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1949-05-09 第5回国会 衆議院 逓信委員会 第11号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十四年五月九日(月曜日)     午後二時二分開議  出席委員    委員長 辻  寛一君    理事 飯塚 定輔君 理事 加藤隆太郎君    理事 白井 佐吉君 理事 松井 政吉君    理事 田島 ひで君 理事 大西 禎夫君       宇野秀次郎君    風間 啓吉君       坪内 八郎君    松本 善壽君       土井 直作君    井之口政雄君       浦口 鉄男君  委員外出席者         專  門  員 吉田 弘苗君         專  門  員 稻田  穰君     ————————————— 四月三十日  小委員田島ひで君辞任につき、その補欠として  五月九日田島ひで君が委員長の指名で小委員に  選任された。     ————————————— 五月六日  辨天村に郵便局設置請願塚飯定輔紹介)  (第一〇〇五号)  散岐郵便局集配事務開始請願稻田直道君  紹介)(第一〇五七号)  電話新設簡易化並びに既設電話維持費軽減の  請願武藤嘉一紹介)(第一一一一号)  原木駅前に無集配特定郵便局設置請願(小松  勇次君紹介)(第一一一二号)  復員者の引揚船よりの電報料金免除請願(足  立篤郎紹介)(第一一八三号) 同月七日  通信産業復興に関する公聽会開催請願(岡田  春夫君紹介)(第一二一六号)  滝根町大字菅谷地内に無集配郵便局設置請願  (大内一郎紹介)(第一二一七号)  種子島、鹿兒島市間直通電話架設請願(岩川  輿助紹介)(第一二八九号)  練馬郵便局舎新築並びに電話交換方式改善の請  願(加藤隆太郎紹介)(第一二九〇号)  田原村に郵便局設置請願小澤佐重喜君紹  介)(第一三一二号)  軍事郵便貯金拂戻に関する請願春日正一君紹  介)(第一二四五号)  簡易生命保險及び郵便年金融資再開に関する  請願前田正男紹介)(第一三四六号)  石神井郵便局区内電話東京局に編入の請願(  加藤隆太郎紹介)(第一三四七号)  板橋区の電話加入区域変更に関する請願加藤  隆太郎紹介)(第一三四八号)  南波多郵便局集配事務開始請願保利茂君  紹介)(第一四〇八号)  湯澤町に無集配郵便局設置請願飯塚定輔君  紹介)(第一四〇九号)  柏原町に電信電話管理所設置請願佐々木盛  雄君紹介)(第一四一〇号)  形上郵便局集配事務開始請願坪内八郎君紹  介)(第一四一六号)  葦穗村に電話線架設請願鈴木明良紹介)  (第一四四二号) の審査を本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した事件  小委員補欠選任  簡易生命保險法案内閣提出第四三号)  郵便年金法案内閣提出第七一号)     —————————————
  2. 辻寛一

    辻委員長 これより会議を開きます。  簡易生命保険法案及び郵便年金法案一括議題として討論に入ります。松本善壽
  3. 松本善壽

    松本(善)委員 私は民主自由党代表いたしまして、本簡易生命保険法案及び郵便年金法案に対し、賛成の意を表するものであります。  簡易生命保険及び郵便年金の両事業は、創始以来、幾多の難関に逢着しながらも、きわめて順調な発展を遂げ、現在簡易保険契約件数九千一百万件、保険金額千四百四十二億円、郵便年金契約件数百八十余万件、年金額三億九千万円を算している事実は、両事業がいかに國民大衆福祉増進と、生活安定に寄與しつつあるかを、如実に物語るものであります。しかるに両事業に関する現行の法令は、旧憲法法体系に属しておりますがゆえに、幾多の点において昭和憲法要請に沿わない点があるのであります。今回提出法案は、新たに両事業基礎法制定するものでありまして、全面的に從來の欠陥を補うとともに、さらに新情勢に適應した進歩改善の跡を示しておるのでありまして、さきに制定を見ました郵便及び為替貯金等に関する法律と合せて、郵政事業関係法令は、ここにほぼ整備の完結を見たものと思うのであります。両法案の内容も、本委員会における審議の経過に照しましても、おおむね適当でありまして、特に修正を要する点もないと考えるものでありますが、特に今回の制定を機として行われた保険金及び郵便年金額最高限引上げは、國民一般に対して両事業の効用を一段と高めます半面、事業経営基礎を強固ならしむるものでありまして、きわめて適切な措置と思われるものであります。ただ一言いたしたいのは、保険年金積立金運用が、現在両事業経営主体の手によつて行われていない事実であります。このことは別途の要請から來たものではありますけれども、両事業本来の形から言つても、両法案の建前から言つても、なるべくすみやかにこれを本然の姿に返すべきが望ましいことであり、かつそれが両法案に対する画龍点睛をなすものであろうと思うのでありまして、私は政府当局がこの点につき、この上とも努力を拂われんことを希望する者であります。  最後にこの両法案実施のあかつきにおいては、政府はこれが運営に遺憾なきを期し、ますます両事業発展をはかり、両事業を通じて國民福祉増進努力せられんことを希望して、私の討論といたす次第でございます。
  4. 辻寛一

