下肥が相当運搬されております。この運搬賃が非常に高くて、せつかく安い下肥が、農家の庭先きに行きますとべらぼうに高くなります。こういう運賃の一部を、政府の方で報奨として持つてやるというやり方もあろうと思います。報奨物資に対する根本的な検討を加える時期に到達しておると思いますが、政府はどういうお考えでおりますか、この点を一応伺つておきたいと思います。
  82. 安孫子藤吉

    ○安孫子説明員 報奨物資に対する資料は、実はこういうような印刷物ができておりまして、全部内容が印刷してございますので、余部があると思いますから、明日こちらの事務局の方へお届けいたします。それでごらん願いたいと思います。  それから将来の報奨物資に対する考え方ついて、いろいろ御意見を聞かしていただいたのでありまするが、報奨物資を全部やめてしまつて、別の方法でやつたらどうだろうか、それは一つの方法であろうかと思います。しかしたとえば今例におとりになりました人糞尿を運ぶ際に、運賃が高いから、それを別途補助する。これも一つの方法だろうと思いますけれども、そうした補助金が別の形において一体とれるかどうかという点を考えますと、実は非常に困難ではなかろうかと思うのであります。それは一つの例でありますから、全部が全部というわけでもありません。十分検討してみる必要があると思いますが、特に報奨物資を来年度は全廃するということは、少し行き過ぎではなかろうかと私ども考えております。これが一応ただいまの考え方であります。しかし報奨物資の中で、相当ものによりましては、お話がございましたように、生産者にとつて迷惑だというものもだんだん出て来ておりますので、品目は相当整理していいものではなかろうか、こういうように思つております。全廃ということはどうかと思うが、相当農民の負担の問題もありますので、その物資の需給の状況、あるいはやみ価格その他の点もにらみ合せまして、相当整理をすることが適当であろうと実は考えておるわけであります。
  83. 藥師神岩太郎

