○風間
委員 すでに同僚諸君によりまして、私のお尋ねせんとすることはお尋ねし盡した感があるのでありますが、私はただ一点、この
法案の原案には直接的には記載されておりません問題でありますけれども、これと大いに関連した問題で、今後
大臣におかれて、私の意見に対してどういうお
考えを持つかということをお尋ねしてみたいと思います。と申しまするのは、
簡易郵便局の土地的特殊性と、もう
一つはこの
簡易郵便局の
事務担当者の
收入、つまり
人件費の財源ということにつきまして、私は新しい
一つの
郵便事務を創設することによ
つて、これを解決する
一つの便法となるのではないかと思うのでおります、ということは、今日まで、この文化的な
國家施設の恩恵を直接にこうむることの少なか
つた山間僻地の人々が、自分の住居の近
距離に、この
郵便事務が開始されるので、たいへん仕合せになることであり、これは
民主自由党の
政策といたしまして、まことにけつこうなことであり、田島
委員が先ほど申し上げた
通りでありますが、
民主自由党は、何も選挙対策としてこれをやるのではなく、偶然に、
國家國民の
福祉をも
考えて、小澤逓信
大臣のもとでこれができ上
つたものとして、私は喜びにたえないのでありますが、ただ先ほどからいろいろ問題にな
つておりますように、二万円あるいは一万五千円、一万円を越えた
程度の
收入がある場合には、專門の
担当者を置いて、たいへんに
利用者も
大臣の方においても、この美的な感じをもつと一般的に廣げられた方が、
郵便事業の本旨に徹底すると思うのであります。社会化ということが普通の産業においても唱えられる今日、
郵便事業は
公共事業としてある
程度社会化されておるが、ただもつともつとこれを民主化して、人民の管理に移すのが將來の
建前であ
つて、もうそこへ行くのだというしるしに赤く塗
つてあるものと感じまして、われわれは非常に喜んでおる次第であります。
先ほどから大分いろいろな御説があり、橋本さんからも、將來のことを案じていろいろつつ込んだ御
質問がありましたが、ああいうことを
考えてみましても、この
法案の精神においてはま
つたく賛成でございます。無医村にお医者さんができ、電燈のない村に電燈がつく、あるいは電話のない村に電話が通ずるとき、そういう村の方々が、どんなに喜びをも
つてこれを迎えるかということをわれわれは十分にくんで、そのために努力しなければならぬと思
つている次第であります。ただそれを実行する手段といたしましては、できるだけこの
委員会において案を練り、それを実行した場合に、またああいう欠点も出て來た、こういう欠点も出て來たというような、あとくされのないように、完全なものを実行方法としてつくり上げてみたいと思う。その
意味において、実行方法なり、いろいろな
法案の
規定に対して、二、三の意見を持
つておる次第でありまして、決して何でもかんでも、共産党は反対するというような性質のものではございません。いいものをつくりたいという
意味から、一生懸命知恵をしぼ
つて練
つておる次第であります。たとえば、自治團体に対して、権限侵犯になりはしないかという御
質問もありましたし、御懸念もありました。また逓信
大臣の
責任が、こういう末端組織に及ばなくなるのではないかという御
質問もございました。そういう場合を
考えてみましても、これを今の
協同組合とか、その他のものに
委託契約をするようなことにしないで、現に移動
郵便局というものさえあるのですから、
郵便局の末端を、そういう簡單な組織で延ばして行くという機構をお
考えになりましたならば、もつともつといい案が出るのではないかと思う次第であります。それから先ほど、自治團体でも
責任を負う
契約がなければ、やらせないというお
考えでありましたけれども、少くとも一般の
村民なり人民の方々が
利用する場合には、やはり
國家の信用ということを大きく見るのでございまして、
國家がこれを保障することになれば、安心して預金もすれば、
書留も出せる、
為替をとりにも行くというわけで、安心感を持つのでありますが、それを
協同組合なり何なりに置いたら、損害を賠償することもできなくなる。法規上保障されていても、実質上これができないことにな
つてしまえば、
利用者が心配することにならざるを得ないのであります。なお先ほど請負
制度ではないというようなお言葉もございましたが、なるほど
法律上の
意味においては請負
制度ではありますまい。しかし実質上、経済上の
建前から
考えてみましたならば、当然出來高に應じて報酬を與えるという
建前になるのでございますから、経済的な観念、実質的な観念から見れば、どうしてもこれはやはり請負
制度と言わざるを得ないと
考える次第であります。この点についても、
大臣のお
考えがかわらぬものだろうかと思います。なお請負
制度でありますと、いろいろな
弊害が起
つて参りまして、もうけがない場合には
サービスをおろそかにして、
せつかくの
國家の
公共事業を粗末に取扱うという結果に立ち至る。またうんともうけようと思えば、法網をくぐ
つてまで、いろいろなかつこうのものをつくる。そこにたとい二万円という
制限はありましても、そこをくぐ
つてさまざまの手段を講ぜられる可能性が十分あるのであります。そこでこれはやはり
國家の末端機構として、郵政機構の末端をそこに延ばしたものとして、実質的に
公務員をも
つてこれを処理させ、人数は少くともよろしゆうございますから、出張所みたようなものを簡單につく
つてやらせることが、一番いいのではないかと思います。そういう方法を
考えましたならば、
地方自治体から要求して來なければ、
簡易郵便局もつくることができないという
弊害は除去される。たとい
地方の
協同組合並びに
公共團体等が申し込んで來なくても、
國家の方から進んで、あそこは
郵便局がなくて困
つているだろうというので、手を延ばして設置することも可能なわけでありましてそういう点も克服される。これはやはりそういう姑息な方法をとらないで、大きく育てて行けば、国家の
郵政事務が系統的に一貫して
行つて、
責任も明らかになり、発達すればするほどりつぱに実
つて來る。そういうふうに上から下まで貫いた機構に改めたなら、非常によくなるのではないかと思いますが、逓信
大臣において練り直して、もつともつといい提案を出されることはできないものでございましようか。この点を伺いたいと思います。