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1949-05-04 第5回国会 衆議院 内閣委員会建設委員会連合審査会 第1号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十四年五月四日(水曜日)     午後三時二十六分開議  出席委員   内閣委員会    委員長代理 理事 池田正之輔君    理事 青木  正君 理事 有田 喜一君    理事 鈴木 幹雄君       江花  靜君    佐藤 榮作君       根本龍太郎君    柳澤 義男君       山本 久雄君   建設委員会    委員長 淺利 三朗君    理事 内藤  隆君 理事 松井 豊吉君    理事 村瀬 宣親君 理事 池田 峯雄君    理事 天野  久君       今村 忠助君    瀬戸山三男君       田中 角榮君    飛嶋  繁君       三池  信君    宮原幸三郎君       増田 連也君    笹森 順造君  出席國務大臣         農 林 大 臣 森 幸太郎君         運 輸 大 臣 大屋 晋三君         建 設 大 臣 益谷 秀次君         國 務 大 臣 本多 市郎君  委員外出席者         專  門  員 小關 紹夫君         專  門  員 西畑 正倫君         專  門  員 田中 義一君     ————————————— 本日の会議に付した事件  建設省設置法の一部を改正する法律案内閣提  出第九二号)     —————————————
  2. 池田正之輔

    池田(正)委員長代理 これより会議を開きます。  本日は建設省設置法の一部を改正する法律案について、内閣委員会建設委員会との連合審査会であります。内閣委員長が所用のため理事の私が委員長の職務を行います。まず政府提案理由説明を聽取いたします。
  3. 益谷秀次

    益谷國務大臣 建設省設置法の一部を改正する法律案につき、提案理由とその概要を申し上げます。  現在の建設省は、御承知通り昨年七月に制定せられました建設省設置法に基き設置せられたものでありまして、その機構は、大臣官房のほか総務河川道路都市建築特別建設の六つの内部部局のほかに、地理調査所建築研究所土木研究所及び建設工事本部の四つの付属機関並びに全國六箇所の地方建設局から成立つております。このたび行政機構整備簡素化する政府一般的方針に基き、建設省におきましても、その機構整備簡素化することといたし、本法律案提案いたした次第であります。しかして今回の改正は、ただいま申しましたごとく行政機構簡素化一般方針に基き、とりあえず、現在の機構を基礎にしてその整備をはかつたものでありまして、建設省機構根本的改正については、今後の研究にまつことにいたしました。  改正の要点を申し上げますと、第一に現在の総務河川道路都市建築特別建設の六局を管理河川道路都市住宅の五局とし、管理営繕部を置くことにしました。しかして管理局においては、現在の総務局及び特別建設局営繕部事務を、住宅局においては、建築局事務をつかさどらしめることとし、他の諸局の所掌事務については若干字句の整理を加えたにとどまり、特に変更を加えておりません。  第二に建設工事本部を廃止し、その事務をそれぞれの所掌に應じて各局及び地方建設局に統合いたしました。  第三に現在建設省設置法施行令において規定されている、特別の職及び付属機関及び地方支分部局組織権限等設置法に明記することにいたしました。  以上が建設省設置法の一部を改正する法律案提案理由概要でありますが、何とぞすみやかに御審議あらんことをお願いする次第であります。
  4. 池田正之輔

    池田(正)委員長代理 では質疑に入ります。
  5. 柳澤義男

    柳澤委員 運輸省設置法に関連するところでありますが、ただいま大臣が御説明のように一部の変更ではありますが、從來規定によつてみますと、三條の八、十というようなところに、水面利用改良維持管理ということがございますが、この水面の中に河川があつて港湾が入つておらぬ。それはおそらくは港湾の方は運輸省設置法の二十六條に讓つておるのではないかと思われるのでありますが、この際機構改革をするにあたりまして、事業の本質上から見て、この水面利用改良維持管理は、河川港湾と区別することなく、建設省所管事務にいたした方がよろしいのではないかと考えられるのでありますが、この点は建設大臣はいかにお考えになられましようか。  さらにもう一つお尋ねしたいことは、少しこまかくなりますが、この建設省設置法の三條の十三以下に道路行政に関して規定がありますが、道路調査研究というのは、やはりこの二十九の建設省所管行政に入るのでございましようか。これも運輸省設置法の方に関連いたしますが、運輸省の方の二十八條の九を見ますと、そこに「道路運送に関し、道路調査及び研究に関すること。」というのが運輸省の方の所管事務に入つておる。道路運送法はなるほど共管でございましようが、道路法は少くとも建設省專管に属するものである。從いましていやしくも道路運送に関して上にかぶせましても、道路調査及び研究ということになりますと、この建設省所管事務とまつたく重複するのではないかと思われる。この牴触する二つ所管事務両方の省に入つているということになりますと、互いに権限を侵犯するというようなことも起らないとも限らない。行政上にまたいろいろな支障を來すのじやないかということが憂えられるのであります。この点はどちらかに統一する。むしろ道路法專管であると同様に、道路というものに中心を置いて考えますときに、その調査研究は、これがもつぱら運送という点であれば運輸省の方でよろしいのでありますが、運輸省設置法の方の規定を見ましても、やはり道路調査及び研究となつておりますから、これはむしろ建設省所管に一本建にする方がよろしいのじやないか。この際この衝突するような規定も改められてはいかがかというように思うのでありますが、大臣の御所見を承ります。
  6. 益谷秀次

    益谷國務大臣 昨年七月に建設省が発足いたしました際、國会においていろいろの御意見のあつたことは、承知いたしております。私といたしましても、建設行政一元化ということは理想といたしておるのであります。しかしながら今回御審議を願つております改正法律案は、現在の各省各廳の所掌いたしております事柄について、機構整備行政簡素化をはかるというふうにとどめたのであります。ただいまも提案理由説明の際に申し上げた通り建設省機構根本的改正については、今後の研究にまつことといたしたのであります。今回は御承知通り行政整理と関連いたしまして各省設置法案改正を取急いで御審議を願わなければならない関係上、各省にまたがる方面についての整理をいたさないで、各省各廳の現在のままの機構整備簡素化いたした次第であります。
  7. 柳澤義男

    柳澤委員 ただいまもつぱら現在の状態の簡素化整備行政整理のよつて來る結果というようなお話でありますが、この各省設置法がいずれも新たに法案として出されておる。そしてむしろ法体系の上から申しますと、根本的なここに一つの新しい出発をしておる形になつておる。こういうように設置法——建設省は昨年の処置法でできましたが、その他のことにその関連の廳などは今新たにここに設けるのであります。さすれば、ただいま大臣がおつしやられましたように、單にただ簡素化整備するというだけではなく、思い切つてそういうような配置轉換ということを考えても、一向にさしつかえないのじやないか。むしろそうすべきがこの際の整備にも一致する。簡素化もまた、より以上しつくり行くのではないか。ことに道路行政に関するごとき、両方にその権限を與えて、非常にまぎらわしい所管事務をきめてあるというようなものは、いつそこの際改められたらいかがか、かように思うのですが、いかがでしようか。
  8. 益谷秀次

