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1949-04-01 第5回国会 衆議院 農林委員会 第6号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十四年四月一日(金曜日)     午後一時三十分開議  出席委員    委員長 小笠原八十美君    理事 松浦 東介君 理事 八木 一郎君    理事 山村新治郎君 理事 寺本  齋君    理事 八百板 正君 理事 深澤 義守君       遠藤 三郎君    河野 謙三君       坂田 英一君    田中 彰治君       平野 三郎君    渕  通義君       村上 清治君    小林 運美君       井上 良二君    竹村奈良一君       吉川 久衛君    寺崎  覺君  出席國務大臣         農 林 大 臣 森 幸太郎君  出席政府委員         総理廳事務官         (物價廳第四部         長)      向井 鹿松君         林野局長官   三浦 辰男君  委員外出席者         農林事務官         (食糧廳管理局         総務部長)   山根 東明君         專  門  員 岩隈  博君     ————————————— 本日の会議に付した事件  米價に関する件  木炭事情に関する件     —————————————
  2. 小笠原八十美

    ○小笠原委員長 これより会議を開きます。  本日は米價に関する件、及び木炭事情に関する件等について政府当局説明を聽取いたしたいと存じます。  それではまず前会に引続き木炭事情に関する件を議題といたします。先に三浦さんから年度も越しておるから、今日の木炭の金銭の支拂いや、その他一切の事情をひとつお話を願いたいと思います。
  3. 三浦辰男

    三浦政府委員 本年度薪炭事情は、生産者またその地方廳等の御努力によりまして、一應予定以上の計画を実行することができて今日に至つたのでございます。生産は百%以上行つておるようなふうに考えます。そうしてことに問題になります移出入の縣外の薪炭でございますが、これは例をもつて申し上げますると、木炭につきましては、計画に対して二月末ですでに年度計画の一割五分増の成績をあげておりまするし、まきについては実に六割二分、ガスまきにつきましても八割二分増という成績をすでに二月のうちにあげておるのでございます。從いまして前年度にくらべますると非常な好調を示しております。  配給の面におきましても、同様な例で申しますると、計画といたしまして木炭が六万三千百トン入る計画のもとにやつてつたのが、結局二月末で八万二千三百十三トン、こういうような数字であり、まきにつきましても百三十九万五千総積石という予定が、百五十四万四千総積石以上になつた。從いまして一世帶当り、炭で言えば三俵であつたのが四・三俵に二月末にふやしております。こういう状況でございましたが、一面におきまして今年の生産事情がそういうふうによい上に、さらにいろいろな事情からいたしまして、滯貨を生じております。滯貨と言いますか、特別会計自身が金の支拂について非常に苦しんだという特殊な現象が本年度としては起りました。それはいろいろ原因がございますが、昨年の十月に從來の配給機構集荷機構を改めまして、複数制にする必要がありましたために、ここに選挙等を通じ二箇月というものを空費いたしました。当局といたしましては、その時期にあらざる点を十分考えたのでありますが、どうしてもその前にやらざるを得ない事情もございまして、こういう関係からまき、炭の入荷を一層促進するとともに、その配給を一部見通しのつくまでは停止しておつた。こういうような事情でございます。その後におきまする天候の事情あるいは輸送事情等が非常によかつたために、そのことは結果から則るとよけいな心配であつたということになりますが、そういう事情からいたしまして、政府の手持が非常にふえてしまつたために、特別会計買上げ一部制限という事態を起したのでございます。そこでそれにつきましては、今後における統制方式がどういうふうにきまるかということと相まつて、その処置と言いますか、打開も考えたいということからいたしまして、今後の薪炭統制をいろいろ研究して、折衝すべき方面には折衝をしておるような状況でございまして、特別会計経理といたしましては、やむなく二月の初めからまきについては買上げをほとんど一時停止した。炭については金融をはかりまして、それによつて今日切り抜けて來ておるような状況でございます。一應報告いたします。
  4. 竹村奈良一

    竹村委員 先だつて調査会でも、私一應大臣説明を求めたのでありますが、今の御説明によりますと、大体まきについては出て來ておる。それから木炭については金融の道を講じておる、こういうように言われたのでありますが、まず私は前に申し上げましたように、二月十六日で買上げ停止したということ自体が、これは非常に越権行為ではないかと思いますが、このことについてはあとにまわします。事務当局で答えられることは答えてもらつて、答えられないところは、ひとつ大臣からはつきり聞きたい。そういう買上げ停止の結果、非常に農村では混乱が起つておる。先ほど申されたように、いわゆる計画よりも上まわつた増産生産者がやつた。それを政府都合で、さつそく簡單に打切るという形は、非常に生産者も困つておるし、金融の面でも非常に困つておる。そこでまずこういう点をどういうように考えておられるか、どういうようにされるかということを開きたい。  次にまきガス炭木炭政府買上げ停止期間中、生産継続資金として、即時政府において無利子融資をする考えはないかどうか。その次は政府のあつせん融資の金額は、現在の在貨について、製品を中心として、政府保証のもとに、金融機関より無利子融資をするかどうか。それから薪炭の中で政府買上げ停止状態について、地方金融機関は貸出金の回収をはかつておる。これで非常に困つておる。これに対して大藏省日銀を通じて貸しかえということをやるかどうか、それから政府買上げ停止期間特別措置をもつて消費縣生産縣自由取引をさせて、政府買入れ資金関係なく出資さすかどうか。木炭輸送代行料支拂いをスムースにするか。これができないときは無利子で出資するか。まずこういう点をお聞かせ願いたい。
  5. 三浦辰男

    三浦政府委員 普通まきそれからガスまきの買入れ停止期間中、無利子金融をするかという第一の御質問でございますが、特別会計が実は昭和十五年に始つて以來、毎年の冬をより多く、より多くということでやつて参りました。一方におきましては、治山治水関係から伐採をある程度制限しよう、こういう声は事実あり、またその必要もある程度ありますが、燃料事情からいたしまして、できるだけの生産計画府縣に引受けてもらつて、一面生産縣におきます消費を大いに節約していただきまして、引つぱり出して來たのが、今日までの状況でございます。そこで政府といたしましても、本年の冬に向う前、当然いつもの冬のような考え方で参りましたその結果は、御指摘のごとくに、予定よりもかなり上まわつた生産ができたと考えられるのであります。もとより特別会計を運用して参ります場合におきましては、毎月の支拂限度というものを考え品物がありましても、それ以上に上りまする場合においては、一應それで押えて参るというようなことをとるのが普通の姿でありますけれども、先ほど申しましたように、この薪炭特別会計が毎年目標とし、毎忙苦しんで來たのは、いかにすれば多く品物が集るかということでありました関係から、その点にいささか周到なる注意を欠きまして、一月の半ばその点に氣がつき、その点をやろうとした時には、実はすでに時期が適切でなかつたというような関係からいたしまして、こういう状況となつたのであります。私どもといたしましては、御承知通りに、生産者に対しましての代金支拂いは、その迅速を旨といたしまする関係から、政府の檢査員の受領証というものを持つて参りますれば、組合系統の方であれば、その組合中金の縣の支所に参り、あるいは企業者等で、普通銀行から取引のあられる方は、それを持つて行かれますと、おのおの中央金庫あるいは日銀等におきまして、それを裏づけして、代金支拂つていただく、こういう契約をもつて進んでおつたのでございます。私ども薪炭事務当局としては、それはいわゆる薪炭需給特別会計調節特別会計でうたつてある借入金薪炭証券の五十五億という今日の線の中にその金ははいらない。これは一種の便法による金融という考え方である。こういう解釈のもとに生産し、出荷してくれる方々に対して、市中銀行あるいは中金関係を動員いたしまして、支拂いをしておつたのでありますが、その解釈は適切ではない。結局あの法律にある借入金及び薪炭証券限度五十五億とは、あらゆるそういつたものも含めての解釈でなければならないということを、二月のごく初めに断定を受けたのであります。從いまして、至急その法律に示すところの線まで持つて來る必要を指摘されまして、一方におきましては、賣拂いを極力急ぐために、前の年の十一月に確定した卸小賣の制度ではあるが、さらに小賣店舗をふやすことによつて荷扱いの力を増す、あるいはまた卸状況において手不足その他で早く回収すべきものができない、賣れるものが賣れぬということであれば、政府が直接賣る、こういうふうに改正をして、その規則を急遽かえで、早く金の回収をはかり、そしていわゆる生産者方支拂いをなるべく円滑にしたいというふうに考えたのでありますが、ただそこまでの円滑さを見ることができませんでした。そこで政府としては、その間におきます利子についてはめんどうをみたい、こういうことで、すでに生産者方面とは了解済みでございます。  それから薪炭買上げ停止に関連して、その後は各金融機関貸付金回収を非常に急いでいる。從つて生産者方面は非常な打撃を受けているという御質問でございますが、私どももさよう承知しております。そこで今後とるべき薪炭統制方式を早くきめる必要がある。その新しく今後きめるべき統制方式はつきりしないから、そういうような金融機関回収がさらにはせかれているという問題があるのでございまして、これについては、すみやかに統制方式の確定を各方面と折衝しているような次第でございます。  また第三の生産縣消費縣との間に、政府機関でなくて、取引を許すことによつて生産者金詰まりを緩和する道はないかという御質問でございます。もとよりこの点私どもといたしましても、これまた統制方式のいかんにかかわることでございますので、このむりからぬ御希望に対していろいろと各方面と折衝しているのでございますが、その点実現できないでいるような状況でございます。  それから薪炭輸送代行費をスムースにしろということに対する回答でございますが、三月三十一日現在におきまして、特別会計予算といたしまして組んでありました日銀引受薪炭証券を二十五億九千万円にすることがようやくできたような状況でございまして、四月にはいりまして、さらに政府手持ち薪炭のすみやかな配給をはかつて、なるべく早い機会にお支拂をしなければならぬ、かように存じております。
  6. 竹村奈良一

