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1949-04-26 第5回国会 衆議院 逓信委員会 第9号
公式Web版
会議録情報
0
昭和
二十四年四月二十六日(火曜日) 午前十時五十一分
開議
出席委員
委員長
辻 寛一君
理事
飯塚
定輔
君
理事
加藤隆太郎
君
理事
松井
政吉
君
理事
金塚 孝君
理事
田島
ひで
君
理事
大西 禎夫君
宇野秀次郎
君
大和田義榮
君 風間
啓吉
君 高塩
三郎
君 坪内 八郎君
橋本登美三郎
君 松本
善壽
君 土井 直作君 浦口 鉄男君
出席政府委員
逓信政務次官
武藤 嘉一君
委員外
の
出席証者
専 門 員 吉田
弘苗
君 専 門 員 稻田 穣君 —
——
——
——
——
——
——
本日の
会議
に付した事件
郵便法等
の一部を改正する
法律案
(
内閣提出
第 六一号) —
——
——
——
——
——
——
辻寛一
1
○
辻委員長
これより
会議
を開きます。
郵便法等
の一部を改正する
法律案
を
議題
として、
討論
に入ります。
討論
は
通告順
にこれを許します。
飯塚定輔
君。
飯塚定輔
2
○
飯塚委員
私は
民主自由党
を代表いたしまして、本
法案
に対する
修正案
を提出いたします。すなわち
本法
の
附則
に「この
法律
は、公布の日から起算し五日を経過した日から施行する。」とありますのを「この
法律
は、
昭和
二十四年五月一日から施行する。」と
修正
いたしたいと思います。
修正
を必要とする
理由
は、第一に
実施
の時期であります。すなわち
原案
のごとくいたしますれば、本
日本院
を通過し、ただちに参議院に送付され、参一議院においていかにスピーデイーな
審議
をいたしましても、一両日を要します。そういたしますと、
本法
の
実施
は何としても五月三日ごろになると考えられます。同じ
独立採算制
をとり、同じような
理由
によ
つて運賃
の
値上げ
をいたしました
運輸省関係
の
法律
は、五月一日
実施
の含みとな
つて
おりますので、これと歩調を同じうする方がよろしいと考えられるのであります。 さらに第二は、
経理関係
からの点でありますが、五月に入
つて
中途半端な時期に
実施
するよりも、五月一日から
実施
するということになりますと、それだけ
郵政関係
の実收の増加を來すこととなります。たといその額が数千万円の少額であるといえ
ども
、これが
從業員
の
生活
安定に幾らかでも役立ち、あるいは
サービス
の
改善
に役立ちましたならば、
受益者
の面においても結局益するという結果になると考えられます。何とぞ
右修正案
に御
賛成
あらんことをお願い申し上げる次第であります。 次に私は
右附則
の
修正案
を除いた以外の
部分
、これに対して
民主自由党
を代表いたしまして、
原案
に
賛成
するものでございます。すなわち本
法案
は
逓信省
といたしまして、いわゆる完全なる
独立採算制確立
のため、その
財源捻出
の
一途
として、
郵便料金
の
値上げ
を断行せんとするのであります。これに対してあえて蛇足を加えんとするものではありません。きわめて簡單に
賛成
の
理由
を述べたいと存じます。 そもそも
逓信省発足
以来、まことに堅実なる発展を遂げ、
特別会計
として
相当
なる
收益
をあげ、
一般会計
に対しては年々
相当一顧
の
財源
を繰入れてお
つたの
でありますが、
昭和
十九年
鉄道省
と合併いたしまして、
運輸通信省
となり、さらに
通信院
とな
つて
以來
、か
つて
の
黒字財政
は
赤字財政
に転落し、昨
昭和
二十三
年度
においては、
一般会計
より、逆に七十億円を
逓信省
に受入れなければならない
状態
とな
つたの
であります。ことに
独立採算制
の
確立
とともに、この
一般会計
より受入れました多額の
財源
も停止せられ、どうしても
逓信省
みずからの力をも
つて
立ち上らなければならなくな
つたの
であります。この
自力更生
の
方法
として、このたび
郵便料金
の
値上げ
を計画せられたのであります。もとより
当局
においても、また
受益者
といたしましても、戰後年とともに諸
物価
の高騰を来し、いやが上にも
インフレ
が助長せられました今日、
郵便料金
の
値上げ
が断じて喜ばざることは、論をまたないのであります。今申しました
独立採算制
の
立場
から、また他に
財源捻出
の道なきこの場合、ただその
方法
は
郵便料金
の
値上げ
