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1949-09-13 第5回国会 衆議院 逓信委員会 第17号
公式Web版
会議録情報
0
昭和
二十四年九月十三日(火曜日) 午後一時十一分
開議
出席委員
委員長
辻 寛一君
理事
飯塚 定輔君
理事
加藤隆太郎
君
理事
白井 佐吉君
理事
松本
善壽
君
理事
田島 ひで君
宇野秀次郎
君
大和田義榮
君 風間
啓吉
君 坪内 八郎君
橋本登美三郎
君 降旗 徳弥君
椎熊
三郎
君
井之口政雄
君
出席國務大臣
郵政大臣
兼
電氣
通信大臣
小澤佐重喜
君
委員外
の
出席者
郵政政務次官
吉田
安君 郵 政 次 官 大野 勝三君
郵政事務官
白根 玉喜君
電氣通信次官
鈴木 恭一君 專 門 員
吉田
弘苗
君 專 門 員 稻田 穰君 六月十七日
委員山口武秀
君
辞任
につき、その
補欠
として竹
村奈良
一君が
議長
の
指名
で
委員
に選任された。 八月十日
委員松井政吉
君
辞任
につき、その
補欠
として松
尾トシ子
君が
議長
の
指名
で
委員
に選任された。 九月十三日
理事松井政吉
君の
補欠
として
土井直作
君が
理事
に当選した。
—————————————
五月三十一日
逓信行政
に関する件 の閉会中審査を本
委員会
に付託された。
—————————————
本日の
会議
に付した
事件
理事
の互選
逓信行政
に関する
説明聽取
—————————————
辻寛一
1
○
辻委員長
これより開会いたします。
会議
に入るに先立ちましてお諮りいたしますが、
理事
の
松井政吉
君が
委員
を
辞任
されましたので、
理事
が一名
欠員
にな
つて
おります。この際
理事
の
補欠選任
をいたしたいと思いますが、御
異議
がなければ
委員長
から
指名
したいと思いますが、いかがでありますか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
辻寛一
2
○
辻委員長
御
異議
がないようですから、それでは
土井直作
君を
理事
に
指名
いたします。
—————————————
辻寛一
3
○
辻委員長
それではこれより
逓信行政
について
当局
より
説明
を聽取いたします。
小澤國務大臣
。
小澤佐重喜
4
○
小澤國務大臣
大体第五
國会以來
の
逓信行政
、すなわち
電氣通信省並び
に
郵政省関係
のおもな
事項
について、御報告申し上げたいと存じます。 これを拾
つて
みますと、まず二
省分割
の経過がどうかということが一点、もう一つは御
承知
のように前
國会
において御
審議
を願いました
逓信行政
の
独立採算制
が、どういう経過をたど
つて
いるかという点が二点、第三点といたしましては、
行政整理
がどういう形で行われたかということ、しかもその
影響
というような点を御報告申し上げたいと存ずるものでありまするが、
数学等
もできるだけ正確に御報告申し上げたいという趣旨から、一應原稿に基いて御報告はいたすことにいたしまして、なおいろいろ御
質問等
がありましたならば、その都度お答えすることにいたしたいと存じます。 もちろん
逓信関係
でございまするが、まず便宜上
郵政省関係
について御報告を申し上げたいと思うのであります。この
郵政省関係
の二
省分割
の
状況
は、言うまでもなく四
逓信省
は御
承知
のごとく、
郵政省設置法
と
電氣通信省設置法
の施行によりまして、六月一日から
郵政省
と
電氣通信省
とに分離いたしましたが、両者の分離に伴う旧
逓信省
の財産の
分割
に関しては、
本省
に
財産分割中央処理委員会
を、
地方
には
財産分割地方処理委員会
を設け、
財産分割
の
事務
に当らしめ、
中央委員会
においては別冊の
財産分割基準
を
國有財産調整審議会
の議を経て制定し、同基準に基いてただちに具体的、個別的に
処理
を進め、
両省分離
後はおのおの
分割連絡委員会
を設け、
処理
に当りました結果、大体完結も近日中の
予定
であります。具体的に申し上げますれば、
固定資産
につきましては、
極小部分
を除き、ほとんど全部
確定済み
であり、
作業資産
につきましては全部
確定済み
であり、
流動資産
、負債、
自己資本
及び
欠損額
につきましては、二十三
年度
決算も終り、目下二十四
年度
四、五月分の決算を急いでおりますが、これらの決定を待
つて
近く確定し、
財産分割
を完了する
見込み
であります。また
郵政省
の新
機構
につきましては、
設置法
に基き
郵政省組織規程
、
郵政省職務規程等
の一連の法令によりまして、
機構
的には一應整備を完了いたしました。旧
逓信省時代
の各
部局
は、それぞれ新
部局
として発足しましたが、この新たに生れた
郵政機構
の中で特に目新しいものは、
監察機構
でありまして、
本省
に
監察局
を置き、
地方
には
地方郵政局
と並んで、独立の
地方郵政監察局
十局を置き、また
監察
の
実施機関
として七百人以内の
郵政監察官
を各地に駈在せしめることとなりました。しこうしてその
所掌事務
は、從來の考査及び
犯罪
の
調査処理
のほかに、新たに
郵政事業
に関する
業務
の
調査事務
及び事故の
調査処理
を加え、
郵政事業
の
正常化
及び
合理化
をはかることとなりましたが、さらに
郵政監察局
は、
郵政業務
に対する
犯罪
について
司法警察員
の職務を行うこととなり、その
活動分野
も一段と廣汎となると同時に、責務の重大さを加えることとなりました。
設置法
の第二十二條第二項に「
郵政監察官
は、
郵政業務
の運行に関するすべての
事項
の
調査
にあたり、その
実情
及び改善すべき
事項
についての意見を
郵政大臣
に提出し、並びに
犯罪
の嫌疑があるときは、捜査し、その内容を
郵政大臣
に報告し、及び必要がある場合には、
犯罪
の訴追に協力することについて、
郵政大臣
から特命を受けたものとする。」とありますのは、この新
機構
における
監察官
の任務を端的に表わしたものであります。それ
ゆえ郵政監察官
は特に
事業知識
、人格、
識見等
においてすぐれた者を厳重な選考によ
つて
任命しなければならないのでありまして、九月二日現在で四百九名の
郵政監察官
が、全國各都道府縣の
枢要地
五十一箇所に駐在しております。このように新
機構発見以來
わずか三箇月余りをけみしたのみでありますが、幸いにも着々と実績を收めつつあります。 次に六月以降における
郵政事業
の概要を申し上げます。 まず
郵便
でありますが、
郵便物数
の四月から七月までにおける動向につきましては、経済九原則の
実施
に伴う
経済界
の不況と、五月の
料金改正
の
影響
も一部にあるものと考えられまして、
郵便物数
は総体に減少いたしておりますが、中でも第一種書状と
速達
、書留、保險扱い等の
特殊扱い
が、大幅の減少を見せておりますのは、
料金値上げ
の
影響
と思われ、料金すえ置きに
なつ
た第二種のはがきにつきましては、昨
年度
に比し一分六厘の増とな
つて
おります。第二種のほか、昨
年度
に比し
増加
しておりますのは第三種及び第四種及び
普通小包
であり、第三、四種の
増加
は、最近の
出版界
の活況を反映するものと思われ、
普通小包
の
増加
は、
書留小包
の
肩がわり
もあるが、絶対数の
増加
しているのは注目すべきことと思われまする今後の
見通し
としましては、
料金値上げ
の
影響
を脱し、物数も逐次回復して行くものと思われます。 また
郵便
の速度は、汽車、
自動車等
の
輸送施設
と、取集め、配達の回数によ
つて
左右されるものでありますが、これらの
施設
が戰爭の
影響
により若干低下したため、
郵便速度
もなお戰前の域には達しておりませんが、逐次向上の跡を示しつつあります。最近の施策といたしましては、九月十五日
実施
の國鉄の
ダイヤ改正
を期しまして、
東海道線
及び
山陽線
の五、六列車に新たに
郵便車
を連結し、また
青森函館
間の
連絡船
に
郵便車
の航送を開始いたしまして、本州と北海道との
郵便物
の
速達
をはかります一方、
東海道線
の特急へいわ号に
速達郵便物
の
託送便
を開始して、六
大都市相互
間の
郵便物
の
速達化
を企図しております。さらに昨年十月以降、
東京大阪
間に開始されました
速達郵便
の
特別取扱い
の制度を、今年八月以降さらに、全
國主要都市
と六
大都市
間に拡充いたしましたが、これは
最短所要日数
を確保する成績をあげ、非常な好評を博しております。なおこの
特別速達取扱い
の地域は、近くさらに拡充の
予定
であります。 また第五
國会
において成立いたしました
簡易郵便局法
は、去る七月十五日から施行されましたが、
郵便局
の普及していない
地方
におきましては、本制度は非常な好評を得、現に
簡易郵便局設置
の要望は、同
法施行以來
すでに五百余件に達する盛況であります。本
年度
の
簡易郵便局設置予定局数
は、とりあえず全國三百局とし、
郵便局
未
設置町村
に設置する
方針
でありますが、前述のごとく、
設置要望
が予想以上に強烈でありますので、若干追加するよう考究中であります。なお
契約
の締結は十月ごろを目途とし、実際の
事務開始
は十一月上旬ごろの
予定
であります。 次に貯金について申し上げます。まず
郵便貯金
の
増加状況
につきましては、
割増金附定額貯金
並びに
積立貯金
の奨励によりまして、九月十二日現在におきましては、九百八十七億三千万円となり、前年同期に比べ、約百四十二億円の
増加
を示すに至り、郵貯一千億円達成も近い將來に実現することと確信いたしております。 次に
割増金附定額貯金
の
募集状況
につきましては、本
年度
第二次
奨励運動
として、五月十五日から第五回
割増金附定額貯金
を八十億円募集いたしましたが、
第一線
の懸命な努力により、一般的な金詰りにもかかわらず、期末の七月十五日までに総額約七十億円、
目標額
の八割九分を消化いたしました。なお引続いて第六回
割増金附定額貯金
四十億円を九月一日から賣り出し、目下これが消化に鋭意努力中であります。 次に
保險年金
について申し上げます。
簡易保險
の本年七月末におきまする現在
契約
は、件数約九千二百万件、
保險料月額
約十八億五千万円、
保險金額
約二千二百六十億円であり、人口千人に対する
普及割合
は千百五十四件に達しております。次に本
年度
の新
契約
は、八月までで件数約五百八十六万件、
保險料月額
十二億八千万円で、今
年度
目標二十億円の六割四分に相当しております。今後の
見通し
としましては、九、十の二箇月にわたり、全國に
簡易保險増強運動
を
実施
して、十月末には
最低目標
の九割、約十八億円を獲得し、残余の二億円は十二月末までに得る
見込み
であります。
目標達成
の場合の
収支状況
について申し上げますと、
収入保險料
として約二百六十億円が見込まれ、これに対する
事業費
は約九十五億四千万円を要し、
從つて事業費率
は日割六分五厘が予想され、前二十三
年度
の六割二分、二十二
年度
の七割に比して、著しい改善となります。また
郵便年金
の二十四年七月末現在の
契約
は、件数約百八十二万件、
年金額
約四億九百万円でありまして、人口千人
当り普及率
は二十三件であります。一月から八月中旬までの新
契約実績
は一億七千二百万円で、
目標額
八億円の二一%に過ぎないのでありますが、これは
方針
としてまず保險に全力を傾倒しているためでありまして、
保險目標達成
の
見通し
のつき次第、年金の
増強運動
を
実施
する
予定
であります。さらに
簡易生命保險及び郵便年金積立金
の
運用再開
につきましては、前
國会
において、両院とも
再開促進
の決議をされ、爾來引続き
関係筋
に対する
説明
、懇請、
大藏省側
に対する協力、
要請等
に努めつつありますが、二十五
年度
予算編成
との
関係
もあり、急速に
最終的解決
に導くため、全力を盡しております。なお
地方公共團体
その他の
運用再開
に対する要望は、依然として熾烈であります。 次に本
年度
における
郵政事業
の
独立採算
の
見通し
について申し上げます。本
年度予算
は、御
承知
の
通り経済
九原則の線に沿い、
独立採算制
を強行した結果、歳出は極度に切り詰められ、
既定施設
を辛うじて維持することができる
程度
の経費にすぎないのでありますが、最近までの
支出経費
の実状は、経常的な経費のほか、
風水害等
による
臨時的経費
の支出もあり、
予定
以上の
支出増加
とな
つて
おります。一方
歳入面
について見まするに、本年五月一日から
実施
せられた一部
通信料金改正
の結果は、過去における
料金改正
の場合と同じく、
予定効果
を収めるまでにはなお若干の時日を要するものと思われ、
從つて
七月までの
收入
状況
は、毎月大
よそ予定
の一割前後下まわ
つて
おり、かつ本
年度
の
予定收入
がきわめてぎりぎりに見積
つて
あること等のため、
目下増収対策
を
実施
し、極力
收入
の
増加
に努めつつありますが、本年十二月ごろまでの
収入状況
を見なければ、本
年度
の
独立採算
の確実な見透しはつきかねる
実情
であります。
從つて郵政事業
としましては、極力支出の抑制を行い、収支の均衡をはかり、少くとも現在の
サービス
を低下させることなく、
独立採算制
を堅持する
方針
であります。なお
増収対策
の一環として、
設置法
第四條第十五号の規定により
廣告業務
の
取扱い
を開始することとなり、
法的措置
も完了し、目下具体的の
取扱方法
並びに
廣告料等
につき檢討中であり、
実施
可能のものから順次実行に移し、
増收対策
の一環としての効果をあげる所存であります。 最後に今回の
行政整理
の
実施状況
を、
郵政省
、
電氣通信省
を便宜一括して申し上げます。 今回の
行政整理
が
行政機関職員定員法
に基いて、六月二日より九月三十日までの間に行われなければならないことは、御
承知
の通りであります。六月一日に
逓信省
が分離して、
郵政
、
電氣通信
の二省が新たに発足したのでありますが、そのために六月中はその
分割事務
に忙殺されて、
行政整理事務
にはなかなか手がつけえなか
つたの
が、その
実情
であります。七月に入りまして、ようやく両省の現在員が把握できるようになり、新