    藥師神委員 時間もよけいないわけでありますから、私一応質問しておきますから、次官も食糧長官も、大臣とよく研究をされて、明日責任ある答弁を聞かしてもらいたい。それは第一にいもの問題でありますが、これははつきりしておかなくてはならない問題であつて、決して等閑に付することはできぬわけである。大体農林大臣は、あまり自分の意見に――何というか、しやべり過ぎるから問題が起ると思うのであります。(笑声)余つたいもは焼きいもにさせてもいい、いもあめをつくつてもいいじやないかということは、座談にしてもいいが、それを新聞がいろいろなことを伝えるものでありますから、産地においては非常に動揺しております。たとえば十月十五日から政府の予定数量を買い上げた残りは自由に売らす、こういうことも地方では大きな問題にしております。それから今言うGHQのメモランダムの問題も、たいへんな問題になつておりますけれども、これは遠い将来の問題じやない、来年度の問題であるが、三月にはいも種をふせなくちやならない問題です。それに対して、これをはずすとかはずさないとかは、実に大きな問題をかもすわけである。この問題は早急にはつきりしてもらわなければならぬ。まず二十四年度産のいもの問題から言えば、政府の予想しておる十五億万貫ないし十六、七億万貫――かりに十四、五億万貫であつても、超過供出分を六千万貫、これを按分比で割当てるのではないかと思うのでありますが、われわれの県で言つても、大体そういう予定の数量に対し七億四千三百万貫の割当をし、その上に六千万貫の超過供出を、按分してこれを割当てても、まだ一千万貫ぐらいは十分余る、こういう見込を立てております。これが一部においては、三月以降にその余剰の分は売らすということも伝えておる。この問題はたいへんな問題なんです。政府は買う責任があるわけなんだが、これを買わないということになれば、必然的に自由販売をさせるより方法がないわけなんです。これが供出を無制限に買うというならば、問題は解消するわけなんだけれども、超過供出の分を六千万貫と制限することになれば、その余剰のものをいかにして消化するかという問題は、当面に直面しておる。それは私がこの前の委員会で言つたように、貯蔵費というものは、キユアリングに対しては十貫百七十円、普通貯蔵に対しては十貫百四十円というような、昨年のいも代に匹敵するような貯蔵費が払われておるにかかわらず、これは三月以降まで貯蔵しなくては払わぬ。それまでは一銭も払わないということから、結局三月以降でなくては、供出は事実上から見て完了しないことになるわけです。そうして余剰のものは全国で一億万貫できるか一億五千万貫できるか知りませんけれども、それは結局はいも種をおろすようになつたときに、自由販売にするなり何なり処置するより、実際の問題としては方法がないのです。私がこの間言つたように、つまり現在のいもの早掘りというものは、終戦直後におけるような、端境期における需給調節のためにやつておるというよりも、むしろ掘取り時期のラツシユ調節のために、今の早掘りということがやられておるとわれわれは見ておる。と同時に、貯蔵の方もラツシユ調節のためにやつておるとわれわれは見る。どんなに暖い所でも十一月の上旬に掘つてしまう。そうすれば十二月、一月、二月、三月というふうに計画出荷をさせて、その消費あるいは輸送の状態、こういうものを勘案して、各月に割つて出荷せしむるというような合理性から、貯蔵費というものも、十二月に出しても、一月に出しても、二月に出しても、その間に等差をつけてもいいけれども、出すことが当然じやないか、三月になるまで払わないというのは、これは知らない者がやるのであつて、いもの味は落ちてしまう。そうしたら物価庁の方は、寒いときに出せばいもは腐るから暖いときに出さなければならぬという。しろうとぐらい恐しいものはない。これは気違いと言つてもいい。こういうしろうとの者に食糧行政を担当させることはもつてのほかだ。従つて七億四千三百万貫というものは普通の供出なのだから、これは掘取り時期に大体完了するでしよう。これはすぐに解決していただかなければ大問題である。それでこの七億四千三百万貫という既定の供出量というものは、掘取り時期に解決がついてしまう。ところが一部においては貯蔵費ほしさに貯蔵するものもあるかもしれない。二月にも出させない、三月になれば十貫あたり百七十円とか百四十円とかいうような、べらぼうな貯蔵費を出すのです。まずこの問題が解決つかなければならない。ぼくが例をあげたように、十二月に一応貯蔵すれば、仮貯蔵であろうが、本貯蔵であろうが、ある程度いもが生きて行くために必要な水分は蒸発する。仮貯蔵であろうが、普通貯蔵であろうが、腐敗率というものは、長く貯蔵すれば大きくなる。十二月に出せば一貫あたり五円、一月には八円、二月に出すものは十円、三月以降まで持つものは十二円とか十四円とか段階を設けてもよろしいが、何ゆえに一月、二月、三月の一番いものほしい時分に出せないか、こういうばかなことをする。この点も、物価庁が聞かないからというこの前の答弁であつたのでありますが、いやしくもこの食糧行政をあずかられる食糧庁において、十分にこういう点を折衝して、結論をすぐに出してもらわなければたまつたものではないと思うのです。三月以降まで囲わせるなんてばかなことはない。この問題をはつきりしてもらうと同時に、そうすれば大体において超過供出の分はおのずから別としても、供出というものは早く年内に完了するはずであります。従つてその他に六千万貫以上は買えないものならば、それを一日も早く自由に処分させる、並行して処分さすということでなければ、いもの消化はできぬと思う。いもが芽を吹く時分にはもう味も何もない。