あるのみであることは、これまた申し上げるまでもございません。しかしながらこのたびの
値上げ
は、
一般大衆
の最も
利用度
の高いはがきの價格はそのままのすえ置きとし、さらに
通信教育
、すなわち僻陬の地において向学心に燃える
人々
のために、唯一の勉学の
方法
たる
通信教育
のための
料金
は、これを
低下
せしめたることなど、これらは
相当
当局
の苦心の現われとして、われわれも認めるところであります。しかしながら
平均
五割に上る、
郵便料金
の
値上げ
は、必然的に
一般大衆
の
生活
に影響するところでありまして、われわれもこの点十分檢討したのでありますが、今日
祖國復興
の
基準年度
と考えられます
太平洋戰爭直
前の
物價
と、今日の
物價
との対照を見まするに、大体その
上昇率
が
郵便料金上昇率
と相前後いたしおりますので、われわれといたしましても、この
程度
の
値上げ
はやむを得ざるものとして認めるに
至つた
次第であります。しかしながら、この
値上げ
をも
つて
して、はたして
從業員各位
の
生活
安定ができ得るやいなや、この点特に憂慮にたえざるところであります。ことに昨年末の
賃金ベース
の切りかえによ
つて
、今年一月はほとんどからにひとしい
俸給袋
を渡され、その結果遂に
生活
の補給として、他にアルバイトの道を追わなければならぬ窮状を見るとき、同じ血の通うわれわれとしては、これを黙視することはでき得ないのであります。しかるに
逓信大臣
初め
当局
の御
説明
によりますれば、この
値上げ
によ
つて
、
受益者
たる
一般大衆
への
サービス
の
強化
はもとより、
從業員
の
生活
安定についても十分考慮し、特に来
年度
以降は、
從業員
に対する
福利関係
においても、
相当
の
経費
が計上せられるという
説明
がありましたので、その
眞摯
なる言葉に信頼して、その実現の一日も早からんことを祈念して、この案に
賛成
した次第であります。以上率直に私の
意見
を申し述べ、
賛成
の意を表する次第であります。
辻寛一
3
○
辻委員長
次に
松井政吉
君。
松井政吉
4
○
松井
(政)
委員
私はただいま
議題
にな
つて
おります、
郵便料金
の
値上げ
を
内容
といたしております
郵便法等
の一部を改正する
法律案
に、
日本社会党
を代表して
反対
の
意見
を申し上げたいと考えておるのであります。 第一の
理由
は、御承知の通り、
郵便事業
は純粹の
國営事業
でありまして、
国民全般
がその
利用者
とな
つて
おるということであります。こういうような
事業
におきましては、
國民
全体が
利用者
にな
つて
おる場合におきまして、
料金
の低廉ということが
國営事業
としての
本質
だと考えております。從いまして、その
本質
を曲げてまで、
料金
の
値上げ
をしなければならないという場合におきましては
——
現在の
経済状態
、さらに
値上げ
による
利用者
の
負担
が増しましても、それに対するもろもろの
裏づけ
のない場合には、
國民大衆
を
利用者
としております
國営事業
の
料金等
は、軽々に
値上げ
すべき性質のものではないと考えておるからであります。 第二の問題は、
國民所得
と
物價
と
郵便料金
との三者の
指数比較
の点につきまして、はたして今回の
値上げ
の
内容
が、この三つの
指数
の上に立ちました
科学的料金
の
値上げ
であるかということになりますと、
見解
の
相違
でありましようが、私は承服できないものがあるのであります。その
内容
につきましてはいたとえば
昭和
八年から二十三年までにおきまする
卸売物価
、
小売物價
の
騰貴率
と、
郵便料金
の
騰貴率
とを比べますと、この
指数
においては、
値上げ
してもよろしいという数字が、
政府
の方からいただいた資料によ
つて
も明瞭であります。しかしながら今日におきまする
國民所得
は、昨年來極度の
物價
の
値上り
と、実際
生活
に必要といたしまする
実態生計費
との面において減少し、
値上げ
をすべき條件というものが全然ないのであります。前回の
値上げ
をやりました当時におきましては、三千七百円
ベース
の
従業員
の
賃金
をきめて、それを維持し、さらにその上に
物價
が
値上り
した場合におきまする
実態生計費
をどうして生むかということになりますると、その用意のためにも、
値上げ
をしなければならない
客観情勢
があ
つたの
であります。
政府
の方の
見解
にいたしますると、五十億に近い今回の
値上げ
は、
