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宮幡委員 ただいまの
大藏省設置法案について
概要を拜見したわけでありますが、われわれ
大藏委員会の立場から
考えますと、本
法案に対して直接の修正等の意見も申し上げかねるものじやないかと思いますが、いずれ主管
委員会である
内閣委員会に対しまして、
大藏委員会の要望する事項をとりまとめて申し入れたい、かように
考えておるのであります。特に了解に苦しむ二、三の点について
事務当局の御回答を得たいと存じます。
第一点でありますが、
会計士管理委員会を廃止せられておるのでありますが、この
会計士管理委員会なるものは、御
承知のように証券
民主化、外資の導入、あわせて日本の産業経済の再建のために、高水準の、いわゆるアメリカのCPA式な会計の檢査証明を業とする者を養成しようとするために、新たにその筋の御慫慂によ
つてつくられた公認会計士法に基く公認会計士、並びに会計士補の登録並びに監督を行う
機関であり、またその特別試驗及び普通試驗等を処理して参る
機関であるのであります。しかし公認会計士に関する試驗は、つい四月の二日、三日にわたりまして、特別試驗の予備試驗が一回行われたのみでありまして、いまだ天下廣しといえ
ども一人の公認会計士も誕生いたしておりません。しかも一方
においては証券の
民主化は促進せられまして、証券取引所の再開もきわめて近い時期だと予想せられております。しかして証券取引所の
運営いたします権限の範囲内
において、必ず公認会計士の証明を要する事項があるわけでありまして、こういう場合
において、いまだ
会計士管理委員会は、その使命を果しておらないのであります。要するにこれからが
会計士管理委員会の本來の機能を発揮いたしまして、当初の
目的に向
つて権限を発揮すべき時期であるのに、ここ
においてこれを廃止するというのは、たといそれが
行政整理の名のもとに行われようが、いかなる意味
においてもこれは矛盾撞着は避け得ないものだと
考えます。ことにこの
会計士管理委員会を大藏
事務当局から切り離しました当時の趣旨は、これは民主的の
運営という意味でありまして、官僚的の
運営を排除する氣持が多か
つたのでありますが、再びこれを元に返しますことは、当初心配せられましたところへと逆もどりすることになりまして、いかなる点
においても賛意を表しがたいものであります。しかも私の浅い
考え方と申しましようか、聞き方と申しましようか、御想像願います
方面からの情報によりますと、これは必ずしも廃止するという意向を持
つておらない。なぜならばこの会計士、
管理委員会なるものは、これは明らかにインターナシヨナルのものである。ひとり日本的のものでない。こういう見方をいたしておるわけでありまして、かような観点
において、あえてこの廃止を強行せられ、しかも円滑な
運営ができるかどうか、この点に対しましての
政府当局の御所見を一應承りたいて思います。