定員
に対する
過剰人員
が判明するに至
つたの
でおります。すなわち
郵政省
においては、新
定員
二十六万六百五十五人に対し、現在員二十七万九千六百四十八人で、一万八千五百五十六人が要
整理人員
となり、
電氣通信省
においては、新
定員
十四万三千七百三十三人に対し、現在員十五万六千百九十五人で、一万二千四百六十二人が要
整理人員
となることが確定したのであります。諸種の
客観情勢
並びに
事業
に内在する
要請等
より、
行政整理
の不可能であることを察知し、本年二月より
新規採用
を嚴重に差止めて
整理
による
犠牲者
を
最小限度
にとどめるための措置を講じていたのでありますが、さらに
整理
による出血を緩和するために、一定の條件を具備する職種、人については、これを休職となし得る途を
請ずる
とか、あるいは
希望退職者
を
調査
する等の措置を
請ずる
一方、
整理方針
を設けて被
整理者
の人選を進めたのであります。かくして八月上旬に諸種の準備が
整つたの
でありますが、各
地方局
の
実情
を総合してみると、
希望退職者
が意外に多く、その数は
郵政省
においては要
整理人
の六一%、
電氣通信省
においては六四%
程度
を占めるに至り、
從つて本人
の意に反して退職せしめられる者、すなわち直の
出血量
は、最初の
予定
に比しきわめて少量にとどめることができたのであります。
実施
時期につきましては、諸種の事情を勘案考慮いたしまして、八月十二日と決定したのでありますが、
希望退職者
につきましては、本人の事情、
局情等
を考慮しつつ、九月末日までに完了し得るよう、幅を持たせることとしているのであります。 次に被
整理者
の救済でありますが、今回の
整理
の対象と
なつ
た人の中には、優秀で、
事業
のため何とか残
つて
ほしい人も多数あるわけで、これらの人は
通信事業
から永久に解職されるのでなく、いわば一時の解職とも言うべきものでありますから、今後二年間は
欠員補充
その他によ
つて
、新たに部外に人を求めるときは、
資格要件
の優位な者より、できるだけ優先して採用する
方針
であり、また両省に、
中央
、
地方
を通じた
就職斡旋委員会
を設置して、その
救済策
を講じております。 最後に、全逓信労働組合との
関係
についてでありますが、
行政整理
が喧傳せられるに及んで、全逓ではいち早く
行政整理
絶対反対を叫んで鬪爭を展開し、去る六月八日より三日間秋田市に第七回臨時全
國大会
を開催して、種々の決議を行うとともに、ストライキを含むあらゆる
鬪爭手段
をも
つて
鬪う旨を宣言しておるのであります。その後、この
基本的鬪爭方針
について、いわゆる地域人民鬪爭なるものを展開しつつ、
中央
、
地方
を通じ
管理者
に対し、
行政整理
に関する熾烈な交渉を要望して來たのでありますが、当局としては、
行政整理事務
の円満なる運行を期する意味合いより、
整理
に関する
方針
並びに
整理人員
数等を
説明
して、その協力を求めたのであります。
整理実施
にあた
つて
は、相当の紛議が予想されたのでありますが、実際には大したこともなく、秋田、郡山、
長崎等
の数局において
管理者
の軟禁が行われ、また
電信
、
電話回線
の
切断事件
が二、三箇所あり、
辞令拒否数
も、
郵政省
においては
発令総数
の九%、
電氣通信省
にあ
つて
は二〇%あつただけで、全図的に見て
静穏裡
に
実施
を終えることができたのであります。かかる
実情
は、
客観情勢
並びに
公務員法下
の運動ということもさることながら、從事員の大多数が
社会情勢
、ことに今次
行政整理
の意義をよく認識し、一部少数の
煽動者
に乘ぜられなかつたことを物語るもので、
組合運動
の成長を示すものと思います。以上簡單でありますが、今次
行政整理
についての
説明
といたします。 それでは次に
電氣通信省関係
のいわゆる二
省分離独立採算制
について、御報告申し上げたいのでありますが、この
分割
の実現した経緯については、さきに
郵政省
の分で
説明
いたしましたが、その結果を簡單に申し上げますと、
本省
につきましては
内部部局
として
業務
、
施設
、経理の三局と
電氣通信研究所
を置きました。
業務
、
施設
の両局にはさらに
機能別
にそれぞれ五部ずつを置いています。
研究所
は從來は外局でしたが、研究の
実用化
という面に重点を置いて、
事業部面
と緊密な連繋をはかる上から、これを内局としたのであります。それから
從來内局
であつた
電波管理業務
を、
電波廳
として外局にし、また
航空保安廳
も独立して外局となりました。このように
電氣通信省
の任務は、結局
電氣通信事業
と
電波業務
と
航空保安業務
の三部門にわかれることとなり、
電氣通信事業運営
の
統轄者
として大臣、次官の下に、特に
電氣通信監
を置いたのであります。 なお以上のほか
電氣通信省
の
事業
を民主的、能率的に取運ぶため、
電氣通信省運営審議会
、
電氣通信調整審議会
、
電波技術審議会等
が附設され、
関係官廳
や
民間学識経驗者
を
委員
に命じて順次活動を開始しつつあります。 次に
地方機関
としては、從前の
逓信局所在地
に
電氣通信局
を置き、そのもとに
事業管理
の徹底をはかるとともに、
対外折衝
の任に当るため、各
府縣五十
二箇所に
電氣通信部
を新設しました。また
通信部
の下に
現業事務
の第一次
監督運営機関
として、
業務
、
施設
両部面を一体化した
電氣通信管理所
を、全國で二百五十八箇所設けました。
現業
の
取扱局
は、この
管理所
の
管理下
で
電信電話
の
運営維持
の
第一線業務
を
取扱い
ます。全國で
電報局
が二百二十七局、
電話局
が百四十七局、
電報電話局
が四百三十局あります。その他
特定郵便局
約一万四千局中一万二千局
程度
が、
電信電話
を
電氣通信省
からの委託の形で、取扱
つて
います。 今回の
機構
の特徴を一口で申しますと、
電氣通信省
はいわゆる
縦割組織
を採用したわけで、
本省
から
現業
の
第一線
まで仕事を縦割にし、
本省
の各
部局
ではそれぞれの
所掌事務
については、
現業
までの責任をとり得るように、その
責任権限
を明らかにし、
業務
、
施設等
の各部面が、上から下まで一つの線でつなが
つて
いるのであります。もちろん各段階毎に、
関係部課
は緊密な
連絡協調
をとることは当然のことであります。 以上のご
とく電氣通信省
の
機構
は、
郵政省
の場合と異なり、根本的な変革を行つたため、その
本格的事務開始
に若干の期間を必要とし、
本省
及び
電氣通信局
に特別の組織をつく
つて
その促進をはか
つて
來ましたところ、
本省
及び
電氣通信局
は六月二十日から
事務
を開始し、
通信部
、
管理所
については
新設機関
であるため、廳舎の準備、職員の配置その他の都合上、八月十五日から全面的に発足いたしました。 なお、新
機構下
における
電氣通信事業運営
についての職員の心構えを、全員に徹底せしめるために、八月一日
電氣通信監名
で
部内一般
に対して「
電氣通信省新設
に伴う
事業運営
の
一般方針
」を通達した次第であります。 次に
電氣通信省
の
事業
の概況を、三部門にわか
つて
説明
いたしたいと存じます。 まず第一に
電氣通信事業
から申し上げますと、
終戰直後
のわが國の
電信電話
は、戰災と
風水害等天災地変
と、加うるに戰爭中長期間の
施設
の酷使によ
つて
、その
有機的機能
を一時ほとんど
失つた状態
であ
つたの
でありまして、具体的に申せば、
加入者総数
は戰前の百八万あつたうち、五四%が戰災をこうむり、
市外電話回線
一万五千回線の五八%、
電話回線
二千二百回線の七五%が罹災したのでおりまして、また
残存設備
も長年
補充保存
が極度に低下していたわけであります。しかし
終戰後関係者一同
の努力によりまして、
加入電話
につきましては本年三月末約九十三万個まで
復旧
しましたが、これも八
大都市
についてみれば五五%の
復旧率
をいう不満足なものであります。
復旧
の遅延の理由は、予算の面、資材の
生産面
、
労働條件
の惡化等がおもなものであります。ただ
市外電話回線
は大半
復旧
いたしましたし、また
電信回線
に至りましては一昨
年度
におきまして、ほとんど全部の回復をみている状態であります。次に
サービス
の
状況
でありますが、
大都市
の
市内通話
は、現在
完了通話率
が三三%
程度
であります。
昭和
五年ないし九年当時は八〇ないし七〇%でありました。
市外通話
の
サービス
も漸次改善されて参りましたが、
昭和
十二年ごろは
東京
、大阪間は至急
通話
で平均二十二分間でありましたが、現在は
特別至急通話
でも大体二時間かかり、
從つて通話申込み
の取消も二〇%から三〇%
程度
に上り、
收入
に惡
影響
を及ぼしている
状況
であります。
電信
はこれに比べて
復旧
が好調で、たとえば
東京
と
主要都市
間につきましても、
昭和
五年当時大体一時間から二時間
程度
のものが、本年六月の
調査
では、全
國平均
で
普通通信
二時間五十分、至急
通信
二時間
程度
まで
速達化
されているのであります。 次に本
年度
の
新規計画
を申し上げると、
建設予算
として百九十二億の成立を見ましたので、これで
加入電話
六万七千、
公衆電話
三千、
増設電話
三万の増設を計画しているのであります。この分の
建設費
は約四十億円であります。このほか
市外電話回線
の増設、
復旧
二万一千キロ、
電信回線
の
更生強化
に八十八回線を
予定
しております。 次には、
國際通話
について一言いたします。戰爭前の
対外無線
は三十余ありまして、世界の
電話加入者
の九〇%と
通話
できたのでありますが、終戰と同時に一時は
ジユネーブ等中立國
との回線も杜絶していたのでありますが、その後
連合軍
の好意によりまして漸次再開され、現在では
東京
から八回線、大阪から五回線連絡しております。
國際通話
は
從來連合軍関係
の利用が主でありましたが、
貿易再開
に
伴つて
、漸次民間の利用が
増加
して参
つて
おります。今後の貿易の発展のためにも、また
外貨獲得
のためにも、
対外回線
の拡充の必要であることを深く信じまして、諸般の準備のため努力いたしておる次第であります。 なお、ここでつけ加えまして、
電氣通信事業
の
関係
で懸案ないし計画中の
重要事項
について、二、三御
説明
いたしたいと存じます。 まず明二十五
年度
の
電信電話
の
設備計画
の
方針
でありますが、これは第一に
收益性
を増して、
事業運営
の基礎をこれに置くことであり、また
大都市
、
重要産業都市
の
通信整備復興
に、重点を置く考えであります。あわせて警察、
消防通信等
、緊急な
特殊通信施設
を整備するとともに、
既設設備
の
効率的活用
をはかり、
サービス
の復元に努めたいと考えております。 次に
警察電話
を
本省
へ移管する問題であります。これは昨年六月の
閣議決定
に基き、
警察事務用
の
有線電話
は、昨年八月から仮移管が行われ、
建設保守
を行
つて
いるのでありますが、しかしその
所有権
は大
部分都道
府縣に属していますので、これを一括して讓り受けるために、來る
臨時國会
でこれに関する法案を提出する準備を行
つて
いるのであります。 次は
日本電話設備会社
の
業務
の引受の問題であります。
從來増設電話
、
接続電話
の
設備
及び維持の工事は、
日本電話設備会社
で事実上独占してや
つて
参つたの
でありますが、一昨年三月
連合軍
からの指令によ
つて
、この
業務
を政府に引受け、今後新設される
増設電話
については、政府で直営することと
なつ
たわけであります。それに基きまして本
年度
において、さしあたり同社の保守する電話機三十一万個のうち、約十万個を対象として、
業務
の引受を
実施
する
予定
であります。 最後に國際
電氣通信
條約加盟に関する問題があります。これは
國会
の議決及び
連合軍
総司令官の承認を経て、昨年十二月加入の申入れをなし、正式受理を見たのでありますが、ソ連及びその衛星國側が加入の無効を主張して、本年五月パリ—の國際
電信電話
主管廳会議でも、日本の会議参加が否定されているのでありまして、この日本の加入の効力は、目下ジユネーブの國際
電氣通信
管理
理事
会で論議されておりますが、政府といたしましては、一に米國の援助により、すみやかに正式加入の承認が決定することを切望している次第であります。 次に第二の電波管理
関係
について申し上げます。現在電波行政の重要課題としてとりあげられておりますのは、電波法及び放送法の制定でありまして、わが國における無線及びラジオ放送に関する法律は、大正四年に制定せられました無線
電信
法でありまして、現下の発達した無線
業務
を規律する法律としては、はなはだ不備であると考えられますので、一九四七年アトランチツク・シテイにおきまして締結せられました新國際
電氣通信
條約、及び新憲法の要求にも合致する電波法を制定し、またラジオ放送に関しては、新たに放送法を制定して、わが國の放送の健全な発達をはかる必要を認めまして、目下右両案を立案中でありまして、來るべき
臨時國会
に提案する
予定
でございます。なお、電波法及び放送法の執行に当る機関といたしましては、新たに内閣に七人の
委員
をも
つて
構成する電波管理
委員会
を設けることといたしたいと考えておる次第であります。 次に第三といたしまして、
航空保安業務
について申し上げます。
航空保安廳
は六月一日から長官、次長の下に、
中央
に八課、
地方
に十七の航空保安
事務
所、三十の出張所、九の航空標識所の組織をも
つて
発足いたしました。 最近連合國の対日管理政策の推移に伴いまして、
航空保安業務
のうち、日本政府の手にまかされる範囲は、漸次拡充される機運にありますので、当局といたしましても自主的運営態勢を準備して、種々の対策を樹立して、その実現に努力している次第であります。すなわち終戰以來わが國は、民間航空を一切禁ぜられたのでありますが、元來航空保安の
業務
は、民間航空の管理権と離れても、公共的、國際的な責任を有するものでありまして、今後諸外國に伍してこの責任を遂行するためには、現在國際的水準から著しく立ち遅れているこの