  5. 松井政吉

    松井(政)委員 私は日本社会党代表いたしまして、今から申し上げる諸点につきまして、政府に強く要望を申し上げて、本案賛成をいたしたいと考えております。  その第一は、ただいま松本委員も申し上げましたが、積立金運用に関する基本的なものを、やはり郵政省に確保したいということであります。そのために政府に別段の努力をお願いしたいということが第一点であります。  第二点は積立金運用の第七十條に規定いたしてあります公共團体に対する貸付、二審目國債地方債社債その他の有價証券の應募、引受または買入なつております。この規定の範囲内において、公共團体だけでなしに、でき得ればきわめて金融逼迫しております中小企業体社債等関係において、役立つ方法運用していただくことを要望いたしたいと考えます。  その次に要望いたしたい事柄は、第三章の簡易生命保險郵便年金審査会の問題でありますが、非常に重大な事柄でありますので、この審査会運営にあたりましては、きわめて民主的な方法によつて取扱つていただきたいということを要望いたすのであります。  その次に要望いたしたい事柄は、やはり同じような事柄でありますが、第二章契約の第六條第二項であります。「保険約款は、簡易生命保險郵便年金事業審議会の議を経て、郵政大臣が定める。」こうなつております。郵政大臣が定める場合において、審議会の議を経てというこの審議会も、きわめて愼重に民主的に取扱つていただきたいということを要望いたすのであります。  以上の諸点を要望いたしまして、本案賛成をいたします。
  6. 辻寛一