    竹村委員 それでは、だめを押すようになりますけれども、一の利子政府の方でめんどうを見るということははつきりしておるのですね。
  7. 三浦辰男

    三浦政府委員 はつきりしております。
  8. 竹村奈良一

    竹村委員 それでは政府負担するのですね。それから二の統制方式がきまるまで困るんだというようなお答えでしたが、それでは生産者が困る。統制方式をきめるとかきめぬとかいうことは政府責任です。それで生産せよと言われた生産者が、そこまで待てと言われては困る。困るがしかたがないというのであつたならば、待たす間の損害並びに利子は、政府で当然負担されるのだろうと思いますが、その点についてお伺いいたしたい。
  9. 三浦辰男

    三浦政府委員 ただいまの炭についての利子の話はわかつた、問題はまきだということだろうと思います。まきにつきましては、買上げをして配給をするという統制方式になるか、またそうでなく、まきについては、政府は今後は買つて配給するといつたような形をとらないという統制方式になるか、こういうことの関係になると思います。二月、三月にともかく不確定な計画ではありましたが、買つてもらえるというつもりでつくつた薪炭、これについては私どもとしては責任を持つ処置生産者方面としております。四月からの分につきましては一に統制方式の問題と御解釈願いたいと思います。
  10. 河野謙三

    河野(謙)委員 薪炭の買入れが困難な事態に到達したのは、必ずしも薪炭生産事情だけでなく、配給操作そのものにも遺憾な点があつたのではないかと思う。その問題はさておきまして、生産者から買い取つて消費者に渡るまで、一体どのくらいの日数がかかつておるのか。それをちよつとお伺いいたしたい。
  11. 三浦辰男

    三浦政府委員 特別会計予算といたしましては、一月半、つまり四十五日で回収するという計画であります。しかしながら今日買上げをいたします地点が、炭の場合にはいわゆる産地政府指定場所車付地点等でございます。そういう関係がありまして実際は七十二日程度になつております。
  12. 河野謙三

    河野(謙)委員 そうしますと、実績は大体七十二日くらいかかつておるというのですね。つきましては物價廳の方もお見えになつておりますが、物價廳の方は價格の面で金利は今のお話の一月半を見ておることになりますか。それをお伺いいたしたい。
  13. 向井鹿松

    向井政府委員 ただいま配給に要する日数に対する金利は、價格面でどう見ておるかというお話でございますが、この点は四十五日分を予算によりまして價格の中に見ております。
  14. 河野謙三

    河野(謙)委員 重ねてお尋ねいたしますが、そういたしますと今後價格統制は続くことと思いますが、午後の價格統制をする場合には、今までの四十五日見たことが間違いで、今後は七十数日に見ざるを得ないということになりますか。それとも当初計算いたしました四十五日が妥当であつて、今の七十幾日という実績は、今までの配給操作上の手違いでかような非常に大きな日数がかかるというのですか。今後の配給についてのお見通しを伺いたい。
  15. 三浦辰男

    三浦政府委員 今後の配給といいますか今日の統制方式を続けて参ります場合に、この特別会計としてあらためて考えたいところは現物把握にあると思います。しかも産地消費地とをすみやかに回轉させることにあると存じます。そこでただいま考えておりますのは、炭は生産者等便益等考えますし、今日の價格の建前がそうでありますから依然として政府の指定する場所つまり車付地点等のような所では買います。またそのとき支拂証票も一應出すことにならねばならぬのですが、数量把握というものを基礎にした回轉でなければいけない。ただ單にどこの山元で何万俵買つたということから出発いたしますと、勢い事務的なその後の取扱いにおいても回収が早くも参りませんので、駅または港で数量を確認することによつてスピード化して行きたいと存じております。
  16. 井上良二

    井上(良)委員 ちよつと二、三点伺いたいのですが、先の竹村君から質問がありました、政府が一方的にまき買上げを一時停止した、停止期間中の金融についての利子補給政府負担する、これははつきりいたしたのですが、その場合に当然起つて來ますところの生産者損害について政府責任考えておりますか。御存じの通りまき統制品でありまして自由販賣を許されないのです。政府の一方的な都合によつてこの買上げ停止するといことになりますと、当然そこに生産者の大きな損害が予想され得るのです。しかもそれを代替する配給規則なり、また自由販賣なりの措置が講ぜられずに、停止のままで放任しておくということは、生産者に大きな負担としてかかつて來るのですが、その場合の責任にどうするのですか。  それから先にちよつとお話を聞いておりますと、特別会計支拂限度があつて云々の問題がございましたが、私どもつておるところによると、にせの受領書を出して金を拂つている所が相当あるのです。しかもこのにせの受領書の発行の裏には木炭事務所、あるいは林産組合あるいは旦通、これらのものがぐるになつてにせの受領書を出して、そうして政府支拂金を受取つたために、予想以上の支拂いが多くなつておるという話を産地において聞いておりますが、そういうことを調べておりますか。  第三は、われわれは今お話を承りますと、政府の方では薪炭需給調整について手を燒いてと言いますか、本年度機構その他の関係から、多少生産計画より上まわつたという現象をとらまえて、ただちに統制方式を変更する、変更するという裏には、少くともまき自由販賣にするという意図がはつきりありはせんかと思うのですが、自由販賣をする意思を持つて統制方式改革について研究を進めているかどうか。われわれの考え方から言いますと、ごらんの通り薪炭資源というものは豊富ではない、年々枯渇の状態にある、しかも里山から次第に奥山へ入りつつある、そういう場合に、これを一本のプール計算において公正な配給をするというところに統制の重要さがあつて、これをもしはずしました場合には一体どうなるかということを、われわれが想像したときに、この薪炭統制特別会計はあくまで維持して行くことの方が、今日の状況からするならばいいのではないか、こうわれわれは生産者立場からもまた消費者立場からも言われると考えますが、これについて御返事を伺いたい。  それから第四は、現在の登録小賣店というものは、單なる民間の自由意思によつて登録したものであつて、その信用なり資産なりについて何ら調査がされていない。このために卸業者がその賣掛代金回收に困難をきわめ、またその間においては炭が何俵であつたとか、あるいは目減りしておつたとか、いろいろな難くせをつけて容易に政府の賣掛代金回收できないという現実にあるのです。その過程において生ずるところの金利損失、口減りの損失、消耗の損失が全部消費者にかかつて來る。これを一体政府はどう改革するか、この点についてお答えを願いたい。
  17. 三浦辰男