これは単に食糧庁長官とか、政務次官の意見ではなくして、政府としてのはつきりした方針というものを立ててもらわなければならないのです。これはたいへんな問題です。これをどうしますか。われわれの県でも、一千万貫余りといういもをどこへ持つて行けばよいか困つておる。それから二十五年度の問題でありますが、これは単にGHQの方からメモランダムが来たからというだけではいけない。一部においては来年度をはずしてもいいという関係もある。一般の穀類を二合五勺にしていもをはずすというのは、政府責任のある者もこれまで口の先に上しておる。しかるにそれは将来のことであるからと言うならばそれまででありますが、もし統制を全面的に廃するということになると、現在のように配給辞があり、いろいろして、超過供出も買えないで困つておるのに、来年度においてはその全部を農民が引受けなければならないのか。これくらい増産させておいて、転換すると言えば作付転換というよりほかに方法はない。作付転換はやります。作付転換をやれぬことはない。基礎調査はわれわれの方でもやらしております。いもだけの片作というものは少いのであつて、そこには麦というものがついておるのだが、麦はすでに作付割当というものは済んでおる。いもの統制を撤廃しようとするならば、麦の作付割当というものを根本的に補正しなければ、この問題は解決つかない。果樹園にしようが、桑園にしようが、あるいは飼料作物を植えようが、二十五年度の麦の割当は済んでいるのだから、まずこの問題に触れなければ、いもの統制撤廃はできない。単にいもの問題だと思つたら大きな間違いです。現在のような輸入食糧が二百万トンにも達する時代において、麦が作付転換によつて同割転換になるか。これが消化できるまで転換するなら、数割転換しなければならぬと思う。それに附随して麦の作付割当というものは数割減ります。それが今日の食糧情勢において、はたしてGHQの了解が得られるかどうか。また日本の食糧需給計画というものが根本的にくずれるのじやないか。これはいもが困るから、超過供出を二・五倍に買うから独立会計がどうこうというような、派生的な問題ではないと思う。もうすぐですよ。いもは来年九月にとれるのだというような、なまやさしい考えを持つてつたらだめですよ。いも苗の温床は三月にやらなければならぬのだから、目前に迫つている。この点について、政府の方で根本的に責任ある検討をされて、明日御答弁願いたいと思います。私はこの問題については真剣です。これはたいへんな問題ですよ。  それから、これはいもでも米でも同じでありますけれども、先般の米価審議会においても、これは私初めて聞いたのですが、肥料の問題でも総体的に共通性を持つているのでありまして、今日の官僚統制なるものが、いかに大きな中間経費を使つているかという問題です。米の問題を取上げても、三等米は石当り三千五百九十二円、約三千六百円と思つているが、そこに中間経費が石当り千六百円もかかるというようなことは、われわれの常識では考えられないことです。生産者の方は、わずか石当り百円か二百円かの問題で、まだ了解がどうこう言つているわけですが、その中間経費というものが四割五分もかかるということは、とうていわれわれの頭ではわからない。いもでも五割以上かかつているのです。肥料の問題も、運送費の問題はわれわれもよく知つている。木炭のごときでも、統制を今度解除するというが、一体運賃はどうなつているかというと、われわれの知る範囲では、海上運賃でも約六割に下つた。これまででも政府の食糧関係木炭関係、それから肥料関係というものは、いわゆる公定運賃を維持しているのであつて、民間のものはそれから全部数割下げて輸送ができている。一方において切手を売らせたり、タバコを売らせるのは、政府はなかなかがつちりしているが、一方にはそういうふうに大きく抜けていて、実に甘い、われわれには考えられないようなことが行われる。そこに不正の介在する余地も大いにあると思います。おそらくこれらの中間経費の大部分は、人件費とそういう輸送関係にあると私はにらんでいる。かりに肥料公団の問題にしても、われわれには大いに議論があります。われわれが農業会で経営しておつた時分と今日と比べると、おそらく人間の数も二倍くらいになつている。輸送費のごときでも、十分に実情を精査してやらなければならぬのでありますけれども、それが机上でやられるから、それらがすべて中間経費の増大を来す原因になつていると私たちは見ている。米価審議会においても、この中間経費を米一石について千円という勧告をしている。米などというものは、糠と俵とのもうけがあればいいというくらいのものですが、それが一俵当り七百円に近い中間経費を要するような状態である。私たちは、この点にどうしてもメスを入れなければならぬと思うのです。いもでも貫当り二十円のものが三十一円で、五割以上です。それが生産者のためにもならないし、消費者には重い負担をかけているのです。こういう問題について、当局者はほんとうに真剣に、血みどろになつて、もつと検討をしなければならぬと思うのでありますが、この点について、私は肥料の問題、食糧の問題を通じて、農林当局の責任ある答弁を要求するわけであります。特にいもの問題については、もう時間がありませんから、要点だけを申しておきますけれども、これは決して来年の問題ではない。直面した大きな問題でありますから、早急に片づけてもらわなければならぬ。片づくまでは私はがんばる。それでいけなければ、明日大臣の方からはつきりするまでは私はやるつもりです。その余裕だけを与えておきますから、御相談願います。次官や食糧庁長官も、大臣が出られなければ大臣の代理をして、十分その点をはつきりするようにお願いしておきます。
  84. 深澤義守