    益谷國務大臣 ただいまも申しました通り、御承知通り、今回政府におきまして行政機構審議会等設置いたして、近く発足いたすことに相なつております。その審議の結果をまち、また國会における多数の御意見の存するところ等を十分に檢討いたして、ただいま申しました通り建設省機構根本的な改正を今後にまつことにいたしたのであります。ただいまも説明申し上げました通り、今回は取急いで各省設置法改正法律案を御審議願わなければならぬ関係上、今回はいろいろ御不満の点もあることとは存じておりますが、また不備な点もあることと存じますが、とりあえず以上のような理由で、今回の一部改正法律案を提出いたした次第であります。
  9. 柳澤義男

    柳澤委員 大体その点は了承いたしまして、これはなお内閣委員会におきまして、もう少し詳しくお尋ねいたし、また別の運輸省設置法案の際に讓ることにいたしまして、これで私の質問は終ります。
  10. 田中角榮

    田中(角)委員 建設省設置法案の一部を改正する法律案に対しまして、私見を申し述べるとともに、関係大臣所見をただしたいのであります。  建設省設置法一部改正法律案は、今次政府行政機構整備の線に沿いまして提案されたのでありまするが、建設省機構整備につきましては、第一國会当初より大いに研究、討論しておるところであります。敗戰によりまして、わが國は國土狹隘となりまして、加うるに戰時十年國土保全対策の完全を欠いておりましたために、まつた國土は荒廃の極に達しておるのであります。祖國再建の道は、荒廃せる國土復興と、狹隘なる國土高度利用以外に求めがたいことは、私が申し上げるまでもないところであります。総合國土計画建設行政一元化という線に沿いまして、われわれ建設委員は、各省に分属、複雜多岐にわたつておりますところの建設行政一元化し、総合的な國土省または公共事業省設置に、引続き努力して参つたのであります。片山内閣当時内務省解体ということがございまして、当時戰災復興院内務省國土局とを合しまして建設院ができました。芦田内閣におきまして、昨年の七月、現在の建設省ができたのでありますが、第一回のときにおいては、内務省解体が十月一日以後にまたがつてはならないという時間的な制約によりまして、総合建設省実現が不可能であるということでありました。第二の現在の建設省設置法が通過いたしますときには、行政組織法が通過いたしました直後でありまして、時間的にも技術的にも間に合わない。まごまごしておつたならば総合建設省どころではなく、当時の建設院建設局に格下げになつてしまつて大臣も次官もいなくなつてしまうから、とにかく通してくれというような、せつぱ詰つた事情によりまして、現在の建設省が誕生しているわけであります。総合建設省設置ということに対しましては、当時野党でありましたわが党はもちろんのこと、與党であつた民主党、社会党の諸君も、建設行政一元化ということには、異論があるというよりも、むしろ積極的な熱意を示しておつたのでありますが、その大体の機構は、農林省林野開拓関係並びに漁港に関する部門商工省水力電源開発に関する部門運輸省港湾局建設維持に関する部門、厚生省の國立公園並びに上下水道に関する部門、それから國費支弁に属する建物営繕統一経済安定本部建設局所管事項の全部というようなものをひつくるめまして、建設行政一元化をはかろうとするのが目途であります。しかし結論的には時間的、技術的に間に合わないということによりまして、現在に至つておるのでありますが、ただいま益谷大臣の申されました通り、今般政府行政機構の一大改革を断行するということでありまして、まさに多年の懸案でありましたところの建設行政一元化に対しましては、またとない絶好のチヤンスであります。政府提案内容を見ますと、先ほどから御説明がございましたけれども、行政整理ということよりも、ただ一部の部局の名称を改めるにとどまつているようであります。そして近く発足するところの行政審議会におきまして十分研究実現するというのでありますが、時間的に、技術的に、しかも客観的な現在の段階において、最善の策ができないとしても、総合的建設省ということをわれわれが言い出してから、また政府が当面に立つてから、與党野党を問わず、一致協力してすでに三年間の日時をけみしておるのであります。しかも多数の與党を擁する現政府が、一大英断をもつて行政機構改革を断行する、しかも非常に近い間にこれをなすというのであつたならば、それまで待たなくて、いわゆる建設行政の中に統合するのに何人も異論なく、またただちにでき得るもの、すなわち次善の策くらいは、当然原案に織り込まなければならないと思うのであります。すなわち次善策といたしましては、港湾運送業等統制令終戰と同時に撤廃になつておりまする現在、港湾建設維持行政運輸省になければならないということはありません。これは当然元の所に——内務省地方廳に分属しておつたものが現在の運輸省所管された港湾局でありますから、総合的建設省実現の第一歩として、当然この港湾局建設行政の中に含まるべきものであります。次は商工省通商産業省看板がえをいたしまするときに、河川すなわち利水治山治水に密接なる関係を持ち、しかも総合的國土計画根本をなすとも言うべき電源開発、これは当然建設省の中に包含さるべきものであります。この電源開発部門に対しましては、政府の第一案においては、通商産業省の中に電源開発部を設くるというようなお話ではございましたが、通商産業省看板が之をして、まだ電源開発部を残しておかなければならぬということは、まさにナンセンスでなければならぬというぐらいに私は考えておるのであります。しかも政府提案されました原案の中には、——現在は総務河川道路都市建設特別建設局の六局一部になつておるのでありますが、これを一部一局削除いたしまして、管理河川道路都市住宅の五局にとどめておるのであります。しかし私はこの建設行政というものは、少くとも現在の建設省の中に盛つておるところの建設部門、すなわち部局の改廃だけでもやるのであるというお積りであつたならば、少くとも総合建設省をつくるような線に沿つて、五局でも四局でも六局でもつくつていただきたいと思つておるのであります。昨年の七月行政組織法通りまして、現在の建設省設置法通りますときに、委員会といたしましては、総合建設省は断じてつくるということに決議がまとまつたのでありますが、結論的には時間的に間に合わないというので、その場合は近く行政機構整備をなし、総合建設省をつくるという以上、その勇氣があるならば、少くとも官廳営繕統一ぐらいはなすべきものであるという結論に達しておるのであります。総合建設省はなぜできないかというと、建設省に入れるべき部門が、先ほど申しましたように各省に分属しておるのであります。すなわちセクシヨナリズムにおいてできないのだとわれわれは断定しておるのでありますが、そのセクシヨナリズムを打破できなかつたならば、いつまでたつて総合建設省実現などは考えられもしないのであります。セクシヨナリズムでもつて反対しておるのではないということを、各省の局長並びに大臣も、今までたびたび答弁されておりまするが、もしそうでなかつたならば、最も小さな官廳営繕統一、すなわち大藏省営繕管財局のあの官廳営繕統一という部面だけは、当然これを行うべし。これさえやれないのであつたならば、おざなりな答弁であつて、これはいつまでたつてもやる意思がないのだ、こういう結論に達します。この建設省設置法を通しますときに、特別建設局所管事項すなわち監督部事項が、特別調達廳もしくは特別調達院に移管される日をもつて特別建設局を廃止し、営繕局をつくり、官廳営繕統一をはかるということを、本会議速記録にも残してあるのが事実であります。しかるに当時の國土計画委員会決議というものも、全然政府原案には無視されておるのでありまするが、この間の事情に対しても御説明をちようだいしたいと思うのであります。しかも営繕部管理局の中に入つておりまするが、御承知通り建設省所管事項國土計画地方計画及び都市計画に関する事項、並びに都市保全利用に関する事項であります。次は治山治水及び利水に関する事項でありますが、これを大別いたしますると、計画管理という総務関係仕事一つ、それから実施をなす実施面というものが一つ、この二つにわかれるわけであります。実施の面は、申すまでもなく土木建築にわかれます。土木の中で一番大きなものは河川道路であります。建築一般建築行政並びに住宅官廳営繕であります。その最も簡單な線をひいてみるときには、國土計画地方計画及び都市計画に関する事項、並びに土地保全利用に関する事項を一局にまとめる。そして土木の中で河川道路を一局ずつ、すなわち二局にわける。それから建築関係一般建築行政並びに住宅を合せて、現在の建築局をそのまま残す。そうして、われわれがこの前の建設省設置法を通すときに決議としてつけたところの官廳営繕統一、すなわち営繕局をつくるという、この五局案にまとめるのが一番正しいものではないかと私は考えておるのであります。以上申し述べました理由によりまして、政府提案原案には幾多修正を要すると存ずるのでありまするが、この間の関係大臣諸公所見をただしたいと思うのであります。  最後先ほど質問があつたようでありまするが、総合建設省を、近く行政審議会にかけてその実現に邁進をすると言われながら、現在出しておる運輸省設置法案の中に、先ほどお話通り、第二十八條の第九号に「道路運送に関し、道路調査及び研究に関すること。」というのがあります。これは総合建設省の出現にまさに逆行するものであります。これは現在の港湾局建設省に統合することを拒否する、反対するということよりも、この道路運送に関する道路調査及び研究に関することを新しい運輸省設置法案の第二十八條第九号に織り込むというに至つては、これは建設省にあるところの道路局を、逆に運輸省の中に持つて行きたいというような下準備であります。われわれは今までの法案をずつと見るときに、これはそうとる以外にないのであります。運輸省交通省にもし看板がえとなつた場合には、道路に関する交通行政は当然交通省に移るべきものでありますが、道路の補修、新設、管理維持というようなもの——道路建設行政並びに維持行政は、建設省の現在の道路局でもつてまかなうことは当然のことでありまして、運輸省設置法案のこの道路運送に関する道路調査及び研究に関することというのは、これは当然削つていただきたいと思うのであります。私はこういうふうないろいろな客観情勢を総合するときに、総合建設省をつくるということに対しては、まだ幾多の難関があるとは思いまするが、以上申し述べました所見に対しまして御答弁をお願いいたしたいのであります。  最後にもう一つだけ伺いたいのでありますが、なぜ営繕局をつくるというようなことを私が申しますかというと、今度御提案になりました建設省設置法の一部を改正する法律案の第三條第二十六号に「國費支弁に属する建物営繕」とあつて、括弧して三、四行書いてあります。この三、四行というものは、郵政事業特別会計とか刑務所営繕とかいうようなことでもつて非常に局限してある。この法案通りますと、法務廳関係刑務所以外の営繕工事の全部、農林省林野特別会計営繕全部、それから文部省施設局学校災害を除く学校営繕全部が建設部所管事項になるわけであります。この意味では現在の営繕部というものが非常に大きくなるのでありまして、その意味においても、営繕部は当然局に昇格すべし、こういうふうに考えるのであります。以上私見を申し述べるとともに、御意見を拜聽したいと思います。
  11. 益谷秀次