賃金
にまわすものではないという
見解
をお聞きしたのであります。さらにまた五十億に近い
値上げ
をすることが、
利用者
の
立場
に立
つて
考えた事柄ではないという
見解
もお伺いしているのであります。そういたしまするならば、この五十億に近い
値上げ
の問題は、働いておる
方々
の
手当
、
賃金
を増して、
サービス
をよくするためにも、使用できないということが明瞭であります。六千三百七円
ベース
を維持するためにも、やはりいろいろの
意味
において、値上けが必要であるという
見解
もお伺いしたのでありまするが、この問題につきまして、六千百七円
ベース
というものがきま
つて
支拂い
をした場合に、はたして
從業員
の
方々
の
賃金
が
値上げ
にな
つて
お
つた
かどうかということになりますると、これは六千三百七円
ベース
がきまる当時におきまして、あるいはきま
つて
から、六千三百七円
ベース
の計算によ
つて賃金
をもら
つた
從業員
の
方々
が、はつきり承知しておりますが、実際は
値上げ
にな
つて
おらないのであります。そういたしますると、三千七百円べースから六千三百七円
ベース
までの間におきまする
從業員
の
手当等
は、あるいは
賃金等
は、あるいは実際の
生活費
というものは、以前に
値上げ
したものによ
つて
、何とか
赤字
を出しながらも、まか
なつ
たということが明瞭であります。従いまして、今回の五十億の
値上げ
の
内容
が、
利用者
に対する
利益
の
裏づけ
があり、さらに
從業員
の
方々
に対する
生活確保
のための
値上げ
ならば、われわれは考慮する余地があるのでありまするが、
政府
の
見解
にいたしますると、どちらでもないようにお伺いしているのであります。
利用者
の
立場
も考えない、
從業員手当
にも充てない、ただ單に
独立採算制
に
なつ
たために、それのみによ
つて値上げ
をしようという
理由
にな
つて
いるのであります。そういうことになりますると、われわれはその
独立採算制
を維持するために
値上げ
をして、五十億に近い
負担
を
利用者
の
國民大衆
にかけるとするならば、その
裏づけ
をわれわれはやはり必要とすると思うのであります。その
裏づけ
が今日の
逓信事業
においてないかと申しますると、私は例を引いて申し上げまするが、今日
簡易保險
、あるいは
郵便年金等
の
積立金
の
運用
の実権が、
大藏省
に握られているのであります。もしこれを
逓信省
に移管することが、この
値上げ
と並行して行われるということになりまするならば、
料金値上げ
による五十億に近い
負担
を
國民大衆
にしいても、この
運用
の
技術的妙味
によりまして、
公共團体
その他に貸付をなし、あるいは
國民大衆
の
利益
になるような投資を
行つて
、半面において
値上り負担
の
裏づけ
をすることが可能であります。しかしそういうことも考えないで、重要なる
積立金運用
を
逓信省
にかえすということは、あとまわしにいたしまして、
料金
の
値上げ
によ
つて負担
だけをしいるというような
考え方
には、
賛成
できかれるのであります。 さらに第三の問題につきましては、戰後非常に
利用者
が激減したので、
赤字
が出たという御
見解
もお伺いしたのであります。もし
利用者
が
減つた
から
收入
が減
つたの
で、
從つて値上げ
をするということになりまするならば、
値上り
によ
つて
、さらに
利用者
が減るという危險があると考えるのであります。そういうことのないように取扱いたいという
政府
の御
見解
をお伺いしたのでありまするが、私は
値上り
によ
つて
必ず
利用者
の数は減ると考えております。そういたしますると、五十億を見積
つて値上げ
したものが、事実において二十億
程度
になる
危險性
があるのではないかということを憂慮するのであります。從いまして、
國民大衆
を
利用
の
対象
としておりまする純粹なる
國営事業
におきましては、やはり低廉にして数を増すことによ
つて
、
赤字
を補填するという
方法
が、
値上げ
よりも、政治的に見ても、実際的に見ても、当を得た
方法
であると考えるからであります。
値上り
のために
利用者
が減ることによ
つて
、
收入
はふえないという
考え方
を持つからであります。さらに第四番目に考えたいことは、今回の
値上げ
の
内容
が、きわめて
でこぼこ
であります。あるものは七割五分上
つて
おりまするし、あるものは二割から下
つて
おります。この