    ○深澤委員 今も藥師神委員から問題になつたのでありますが、米麦ともに三〇%以上の中間経費をとつているのであります。ところが先般の委員会におきまして、私が食糧管理特別会計赤字があるという問題について、農林大臣質問したところ、ないという答弁があつたのであります。しかるに十月十二日、池田大蔵大臣が関西に参りましたときに、車中談として、米価についてはすぐ決定しなければならないが、消費者価格を来年の三月まで現在のままにすえ置くと、百億ぐらいの赤字が出る、そうすると現在までの赤字六十億と合せて、百六十億の赤字が出る結果になるから、考えものだという発表をしているのであります。すなわち現在食糧管理特別会計に六十億の赤字があるということを、大蔵大臣は認めておるのであります。そうすると、先般の農林委員会において、農林大臣赤字がないと言われたことと食い違つて参るのでありますが、一体食糧管理特別会計に赤事があるのかないのか、その点を明確にしていただきたいと思います。
  85. 安孫子藤吉

    ○安孫子説明員 いわゆる赤字と申しましても、いろいろ違つて来るのでありますが、特別会計の前年度末におきまして大体六十億のいわゆる赤字というものがございます。この赤字は、現物がなくて赤字が出たとか何とかいうものではなく、そのおもなる原因はこういうことであります。前年度消費者価格をきめます際に、かんしよの供出は一一五%であつたかと思いますが、一五%程度の超過供出があるという前提で消費者価格をきめておつたわけであります。ところがかんしよの超過供出は四三%だつたと思います。そうすると、一五%の織込み済みのものと、四三%の差額の数量についての報奨金の分だけは、消費者価格に織り込んでいない、従つてその分が赤字になつて来る、こういう性質のものでございます。要するに逆に言えば、うれしい赤字と申しますか、非常に超過供出が出たために、そういうものが出て来た、こういう性質のものであります。
  86. 深澤義守