    三浦政府委員 第一の問題をあとにいたしまして、第二の、生産者政府との間ににせ受領書があるように聞くがどうかという問題でございます。これに対しましては、実は福島縣下で二つばかり例が出たのでございます。御承知のごとく、政府の方の出先機関であります木炭事務所は、單なる経理をやるにとどまる程度陣容でございまして、生産供出、また縣内の配給等については府縣知事責任でやつていただいておりまして、供出をされました措置等についてその経理をやつているのがほとんどの仕事である。もとよりそういうことをやつているからといつて数量の違つたものを受領していいということには絶対にならぬのでございますが、さような貧弱な陣容でやつております関係上、たまたま福島において、現物年度末とともに把握するという問題から、そこにまたできておらないまま、その受領書に書いてある数量だけはそこになくて、もう少し新たに足さなければその数量に達せぬ、こういうことが発覚いたしました事件がございます。  それから第三の、まき自由販賣のように見えるが、資源事情からそれでは治山治水の上から見て非常に困りはしないか、統制はもつと持続をして行かなければならないではないかということに対する御答弁でございますが、もとより御指摘のごとく、森林資源はまことに貧弱でございまして、当然切り続けて行くためには今の半分程度までに少くしなければならぬという見方もできるのでございます。そこで政府といたしましては、薪炭なし、木材なりの供給計画を立てます場合、なるべく多くを切らないで済ませたいのでございます。ところが各種の事情からそうはできませんので、最小限度ということから今日のような数字目標として、各府縣にお引受けを願つているような状況で、決してあり余るという問題にはならぬのでございます。そこでまき統制を緩和してもいいのじやないかという問題でございますが、森林経営つてまいります場合に、その基準ともなるべき施業案という経営の案が、まだ民有林においては三分の二ほどはできておりません。そこで府縣が引受けてくれた生産目標地方事務所、市町村というふうに下へおろします。また部落へもおろしますが、個々山林との結びつきという点、こういう計画がまだできておりません関係から、いたしかねている。そこへもつて行つてまきのごときは簡單な資材と労務を持つて参りますれば、きわめて短い期間生産もされます関係から、しかも各地に薪炭になる程度のものは、切ることのよしあしは別としてもあるわけでありますから、そこに計画的な生産というものが行われないで、個々生産する人、あるいは木を持つておる人たち都合から、簡單まきになるという事実がございます。まことに治山治水の面から遺憾なことでありますが、事実としてはそういうような実情でございますから、この二十三年度まきの意外な増産というのもまたその辺から出て來ているのであります。私どもとしてはそういう事実と、また治山治水という問題と合せて、この統制方式をどうするがいいか、いろいろと研究しておりますが、まだ政府として決定を見ておらぬような状況でございます。ございます。二月、三月中のものは、統制方式との関連においてこれを解決したい、こういうふうに考えております。
  18. 井上良二

    井上(良)委員 そうしますと、この統制方式は大体自由販賣にするという一つの構想でやつておるのではなしに、治山治水立場からあくまで計画的な生産で持つて行かなければいかぬと理解していいのでありますか。
  19. 三浦辰男

    三浦政府委員 治山治水の見地から言つて計画的な伐採をして行くということは、山の根本的な行政指導の問題でありまして、もちろん直接統制となくなつてもある程度治山治水の問題に関連いたしましては、その植栽伐採とは均衡を得るがごとくやつて行くということは、根本原理でございます。そこで統制との問題でございますが、統制についてはそういう根本の問題と、一面においてまきというものが金と、最終的簡單な未熟な労務でももつて行けば、わずかの期間のうちに生産される、しかもまた先ほど申し上げました山林根本原理であるが、施業案というものも民有林については約三分の二に当る一千万町歩というものが、施業案もまだできておらぬ、こういうような状況とを二つにらみ合せて統制方式というものが考えられなければならぬ、こういうように考えます。
  20. 井上良二

    井上(良)委員 その次に先ほど伺いました登録小賣店の資格の問題について、政府側考えられたことについては一應了解をいたしましたが、この結果生じております損害はどうしますか。これは消費者負担をすることになりますか、これは政府資金一般会計から繰入れて、その損害消費者に轉嫁させないということになりますか。特別会計だから当然そういうことになると私は見ておりますが、その点をひとつあとで伺いたい。  それからついででありますから伺つておきますが、加工炭の問題であります。御承知通り加工炭配給方式もまつたくかわつて参りまして、メーカーにおきましてもよい品物をどんどんつくらなければ需要がないという現状から、いろいろ努力をされておるそうですが、ここに一つ問題になつておりますのは、配炭公團がいよいよ解散になりまして、加工炭原料の無煙炭ですか、こういうものが全部山元から直接買いとらなければならぬ、こういう問題が一つあります。從來配炭公團取引しておりますメーカーは相当配炭公團との間に密接な連絡があつて、円滑に金融その他のこともやつておりましたが、山元から買いとると直接現金取引ということになるのであります。この場合において相当金融問題が大きな問題になつて生産の上にも重大な影響を來しておりますが、これらに対しての政府の対策はどうお考えになつておりますか、この点あわせてお伺いしたいと思います。
  21. 三浦辰男

    三浦政府委員 卸、小賣、ことに悪質の小賣等があつて、歩減り、あるいは品質の低下をした炭、まき配給させて家庭は非常に困る。それに対しての損害責任のある所はどこだ、こういうお尋ねでございます。政府といたしましては、この特別会計で卸賣商に正しい品物を渡すことにしております。從いましてその卸賣商につながる小賣店の專門になりますると、政府としては直接の関係はございません。ただ監督と申しますか、指導上欠ける点があればこれは遺憾でありますから、当然卸賣商を通じてそういうことのないようにしなければならぬと考えております。  それから加工炭に対する今後のメーカーが、配炭公團がなくなつてそのメーカーのやる仕事の範囲が炭鉱まで延びる、仕事の廣がることに対する、また配炭公團がないためにこうむる金融上の不安という問題もございますが、この無煙炭の配当は府縣知事においてその府縣に割当てた範囲内で各工場に割当てておるはずであります。  そこでその加工炭原料としての無煙炭の配当を基準といたしまして、金融のあつせんをできるだけ金融機関にしてあげるというほかに今のところ考えられないと思います。
  22. 平野三郎

    ○平野委員 官行製炭について、ごく簡單に伺いたいと思います。ただいままで論ぜられたのは、おもに民有林からの買上げ木炭でありますが、官有林からはどの程度生産されておるか、またそれはどういう條件と経路で配給されているのか、その点について伺いたいと思います。
  23. 三浦辰男

    三浦政府委員 官行製炭の方は、はつきりした数字は覚えておりませんが、十三万トン程度だと存じます。そうしてそれのうち、自分のところのトラツクとか、機関車とか、そういうものを使う、いわゆる自家用消費のものを除いては、全部薪炭需給調節特別会計の方に賣る、こういうことになります。
  24. 平野三郎

    ○平野委員 官行製炭をされる場合における労務加配米というものは、どの程度になつておるのか。きようはちようどあと米價の問題も議題になつておるようでありますから、これに関連して、幸い食管の方もお見えになつておるようでありますから、伺いたいと思います。最も最近はどうなつておるか。
  25. 三浦辰男

