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1949-05-18 第5回国会 衆議院 農林委員会 第25号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十四年五月十八日(水曜日)     午前十時四十六分開議  出席委員    委員長 小笠原八十美君    理事 坂本  實君 理事 野原 正勝君    理事 松浦 東介君 理事 八百板 正君    理事 長谷川四郎君 理事 深澤 義守君    理事 寺島隆太郎君 理事 吉川 久衛君       遠藤 三郎君    河野 謙三君       坂田 英一君    平野 三郎君       渕  通義君    村上 清治君      藥師神岩太郎君    石井 繁丸君       井上 良二君    竹村奈良一君       中垣 國男君    寺崎  覺君  出席政府委員         総理廳事務官        (経済安定本部         生活物資局長) 東畑 四郎君         農林政務次官  苫米地英俊君         農林事務官         (食品局長)  三堀 參郎君         食糧管理局長官 安孫子藤吉君  委員外出席者         專  門  員 岩隈  博君     ————————————— 本日の会議に付した事件  肥料配給公團令の一部を改正する法律案内閣  提出第二〇二号)  食品配給公團法案内閣提出第二〇四号)     —————————————
  2. 小笠原八十美

    小笠原委員長 これより会議を開きます。  それでは肥料配給公團の一部を改正する法律案並びに食品配給公團法案一括議題とし、政府提案理由説明を求めます。苫米地農林政務次官
  3. 苫米地英俊

    苫米地政府委員 肥料配給公團令改正法律案提案理由を御説明申し上げます。  第一は本公團令の効力を明年四月一日まで延長することをはかつたのであります。第二は、公團に対する主務大臣及び経済安定本部総務長官監督責任を明確にしたことであります。すなわち公團に関する基本的政策決定について、経済安定本部総務長官が責に任ずるほかは、業務実施上の監督権については、主務大臣が責に任ずるものとし、この関係を明確にいたしました。第三は、公團予算決算については、さき公布施行を見た公團等予算及び決算暫定措置に関する法律昭和二十四年法律第二十七号)によることとなつてをりますが、この旨を本令においても明らかにするとともに、事業年度を二期にわかつことを改め一期とし、事務簡捷化をはかることとしたのであります。何とぞ愼重審議の上すみやかに御可決あらんことを切望する次第であります。  次に食品配給公團法案提案理由を御説明申し上げます。  政府は今回食料品配給公團及び油糧配給公團を廃し、新たに食品配給公團を新設するため、ここに食品配給公團法案提出し、御審議を煩わすこととしたのであります。ここに提案理由を御説明申し上げます。  第一に、國民生活上の必需物資である食料品及び油糧については、強力な統制を依然持続する必要があることであります。食品公團の取扱うみそしようゆ(アミノサンを含む)砂糖、乳製品油脂油脂原料及び油かすなどは、國民生活上の必需物資であり、國内における供給力はきわめて低く、その原料または製品の大半を輸入に仰いでおり、かつ需給関係が多元的である。これらの食品及び油糧については、依然公團による一手買取り販賣方法によつて、強力な統制を持続するのでなければ、計画的配給を確保し、均一價格を維持し得ないと信ずるのであります。なお政府は、今回公團取扱い物資中から、カン詰及びグルタミン酸ソーダを除きましたが、これはこれらの物資輸出を主眼とし、國内配給上一手買取り販賣方法によらなければならないほど、國民生活必需性を有しないと認めたがゆえであります。  第二に、統制機構簡素化をはかつたことであります。行政機構簡素化と、統制機構簡素化をはかることは、今や世論であり、公團におきましても約二割の人員整理が予定されておりますので、この際、取扱い物資中比較的関連性を有しているものもある食料品配給公團及び油糧配給公團を統合し、業務能率化をはかることとした次第であります。  第三に公團に対する監督権調整を行つたことであります。公團に対する主務大臣及び経済安定本部総務長官監督権の二重性に関しては、現行公團法審議の際、國会においても相当論議されたのでありますが、本法案におきましては、公團に関する基本的政策決定について経済安定本部総務長官が責に任ずるほかは、業務実施上の監督権については、主務大臣が、責に任ずるものとし、権限の調整をはかつたのであります。  第四に、公團予算決算その他会計制度を改めたことであります。公團予算決算については、さき公布施行を見た公團等予算及び決算暫定措置に関する法律昭和二十四年法律第二十七号)によることとなり、從來交付金制度を廃し、いわゆる独立採算制によることとなつたのと、事業年度を二期にわかつことを改め、一期とし、事務簡捷化をはかることとしたのであります。  なお、新公團は、特別の設立行為を要せずして、現行公團法失効の日なる七月一日に成立し、その際食糧品配給公團及び油糧配給公團の役員以外の職員は、当然新公團職員となるものとし、また両公團の財産その他一切の権利義務は、新公團が承継し、両公團の清算は行わないこととしたのであつて、これらの経過的措置について必要な規定を定めていることをつけ加えておきます。  以上はなはだ簡單でありますが、提案理由説明を終ります。  本法案につきましては、種々の手続國会提出が遅延し、まことに申訳なく存じますが、何とぞ愼重審議の上、すみやかに御可決あらんことを切望する次第でございます。
  4. 小笠原八十美

    小笠原委員長 これにて両案の提案理由説明は終りました。それでは両案を一括議題とし質疑に入ります。
  5. 坂本實

    坂本(實)委員 公團によります統制は、過去二十箇月の経験を経たのでありますが、この機会にいわゆる公團統制方式というものをひとつ検討してみたいと思うのであります。  まず第一に公團そのもの性格という問題であります。この公團從來ありました統制会社、いわゆる半官半民の統制会社ではいけない。政府が全額出資して政府が全責任をもつて統制を行う、こういうのであります。従いましてその性格はあくまで政府機関であり、その從業員は公務員として扱われるのであります。從つていろいろ官僚的であるとか、あるいは能率が上らないとかいうような非難があつたのであります。元來公團でやつておりまする仕事というものは、企業的な業務内容が非常に多くあつて從つて企業活動を十分発揮するところに公團の使命があると思うのでありますが、かような面から考えますと、どうもうまく行つてないというのが一般世論であると思うのであります。かような意味におきまして、まず公團性格そのもりについて、政府はいかなる見解を持つておるのか。むしろわれわれは今の公團のあの官僚的な、非能率的な状態から見ますならば、むしろかつて統制会社あるいは公社といつたような形式を選ぶべきであると考えるのでありますが、この点についてまず政府の御所見を承つておきたいと存じます。
  6. 苫米地英俊

    苫米地政府委員 ただいまの坂本委員の御質問並びに御意見しごくごもつともと存ずる次第であります。できますことならば、食糧等統制をはずすことが一番よいのであると存じますが、現在の実情におきましては、それがはずし得ない状況にありますので、何らかの形で配給公團もしくは営團のようなものを存続しなければならないということになつておりまするが、公團官僚的性格のために、能率が非常に悪い。また公團が存在しておるために非常なむだな経費がかかつておるという点につきましては、何とか改善しなければならないのでありまするが、御承知通り営團公團になりましたのは、民間にこういうことをやらせるというのは、アンチトラストローにひつかかるというような事情で、國家の手で公團をこしらえてやつて行かなければならないような実情になつたのであります。そこで現在の状況におきましては、どうしてもこの公團形式によるところの配給を継続しなければならない実情にあるのであります。その経営等につきましては、全力をあげて改善し、弱点を改めて行きたいと存じております。以上お答え申し上げます。
  7. 坂本實