    益谷國務大臣 田中委員の御意見ごもつともの点が多々あるのであります。私の方の建設省設置法の一部を改正する法律案の点について、お答え申し上げます。管理局は、御承知通り從來総務局を大体管理局といたした次第であります。なぜ営繕部を局にしなかつたかという点でありまするが、現在の営繕部——これから建設省が取扱つて参りまする官廳営繕は、部といたしましてもさしつかえなく仕事を運んで参ることができるという考えから、部にいたしたのであります。そうしてこれは住宅局と離して、そして管理局のうちに営繕部を置きましたのは、御承知通り現在の住宅局所掌事務は、まつた営繕部仕事と異なつておるのであります。営繕部は御承知通り大体各官省、各官廳建築所掌いたします。住宅は御承知通り國庫補助による住宅、また今日建設省で計画いたしております住宅公團等の取扱いをいたしますので、大体仕事の性質が違つて参るのであります。都市局を存置いたしましたのは、全國百十数余にわたる戰災をこうむつた都市があります。これは私としましても、國の財政の上から、都市計画を実行することが、至つて遅々として進んで参りませんので、実に遺憾なことでありますが、今後國家財政が許すならば、一日もすみやかに戰災地の復興をいたし、都市計画を完備いたさなければならぬという建前から、都市局を存置いたした次第であります。
  12. 本多市郎

    本多國務大臣 ただいまのお話の御趣旨には同感でございます。ただ今回各省設置法案の決定にあたりまして、政府におきましても、御指摘のような点につきまして、相当考慮いたした点もあるのでございますが、結論を得るに至らなかつたのでありまして、これはどうしても今後の十分な研究の上に決定して行くほかはない、こういうことで提案をいたしたのでございます。御指摘のように國家建設事業を総合的に運営することになりますと、機械の面においても、技術の面においても、資材等の面におきましても、必ずや能率的、経済的に行ける面があると思います。但し全部の各省の小さな事業までも、一つの所へ集めるということになりますと、また実情に沿わない不便が起きて來わしないかとも考えられます。しかし現状においては、大規模なものだけは統合するという方面に向うべきものであると私どもも考えております。これはさいぜん建設大臣からも御説明がありました通り、ここに一應の機構改正をやりましたけれども、引続いて審議会等にも研究を願い、また政府としても十分なる調査を遂げまして、できることならば、御趣旨に沿うような結果に到達いたしたいと考えております。
  13. 大屋晋三

