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三浦政府委員 國有林野の
特別会計には、
資材である原木の金が
見積つていないじやないかという一点、これに対しまして、私ども山林
特別会計と明しますか、会計の経理方式として、当初いろいろと議論されたのでありますが、原木というものは、そのあとにいわゆる
造林をする、あるいは
林道をつけて山林の價値を高めることによ
つて原木
價格を
上げる、そういうような考え方からして、原木
代金というものは、これは
特別会計の中には、この
予算そのものには見ない。ただ収支計算をとります場合にはこれを見ます。従いまして標準伐採量に対しまして、需給の
関係から、もし一万石増して切
つたということでありますれば、その一万石分は積立ての方にその金を置かなければならぬ。もし減伐と言いますか、標準量よりも少く切
つた場合におきましては、それは
プラスの面として積立てておく。こういうことでこの会計の仕方は山林についてはしておるわけでございます。
それから今日の
特別会計は
人件費その他
人件費に
関係するものが確かに比較的多くな
つております。二一%くらいが
人件費、旅費、廳費、事務費とな
つているように記憶しております。ただこの
特別会計として非常に遺憾なことは、御指摘のごとく
造林であるとか、治山
方面、あるいは
林道の新設という
方面に対して思うように延びていない。それにまわすだけの余力がないということでございます。そこでこの
特別会計は、会計法に示すがごとくに建設公債の発行を認められており、また長期借入れの
制度も取入れられておるわけでございまして、現に昭和二十二年度におきましては八億九千万円の長期借入れをいたしました。もつともそれは二十三年度になりまして、二億一千だけは返しております。また二十三年度におきましては十四億六千万円の借入れをして、建設的なもの、また二年、三年にわた
つて償還をしなければならない、たとえばしいたけの栽培のごときものについては、こういう
制度をと
つて來てお
つたのであります。
ところがこの二十四年度におきまして、それらの建設公債的なもの、長期借入れ的なものは一切いかぬということに、現在な
つております
関係から、この長期建設である
林道というようなものに対しては、やむを得ず制派をした使い方をしなければならない。しかも一方今日
日本全体の
林業試驗場をこの
特別会計が背負わされておる。どうしても
一般会計の方には今の
ところ分担してもらえないという事情があ
つて、さらにこの会計の
内容を眞の
國有林野の
経営そのものから見た場合には不十分なものにしておる。こういうよな現状でございます。
それから
林道等に対する問題でありますが、二十二年度はいわゆる基準計画に対しまして、実行は八四%をいたしました。二十三年度は大体八八%できる見込みでおります。それからただいま御
審議をいただいております二十四年度のこの
予算の中では、大体
林道については八二%くらいやれる見込みでおりますが、治山
施設におきましては、本年は五箇年計画に比べて約五割二分程度しかやれない。
造林におきましても、できれば人工更新によ
つて杉のよいものを植えて、すみやかにその成育をはかりたいわけでありますが、経費の
関係上、およそ計画に対して五〇%程度、そうしてあとのものは、天然更新を加味して林地の更新をはかるという運用に持
つて行かなければならぬという
状況でございます。それではなぜこういうふうにな
つておるかという問題でございますが、今日の仕事が食糧等の
関係からきわめて山地におきまする労務が非常に高くつくというような
状況から支出は多くなる。しかもその製品は、これは
國有林野の仕事ではありますが、一般の
木材、薪炭と同じように、一般の
價格による。こういう
状況でありまして、もし一般の民有林におきましても、その跡地を必ず
造林しなければならぬ、あるいは
林道を計画のように延ばさなければならぬということになるならば、
はたしてどうなるか。私どもといたしましては、大きな個人
企業におきます
ところの
内容と合せて、
國有林野の経費の
内容の比較檢討を始めておるような
状況でございます。