事業
面の格段の改善をはかるため、要員の訓練や技術の研究を強力に推し進めたいと考えているのであります。他方また最近の世界の航空界の趨勢にかんがみ、時代遅れとな
つて
いる航空法その他現行
関係
法令にかわ
つて
、保安
業務
の合理的運営の基準となる法律を制定するため、第六
國会
を目標として目下法案の作成の準備を進めておる次第であります。 次に予算
関係
について概略を申し上げますと、二十四
年度
の
電氣通信事業
特別会計予算は四百四十六億円で、うち建設勘定が百九十二億であります。建設勘定は対日援助見返り資金からの百二十億と、終戰
処理
費からの二十六億が、おもな財源とな
つて
おります。これ以外は減價償却や補充取替費を含めて、すべて
事業
收入
でまかなうことにな
つて
おります。すなわち御
承知
のように九原則に從いまして完全な收支均衡、
独立採算制
を、しかも
郵便
事業
のように
料金値上げ
を行わずに強行することにな
つて
おりまして、本
年度予算
は
事業
復興上相当窮屈な内容とな
つて
おります。 この
独立採算
の
実施
の
状況
を申し上げますと、予算では
電信
事業
收入
五十三億六千八百万円、電話
事業
收入
二百四十九億六千二百万円、無線
電信電話
事業
收入
、雜
收入
八億九千五百万円、合計三百二十億四百万円の
收入
であるのに対して、支出も同額に押えてありますが、本
年度
七月までの
收入
実績を見まするに、同期間の
予定
額百億八千万円に対して、五億六千万円が超過を示しており、まず順調な
收入
をあげていると言い得るわけであります。七月は
機構
改革等で、
收入
は相当低減していることと思われますが、年間を通じて三百二十億円の
收入
を確保し、さらに数億円の増收をあげ得ることは、大体において確実と考えておる次第であります。他方これに対して現在までの支出の実績は、
機構
改革その他本年特殊の事情によ
つて
、相当経費が増高する事情のもとにあるのにかかわりませず、経費節約、使用の
合理化
に努めました結果、本
年度
七月までの
予定
額八十七億六百万円に対して、約二十三億を減じまして、結局損益計画において約四十二億もの利益を生じているわけであります。ただしこの経費は、なお中間勘定の
整理
による振替額を、附加しなければならぬ性質のものでありますので、
整理
の上は相当支出額が増額となると考えられる次第であります。なおここに若干留意すべきことは、減價償却の
関係
でありますが、これは正常な減價償却費は約八十七億円、すなわち
固定資産
の六%を必要とするのに対しまして、本
年度予算
では、他のやむを得ない経費捻出のため、四十六億円しか見込んでいないことであります。これは結局資本の食いつぶしを行
つて
いるものでありまして、決して健全な経営の仕方とは言い得ないものであります。 なお、今後
電氣通信省
としては
独立採算制
の基本原則を堅持する一方、
事業
経営の基本
方針
を企業的経営に切りかえ、あらゆる活動を刷新して、
サービス
の改善、増收確保、支出の
合理化
をはかる
方針
でありますが、これが実行にあたりましては、現行官職制度、ことに会計制度ないし給與制度等において、研究改善を要するものがあると考える次第であります。 最後に今
年度
における災害による
通信
被害、及びその対策について一言いたしたいと思います。近來相次ぐ風水害、震火災等のため、
電氣通信
施設
のこうむつた被害は甚大なものがありまして、戰災よりようやく復興しつつある
電氣通信
施設
にと
つて
は、まことにたえがたい痛手であるのであります。本年におきましてすでにデラ、ヘスター、ジユデイス等の台風により、九州初め中國、四國
地方
に多大の被害が発生し、
電信電話
回線にありましても、電線の切断、電柱の倒壊、流失、ケーブルの損傷、浸水等により、相当の被害を受けたのでありますが、さらに最近キティ台風の襲來により、関東
地方
一帶に著しい被害をこうむ
つたの
であります。また、さきに松江市の大火により、松江
電報局
及び
電話局
が類燒し、
電信電話
設備
も多大の被害を受けたのであ
つて
、この種の災害による被害の應急費並びに
復旧
費は、年々数億円の巨額に達するのみならず、これらの被害によりこうむる間接的な有形無形の損害は、はかり知るを得ない莫大なるものがあるのであります。これらの被害については、当省としましては万全の應急措置をとり得るよう、各種の対策を講じているわけでありますが、今次のキティ台風による被害に対する措置について申し上げますと、
電信回線
にありましては、障害回線を経由する電報は他の迂回線路により傳送し、他に迂回の途のないものは着信局もよりの局まで傳送し、その局から使送する方法をと
つて
、
通信
の確保に努めたのであります。また重要
通信
は非常無線を発動し、警察無線、測候所無線等を利用して、疏通に努めたのであります。電話におきましては、罹災
加入電話
については、
連合軍
関係
、警察消防
関係
を最先とし、官公署、公益國体その他重要生産業者の順に、應急並びに
復旧
を強行いたし、市外回線については、
連合軍
專用、警察用、緊急公衆用、新聞專用の順に、應急並びに
復旧
を強行するとともに、罹災地への緊急
通話
は、他の迂回線より中継して連絡確保する等、應急の策を講じたわけでありますが、今後の対策といたしましては、非常災害発生の場合、
通信
の疏通と
復旧
の迅速を期するため、非常災害情報連絡及び措置要綱を定めて、部内及び部外
関係
情報連絡、及び被害回線の
復旧
順位、及び非常無線区間の運用、その他必要な一切の緊急措置は、この要綱に基いて
実施
するよう、すでに全國的に指令を発しました。なお今後の根本的な災害対策といたしては、さきに申し上げましたごとく、年年非常災害により多大の損失をこうむり、かつ巨額の
復旧
費を投じている
実情
にかんがみまして、台風通過地域、降雪地域等の架線をケーブル化し、架察線路を地下線路化する等、今後の
施設
は、これらの災害にできるだけ耐え得るよう計画し、また現在
施設
のうち特に脆弱なものにつきましては、特別保守を
実施
し、その被害を
最小限度
にとどめるより配意いたしておる次第であります。なお先般の風水害によ
つて
被害をこうむりました
施設
につきましても、この
方針
。
復旧
に努めたいと考えているような次第であります。 なお、ついででありますから申し上げておきたいのでありますが、大体來るべき
臨時國会
に
逓信行政
関係
の法案として、提案したいという考えの法案は、先ほどの
説明
中にもありました通り、まず電波管理法案、放送法案、
郵便物
委託法案がおもな法案でございます。そこで確定案にはな
つて
おりませんけれども、皆さんの手元に一應原稿を差上げておきましたから、御研究の上、適当な御意見を承りたいと存ずるものであります。但し、
郵便物
委託法案につきましては、すでに閣議の議を経まして、あらゆる交渉が済んで、
國会
が開かれればただちに提案する
程度
まで進んでおります。その他の法案につきましては、なおいろいろ
関係
各省あるいは
関係
方面とも折衝の余地がありますので、いまだ確定案でないことを特にお含みの上、御研究を願いたいと存ずるものであります事。
井之口政雄
5
○井之口
委員
小津さんもお忙しいそうでありますから、
簡單
に二、三質問してみたいと思います。 今のお話によりますと、大分
行政整理
もうまく進行して、非常に平和なうちにうまく行きつつあるというお話であります。しかし私たちが今度國政
調査
でずつとまわ
つて
みますと、実際
業務
に携わ
つて
おられる方々が、すでに去年のころから新雇用を停止しておるために、その時当からもすでに人員が不足しつつある。この上に馘首が行われるということになると、非常に
事務
の進行の上に阻害を來すというふうなことを、あちらこちらの実際
業務
に携わ
つて
おる方々から、聞いたのであります。なるほど取調べてみますと、電話交換手の方たちが数が足りないとか、あるいは
郵政省
の
郵便
事務
の人たちの人数が足りないとか、さまざまのそういう事実をあちらこちらにおいて見聞しました。しかるにそれがさらに來るべき九月においても、もう一ぺんまたや
つて
來る。場合によ
つて
はまた第三次、第四次、ずつと進行するやもわからない。この点は將來に対してもやるかどうか、來
年度
においてもずつとやるか、どうかということも、お聞きしたいのであります。 とりわけこれがうまうま平和裡に進行しなかつたという事実といたしまして、六月二十七日の午後十一時三十分ごろ、宮城縣の仙台東華ホテルで、民主自由党の佐々木縣知事さんらと宴会中の青木長官に、全逓、
國鉄
、電産の労働者が三百名ぐらい、首切り反対の陳情を行
つて
おつたという事実、こういう方々はみな今日の
郵便
事業
の荒廃を非常に嘆いて、そうしてこの陳情をしておるというような
状態
があるのであります。それに対して二百名からの警官がこん俸で襲いかか
つて
、上原重さん、この方は二十五才になる方ですが、この人を檢束し、それから野澤洋子さんという女の人に重傷を負わしておる。そのほかにも軽傷者二十名を出しておるという
事件
が起
つて
おるわけであります。こういうふうなことは
大臣
御存じないかどうか。もしこういうことがあるとすれば、今度の
行政整理
というものは、今
大臣
がおつしやつたように合理的に行われておるとは思えないのであります。 さらに八月十四日に
秋田
の工事部支部に対しまして
通信部
長は、組合
事務
所は本日午後五時から使用することを禁止する。馘首者は午後五時以後は一切局内に立入ることを許さぬというような命令を出しまして、それを侵す場合には警官に檢束させるというようなことを通達しておるのでございますが、こういう方々はその前の日までいろいろ組合のことをや
つて
いらした方方でありますし、事後の
処理
というようなものもたくさんあるだろうと思う。しかるにただちにこういうような手段をとるといたしましたならば、そこに当然摩擦を挑発することにな
つて
、うまく行くものもうまく行かないようになり、横暴な警官がもしもこういうようなことで狩り出されるようなことになりましたら、理不盡ないろいろな
從來
國家の
郵便
事業
に功績のあつたような人たちに、危害を及ぼすというようなことに立至ると思うのでありますが、
大臣
はこういうことも知
つて
おいでになるのどうか。またこういうふうに接収する場合も、苛酷な接収のやり方を御命令なす
つて
いらつしやるのか、この点もひとつ承
つて
みたいと思います。 それからもう
一つ
の例といたしましては、
東京
千代田の
中央
郵便局
では、八月十二日に武装警官百名が、刑事五十名の應援を得まして、三十九名の首切りがこのときに行われておりますが、私そのときにここへ
参つたの
でありますが、局長さんがいたいけな少女の連中を、不法監禁したような形跡がずいぶんある。そして数名の大きな男の、上級官吏の方々が並んでいる前に、十七、八の女の子をずつと前に呼び出して、お前さんこれに判をつきないというふうに、半ば強制的なかつこうでや
つて
いる。こういう人たちが泣いて、非常に興奮して、氣絶するような
状態
にあ
つたの
ではなかろうかと思うのでありますが、そういうふうなことに対しても、こういう手段をとらなければ
行政整理
ができなか
つたの
か。ほんとうに
行政整理
が合理的に進むものとしますならば、こういう手段をとらぬでもや
つて
行けたのではなかろうかと思う次第であります。 もう
一つ
は千代田区の
中央
郵便局
にやはり八月の八日、官憲から発行した通行証で入場する刑事を組合員が発見いたしまして、ただちに官側に事実をただしてみますと、丸の内署の要請によ
つて
十枚も交付したということを明言しております。こういうふうな事実も
大臣
は御存じなのか。こうして官憲をそこへ導入し、私服の刑事なんかを導入いたしまして、そしで組合に対して脅威の念を與えながら、この馘首ということをやらなければならないほど、こうしたことが不合理に行われたのではなかろうかと思うのでありますが、この点につきましても
大臣
の御感想を承りたいと思います。
小澤佐重喜
6
○
小澤國務大臣
第一点は、
政府
が
行政整理
を第二次
行政整理
、第三次
行政整理
というように、今後行
つて
行くか、どうかということでありますが、
政府
全般の問題にづいては、われわれ別にまだ何ら相談しておりません。ただ第一次
行政整理
のうち、
電氣通信省
、
郵政省
の中におきましては、大体九八・九%まで終了いたしました。しかしながら今後の自然退職、あるいは今お話の各局、各部の配置轉換等を行うために、多少なお九月末までに
整理
を要するものがあるかもしれませんが、これは
原則
としては
行政整理
をせずに進もうという
方針
で進んでおりますが、あるいは多少の
整理
は行わなくちやならないかもしれません。というのは、配置轉換でできるだけ各局、各
事業
所の
定員
を均等化しようという
措置
を行いますので、その
関係
であるいは配置轉換に應じないということになりますと、自然そこに行かなくちやならないと考えております。先ほど申しました
通り
、きようの新聞に出たことのお話だろうと思いますが、あの問題はまだ閣議には何もかか
つて
おりません。 それから
整理
のやり方の問題でありますが、これは
委員会
もたびたび申しました
通り
、私の考えとしては、この
行政整理
というような大きな國策によ
つて
去
つて
行く人というものは、
一つ
の國策の
犠牲者
とも見られる。こういう意味におきまして、去
つて
行く人はまず第一に一人でも少くするということ、それからどうしても何人かが犠牲にならなければならぬという場合においては、この人の犠牲をできるだけ少くするという、この二つを根本
方針
として私は進んで参りました。
從つて
こういうことに対しては、相当從業員諸君も理解してくれたために、予想より平和な
行政整理
ができたことと私は自負いたしております。しかしながら今御指摘のように、たとえば仙台、
秋田
、あるいは
東京
の
中央
というような所に、多少のいざこざがあつたことは聞いておりますが、今力を入れて井之口君が話しているように、警官隊がどうこうということは、もちろん
大臣
として局に指令した問題でも何でもありません。しかしながらおよそ治安の
維持
に必要だという場合に、
警察