    大屋國務大臣 港湾局建設省へ移すという問題は、しばしば論議がかわされておつたと思うのですが、この港湾建設的な仕事は、やはり港湾を運営し、使用して行くという立場の運輸省が、担当をして行くのが最も適切であるというかたい信念を持つておるわけで、ちようど港湾というのは、御承知の海陸両交通の、いわゆる終点、始点でございまして、ちようど鉄道における駅のごときものであると考えておりますので、なるほど建設と申しまするが、港湾建設自体内容は相当特殊なものがございますし、また長い間、五、七十年の経驗を持つた優秀な技術を現在運輸省で持つておりますので、これはすべての能率の点から行きまして、運輸省がこれを運営し、建設をして行くということが最も適切であると私は信じておる次第であります。
  14. 森幸太郎

    森國務大臣 森林行政について、國土保安の上から、治山治水意味から、建設省に合一したらどうだという御意見でありますが、農林行政の中に、林野廳という外局をつくりまして、これによつて森林行政をやつておるわけでありますが、もちろん治山治水と密接な関係を持つております。また建設省の上におきましても、國土保安の上から渓谷の土砂扞止等のようなこともやつておるのであります。同じようなことをやつておるのだから、これは一つにしたらいいではないかという御意見もそこに出て來ると存じますが、やはり森林行政は山を守つて行く、林野を守つて行くという氣持から、特別なる技術をおのずから必要といたしますので、普通の土木工事のごとく簡單に処理し得ない、かように考えておるのであります。  なお開拓等の問題につきましても、國土建設の上から、これは建設省につかさどらしたらいいではないかという御意見もあるのでありますが、これまた開墾、開拓ともに將來耕地としてこれを考えるのであります。これまた特殊の農業技術面から考慮を拂つて行かなければなりませんから、ただ國土を廣げる、あるいは國土を守るという簡單土木工事と、非常に意味が違つておる、こういうことも考えられるのであります。今後行政審議会においていろいろ審議をせられ、また政府としても総合的に考慮をめぐらすこととは存じますが、今日の場合におきましては、やはり森林行政森林行政として、從來のごとく農林省技術の立場からこれを指導し、責任を持つて行くことが、國土保安の上からいいのではないか、かようにも考えておるわけであります。
  15. 池田正之輔

    池田(正)委員長代理 ちよつと田中君に申し上げますが、各大臣は実は四時から閣議を開くのだそうです。あとの方にも、もうしばらく大臣に残つてもらつて質問をしていただき、できることならばきよう終了したいと思いますから、どうぞそのおつもりでお願いします。
  16. 田中角榮

    田中(角)委員 農林大臣に一言だけ伺いたいのでありますが、総合建設省をつくるということになると、農林省所管事務建設行政は相当入ると思うのであります。その場合、現在の農林省を食糧省というものに、すぽつと大改革をするというふうなお考えはないでありましようか。すなわち商工省通商産業省とし、運輸省交通省とするというような意味で、農林省を食糧省とする。すなわち山林やその他の開拓関係は全部國土省となりますか、公立事業省となりまか、そういう面に全部吸收されるということが考えられるのでありますが、そういうような論に対して、どういう御意見を持つておられるかということを伺いたい。
  17. 森幸太郎

    森國務大臣 具体的に考えてみないのでありますが、今日の食糧事情は、將來におきましても、特に日本としてますます重大に考えて行かなければならぬのでありますから、食糧省という一つの大きい、食糧に総合的な立場を持つ行政機構をつくることも一つ考え方と思うのであります。そうしまして、食糧増産に対するあらゆる施設を総一いたして行くということも考えられないのではないのでありますが、総合的に食糧ということを考えて行きます場合には、やはり農林土木と申しますか、そういうような方面も、おのずから総合的に携わつて行かなければならぬのであります。むしろ大きく産業省というようなものでもつくつて、あらゆるそういう原始的産業を基礎とした事業行政するということも、一つの方法ではないかと考えるのであります。御承知通り、現在では主要食糧増産に最も重大な肥料のごときものが、通商産業省所管されておるということにもなつており、また農機具等の食糧増産に最も密接な関係のあるものが商工省所管になつておる、あるいは漁業について非常に必要のあるところの漁網等は商工省になつておるというような複雜したことになつておるのであります。これらも利用という立場より、むしろ生産ということを考えられて、今日さようなことになつておるのでありますが、今お話のような食糧省というような構想をもつて行きますならば、そういう今申しましたようなものも、おのずからこれは食糧省が責任をもつて生産し、これを利用して行くように考えて行かなければならぬと考えるのであります。まだ私は今日におきましては、今お話のような食糧省ということによつて、すべてを総合して行くという考えをまとめておらないのであります。さようにまとめましても、しからば林野行政國土建設の方のために、食糧省とは切り離していいのではないかという結論を得るかどうかということも、今後構想を進めてみなければはつきりお答えできない、かように考えております。
  18. 村瀬宣親