  7. 田島ひで

    田島(ひ)委員 私は共産党を代表いたしまして、この両案に対し、次の條件をつけまして、一應賛成いたしたいと思います。  第一には保険契約並びに年金約款制定または改正等について、大幅の権限を持つておりますところの審議会制度でございます。提案理由によりますと、一應民主的な方法とあり、人員構成等について、学識経驗者加入者代表よりなるとありますが、民主的な眞のあり方よりいたしまするならば、学識経驗者よりは、むしろ民主的な大衆代表といたしまして、民主團体、たとえば労働組合農民組合協同組合あるいは婦人青年團体代表よりなると、こういたしたいと思います。  第二といたしましては、保険金並びに年金最高制限額、あるいは最低制限額引上げについて、諸般の事情からやむを得ないといたしまするも、これに伴う從業員の労働強化についてであります。政府は、この事業について支障を來さないよう人員を確保している。労働強化はななさいという弁明ではございましたが、政府弁明にもかかわらず、実際にはもうすでに各地において想像以上に労働強化がなされております。特に直接大衆との交渉を持つておりますところの新規契約締結事務並びに保険金還付支拂い事務等でありまするが、昭和二十三年度人員においても、すでに事務上において完全に消化していない状態であります。このためあらゆる事務面において、極端に事務簡素化がなされておりまして、現在四十八時間以上の超過勤務をなしております。労働強化が非常になされておる。二十三年度において完全消化ができないでありまするから、その結果すでに今日呼吸器病などが出て、あるいは職場放棄というような形も現われております。具体的に事実を申し上げますと、時間が長くなりまするから申し上げませんが、このような状態でありまするから、昭和二十四年の定員が大体二十三年度より四千四十二名減るといたしますれば、この人員事務面を正常にいたしますとしても、小額契約者を解約させる仕事は非常に多くなります。大体政府の五箇年間でこれを解約させるという方針によりましても、新規契約事務面で六〇%、支拂い事務の方では三一七%も増加すると予想されております。この方の人員を減らさないといたしましても、とうてい本年度の目標額は達せられぬ。非常に人員の不足を來すのであります。  これに加えまして、第三といたしまして、二十四年度の新規契約目標が大体二十億という政府プランでございまするが、この目標達成には、二十三年度において、すでに募集員最大限度の能力を発揮いたしましても、割当額新規募集は非常に困難な状態であります。二十四年度目標において、小額契約者の乗りかえが、大体終る程度でありまして、眞の新規契約は、おそらく望まれないと私どもは考えておるのであります。プラン倒れになるのみならず、支出面が増加いたしまして、差引は、結局政府机上プランは赤字になるということが明らかであります。  第四といたしまして、保險新規契約の意欲を高めるということが、何らかの形でなされないならば、新しい契約をとるということが非常に困難な状況にあります。契約者であるところの勤労大衆利益を與えるような方法、たとえば從來なされておりましたところの長期継続還付金を復活するとか、あるいは先ほどから社会党委員の方も申されましたように、積立金運用社会事業方面施設に使う、あるいは契約者勤労大衆のための方面運用するというような方法がとられなければ、新しい契約はとうてい望み得ない。なお個々の法文につきましても、たとえば第三章の第五十五條におきまするところの審査会制度、この審査会によりますと、契約者に非常に不利な状態なつております。望むことならば、私どもはこの條項をとりたいと思いまするが、この條項の置かれました範囲におきましても、審査会運営をよほど民主的に、またその構成人員を民主的になされないならば、これは契約者にとつて非常に不利な状態になります。なお両法案が、國家の経営する非常利事業であり、國民経済生活の安定をはかり、その福祉を増進するという目的よりいたしますれば、眞に社会政策として、勤労大衆生活保障施設としての本來の使命を果すためには、根本的に改善積極化を必要とする点が非常に多いのでございます。この点におきましても、独立採算制を強行いたしました結果、営利事業化して、非営利事業としての本質がほとんど失われておると私どもは見るのでございます。根本的には、わが党はかかる事業はどうしても國営人民管理による以外、その眞の本來の使命を果すことは望まれないと考えるのでありまするが、他面両法案実施にあたつては、以上の理由から、審議会に民主的の民主團体代表を加える。そうし、て眞の民主的な運営を期すること、労働強化を避け、目標達成のためにはむしろ必要人員を増加する。それから積立金勤労大衆利益になる社会施設のために運用する等の方法が、即時具体化されることを條件といたしまして、一應賛成の意を表するものでございます。
  8. 辻寛一

    辻委員長 討論は終局いたしました。  これよりただいま議題となりました簡易生命保険法案及び郵便年金法案を一括して採決いたします。  両案について原案の通り可決するに御賛成の諸君の御起立を願います。     〔総員起立
  9. 辻寛一

    辻委員長 起立総員。よつて法案はいずれも原案の通り可決いたしました。(拍手)  なお衆議院規則第八十六條による報告書の作成につきましては、委員長に一任願いたいと思いますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  10. 辻寛一

    辻委員長 御異議なしと認めまして、さように決定いたします。     —————————————
  11. 辻寛一

    辻委員長 この際お諮りいたしますが、逓信従業員福利厚生に関する小委員田島ひで君が委員を辞任いたしましたので、小委員が一名欠員になつております。補欠小委員選任をいたしたいと思いますが、小委員選欠につきましては委員長に一任願いたいと思いますが、いかがでありますか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  12. 辻寛一

    辻委員長 御異議なしと認めまして、それでは田島ひで君が再び委員となられましたので、同君を小委員に指名いたします。残余の日程はいずれも延期いたします。  本日はこれにて散会いたします。次回の開会日は、公報をもつてお知らせいたします。     午後二時十八分散会