郵便料金
のいろいろの
でこぼこ
というものは、やがて近い時期において是正をされなければならないことか、必然的に約束されているのであります。
大臣
の御
見解
によりますると、この
でこぼこ
を
平均
化する場合には、高い
料金
のものを安くして
平均
をとりたいという御
見解
でございまするが、この
見解
につきましては同感であります。しかしながら今日の
経済情勢
から推しまして、安くしてバランスをとることが、近い時期においてできるかということになりますると、私は近いうちに
郵便料金
を下げて、
平均
化するというようなことは、断じてでき得ない
経済状態
だと考えるからであります。從いまして、この
でこぼこ
を是正するためには、やはり低いものを上げて、近い時期において
でこぼこ
を訂正しなければならない
危險性
があるので、再び
値上り
を約束されているように考えられるからであります。 さらにまた第五の
理由
といたしましては
行政整理等
と、うらはらの
関係
があるということを私は考えるからであります。三万八千人からの
行政整理
による
首切り
をいたしまして、
人件費
を浮かそうといたしましても、事実は浮かないのであります。なぜかと言いますと、
行政整理
をやるには、やはり
行政整理
に対する
経費
が必要だからであります。今年一年におきまして、
行政整理
をして
人件費
を
俘かす
ということは困難でありまして、来
年度
は
独立採算制
の上に立
つて
、
健全財政
がつくられるように
行政整理
をやり、
人件費
を浮かすことを、今年から考えるというような
政府
の御
見解
でありまするが、そういうことになりますると、國内的に
逓信省
だけを考えても、
國民大衆
の
ふところ
を考えますと、きわめて
余裕
綽々たる考えであります。これも
見解
の
相違
ではありまするが、私は今日の
日本
の
経済状態
というものは、さようなのんきな
余裕
のある
状態
ではないと考えております。
逓信省関係
だけでも、いわゆる三万八千からの
行政整理
による首を切ろうとしておるのであります。從いまして、
労働者
あるいは
賃金俸給生活者
、
給料生活者
の
方々
は、
行政整理
と
企業整備
によ
つて
、一年先を見越すどころではない、今後一箇月、きよう一日自分の首が保つかどうか、
生活
が耐え得るかどうかという
状態
が
賃金
、
給料
、
俸給生活者
の実際の
生活内容
であるのであります。さらに
中小企業体
におきましては、九原則その他の
実施
により育て、今や
崩壞
の危機に当面しておるというのが、
日本
の
中小企業
のあらゆる場面における
状態
であります。さらにまた
農民大衆
は、
税金
が増額されましたので、それに追われまして、
零細農業
といわれる
日本
の
農業
の経営が、非常な困却に陷
つて
おるという
状態
であります。どれほど一日一月の
余裕
のない
國民生活
、國の
経済状態
から推しまして、来
年度
の
独立採算制
を樂にするために、今年から
行政整理
をやり、今年から
料金
の
値上げ
をして、来
年度
に備える
余裕
はないのであります。從いまして、今
年度
どうにかやりくりして、
國民
が納得して行く
裏づけ
を提示して、
値上げ
をするという
政策
を講じなければならぬので、
余裕
のあるような
状態
において、
來年度
のために
値上げ
をして、
來年度
のために
行政整理
をやるというがごとき
見解
には、われわれは
反対
するのであります。從いましてこういう
考え方
からいたしますると、私は今回の
郵便料金
の
値上げ
が、その取扱いの技術的の面から見ましても、あるいは今日の
日本國民生活
の
経済状態
から見ましても、あるいは國の
経済状態
から見ましても、当を得たものであり、行届いた
方法
による
國民大衆
の納得の行く
値上げ
の
方法
でないという
見解
をとるために、
反対
するのであります。
辻寛一
5
○
辻委員長
田島ひで
君。
田島ひで
6
○
田島
(ひ)
委員
私は共産党を代表いたしまして、
反対
の
意見
を申し上げます。 まず根本的な点におきまして、
本案
に対しまして、本
年度
の
予算
との関連の面から
反対
するものであります。
一般会計收支七千
四十六億という厖大な
予算
の
内容
を見ましても、その歳入の面におきましては、大
部分
が
國民大衆
の
犠牲
によ
つて
取上げられ、歳出の面の四〇%以上が、惜しげもなく
独占資本
の
ふところ
に入り、消費されております。その詳細にわたりましては、すでに