    ○村瀬委員 各省大臣並びに責任の部局長の御答弁を伺つておりますると、もはや救うべからざるセクショナリズムにとりつかれておるという感じがいたすのであります。私はもうこういう段階になりますると、ひとつ各省大臣を全部やめて、全部を國務大臣にして、そうして虚心担懷に公平な解決を早くやつてもらわなければ、かえつて解決ができぬであろうと思うのでありますが、ここに当面の責任を負つておられまする本多國務大臣に率直にお伺いをいたす次第であります。  建設省機構につきましては、第一國会以來、國土建設常任委員会におきまして、あるいは建設院設置にあたり、あるいは建設省設置に際しまして、総合的國土建設省または大公共事業省設置を力説して参りましたが、常に時間的制約のもとに、とりあえず建設院をつくり、また不満足な建設省設置して参りましたことは、さきに田中委員の申した通りであります。今回こそは多少とも理想に近づいた改正ができるものと期待をいたしておつたのでありますが、提案せられました改正案が一歩も前進することなく、單に現在の部局をそのまま総合縮少したにすぎないことは、國土建設のために悲しまざるを得ないのであります。今日わが國が当面している緊急問題として、あるいは経済の自立といい、民族の独立と称しておりますが、これらはいずれも國土復興と開発とをおいて、根本的に解決することのできないことは、申すまでもありません。今日ややもすれば経済再建の問題を、純経済の範囲内に限定して考える者がありますが、今日の段階におきましては、わが國の國民経済並びに國民生活の安定は、資源としての水及び土地の開発、災害の防除、住宅、水道、都市計画等による民生の安定、道路港湾等による輸送の増強等、総合的有機的國土の開発と管理とが、基盤とならねばならないと考えるのであります。しかるに從來わが國の國土建設事業の実情は、いたずらに各省に分割せられて、総合的に一貫された計画も、行政上の総一もない官僚のセクショナリズムに災いされて、各省相互間の競合によつて國家的な浪費を生じていた部面も少くなかつたのであります。しかしながら國土の四割五分を失い、かつ荒廃に瀕したこの國の上に、八千万の人口を養わなければならなくなりました今日では、好むと好まざるとにかかわらず、多年にわたる各省割拠のセクショナリズムを一擲して、國土復興と再建の大事業を科学的に策定し、強力に実施管理する大公事業省の設置こそ至上命令であると思うのであります。ことに企業整備行政整理に伴う失業対策は、これを建設的計画に実施する必要に迫られているのでありまして、これらをあわせ考えまするとき、生産復興計画に即應する緊急必須の開発建設事業と、恒久的一貫的な治山治水事業とに重点を置いて國土保全開発、利用に関する基礎的施策を、総合的計画のもとに國の建設力を結集して、強力かつ効果的に行うために、次のように公共事業を統合する必要があると思うのでありますが、これに対する本多國務大臣の良心的な、他の大臣に煩わされない御意見を承りたいと思うのであります。  まず運輸省に属している港湾建設業務、第二に商工省に属する水力電源の開発業務、但し電力需給の企画はむろん通商産業省に属しておいていいのであります。第三には、農林省林野砂防、開拓、漁港、船だまり、但し開拓政策及び入植営農に関するものは、農林省にむろんやつてもらいます。第四は國費支弁に属する営繕事務で、各省所管に属しているもの、第五に厚生省の國立公園及び上下水道建設業務、これだけはぜひ至上命令として、至急に統合する必要があると私どもは考えておりますが、各省に煩わされないで、最も公平な立場で日本の國家構成における行政機構を、どのように按分するかということをお考えになつておりまする本多國務大臣の、率直な御意見をまず承りたい。
  19. 本多市郎

    本多國務大臣 ただいま御指摘になりましたような点は、おそらく今後の行政機構改革につきましては、当然その対象となる重点的なものに属するものとなつて行くと考えております。現在の段階におきましては、その個々について政府意見がどうであるということを申し上げる結論に到達いたしておらないのであります。
  20. 村瀬宣親

    ○村瀬委員 本多大臣結論に到達していないとのお答えでありますが、私仄聞いたしますのに、ある結論に到達したと承つているのであります。途中においてそれがかわつたのであつて本多國務大臣の良心的御決定は、一應下つたと承つているのでありますが、この点一應その経過をお尋ねする次第であります。
  21. 本多市郎

    本多國務大臣 さいぜんあげられましたものの中には、これはこうしてはどうかと私が考えたものはございます。しかし政府の決定は閣議の決定でありまして、閣議の決定は、ただいまお目にかけてある提案通りでございます。
  22. 村瀬宣親

    ○村瀬委員 各省大臣となりますと、さきに私が申し上げました通り、自分の配下でありますところの局長その他からいろいろの説明もあり、要求もあるのでありまして、虚心坦懐に國家の是と信ずるところに向えないということがあると思いまするが、今本多國務大臣としては、ある程度考えたこともあつたが、閣議決定に至らなかつたという御答弁でありますが、本多國務大臣のお考えになることこそ、最も公平なものであると考えるのであります。その公平であり、よいと信じられることが、この期においてもなおできないということで、何で祖國の再建ができるか。よいと思つたことのできるような政治でなくてはならぬと思うのでありますが、それは行政機構審議会等ができておるそうでありますけれども、いつごろ実現をなさる本多國務大臣の御決意でありますか、それを承りたいと思います。
  23. 本多市郎

    本多國務大臣 同時に発足しました税制審議会などは、すでに審議を始めておる模樣でありまして、行政制度審議会も、議会に引続いて開かれることと存じます。これは相当時間をかけても十分な研究を遂げたいと考えておりますので、早急には結論には至らないと思いますけれども、でき得る限り早くということを念願いたしておる次第でございます。
  24. 村瀬宣親

    ○村瀬委員 最後機構の問題に関連が当然ありまするので、この際本多國務大臣に承つておきたいのでありますが、機構はいかように直しましても、円滑に能率的に運営ができねばなりません。それに対しましては、昨年聞くところによりまする行政整理——少しく離れるかもわかりませんけれども、これは大事なことで、機構と関連がありまするから、簡單にお尋ねいたしまするが、特に建設省におきましては、今までに八千五百人ほど整理済みであるということでありますが、新聞に発表になりましたところによりますと、さらに四千二百人の整理というようなことが載つてつたようでございます。これは今度の機構改革によれば、これだけ整理をしてもよいということであるか。私は行政整理は支障のない限り、でき得る限り大幅にやるべきであるという理論でありますけれども、しかしながら建設事業のごときは、事きわめて重大でありまして、人員を減らしたために建設事業が澁滯を來たすということでありますれば、これは目的に反するわけでありますので、この人員の関係についてお答えを願いたいと思います。
  25. 本多市郎

    本多國務大臣 建設省の人員整理につきましても、他の省に対する場合と同じように、でき得る限り公平に、実情に沿うようにという考えでこれに当つております。どういう案に政府がまとまるかということは、ここ両三日のうちに提案できると思いますので、その際に讓つていただきたいと存じます。
  26. 村瀬宣親

    ○村瀬委員 運輸大臣簡單にお尋ねをいたしますが、先ほど港湾は七十年の歴史を有し、運営するものはこの建設に当らねばならぬというかたい信念を持つておるそうであります。御信念のほどは十分わかつたのでありますが、しかしながら港湾なるものは、これは昭和十八年かに國家総動員法による統制令によりまして運輸省に移つたものであります。最初から港湾建設運輸省にあつたものではありません。現在におきましても府縣へ出ますならば、府縣の土木課におきまして、それぞれ建設道路その他と一諸に、港湾建設をいたしておるのであります。ただ本だけが港湾建設運輸省に移つておるのでありますが、すでに他の委員から十分説明がありました通り、当然これは建設省に移すべきであると思うのであつて、ただ理由のない信念だけでは困ると思うのでありますが、どうしてもこれが移せないという理由がありますれば、お聞きいたしたいと思います。
  27. 大屋晋三

