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1949-04-22 第5回国会 衆議院 内閣委員会 第13号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十四年四月二十二日(金曜日)     午前十一時七分開議  出席委員    委員長 齋藤 隆夫君    理事 小川原政信君 理事 山口六郎次君    理事 吉田吉太郎君 理事 坂本 泰良君    理事 有田 喜一君 理事 鈴木 幹雄君       池田正之輔君    尾関 義一君       高橋 英吉君    丹羽 彪吉君       山本 久雄君    徳田 球一君       小林 信一君  出席政府委員         内閣官房長官  増田甲子七君         内閣官房次長  郡  祐一君         総理廳事務官         (官房自治課長         兼全國選挙管理         委員会事務局         長)      鈴木 俊一君         総理廳事務官         (行政官理廳次         長)      大野木克彦君         総理廳事務官         (行政管理廳管         理部第一課長) 佐藤  功君         統計委員会事務         局長      美濃部亮吉君  委員外出席者         專  門  員 龜卦川 浩君         專  門  員 小關 紹夫君 四月二十日  委員犬養健君辞任につき、その補欠として鈴木  幹雄君が議長指名委員に選任された。 同月二十二日  鈴木幹雄君が理事に追加選任された。     ――――――――――――― 四月二十日  統計法の一部を改正する法律案内閣提出第六  四号) の審査を本委員会に付託された。 同月二十一日  商工局出張所存置陳情書外二件  (第二  一四号)  砂防事業一元化砂防局設置陳情書外四件  (第二  二六号)  厚生省藥務局存置陳情書外三件  (第二三五号)  砂防行政の統一に関する陳情書外一件  (第二三六号)  敦賀測候所存置陳情書  (第二四〇号)  婦人少年局存続陳情書  (第二四一号)  中央出先機関廃止陳情書外一件  (第二四三号)  道路運送監理事務所存置陳情書外三件  (第二四四  号)  道路運送監理事務所存置陳情書外三件  (第二  五〇号)  中央出先機関廃止陳情書外二件  (第二五六号)  通商産業省岡山支局設置に関する陳情書  (第二五八号)  通商産業局及び各縣支局設置陳情書  (第二五九  号)  砂防事業一元化砂防局設置陳情書  (第二  六三号)  行政機構整理刷新に関する陳情書  (第二六六号) を本委員会に送付された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した事件  理事の互選  連合審査会開会に関する件  内閣法の一部を改正する法律案内閣提出第四  六号)  総理府設置法案内閣提出第四七号)  國立世論調査所設置法案内閣提出第四八号)  地方自治廳設置法案内閣提出第四九号)  國家行政組織法の一部を改正する法律案内閣  提出第五六号)  統計法の一部を改正する法律案内閣提出第六  四号)     ―――――――――――――
  2. 齋藤隆夫

    齋藤委員長 これより会議を開きます。  議題に入ります前に、一言御報告をいたしておきますが、委員犬養健君が去る四月二十日に辞任せられまして、その補欠として同党の鈴木幹雄君が議長指名補欠選任せられました。この際御報告しておきます。  なお一言お諮りいたしますが、去る四月四日の議院運営委員会におきまして、図書館運営委員会を除いた各常任委員会理事の数を一名ずつ増すことに決したのでありますが、第十控室の民主党の方から留保せられたいとの申出がありました。それがために今日まで留保いたしておつたのでありますが、このほど申出がありましたから、委員長において理事指名いたしたいと存じますが、これに御異議ございませんか。
  3. 齋藤隆夫

    齋藤委員長 御異議がなければ鈴木幹雄君を理事に御指名いたします。     —————————————
  4. 齋藤隆夫

    齋藤委員長 今日はまず統計法の一部を改正する法律案提案理由説明を聞きました後、内閣関係設置法案を一括して議題となし、質疑に入りたいと存じます。質疑はあらかじめ御通告を願います。それでは提案理由説明を求めます。     —————————————
  5. 増田甲子七

