○三池
委員 私の申し述べたいことは、同僚
委員の方々から大分論議が出ましたが、
行政整理というものは、
機構の
整備と人員の
整理というものは、必ず相関連して密接な
関係を持
つているということを私は信じております。從
つて人員の
整理がされるということは、当然そこに
機構の
整備というものがありますが、その
機構の
整備というものは、
行政官廳の全体を
一つのメカニズムと
考えて、その中でおのおの業務の性格、各般の
事情を考慮して、統合
簡素化して、おのずからそこに生ずるところの人員が
整理されなければならないと思うのであります。そういう
意味から行きましても、
建設部面に関する
建設行政が
一元化されるということは、最も必要ではないか。それをやらずして、ただ天引的に、一律に人員を
整理するということは、はなはだむりがあるのではないかと私は
考えておるのであります。
先ほど本多國務大臣の
お話のように、実情に即して人員
整理をやるという
お話でありますが、他省と同じように、しかも実情に即してというお言葉は、実際にはなかなか当てはまらないことじやないかと思うのであります。また將來の大
総合建設省を予期して、今から人員を
整備しておくということはできないという
お話でありますが、それはまことに、しごくもつともな話であります。ただし
大臣は、現在の
建設省の
仕事が、はたしてむりがなく遂行されているかという、その実情に対して御認識があるかどうか、私は疑うのであります。なぜならば、
終戰後の
建設省の
仕事というものは、非常に増大して参
つたのであります。
河川の方から申しましても、昭和十五年までは毎年十五億ぐらいの程度であ
つたものが、二十三年には四百七十億というような
仕事の量にな
つておるのであります。また
道路のごときも、戰時中の
維持修理の不完全なるために、現在に至りましてはその荒廃が予定運送量にも達しないというような状態であります。また戰災
都市にいたしましても、戰爭のためにその荒廃ははなはだひどいものがある。
住宅の面におきましても、庶民
住宅建設その他の
建設は、戰爭によ
つてなお一層必要なことは御
承知だと思います。こういうふうに
建設省の
仕事というものは、戰爭のためにはなはだ
仕事量が増大しておるということを、ぜひ御認識いただきたいと思うのであります。
行政整理による人員の
整理というものは、戰爭のために統制その他いろいろの業務がふえたが、戰後そういうようなものの必要がなくな
つたものを
整理されて、初めてそこに過剩人員があるのでありまして、戰爭が終
つた現在、戰爭中よりも、ますます
仕事がふえるというような
建設省の人員を
整理されるということは、私は実情に最も即しない
整理の仕方じやないかと思うのであります。もし現在
建設省を実情に即して
整理されるというお言葉であれば、私は一人たりとも
整理するというような実情にはない、こう申し上げたいのであります。もう
一つ、
建設省の
仕事というものに対する御認識を、ぜひお願いしたいのでありまするが、
官廳事務においては、ただ机の上で数字だけを見てできる
仕事と、地元その他の陳情を受けて、しかして現地に出張して、その実情を把握して計画を立てなければならないというような
仕事とがあるのであります。
建設省のごときは、
河川局、
道路局あたりを一應ごらん願いますと、毎日々々地方の陳情團が押しかけて來る。それによ
つて現地に出張の計画を立てるというような
仕事をやるのであります。つまり
建設省の
仕事は、現業にひとしいと言えると私は思います。こういうような
建設省の業務の実情でありまして、その実情を十分御認識くださるならば、
建設省においての人員の
整理というものは、実情に即しないやり方ではないかと私は思うのであります。なお
先ほども
お話がありましたように、
建設省は戰後二十三年度におきまして、卒先して出先機関を委讓しておる。たとえば資材駐在員、あるいは
建設出張所というようなものは地方に委讓しまして、昨年度は八千四百人余りの
整理を卒先してや
つております。総人員二万余に対しまして約二割三分の
整理をや
つておる。現在約一万四千余りの人員に対しまして、またここで四千幾らの人員の
整理があるとしますと、戰爭中に比べますと約五割、半分の人が
整理されるということになります。戰爭中よりも戰後において
仕事量がこのように増大をしたという実情におきまして、戰爭中よりも人員を半分にするということは、私は
建設行政の今後の遂行の上に、重大なる支障を及ぼすのじやないかと思います。それが
建設省、
運輸省の非常なる疲労困憊、そして
國土荒廃の重大なる原因になるのじやないかということを非常に憂うるのであります。この点
本多國務大臣も言
つておられますように、実情に即した
整理ということを特にお
考えくださいまして、
建設省においては人員
整理の要なしという観点で、ぜひお
考えおきをお願いしたいと思います。これに対して
本多國務大臣の御
意見を承りたいと思います。