    ○深澤委員 会計検査院が報告しておる中に、食糧管理特別会計の経理問題について、二十二年度の食糧買入れのための食糧証券のうち、百四十億がこの食糧買入札の目的以外に使用されておるということが報告されているのでありますが、この点はどういうところへお使いになつておるのか、その後どういうぐあいにこれを整理されているのか、この点が一点であります。  第二点は、二十二年度の食糧売掛代金の未徴収額が七十三億ある。その内訳といたしましては、公団関係が六十三億、帝国油糧が二億六千六百万円、日本缶詰が一億九千六百万円、日本澱粉が一億五千百万円、日本甘藷馬鈴薯会社が一億二千九百万円という未徴収額がある。こういうことが会計検査院によつて報告されていますが、こういうものがその後どういうぐあいに処理されているかということが、第二点であります。  第三点は、食糧管理局の二十二年度の歳出の中で、食糧買入代金と、食糧管理局の会計収入官吏の食糧物品の買入高登記額との間に、五億五千三百万円の理由不明の開きがあるということが報告されているのでありますが、この内容はどういう状態であるか。それから食糧公団の二十三年度上半期の貸借対照表を見ますと、食糧管理局への買掛金が九十四億もあるのでありますが、これは期末の手持商品などと見合せて見まして、あまりに必要以上に多過ぎる買掛金ではないか。公団がこんなにたくさんな買掛金を期末に持つているということは、どういう理由によるのかという問題について、われわれは非常に不審を抱かざるを得ない。単に配給機関である公団が、こうした預金を三十八億も持つているということ自体が、実に不当ではないかとわれわれは考えるのであります。さらに公団の手持ちの現金が二十二億ある。そういたしますと、結局一配給所ごとに約十万円の手持現金があるということになりまして、これもどうも公団経理の上から言つて芳ばしいことではないと考えるわけであります。こういうような運営の上に、非常に大きな欠陥があるのでありまして、こういうものがもつと円滑に行われるとするなら、食糧証券の発行などにおいても、もつと軽減できるし、また五十億以上に上るところの金利の問題につきましても、もつと節減できるのではないか、こういうことを考えることができるのであります。そういうものが節減されるといたしますならば、先ほどから申しましたような、中間経費というものがもつと節約されて、生産者も消費者も、もつとその恩恵を受けることがでぎるという考えを、われわれは持つのでありまして、こうした公団の運営経理というような問題について、もつと真剣に考えて行く必要があるのではないかと考えるわけであります。こういう点について、食糧庁長官の御意見を拝聴したいと思います。
  87. 安孫子藤吉

    ○安孫子説明員 特別会計の監査並びに公団経理の監査につきましては、私どもも十分厳重にやつて行かなければならぬと考えております。非常に需給が緊迫しております際は、どちらかと申しますと、経理の面よりも需給の操作というものに重点が置かれまして、その点が多少手が抜かれた傾向もなきにしもあらず――これは一般的な情勢でありますけれども、さように存ずるのでありますが、経済が軌道に乗つて来るに従いまして、この点の監査は厳重にやつて参らなければならぬと考えております。私どもといたしましても、特に公団経理その他につきまして、その点を事前に適正に運用して行く必要があると考えまして、特に食糧庁の中にも監査課を設けまして、専任して経理の監査をやらせておるような状況でありまして、その点はできるだけ御趣旨の通りに、私どもも努力して参りたいと考えております。
  88. 深澤義守

    ○深澤委員 もちろん需給関係に追われて、経理関係について非常な手落が出るということは、実に薪炭特別会計なんかにおいても、そのことがはつきりしているのであります。そういうような意味において、この食管の問題は、表面的には先ほど長官が言われたように、赤字があつたとしても喜ぶべき赤字であるというような報告がありましたが、しか会計検査院の報告の内容を見まするというと、必ずしも喜ぶべき赤字ばかりではないということが、われわれには想像されるのであります。そういうような意味合いにおいて、本日これの明確な回答を得るということもむずかしいだろうと思いますが、会計検査院の報告による私があげました三つの点について、どういうぐあいの処理をされているか、後刻文書をもつて、ひとつ御回答を願いたい、こういうことをお願い申しておきます。
  89. 安孫子藤吉

    ○安孫子説明員 ただいま御指摘になりました案件につきましては、調査いたしまして、その後の経過を御報告申し上げます。
  90. 寺崎覺

    ○寺崎委員 簡単に、お尋ねいたします。肥料の問題でございます。前回の農林委員会において、肥料の前渡しはありがたいけれども、農民としては、金がないのに八月から麦の肥料の代金支払いをしておるということを、お尋ねしておきましたが、その後調べてみますと、昨年度において、肥料の前渡しの代金利子の分を一部支払いをしてあるというような話でございますが、今後においても、政府においては、農民に対して肥料代金利子支払いされるようなお考えがございますかどうか、お尋ねしたいと考えます。
  91. 藤田巖