    増田政府委員 統計法の一部を改正する法律案提案理由を御説明申し上げます。  この改正法律案は、國家行政組織法公布伴つて統計委員会組織及び権限法律規定し、その他地方自治法地方財政法等の、統計法制定以後新たに制定せられた法律に対應して、所要の改正を行うため、立案せられたものであります。改正の要点は次の通りであります。  一、國家行政組織法公布伴つて統計委員会組織及び権限法律規定する必要が生じましたので、從來統計委員会官制昭和二十一年勅令六百十九号を廃止いたしまして、委員長制度による委員会組織及び権限について規定いたしました。その主要な点は次の通りであります。  第六條を改正いたしまして、國家行政組織法第六條による特別職委員長を設置し、從來会長制度を廃止いたしました。  同條の改正によりまして、委員のうち三人以内の者を常任委員となし得る規定を設け、委員会事務能率化をはかりました。  同條の改正によりまして、從來統計委員会官制規定せられております所掌事務と合せて、統計委員会日本官廳統計の改善、発達に関する責任官廳である旨を、統計委員会所掌事務及び権限のうちに明記いたしました。  二、地方自治法施行に伴いまして、主として左の点につきましての改正を行いました。  第十八條におきまして、指定統計調査に関する事務地方公共團体の長に委任し得る旨を規定いたし、委任根拠規定法律で明記いたしました。  第三條を改正いたしまして、同條により地方公共團体の長の制定する規則は、直接に統計委員会あて協議することといたし、主務大臣内閣総理大臣あて協議の上、承認を與える旨の統計法施行令第三條の規定改正しまして、これを法律化しました。なおこれと並行しまして、主務大臣の制定する命令につきましても、内閣総理大臣あて協議を改めまして、直接統計委員会あて協議としました。  地方公共團体の長も、第五條申告義務の賦課及び第十二條統計調査員の任命をなし得る旨を、第五條及び第十二條にそれぞれ規定いたしました。  その他第二條及び第三條におきまして、地方自治法施行に伴いますところの字句の修正をしました。  三、從來統計法施行令八條、第九條及び第十條で規定いたしておりましたところの、統計官及び統計主事資格に関する規定は、指定統計眞実性を確保する上で重要と思われますので、これを法律化いたしまして、第十條に規定いたし、これに付随しまして、資格要件認定について一部分改正を行いました。  四、地方財政法施行に伴いまして、地方公共團体の支出いたします経費國庫負担については、同法第十條及び第十一條の規定に統一されました関係上、統計法第十七條を削除いたしました。  五、その他、從來統計法施行令五條規定していました指定統計調査実施者に対する協力に関します事項は、調査実施者権限を定めますところの実体的な規定でありますので、これを法律化し、統計法第十七條として追加いたしました。  何とぞ愼重御審議の上、すみやかに御議決あらんことを希望いたします。
  6. 齋藤隆夫

    齋藤委員長 これより質疑に入ります。徳田球一君。
  7. 徳田球一

    徳田委員 官房長官ちよつとお尋ねしたいのですが、これを見ますと、やはり首切り目的ですね。
  8. 増田甲子七

    増田政府委員 今提案理由において御説明申し上げた趣旨から出たものでございまして、首切りではございません。
  9. 徳田球一

    徳田委員 この事務のかなりの部分地方公共團体の長に委任するのでしよう委任すると結局はやはり首切りになる。大体この統計事務は古くから非常に問題になつてつたのでありますが、日本統計は実にでたらめで、その統計の粗漏さにおいて世界的に有名です。少しも統計権威がない。今これを地方委任すると、地方は御承知通り財政が非常に枯渇しており、また地方吏員は非常に待遇が惡いのです。そういう状態のもとにこの重大な事務委任するということになると、いよいよますます統計は粗漏になつてしまつて日本統計に対する信頼感はずつと落ちる。何のために統計をやつているか、わけがわからぬことになる。統計事務なんというものは、そう金がかかるものではないから、今の日本財政面から節約するというなら、むしろ物資の方面やみと非常に関連のある方面そつちの方面に対して粛正をするのが大事である。こういう基礎的なもの、しかもこの統計が惡ければ一切の施設、一切の学問上の研究もすべてだめです。それだのになぜこういうことをするか、その点をひとつお尋ねしたい。
  10. 美濃部亮吉

    美濃部政府委員 私からちよつと……。
  11. 徳田球一

    徳田委員 これは政治的だから官房長官から御答弁願いたい。官房長官は非常に勉強しているそうだから、その勉強のほどを見なければならぬ。議員は政府の怠慢に対して特別の関心を拂つている。またその精勤である点に対してもやはり監視しているのだから、官房長官から御答弁願いたい。
  12. 増田甲子七

    増田政府委員 ここに認定についてはございますが、從來からすべて統計の細胞的な活動は地方公共團体にやつてもらつて、それが集積されたものが全國的統計になるわけでありまして、別段新しく事務がふえるということはないのでございます。
  13. 徳田球一