の援助を求めることは、当然必要な
措置
だと思いますので、現場の局長が判断によ
つて
、
職員
組合から暴力その他によ
つて
、生命あるいは身体に危害をこうむるというおそれがあつた場合には、何どきでも現場長が
警察
官の援護を得てやるということは適切だと思いますので、ただやり方について具体的にどうというお話がありますれば、よく調べて御返事をすることにいたします。
井之口政雄
7
○井之口
委員
それからもう
一つ
、組合の方で幹部にな
つて
おる人たちで、今度
整理
れた方々が大分いらつしやるのでありますが、それに対しまして
大臣
は、これは幹部としてとどまる権限がないのだというふうなことを、新聞で発表されておつたようでありますが、その点、組合が自主的にこれを幹部として推薦しておる以上は、そういうふうなことは法律にそむくものじやなかろうか。さらに將來もしもこの人たちを幹部として組合が依然として認め、さらに顧問とかいろいろな形で、こういう人たちを推薦するというふうになりましたならば、そういう方々を
大臣
の方では、どういうふうに
取扱
われるか、その点をひとつ承
つて
おきたい。
小澤佐重喜
8
○
小澤國務大臣
井之口君の言うことがはつきりしませんけれども、要するに全逓の幹部諸君が、大量に
整理
の対象にな
つたの
だが、あれは專徒者であるために、組合の役員であるがために馘首したんじやなかろうか、こういう趣旨だろうと思います。しかし私としては、專從者であるからどうの、あるいは共産党員であるからどうの、民自党員であるからどうのという区別は、全然いたしません。いやしくも公務員として不適任である者を公正に見、判断して、これをや
つたの
でありまして、今後もかりに惠徒者に
なつ
たからとい
つて
、その人が公務員としてふさわしからざる行動をとつた事実がありますれば、遠慮なくこれをやります。
橋本登美三郎
9
○橋本(登)
委員
大臣
に二、三お伺いします。今回の
行政整理
が、
大臣
のかねてからの御
方針
によ
つて
、しかも人情のある
措置
によ
つて
、円満にかつ順調に進められたことは、われわれ
委員
としても、また國民一般も非常に感謝しております。先ほど
大臣
のお話の中に、
秋田
ですか、
中央委員会
が大会の際に、ストライキをも辞せないという
決議
をして、
行政整理
の前に何らかの意思の
決定
が、全逓の会合であつたような話がありましたが、この点は公共企業体労働法の第七條の、いわゆるストをやることはいけないと同時に、これを煽動する行為もいけないという規定に反すると思うのでありますが、正式の
決議
としてこういうものが行われたとすれば、それについて
当局
としては何らかの
措置
をとられたかどうかを伺いたい。 第二には、非常な
当局
の思いやりからして、できるだけ熟練者なり、もしくはその他これを専業として生活しておられる人を、なるべく残すということのために、自発的な退職者を寡
つて
、それが
平均
失体五割くらいに
なつ
たということは、
当局
の非常な
努力
によると思うのでありますが、ただある一部の人に対しては、これは特定局長であろうと思うのでありますが、五十八歳以上の者はこの際やめてほしい、こういうような通知を出したようでありますが、この通知が非常に遅れておつたために、大体そういう人は町村
会議
員とかその他の公職についておる。そういうことがないと思
つて
、その公務の方を兼務できないという建前から、やめた。そのあとにその通知が來たということで、たいへんに迷惑を受けた一部の人があるのですが、この点五十八歳以上はやめなければならぬという停年法というものがあるのかどうか。ただ便宜上そういう人は、この際若い者にかわ
つて
もらいたいというために、非公式に、いわゆる穏和な方法で申し入れたのかどうかということをお聞きしたい。 第三は、先ほど災害が相当多いために、年々数百億の金がいる。先ほどお話のあつた本
年度
の
収支
予算
は、非常に順調であ
つて
、大体においてとんとんに行く模様である。たとえあとから
支出
が出て來ても、とんとんに行く模様であるということは、
独立採算制
の第一年の四半期としては、まことにけつこうなことでありますが、災害の問題に対しては、数百億というのはちよつと大き過ぎると思うのですが、私の聞き違いかもしれませんが、これに対する財源的な処置、及びこれの
復旧
に対する対策等を
簡單
に御
説明
願いたい。 それから第五
國会
において、特に各方面の不便な地区のために、
簡易郵便局設置
法案を提出され、
大臣
の
要望
によ
つて
、
委員会
がこれに
協力
してくれということで、
決定
したのですが、これのその後の
実施状況
はどういうことにな
つて
おるか。以上
簡單
ながら四問お聞きしたいと思います。
小澤佐重喜
10
○
小澤國務大臣
第一問として、
秋田
大会の
決議
は、新聞紙上記載されたような
決議
があつたかどうか、もしあつたとすれば、公共企業体の法律に違反するじやないかということですが、これは公共企業体でなくて、おそらく公務員法だと思います。公務員法違反かどうかという問題でありますが、これは公務員法の條文に照らしまして、一應あの形はやはり公務員法違反を構成するものと考えます。これに対してはいろいろ疑問がありまして、ただ
決議
をするだけでは、いわゆる人をそそのかすとか、人をあおるということに該当しないではないか、その
決議
がさらに指令とな
つて
、特定の從業員に通達された場合に、初めて
犯罪
が構成されるのではないかというような御議論がしつつありました。それからあの
秋田
におけるいわゆる全逓の大会は、秘密大会でありまして、何人がこの
決議
をするに至らしめたのであるかということの実際を調べるということは、われわれとして非常に困難であ
つたの
であります。
從つて
あの
決議
があつた当時におきましても、
本省
だけではなくて、
政府
としてもいろいろ檢討いたしましたが、一應違反になりましても、その違反の適格者、該当者がだれかということの判定が、非常に困難でありましたので、そのときの処置といたしましては、私は全逓信從業員に対しまして、ああいうことをやることは公務員としてあるべきことではないから、決してあの
決議
に從うべきではない。むしろ公務員の本旨に
從つて
、この國家がやむにやまれずして行うところの
行政整理
に、
協力
してくれという通達を出しまして、その問題を理解してもらつたような次第でありますが、少くとも私は、あの
秋田
大会の
決議
は不法であるとか、あるいは
犯罪
を構成するとかいうことについては、ただいま申し上げましたような議論がありますけれども、いやしくも公務員として不当な行為であるということだけは、明瞭であると思います。
從つて
犯罪
になるとか、あるいは公務員法何條違反ということは困難でありますが、公務員法の命ずる精神に縫えば、公務員としてあるまじき行為であるということは、断定できると思います。 それから
整理
に際しまして、五十八歳以上の年齢の者を強制的に馘首するかどうかというお話でありましたが、これは
整理
基準
の一項目が漏れて、お話のようなことがあ
つたの
だと思いますが、
原則
として私の方の
方針
では、この
整理
基準
は一般に発表しないことにな
つて
おります。とにかく五十八歳であるとか六十歳であるとかいうことは、ここで申し上げられませんけれども、一定の年齢というものの
基準
を設けた。
基準
というものはつく
つたの
であります。
從つて
今お話のように、その
基準
に当る当らぬという問題で、いろいろ当惑した人もありましようし、お話の内容を承りますと、これは特定局長だと思いますが、特定局長の場合は
原則
として、この年齢には
関係
がないという考え方で
基準
をきめております。 それから災害の
復旧
問題でありまするが、大体一番最初の九州方面の災害におきましては、應急
復旧
だけで約三億円
程度
の損害をこうむ
つて
おります。しかしながら根本的に
復旧
をするということになりますれば、その金額ではとうていできません。また
東京
を襲いました災害の
復旧
に要する
経費
も、大体三億円
程度
であります。また三億か四億かはつきりいたしませんが、大体その
程度
であります。しかし幸いにこの前に
審議
を願いました
予算
の中に、六億の予備費がありましたので、その予備費を流用いたしますれば、大体暫定的の災害
復旧
は可能であるという結論になりますので、新しい
予算
措置
を講じなくても、本
年度
の
予算
でこれが應急
復旧
だけは完了し得る
見込み
であります。ただ一般の
施設
の改善、あるいはほんとうの意味の
復旧
と申しましようか、裸線をケーブル線に直した方が災害に耐えるというような、改良工事ということも考えられますが、できるだけ
予算
措置
を複雜にしない意味におきまして、そういう根本的な
復旧
は改良工事という意味におきまして、年次
計画
を立てて、根本的に
電信
、電話の改善
復旧
をはか
つて
行きたいと考えているわけであります。 それから簡易
郵便局
のお尋ねがありましたが、これは先ほども申しました
通り
、あの法律は七月十五日に公布となりましたが、それに伴うところの政令、省令等を同時に発表いたしまして、しかもこの印刷物は
一つ
の公報に全部掲載いたしまして、その公報さえ読めば、実際の手続がすぐわかるような方法をとりまして、簡易
郵便局
を
要望
している公共國体その他の國体の、便宜に供したような次第でありましたが、それがためか最近におきまして五百の町村から、
簡易郵便局設置
の
要望
が参
つて
おりまして、まだ正式に認可はいたしておりませんが、早く認可しろというような手紙が毎日のように参
つて
おります。ただ私どもといたしましては、新しい
施設
でありますから、できるだけこの監督をする集配局長、あるいは新たに
事務
を担当する人を十分教育させてやつた方が、
事務
を運営する上によりよき
効果
をあげるという趣旨から、あまり急がずに、できるだけ間違いのないようにしたい。
國会
においていろいろ注意がありましたように、いろいろ現金を
取扱
うのでありますから、間違いのないようにいたしたいという趣旨で、今申請しておるのは十月中に、適当なものは認可をいたしまして、十一月の初めからこれが
実施
に、漸次移
つて
行きたいと考えております。
橋本登美三郎
11
○橋本(登)
委員
大臣
のていねいな御
説明
で、十分に了解いたしました。この機会に一言お願いしたいと思いますが、最近いわゆる社会不安ということが言われております。考査
委員会
において福島
事件
や、廣島の日鋼
事件
などを、いろいろ
調査
をされたのでありますが、その間において大体どの
事件
におきましても、
電氣通信
関係
のいわゆる全逓組合が、地区的には参加している。これが純粋な労働
組合運動
である場合においては、公務員法、公共企業体労働
関係
法には触れないのでありますけれども、これが政治的な意図を持つた行動であれば、当然これに触れるのであります。もちろん共産党員が全部惡いとは私は申しませんが、そういうような
事件
の起る所においては、その中心的人物が共産党員である。先ほど來井之口君の御質問の中にも、ややもすれば
当局
のやることが反動的なことであるかのような言辞を弄されておりますけれども、少くとも今回の
行政整理
が順調に進んで來たということは、ほとんどの從業員が
当局
の態度に対して十分の理解があつたからであろうと思います。先ほどの
秋田
の
決議
は秘密でありますからして、その点どういう
事情
かわかりませんが、そういうような
決議
の場合においても、ややもすれば一部共産党員諸君の
影響
力があると、われわれは考えざるを得ないのであります。また
地方
においてそうした、ことが行われているということは、日本がいろいろな面において直面している事実から考えて言えるのであります。もちろん勤労階級の利益を増進し、同時に福利についての十分な
施設
を行うことは当然でありますけれども、
國会
においてきめられた法律、あるいはその他の法規が十二分に守られないで、それを逸脱するような行為があるということは、当然その主務官廳といたしまして、適当な
措置
と適当な指導をしてもらいたいと考えるのであります。こういうことについてお願いをいたします。これをも
つて
私の質問は終ります。
田島ひで
12
○田島(ひ)
委員
大臣
の御
説明
に対しまして、御質問いたしたいと思います。時間もありませんけれども、まず第一に二
省分割
後の行政の運営につきまして、たいへんけつこうな御
報告
を伺いましたが、私はこの前の
國会
のときにいろいろ
分割
後の行政の運営につきまして、
大臣
に質問しました。それからその他の点でも申しましたときに、具体的な事実、どこの職場でどういうことが起
つて
おるかを申されたいという
大臣
の希望でありました。私は今度の休会中に、國政
調査
委員
の中には入れられませんでしたが、できるだけ目で見、耳で聞き、実際の職場の
状態
を知りたいと思いまして、最近十箇所以上の職場を実際まわりました。そうしまして、その間私の得ました資料の中から、お尋ねいたしたいのであります。 二
省分割
後の電通
関係
の
事業
につきましては、内閣との合同
委員会
のときに、私は
大臣
に、おそらくこの
機構
が
実施
されれば、いろいろその間に下の方に部課長級が非常にふえる。そうすると
機構
の簡素化ということが主眼にな
つて
おりましたけれども、
機構
の簡素化ではなくして、上の方の九局は三局になるかもしれませんけれども、下の方にいろいろな部課長がふえる。そうして実際そこへ
定員
法による首切りが來る。そういたしますれば、自然現場で仕事をしておる人の数が少くなる。これに対する処置はと聞きましたときに、
大臣
はそんなことはないというお答えであつた。ところが私が今度まわ
つて
みますと、はつきりとやはり課長なんというものが非常にふえておる。これは課長自身も現在では実際の仕事をするという
機構
にはな
つて
おるそうですが、実際日本の今までの官僚
機構
からしますと、主事が課長に
なつ
たとか、あるいは下から実際仕事をしておつた人を課長に上げてしまうと、やはり謀長のいすにどつかとすわつたり、またそうでなく、実際仕事をしておられた所もありますが、しておられた所は首切りによ
つて
人が足りなくて、実際電報
通信