    三浦政府委員 一俵について一合七勺、これは官炭の場合も民衆の場合も同様でございます。
  26. 平野三郎

    ○平野委員 一俵について一合七勺の労務加配米で、それだけで完全に官行製炭が行い得るやいなや、また行つておられるかどうか、伺いたいと思います。
  27. 三浦辰男

    三浦政府委員 これは從來山の者は、俗に言ふ一升飯ということで、最近におきましても六合程度はぜひほしい、こういう実情でございます。そこで政府としては、この官行製炭等の場合には、やむなく、質というよりはいわゆる量をなるべく出して、たとえば四俵平均燒けるというかまの操作をして、なるべく一日の出來高を多くする、こういうような方法を努めてとつて、まず間に合わしている、こういうような状況でございます。
  28. 平野三郎

    ○平野委員 そうしますと、今の労務加配米の範囲内においてやつておられる。それ以外にはやみで米を仕入れるとか、あるいは生産に要するところの他の衣料その他の物資も、全部一切正式ルートで配給される以外のものは、使用しておらないということは断言できるわけですか。
  29. 三浦辰男

    三浦政府委員 役所の方では正規に與えられまする、炭で言えば一合七勺、木材で言えば石あたり一合五勺、こういうようなことで、その時期につきまして、冬山のごときは秋に関係方面と連絡して、早く上げてもらうというようなことをやつておりますが、その範囲しか役所としてはやれない。民間の方は、燒く人あるいは伐木をやる人はどうするかということはあるのでありますが、私の力ではできませんが、役所としてはその範囲、こういうことであります。
  30. 平野三郎

    ○平野委員 これは木材も同様でありますが、今木材については労務加配米一合五勺という御説明でありましたけれども、一人大体一日一石生産いたしまするから、二合七勺の一般配給と比べると、四合二勺ということになりますが、俗に昔から木材につきましても木炭についても、少くとも一日七合程度を要するのであつて、そういたしますと、二合八勺くらい不足になつて來るわけであります。これを國有林においてもやみで購入してやつておられる事実があるのでありまして、ごく最近において長野営林局でこれらの不正事件が起つて、目下檢察当局が取調べを進めているということを聞いております。長野の上松営林署長ほか数名営林署長がすでに現在留置せられているらしいのでありまして、先般長野営林局長に会見してその事情を聞いてみますと、どうしても労務加配米だけではやりようがない、それだけでやれと言われれば官行事業を中止するほかはないということをはつきり言つておられるのであります。これは民有林についてももちろん同様であつて、どうしても配給以外のある程度数量をまかなつて來ないことには事業が遂行できぬ。そうすれば自然その價格に対しましてもそれらのやみ部分というものを含まなければならぬということになつて來ますし、國有林自体が役所自体において、やはりそうした操作をしなければならぬということに非常に無理と矛盾があると思うのでありますが、当局においてはこれらの事実を承知しておられるかどうか。あるいはまた承知しておられるとすれば、これをどういうふうに考えられどういうふうに処置せられているかということについて伺いたいと思います。
  31. 三浦辰男

    三浦政府委員 長野の営林局におきまして、数箇の営林署が檢察当局のお調べを受けておるということ、及び上松の運輸事務所長、営林署長ほか五名ばかりが留置せられて、調べられているということは知つておりますが、しかし内容については存じません。  それから米と営林署の問題でありますが、先年青森の営林局管内にさような問題が実は起きたのであります。そこで営林局署といたしましては、爾來米に対して國みずからが心配をするということはしないで、もしどうしても與えられた正規のものでまかなえないのだという労務者があれば、それは労務者が親戚なり何かから何とかするよりほかないのであつて、役所としてまとめて心配することは、まことに端的なやり方ではあるが、非常な誤解があるということから避けて來ているような状況でございます。
  32. 竹村奈良一

    竹村委員 先ほどの井上君の質問にも答弁されたと思いますが、買入れのまきに対しては一悪損害の点には触れられずして、なるべく業者に迷惑をかけないようにしているとの答弁であつたのでありますが、それはどういうような形で通牒を、いつごろされておるかということを聞きたい。そうしませんと、ある縣ではやるけれども、ある縣ではやつていないということになると、やられないところの縣においては、生産者はそのままのやり方をする、こういうことになると思う。  それから損害補償ということもはつきりしないが、そういう点についてある程度緩和されても、なお政府の命令したものについても同月までに取引すべきものかはつきりしない。なお、はつきり損害を補償されるものかどうか、この点をひとつ端的にお伺いしたい。
  33. 三浦辰男

    三浦政府委員 生産縣におきまするまきの全縣指定の問題は、最近解決をしました兵庫を最後といたしまして、すでに二月中にほとんど全部が全縣指定にして、増加配給等をやつてもらつておるわけであります。  それから二月、三月に買うべくして買わないところのまきの問題について、重ねてのお話、まことに遺憾ながらそうなのであります。ただ統制方式という問題であるということを再三申し上げておるのでありますが、この二月、三月に要するに買うべくして今まで買つてないまきについては、経理の許す限り私どもとしてはそれを買い上げたい、こういう見込みでいろいろと経理上の計算をしておるわけであります。
  34. 深澤義守

    ○深澤委員 政府予定計画よりも今年度は非常に増産されておるというようなことが報告されておりますが、政府が需給計画を立てます場合におきまして、消費者の実際に必要とするものを根拠にして需給計画を立てられておるのかどうか、予定計画よりも非常に増産されておると申しましても、木炭におきましても、まきにおきましても、消費者はなお相当の不足を感じておるのであります。どこに根拠を置いてこの需給計画を立てられておるのか、これをひとつ伺いしたいと思います。  さらに政府は駅頭において買上げをする方針を強行されようとしておるようでありますが、そういたしますと、非常に資金の零細な生産者、あるいは奥地の生産をやつておる者につきましては、相当大きな打撃を受ける問題であると思います。この駅頭買上げの問題を政府はやられんとするのであるかどうか。  この問題が第二点。  第三点はまき生産につきまして、規格外のいわゆるもやというものが相当出るのでありますが、これも薪炭需給関係におきましては、相当大きな役割を果しておると思うのであります。ところが政府は、このもやの縣外出荷等は本まきの割当が完了した村に対して、報奨的に縣外出荷を許しておるというような状況でありますが、このもやを規格外のものであるとするならば、全面的に自由にこれを販賣し得る方針を考えられておるかどうか、これが第二点。  第四点といたしましては、生産地では生産者政府の割当を受けまして、それを完了した場合におきましても、生産地の縣内においてはまだ消費者は相当困難を來しておるのであります。その縣外に対する割当が完了した場合において、そのあとのものは縣内に対して自由に販賣し得るような方法を政府考えておるかどうか。  次は先ほど申し上げましたように、消費者は相当薪炭あるいはその他の燃料関係につきましては、苦しんでおるのであります。從つて特に木炭等のやみ買いをしなければならぬというような状況があると思います。特に東京附近等におきましては、いわゆるからす部隊というような名称において、相当やみの木炭が流れて來ておるようでありますが、これを政府は相当強行に取締りまして、相当の数量がその対象になつておると思うのであります。その処分がいかようになされておるか、どの程度そういう差押えの木炭があるかということに対して、お答えを願いたいと思います。
  35. 三浦辰男