    坂本(實)委員 わが國の経済事情から見まして、國民生活を安定させる上からいたしまして、重要な物資需給関係とにらみ合せてというような、今政務次官の御答弁がありましたが、特に必要なものに限つて統制を存続して行く、こういうことなのでありますが、元來物の供給が少くて、需要が多いのであるから、どうしてもこれを公平に配給するためには、かような統制形式をとるというのでありますが、私たちは、そのためにはます物をたくさんつくるということを考えなければいけない。生産の面を忘れてはいけないと思うのであります。私たちがかつてこの公團に対して反対をいたしましたのも、主としてこの点にあつたのでありまして、公團はただ配給はやるけれども生産の面がおろそかになるのではないか、かような点を私たちは心配しておるのであります。またその生産の面に対しまして、一体公團がいかなる職責を果すか。あるいはまた消費の面から見ましても、その放出の計画、あるいはまた配給先の選定といつたことについて、先ほど申し上げましたが、公團そのもの性格が、いわゆる政府機関でありますために、いろんな複雑な手続等がありまして、思うように行つておらなかつた、どうもその時期を誤り、いろいろ手違いが起つてつたというような弊害があると思うのでありますが、今後において公團は、一体生産の面についてはどのような態度をもつて臨まれるか。あるいはまた、配給計画等について、從來われわれが経験したるところの公團運営方式でありますと、先ほど申し上げます通り、要するに適当な時期に適当の量のものをやるということが、とかくできなかつたのじやないか、こういう点が考えられるのでありますが、これに対して、政府としてどのような考えをもつておられるか、政務次官の御答弁をひとつ承りたいと存じます。
  8. 苫米地英俊

    苫米地政府委員 産業において最も必要なこと、これはわれわれの日常生活にも引き伸ばして当てはめることができますが、必要な物資、必要な品質、必要な数量、必要な時期、必要の場所、これを正確に配給せられるということが最も必要なのであります。しかるにこの統制配給においては、適時適量適所、しかも適当な品質配給するということは、ほとんど不可能な実情にあるのであります。今その理由を申し上げる必要はないと思いまするが、こういう実情からいたしまして、統制経済というものに対して、われわれは何らかの方途を講じなければならないと考えておりますけれども、その現在の実情からいたしますならば、早急にこれを廃止するということはできないのであります。從つてこの適時適量適所、適当な品質ということができない限りは、この生産面に対しても、悪い影響を與えることは当然な結論であります。今御指摘の通りに、配給公團配給の方面のかかつておりて、生産の方に何ら関與するところがないというのでありますが、その通りでありまして、指定資材を除いては、配給生産の方に非常に影響を及ぼしておると言うことはできないのであります。しかも指定資材だけについて見ましても、ただいまも申し上げました通り、理想的にこれが運用されておらないところから、生産を阻害する部分もあると存ずるのであります。しかし根本問題は、この公團を廃止できるかどうかということであつて公團を廃し得ないという嚴たる実情がある限りは、私どもはその限界内において、できるだけの努力をするというよりほかないと思つておると同時に、その今までの弊害を全面的ではなくとも、大きな幅に打開し得るものと信じ、これに努力して行きたいと存じておる次第でございます。
  9. 坂本實

    坂本(實)委員 ただいまの政務次官の御答弁によりますと、まことに抽象品的なのでありますが、もつとこれをひとつ具体的に掘り下げて、御意見を承りたいと思うのであります。すなわち企業的な業務内容が多いということは、先ほど申し上げた通りでございますが、およそ事業というものは、人と金と物とこの三つの要素がそろつて、初めて完全に運用されて行くのであります。まず第一に資本という面から言いますと、基本金は御承知のようには器、備品、その他固定資産に充当するということであり、そして運営資金は主として復興金融金庫による、こういうことなのでありますが、この点につきましても、私たちは、少くとも公團はかようなことでは今後の運営ができるとは考えられないのであります。これは先般の公團法についても同様でありますが、かような基本金、あるいは運営資金というもので一体事が足りるのかどうか。しかも復興金融金庫の方では、ほとんど今業務が停止の状態なのであります。今後の公團運営して行くのに、どういう金融的措置をとられるおつもりなのかということを、一点伺いたいと思うのであります。さらにまた今回の行政整理を、一般行政官廳と同じように公團にも及ぼすというのでありますが、先ほど來申し上げまする通り、やはり実際の仕事をやつて行くのでありますから、どうしてもそこにはある程度の人がなければならないと思うのでありますが、かような資本的な要素において、あるいは人的な要素において、一体どのように考えておられるか、この点をひとつ明確に承りたいと思います。
  10. 苫米地英俊

    苫米地政府委員 ただいまの坂本委員の御質問にお答えいたします。およそ産業が人と金と物によつて動くことは、私どももよく承知いたしておりましす。そこで第一の金の問題についてお答え申し上げます。ただいまお示し通り、この公團金融復興金融金庫から運轉資金を借りるということになつておりますが、復金がああいう状態で非常に引締められておるので、資金の面はどうかというお話でありますが、公團運轉資金供給する程度においては、決して間に合わないというようなことはない、これで十分やつて行けるつもりでおります。また人の面につきましては、頭数ということも問題になると同時に、人の質、能力ということも大きな問題なのであります。現代の窮乏しております日本の財政において、またこの人員整理ということは大多数の國民の支持しておるところでありまして、この整理をしなければならないことは当然であります。しかしその整理の途上において、有能な人を残して行つて、年齢が非常に過ぎておるとか、病弱であるとか、もしくは活動能力の乏しい入とかいうようなところが、まず整理の第一の目標になるのではないかと存じますが、あとに残る人の質がいいということ、それはいろいろの経営面におきまして、手数をかけないように、少数でやつて行けるようにいろいろなくふうが生れて來ると思うのであります。その創意くふうによつて事務を敏速に処理することができる。またあと残つた人々労働意思、一生懸命に働こうという気持が振い起つて來るように、待遇その他を改善いたしますならば、頭数減つてもその質によつて、その労働意欲によつて補うことができると思うのであります。以上お答え申し上げます。
  11. 坂本實

    坂本(實)委員 公團運轉資金の問題でありますが、これは現在認証手形を発行されておる。ところが地方の銀行に参りますと、だんだん政府支拂いが遅れる、その他等につきまして、どうも認証手形であるからといつて特別な取扱いを受けておらないのでありまして、これらの点について、ただいま政務次官の御答弁にありましたように、どうにか間に合つて行くだろうというような考え方では、非常に困るのであります。この点はひとつ特段の措置が望ましいと思うのであります。  今度は、一應公團に対しまする総括的な問題は以上の点でとどめまして、私は主として食品配給公團の問題についてお伺いをいたしたいと思うのであります。今度食品配給公團において取扱われるところの物資につきまして、これを整備整頓をされたのでありますが、少くともこの残された物資につきましては、どこまでも今の日本経済事情からにらみ合せて、絶対これは統制を存置しなければいけないという見地であろうと思いますが、これについては、どこまでもやみ、横流しは絶対やらせないということにならなければ意味をなさないと思うのでありますが、これに対してどのような取締りをなさろうとする御意思があるか。從來の例から見ますると、まあみそしようゆにいたしましても、相当の横流しがあつたというふうにも考えられるのでありますが、これらの点についてどのように考えておるか。同時にまた統制からはずれたものにつきましては、やはり日本産業として重要な意味を持つものでありますが、これはどのように維持育成して行かれるかという点について、ひとつ食品局長のお考えを承つておきたいと存じます。
  12. 三堀參郎