なんかで運営できない。だから、課長も実際目の前で仕事についておられた。それから電話交換手あたりでは、年の行かない娘さんの上に、課長ががつちりとすわり込んで、非常にがんじがらめに監視されておりますから、わき目もふらずに仕事をしなければならないというようなことで、あの
機構
の能率を上げるという点では
効果
があるかもしれませんけれども、今のああいう
労働條件
のもとでは、非常に強化されておる。 これは三重縣の津の
郵便局
です。あそこは御
承知
のように、國政
調査
でごらんに
なつ
たかどうか知りませんが、局舎も非常に惡い。それから雨が降
つて
も、自轉車を入れる所もない。雨ざらしにな
つて
、自轉車が何十台も置いてあるような所です。そこの交換手さんは、朝ついたつきり、二十何名かおられたと思いますが、そこにたつた一人だけが予備なんです。二時間おきに十五分の交替というのでありますが、お晝まで一度も交替がまわ
つて
來ない。交換手という仕事は私も経驗がありますが、御
承知
のように非常に縛られております。
事務
だつたら、ちよつとした余裕ができるのです。またお晝からやりましようということもできるのですが、相手が人で、機械相手の仕事で縛られておるので、お書過ぎまでほとんど一度もあけられなかつたというような場所がありました。それから市外電話なんかは、もつともつとくどんどんほしいというお声が相当ある。これは三重縣におきましても、愛知縣におきましても、私が視察したところでは相当あるのです。ところが実際交換台がありますのに、
予算
関係
もありましようけれども、交換手がいない。それから交換台があ
つて
も、それに対する電線が引かれていないというような不備の点で、もつともつと仕事をや
つて
、
收入
の点からい
つて
も、その方が採算が合うといわれるのに、あけてあ
つて
、そうして非常に電話の回数が困難にな
つて
、申し込んでも市外電話なんかはほとんど役に立たない。歩いて行つた方が早いという声が、相当聞えております。これは交換局の内部でなくて、外の実際仕事をしておる方の声を聞いてもそうであります。こういう点で、今度の二
省分割
後の
機構
の簡素化ということは、やはり阻害されておるじやないかというのが第一点であります。 それから次に
独立採算制
の問題でも、御質問いたしたいのでありますが、三の
行政整理
の問題について、これについてはやはり
当局
としては
当局
の御意見もありましよう。
整理
基準
も申されないと申されましたが、大体私どもがずつと調べました範囲内では、これはいろいろありましようが、第一に共産党員の首切り——これは共産党員だから首を切る。民自党員だから首を切らぬということは言わないと言われますが、事実において共産党員がはつきり首切られている。それから最もまじめに仕事をしている人が、首を切られている。しかも非常に優秀な人が首切られている。それに対する一般からの不平もあります。今例をあげますれば、山形縣あたりでは、この人はオペレーターとしては日本で第一だと言われる、技術の点で第一です。その人が首切られている。その理由がわからない。これは共産党員です。それからさらにこれは
東京
千歳
郵便局
の問題ですが、この人は
保險
募集で昨年第一位を占めた。この人の首切りは何だかわからないけれども、
保險
事業
に対する意見を上申した、それが氣に食わない。これは共産党員じやありません。そのために首切られている。実際ある所では、希望退職を抑えている。希望退職が現にあるのに、それを押えておいて、共産党員の首切りをや
つて
いる。こういう例もございます。それからまた不正幹部が相当あげられている。不正行為をした。これに対する今度の
基準
は申されないと言われます。
國鉄
の例によるということを
大臣
も言われておりまするたとえば職場撹乱だとか、あるいは非
協力
者、これははつきり不正幹部がその中に入ると私は思う。これらがやはり首切られていない。こういう点もあります。こういう点から言いまして、とにかく全逓労働組合として選ばれて、そして仕事の上でも、人格の上でも、はつきり優秀だと言われている人々、そのために仕事の運営が非常に行
つて
いると言われているのでありますが、こういう人に首切りがなされている。これは私は明らかに日本の民主化に反し、労働組合を彈圧するものであると思う。これに対する
大臣
の所見を聞きたい、これが第二点です。 これは先ほど井之口さんも質問されましたが、公務員法の九十八條の問題、これは私は先月
大臣
にお会いしたときに、それから浅井人事院総裁にお会いして伺つたときも、大体あのときに浅井人事総裁は、首を切られてもまだ組合員として認めるという、あれを堅持しているどいうことをはつきり申されたと思う。同じ日に私は小津
大臣
に会
つたの
でありまサ。
大臣
はそれに対する意見が違うと言
つて
おられますが、とにかく
政府
内でも御意見の対立があつたことは事実と思います。ところが、実際においては、その点から團体交渉を拒否されている。八月十二日以降八月三十一日まで、
大臣
は團体交渉をされていた。その間に二
省分割
になりましたけれども、あの全逓には電通
関係
の人も、あるいはそのほか
郵政
関係
の人も、選ばれて出ているわけであります。そういう点から言いますと、やはり
郵政
関係
の人が電通
関係
の交渉もされているし、電通
関係
から選ばれた人が
郵政
関係
の交渉もされている。そういう点で、はつきり電通の
職員
でない人が
郵政
の問題について交渉されているのに対して、
大臣
が應ぜられている。こういう点から言いましても、非常に矛盾があるのじやないか。この点についての
大臣
の所見を聞きたい。あと二、三ありますが、その点のお答えをいたたきたいと思います。
小澤佐重喜
13
○
小澤國務大臣
第一点の御質問の、二
省分割
は局長、課長がどんどんふえて、しかも
定員
法によ
つて
定員
が
整理
されているのでありますから、下の
職員
諸君が非常に労働過重になるじやないかというようなお示しでありますが、
郵政省
は
從來
の
機構
とそうかわりませんで、
電氣通信省
は先ほどから、また前
國会
の
審議
中にも詳細に申し上げた
通り
、考え方がいわゆる縦割——縦に割つた新しい
機構
でありまして、
從つて
局課というものはふえております。しかしながら
從來
の課長あるいは
從來
の係長というように、係長なり課長は仕事をしないで、タバコを吹かして命令だけするのだという考え方は、この新しい
組織
法からは絶対に禁物という立場にな
つて
おります。むしろそういう
責任
者が多く
なつ
たことによ
つて
、
事務
の簡素化ができると同時に、また一般に対する統制も樂になりまするので、現に
本省
では
從來
の係長
制度
というものを廃止しまして、課によ
つて
いろいろ違いますが、課長に対しては五、六人のエキスパートがこれを助けて、そうしてあとその他の
職員
は、タイピスト、給仕以外はいないというふうな、いわゆる精鋭主義に切りかえるというのが、
電氣通信省
の建前であります。
從つて
課長がふえ、局長がふえましても、今田島さんの御心配になるような、他の
職員
に労働の強化になるということは、絶対にないつもりでおります。 それから
行政整理
についていろいろなお話がありました。なかんずくごく優秀な人間を切つたとか、あるいは共産党だけを切つたというようなお話でありまするが、かりに
事務
的に優秀でありましても、公務員としてふさわしからざる行動をとる者は、これはやむを得ないと思うのであります。またこれは井之口君にもお答えした
通り
、また組合員諸君にもお話した
通り
、共産党だから馘首するとか、専從者であるから馘首するというようなことは全然ございません。ただ結果から見てもし共産党が多いというなら——私の方は少しも届けないのでありますから、共産党か何かわかりませんが、もしあなた方が見て共産党が多いというならば、その共産党員の諸君というものは、いわゆる職場撹乱とか、
協力
しないという人が多かつたということを、むしろ実際に物語
つて
おるのではないかと私は思うのであります。それから公務員法八十九條の二項の解釈の問題で、なるほど
一つ
の理屈がありそうな御質問であります。つまり全逓というものは、二
省分割
後は
電氣通信省
と
郵政省
の合同した團体である。この團体のものを受けてお
つて
、しかも馘首後は
職員
でないから組合員じやないのだ、
從つて
團体交渉に應じないということは、この二つの例を見て矛盾しているのじやないか、こういう御質問であります。それは公務員法で御
承知
の
通り
、必ずしも一省一團体ということは
決定
いたしておりません。
職員
でなければできないことは明らかでありますけれども、團体である全逓が二省にまたが
つて
お
つて
も一省であ
つて
も——公務員法を私は深く研究しておりませんが、私の常識では、公務員法ではそういう精神でないかと思います。しかし問題の法律解釈は、新たな問題でありまして、もし私が再度研究をしまして間違
つて
おれば、訂正をいたしますけれども、今の知識では、二省にまたが
つて
一つ
の組合をこしらえても、公務員法はかまわないのだ、ただ
職員
以外の者が入ることだけは禁じてある。こういう趣旨だと思います。
田島ひで
14
○田島(ひ)
委員
從業員の労働強化の点につきまして、
大臣
は今の電通省
関係
は、部課長がふえても労働強化にならないと申されましたが、
郵政省関係
でも非常にふえている。これは今まで
新規採用
をしなかつたという点で、相当労働が強化されている。その上今度の
整理
は、数においては
國鉄
なんかよりは非常に少くな
つて
おりますが、
新規採用
をされない、非常に少かつた。もしほんとうに公共
事業
として仕事を運営して行くなら、何万かの人をまだふやさなければならないと言
つて
いたところに來ております。私は職場に参りまして、部長、局長に職場の從業員を集めていただいた。課長あるいは部長の前で、おそらく普通の常識として、上の人の前でいろんな発言ということはできにくいのです。その前で私が、皆さんの実際の聲を聞きたいと申し上げたときに、そういう中からも相当出ていたのです。ある
郵便
配達の方は、やはりこの局も朝六時に御飯を食べて來る。お書に帰るのは十二時半、どうかするとそれを過ぎてからでなくちや帰れない。今まではあの
郵便
を入れる小さなカバン
一つ
だ
つたの
が、大きなカバンを二つ持
つて
出る。重労働だから、おなかをすかしてとても耐えられない。そういう聲が出て來た。それから
速達
なんかは、特殊
速達
といいまして、これは
当局
としては、首切りをやつた
つて
このように仕事の運営がよく行くようになるのだという、
一つ
の市民への
サービス
を見せるという点があつたかもしれませんけれども、実際見ますと、夜中でも焼跡の非常に困困難な所を
速達
を持
つて
行かなければいげない。それで自分たちはそのために疲れて、労働強化になる。しかも
速達
を持つ行
つて
、夜中にたたいて起すと、受取る方はたいてい迷惑がる。そんな
速達
を夜持
つて
來なくても、明日でけつこうだと言われる。そういうむりが職場に出ている。そういう不平も私は聞いております。実際現場でや
つて
いる人の仕事がそういう
状態
では、
サービス
事業
としてのほんとうの運営はできない。その点で今後の
郵政事業
、あるいは電通
事業
が、はたして円満に行けるかどうか。相当の所で私はこういう声を聞いて参りましたが、なお表向きには言われなくても、内たにはそういう声が出ております。現場の実際の仕事を見なくては、私はわからないと思います。(權能
委員
「あなたは何万の現場のうちたつた十より見ないで、どうしてわかるか。全体を総合して見なければわからないじやないか。」と呼ぶ)この点労働強化の点で、相当ひどくな
つて
いるという点が
一つ
。 それから災害の問題について、先ほどの
大臣
の
報告
の中にも、年々数百億ぐらい損害があるようだと言われました。本年はそれほどにないかもしれませんけれども、やはり何億という被害が出ていると思います。こういう被害が出ます根本は、これは直接には災害によるかもしれませんが、あの電柱なんかも、大体二十年ぐらいでかえなければならないものが、戰爭の当時ほとんど修理ができていなかつた。その後そのままほつたらかしにな
つて
いる。そのために倒れた電柱の中に大きな穴があいていたというように、実際電柱そのものが使いものにな
つて
いないのが相当あります。そういう点からい
つて
、
予算
が削減されていることから、ちよつとした台風なんかでも莫大な損害をこうむ
つて
いる。こういう点は國家の立場から見ても、建設及び補修も十分できないのは、現在の
予算
から來ている欠陥があるのじやないか。 その他福利厚生の問題についても、私は職場の要求を聞いておりますが、この点については
大臣
自身も何とかしたい。この前の
國会
で、自分の腹でこれをやりたいと言
つて
おられます。そういう点についてその後、
大臣
のその腹でやるという福利厚生に対する
予算
を、どこから出されますか。出される可能性があるかどうかという点をもお伺いしたいと思います。
小澤佐重喜
15
○
小澤國務大臣
まあ大体
椎熊
委員
から答弁されたようなことに盡きると思いますが、(笑聲)田島さんがごらんに
なつ
た数箇所にそういう点があることも、私ども否定はいたしません。しかし先ほどから申し上げました
通り
、
行政整理
で多少局の
定員
がでこぼこにな
つて
おります。
從つて
交換手なんかも、
定員
だけそろわない局もおそらくあると思うのであります。そういう点は九月三十日までに、一切の
希望退職者
をも含めて、順次適正な
定員
に直しで行きたいと思
つて
おります。ことに津の
郵便局
を指摘してのお話でありますが、津の問題がどうな
つて
いるかということは、他の機会に調べてこまかく御
報告
申し上げたいと思うのであります。 それから今の電柱の古いものを使
つて
いるというお話、それはその
通り
であります。電柱ばかりでなく、電話交換機なんかも、二十年の壽命のものを二十四、五年使
つて
おりますから、自然一般公衆からも非常な非難を受けております。そういうふうに二十年の壽命のものを、二十三年も二十五年も使
つて
いることは、何に原因するかといえば、結論は補修費なり
建設費
がないということである。ただ電柱も一定の年限のものをとりかえたい。とりかえるのには金がいる。そういう金をどうして生み出すかということから考えますと、できるだけ