    三浦政府委員 第一の御質問は、経済安定本部の方からの方が適切だと思いますが、一應私の方から便宜お答えいたします。結局結論的に言えば、今日の家庭総合燃料として使われます非農家一戸当り平均の、木炭換算十六俵ないし十七俵という燃料では、決して満足のものではないと思う。從來の基準年度とよく言われます五——九年度の推定では、およそその倍三十俵ないし三十二俵というものが——電氣、ガス、木炭まきその他石炭等の総合燃料として三十二俵程度のものが使われたと推定されるのであります。今日は十六俵ないし十七俵でむりに押えておるのでありますから、計画通りできたといつても、家庭から言えば決して樂なものではない。こういうような状況であります。  それから第二の駅頭買上げを断行するかどうか。これは私どもただいま研究中でございます。すでにまきにつきましては、昨年の夏價格改訂の際に駅頭に直しました。これはその材料である森林の價値が主として輸送によつて左右さるべきものであるという一般の原則に近づける意味もあつてしたわけであります。炭については今研究中でございます。御指摘のように奥地の生産をどうするかというような問題がありますので、いろいろ研究中でございます。  それから第三のもや、これはそだまきのことと存じますが、これは主として縣内にお使いを願いたいということで縣の方にはお願いをしております。それからすでにできたものについては先ほどお話のあつた通りでございます。  それから第四の、生産者が非常に努力をされて、その縣としては縣外供出量は全部完遂した、そのあとは自縣内の消費をふやしていいかどうか、こういう御質問のようでございますが、これは政府特別会計の金繰りの関係もございますが、生産府縣の中でお使いになるよりは、さらに使おうにも使う資源を持ちません六大都市方面あとう限り増して入れたいというのが氣持でございます。しかし事情によつてはもちろん縣内の方に使うことも当然考えられます。  それから第五の、からす部隊と言われる連中の取扱つている炭の量の推定でございますが、これは断片的にはわかつておるのですが、ただいまここで数字で推定申し上げることはできませんので、いずれ調べましてわかればお知らせ申し上げたいと思います。
  36. 深澤義守

    ○深澤委員 ただいまのからす部隊という問題についての、差押えの木炭でありますが、これは差押えた場合には、木炭事務所の方か何かへ報告をするような手続になつておるのでありますか。
  37. 三浦辰男

    三浦政府委員 押えたものにつきましては特別会計の手で配給のルートに乘せることになつております。
  38. 深澤義守

    ○深澤委員 その件について、われわれはいろいろなうわさを聞いておるのでありますが、他日その差押えの数量等について御報告を願えれば幸いであると思います。
  39. 田中彰治

    ○田中(彰)委員 先ほど平野委員から言われました、長野縣で営林署の署長とでありますが、どういう取調べ状態にあるのか、どうしてそういうむりをしなければならぬようなことがあつたのか、お取調べになつておるところを御報告願いたい。
  40. 三浦辰男

    三浦政府委員 これは警察当局の方の御都合もあろうと思いますが、わかり次第御報告申し上げます。
  41. 寺崎覺

    ○寺崎委員 ちよつと簡單にお尋ねいたします。卸と小売との中間における問題であります。卸の方は前金をもつて支拂い、小売の方は後金となつております。その関係から、福岡縣においては卸の未回收の分が一億五千万円ということになつておりますが、昨年の十月に登録制度をきめられて、今度また話によりますと五月に登録をかえられるというようなことを聞きます。そういう場合には、小売業者が今まで登録しておつた卸業者との契約を破るようなことができはしないか。その場合に未回收代金に対しての徴收も、まことに都合が惡いというようなことになつて來る。この点について本省はどんな考えを持つておられますか。ことにこの五月に登録制度をかえられるということは、一体いかなる根拠からそういうことになつておりますか、お尋ねいたします。
  42. 三浦辰男

    三浦政府委員 この卸、小売の再登録の問題でありますが、ただいまお尋ねのごとく、いれゆる売掛金がまだ回收にならないとすれば、その点はたしかに一つの不安がございます。実はこの問題はどうして起きたかということでございますが、二月、三月等におきまして、いろいろと様子を見ておつて、何と言いますか、まだ手が足りないがために、消費者の方では早く配給してくれというのにかかわらず、マージンが比較的少い等で原因いたしましようが、なかなか配給が円滑に行かない。そこで手をもつとふやさなければいかぬという問題が非常に指摘されておつたわけでございます。そこで元來あの規則に從いますれば、本年の九月から十一月にかけて、あの問題はまたやらなければならぬ。そういたしますと、薪炭事情から言いまして、一番最繁期と申しますか、非常に忙しいときでございますので、まことに都合が惡い。そこでふやすという、手の足らないのを緩和するという問題と、あの規則のやる時期がきわめて惡いという二つの事由から、いつそ比較的ひまと考えられます五月に実施したい、こういうことになつたのでありますが、今のような御縣念の点もありますので、今度標準は、從來の五百であつたのを二百五十世帯、四百でありましたのを二百世帶、町村の方の三百でありましたのを百五十世帶にはいたしますが、それによつて登録をいたされました結果、從來の卸の方、また小売店の方が、その数量にまで満たなくとも、來年の五月こういうような措置で、つながりをつけようと考えております。
  43. 田中彰治

    ○田中(彰)委員 先ほど落しましたが、檢察廳の取調べで、営林署あたりに対していろいろ檢挙するのでありますが、ことに新潟縣長野縣あたりで、風評また自分の調査した結果によりますと、檢察廳及び警察あたりが、非常にむりなまきをくれとか、炭をくれとか、あるいは融通せよとか言つて、それを融通を拒んだ場合とか、あるいはそういうことを紹介しない場合には、かたきとりに、すぐいろいろなボロを探して檢挙する、こういう風評ばかりでなく、事実が実際あるのでありますが、それのみでなく、御承知のごとく檢察廳の捜査を事務官というようなものがやる。この事務官の素行の調査政府がやつていない。きのうまでやみ屋の親分をしておつた、きのう満州あたりから帰つて來た身分のわからぬ者でも、すぐそれを採用して、それを副檢事にしたり事務官にして捜査に使う。これが非常に横暴なことをやつて、米を買わなければ仕事ができないとか、いろいろな方面に携わつておる人たちが苦しいむりなことをやつておるのを、江戸のかたきは長崎で討つということで檢挙して、営林署あたりの方も困つておられる。その他土建業者等が困つておられる。あなた方におかれても、少くとも役人が、しかも署長とか何かが檢挙されておるのだから、農林大臣なり何なりの名前でその辺を調査されて、どういうためにそういうことになつたのかということを、私に密接に報告してもらいたい。私は長野縣まで出張して、それを調べてそれの正体を暴露した。こちらが惡ければ堂々と処分してやるべし、よければそういう横暴なる事務官は首にしてもらいたい。そういう点を改革されなければ、日本の治安はやつて行けないと考えておるのであります。同時に農林省は明らかに檢察廳とかけ離れた設所でありますけれども、あなた方の部下がひつぱられたときに、目下調査中であるというようなことでなく、調査を嚴重にして、私の所に報告していただきたい。これをお願いしておきます。
  44. 森幸太郎

    ○森國務大臣 この際ただいま田中さんのお言葉につきまして一言申し上げたいと思います。この官僚統制の弊害の一面として、下級官吏が職権をかさにきて横暴をやるということであります。こういうことは今日民主主義政治の場合には断じて許されないのであります。とかく業者がすねに傷持つというような立場で、取締りの位置にある者に対しておべつかするとか、あるいは便宜をはるかというようなことは、これは非常に不都合なことでありまするが、業者の立場に対して、こういう官憲がその権力をかさにきて圧迫を加える、今お話のように炭を持つて來い、まきを出せ、もしそれを聞かなければ、これに対して非常な圧迫を加えるというような事実がありとしますならば、これは許されないことであります。どうかそういうような事実がありましたならば、私は綱紀粛正の上から断固とした処置をとりますから、そういう点はもしお気づきの場合においては、御遠慮なく御注意をお願いいたしたいと存じます。
  45. 平野三郎