予算
の
審議
にあたりまして、わが党の代表によ
つて
述べられておりますので、ここでは私は省きまするが、
公共事業
として当然
國家
の
一般会計
よりまかなうべき
逓信予算
の不足が、
本案
によりまして、またしても
人民大衆
の
負担
において、
犠牲
においてなされるからであります。この
意味
においてまず私
ども
はこの案に
反対
するものでありまするが、
通信事業
におきましては、
創立以來
ずつと
黒字
を続けて参
つたの
でありまして、年々八千万から一億円前後の金額が、
特別会計
の
收入
から
一般会計
に入れられまして、戰前また戰時中を通じまして、
一般会計
を補填して参
つたの
であります。ところが戰爭によりまして破壞され、さらに戰事中の苛酷な使用によりまして、設備が老朽化し荒廃したままの姿で、
一般
の
会計
からの
復興
のための十分な助力もなくして、切り離されてしま
つて
おるのであります。加えて戰後の歴代の
政府
によります
インフレ政策
のために、一層
犠牲
をしいられているのでありまして、この
公共事業
を考えますならば、
逓信予算
の
編成そのもの
に、すでに本
予算
との連関において、私
ども
は
反対
をしなければならないのであります。
國民経済全般
から
賃金
を考え、その上に立
つて
料金
が決定されるべきで、
一般会計
を離れて、
郵便料金
のみを考えることはできないのであります。現在の
人件費
の基礎は、六千二百七円の食べられない
飢餓ベース
でありまするが、
大衆課税
、
諸物價
の
値上り等
で
——
おそらく三〇%から四〇%
程度
の
物價
の今後の
値上り
におきまして、またしても
郵便料金
の
値上り
は明らかなのであります。
從業員
によき
サービス
の提供を促すためには、
待遇改善
をなさなければならないのでありまして、特に
逓信従業員
の
厚生福利施設
は、他
官廳
に比しまして非常にみじめな
状態
にあります。本
年度
の
予算
におきましても、その費用はほとんどまかなわれていない
状態
にあるのであります。この
意味
から言いまして、まず根本的に本
年度
の
予算
の
組み方
に関しまして、私はその観点におきまして
本案
に対して
反対
いたしますのであります。 次には
公共事業
として、
逓信省
のこの
独立採算制
の面から
反対
いたすものであります。
逓信省
の
独立採算制
につきましては、わが党は当初以来
反対
して参りまして、昨年の
料金
の
値上げ
のときにも、強く
反対
して参
つたの
であります。これを人間にたとえますならば、若くて健康なうちは、さんざん
利用
しておいて、老いぼれてしま
つて
、病気になり、傷ついた者を、一人でか
つて
にや
つて
行けとい
つて
、ほうり出して、そのままにうつちや
つて
置くのと同じでありまして、
サービズ事業
を本來の使命といたします
逓信事業
におきまして、このような
状態
のもとに
独立採算制
をとられますならば、とうてい
参通信事業
の
復興
は期することができない。むしろ
崩壞
の
一途
をたどるのは明らかなのであります。このような点から、
独立採算制
の
立場
からこれを強行いたします本
予算
に対しましては、私
ども
は
反対
いたすものでありまして、この
独立採算制強行
がさらには
ベース賃金
を一層苦しいものにし、四十八時間の
労働強化
、あるいは三万八千人の
首切り
というような問題とも関連いたしまして、
一般
の
人々
の間には、この五十億円の
値上り
に対しましては、額の上ではあまり大きくないから、あるいは
反対
しない
人々
もありましようが、今日の
逓信事業
の
サービス
の面では、もはやこれ以上の
サービス低下
は忍びがたいが、
郵便料金
が
値上げ
になりましたならば
サービス
が
改善
されるのではないかというような
期待
を持
つて
おる
方々
が
相当
多いのでございまするけれ
ども
、この
郵便料金
の
値上げ
によ
つて
その結果を見ましても、
サービス改善
はま
つた
く望まれないのでございます。と言いますのはこの
料金
の
値上げ
によりましても、
改善
が望まれないばかりでなく、すでに大量の
首切り
という点から見ましても、いろいろな面において
サービス
の
低下
が現われておるからでございます。 さらに
反対理由
といたしまして、この五十億の
大衆負担
をも
つて
するところの、今
年度
の
逓信予算
の上から見ましても、今年の
通信事業
の
復興
はま