職員
諸君もがまんしてもら
つて
、
経費
を節約して、そういう電柱の年限が來たならとりかえる。また自動交換機の年限が來たならばとりかえて、公衆の満足するような
電信電話
事業
、あるいは
郵便
事業
に特
つて
行きたいというので、こうして共産党の諸君から憎まれながらも、
行政整理
をや
つて
いる始本でありまして、要は敗戰の日本のあらゆる
事業
が、こういう
状態
にな
つて
おります。多少はつらいところもありましようが、お互いが忍んで、日本の再建をすることこそ、われわれ日
本人
の大きな
責任
だと考えて、おるのでありまして、どうぞその意味で御
協力
あらんことをひとえに希望いたしまして、私の答弁にかえます。
椎熊三郎
16
○
椎熊
委員
簡易保險
の積立金の問題ですが、最近
大臣
と大藏
大臣
との間には、ある特殊のお約束ができたようにも漏れ聞いておりますが、本問題は
國会
としては非常に重大な問題で、本
会議
の
決定
もございます。
委員会
の全体の意見のまとまつた点もありまするこの機会にそのものの
経過
と現在の
状況
とを承われればけつこうだと思います。
小澤佐重喜
17
○
小澤國務大臣
先ほどの
報告
にも一應
簡單
に御
報告
申し上げておきましたが、この積立金運用を
郵政省
みずからやるということは、
郵政省
の
独立採算制
を
維持
する上からも、一日もすみやかに
國会
で
決定
した
通り
に
実施
しなければならぬ問題でありまして、むしろ今日まで遅れたことは、非常に私の無能を暴露するような形でありましたが、幸いにして閣議にはかけませんけれども、大藏
大臣
と懇談をいたしました結果、すでに両院とも満場一致で
決定
されておるような問題を、今
臨時國会
を開く前に、これが解決をつけないでおるということは、お互いの
責任
であり、また
政府
の問題であるから、この際小さい議論を捨てて大道について、無
條件
で私の方に讓
つて
くれないかということを、大藏
大臣
に懇談いたしましたところが、大藏
大臣
も何のりくつもなく、無
條件
に私の主張をいれてくれまして、そうして面相でこの話が
決定
しましたので、さらに
事務
の方に移しまして、
事務
次官
同士の交渉をした結果、大体向うへ懇請する文章等も出ております。ことにこの問題を当初大藏省に移管した問題が、デイレクテイブで出ておるから、普通の扱いと多少異
なつ
た扱いをしなければならぬというので、
事務
的な扱いも大体きよう報曽によりますと、
次官
同士の話合いがついて、この次の次の閣議あたりにこれを出しまして、正式に
連合軍
に日本
政府
の意向、あるいは
國会
の意向を添えて、すみやかにこれが実現するように
努力
する考えでおります。
椎熊三郎
18
○
椎熊
委員
次は放送法案の問題ですが、私、よそで放送法案の草案を見せられたのですが、当
委員会
には配付にな
つて
いないようです。提案の理由というのはあるのですが、草案そのものが來ていないので、それを
一つ
いただきたいのですが……。
小澤佐重喜
19
○
小澤國務大臣
実はきよう皆さんに御配付して、あらかじめ御研究願
つて
おきたいと考えてお
つたの
でありますが、
事務
の方が間に合わなかつたために、二回日中にお手元まで配付するそうです。ただここに申し上げておきたいことは、この放送法案と電波管理法案は、まだ各省との意見が一致いたしておりません。ほんとうの
電氣通信省
の草案だとお考ええ願
つて
、御研究のほどを願いたいと思います。
椎熊三郎
20
○
椎熊
委員
それならば非常にいけないと思うのは、二週間ほど前に私はよその機械で草案を見せられたのです。そういうまだ閣議でもきま
つて
いないというような問題が、ある種の特定の政党にはわか
つて
いるというような
状態
は、当
委員会
としてもはなはだおもしろくないことである。とりあえずこの
委員会
が知
つて
いないくらいでは、われわれも恥をかきます。そういうことは
政府
においても十分御考慮願います。
小澤佐重喜
21
○
小澤國務大臣
これはおそらく民自党の政調会長から
要望
がありまして、未定のものでもいいから参考に一部貸してくれというので、佐藤君に一部だけ渡してあります。
椎熊三郎
22
○
椎熊
委員
ですからわれわれにも一緒に出してください。
小澤佐重喜
23
○
小澤國務大臣
いつでも出しますが、特に研究したいからという
要望
がありましたので、一部出しております。
從つて
その機会を逸せず、最初の機会に差上げたいと思
つて
、きよう用意したつもりでお
つたの
ですが、
事務
の方で間に合わなか
つたの
ですから、あしからず御了承願います。
飯塚定輔
24
○飯塚
委員
電氣通信省
の建設勘定の百九十二億というのは、戦災の
復旧
に主として充てられるのでありましようか。
地方
の新設等に関する問題もこれにお含めにな
つて
おられるか、その点お尋ねいたします。
小澤佐重喜
25
○
小澤國務大臣
この百九十二億の内訳を申し上げますと、見返り資金から百二十億、終戦
処理
費から二十一億、減價償却の方から四十八億、合計百九十二億にな
つて
おりまするこれはもちろん戦災の
復旧
も含んでおりますが、新設も両方をひつくるめて、建設勘定として出しておりますから、両方に併用されております。
飯塚定輔
26
○飯塚
委員
そうだとすれば安心ですけれども、先ほど田島さんのお話にもあるように、電話をかけるよりも歩いて行つた方がいいというような
地方
の
実情
、そういうのがたくさんありますから、その点十分御考慮の上、建設の健全化をはか
つて
いただきたいと思いまする
小澤佐重喜
27
○
小澤國務大臣
なお御了解だけ得ておきますが、これで満足しているのではありませんけれども、大体
電信電話
に関する限りは、今年一ぱいぐらいで戰爭前と同じような率になるのであります。ではなぜ戦爭前よりも
サービス
が惡いかということは、御
承知
のように
連合軍
の方で相当專用線を使
つて
おりますので、そういうことにな
つて
おりますが、私どもはそれを
連合軍
が使用しても、なお戦前と同じような
サービス
をするまでに
努力
したいというつもりで、一生懸命がんば
つて
おります。
井之口政雄
28
○井之口
委員
二つばかり
大臣
にお聞きしたい。先ほどの
委員
からもお話がありまして、希望
條件
として労働組合が政治上の通勤をするのはおもわしくない。共産党が大分そこにタツチしておるというようなお話でしたが、極東
委員会
決定
の労働組合十六
原則
の第六條の「労働細事合は政治
活動
に参加し、または政党を支持することを許される」という項目があるのです。これに対して
大臣
はどうお考えになるか。こういうことは実行せぬでもいいか、またこの規定は誤りだというふうにお考えになるか、その辺ひとつ明らかにしてもらいたい。 それからも
一つ
見返り資金から百五十億の金が入るわけですが、それは現在どれくらい入
つて
おるか。また今年中に——今年から來年までに使うわけでしようが、それは十分やり得るのでしようか、どうでしようか。それからそれの償還というようなものの
見通し
が、どんなふうにつくものであるか。おそらくこれは負債となる性質のものだろうと思いますが、もしそういう外國の負債が
通信事業
にどんどん入
つて
來るとすれば、それの將來に対しても
大臣
のお考えはどんなふうにな
つて
おるか、ひとつこれを聞いておきたい。
小澤佐重喜
29
○
小澤國務大臣
理事
会の規定にそういう点があるということは聞いておりますが、まだ親しく研究したことはございません。およそ私の考えでは、
理事
会の
決定
もさることながら、それを前提として日本には日本の法律がありますので、要するに労働組合法、あるいは公務員ならば公務員法、あるいは公共企業体労働組合法というものの、法律の精神に
從つて
解釈すべきものだと考えておりまして、
從つて
公務員の政治
活動
の範囲ということは、一定の條項があ
つて
、人事院の規則できめるということにな
つて
おりますから、この規則の範囲を越えてはいけないのであ
つて
、その範囲内の政治
活動
ならばいいと思
つて
おります。 それから百九十二億の問題でありますが、これは第一・四年期におきまして十五億、第二・四半期におきまして約二十五億、四十億が現金にな
つて
おります。
從つて
事業
というものもその範囲で進んでおりますし、
年度
末には
予定
通り
百九十二億全部を使い果しまして、すなわち工事を竣功いたしまして、普通電話が六万七千個、
接続電話
が三万個、自動電話が三千個を
予定
通り
進行させるつもりでおります。
井之口政雄
30
○井之口
委員
そうすると、極東
委員会
の十六
原則
は拘束力はないもので、これに対して
大臣
の方では全然
責任
を負わないというわけですか。 それからもう
一つ
、見返り資金が負債だといたしますれば、その負債の償却の
見通し
があるのかないのか。きわめて短期の負債償却をしなければならぬのか、長期で今から十年もかかるものなのか、その辺をひとつ伺いたいと思います。
小澤佐重喜
31
○
小澤國務大臣
極東
理事
会の規則に全面的に拘束ざれるかどうか、あるいは日本の法律との
関係
でありますが、それは先ほど申した
通り
、極東
理事
会の
決議
そのものを私は正確に研究しておりませんけれども、あなたの読んだところによりますと、政治
活動
ができるということは、要するに日本で定めた法律の範囲内でできるという意見で、必ずしも矛盾しておるとは考えていないのであります。
從つて
日本の公務員法、あるいは労働組合法、その他公共企業体労働
関係
調整法の範囲内でのみ、政治
運動
ができるのだと考えておりまする なおこの百二十億の償還方法の問題ですが、これは利率は五分で、償還期日は十五年であります。
從つて
利息の計算も明
年度
から行われますし、償還金は償還
計画
を立てまして、五分の利率で返すような計算で現在進んでおります。
田島ひで
32
○田島(ひ)
委員
ただいまの井之口さんの御質問に対して、
大臣
の見解といたしましては、馘首者に対してはこれを組合員として認めないが、しかし法律の解釈といたしましては、專門の法律学者の間にも異論があります。現在全逓の
中央委員会
が開かれておりますし、來る十月には大会も開かれるが、下からの民主的な選挙によりまして馘首者が幹部として選ばれましたときには、それに対してとのような処置をとられるか、これが
一つ
。 それから先ほどの私の質問に対しての
大臣
のお答えは、はつきりしない点があります。たとえば
希望退職者
を押えておいて、首切りをしたいという点に対するお答え。また不正幹部が相当あつたが、これをなぜ馘首者の中に入れなかつたか、入れれば多少でも馘首を減らすことができる。これが第二点。 それから彈圧の点につきまして、共産党が撹乱したとか何とか言われましたが、第一首切りの最初から
警察
と結託して、
警察電話
を引いてや
つて
おられた。現在でも私の見ました職場などでは、組合の
事務
所はほとんどとられまして、ある所では、ここに
事務
所がございますと
説明
されましたが、そこには旗が一本立
つて
いるだけで、組合員の幹部はいない。前の首を切られた人が入
つて
來ると、まるで監獄から出て來たどろぼうか強盗でも來たように、局長が、出て行け、出て行かなければ
警察
を呼ぶぞという態度をされる。先ほど自分は親として、今度の首切りに対して血を見るようなことはしたくなかつた。それから首を切られても、共産党員は非常にさつぱりしていて覚悟をきめていたが、あとの者はめそめそしていて、見ていられなかつたと言われております。しかし今まで從業員として仕事をしていた人に対して、犬かねこのように、
警察
を呼ぶぞという態度をと
つて
おられる。こういうようなことは、もちろん
大臣
の命令でしておられるのではないでしよう。私が馘首者を秘書代理として連れて行つた。そうするとそこの
業務
長が、私は入
つて
もよいが、相手はいけないと言う。なぜかというと、氣に食わぬと言う。何が氣に食わぬかと言うと、首を切られた人だから氣に食わぬという。秘書の発言に対してかれこれ言うならともかく、そういう態度をと
つて
いる。私が愛知縣なり三重縣をまわりました範囲内では、そういうことをたくさん聞いております。そうして
政府
自身が今度の首切りを強行するために、
警察
と結託して挑戰して來ている。挑戦の結果、若い人々が個々の問題で逸脱した点があつたとしても、それは
政府
の
責任
である。こういう点からしても、
政府
自身のと
つて
いる態度は、共産党に対する完全な挑戦であると言わざるを得ない。それで
政府
の共産党彈圧の点、馘首者に対して強盗扱いをされておられる点、不正幹部の点、十月の初めには全逓の大会がございまして、そこで下から選ばれて馘首者が再び幹部として出て來ると思いますが、それに対する
大臣
の所見、これを伺いたい。
小澤佐重喜
33
○
小澤國務大臣
まず
整理
の問題でありますが、
政府
の公務員法に対する解釈は、馘首者は組合員たることを得ずということが既定
方針
でありますので、かりに馘首者が再び全逓の幹部として選ばれて來ましても、これは組合員とは認めません。
從つて
交渉には應じません。 それから
希望退職者
をむりに押えていたというお話でありますが、こういう
希望退職者
をむりに押えていたという事実はないのであります。もしあつたとすれば、何のたれそれということを言
つて
いただけば、依願免職の辞令を出します。 それから不正幹部云々のお話でありますが、不正幹部については、全逓から、二、三十の項目をあげて、不正の事実を指摘して参りました。
從つて
私といたしましては、これを監査
委員
なり、
監察局
に命じまして、厳重処分して、いやしくも全逓が言うような不正事実があつた場合におきましては、
行政整理
には
関係
なく、懲戒免官としてどんどん首を切りますから、御安心を願います。
椎熊三郎
34
○
椎熊
委員
これは
大臣
に対する質問でも何でもないが、特にあとで発言せよということであるから、あなたはお忙しければ行かれてもけつこうです。私は今日の議会に席を持
つて
いる共産党の議員などが、首切りの問題でこういうときに発言できる資格があるとは思
つて
おらぬのです。それはすぐる第五
國会
における第三回目の会期延長の際、
