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八百板委員 農業手形の問題について、先ほどお答えがありましたから、この際その点につきまして、少しくお伺いしておきたいと思うのでありますが、ただいまの
お話によりますと、確定したものと未確定のものとあるという
お話でありますが、ここに示されましたところの四の資金
措置というものは、確定の分に入
つておる
ようでありまするからして、おそらくこれについては決定的な用意がせられておるものであろうと思うのでありまするが、これについて
考えて見まするに、二十四年度の主要
食糧農産物に対する
割当生産資材の購入所要資金は次の
通りであるというふうにして、表示せられておるわけであります。これによりますると、二十四年度の
生産資材を購入いたしまするために必要なる所要金額は、三百五十一億円という
ように記載せられておるのでありまして、その調達の方法といたしましては、貯金の拂いもどしによるものが二百二十一億円、
農業手形によるものが八十億円、協同組合一般貸付によるものが五十億円というふうに示されておるのであります。これを拜見いたしまするに、私
どもはどうもこれまた非常に数字的に不確実なものの
ように
考えられてならないのであります。まず第一に、貯金の拂いもどしにつきまして、二十三年度との比較を見まするに、二十三年度の百四十億に対しまして、二十四年度は二百二十一億というものを見積
つておるわけであります。二十三年度よりも二十四年度がいかに金融の面において手詰まりを生じておるかということは御
承知の
通りでありまして、金繰りのより以上困難な
状態のもとにおきまして、
農民の自己資金というものを昨年の倍にも見積
つたというふうな点は、非常に根拠が薄弱ではないかというふうに
考えられるのであります。
政府から発表せられましたところの、たとえば経済白書などによりまして
考えましても、たとえば通過の滞留状況の
調査などによりましても、二十二年の六月において二八%であ
つたものが、二十三年の六月には二〇%に減少しておるという
ような
状態でありまして、おそらく今日、二十四年の六月の数字は、あるいは昨年の半分、あるいはもつと下まわる
ような通過滞留の状況を、
調査の結果は示すのではないかと私は思うのでありますが、そういうふうに、どんどん金は減
つて行く。ところが一方
農民の所得はどんどん同時に減
つて行く。また
政府発表の資料によりましても明らかな
ように、日銀の消費財の、たとえば
やみ物価指数などを見ましても、
食糧品の値上りは、
やみの面につきましても、
昭和二十年に比して六倍くらいにしか二十三年の十二月にな
つておらないのでありまするが、一方必需品の方は、日用品につきましては七倍、繊維品につきましては十三倍というふうにな
つておるのでありまして、その後一段とこの傾向は強ま
つておるであろうと思うのでありまして、どの面から見て参りましても、農家のふところぐあいが去年よりいいという数字は出て來ないのであります。さらに
農業経営の面につきましても、経営の規模はますます零細化の傾向をたど
つておるのでありまして、
農民の自己資本によるところのまかないが、昨然よりもよけいに見積られるという根拠は、どこから見てもないのでありまするが、これを資金調達の面において、去年よりも自己資金を倍見積
つて、そうしてつじつまを合せるというふうな
やり方をと
つておられる
ように、私には
考えられるのであります。この点につきまして、この資金
措置について
計画せられましたところの当局は、いか
ようなる見解を持
つておられるか、その点明瞭にお答えを願いたいと思うのであります。