    徳田委員 それならばこういう法律を出して、特別に地方委任する必要はちつともない。われわれも若いころ地方役場統計事務とつたことがあるのだけれども、地方では期日などが來ますと、あわてて出すために、いいかげんのものをこしらえるのがたくさんある。またこしらえなければ期日通り行かぬです。統計というものは一定期日が非常に必要なんです。この一定期日を過ぎますと、だめになつてしまう。そのためにやはり統計のためには特別の地方に対する手当でもして、そしてもし地方にこういうふうに從來通りやらせるならば、特別に経費を保障して、能力のある者を十分養成して、これにやはりまかせぬと、とてもだめです。しかるにあなたの言われる通りならば、特別にここにこういう法律をまたさらに設けて、そして地方長官にいろいろのものを委任して、実質上は首切りになるよう状態に置くのでは、実際上はだめじやないですか。
  14. 増田甲子七

    増田政府委員 それでは私からお答えいたします。統計事務は御説の通り私は日本が西洋よりもまさつておるとは思つておりません。統計の正確を要することは最も必要でございまして、今ここに見えておる政府委員美濃部君はその方面権威者でございますから、勉強美濃部君の方が大いにしておりますから、あとでお許しを得てお答えをさせたいと思います。  なおこの事務委任でございまして、あくまでも自治事務ではございません。國の事務でございますから、委任事務でございます。それからこの実際の費用は全部國が持つわけでありますから、別段首切りでないのみならず、まことに統計事務のごときは私は拡充整備する必要があると思つております。
  15. 美濃部亮吉

    美濃部政府委員 私も徳田委員の説とまつたく同じでございまして、統計というものは國が全部見る。下まで國の機関でなければならないという確信を持つております。それで何とかしてそういうふうにしたいというので、最初に統計法をつくります際にも、その趣旨で全部國家機関にするという法律をつくつて行きましたところ、GHQ側の御意向は、それは地方自治趣旨に反するということでございます。それでその際にしかし統計は違うのだ、徳田委員の言われた通りその趣旨統計についてはまつたく違うということを力説したのですけれども、了解が得られなかつたのです。それで第二の手段といたしまして、從來地方廳縣廳及び市町村吏員は縣の費用でやつてつたのですが、それをせめて全額國庫負担にする。しかし身分はどうしても官吏の身分にはできないということでございましたので、身分地方吏員にするが、予算的措置全額國庫負担にするという案ができたわけなのです。それで今回は法律で明らかに委任するという條項ができましたことは、行政組織法関係からそういう條文法律技術上入れなければならなくなつたもので入れたのでありまして、指定統計として國が行うものは全部國が計画いたしまして、國が予算をとつて、ただ法律技術上その調査委任するのだということにいたしました。そうしてその点では今度は徳田委員の御説の方に一歩近づいたわけでございまして、國のもつぱら行う統計は、全額國庫負担でなければならないというのが地方財政法規定されましたから、今までは相当ルーズに地方費までまぜてやつてつたのが、全部できなくなりまして、國のための基本的な統計は、全部國にやらせなければならないということになつわけであります。それでありますからむしろ國の予算が議会で非常に節約されて、特に統計予算が削減されますればこれは別でございますが、皆樣方の御協賛を得まして、國の予算さえ確保していただきますれば、首切りどころか、むしろ失業救済にしたいとさえ思つているくらいなのであります。
  16. 徳田球一

    徳田委員 それならひとつ資料をもらいたいのですが、この改正前にどれだけの統計吏員を置いてどれだけの経費拂つて、これを改正後はどれだけの吏員を置いて、どれだけの金を拂つておるという資料をさつそく提出してもらいたい。  それからもう一つの問題は、地方ではまだ二千九百円ベース程度のものがあります。その後御承知通り二度上つておりますが、まだ六千三百円ベースにはなつておらぬ。こういう場合に統計の方は國の仕事であるから、國の水準に從つて六千三百円ベースを実際上くれておるのかどうか、また今後もこれをくれるようにするのかどうか、予算的にこれを地方わけるときにも地方配付税の形で行くのか、それとも特別の方法で行くのか、その点をお聞きしたい。
  17. 美濃部亮吉