政府
から二日間会期を延長してもらいたいという要請があつた。当時衆議院においては、
政府
提案は多数の力によ
つて
通過して参議院に回付され、参議院には六十四件
審議
未了の案件がありました。
政府
は早朝から参議院に働きかけて、ことに小澤
大臣
のごときは、参議院の運営
委員会
などに行
つて
かなり奔走されたけれども、その日一日で六十四件が通過するということはむりだ。そこでその日の午後六時、幣原さんのところに
政府
から官房長官をも
つて
、会期二日間の延長の申出があつた。われわれはそれを承
つて
、党議をまとめるために、まず先に野党各派の協議会を聞いた。これには共産党も入
つて
、聽濤君が代表として來て、社会党の幹部室で数時間にわた
つて
協議をした。われわれは
政府
の怠慢と無能とをも
つて
、これ以上会期を延ばすことには賛成できぬ。ひとまず打切るという野党の考えであつた。六十四件の
審議
未了の法律案の中には、諸君が今盛んに論じておる
定員
法が入
つて
おる。われわれは
定員
法はまつこうから反対なのである。
行政整理
には反対ではなかつたが、このような時代に、不用意な環境において首切りをなすということは、祉会不安を助成するもとであ
つて
、適正ではない。そういう意味からわが党は反対だ。共産党はもう三、三年前から首切り反対で、赤旗を立て、議会をとりまくほどのデモストレーシヨンをやつた。社会党も新政治協議会も反対です。ところで
定員
法反対という結論で一致しておるのだから、きよう二日間の会期延長を通過せしめることができないならば、首切り法案は
審議
未了になる。
審議
未了になれば
國会
はそれでなくなる。民主自由党は二百六十九名の絶対多数であるから、やがて
臨時國会
を開いて、再びこれを出して押し切るではあろうけれども、その間には相当の時日を要する。少くとも
臨時國会
というものはそう
簡單
には開けない。現にわわわれが八月二十日の期限を切
つて
内閣に要請しても、いまだに開けない。これはもう十月末になるでありましよう。あるいは十一月になるかもしれない。そうするとあの日二日間の会期延長というものを打切
つて
さえおけば、少くとも六箇月後でなければ
臨時國会
は開かれぬことになります。
國会
が開かれてから
定員
法を再び
審議
すれば、相当の
審議
の期間を要します。それが確定してからでも、おそらく一年近い間実際の首切りというものは
実施
することができないだろう。そういうところから私どもは首切り反対なのですから、これは反対しよう。そうして本
会議
が開かれたのは、夜の十時十分です。その五分前まで社会党の部屋で、われわれは共産党も交えて約束した。断じて方法がある。それは私どもはすべて
議長
の起立採決に反対をして、投票をも
つて
決定
するという議会運営上の技術を、
國会
法に基き、議事規則に基いてやるならば、定数さえそろえておけばそのことはできる。この
一つ
の議案を
決定
するまでに、私の計算をも
つて
すれば四回堂々めぐりができる。堂々めぐりは、この前のように何時間も、妨害的な投票はできないような、
議長
の制限宣告ができますが、それでも最低限度三十分はかかる。四回やれば二時間です。それをやれば十時十分に始まつた本
会議
は、十二時までには終りはしない。そうすると
政府
の六十四件はお流れになる。お流れになれば
定員
法はなくな
つて
しまう。そのことをよく聞かしたら、共産党も賛成した。議場に入
つて
みれば、三名の共産党がいただけで、三十何名入るというのがほとんどいない。それはどういうわけかというと、民自党の石田博英君と、立花君の徴罰問題で取引をや
つて
いた。あんな者は除名にするという民主自由党の意見だが、われわれの党派でも、除名は少しかわいそうじやないか、登院停止ぐらいでよかろうと言
つて
も、何せ民主自由党は絶対多数だ。それで除名するという。それをまた石田博英君が持
つて
行
つて
除名するところだが、一固月登院停止に負けてやるから、きようは議場に入るなという。徳田球一君はそれを
承知
した。そうして逃げた。そのために会期二日の延長は、野党の作戦が破れて、一瞬にして通過した。そのために
定員
法が通過したのじやないか。君らはいまさら
定員
法が惡いのだと口で言えた義理ではないじやじやないか。日本の労働者十六万人を首切つたものは、春秋の筆法をも
つて
すれば、卑怯未練なる共産党の現在議席を持
つて
おる連中だ。彼らの惡辣なる行動によ
つて
、そうして大衆を欺瞞し、勤労大衆をごまかして、いかにも首切り反対を装
つて
、ただ一人立花何がしの首をつなぐために、十六万労働者の首を切つたものは君らじやないか。そんなことを言うくらいなら、なぜわれわれを裏切
つて
不信の行動をなしたか。それで君らは労働組合の人に申訳ができるか。このことは本
会議
でも考査
委員会
でも言つたが、反駁ができないじやないか。やつたことはその
通り
じやないか。こんなことはむし返したくはないけれども、あとで言えと言うから言つた。事実はこういうことです。二年も三年も赤旗をひるがえして首切り反対なんて言
つて
も、法案をつぶすかつぶさないかのせとぎわに行
つて
、通す方に賛成した。翌日運営
委員会
で榊山君が、石田博英君から昨夜はどうもありがとうとお礼を言われたじやないか。共産党はそういうことをや
つて
いる党派です。御了承願います。
辻寛一
35
○
辻委員長
大臣
に対する御質問はありませんか。松本君。
松本善壽
36
○松本(善)
委員
先ほど
大臣
からるる御
説明
願つたように、大体
郵政省
主管に関しまするところのあり方は、私たちが
通信
料金
の値上げに関して、今後その収入の
状況
いかんということに対して幾分懸念を持
つたの
でございますけれども、実際面にあたりましては大体その収入においては順調に行
つて
おりまして、当初
予定
を立てましたいわゆる減収予想としての三割を見込んだのでありまするが、こういうような線は、われわれが
調査
した
状況
から行きますと、大体妥当なあり方だと考えた次第でございまするただ
椎熊
委員
が言われたような
郵便貯金
、あるいは
郵便年金
に関する積立金の運用
状況
、これも懸念してお
つたの
でございまするが、ただいま
大臣
からの御
説明
によ
つて
了承いたしました。それから第六
國会
において提案されんといたしまする電波法、放送法に関しましては、まだ要綱だけでありますので、これについては第六
國会
において深く
審議
されると思いますが、それに先立ちまして、私たちといたしましても、あるいは第六
國会
以前、またはそのときでもよいと思いますが、電波
関係
その他について、外國から帰
つて
來られた網島君の御
説明
も、われわれ論議する上において非常に参考になるのじやないかと思いますので、第六
國会
あるいはそれ以前において、そうしたものの聽取会というものを開いていただいて、そうして完全なるわれわれの
審議
の
任務
を全うしたいと考えております。 次に
警察電話
等に関する法律案も、第六
國会
において提案される
予定
に相な
つて
おると思うのでありますが、この点については先ほど
大臣
が言われたように、われわれといたしましても、こういうような
地方
財政のあり方を
決定
するということでありますし、かつまた現在の
経済
状況
、あるいは今後進むべき
経済
あるいは秘制の政策上からいたしましても、
地方
財政における負担というものは、今後いやが上にも高まるような傾向があるごとくに推察いたしますときにおきまして、多くの
準備
なくしてこの法律をとりきめるというやり方については、私もひとまず注意を喚起したいという考えを持
つて
おるのであります。これは私の希望でありまするので、御答弁は願わなくてけつこうでございます。先ほど
椎熊
委員
、田島
委員
、井之口
委員
からお話がございまして、その党を代表されてるる申されたようでありますが、民主自由党としてのわれわれの考えといたしましては、もちろん過去に論斷せられましたところの
定員
法については、これ以上私たちが言う必要はないと思うのであります。大体私たちが今回
地方
関係
の視察を行いました際におきましては、なるほど共産党的な考え方をも
つて
見ますると、納得できぬのでありまするが、日本が今後再建途上において事を論断せんとするときにおきましては、私たちは三
委員
の意見に対しては反対でございます。一例を申しますると、
郵便局
の方々について、田島
委員
からお話がございましたが、
郵便局
の配達をしておられる方々の御苦労は、考えるに余りあるものでありますが、しからばどういう勤労感というものを持
つて
おられるかということに懸念を持つたものであります。彼らはいわゆる積極面というものを考えておられないので、仕事の消極面というものを
重点
的に考えておられるように私考えております。なぜなれば配達をなさるという方、二十二歳と思いましたが、私がお開いたしましたところ、つまり仕事の分量さえ減らせばよいのだ。人よりも多く與えられているから、非常に仕事がつらいのだ。しからばどうしたら仕事に興味が持てるかと尋ねますと、仕事をもう少し減らしてもらいたいのだ。なるほどその
通り
だ。私もその点は実に納得のできる点で、少い労働にしなければならぬというのは普通であります。しかしながら日本が占領治下にもありますし、また
独立
の態勢にもない今日におきましても、いわゆる與えられた範囲内においても仕事を十分になすというか、いわゆる勤労観というもののあり方が、すでに違
つて
おるのではないかと思います。從いまして他の人に聞いてみますと、私は人よりも朝三十分も早く來た。そうして配達の仕訳をやる。そうして人よりもおそく帰
つて
來る。しかしそれでは
サービス
になならぬではないかというと、いやそうではありません。
速達
とか電報という際には、忙しいときは他の公務員、電報配達ならば
速達
を頼んでやる。それ以外の仕事までも私は引受けておる。すなわち仕事の緩急に應じて、
速達
などはついでがあれば電報配達の方々に持
つて
いたたく。特殊な方々に頼む。そうして
郵便
配達の
サービス
改臭をや
つて
おるという話を聞きましたし、また一方では、先ほど伺いましたようなお話があります。しからばあなたは党籍はどうでありますかと尋ねますと、私は共産党であるという。なるほど共産党の方々は、仕事は消極的な分野から考えておられる。これは一例でありまして、すべての共産党の方々がそうであるとは申しませんけれども、私が大体体驗いたしましたるところによりますと、そういう
状況
でありましたので、考えのあり方がすでに違
つて
おるから、そういうことになると思うのであります。もちろん田島さんの言われることも、井之口さんの言われることも、あなた方としては当然の考え方であろうと思うのでありますが、しかし少くとも私たちの考え方といたしまして、今度の
定員
法——あなた方のいわゆる首切りという問題については、当初において紳町君がおれの應援だというというような姿で、非常に
大臣
をしか
つて
おられたそうでありますが、少くともこの逓信從業員につきましては、どうしても他省と異
なつ
たところのあり方でやらなければならぬということは、私も愛党の精神から、あるいは
政府
を鞭撻する意味において、私の意見を申し述べてお
つたの
でありましたが、私たちが予想する以上に、実に腕のさえを見せてくださいまして、われわれとしては、いわゆる國民の代表たるわれわれとしては、非常に感謝しておるのであります。今後も行われるかもしれないところの
行政整理
、これは新聞紙上に伝えられたところでありまして、
大臣
はないと申されておりますが、もしもそういうことがあつた際におきましては、田島議員も申されたように、
新規採用
はほとんど停止しておる。ことに二万五千という数字もあるようであります。そういうものを一方に押えておいて、そういうものがはたしてよいかどうかということにつきましては、今後
大臣
におかれましても、よい者はどしどし雇
つて
、惡い者、いわゆる能率的なあり方において惡い者は、どしどし新陳代謝を行うというのが、当然考えらるべき問題ではないかと思うし、かつまたそういうようにいわゆる首切りというような、消極面にのみ仕事を持
つて
行つた際には、決して逓信
事業
は再建することはあり得ないのであ
つて
、今後のあり方としては、一億逓信は、特別会計としての新発足に際しましては、積極的なる面を強調していただいて、少くとも仕事に
協力
しないような者の泣きごとを採用し、聞いておくということは、將來の逓信
事業
に対してあやまちをするものであるということを、一言私の意見を申し述べさせていただきたいと思います。従
つて
意見でありまして、
大臣
の御答弁は求めないことにいたします。
小澤佐重喜
37
○
小澤國務大臣
答弁ではありませんけれども、今井之口君の質問に対して私が答えたことを、ちよつと誤解されておるようであります。第二次、第三次の
行政整理
があるかないかという井之口さんの御質問に対して、現在まで私は聞いておりませんと申したのでありまして、やりませんという意味ではありませんから、その点誤解のないように願います。いろいろおほめにあずかりまして、ありがとうございました。
辻寛一
38
○
辻委員長
久しぶりの
委員会
でありますから、御意見も伺いますが、まず本筋の、特に
大臣
に対する御質問がありましたら、お済ましいただきたい。
田島ひで
39
○田島(ひ)
委員
四号俸の問題を先月ちよつと
大臣
にお会いして伺いましたが、その後どのように是正されつつあるかお伺いいたします。 それから特殊勤務手当が二九〇〇円べースにな
つて
いるから、六三〇〇円べースにかえていただきたいという要求が、従業員から起
つて
おりますけれども、これはどうな
つて
おりますか。
小澤佐重喜
40
○
小澤國務大臣
この問題は昨年の規格の変更から、各省間にでこぼこが起りまして、内閣といたしましては給與
審議
会長である官房長官と、次長の今井君も考慮いたしまして、日本
政府
の考え方は統一して、私の方の省の
関係
は四級何がし上ることに一致したのであります。ちよつと速記を止めてください。 〔速記中止〕
白根玉喜
41
○白根
説明
員 特殊勤務手当につきましては、政令の範囲内におきまして今や
つて
おるのですが、なお多少足らない向きがございますので、ただいま
関係
の方面に交渉中でございます。