    ○三堀政府委員 公團取扱い物資につきましてのやみでありますとか、横流しなんかの問題につきましては、もちろん今までも考えて参つておりますし、今後も考えて参らなければなりませんが、この問題はもちろんただ取締りだけで十分に行けるというわけのものではないと思います。結局適正な生産者に対する原料配給とか、價格の適正と、それからできる限り量的にも十分なものを配給するということによりまして、自主的に整理して行く。それに取締りが並行することによつて、初めて完璧を期し得られると思うのでありまして、そういう方向で進みたいと思つておるのであります。それからカン詰の点でありますが、カン詰につきましては、先ほど提案理由の際にも御説明申し上げましたように、必ずしも家庭配給対象物資としましても重要性を持つておりませんので、これにつきましては、今後できる限り統制の点は緩和して参りたいと思つておりますが、もちろんカン詰輸出産業として非常に重要な物資でありまして、カン詰産業が十分に成立つて行くということは、ひとりカン詰産業のみならず、日本輸出の振興上にも非常に重要なものでありますので、輸出中心にいたします。ただカン詰は、御承知通りに季節的な産業でありまして、輸出のみに原料資材配分するということでは成立つて行きませんので、輸出中心にいたしまして、それに年間を通じての仕事の成立ち得るような原料資材配分については、十分安定本部等とも相談をいたしまして、それを確保して、そうして統制をはずされましても、今後もヵン詰の成立つて行くようにというような方法考えて参りたいと思つております。
  13. 坂本實

    坂本(實)委員 今の、たとえば今回公團取扱い物資からはずれましたカン詰等でありますが、これはもちろん業界としても、輸出方向に重点を置いて行くべきだと思いますが、また輸出製品をつくりまするためには、同時に内地のカン詰も附帯してつくらなければならないと思いますが、これに対しまする維持育成というようなことについて、政府は、どのような観点から、これを指導して行かれようとするのかという具体的な問題について、ひとつお示しを願いたいと存じます。
  14. 三堀參郎

    ○三堀政府委員 今後のカン詰業界の問題といたしましては、おそらくまず第一が資金問題であろうと思うのであります。公團補助があるということによりまして生産者は安心してものをつくつて、そうしてそれがつくればただちに資金化せられるということによりまして、生産の安定ができ上つてつたわけなのでありますが、今後におきましては、こういう買取機関がなくなるわけでありますので、資金面につきまして非常に困難を來すであろうということが、第一に予想せられるわけであります。この点につきましては、でき得れば生産者卸費業者との間に、何か中間的な元卸し的な機関でもできまして、それが全國的に数個できて、そうしてこれが生産者のものを買い取つて、そこで資金面においてのあるゆとりをつけることになりますと、今後メーカーがつくつた製品を担保にして、金融をはかれると思うのであります。信用面におきましてもそれができますし、非常に安定するのではないかと思いまして、いろいろ考慮はいたしておりまするが、こういう面が法制化できるかどうかということにつきましては、なおまだ若干疑問の点がありますので、目下検討を加えておるのであります。それからもう一つの問題は、先ほどもお話申し上げておりますように、輸出中心にいたしました國内カン詰年間を通じて仕事のできるような、國内向けのものの生産に要する原料資材配分の問題でありまして、これにつきましては、もちろん今後とも家庭配給需要は非常に少いと思いますけれども、ある程度の國内需要はもちろんありますし、特に労務加配的なものの必要もありますし、また今後粉食の増加によりまして、特にジャム等の必要は増加すると思いますので、そういうものを中心にしました、でき得る限りの原料資材配分を増すことによりまして、カン詰産業育成をはかつて参りたいと思つております。
  15. 井上良二

    井上(良)委員 大藏省主計局長主税局長安本生活物資局長生産局長、それから商工省化学肥料部長を呼んでいただきたい。最初こ——農林大臣おりませんが、來ますか、どうも私の質問するときだけ農林大臣出て來ない、けしからぬと思うが……。
  16. 小笠原八十美

    小笠原委員長 要求しましよう。
  17. 井上良二

    井上(良)委員 それでは農林大臣に対する質問あとまわしにして、これは大臣にも一應質問をいたしたいと思つておりますが、今政務次官坂本委員質問に対しまして答えられた点について、さらに私からも一應伺つておきたいのは、現在運営しております各種公團が、非常に官僚的性格を持つておる。それからむだな経費がかかつておる。何とか改善しなければならぬ、こう言うが、一体官僚的性格を持つておるというのは、どういうところをさしておるのですか、この点を明らかにしてもらいたい。     〔委員長退席松浦委員長代理着席
  18. 苫米地英俊

    苫米地政府委員 井上委員にお答え申し上げます。なかなか難題をお答えしなければならないのでありますが、どうも日本人一般的弱点と申しますか、風習と申しますか、とかく権力を持つと、その権力を濫用する傾向があるのであります。そういう日本人共通弱点が、この公團等というような大きな権力を持つと、勢い現われて参るのであります。それともう一つ國民側におきましても、民主主義というものを十分に理解しておらないところから、官僚的でないことにまで、官僚の悪い氣風があるかのごとく感ずるところもあるのではなかろうかと想像しておる次第であります。とにかくこういう仕事に從事しておる者が、パブリツク・サービスをやつておるのだという認識を深めれば、だんだん直つて行くので、そういうふうに指導して、官僚的であるというような非難を避けたいと存じております。
  19. 井上良二

    井上(良)委員 政務次官は、公團は原則として廃止するというわけには行かない。公團方式による統制は当分続けなければならぬ。その統制を続ける過程におけるいろいろな弊害は、極力これを是正しなければならぬ。こういう前提に立つて、いろいろ御答弁をされておつたのでありますが、今の答弁の中で、そういう公團方式をこのまま続けて行こうという場合において、公團自体が大きな権力を持つておる。またその権力を濫用する危険があると言うが、公團がどんな権力を持つておるのですか。少くとも公團運営については、農林大臣及び安本総裁が、それぞれの所管においてこれを監督し、その行き過ぎ、その弊害をことごとく責任を持つて是正することになつておる。公團自体がみずから権力におぼれておるということはないと私は考えておるのですが、どこをさしてそういうことを言われるのですか。
  20. 苫米地英俊

    苫米地政府委員 井上委員のおつしやるところは一應ごもつともでございます。しかしこの指導するとか、監督をするとか、命令するとかいう範囲がありましても、取扱人判断によつて行く点、また取扱人手心というようなものもあるのであります。そこにその判断をする、手心を加えるというところに、その地位に伴うところの権力があるのであります。その手心であるとか判断であるとかいうものが、あやまつ場合はしかたがない、こういう場合もあるだろうと思う。場合によるというと、故意に判断をある方向に持つて行くということがあり得ると見ておるのであります。
  21. 井上良二