つた
く望まれないという点から、私
ども
は
反対
いたしておるのでございます。
安本通信局
の
昭和
二十四
年度
通信サービス目標
によりましても、
相当
の
人員
と資金と資材を必要とするという点で、本
年度
においては現在以上の復旧を望むことは、困難のようにいわれておるのでありまするが、すでに
首切り
によ
つて
、いろいろな
サービス
の
低下
を見ておる現在といたしましては、一層
國民大衆
の
期待
を裏切る結果になるのではないかと思うのであります。 具体的な
人員整理
によりますところの二、三の例を引きます。もちろんこれは
通信事業全般
にわた
つて
現われておるのでありますが、その全体についての例を申し上げますと長くなりまするから、私は
郵便局
の
集配
の面だけについて二、三の例を引いてみたいと思います。
從業員
二割
整理
によりまして、どのような
サービス
の
低下
が現われて参るかと申しますと、都、
市内通信力
の低い
地域
の
集配度数——市制施行地域
の約一〇%ほどの
地域
の
集配度数
は、二度が一度になるので、午後に
配達
されるものが、翌日の
配達
となるような結果になります。また交通不便、かつ
物数
の少い
地域
の
集配度数
は、現在一日一度の所は隔日
集配
となり、また月十二度
集配
されておるような所では、
配達
がま
つた
く
休止
となります。これらの
地域
の
郵便
は、一日から三日遅れとなり、または全然
配達
されないということになるのであります。また
郵便局所在地
以外の
地域
の、
市外
二度地の
案配
は、一度に減らされます。
市外
二度地と言いますと、町村役場等重要な
施設
の
所在地
の六百区の
地域
の
郵便局
が、午後に
配達
されておりましたものが、翌日の
配達
となるのでございます。また
郵便局
における
夜間作業
が停止されまする結果、
減員対象局
が三百八十七局にも上りまして、
夜間到着
の
郵便物
は、半日
程度
遅れまして午後の
配達
となる。なおこれらの局を経て
配達
されるものは翌日
配達
になるのでございます。日曜の
郵便集配
の
休止
によりまして、日曜に
配達
される
普通郵便物
が月曜に
配達
される。また
市外
の
集配
は隔日になりまして、一日一度
配達
の
最低施設
が維持できなくなる。
市内外
の全
地域
の六割
程度
にわた
つて
、
郵便物
が一日以上遅れる。例をあげますればたくさんございまするが、
郵便事業関係
の一例を見ましても、いかに
サービス
が
低下
するかということが、これで明瞭でございます。電信、電話、
爲替貯金
、
保險年金等
の
事業面
におきましても、より以上の
サービス低下
の例をあげることができるのでございます。また本
年度予算
による
物價
の
値上り
、あるいは今まですでに食べられないところの
給與
の面からいたしましても、
從業員
の
生活
はますます苦しくなりまして、
從來内職
をや
つて
いた
從業員
が、もう内職しても食べられなくなる。あるいは職場放棄する
人々
が
相当
出て来るのではないかというようなことをも、われわれは心配するのでございます。こういうような
サービス
の
低下
の点から見まして、
郵便料
を
値上げ
するのはやむを得ないけれ
ども
、
サービス
が
改善
されるのではないかと
期待
しておられる
國民
の、その
期待
をま
つた
く裏切る結果になることが明らかであろうと思うのであります。 さらに、約五十億の
郵便料
の
値上げ
につきまして、これを
反対
いたしますならば、結局
税金
とな
つて
一般
の
予算
から、
國民
の上に
負担
がかか
つて
来るからという
小澤大臣
の御
説明
もございましたが、何らかの形で
大衆
から収奪しようとし、
大衆
の
犠牲
によ
つて
、
少数
の
独占資本
の
利益
を守ろうとする
予算
の
組み方
によりますならば、そのような結果となるのは当然でありまするが、
反対
に、
少数
の
独占資本
の
負担
による
犠牲
において、
人民大衆
に奉仕しようとするところの、わが党の
予算
の
編成
よりいたしまするならば
——
この点の詳しい
説明
は、
予算
のときに讓りますが、
大衆
の
犠牲
によらずして、しかも國内における需要を一層満たすことによ
つて
、自主的に
通信事業
を
復興
することができるのでございます。通信機器の中小メーカーにおきましても、
予算
における建設面の削減、あるいは機器に対する規格の嚴重化された結果によりまして、すでに
崩壞