    ○平野委員 農林大臣が御出席になりましたので大臣にお尋ねいたしたいと思います。ただいま田中委員からも申されました長野営林局の事件について大臣承知しておられるやいなや、同時にただいまの大臣の御発言によりますると、綱紀粛正の立場から、下級官吏の横暴並びに不正は徹底的にこれを処置するということでございまするが、しかしながらこの事件の内容を見ますると、單に下級官吏が個人的不正という観念から行つたのでなくて、官行事業というものが、先ほど三浦林野局長官もお認めになりましたように、現在の労務加配米だけではとうてい事業が遂行できないという根本的なむりなところが、こうした犯罪の発生の温床をなしておりまするので、この根本の実情を改正しない限りは、とうてい單に綱紀粛正のかけ声だけでは、その目的を達成できないと考えるのであります。それについて労務加配米というものが少くて、とうてい所期の生産は期し得られないということは、國有林当局がすでにお認めになつたのでありますけれども、國有林においてすら遂行できないものが、民有林においてできないことは当然であつて、要は日本の木炭生産事業そのものが、全面的に食糧管理法違反を犯しておる、また犯さなければとうていこの生産の確保はできないという実情にあることは、もはや強調するまでもないことなんでありますが、これについて大臣労務加配米を増加される意思があるかどうか、またあわせて伺いたいことは、この労務加配米というものは、生産された数量を調べて、その後において配給されるものであるか、あるいは生産する以前にある程度の前渡しというようなことをして、そうしてのちにこれを計算して調節するのか。そういうことになつておるのかということを伺いたいと存じます。
  46. 森幸太郎

    ○森國務大臣 長野縣の問題はまだ報告を受けておりませんので、どういう事情になつておるか、承知いたさないのでありますが、造林の從事される人の加配米の問題であります。今日製炭業者、あるいは造林業者に対する加配米の制度は認められてあるのでありますが、とうてい二合七勺を三合ぐらいにしても行けるものではないのであります。しかし日本の今日の食糧事情ということも考えていただかなければならぬと思いまするが、できるだけこういう生産方面の労働者に対しましては、加配米の増加をいたしたいというので、食糧事情見通しとともに、その関係当局において考えていただくように、今折衝いたしておるわけであります。今日も他の方面から営林関係の加配米についての陳情を受けたようなことでありますが、その仕事が仕事であるだけに、とうてい今日の加配米量では不十分であるということを考えますので、日本の食糧事情等をよく勘案いたしまして、できるだけ都合をいたしたい。かように考えておるわけであります。
  47. 吉川久衛

    ○吉川委員 私の今お尋ねしようと思うことは、平野議員からお尋ねがありましたのでありますが、私は長野縣ですが、田中議員のおつしやつたような下級官吏と言いますか、檢察当局が脅迫的な行動があるということも、あるいはあるでありましようが、私の知る範囲では、今平野議員の言われたように、根本的な問題に誤りがある。矛盾があるのであります。それで檢察当局がその措置に非常に困つている事実があるのです。その根本問題、その矛盾を、長官のお話を伺いましても、大臣のお言葉を伺つてもお認めになつておいでになる。食糧事情が非常に急迫しているからとおつしやるならば、それでは國有林の伐採だとか、あるいは官行製炭なんというようなことは絶対にできないことになつて來るわけであります。栄林署あたりをまわつて見ましても、この矛盾に非常に悩んであられるのです。食うだけのものを食つてつているのです。そうして政府計画通りのものをあげようと非常に努力をいたしているのです。この事実を見のがしてはならないが、その根本問題の解決に向つて、食糧事情のよくないことはわかつておりますが、食管あたりとよく連絡をとられて、そして基本的な解決にひとつ特別な御配慮を願いたいと思つております。
  48. 田中彰治

    ○田中(彰)委員 私が先ほど申し上げたのは、営林署の官吏の方の公正ではなくて、このごろそういういろいろな欠陥があつて、いかなる者でもたたけばほこりが出るというような結果に陥つて仕事をしている人がたくさんある。それを利用する檢察官が、檢事のもとに今御存じの通りあの副檢事とか事務官というものが捜査にあたつていますために、非常に素質が低下しておる。これを利用して甲も者には利益を與え、乙の者は嚴罰に処するような態度をとる。こういう点を私はどうしても、この際われわれの聞いておる事実がほんとうであるかないかを調べたいと思うのですが、あなたの方の取調べておられるところの檢察廳の名前、その他どういう状態に犯罪行為があるのかをお調べ願いたい。そうしてそれに対する根本問題は平野君のおつしやる通りでありますが、私はまた一方においてそういう不完備な社会制度の中にあつて働いて行かなければならぬところを、公正にやらなければならぬのを、それにつけ込んで不正を行うところの檢察廳の態度に断をもつてつて行きたいという考えを持つておるのであります。どうかその点お調べいただいて御報告願いたいと思うのであります。
  49. 平野三郎

    ○平野委員 ただいま私の質問に対しまして大臣お答えがないので、重ねてお尋ねするのでありますが、労務加配米は生産された数量調査して、その後において渡されるものか、あるいは生産される前に、前渡しというような方法が行われておるかどうか。これをお尋ねいたします。
  50. 森幸太郎

    ○森國務大臣 これは原則として生産実績によつて渡すということになつております。これはやはり生産増強のための加配でありまするから、加配米だけとつて増産されないとたいへんなことになりますから、生産成績によつて加配するという制度をとるわけです。
  51. 平野三郎

    ○平野委員 そういたしますと、生産実績をあげるまでに、すでにある程度の食糧がなければその成績が期待されないわけでありますが、その成績をあげるまでの生産については、やみの食糧に依存してやらざるを得ぬということになつて來ますが、その部分は容認しておられるわけですか。
  52. 三浦辰男

    三浦政府委員 私は実際問題としての角度から御答弁を申し上げたいと思いますが、確かに平野委員の御指摘のごとく、初めから與えておかなければ増産もできぬじやないかという議論は一應ごもつともなんですけれども、後になつて加配米制度ができました関係から、結局あと実績主義ということになつたのであります。ただ岐阜とか、東北とか北陸とかいう積雪地方につきましては、私どもといたしましては、生産計画があるのだから、その生産計画を実行するためにその労務者は山に登るのだから、一々雪の上を騒いで配給米を持つて來るよりは、事前に運び上げておいた方が何かと便利であるということから、特例を願つて、一部実行しております。     —————————————
  53. 小笠原八十美

    ○小笠原委員長 それでは次に米價に関する件を議題とし、政府説明を求めます。
  54. 森幸太郎

    ○森國務大臣 米價の問題でありまするが、関係方面考え方といたしまして、近く為替レートを設定するのである。それまでに一應日本の物價の上げなければならぬものは上げる。下げなければならぬものは下げる。そこで足並をそろえて、それから米價の設定というような気持があるようにうかがわれるのであります。米價は御承知通り七月と十一月に改訂するお約束になつておるのでありまするが、関係方面から、四月から消費者米價を上げろというような指示がありますので、本日からという準備をいたしましても、あるいはここ旬日くらい、あるいは二週間も延びるかもしれぬと思いますが、まだどれだけに上げるかということは発表する時期になつておらないのであります。いずれにしましても今日のパリテイー指数が、昨年は一三二であつたのでありますが、今年は一四二に上つております。このパリテイーによつて上げたらどうだという考えも持つのでありますが、この消費者米價を上げるということによつて、生計費にたいへん影響してはいけない。かりに一四二のパリテイー指数によつて上げるといたしますと、東京での調査によりますと二・二五パーセントぐらいな影響があるように考えられるのであります。しかしこれもまだはつきりと決定いたしませんが、このくらいな影響ならばそう大した問題ではなかろうかということを物價廳等では考えておるようであります。しからば生産者米價はどうするのか。これは七月と十一月にきめることになつておるのでありますが、それを今年四月一日にきめる。そうすればことしの七月にはどうするか、こういう問題が起つて來るのでありますが、今の考え方によりますと、この四月から來年の六月まで十五箇月の間物價の変動がない、パリテイー指数の移動がないという気持で一應米價を落ちつけたらどうか、こういうような構想が練られておるのであります。現在の生産者價格としては決して満足すべき價格でないのでありますが、一面において鉄が増産されましたので、鉄の價格が下落することと思います。從つて農機具の値を下げる。基礎物資については上げない方針でありますけれども、やはり米の状況といたしましては、この際一四二というパリテイーのもとに考えてやつたらどうかということになつておりますので、幾らかここで生計費に影響が、今申しました程度に現われて來るのではないかと想像されるのであります。しかし本年の麦でありまするが、現在の麦の價格は昨年の確か一一〇のパリテイーで計算されてあつたと思いますが、これは当然一二三のパリティーによりまして、これは生産者に対する補償を行わなければならぬと思うのであります。こういうような構想が練られておるのでありまするが、まだはつきりと申し上げるところまで結論が達しておらないので、その辺あしからず御了承をお願いいたしたいと思うのでございます。
  55. 竹村奈良一