    井上(良)委員 それは認定の問題でありまして、どうもあれはなまいきじやと考え一つの認識の問題じやないか。本人はそうやつておらなくても、相手の受けた感じでそう感じた場合に、どうもあいつは官僚的だ、机と判こを持たすとなまいきになつた。こういうような一つの認識の問題じやないかと考えられる。それをあなたみずからが、指導し監督せなければならぬ立場にある者が、公團員みずからが一つ権力を持ち、その権力を濫用するよりな立場に立つておるという考え方を持つことは、これは非常に誤つたものの考え方じやないかと思う。そういう考え方をあなた自身が持たれておつたのでは、公團の民主的運営はできません。これから上は議論になりますが、これは非常に大事な問題です、今後公團運営を民主的にやつて行く上において、非常に大事な問題でありますから、私は質問をいたしましたが、さらにまたこの公團法が初めて國会提案をされましたときに、國会は附帯決議をやつております。公團運営に関しては、少くとも公團官僚的な弊から除くために、民主的な運営をやる機関をつくれといいうことを、政府に附帯決議として本院は決議をいたしております。しかし政府はこれに関する施策を何ら講ぜずに今日まで來ておるのでありまして、それは一つ公團員の自身を信頼し、從來ありました役所とそのやり方が異なつておる。眞に民間人のよき指導者となり、よき協力者となつて、いわゆる適時適正の配給をやろうという、公の任務を完遂しようというこの気持からやられるというところから、從來政府はそういう機関を必要としないということになつて來ておる。ところが今日あなたが、今申し上げるようなお考えに立つておる。少くとも今日の公團員が官僚的性格を持つておるとお考えになるならば、これは民主化する一つ機関をつくらなければなりません。方法考えなければなりません。そこで私はこの問題を特に重要視して取上げておるのでありますが、そういうお考えはひとつおやめになつていただかぬと、公團員みずからが非常にめいわくするじやないかと考えます。  それからいま一つ、現在の公團には非常にむだな経費がかかつておるというが、むだな経費がかかつておるというのはどういうところをさしておるのですか。
  22. 苫米地英俊

    苫米地政府委員 井上委員のただいまのお話は、話を少しもじつてしまつておるところがあるようです。それは先ほど質問の、官僚的性格を持つておるがどうするつもりか、こういう質問に対して、私はそういうところもあるが、同時に民主化が徹底しておらないがゆえに、そうでないものまでも官僚的であると解釈しておる。この二つの面がある、と考えておるのであります。この私のあとから答えた、そういう面もあるということを、井上委員は聞き落されておるのではないかと思う。そこであなたの御議論が出て來るのであつて、この点はもう一度お考え願いたいと思うのであります。さらにむだな経費という点は、いろいろな点においてよほどあるのであります。例を申し上げれば、これは公團自身の問題というよりも、公團の存在理由いかんという問題にも触れて來るのでありますが、たとえてみれば落花生であります。落花生をきわめて安い、生産原價以下のマル公で供出させ、そしてその品物をその場でその土地において、主食の一部として、高い値段で配給しておる。これはまつたくむだなよけいな経費がかかつておる。また他の例をもつて見れば、ある工場でできた品物を供出さして、そうして公團を書類だけ歩いて、またそこの工場にその品物が拂下げられておる。書類が轉々するだけで費用がかかつてつて、自分のつくつたものを、また高い値段で買い取らなければならぬ、またある品物につきましては、公團資金がないために、業者にいろいろの仕事をさせて、手数料だけとつておるというような場面があるということも聞いておるのであります。まだいろいろ申し上げれば、公團自体の改良ということについては、相当問題があると思いますけれども、ただいまはこれで打切りたいと思います。
  23. 井上良二

    井上(良)委員 打切らぬでもいいですが、あなたの今お話になりました落花生の問題や、工場の生産品の例をとつてお話なさいますが、あなたは公團の経理内容を御存知じないです。公團の経理内容は全國プール計算になつておる。プール計算になつておる以上は、当然そういう現象が起つて参ります。それはやむを得ないのです。それをもつてむだな経費だというのはあまりに殺生な考え方です。私はそれ以上あなたを追究はいたしません。  その次に、私はこれは大臣に伺おうと思つておりましたが、今度この食料品配給公團と、油糧公團を合併することによつて行政整理考えられておる。それはこの提案理由にもはつきりとりたつてございますが、「公團におきましても、約二割の人員整理が予定されておりますので、この際取扱い物資中比較的関連性を有しておるものもある食料品配給公團及び油糧配給公團を統合し、業務能率化をはかることとした次第であ事ります」とこういう提案理由をあなたは今お述べになつたのですか、この食料品配給公團油糧配給公團の中で、特に油糧の中で食料品となる油糧、この分はわかりますが、油糧公團の、取扱いの中で、約半分に近いものは工業品に使われております。これは食品ではありません。從つて食品としの関連は全然ない。原料関係においてはありますけれども製品関係配給関係には全然関連はない。     〔松浦委員長代理退席、委員長着席〕  しかもこの二つを統合することによつて業務能率を高める、こう言つておりますけれども、逆に業務能率は混乱するのであります。高まりません。その上にさらにここで三割の人員整理する、こういうのですが、今整理の内容について、あなたは坂本君の質問についていろいろ答弁をされておりますが、第一は年齢を問題にする。その次には健康を問題にする。その次には能率を問題にする。こういうのを大体基準にして定員によつて二割の整理をいたそう、こういうらしい。しかしこれらの人々は、公團設立当時は、適正な検査を受け、健康診断を受けて、公團に必要な人物として採用されておる。公團にまじめに勤め、一生懸命やつた結果、病氣になつたり、あるいはからだをこわしたり、いろいろな関係から、十分な能率の上らぬ現状になつておる人もあるかもしれない。また年の行つた人もおるかもわからない。整理の都合にはいいかもわからぬが、本人の立場になればこれは人権問題です。人間としての生活問題です。この問題をあなたは一体どうお考えになりますか。
  24. 苫米地英俊

    苫米地政府委員 井上委員の御質問、ごもつともの点もありますけれども、少し極端に走り過ぎている点もあると考えます。いずれの國、いずれの時代におきましても、年をとつて新陳代謝をする、これは自然のことであります。決して今に始まつた問題ではない。それは皆自分の職場において、努力して働く。その間に年をとる。年をとつていつまでもその職におつて妨害になつて困るということがあつたので、定員制というものも生れて來たのであります。また同じ人が、年をとつてもいつまでもやつておるというようなところから、いろいろな弊害も起つて來ておる。それがために、これを避けるいろいろなくふうが、どこの國でも、いつの時代でも、凝らされております。  それから、一生懸命働いて病気になつたんだというお話もありますが、それは、そういうような者もあるだろうと思いますが、必ずしもそうでもない者もあると思うのでおります。しかしその原因は問いませんけれども、とにかくその職場において、その職務が勤まらない程度に病氣になつて來た、もしくは他の同僚よりも著しくそのために能率が落ちて來たというような場合には、これは國家が厚生的方面において、他の方面において保護すべきである。そこで病氣になつたがゆえに、そのある限界を越えて、それ以上そこで保護して行くということは、ちよつとできないことでもあり、またすべきことでもないと信ずるのであります。  それから能率の著しく低いというような人は、これはやはり、もつと自分の能力に適したところに轉換して行くことがいいので、それも、ある程度の保護を加えて、そういうふうなぐあいに轉換させるようにいたすのが、國家的に考えていいのだと、私は考えている次第であります。
  25. 井上良二