    大屋國務大臣 ただいまの質問は、先ほど申し上げましたことで盡きておるのでありますが、要するに港湾建設は、港湾を運営して行くものが担当するのが最も適切で、かつ能率的であるということが基本になつているわけであります。從いまして現在の運輸省がこれを担当しておるということは一番適切である。かように考えております。
  28. 村瀬宣親

    ○村瀬委員 港湾局長かだれかの句調その通りでありますが、これは信念の問題を議論してもしようがありませんから、それはおくとして最初に問題になりました道路、運送に関して、道路に関する調査研究を新たに加えられた、いわゆる建設、運輸両省間に権限の重複変更を來すがごときことを、新たに加えられたのはどういう理由でありますか。同時にどなたでもよろしゆうございますが、おいでがないようでありますから、本多國務大臣にお聞きいたしたいのでありますが、それは上下水道に関する事項は厚生省にある。同時に上下水道工事に関する事項というのが建設省にあるのであります。今回の機構改正は、主としてなるべく手廣くやらないで、簡素化に主点を置いたという最初からの御説明でありますが、そうであるといたしますならば、両省間に権限の重複変更を來すがごとき改正をするのは無意味である。また上下水道のごときも両方にそういう文句がある関係もありまして、各市等におきまして、水道を敷設する場合に、非常に困つておる実情があるのでありますが、これをはつきりと簡素化する御意思はないものかどうか。何ゆえにこういう文句をそのまま置いておかねばならぬのであるか。これらに対して運輸大臣本多大臣との御答弁をお願いしたいと思います。
  29. 大屋晋三

    大屋國務大臣 前段の道路調査研究ということは、陸上の道路運送を完遂いたすために、現在でもすでにやつておる仕事でございまして、ことさらに今回新しくやつた仕事ではないので、この点は道路運送を担当する運輸省仕事として、当然道路調査が必要なので、建設省仕事と重複は毛頭ないわけでありますから、さように御了承を願います。
  30. 本多市郎

    本多國務大臣 あとの水道が、厚生省と建設省の共管事項になつておりますという点につきましては、いろいろ水道を建設する人たちの手続上にも非常な煩瑣な煩らいがあるのでございますから、これは何とかして一方に統合できないものかというので、この点もいろいろ研究いたしたのでございますが、結局間に合うようには意見が決定いたしませぬで、今後の研究問題として残つたわけでございます。
  31. 村瀬宣親

    ○村瀬委員 最後に農林大臣に伺いたいのでありますが、砂防、漁港、船だまり等を建設省に移管できない理由を承つておきたいと思います。  それから上下水道の工事に関する事項というようなことを入れることといたしますならば、電源開発の工事に関する事項ということを、建設省に入れる御意思があるかないかをお聞きしたい。
  32. 森幸太郎

    森國務大臣 漁港、船だまり等の施設は、水産漁業の立場から特異性を持つておるのであります。從つて現在農林省が、水産廳においてこれを所管いたしておるのであります。また土砂扞止の問題につきましては、これはおのずからその行政の面がはつきりいたしておるのでありまして、將來林野としてこれを経営して行くというこの土砂扞止、砂防工事につきましては、もちろんこれは農林行政の立場から、森林の技術者の考慮によつて施行した方が適切であると考えておるのであります。また溪谷の土砂扞止、砂防というようなことは、建設の普通の農業土木の立場から、やられてさしつかえないと思うのであります。將來のその利用の面について、おのずからその分野が明らかになつておる、かように考えております。一例を申しましても、ダムの建設等のごときも、もちろん電源開発ともなり、國土計画の上から建設省がこれにたずさわつていいという一面もありますが、農業の上から考えれば、これが一つの水源となり、そうして洪水を防遏するとともに、これを灌漑用水として利用するという必要から、農林行政の上からこういうダム建設を必要とする場合も出て來るのであります。ただこれらの仕事が、どういう目的に置かれるかということによつて、おのずからその所管が異なつて來るのではないか、かように考えておるわけであります。
  33. 村瀬宣親

    ○村瀬委員 電源工事に関する事項というようなことを挿入される御意思があるかどうかを承りたい。
  34. 益谷秀次

    益谷國務大臣 電源開発につきましては、河川利用いたすものについて、建設省と協議をいたしていたすことに現在いたしております。
  35. 村瀬宣親

    ○村瀬委員 一應これでやめます。
  36. 池田正之輔

    池田(正)委員長代理 今村君。
  37. 今村忠助

    ○今村(忠)委員 本多國務大臣にちよつとお尋ねいたしますが、この行政機構審議会というものは、本多國務大臣が主管と思うのでありますが、さようでございますか。
  38. 本多市郎

    本多國務大臣 これは総理大臣の機関でありまして、私の方の所管ということにはなつておりません。しかし関係の深い仕事でございますから私の方からいろいろ連絡をとつて進めて行くことになるだろうと思います。
  39. 今村忠助

    ○今村(忠)委員 実は各省セクシヨナリズムというものは、第一國会以來、われわれはつくづくさじを投げる程度にまで達しておるのでありまして、今回のごとく運輸省商工省などが一大改変される時期において、それらの所管を通じて建設省に移したら最も適当な時期であると考えるのでありますが、今までの質問ではほとんど私は不可能と見てとつておるのであります。それで私は本多國務大臣にもう一つお聞きするのでありますが、一体いろいろ理想的なお考えもあるようでありますが実現可能とお考えになりますかどうか。いわゆる行政機構審議会というものをつくつて各省に分割されておるいろいろの所管事務が、理想的に一元化と言いますか、改変されることが可能であるかどうか。もう一つ言いかえれば、各省セクシヨナリズムを破ることができるかどうか、この決意のほどをひとつ伺いたいと思います。
  40. 本多市郎

    本多國務大臣 十分に研究調査が遂げられましたならば、その理由をもつて当然統合すべきものの統合は、納得させ得る状態になるものと期待いたしております。これはよほどの困難な事業であると思いますが、ぜひただいまお話のふうに目的を達したいと考えております。
  41. 今村忠助

    ○今村(忠)委員 委員長にお願いしておきますが、質疑が終つたあと、内閣委員の方と懇談する機会を與えていただきたいと思います。私は官についておる人たちにまかせて、理想的なものはとてもできぬ、どうしても國会みずからの信念に立たなければ、かようなことは実現しないと考えます。
  42. 池田正之輔