    美濃部政府委員 今の御質問にお答えいたします。正確な数字は今覚えていませんが、縣関係統計職員は約五千人、市町村專任吏員が一万二千人くらいだと思います。それで今徳田委員の言われました通りに昨年度は待遇が比較的惡くて、大藏省と非常に交渉いたしましたけれども、六千三百円までに上げることができませんでした。それは地方費でもつて適当にまかなわれておりましたけれども、今年度の予算から縣廳の吏員及び市町村役場吏員も、すべて六千三百円ベースに上げた予算をいただいております。  それから今年度の人員はまだ行政整理でわかりませんけれども、内示されました予算においては、昨年度の人員と少しもかわつておりません。
  18. 徳田球一

    徳田委員 大体質問も済みましたが、これに対して明確な資料を出していただきたい。定員法はまだ出ませんが、定員法によつてどうなるかということも、あわせてやつてもらいたい。そうしませんと、なかなか安心ができないので、こつちはこうきまつたけれども、定員法こうきまつたのだから、やはり切らなければいかぬというので、また青龍刀を振われますと、これは非常に実際上は惡くなる。それですからこれも出していただきたい。  もう一つは、これは質問でありますが、この統計は御承知通り機械的操作をしない限りだめである。日本統計はいつもおくれまして役に立たぬのです。これは何かというと機械的操作をしないからだ。機械的操作をすればどんどん答えが出て來るのに、これを手工業的な手でやる部分が多いのです。この機械的操作をするかしないかによつて統計の内容がよくなるかならないかが決定的になる。それでありますからこの機械的設備をどういうふうにして、ことしはどうするか、今後はどういうふうな見通しでやつて行くかという点を御答弁を願いたい。
  19. 美濃部亮吉

    美濃部政府委員 御要求の資料は、本多國務大臣とも折衝いたしまして、なるべく早く提出いたします。  今の機械お話でございますが、これは御説の通り終戰後貧弱状態になつておりましたが、今回イロア・フアンドのうち十五万ドル統計機械輸入わくがいただけまして、アメリカ最新式の最も発達した機械を今年度中に輸入できることになりましたから、その点において長足な進歩を見ることができるだろうと思つて期待しております。
  20. 徳田球一

    徳田委員 それでは打切ります。
  21. 齋藤隆夫

    齋藤委員長 今本多國務大臣と連絡をとつておりますから、しばらくお待ち願います。     —————————————
  22. 齋藤隆夫

    齋藤委員長 その前にちよつとお諮りしたいことがあります。厚生省設置法案について厚生委員会から連合審査会をやりたいという希望がありますので、きようの午後一時半から厚生委員会との連合審査会を開きたいと思いますが、別に御異議はございませんか。
  23. 齋藤隆夫

    齋藤委員長 それではさように決定いたします。     —————————————
  24. 齋藤隆夫

  25. 池田正之輔

    池田(正)委員 これは官房長官になるかどなたになるか、総理廳の中の出版用紙割当事務廳、この問題ですが、今の用紙割当制度を見ますと、委員会があつて事務局は何の権限もなくて、委員会が自由にやつておる、そしてその責任内閣においてこれを持つておる。この立て方、それからもう一つ用紙割当委員会委員選任方法、これは非常に私は不合理きわまるものだと思う。現在の法規を見ると何だかわけのわからぬことになつて法規上ではわれわれ読んでもえたいがわからない。非常にまわりくどくなつておる。結果的には何人かの委員があつて、その委員半数は一年に一ぺんずつとりかえて行く。その半数をとりかえるときにはどうするかというと、実質的及び結果的には現在の委員長がこれを指名するような形になる。それですからいつまでたつて委員長というものは一種のボス的なものになつてしまう。その意に沿わないものは委員に選任できないという結果になつておる。これは明瞭な事実です。これは私は非常に不合理な点が多いと思うのです。それで割当廳成田長官にも実はここで質問して、自分もその不合理なことを認めるということをはつきり言われておるのですが、これはわれわれも非常に不合理だと思うのです。そこでこれをすみやかに政府として改正する意思があるかどうか、これをお尋ねしたい。
  26. 増田甲子七

    増田政府委員 池田さんの御質疑にお答え申し上げます。御指摘ような点は同感の節が非常に多いのであります。今度割当事務廳が内局になりまして、割当事務局になりまして、官房長官の主たる職責に属します。また委員会審議会ということで相かわらず続きます。諮問委員会決定機関かどちらかというようお話でございますが、ただいまのところは諮問委員会的の審議をする形になつておりますけれども、委員長委員を委嘱するといつたようなあの形、それからいつまでたつて委員刷新ができないというような部面も多々ございますから、刷新に向つて將來努力いたします。
  27. 池田正之輔