    井上(良)委員 私はお年寄りの苫米地さんに、あまり年のこと事を言いたくないのですが、大体年をとつて働けぬようになつたら、もうやめたらいいのだ、こうおつしやいますけれども、この公團は、できてからまだ二十箇月しかたつておりません。生れて二十箇月です。二十箇月前に、この人は公團に必要な人として雇つているのです。そのとき、公團の壽命というものは、一年の期間が切つてつたのです。期間が切つてない公團と違うのです。設立から解散まで一年の期間が切つてある。そのときに、この年の人は必要だというので公團は雇つておる。よろしいですか。もしあなたの理論ならば、そのとき、そんな年寄りを雇わんでもいいでしよう。そうでしよう。そのときは必要なりとして、ちやんと俸給を出して雇つているのです。健康診断をして雇つているのです。いろいろな事情から、要求して雇つているのです。だから今日、二十箇月後に整理するという場合、年齢を標準にするというのは妥当ではない。それからその次に、能率が非常に悪い、こう言うのですけれども能率のよしあしも、採用いたしまして、一週間なり二週間なりというものは、大体本人の勤務状態その他を見て、そこで雇うとか雇わぬとかをきめるべきであつて、大体今日までやつて來て、非常に特例な者を置けとは私は言いませんけれども、そういいう標準によつて人を整理するという行き方は、われわれはおもしろくありません。そこで、あなたにさらに伺いますが、いわゆる人間を整理した後に、相当人が減る。人が減つても、働く意思と、労働生産性を高める気持さえあれば、能率は上つて行く。その労働生産性を高めますところの原動力は、結局はその人の生活問題である。問題は公團の待遇改善の問題です。あなたは、公團員の待遇を改善すれば労働の意思は高まる、こう言つておるのですが、どう改善しようと考えておいですか、御答弁を伺いたい。
  26. 苫米地英俊

    苫米地政府委員 ただいま年齢の問題について、多くを語らないというお話でありましたが、公團が二十箇月というような命脈を持つているとするならば、ある人間は三十箇月たつてもいい。ある人間は一箇年すると、ある年齢の境界を越える。ところがその限度を越えて現に來ておるのであるとすれば、その年齢というものが問題になる。しかし私は今そういうことを議論しようとは思いません。ただ井上委員はきわめて綿密にお考えになる方でありますが、いかがですか、何かこういうように、どうしても人を減さなければならぬというようなはめのときに、——私が申し上げたのは、これは私の考えで、こういうような條件によつて整理せられるであろう、その標準の一例を私の立場から申し上げたのでありますけれども、どうしても減らさなければならぬということになつて來たときに、そういうような標準を否定されるならば、どういうことによつてその選択をなされようというのか、この点を逆に私の方からお伺いしたい。かつて入学難の多いときに、抽せんできめろというような議論が世間で非常にあつたのでありますが、これはせんだつて井上委員が競馬法について述べられた趣旨からすると、まさかこの抽せんには御賛成にはならないだろうと思うのですが、私はこういう問題を解決するには、何らかの標準がなければいけないと思うので、そり標準の例示をいたした次第であります。
  27. 井上良二

    井上(良)委員 待遇改善の具体的処置をお伺いいたします。
  28. 苫米地英俊

    苫米地政府委員 待遇改善については、私ども現在公務員の給與がまことに乏しいことを前々から痛感いたしておるのであります。從つて、この人員整理ができましたならば、その浮いて來たところの経費で、残つた人の待遇を政善して行きたい、こういうことを考えておるのであります。この働く人員は、数が不足であるというと能率は上らなくて、健康を害するというようなむりがあるのであります。さらに過剰な人員があるというと、かえつて能率が下つて來るのであります。十人で足りるところを二十人ならば、非常に大きく能率が低下する。そこで人数ば、仕事にちようど必要な程度あるということが、一番能率が上るいい條件であると考えます。そこで今過剰と認められておるようなところの人員を減らして、待遇を改善するということが、能率を高める一つ方法である。すべてではなくても、一つ方法であると私は考えておる次第であります。
  29. 小笠原八十美

    小笠原委員長 井上君、商工省の肥料部長がお見えになつております。
  30. 井上良二

    井上(良)委員 肥料の問題は、もつと先に質問したいと思います。お急ぎでしたら、午後から來ていただきたいと思います。  行政整理による人員整理にわれわれが反対をいたしておりますのは、なるほど今日、わが國全般の経済情勢をよくつかみません國民の一部には、あまりにも目の先の、税金が重いとか、諸掛りが重いとかいう特異な例だけをとつて、これはいたずらに官公吏が多過ぎるのだという一方的解釈によつて、この官公吏さえ減らせば、ただちに自分たちの負担が軽くなり、またもつとサービスのいい、能率的な役所ができ上るような、甘い考えを持つた国民が一方におります。しかしわれわれ、この狭い日本の限られた領土で、限られた経済を営んでおるところにおきましては、なるほど國の予算の面では、たとえば五十万の官吏を減員いたしますならば、五十万人分の俸給、その他の諸経費は減額されるかもわかりません。しかし、この人たは失業するのであります。失業しましたならば、この失業について、國は別な面でこの人たの生活を見なければなりません。この見る経費というものは、一体だれが、どこから持つて來るかということであります。國全般の経費から考えますならば、仕事を與えずに遊ばすということの方がマイナスであります。損であります。いわゆる受入れ体制と働く体制を整えずして、無計画的に首を切るという行き方は、國全体の経済の行き方から、絶対に賛成できないのであります。われわれは決して行政整理、機構の改革に反対をするものではありません。能率的な明るい役所をつくることには賛成であります。ただそれをやる上においては、あくまで國全体の経済の立て直しを考え、國全体の再建の方途の一環として考えるべきであつて行政整理だけを取上げて、一方的に弱き者に強い鉄槌を打ちおろすという行き方には、賛成はできません。ましてあなたのおつしやいますような、首の切り方を考えて、ああやつたら不平が起るまいか、こうやつたら不平が起るまいか、とうやつたら一体ほんとうによい首の切り方ができるだろうかというので、首切左衛門みたいに考えることも、首切る本人としてはよいかもしれませんけれども、われわれ長い間、少くもこの方面の仕事をして來た者といたしましては、まず第一に首を切られる者の立場に立つてものを考えてやることです。立場を逆に考えてやることです。首を切るという立場よりも切られる者の立場に立つことです。どうしても整理せなければならぬ場合はみんなかわいい公團員であり、官公職員でありますから、従つてそこには、わけ隔てをすべきものではない。ましてこういう短期間に、國が必要機関としてつくつた場合には、なおさらのことであります。そういう場合は、まず第一に希望者を募るなり、あるいは特に家計状況なり、その他いろいろな轉職その他の面をよく見きわめた上で、むりのない対策を考えるべきであつて、お前はからだが弱いから、お前は年が寄つておるから、お前はなまけものだからという烙印を押して首を切られたとして、その人がよその会社なり、よその勤め先へ一体行けますか。そのことを考えてやらなければなりませんぞ。ほうり出す方はそれでよいかもしれないけれども、ほうり出された方は、次の職場に行けませんよ。そこのところをほんとうにあなたは靜かに考えなさいよ。しかも退職手当、解雇手当を、二年も三年も五年もやろうというのではないじやないですか。わずかな退職手当さえ難題をつけて、容易に生活が安定できないような現状の中に首を切ろうとするときに、そういう無慈悲な切り方というものはあるものじやないのです。これはあなたみたように、長い間教育の庭に立つて、一校の代表者として多くの子弟を教育して來た人が、そんな無慈悲なことを言うてもろうてはちよつと困りますぞ。これは実際よう考えてもらわなければならぬ。その点はひとつ特に——年の行かぬ方から年の行つた方へものを言うのはぐあいが悪いのですけれども、ちよつと言うておきます。  その次にあなたに伺つておきたい点は、これはあなたか、食品局長か、どつちでもよろしいのですが、今度公團会計制度独立採算制に改める。そうしますと、一体現公團運営は、独立採算制に改めて、大体行けると考えておりますか。食料品公團及び油糧公團とも、それから肥料公團関係の人がおりましたら、肥料公團の方もお答えを願いたい。
  31. 三堀參郎

    ○三堀政府委員 油糧公團並びに食料品公團は、設立以來今日まで收支は十分に償つておるのでありまして、今後とも十分採算的には償つて行くと思つております。赤字を出すというようなことは全然予想しておりません。
  32. 井上良二