していることは、先ほど
松井
委員
が申された通りでございますが、國内における需要を満たすことによ
つて
、これらの中小メーカーをどんどん振興させ、自主的に自力によ
つて
、國内の
通信事業
を
復興
することが可能になるのであります。通信を眞に
國民
のものとし、その本来の使命であるところの
サービス
事業
の面目を発揮いたしますためには、どうしても
労働者
に
生活
の保障をいたしまして、
生活
できるだけの
賃金
を與えるということ、それから合理的に
人員
の配置をいたすということ、このような
状態
のもとで、
独立採算制
を強行することなく、むしろ
独立採算制
はこれをやめて、
一般会計
から補助することによりまして、その運営の仕方としては、國営をむしろ
強化
して、人民管理の方式をとりますならば、私
ども
は十分この
通信事業
の
復興
を期することができると思うのでございます。 最後に、この
予算
の面から、あるいは独立採算の面から、あるいはその他の面から
反対
して参
つたの
でございますが、
日本
國民
として特に憂慮いたしますのは、それらの面から、
通信事業
が
日本
の経済によ
つて
は成立たないという口実のもとに、外貨依存に向けられまして、遂には
日本
の神経ともいうべき重要なる
通信事業
が、外國資本の手によ
つて
握られて行くのではなかろうか、その地ならしの準備と見ることのできるいろいろな現象を、私
ども
見受けているからでございます。この
意味
におきまして、
本案
の額そのものは五十億で大ではございませんが、本
年度予算
において、
大衆課税
によ
つて
人民を苦しめておりますその上に、またしても人民の
犠牲
こおいてなされようとする
本案
に対しまして、全面的に徹底的に
反対
するものでございます。
辻寛一
7
○
辻委員長
浦口鉄男君。
浦口鉄男
8
○浦口
委員
公正倶楽部といたしまして、一言その
立場
と希望を表明して
賛成
いたします。 さきに公正倶楽部は、
昭和
二十四
年度
の総
予算
に対して、
修正案
を提出の意向でありましたが、それができなか
つた
ために、
反対
を表明したのであります。從
つて
その関連において、根本的には、この
料金値上げ
を主とする
郵便法等
の一部改正案に対しては、そのまま賛意を表明し得ないのであります。しかし現段階における
経済情勢
並びに吉田内閣の性格としてなし得る施策の最善なるものとして、一應これを認め、
賛成
せんとするものであります。ただ今の
実施
にあたりましては、
大臣
は幾たびか確信をお表しにな
つたの
でありますが、われわれその確信を必ずしもそのままに受取ることはできないのであります。すなわちその予定された
收入
の確保において、現在以上
サービス
を下げない点において、とりわけ
従業員
が、惡條件のもとにおいても、よくその職場を守
つて
安定して働き得るような、現在可能なる範囲においての対策を樹立、
実施
されまして、所期の目的を達成されんことを切望いたしまして、
賛成
討論
といたします。
辻寛一
9
○
辻委員長
これにて
本案
に対する
討論
は終局いたしました。なおただいま
民主自由党
から
修正案
が提出されましたが、本
修正案
に対する
討論
は省略いたしたいと思いますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
辻寛一
10
○
辻委員長
御異議なしと認めまして、これを省略いたします。 これより採決いたします。まず
民主自由党
提出の
修正案
について採決し、次に
原案
について採決いたします。それでは
民主自由党
提出の
修正案
について、
賛成
の諸君の御起立を願います。 〔
賛成
者起立〕
辻寛一
11
○
辻委員長
起立多数。よ
つて
民主自由党
提出の
修正案
の通り決しました。 次にただいまの
修正
部分
を除いた
原案
について
賛成
の諸君の御起立を願います。 〔
賛成
者起立〕
辻寛一
12
○
辻委員長
起立多数。よ
つて
本案
は
修正
議決いたされました。 この際お諮りいたしますが、衆議院規則第八十六條による報告書の作成に関しましては、
委員長
に一任願いたいと思いますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
辻寛一
13
○
辻委員長
御異議なしと認めまして、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午前十一時三十三分散会