    竹村委員 あまりきまつていないということでありますので、具体的な問題は要求いたしませんが、農林大臣根本的な点だけを明らかにしていただきたいと思います。これはまだ予算も出ておりませんのでわかりませんけれども、大体われわれいろいろ新聞紙上等において拜見したところによりますならば、今度の農村に対する了算の中には、いろいろな点において、非常に今までと異なつた、根本的に異なつた、予算の盛られ方がされておられるように考えるのであります。たとえば土地改良の問題、あるいはいろいろな災害復旧の問題等々においては、農業というものが企業であるという考え方で、今までの政府の補助金政策というものがほとんど顧みられない。個人農業経営に対してほとんど顧みられないような形になつているように聞くのでありますが、そういうふうになるのでおつたならば、この米價の問題をはたしてパリテイー計算でやられることが正しいかどうか。これまた私は非常に農業生産の面から見て重要な問題だと思うのであります。少くとももし農業が企業であるとされるならば、これは当然今日の経済組織の原則にのつとつたところの米價の決定というものは、生産費を中心といたしまして、実際の生産費からそれに対する幾分かの利潤を認めた値段に決定されなけりやならぬのであります。そうしなければ、片方においては企業の形態において、企業だから補助金はやれない、一切の修理その他土地改良等は農家個人がやれ、そうして片方においては物價の関係いわゆる労賃その他いろいろな関係から、パリテイー計算でやつて行くというような考え方では、実際生産費を基礎とした考え方でなければ、農家というものは立つて行かぬのであります。しかも税金といい、いろいろな問題から考えても、まず私は、今後のそういう予算もまだはつきりわかりませんが、漏れ承るところの予算面から見るならば、今度のパリテイー方式というようなものも根本的に改革して、農家を企業と見るのであつたならば、企業としての考え方から、まず原價計算から、その原價計算の上に立つて生産費等を勘案した上に立つて米價を決定すべきものであるのではないかと思うのでありますが、この根本的な考え方について、ひとつ農林大臣の御意見を伺いたい。
  56. 森幸太郎

    ○森國務大臣 お答えいたします。パリテイー指数によつて計算することがよくないではないか、企業体と認めて補助等もやらないのであるから、生産原價によつて相当な利潤を見たらいいではないかという御意見と承つたのでありますが、今日の場合といたしましては、農業というものは純然たる企業とも考えられないので、補助の打切りにつきましては、一昨年來農業に対する補助金は——農業だけではありません、一般の政府の補助金というものは、なるべくやらぬようにするという方針に定まつてつたのであります。しかしただいまの場合におきましては、このパリテイー計算によつて一應今日の米價を定めておくということが妥当でないかと考えでいるわけであります。しかし今日農村の生活の苦しいこと、また諸公課等の負担の重いことも考えておりますから、これは生産資材をできるだけ引下げるということを考慮し、課税の方面におきましても、できるだけこれを緩和して行きたいということを、大藏当局とも交渉を重ねているわけであります。その点ひとつ御承知を願いたいと存じます。
  57. 深澤義守

    ○深澤委員 今の質問に関連しておりますが、いわゆるパリテイー方式によつて形成された價格が再生産を保障するものであるかどうかということに対して、大臣は特に農業関係については、造詣の深い方でありますから、その点についての根本的な御意見を拜聽したいと思います。それからもう一つは、現在農産物に対するやみ賣り問題があり、あるいは隠し田の問題であるとか、あるいはやみ田の問題等がありまして、供出の上に非常に円滑を欠く幾多の問題が出ているのでありますが、ひつきようするにこれは米價問題に帰着すると思うのであります。そういうふうな関係において、過去の実績においては、このパリティーによつて形成された價格が、実際農民の再生産費を償わない結果、そうした問題が起つているのであると言えると思うのであります。この点については大臣はどういうふうにお考えになつているのか。それから今竹村君が申し上げましたように、少くとも農民の生活が、今日の資本主義的な経済の上に立つている以上は、生産費を償い、さらにそれに対して幾分かの平均制潤を附加されたものが米價として決定されなければ、日本の農業の発展、農民の生活の保障ということは断じてできないというふうに、われわれは考えるのであります。ところが大臣はパリテイー方式によるところの價格形成が、今日の事情においては適当であるというような意見を持つているようでありますが、重ねてこの問題についての御所見をお伺いしたいと思います。
  58. 森幸太郎

    ○森國務大臣 繰返すようでありますが、今日の米價を定める場合におきましては、パリテイー計算によるのが決して完全とは考えられませんけれども、この様式によるべきであるということを考えるのであります。もちろん生産原價と申しましても、農業の経営状況によつて非常に違つて参ります。郊外における農業あるいは山間部における農業、あるいは東北農業等、あるいは近畿、四國方面の農業、ことにまた單作地帶あるいは二毛作、三毛作のできる地帶というような、地域的に非常に生産原價というものは異なつて來ると思うのであります。生産原價に求めることが、純企業体として考えた場合においては、当然なる計算方式かもしれませんが、この生産形式を統一することがまた非常な困難を生ずるのであります。このパリティー計算の算出に対しましては、前内閣当時以來、いろいろこの委員会においても御議論があつたわけでありまするが、当時関係方面との事情もあり、とりあえずこの方式によらざるを得なかつたということになつたのであります。今申しましたように、為替レート一本に定めるという以前において、一應日本の物價を定めるという氣持で、この際相当の改正をいたしたらよかろうという段階に入りましたときに、このパリテイー計算の指数が昨年とはかわつておりますので、この指数によつてきめたらよかろうということを考えておるのであります。はたしてこの價格によつて生産ができ得るかできないか。これは見方によるわけでありますが、決して今日の農産物價格が十分なる價格とは考えられません。しかし基礎物資である以上は、この價格の高騰が影響することまた偉大でありますから、生産資材、原料等に対して、できるだけ價格の調整を行いまして、農業生産の引合うように努力して行くよりほかない、かように考えているわけであります。
  59. 深澤義守

    ○深澤委員 大臣は各地帶あるいは山間、平地というような地帶において、生産費が異なるから、その平均的なものを求めることははなはだ困難であると言われましたが、私も同感であります。從つてわれわれの見解といたしますれば、各地帶別による生産費を基準として、地帶別に價格を設定することが最も妥当ではないかと考えるのであります。それが一つ。  さらに大臣はいろんな生産物資の値下げをやつて生産費の償うようにしたいというような考え方を持つておられることも、もちろんほんとうの氣持ちであろうと思うのでありますが、しかし本年度予算をわれわれがうかがい知るところによりますと、所得税のごときにおきましては、ますます増徴せざるを得ないような状態になつておるのであります。さらにその他の生産物資等についても、肥料あるいはその他の点について、値上りの傾向にあることもまた事実であります。経つて大臣が意図せられているところの、生産物資の値下りということが御希望でありましても、事実はそれに反して上つて行くという傾向になると思います。從つてパリテイーによる價格形成は、再生産をますます保障し得ないような状態になることをわれわれは考えております。
  60. 河野謙三