    井上(良)委員 收支が完全に両公團とも償つているというのに、何ゆえに人員整理をしなければなりませんか。
  33. 三堀參郎

    ○三堀政府委員 人員整理の問題は、官廳の行政整理の問題と関連を持つた問題でありまして、公團が赤字があるから整理するといことではないと存じております。
  34. 井上良二

    井上(良)委員 大体これは首を切るという一つの政策といいますか、きれいな言葉で言えば行政整理と言つている。それは一つ國民の負担が重いということと、一つはできるだけ能率を高めよう、まして特別会計になつているものは、赤字の出ないような採算をとつて行こう、こういう三つの立場であろうと私は思つております。そこのところが両公團とも、よく公團員があらゆる面に注意を拂つて、赤字の出ないように、またいろいろな面に注意を拂つて能率を上げた結果が、この成績をあげ得ている。この努力を何ら買うことなくして、他の一般官公吏と同じように、天くだり的に二割整理せよ、こういう行き方はあまりにも官僚的な、しやくし定規の行き方と考えませんか。あなたは、とう思いますか。
  35. 三堀參郎

    ○三堀政府委員 整理の問題につきまして、現在の人員で十分か不十分かという御質問でありますが、食糧品公團なり、あるいは油糧配給公團なりにつきまして定員を減しますれば、それだけ経理がさらに余裕を生じて來まして、それが剰余金というような形になつて国庫に納付される。国庫としてはそれだけゆとりができなければならぬと思うのであります。行政整理の面におきまして、役人を減らすのは結局國の負担を樂にするという趣旨から來ていると思いますが、公團の定員を減らすということは、同様に國家的な負担を、あるいは積極的な意味になるかもしれませんが、逆にもう少し観点をかえれば、公團整理がうまくすめぼ、あるいは配給物資價格を引下げることも考えられましようし、いろいろな意味におきまして國民の負担が軽くなることだから、そういう視点から考えられて來たものではないかと考えております。
  36. 井上良二

    井上(良)委員 この両公團とも剰余金が相当出ている。剰員はいませんはずですが、天くだり的に整理することになつて参りますと、私の聞こうとする点は、この剰余金の大体出方であります。両公團職員の待遇は食糧公團なり、肥料公團なりあるいは政府職員と比べてどういう状況になつておりますか。これを概括説明願いたい。もしできればあとで資料をお示し願いたい。
  37. 三堀參郎

    ○三堀政府委員 両公團ともそれぞれ年齢構成等が違つておりますので、今特に資料を持ち合せておりませんので、そうした点をはつきりいたしまして、國の職員との待遇関係の数字をお示しいたしたいと思います。
  38. 井上良二

    井上(良)委員 大体この公團はもうけるためにやつておりますか、もうけないためにやつておりますか、この点伺います。
  39. 三堀參郎

    ○三堀政府委員 もちろん両公團は営利を目的としておりますわけではありません。剰余金を目的とした公團ではありません。
  40. 井上良二

    井上(良)委員 大体これは適時適正な配給國民に行い、全國画一的にその目的を達するということがこの公團を設立いたしました目的でありまして、民間企業團体や企業会社とは違うのであります。しかるにこの両公團が剰余金を生み出して政府にそれを納入しておるということは、それだけ消費者が重たい負担を負うておるということになりますが、生活物資局長としてどうお考えになりますか。
  41. 三堀參郎

    ○三堀政府委員 今までのところ剰余金が出ておると申しましても、これは別段いわゆる純粋の剰余金が出ているということではないのであります。交付金に対する國庫納付金でありまして、結局收支がどんどんに行つているということでありまして、特別な剰余金が出ているのではないのであります。そして今年度から、先ほど提案理由にもありましたように、全体の制度がいわゆる独立採算制となりまして、予算制度になりますので、予算を組む際に收支がとんとんになるような予算を今後とも組んで参るわけであります。今後の運用によりまして、剰余金が出れば、もちろん國庫に納付することに実際になつて行くわけでありますが、今後の運営によりまして剰余が非常に出るということは予想しておりませんけれども、もしそういう事態が起ることになりますと、当然取扱い物資の公定價格に改訂が加わることになろうかと思つております。
  42. 井上良二

    井上(良)委員 この公團取扱品の物資に税金をかけているのはどういうわけですか。
  43. 三堀參郎

    ○三堀政府委員 ものによりまして現金のかかつているものと、かかつていしないものとあるわけでして、取引高税はかかりません。物品税等につきましては、今度カン詰をはずすことになりますが、カン詰については從來かかつておりますけれども、人造バターについては廃止をいたしております。これはものによりまして違つております。
  44. 井上良二

    井上(良)委員 今局長はこの両公團の剰余金は政府交付金と差引きしてとんとんになつているというお話ですが、ここに食料品配給公團、その他の公團決算報吉書が出ておりますが、これによるとそうなつていない。局長が先ほど答弁されました通り、消費者に公正にサービスをするということが、この機関設立の目的でありますために、できるだけ剰余金なんかを配給價格引下げに振り向けるべきものであろうと考えます。なおここで問題になりますのは、この独立採算制になりました場合に、さきに坂木氏からも質問をしておりました公團運営資金の金利の問題、復金融資の問題、これは一体どうなるか、金利はいらぬのですか。拂わなければいかぬのですか。政府機関として復金から融資を受ける、それに金利を拂う、おかしなことになりますが、一体これはどうなるのですか。
  45. 三堀參郎

    ○三堀政府委員 公團政府機関ではありますけれども一つの企業体としても活動するわけでありますから、金融機関から金融を受ければ、金利を拂うことは当然であろうと思います。
  46. 井上良二

    井上(良)委員 公團一つの民間企業体と同じような性格を持つた機関とわれわれは考えておりません。これは政府機関考えております。しかも政府機関であつても特殊法人格を持つものであるというように、われわれは解釈いたしておりまして、しかも特殊法人格を持つておりますが、さりと申せ自由闊達な活動は許されていない、あらゆる活動が制約されておる。公團運営というものは、総裁独自の腹で、独自の計画に基いて自由に活動できないことになつておる。あらゆる制限がそこには設けられている。從つてこうやればもつともうかる、こうやればもつと都合よく行くものもできないことになつている。しかもこの両公團の扱いますところの原料及び取扱品の大部分は、外國輸入物資でありまして、ほとんどこれは國内の民間生産品ではないのです。そういう点から考えますと、この機関はまつた政府資金によつて政府機関によつて政府責任を持つて民間に必要な品物を配給してやるという明確な線を出した方がいい。そういう点から私ども油糧配給公團法の一部改正による十五億の政府立てかえ金、政府交付金の法律案を本委員会で審査を終了したようなわけでありますが、政府機関でありながら復興金融金庫に金利を拂うというのは、ちよつとどうもわれわれ納得できない。それなら政府資金でもつてつたらいいという考え方を持つておりますがそこまで飛躍できませんか。
  47. 三堀參郎

    ○三堀政府委員 われわれといたしましては、これは公定價格の立て方とも関連を持つわけなのでありまして、公團が金利を拂つても拂わなくても、これはどちらでもいいような立て方はできると思うのであります。ただ逆に復興金融金庫の方から申しますと、復興金融金庫といたしましては、一つ金融機関でありますので、当然これは利子をとらなければならない建前になつておりますので、特に公團に融資したものだけ金利をとらないというわけには行かないだろうと思います。そういうわけでありますので、この分につきましては当然金利を拂わなければならないと思つております。また拂つてもさしつかえないと思いますし、また先般御審議を願いました油糧公團の十五億の分につきましては、これは政府の出資によりまする基本金の増加でありますので、この分についてはもちろん利子を拂わないわけなのであります。こういうような政府出資による基本金の増加によつて、ある程度金融がまかなえるというようなことが各公團にできますれば、公團自体といたしましては、金融的な面で非常に樂になると私は思いますし、望ましいことだとわれわれ公團を直接あずかつている者といたしましては考えておる次第であります。
  48. 井上良二