    池田(正)委員長代理 天野久君。
  43. 天野久

    ○天野(久)委員 私お尋ねしようとしましたことは、先同僚議員からそれぞれお尋ねがありましたので、いろいろ御回答を承りました。まことにその御回答を遺憾に存ずるのでありますが、やむを得ないといたしまして、一、二ここにお尋ねいたしたいと思うのは、今回行政整理を行わなければならない。これは國の事情から余儀ないことだと思いますが、しかしその行政整理の状況が、この建設省設置法案の上から見ますると、まことに國の再建のために、あるいは國の事情によつて行政整理を実行しておるかどうかと、その点疑わなければならないような状態であります。先に同僚議員から言われました通り、この建設省を大建設省あるいは公共事業省として、國土再建のためにこの各省をほんとうに完全に使つて行くことと、それからまたこの行政整理に関連もありましようが、各省にわたつて重複するような仕事をしておることを整理いたすことは、どうしても必要なことである。これは全國の輿論、いわゆる議員各位はこの問題については、ほとんど異論なく、第一國会以來建設省の問題に対して、これをほんとうに完全に建設のために使うようにしなければならぬ、こういう論議があるのであります。しかしこの建設省設置法案を拜見いたしますると、そうでなくて、軒並みにその省から整理するこういうような形に見受けられますが、大臣各位におかれまして、一体この建設省においても、なお四千五百人の整理をするということでありますが、この整理に対してどういうお考えを持つて整理をなさんといたし、またなそうといたす根拠があつたのでありますか、その点を承りたいと思います。
  44. 本多市郎

    本多國務大臣 前段のお話通りに、主要建設事業建設省に統合されるというような結論に到達いたしました際には、建設省機構も、人員も、相当膨脹することも考えられるのでありますが、現在のところでは、やはりほかの省と同じように、しかもその実情に沿うようにということで、この行政整理も行われて行くほかはないのであります。將來建設省が非常にたくさんな仕事をする役所になるということを予想して、今から多くしておくということはできない事情にありますので、やはり建設省におきましても、まことに重要な仕事ではありますが、ほかの省並の整理はしていただかなければならぬ。こういうことになつておるのであります。
  45. 天野久

    ○天野(久)委員 いま一点お尋ねいたしたいが、わが國は國土を失い、たくさんの國民を養い、日本を再建いたすということは、非常に重要の仕事であることは申すまでもありません。そこで軒並に整理されるということよりも、政府は、一つの総理大臣のもとに行われておる政府でありますので、各省の複雜したいわゆる重複するような仕事整備いたして、國土再建に当たられるような整備をされることに、いま一歩方針を考えていただくわけに行きませんか。
  46. 本多市郎

    本多國務大臣 御指摘の点は十分研究いたしまして、そうした問題の解決をぜひ促進して行きたいと考えます。
  47. 池田正之輔

    池田(正)委員長代理 次は池田峯雄君。
  48. 池田峯雄

    池田(峯)委員 先ほどからの本多大臣説明を私聞いておりますと、今回の建設省機構改正する法律を上程する一般的方針はあくまでも行政整理にあり、言いかえれば人員の縮小にありと理解されるのでありますが、現在の建設省において行政整理が非常に困難であることは、前質問者もすでに指摘している通りであります。すなわち昭和二十三年度においてすでに八千四百七十五名も人員を整理しておるし、さらに現在欠員率はわずか一%であつて道路局などにおいては毎日十時から十二時ごろまで残業をしているという実情にあるのであります。さらに建設省として今後やつて行かなければならない仕事は、道路荒廃もまことに憂うべき状態にありますし、戰災都市復興住宅建設、こういう問題が山積しているのであります。現在建設省に要求されておる仕事を満足に遂行して行く上において、現在の機構人員だけでも不足しているという事実が、現に建設省に出ているにもかかわらず、なぜ困難な建設省行政整理をやるのか、その建設省行政整理をやるという一般的方針は、一体どこから來たものであるか。すなわち建設省設置法の一部を改正する今度の法律を出しました最高方針は、どういうところから生れて來たものであるか。これは首切りのための首切り、行政整理のための行政整理と解釈してさしつかえないのではないか、失業者を世の中にわざと充満させるための行政整理と解釈してさしつかえないのではないかと思うのであります。今までの諸大臣説明を聞いておりますと、どうしてもそういう結論に到達いたすのでありますが、これらに対しまして、各大臣の御所見をお伺いしたいと思います。
  49. 本多市郎

    本多國務大臣 ある程度の行政整理をやりましても、そこの省の事務の合理化あるいは一層の努力を要請することによつて、支障なく遂行して行かなければならぬのでありまして、こういう観点から行政整理根本のめやすをきめましたのは、達観して、大体これくらいの整理をしても支障なくやつて行けるであろうということからきまつたのであります。さらに失業者をつくらんがために行政整理をやるのであると解すると仰せでありましたが、そんな考えは毛頭ございません。御承知のように、これから均衡予算を堅持して行く上において、経費の縮減ということはやむを得ないのでありまして、こういう事情から來ているものであるということを、御了解願いたいのであります。
  50. 池田峯雄

    池田(峯)委員 政府は失業対策法案の中で、公共事業によつて將來起るべき失業者を吸收するという案を立てているようでありますが、その公共事業費の大部分を受持つておる建設省で失業者を出して、どうして失業対策をやつて行くのでありますか。そういう点について御説明願いたい。
  51. 本多市郎

    本多國務大臣 公共事業と申しましても、失業者を吸收し得る面というものは、そう多くを期待できないのであります。そこで今度の失業対策によりますと、公共事業で人を雇い入れる場合に、失業者等については優先的に雇用の道を開くようなくふうをしてやつて行こうというのでありまして、公共事業で全部の失業問題を解決するということにはなつておりません。けれども、失業している人たちの層に勘案いたしまして、適当な事業をやつて行くことによつて切り拔けて行きたいと考えておるのでございます。
  52. 池田正之輔