    河野(謙)委員 米の消費者價格を上げなければならぬという事情に置かれておることは、われわれもよく承知しております。つきましてはその價格の前提として、今までの中間口銭の問題について、嚴重に再檢討をしてもらいたい、これがどこまでも前提になると思います。実は先日も、公團の三箇月延長の問題のときにも希望を申し上げておきましたが、この三箇月間といえども、かような米の消費者價格を上げなければならぬような事態にある以上は、すみやかに食糧の場合においては食糧公團の再檢討、またこの檢討の内容を申し上げますと、機構の簡素化、業務の能率化をはかり、また農林省におきまして、これら公團の監査を嚴重にされることによりまして、私はそこにおいてできるだけ中間口銭をむだのものを省くだけ省いて、その上においてやむを得ざるものの價格の引上げということならば承服できると思いまするが、今までの公團の姿をそのままにしておいて、しかも消費者價格を上げることについては、私のみならず、すでに公團については輿論が承知いたしません。ですからこの價格の引上げについては、どこまでも中間口銭の再檢討、公團の再檢討が前提とせられておると思いますけれども、この際大臣にこれについてのお考えを承りたい。
  61. 森幸太郎

    ○森國務大臣 お説の通り十分その面について監査をし、ただ経費がかかるから消費者價格を上げるという、單純な氣持でないことを御承知願いたいと思います。
  62. 河野謙三

    河野(謙)委員 重ねてお尋ねいたしますが、私は今度の價格の引上げについては、今までの中間口銭をそのまま含めた價格の引上げでは承服できないのであります。少くとも今までの中間口銭に盛られておる一番大きな問題は運賃の問題であります。運賃の問題は、先日も物價廳の方に申し上げましたが、運送事情はまつたく一変しまして、今は荷物よりも運送能力が多いのであります。從いまして運賃は相当大幅に引下げなければならないような実情にあります。かようなまつたく運送事情の変つた今日において、今までの中間口銭をそのまま今度の價格の場合に織り込むということは、ぜひひとつお考え願いたいと思います。
  63. 遠藤三郎

    ○遠藤委員 だんだん時間も過ぎて参りましたが、政府当局米價に対する御研究もまだ進んでおらぬようであります。そこで米價の研究が進みましてから、もう一度この会議を続けたいと思います。從つて今日の会議はこの程度で打切りたいと思いますが、いかがでございましようか。
  64. 小笠原八十美

    ○小笠原委員長 それでは今遠藤君の動議もありますから、あらためて米價に対する問題がきまつてから、内容について深く皆さんに御質疑を願うことにして、各自五分づつの程度ということに御了解を得てよろしゆうございますか——河野君。
  65. 河野謙三

    河野(謙)委員 重ねて簡單に申し上げますが、今お尋ねしたことは、今の中間口銭を妥当なものとして今度の消費者價格を値上げするのか、それとも消費者價格を上げるについては、その前提として、中間口銭についてもう一度再檢討をするお考えがあるかどうかということをお伺いしたい。
  66. 森幸太郎

    ○森國務大臣 今の御質問については十分檢討しております。
  67. 井上良二

    井上(良)委員 政府米價改訂特に消費者價格を改訂するにあたつて二、三伺つておきたいのは、今大臣の御説明によりますと、為替レート設定後に物價の調整をいたしまして、その上においてどうきめるかということで今檢討しておる、こういうお話ですが、為替レートの決定によつて消費者價格を変更しようとするのか、それには何ら関係なしに他の理由によつて消費者價格を四月から上げようというのか、この点が第一点。  それからいま一つ、麦及び米についてのバツク・ペイがあります。これの実行によりまして、当然米價がまた変更されて來ます。小賣價格が変更されて來ると思いますが、そうなると、為替レートの設定によつて米價がかわる。あるいはまたその他の政府が今上げようとする理由によつてかわる。さらにまた今度はバツク・ペイによつてかわる。三段構えになるように考えますが、その場合はどうなりますか。たとえば現在消費者價格をひとまず上げておいて、また七月改訂にもう一ぺん消費者價格を上げ、さらにまた為替レート設定によつて上げようというのか、この点が重大な問題になつて來ますからこれを一点伺つておきたい。  それからいま一つ重要な問題は、今の大臣説明によりますと、大体小賣價格は多少いじつたにしても、わずか二・五二ぐらいの値上げによつて大した負担にならぬ、こういう説明でございますが、われわれも今日の事情上、あまり急激な値上げは絶対賛成できませんが、ただ値上げするならするだけの理由が、消費者大衆に明確にならなければなりませんし、またこれが全体の物價及び生産に影響して参りますから、それらの関係も合せて考慮しなければなりませんから、大幅値上げは絶対にできません。その場合、政府としてはどの程度補給金を檢討されようとするかという問題が横たわつて來ます。それと同時に、私ども消費者側として考えなければならぬ問題は、実は米價がわずか一割や二割上るというよりも、この端境期に政府は一体自信あつて、現在二合七勾を十月二十日までのこの年度において、完全に配給する能力があるかどうかという問題であります。これが実はわれわれにとつては大きな問題であります。少くとも私どもの見ておる諸情勢から考えますと、本年の端境期は容易ならぬ端境期になりはせぬかという危險があります。少くとも政府はこの年度において、約百七、八十万トンの輸入を要請しておるのではないかと思いますが、これが完全に入るということにいたしましても、絶対量が不足いたしております。その絶対量の不足を政府の方では超過供出で補おうといたしております。ところが超過供出が完全に行きましたところで、さらに今年夏とれますところの麦とばれいしよの収穫は異状を來しております。これはすでに補正しなければならない現実に当面しておる。そういう國内産の事情と、それから輸入食糧がはたして政府の要求しただけのものが、アメリカの関係で入るかどうかということは、非常にわれわれは不安であります。もしこの端境期の見通上を相当ここに立てておきませんと、実は配給による米價の値上りより、やみで買わなければならぬ不足食糧をどう補うかという問題が、消費者には大きな問題になつて來ます。こういう見地から、政府はこの際本年の、少くとも森農政になりましてから、この十月三十日までの需給推算の上には不安がない、絶対に二合七勾及び他の加配米を政府責任を持つて配給する見通しがあるかどうか。この需給推算に対する見通しを、この際明確に大臣から承つておきたいと思います。
  68. 森幸太郎

    ○森國務大臣 いろいろ食糧事情に詳しい井上委員の御質問でありましたが、御承知通り麦作は非常に冬暖かいために異状を來した地方があるのであります。九州なり近畿以西においては、すでに作物を轉換しなければならぬような地方も出ております。しかしその他の地方におきましては、今日までの報告によりますと、当初心配いたしておつたような異状はないように報告されているのであります。しかし今日の状況から推理いたしまして、予定の収穫が得られないということは想像されるのであります。しかしながら、この端境期に現在規定されているところの二合七勾の配給を不安に陥れるというようなことは絶対ないということを申し上げておきたいと思います。まだ麦もとれませんし、ばれいしよも収穫いたしておらないのでありますが、超過供出を自主的にお願いいたしているのでありまして、まだ予定数量は全部供出ができておりませんけれども、決してこの端境期に食糧の欠配等の起るようなことはないという確信を持つているわけであります。輸入食糧の懇請も、この日本の事情をよく察知せられまして、こちらの予定通りの輸入が計画されているわけでありますので、その点は安心していただいてけつこうだと思います。なお米價決定に対するいろいろの場合をあげて御質問でありましたが、これは技術的な問題でありますから、政府委員よりお答えをいたします。
  69. 山根東明

    ○山根説明員 井上委員から麦のバツク・ペイ、それから為替レートの設定されたときの問題、その他今後における消費者價格が変動する要素が予想せられるけれども、それに対してその都度改訂して行くかどうか、こういうお話でありましたが、先ほど大臣からも御説明があつたと思いますが、現在予想せられますすべての要素は、今日一應織り込んで、近く、もしきめられるとすればきめられる消費者價格に全部織り込んできめるというわけで、一旦きめましたことは年度の途中で改正することはいたさないつもりであります。
  70. 小笠原八十美

    ○小笠原委員長 速記をとめてください。     〔速記中止〕
  71. 小笠原八十美

    ○小笠原委員長 それでは速記をとつてください。  本日は、この程度にとどめまして、次会は公報をもつてお知らせいたします。これをもつて散会いたします。     午後三時三十一分散会