    池田(正)委員 これはどうも不合理な点がどこを見ても全面的にあるので私はいかぬと思うのです。半端なもので、審議会なら審議会でいいが、審議会まで発展しておらぬ。それですからぜひこの機構が改まつたら、すみやかにこれに着手して改正してもらいたい。希望を述べて私の質問を終ります。
  28. 徳田球一

    徳田委員 関連した事項でありますが、大体紙の割当についてはわれわれも非常に不合理だと思う。と申しますのは、これはアメリカはそうではありませんけれども、西ヨーロツパにおいては、特にフランスやイタリアなどにおいては新聞政党が出すのが普通です。政党が大部分を出しておるのであつて政党外新聞はみじめなものです。アメリカは違います。日本においては大体アメリカ流に今なつておりますけれども、政党を発展せしめるためには、民主主義を発展せしめるためには、どうしてもこれは営業でないもの、すなわち政党及び民主的な諸團体、これを優先せしめなければいかぬと思う。今のところはいわゆる商賣上の新聞、これがやつておりますために、ところによりましてははなはだしいやみを行つておる。割当をもらうのは、新聞を出すというよりはむしろやみをやるのが目的よう新聞さえ存在する。全部がそうと言うわけではありませんけれども、現にそういう新聞が九州では檢挙されておる。だからしてどうしてもこれは利益を元としない、公益のためにする方面に優先せしめなければならぬ。ところがその方面は今のところはみな小さいわくに当てはめられておる。共産党が一番苦しんでおる。「アカハタ」のごときは、出せば五十万部は優に出せるのに、まだ二十万部そこらである。しかも割当は半分しかない。こういうようなみじめな状態でみな規格外の仙花紙を使つておるよう状態である。こういうみじめな状態であるから、割当委員会はいよいよますます不合理なことをやる。これは出版全般にそうですが、割当委員会委員の爭奪戰は実に醜いもので、そうしてその間にいろいろの醜聞も実は生じているわけであります。でありますからこれを革新するためには、どうしても公益方面から優先し、しかる後にこれを商賣にまわす。やはりやみなんかやつておるものは、この割当をすぐに取消すというようにでもしませんととてもだめです。ですからこういう基本的な改革官房長官はやる御意思があるかどうかをお伺いしたい。
  29. 増田甲子七

    増田政府委員 お答え申し上げます。必ずしも徳田君の御希望に沿うかどうかわかりませんが、われわれは新聞用紙割当事務については基本的な改革をいたしたいと存じております。
  30. 徳田球一

    徳田委員 もう一つお尋ねしたいのです。実は教科書にはみな事欠いておる。教科書なんかをやつても大してもうからぬ。それは代價も非常に少いのだから割当國家が減らしておる。みなやみの方にまわつて行くことは官房長官も知らないはずはないと思う。最近だつて教科書は第一次的ではほとんどない。そういうふうなことになつておりまして、どうしてもこれは根本的に改めなければならぬと思いますが、さてこれをするにはどうしても紙の生産量を高めないといかぬ。全体から言うと、これを高めればああいうものは実際上は解消して行く。これを高める上においては日本は今資材が非常に少くなつておる。御承知通り治山治水の問題からしましても、製紙材料を補給することは非常に困難である。また下手なことをしますととんでもない、國土荒廃に対して大きな影響を與えるわけであります。そこでこの原料、材料資材をどこから得るか、このことに対して官房長官は特別な御考慮を拂われておるかどうか、この点をお聞きしたいのであります。
  31. 増田甲子七

    増田政府委員 御指摘パルプでございますが、結局濫伐、過伐になつてしまつては、また國土資源荒廃になりますし、しこうして文化機関としては言論機関が一番大事であるので、出版あるいは新聞用紙等割当をふやしまして、昔のように、あるいは諸外國ようページ数の多い新聞を出したいというのが、私の年來の宿願であります。そこで今の國土荒廃というような見地と調整をはかつてつて行くためには、諸外國から昔のよう木材をもらわなければならぬというようなことにもなると思いますが、政府といたしましてはその方面にも努力は傾注いたしております。
  32. 徳田球一

    徳田委員 世界的に見まして、今木材を輸出し得る國は非常に少いようです。カナダでさえも、もうほとんど輸出は不可能になりつつあるようでありますから、今このパルプ資材日本に輸出し得る國はソビエト同盟以外はないのです。ことに南樺太からの輸入が非常に日本にとつては有利である。またこれはできます。現に一部はやつておるはずである。それでこの点でソビエト同盟と特別な友好関係を必要とすると思う。日本の將來にとりまして、この材木の点からいいますれば、ソビエト同盟との好友関係は非常に大事である。この点につきまして政府は特別の考慮拂つて、そしてこのソビエト同盟からの木材輸入につきまして特別なことをやつておられるかどうか、この点をひとつ答弁を願いたい。
  33. 増田甲子七