    ○藤田説明員 その問題は、最近非常にやかましい問題でございまして、私どもも春肥を先にとります分については、できれば金利倉敷というものは公団が持つというやり方にいたしたいということで考えておるのでありますが、ただ一つ、その後問題が起つて来ておりますのは、先ほどちよつとお話がございましたように、二十数億の価格補給金が春肥から削減をするということに相なりまして、一部肥料代が春肥から上つて来るという問題がございます。従つてそういうふうな場合に、われわれといたしましては、先に渡します肥料、つまり早くとるような肥料については、できるだけ安く農家の手に入るようにいたしたい。こういうことをいろいろ考えておるのであります。従つてその形は、あるいは金利倉敷を負担するという形になりますか、あるいは県別との価格差というものでも設けて、早くとるものは安いということにでもなりますか、そこらのものはまだ決定いたしておりませんが、御趣旨のような線に沿つて解決して行きたいということで、今物価庁、大蔵省それから司令部方面といろいろ折衝いたしております。
  92. 河野謙三

    ○河野(謙)委員 今農政局長に伺いますと、価格差補給金が削られると来年の春から肥料が高くなる、従つて前取りの分の金利の問題のそれとからんで、早くとつた人には今の価格差補給金がついた値段でやる、遅くとると価格差補給金が削られた高いものになるというふうなことですか。そうでありますればこれは金を持つている農家が早くとる、金を持つていないのは、やむを得ず来年の価格差補給金を削られた肥料になる、それが御承知のように一割や二割じやないのですから、私は聞き間違いかしりませんけれども、今のお話によるとそういうふうに聞えたのですが、ちよつとそれを伺います。
  93. 藤田巖

    ○藤田説明員 これはいろいろの案があつて、実は今各方面と折衝しておるわけであります。一つの案は、来年の一月からとる春肥の分の値段を上げて、それ以前のものについてはもつと安い価格で渡すようにしたい。といいます意味は、肥料代がたださえ高くなるわけでありますから、しかもそれを前渡しをする場合に、高い肥料を前渡しするということでは、ますますもつて農家はとれないのじやないか、そういたしますと、おそらくその日まで肥料はとれないという現象になるわけです。そういうふうな配給の事情もありますので、そういう点を考慮したらどうかという案が一つ。それからもう一つは、価格については、そういうふうな区別はつけるわけには行かないけれども金利倉敷というふうなものも相当考えまして、たとえば十月とつたものを十一月、十二月、一月、二月、三月というふうに受取る時期について金利倉敷というものはこれを早目にとるわけでありますから、それを負担する意味で、そういうふうなものに相当する部分のものを値引をするという考え方があるわけであります。これはいろいろ現在案があるわけであります。私どもとしては、要は早くとるものについては、やはりできるだけ安い値段で渡すようなくふうをしたい。しかしながらこれは先ほどお話のございましたように、公平にやらなければいかぬわけであります。そこにたとえば地域的に差別がある、あるいはまた農家の手持資金のぐあいで差別がある。こういうことになつてはならぬと思います。その点は十分注意をいたしたいと思います。ただいまそういうふうな点を、いろいろ考慮いたしております。
  94. 河野謙三

    ○河野(謙)委員 価格差補給金が削られた後の問題、その切りかえ時期の問題については、農林省の方でコンクリートされていないようですから、私は一応御注意申し上げます。これはいずれにしても、早くとつたとか、遅くとつたとかいう自然的に起る現象ではなくて、価格差補給金がついておるときと、削られたときの境いは、どこまでも個々の農家に公平に、損得の起らぬような切りかえの措置をとつてもらいたい。またとるべきであると思う。その場合に金のある人、ない人の区別があつたり、県別に不公平があつたり、郡別に不公平があつたりすることが、従来の措置においてままありましたから、そういうようなことの絶対にないように、私は御措置願いたいと思うのであります。さように特に念を押すのは、この間九月の十日に肥料の手数料の問題の切りかえがあつた、各町村の協同組合の手数料の問題、このときの切りかえの措置が九月十日をもつてつた。そういうことによつて、一生懸命で農林省、肥料公団に協力して、金の工面までして、早くとつた協同組合は、前の安い手数料で片づけられた。公団に協力しない、政府に協力しないで引取りを怠つた協同組合は、たまたまもうかつて、高い手数料をとつたという措置が、ついこの間とられた。これについては、私は政府の方にも一度申し入れしてありますけれども、さようなことがままありますので、今度の補給金が削られたことによつて、この間の差額というものは非常に大きなものでありますから、特に個々の農家にこまかく考えて、甲乙の起らぬように、ひとつ措置をとつてもらいたいということを、念のために申し上げておきます。
  95. 藤田巖