    井上(良)委員 この間審議しました十五億の政府資金は貿易廳に油糧公團が支拂うべき過去六箇月の油脂原料支拂い代金、この支拂い代金が復金の融資がうまく行かぬというところから、政府出資に肩がわりを申し出て來た。こういうことになつたのではないかとわれわれ思つております。あのとき問題になりましたように、その支拂い先の貿易廳は政府機関であります。これも同じ政府のふところへ、勘定は別々で違うかわからぬけれども、妙なことをしておるなと私どもは思つておるくらいですが、しかるにそういう特別な原料買入れ代金を政府の貸金をもつて支拂いを立てかえてやるものではなしに、これは資金に繰込んでおるのです。その資金たるや原料代金なのです。支拂う金がないから、支拂わなけばれならぬから十五億を認めてくれということになる。だからほかの公團資金にしても、復金で借りることをやめてもらつて、そういう運轉資金と言いますか、融通資金政府資金にしてしまつて復金に支拂う金利だけやめてしまう。そうするならそれだけ消費者の負担は軽くなるし、職員の待遇はよくなつて行くと思いますが、そういう行き方はできませんか。これは安本生活物資局長の方が詳しいかもわからぬから、そちらの方で答弁してください。
  49. 東畑四郎

    ○東畑政府委員 御質問にお答えいたします。十五億の問題は、先般の委員会において申し上げたのでありますが、三月末における貿易会計の赤字を、油糧公團に金を貸して赤字をなくした、こういう関係でああいう運轉資金的なものが出たのでありますが、一般公團運轉資金というものをああいう形で出すということは、政府としては考えておらないのであります。貿易特別会計そのもので現金取引をやるという必要から、他の公團の赤字をずいぶん御努力を願つて整理した、最後の吹きだまりが油糧公團の十五億という形になつておるのであります。そういう目的のためにあれができたのでありまして、公團そのもの運轉資金を、政府一般の財政から出すということは、ただいまのところ考えておりません。ただ今後の公團運営についての種々の運轉資金につきましては、さらに復金の現在わく内における融資、それで足りない場合におきましては、先般も申し上げましたように、さらにわれわれは努力をいたしまして、市中金融機関なり政府の財政の余裕から出し得る道を、目下研究をいたしておる次第でございます。
  50. 井上良二

    井上(良)委員 さらに安本の方へちよつと伺いたいのですが、安本の方で、わが國食糧の需給体制、それから將來の需給計画、これからの五箇年計画というものを大体立てておることを承つております。それには澱粉質の食糧が一九五〇年はこれこれ、一九五五年にはこのぐらいになる。その場合蛋白質はこうなる。油脂の量はこれだけにふえるという、全般的な総合計画を立てられておりますが、安本といたしましては、わが國食糧の將來の方向を、現在農林省の立てておりますようないわゆる主要食糧一本建、大体はこの方向で、それにお添え物のように蛋白と油脂をつけて行くというのでありますか。それとも進んで、わが國食糧の將來の方向は澱粉質、蛋白、脂肪を総合的に配分いたしました栄養食糧の方向をとらなければならない、こういう見地から澱粉質がこれこれ、蛋白の領分がこれこれ、脂肪の領分がこれこれという確固たる自信の上に立つて、これに対する生産配給の年次計画のようなものを立てようといたしておりますか、それともそういう計画は全然考えていないということになりますか。この点を伺いたいと思います。
  51. 東畑四郎

    ○東畑政府委員 將來の食糧の需給に対する蛋白、脂肪、澱粉質の問題でありますが、われわれといたしましては、栄養学者方面の御意見を十分伺いまして、いわゆる経済の問題を離れた、日本人の理想的な栄養構成はどういう形になるかという問題につきまして、相当の研究なり御調査を願つておりますが、問題はわが國の、要するに生活水準という経済問題に触れて参るのであります。同じ蛋白にいたしましても、動物蛋白、植物蛋白、いろいろございます。脂肪にいたしましても、國内資源によるもの、あるいは海外によるものとありますが、問題は今後の見通しというものはなかなか困難であります。五箇年程度におけるわが國の生活水準というものが、計画の立て方いかんによりますが、昭和五——九年よりそう多くなり得ないというわが國経済の実態であれば、われわれのとるべき方向としては、より安い、栄養價値ある食構成にいたしたいのでありますが、現実的にこれを見ますと、價格の問題その他の問題におきまして、理想的な栄養構成に達することは、なかなかできない状態であります、方向といたしましては、カロリーとさらに栄養的な構成、両方の問題をかみ合せて、一つの妥協的な案よりつくり得ないのではないか。遠い將來は別でありますが、われわれの予想し得る五箇年ぐらい先のところにおいては、そう考えております。
  52. 井上良二

    井上(良)委員 そういたしますと、ここ五箇年ぐらいの見通しとして、全体的のわが國の生産の復興に伴う海外との関係等を考慮いたしまして、現在の状態からあまり改革されないという見通しでございましようか。それとも將來蛋白、脂肪の分がもつとふえるという見通しでありましようか。その点はどういうものでありましようか。
  53. 東畑四郎

    ○東畑政府委員 今政府責任を持つております配給量というものは、一般消費者千四百四十カロリーという水準でございます。脂肪につきましては、御承知のように三グラムの油の配給がございますが、五年先の見通しは、問題はわが國の農業生産力の問題と、鉱工業における生産力、それによる日本の輸入力に問題は帰するのであります。われわれといたしましては、少くとも食生活におきましては、昭和五——九年、あるいは五——九年のべース以上のカロリーをとるべく案をつくつております。同時にその質的内容におきましても、現在の三グラムの脂肪、わずかの蛋白は、より多くのものを水産資源あるいは植物資源等によつて確保するとともに、動物資源、畜産の増産というようなものについても考えまして、現状よりはもう少しよい水準というものを考えておるのでありますが、生活水準そのものは食糧だけでなく、衣料その他ございますので、全体を総合いたしますと、当分昭和五——九年程度の生活水準には達しない。こういう結論を持つておる次第であります。
  54. 井上良二

    井上(良)委員 問題はあなたの方の立てます國民の生活水準と申しますが、これが実は農林省の生産計画というものに重大な影響を持つて來るのであります。われわれは現在わが國の米麦を中心にする澱粉質食糧というものでは、日本の食糧はいつまで経つても解決しない。こういう私ども一つの確信を持つておる。もちろん價格面、その他の関係もございますけれども、どうしても蛋白、脂肪というものを合理的に取入れるという、総合的栄養食糧への道を、積極的に國民に協力を求めて、押進めて参りませんと、日本国民の体位と同時に、日本の食糧の前途というものは開けて来ない。こういうふうに私ども考えておる。そこであなたの方の立てますところの國民生活水準というものが、一体どういう内容を持つて、どういうカロリーを確保しようとしておるのか、そのカロリーの内容はどうであるかというところに、われわれは大きな注目を拂つておるものであります。ういう点から、今あなたの御答弁にもあります通り、少くともやはり蛋白、脂肪を相当量取入れて行こうという方向をとろうといたしますならば、わが國の農業計画というものの中における、たとえば植物油資源、大豆、菜類、落花生というような、植物油資源の作付面積というものが一体どうなつておるかということを、この際一應御答弁願いたいと思います。
  55. 東畑四郎