田島ひで
42
○田島(ひ)
委員
それから人員が足らなくな
つて
、先ほどから労働強化ということが言われておりますが、休暇がとれなくな
つて
、六十一人の職場で九百六十五日かの休暇が余
つて
いるというのです。結局人員が足りないから、とりたくてもとれない。それを來
年度
にもらえるか、もらえないかという要求、これは一例ですが、相当そういう声が起きております 〔
委員長
退席、飯塚
委員長
代理着席〕 それから生理休暇の問題です。これを
最後
に伺いたいと思います。労働
基準
法では生理休暇をはりきり規定しておりまするが、今度の
定員
法では人員が足りないから、実質的にはまつたく生理休暇はとれなくな
つて
おる。
事務
の方なんかはおとりにならなくてもいい方も相当あるかもしれませんが、先ほど言いましたように、電話交換手などは、年柄も変調期であるし、仕事にも動けなく
なつ
たりして、相当からだに
影響
する。こういう問題なんかは、今後どういうふうに
処理
されますか。これに対する声も非常に高いものですから、お答えを伺
つて
おきたいと思います。
大野勝三
43
○大野
説明
員 御
承知
のように生理休暇の問題は、非常に專門家の間にも議論がある問題です。つまり生理休暇というものは、必ず與えなければならないものかどうかという点についても、論議があるわけです。しかし実際生理に非常に困難を感ぜられる人もあるし、比較的軽微に済む人もあるというような
状況
で、非常に生理困難の方については、これは有給でお休みになるのは認めざるを得ませんし、認めるべきです。ですから現在はそういうやり方をしております。一律に生理休暇を與えるというやり方はと
つて
いない、こういう
状況
であります。
田島ひで
44
○田島(ひ)
委員
慰労休暇の問題を御返答いただきたいと思います。慰労休暇もとれない人がたくさんありますが……。
大野勝三
45
○大野
説明
員 慰労休暇は、御
承知
の
通り
事務
にさしつかえない限り、差繰りして與えるという建前であります。それで
事務
にさしつかえない限りは與える趣旨ですが、最近では年次二十日の休暇を全員に與えるということは、非常に困難にな
つて
おることは事実でございます。
田島ひで
46
○田島(ひ)
委員
それが今
年度
でとれなかつたら、來
年度
にもらえるかどうか、そういう点はどうなんですか。
大野勝三
47
○大野
説明
員 それは持越しはいたしません。
田島ひで
48
○田島(ひ)
委員
そうすると、結局実質上はとれない。人が足りないからとれないので、これはとりたくても慰労休暇なしに
なつ
たという結論になります。生理休暇も慰労休暇も、実際は全然ないという結論になるわけですね。人が足りないからとれない、こういう点はどうですか。
大野勝三
49
○大野
説明
員 必ずしもそうではないのです。生理休暇にいたしましても、慰労休暇にしましても、仕事の差繰りが絶対につかないということはございません。ですから差繰りのつく限りは、休暇は與えられるのであります。ただこれが、たとえば週休制のごとく、
制度
的に與えられるものは、休暇要員というものは
定員
的にも見てありますので、これは、確実に一週につき一日の休日というものは與えられますけれども、それとやや性質を異にするものですから、そのように一律には参りませんが、しかし絶対に慰労休暇なり、生理休暇はないということはございません。ことに生理休暇につきましては、ただいまも申しました
通り
、実際お困りになる方はお休みにな
つて
も、給料は差上げるということで、実際適用しておるのでございますから、その点は実際問題としてぐあいよく
処理
できておるものと考えております。
田島ひで
50
○田島(ひ)
委員
私の聞くのは、
定員
法で、実際とれなくな
つて
おるというのです。それに対しで結局ないということを、
当局
として認めるという結果になるのですが、慰労休暇だ
つて
、これは認められておるけれども、実際人が足りなくてとれないということにな
つて
おるのですが、それに対する御返答なんです。結局は慰労休暇も生理休暇も認められておるが、実質的にはなくな
つて
おるという結論になる。
大野勝三
51
○大野
説明
員 先ほど申し上げたので、大体御了解願えたと思いますが、ただ慰労休暇等の性質が、週休制の休日のごとき性質のものでないということを御了解願えれば、自然話はおわかり願えると思います。
田島ひで
52
○田島(ひ)
委員
最後
に私は今の
椎熊
さん……。
飯塚定輔
53
○飯塚
委員長
代理 ちよつとお待ちください。まず質問だけを済ませたいと思いますから、
大臣
と政務
次官
はおりませんが、
両省
の
事務
次官
以下
事務
当局
がずらつと並んでおりますから、御質問がありましたらそれを済ましてから……。御質問ございませんか。 〔「ありません」と呼ぶ者あり〕
飯塚定輔
54
○飯塚
委員長
代理 それでは次に先ごろ承認を得ました國政
調査
に基きまして、関東、東北、北海道班、中部班、九州班の三班に、
委員
を派遣いたしたのでありますが、ただいまより現地
調査
の
報告
をしていただきます。
井之口政雄
55
○井之口
委員
この
報告
書の内容もまだ檢討しておりませんし、この
報告
書は非常に重要だと、こう思う次第であります。それで今すぐここにかけてこれを
審議
するといつたところで、この内容は三班にもわた
つて
おることでもありますし、一應この案をあらためて檢討いたしまして、日を新たにしてこれを
審議
するということにしたらどうかと思いますが……。
飯塚定輔
56
○飯塚
委員長
代理 これはただ
調査
の
報告
でございまして、別に御
審議
をいただくわけではございません。それでもしよくお読みをいただきまして、何か
当局
に質疑なりがあるというような場合になりますならば、またそうした機会も
理事
会等に諮
つて
得たいと思
つて
おりますけれども、ただいまはただ
報告
だけでございまして……。
井之口政雄
57
○井之口
委員
報告
でありますために、それに自分らは
調査
員として参りまして、そうして自分らの目でも見、聞きもしたわけでありますが、起草にあずか
つて
おりません。そのためにこの中に何が書いてあるか、十分檢討するひまがない。これは
政府
委員
において十分
審議
して書かれたものだろうと思うのでありまして、非常に大部なもので内容が充実しておりますから、あらためてこれは研究した上でこの
報告
書を……。
飯塚定輔
58
○飯塚
委員長
代理 ただいまから御
報告
を願うのは、班長の意見なんでございますから、これに対しましてもし実地に御
調査
いただいた
委員
の方から、その
報告
に対して御
異議
がありますれば、また少数意見として承ることにいたしますが、とりあえず班長からの御
報告
を求めることにいたします。
井之口政雄
59
○井之口
委員
これは班長個人の意見でございますか。
調査
團の
報告
書でございますか。班長個人の意見でございましたならば、それを聞きおくという
程度
で、あとで意見を述べることについても、また日をあらためてやることにしますが、少くとも
調査
團の意見としてこの
報告
書が出されると思いますから、この
調査
に参画した人々は
責任
を持たなければならぬ。
飯塚定輔
60
○飯塚
委員長
代理 班長といいます以上は、個人ではございませんけれども、何しろ休会中でありまして、実地においでになりました方々全部と、お打合せをするいとまもなかつたわけでありますので、その点につきまして、それは班長の個人の意見にわたるわけであ
つて
、派遣
委員
としてはさような
報告
は困るというような御異論がありますれば、これはやはり後ほど承ることにいたします。そういう機会は十分お與えいたします。
井之口政雄
61
○井之口
委員
そうするときようのは、班長の個人の私案であ
つて
、それを一ぺん出してみて、それであとで各
委員
がこれに意見を述べて、そうしてもう一ぺん
報告
書をまとめ直す、こういう意味ですか。
飯塚定輔
62
○飯塚
委員長
代理 班長が総合した意見でありますが、一々派遣の
委員
について、詳細な分にわた
つて
までお打合せすることができなかつたわけでありまして、大体班長といたしましてはこれが総合的意見という見地に基いて、
報告
いたしておるわけでありますから、実際におきましてその詳細にわた
つて
報告
に漏れておる点があるとか、あるいは多少の食い違いがあるとかいうような御感想を、実際においでに
なつ
た
委員
の方がお持ちになるならば、その点につきましてはまた追
つて
少数意見として御
報告
をいただきたい。
井之口政雄
63
○井之口
委員
これは詳細にわた
つて
の御相談がなか
つたの
はもとよりでありますが、大体にわた
つて
のこの
報告
書についての御相談がまだないのであります。これはここに來て初めて見たんです。こういう
状態
でありますから、これでは今の
委員長
の御意見は違うのではないか。
松本善壽
64
○松本(善)
委員
井之口
委員
はこの
調査
に関するところの、いわゆる打合せ会にはおいでにな
つて
おられないから、こういうことはお知りにならぬのは当然だと思います。大体この前、田島
委員
は
理事
であられるので、一應は
理事
会において相談した
事項
であります。 〔飯塚
委員長
代理退席、
委員長
着席〕
理事
はまたその党を代表しておられるというあり方から考えまして、小
委員会
において大体こういうふうにするということは、お打合せに
なつ
たはずでありますから、一惡その点御了承願いたいと思います。
田島ひで
65
○田島(ひ)
委員
それは少し話が違うと思います。私は
理事
会に出まして、今度の
委員会
を開くことを申し出まして、
委員会
は國政
調査
の
報告
を議題として、
委員会
を開くという点について話し合つたと思います。國政
調査
の結果のことについて、
報告
書のことについては伺
つて
い事なか
つたの
であります。
辻寛一
66
○
辻委員長
ちよつと速記を止めてください。 〔速記中止〕
辻寛一
67
○
辻委員長
それでは速記を始めてください。ただいま申し上げました派遣
委員
の
調査
報告
は、本日はこれを取消しまして、追
つて
後日にいたすことにいたします。
田島ひで
68
○田島(ひ)
委員
定員
法の問題でありますが、
定員
法を通したのが共産党で、民自党の政策に対峙して反対されたのが民主党派であると申されて、なかなかはなばなしい議論をや
つて
おられたのですが、しかしこれは民自党と民自党に対峙した民主野党派の、目くそ鼻くそを笑うというたとえもありますから、まあそういう
程度
のものと思
つて
聞いておきますが、とにかくたいへん卑劣な話であ
つて
、それに対して私どもはやはり一言速記録の上にとどめる必要上、ここでお答えをしたいと思います。といいますのは、
定員
法に終始一貫反対したのが共産党であるということは、これはもう労働者自身が認めておる。労働階級が認めておる。これが一番の証拠だ。これは
定員
法が出る前から、われわれは院内、院外を問わず、大きな力とな
つて
反対して
参つたの
であります。そして御
承知
のように二十一日の夜中の三時に、
定員
法は通過いたしましたが、この先議会でのわが党の代表の反対、それから質問は、速記録、公報に出ておりますから、歴然としております。二十三日まで二日延期したときに、共産党が與党側に賛成して議場に出なかつたから、これが通つたということを、議会後に民主野党派の方、あるいは社会党の左派まで含めて、一緒にな
つて
共産党攻撃のたつた
一つ
の手としてお
つたの
であります。名古屋では徹底的にこれが官伝されていて、私は驚きました。あのときは御
承知
のように社会党と共産党がはつきり話し合いまして、あの晩私は十時ちよつと前までおりましたが、そのときわれわれは三十五名いたわけではありませんけれども、何でもあのときは
定員
に八名ほど足りなかつたために、議会内の規定に違反して、
審議
ができないと言われたのです。ところがわれわれはあの時社会党と話し合
つて
、今晩は十時近くまで、もんでいたけれども、本
会議
に出席しない。おそらく民主自由党だけでは本
会議
は開かれまい。また開かれる可能性はないし、開いたところで自党だけで
決定
することはあり得ない。また
定員
にも満たない。だから引上げるということをはつきり社会党と約束いたしました。ところが社会党こそがそれを裏切
つて
、民自党の政策に乗
つて
、ずるずると議場に出てしまつた。あのとき私は十時少し前までおりましたが、運営のための人だけ二、三人残しておいて、退場したのです。そういうわけで、御
承知
のようにあの晩参議院ではわが党の代表が、
國会
が済んだあとで除名処分になるほど、徹底的に
定員
法に反対をしたのです。むしろ社会党自身が、共産党との公約を裏切
つて
、こちらに話さないで、ずるずるべつたりに引きずられて行
つて
、本
会議
場に入つた。こういうわけである。社会党は、共産党が民自党と一緒にな
つて
、廣川弘禪と一緒にな
つて
、暴力革命をや
つたの
だという、ばかげたことを宣博しておりましたが、万一あのときそういう方法がとられたとしたも、
最後
の食確法の例を見ても明らかなる
通り
、民自党自身の暴力的な態度で、食確法が押し切られている。
最後
に一時間何十分の堂々めぐりをしても、これは不可能だと思われます。それは別にしても、共産党ははつきりそういう職法をも
つて
社会党と話し合
つて
、そうしてわれわれはあの晩退場しました。ところが社会党でそう言
つて
おられる人々も、おられない人々も、あの晩一本調子に出席していない。名前をあげますと、社会党の赤松さんなど出席していなかつた。御自身出席していないのに、あの晩通したのは共産党だと言
つて
おる。こんなことは、いまさら私がばかげた弁解をするまでもないことです。労働階級のために眞に戰
つて
おるのはだれかというと、共産党である。今まで及び今後の事実を見ていただけばわかる。これを申し上げて私の
椎熊
委員
に対するお答えといたしておきます。
椎熊三郎
69
○
椎熊
委員
田島君は知らない。
本人
のためにならぬから、教えてあげます。
辻寛一
70
○
辻委員長
速記を止めてください。 〔速記中止〕
辻寛一
71
○
辻委員長
速記を始めてください。 本日はこれにて散会いたします。 午後三時四十九分散会