    ○藤田説明員 御説明の点は私どもも非常に注意をしたいと思つて研究しています。
  96. 小笠原八十美

    小笠原委員長 他に御質問はございませんか。
  97. 井上良二

    井上(良)委員 今の肥料の問題ですが、価格差補給金を出してつくつたものを、補給金がついておりまして生産をされた分と、全然補給金が打切られた後の分との区わけは、どこでつけるつもりですか。それがはつきりせぬとぐあいが悪い。
  98. 藤田巖

    ○藤田説明員 これは御承知のように、肥料の価格は生産者の肥料価格とは全然別な価格になつておる、つまり肥料価格というのは、消費者価格は昭和九年、十年、十一年の基準価格のたしか百十一倍、この限度で押える。ところが実際の生産者価格は非常に高いものであります。ことに輸入のものはまたもつと高い。そこでその補給金を出しまして、公団はつまり非常に高く買う。たとえば公団は硫安について考えますと、二万二百円なら二万二百円でこれを買いまして、それを売りますときに一万何百円で売るわけであります。それで今度その補給金が、たとえば春肥につきまして、大体二十六億見当は節約しなければならぬ。そういうことでありますと、従つてその補給金の節約と、もう一つは製造業者の方もある程度コストの切下げをしまして、できるだけ安い生産者価格に押えて、その中だけの部分の肥料代が上つて行くわけです。そこで肥料の消費者価格というものをいつからどういうふうに上げて行くかという問題が今現に横たわつておるわけなのであります。私どもといたしましては、できるだけ安い肥料を農家に渡したいという建前から、早く渡すようなものには、何か安く渡すくふうができないか。それはもちろんそういうふうなことをいたしますと、補給金の節約はそれだけまたできないことになるので、大蔵省方面にも御意見があるわけでする。そこをいろいろ話をしておるわけです。
  99. 井上良二

    井上(良)委員 もう一点。それでも末端の各実行組合、農業協同組合等で、今春肥の需要の調査をやつて申告をやらしておるわけです。それによると、春肥から六割値上げになることを覚悟の上で申込んでくれ、こういうわけです。それですと、あなたの今の話と大分違つてくるわけですね。
  100. 藤田巖

    ○藤田説明員 需要調査と言いますのは、最近相当生産、需給の状況が緩和されて参つております。それで一体どのくらいの肥料がほんとうにいるのかというような――値上りの関係もありますし、有効需要を調査しておきませんと、むりに押しつけるというふうなことにもなるということで、一応とつてあるわけですが、その当時の状況といたしましては、これはやはり値段が問題だ、つまり安い肥料なら幾らでももらうが、高いものだつたらそんなにもらえないというような経済的な問題があるから、一応われわれといたしましては、かりに肥料が六割上つた場合に、どれだけの肥料が使えるかということを聞いたのです。実はそんなに上りません。しかし一応それくらい上つた予想でとつておけば、間違いはないだろうということでとつたわけであります。
  101. 小笠原八十美

    小笠原委員長 それでは本日はこの程度にとどめまして、次会は明二十二日午前十時より理事会、十時半より委員会を開会することとして、本日はこれにて散会いたします。     午後四時五十五分散会