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今澄委員
商工大臣に伺います。私はこの間の内閣、外務
連合審査会において、
通商産業省の設置は、わが國を今後ぼくすべき最も重要な課題であるということを総理の口から聞いたのでありますが、それはまことに口の先だけであ
つて、本日のこの
委員会にも総理は少しも見えず、官房
長官も見えず、本多國務
大臣も見えないということは、まことにけしからぬ話だと思います。われわれは
商工省の内部だけの問題については、
努力しておられる
商工大臣から
商工委員会においてたびたび聞いておるのであります。今日の会合も
連合審査会を開くゆえんのものは、他省にわたり内閣全般の問題として
答弁をさるべき、また討論さるべき筋合いのものだとのことで聞かれたと思う。にもかかわらず他省の人、また全般的に
関係ある人間は、ただ一人も見えぬということはまことにけしからぬと思うので、
委員長としてもその点注意を促し、至急官房
長官なり本多國務
大臣なり來ていただくように言
つていただきたいのであります。私は
商工省を
通商産業省に編成がえをした
理由は、表面いろいろあろうが、とりざたされておる各省との
関係した問題について、総理
大臣並びに各
大臣にただしたい。さらにもう
一つは、
通商産業省が決定されたいきさつについて、
商工大臣にもでありますが、ほかの責任者に聞きたいのです。それはすなわち
通商産業省を設置するときに、吉田総理
大臣や本多國務相や、あるいは稻垣さんや松田次官あたりがその研究にあずか
つたというならば、これはまことに國政上当然であろうと思う。しかし麻生氏や白洲次郎氏の名前が新聞に報道されたし、この
通商産業省がきまるいきさつの中において、大きく活動したということは御承知の
通りであります。私はこのようなことは、吉田総理が宮廷政治的な、側近の意見を取入れて、この
通商産業省の
法案をつくる上に、大きくそのような力があずか
つておるというように
考えざるを得ない。その
意味において、こういうような大きな問題を
提出するいきさつが、そうい
つた新聞の報道するような状態であり、
審議する
國会の
委員会がこういう状態であるということは、まことに残念しごくでありますので、本日はその方面のどなたかお見えになるまでは、私は断じてこの
質問をやめない。かように
考えておりますから、
委員長においてしかるべくおとりはからいを願いたいと思います。
そこで
商工委員会において
商工大臣からは、かねがね
お話を承
つておるのでありますから重複を避けまして、私は
商工大臣に次の二、三点を御
質問いたしたいと存ずる次第であります。
第一点は中華民國における今の中共、國府の内乱という思想的な対立、これはすなわち中國の政治問題であります。日華の
貿易はこれは
経済問題でありますが、
日本と中華民國との
貿易というこの
経済的な問題と、中國の内乱という政治的な問題とを、どのように合して
考えておられるかということであります。これはすなわち中國の内乱が治まるのを持
つて日華
貿易を行うのか、中國の内乱と
関係なく日華
貿易をやらなければならないのか。とするならば、
通商産業省ともあろうものの所管
大臣としては、一体この中國の
情勢がそれではどういうふうになるか。また総理
大臣としても中國の内爭は一体近く解決するのか、それとも將來永久に続くのかというような見通しの上に立たなければならぬと私は思うのであります。そのような
意味において、この中華民國の内乱とは無
関係に
貿易を行うか、あるいは内乱は当分続く、この勝負はなかなか決しないという前提の上に立
つて、中國との
貿易を
考えられるかという点について、ひとつ御
質問いたしたいと思います。