    池田(正)委員長代理 三池君。
  53. 三池信

    ○三池委員 私の申し述べたいことは、同僚委員の方々から大分論議が出ましたが、行政整理というものは、機構整備と人員の整理というものは、必ず相関連して密接な関係を持つているということを私は信じております。從つて人員の整理がされるということは、当然そこに機構整備というものがありますが、その機構整備というものは、行政官廳の全体を一つのメカニズムと考えて、その中でおのおの業務の性格、各般の事情を考慮して、統合簡素化して、おのずからそこに生ずるところの人員が整理されなければならないと思うのであります。そういう意味から行きましても、建設部面に関する建設行政一元化されるということは、最も必要ではないか。それをやらずして、ただ天引的に、一律に人員を整理するということは、はなはだむりがあるのではないかと私は考えておるのであります。先ほど本多國務大臣お話のように、実情に即して人員整理をやるというお話でありますが、他省と同じように、しかも実情に即してというお言葉は、実際にはなかなか当てはまらないことじやないかと思うのであります。また將來の大総合建設省を予期して、今から人員を整備しておくということはできないというお話でありますが、それはまことに、しごくもつともな話であります。ただし大臣は、現在の建設省仕事が、はたしてむりがなく遂行されているかという、その実情に対して御認識があるかどうか、私は疑うのであります。なぜならば、終戰後の建設省仕事というものは、非常に増大して参つたのであります。河川の方から申しましても、昭和十五年までは毎年十五億ぐらいの程度であつたものが、二十三年には四百七十億というような仕事の量になつておるのであります。また道路のごときも、戰時中の維持修理の不完全なるために、現在に至りましてはその荒廃が予定運送量にも達しないというような状態であります。また戰災都市にいたしましても、戰爭のためにその荒廃ははなはだひどいものがある。住宅の面におきましても、庶民住宅建設その他の建設は、戰爭によつてなお一層必要なことは御承知だと思います。こういうふうに建設省仕事というものは、戰爭のためにはなはだ仕事量が増大しておるということを、ぜひ御認識いただきたいと思うのであります。行政整理による人員の整理というものは、戰爭のために統制その他いろいろの業務がふえたが、戰後そういうようなものの必要がなくなつたものを整理されて、初めてそこに過剩人員があるのでありまして、戰爭が終つた現在、戰爭中よりも、ますます仕事がふえるというような建設省の人員を整理されるということは、私は実情に最も即しない整理の仕方じやないかと思うのであります。もし現在建設省を実情に即して整理されるというお言葉であれば、私は一人たりとも整理するというような実情にはない、こう申し上げたいのであります。もう一つ建設省仕事というものに対する御認識を、ぜひお願いしたいのでありまするが、官廳事務においては、ただ机の上で数字だけを見てできる仕事と、地元その他の陳情を受けて、しかして現地に出張して、その実情を把握して計画を立てなければならないというような仕事とがあるのであります。建設省のごときは、河川局、道路局あたりを一應ごらん願いますと、毎日々々地方の陳情團が押しかけて來る。それによつて現地に出張の計画を立てるというような仕事をやるのであります。つまり建設省仕事は、現業にひとしいと言えると私は思います。こういうような建設省の業務の実情でありまして、その実情を十分御認識くださるならば、建設省においての人員の整理というものは、実情に即しないやり方ではないかと私は思うのであります。なお先ほどお話がありましたように、建設省は戰後二十三年度におきまして、卒先して出先機関を委讓しておる。たとえば資材駐在員、あるいは建設出張所というようなものは地方に委讓しまして、昨年度は八千四百人余りの整理を卒先してやつております。総人員二万余に対しまして約二割三分の整理をやつておる。現在約一万四千余りの人員に対しまして、またここで四千幾らの人員の整理があるとしますと、戰爭中に比べますと約五割、半分の人が整理されるということになります。戰爭中よりも戰後において仕事量がこのように増大をしたという実情におきまして、戰爭中よりも人員を半分にするということは、私は建設行政の今後の遂行の上に、重大なる支障を及ぼすのじやないかと思います。それが建設省運輸省の非常なる疲労困憊、そして國土荒廃の重大なる原因になるのじやないかということを非常に憂うるのであります。この点本多國務大臣も言つておられますように、実情に即した整理ということを特にお考えくださいまして、建設省においては人員整理の要なしという観点で、ぜひお考えおきをお願いしたいと思います。これに対して本多國務大臣の御意見を承りたいと思います。
  54. 本多市郎

    本多國務大臣 戰爭のために荒廃しておりまする國土の復旧並びに今後の開発のために要する仕事は、実に厖大なものと私も考えます。これを建設省の負担部門といたしますと、建設省の前途はまことに大きな仕事をひかえているわけでありますが、現実の問題といたしましては、それらを國家で満足させるだけの國力が足らないのでありまして、結局予算、業務量等々を勘案いたしまして、その規模人員をきめて行くほかはないのであります。こういう点から人員整理等にも当つておりまするが、ただいまお話にありました問題につきましては、十分今後も研究して行きたいと存じます。
  55. 松井豊吉

    ○松井(豊)委員 大体同僚委員から御質問がございましたが、私時間が許しますならば、具体的に長時間にわたつて質問申し上げたいと思うのでありますが、時間がありませんから、一言申し上げまして、強い希望條件を付したいと思うのであります。  まず最初に建設大臣に申し上げますが、この一部改正案を提案されまして、これらが大体結論的のごとき御答弁内容でありますが、わが建設委員の長い間研究されましたる根本資料をもつて、あらゆる地方の情勢を研究された結果、どうしてもこの際統合せなければ相ならぬというのが全委員意見であります。これらを建設大臣におかれましても十分御研究くださいまして、また結論的なものとせず、どうしても統合するようにお考えを願いたいと思うのです。  さらに農林大臣に一言申し上げたいのでありますが、建設省の担当部門におきましては、山と川というものは不可分のものである。そしてどうしてもその工事にあたりましても、非常に弊害の生ずる事実もございます。そこで農林省はそれなら川を全部引受けろといつても、これまた長い研究と傳統と実際上からいつてできない。どうしても建設省で山の工事も一貫して担当されるというのが、労力の配分とか、あるいは予算関係におきましても、國家的見地から非常に必要でなかろうかと考えます。  それから運輸大臣に一言申し上げますが、長い歴史を持つた運輸省はその担当部門の工事にあたりましても、建設にあたりましても、相当自信を持つておる。それは当然でありますけれども、たとえば港湾関係につきましては、河川、あるいは防波堤の工事、その他おもなる大きな建設工事は、建設省のいわゆる長い傳統であり、また労力の配分、予算関係等についても、國家的見地から根本的に必要ではなかろうかと信ずるものでございます。わが委員会はこの一部改正案には断じて全委員といたしましても了承ができないと信じております。どうか各大臣におかれましても、もう一應御研究くださいまして、この機会にどうしても一元化することを実現されるよう希望するものでございます。さらに本多國務大臣におかれましては、当時の理想を私拜聽しておつたのでありますが、今日は各大臣のあらゆる方面からの希望要求によつて本多國務大臣の理想が貫徹できないことについては、重々われわれも了承いたしますけれども、もう一段の強い信念のもとに、根本的な整理を希望するものでございます。ことにわが党が絶対多数を擁しております常識からいたしましても、どの角度から見ましても、大臣諸公がほんとうに國家のためにやるというならばできないことはなかろうかと信じております。どうか御実行なさることを希望いたしまして、私の意見をこれで終りたいと思います。
  56. 池田正之輔

    池田(正)委員長代理 他に御質疑がないようでございますから、本日はこれにて散会いたします。     午後四時五十八分散会