    増田政府委員 御説のよう終戰前南樺太がわが領土でありまして、あそこから持つてこさせ、またあそこにも王子製紙がありましたし、また北海道の苫小牧の方にも王子製紙がありまして、あそこの木材を原料としてつくつてつたのは事実であります。今のところはえぞ松、とど松など北海道の木材でやつております。現在紙が足りないのもそれが原因でありますが、政府は將來全面的な講和條約を待望しておりますし、有無相通の見地から考えたいと思つております。ただいまのところでは、まだその方面にまでは全面的な貿易再開がないのを非常にうらみといたしておりますが、しかし努力はいたしております。
  34. 徳田球一

    徳田委員 現在だつて相当入れておるはずです。その数量もたいがい政府はおわかりのことだと思う。現在いい質のものは、たいがいあそこから來ておるはずです。たとえばセメントの袋だとか、あるいはいろいろの商品の包裝紙だとか、いうものは、たいがい南樺太パルプでやつておるはずですが、こういう数量について官房長官は御存じありませんか。
  35. 増田甲子七

    増田政府委員 率直に申し上げますが、ただいまそこまでの数字は手持ちいたしておりませんので、あとから調べてお答え申し上げます。
  36. 齋藤隆夫

    齋藤委員長 ちよつと申し上げておきますが、今日の日程は公報に掲げてあります通りに、内閣法の一部を改正する法律案以下五法律案の全体が今日の質疑の題目になつております。そのおつもりで御質疑をお願いいたします。
  37. 徳田球一

    徳田委員 実は昨日から合同審査をやつておりますが、合同審査のほかにまたここで聞くということはやはりうまくない。合同審査のときに地方行政の方から委員も來られまして、また同じ質問をするかもしれませんから、その方はあとまわしにしまして、今日はこれから飯も食わなければなりませんから、これにて散会せられるようお願いいたします。
  38. 池田正之輔

    池田(正)委員 さつきの徳田君の質問に関連するのですが、徳田君から非常によい質問が出たと思う。私もこれに同感で、その点でひとつ念を押しておきたいのであります。それは何かというと、徳田君が先ほど用紙の割当政党に主眼を置いてくれと言われた。これは私も同感なんです。そこで問題は、今度の新しい割当で見ると政党に二十万ポンドの割当と聞いております。ところが一方労組が二十二万ポンドなのです。全國に網を張つておる大政党が二十万ポンドで、労組が二十二万ポンドというのは、どうも徳田君の趣旨にも反すると思いますので、この点を特に政府は頭に入れておいていただきたい。それだけです。
  39. 増田甲子七

    増田政府委員 承知いたしました。
  40. 徳田球一

    徳田委員 参議院の方ではもうすでに二十八日に公聽会をやるとか言つておりますが、この問題は非常に重大でありまして、今の統計は大したことはありませんが、これから合同審査をやります問題は非常に重大でありまして、やはり首切り、失業の問題にも関係します。また行政組織を改めまして、はたしてこれが國政に対して有利になるか、あるいは國政が実際実行せられないために非常に不利になるか。いろいろの点がありますので、これはどうしてもやはり公聽会をやりまして、関係している職員並びに一般の実業界、もしくは市民その他学識経驗者からもこれを聞く必要があると思うのです。公聽会をやりませんと、あとでこれを実行するときに、非常に故障が起ると思いますから、この際少々くらいの時間は延びましても公聽会をやりたい。参議院がすでにやることになつておりますのに、衆議院がこれをやらぬということになりますとどうもうまくない。だからその点でひとつ委員長委員諸君で協議の結果、なるべく早くやることにきめまして、日にちをきめてもらいたいと思います。
  41. 齋藤隆夫

    齋藤委員長 今のことにつきましては、理事会において協議をして決したいと思います。内閣に関する法案については質疑を終了いたします。  有田君、本多國務大臣は今参議院の方に行つておられますが、ほかに何か御質問はございませんか。
  42. 有田喜一

    ○有田(喜)委員 留保していただきます。
  43. 齋藤隆夫

    齋藤委員長 それではこの会はこれにて散会いたしまして、午後連合会をいたします。     午前十一時四十八分散会