    ○東畑政府委員 菜種、落花生、大豆等の蛋白及び脂肪資源については、過去においては相当澱粉質の食糧のために面積は減つたのであります。戰後菜種についても、大豆についても、相当農林省の方で増産推進をやられますとともに、供出その他についても、農民の増産意欲をなるたけなくさないような政策をおとりになりまして、ただいまのところ、だんだんと増加する趨勢にあるのではないかと考えております。
  56. 井上良二

    井上(良)委員 次に内容に入つて参りますが、この両公團取扱います品目の品質の問題でございます。一体これらの油、みそしようゆ、アミノ酸あるいはその他の食品については、製品檢査をどうしてやつているかということであります。これを食品局長に伺います。
  57. 三堀參郎

    ○三堀政府委員 現在は食料品配給公團に檢査局を設けまして、檢査局で各取扱い物資の檢査について、なるべく統合せられた基準のもとに檢査をやつているのであります。もつとも品目によりましては、必ずしも製品が似通つておりませんので、統合と申しましても何でありますけれども、できる限り総合的な見地から檢査を進めているのであります。そしてなお実際には、それぞれ地方に檢査員を配置いたしまして、その檢査員ができる限りメーカーのもとに赴きまして檢査をするというようなことで、製品品質の維持をはかつているのであります。  なお立ちましたついでに、先ほどの給與の関係をお答え申しておきますが、昨年の十二月一日に官吏のベースが六千三百七円になつたわけでありますが、そのときにおきまして食料品配給公團が六千四百三十九円の單價になつております。それから油糧配給公團が六千百六十五円という單價になつております。このほかに公團には公團の特別手当として三割の加給がつくわけであります。
  58. 井上良二

    井上(良)委員 今の檢査の問題ですが、はなはだ抽象的で、單に公團に檢査官を置いて、メーカーに対して檢査をやつていると言うけれども、油にしても、みそしようゆにいたしましても、それは抜取り檢査でありますか、それとも製品ことごとく檢査をしておりますか、それとも配船所の現場において檢査をしておりますか、各メーカーの製品を同一の所へ集めて、一定の規格品に比較対照して檢査をしておりますか。どういう方法でやつておますか。
  59. 三堀參郎

    ○三堀政府委員 全部の品種につきまして檢査することは実際の問題として不可能でありますので、抜取檢査になるわけであります。なおみそしようゆ等は、御存知の通り地域々々に生産がわかれている場合が多いのでありますので、地域的に檢査を行いますし、人造バター等は比較的メーカも少いので、全國的に見本を集めまして、全國的な総合せられた目で見るというように、なるべくは全國的な統一された目で見るという方針では進みますけれども、実質上そういうふうに行いがたいものもありますので、そういうものについては地域的に行う。なお必要に應じましては、もちろん小費業者の店頭にもできる限り人を派して、抜取り的な檢査をもあわせ行いまして、品質の確保をはかる。こういうような方法をとつているのであります。
  60. 井上良二

    井上(良)委員 油の場合は、工場を対象にして檢査しても一向さしつかえないのですが、みそしようゆの場合には製品公團に買取つておる。從つて工場において檢査をしても何にもなりません。問題は配給所において檢査をしてもらわなければ、何にもならぬ。今年になりましてから、いもの入りましたみそは、もう配給することをやめたそうでありますけれども、今までは原料が不足しました関係から、いもをみその中へまぜて配給いたしました関係上、いろいろな問題が至る所に起つた。またしようゆにいたしましても、悪質な小賣店舗はいろいろな手を講じて、無知な消費者に対していろいろな配給方法をやつておる。だから小賣店で檢査をしなければ何にもならない。工場の檢査に行つて、工場主と談合して、お茶の一ぽいもよばれ、お酒の一ぱいもよばれて帰つて來るのでは何にもならぬ。問題は店頭において配給しておる現場を押えて、この製品がどこの製品かということでやつてもらわなければ、そんな檢査を何べんやつても何の足しにもならぬ。いらぬ経費を使うだけです。現実に配給所へ行つて、メーカーをよく調べて、いいのと悪いのとをよく押えて行くような方法に改めてもらわなければならぬと思いますが、そういうやり方は絶対に不可能ですか。
  61. 三堀參郎

    ○三堀政府委員 公團といたしましては、自分がメーカーから物を買取るのでありますので、買取る際における檢査はどうしても必要なわけでありまして、そういう面においての檢査は、今後とももちろん続けて行かなければなりませんし、また御指摘の通りに、配給面におけるいろいろな問題も起つて参りますので、こういう面につきましては、またそういう面といたしまして、小賣の店頭におもむいての檢査もあわせてやるし、また、消費者からの苦情等も聞くというようなことも、あわせてやるわけなのでありまして、要するに品質の保持につきましては、いずれにいたしましても、そう十分な人手でやるわけではありませんので、いろいろな方法をあわせてやつて行く以外の方法はなかろうと思いまして、そういうような方法をあわせて行つておるわけなのであります。
  62. 井上良二

    井上(良)委員 配給店舗において行いました結果がわかつておりますか。
  63. 三堀參郎

    ○三堀政府委員 今手元に檢査についての十分な資料を持つておりません。
  64. 井上良二

    井上(良)委員 後ほどその結果を知らしてもらいたい。次にメーカーに対する原料の割当は、何を基準にして割当てておりますか。たとえばそこにすわつております能力台数といいますが、一箇月に生産します能力トン数に應じて割当てておるというのか、それともその工場が、過去の実績によつて非常によい品物をよけいつくつておるから、優先的に優良工場として割当てておるというのか。何を一体根拠にして割当てておりますか。
  65. 三堀參郎

    ○三堀政府委員 メーカーに対する原料資材の割当につきましては、非常にむずかしい問題でありまして、それぞれの物によつて違うのであります。たとえば、みそしようゆと油、人造バターなどの割当につきましては、もちろん基準をかえて考えなければなりませんのでそれぞれその実情に合うように、いろいろと方法を研究しながら、逐次改善を加えて参つておるのであります。そうしてなおこれにつきましては、昨年以來原資材の割当審議会という一つ委員会を設けまして、これにあるいは、官職側、あるいは学識経験者、あるいはメーカー、それぞれ関係の者が集まりまして、どういうような基準で割当をするかという基準をきめ、その基準に基きまして、割当官職としての農林省が実際割当をする。こういう方法を取つておるのであります。なお全部のものにつきましては、また御必要とあらば、いずれ書面で詳く御報告申し上げたいと思いますが、一例を取つてみますと、しようゆにつきましては、府懸別の割当とメーカー別の割当とをわけて考えなければならないので、中央におきましては、府縣別の割当を出荷率、品質、それから小賣業者の選択等の調整というような項目にわけまして、出荷率にあたりましては八〇%のウエートを與え、品質については一〇のウエートを與えるというように、そのウエートをわけまして、まず府懸別の割当をいたしまして、そうしてそれを府縣におろしまして、府縣ではさらに出荷率なり品質なり、それからその他の項目にわけまして、メーカー別の割当を府懸で行う、こういうような方法をとつておるのであります。
  66. 小笠原八十美

    小笠原委員長 ちよつと速記をとめて下さい。     〔速記中止〕
  67. 小笠原八十美

    小笠原委員長 速記を始めてください。  本日はこの程度にとどめまして、次会は明十九日午前十時より開会することとし、本日はこれにて散会いたします。     午後零時四十四分散会