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1949-09-28 第5回国会 衆議院 地方行政委員会 第39号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十四年九月二十八日(水曜日)     午前十時四十三分開議  出席委員    委員長 中島 守利君    理事 大泉 寛三君 理事 川西  清君    理事 川本 末治君 理事 藤田 義光君    理事 立花 敏男君       生田 和平君    河原伊三郎君       清水 逸平君    野村專太郎君       千葉 三郎君    谷口善太郎君       井出一太郎君  委員外出席者         大藏政務次官  水田三喜男君         地方自治政務次         官       小野  哲君         総理府事務官  荻田  保君         專  門  員 有松  昇君         專  門  員 長橋 茂男君     ————————————— 本日の会議に付した事件  地方財政に関する件     —————————————
  2. 中島守利

    中島委員長 これより会議を開きます。  議題に入ります前にお諮りいたします。前回の当委員会において派遣委員より報告を聽取したのでありますが、その後詳細なる報告書委員長の手元に提出されましたので、これをまとめて議長に報告いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 中島守利

    中島委員長 御異議ないと認めまして、さようにとりはからいます。  本日の日程第一、地方財政に関する件を議題といたしますが、質疑通告がありますので、その順序によつてこれを許します。  まず大藏省関係大藏省は目下予算査定で非常に多忙ようでありますが、差繰つて水田政務次官出席を請うたわけでありますが、ごくわずかの時間でこれを終了し、あげたいと思いますので、どうかそのつもりで御質疑を願います。川本委員
  4. 川本末治

    川本委員 私は簡單水田政務次官にお伺いしたいと思います。本年の一月の衆議院議員選挙並びに最高裁判所の裁判官の國民審査費用につきまして、國家交付金が現在未拂いになつておりますのが、約一億七千八百余万円に相なつております。この問題につきましては、すでに第五國会中におきましても各委員から再三御質問があり、さらにこれに対して増田官房長官もただちに手続をしてこれを支拂うということを言明しておられますが、今日までまだこれが未拂いになつておるようであります。地方におきましても、非常にこの問題についてはみな困つておりますし、引続いて來春の参議院の選挙を控えて、かようなことを未解決のままに放置しておかれますことは、將來のために非常におもしろくない、かように思いますので、二十四年度の補正予算におきましてぜともこれはお支拂いを願いたいと思いますが、大藏当局といたしましては、この点について補正予算としてお出しいただくという御準備がありますかどうか、お伺いしたいと思います。
  5. 水田三喜男

    水田説明員 ただいまの、ことしの選挙のときの費用が足らなかつたという問題は仰せの通りでありまして、今度の二十四年度補正予算には、要求された通り全額計上して、ことしのうちにお支拂いするということに大体きまつておりますので、この点は御安心願いたいと思います。
  6. 中島守利

  7. 野村專太郎

    野村委員 この國会においては、さきに國家の官吏については恩給についてこれを規定しているのですが、現在地方公共團体においては、非常に困難な財政の立場に置かれ、しかも営々として日本再建のために、あらゆる條件を耐え忍んでやつているわけであります。こういう点にかんがみまして、しかも少数な、かなりむりな人員によつて町村等によつては運営している向きも相当ある。しかも退職等による恩給が、國のそれと同等でない、こういう地位に置かれていることは、健全なる地方公共團体の育成のために寒心にたえないのであります。政府はよろしく近く開かれる臨時國会にあたつては、國と同樣な待遇にするよう市町村吏員に対しては考慮すべきであると思います。この点に対して政府側の御意見伺つて、強く要望する次第であります。  それから最近災害が頻繁に次から次へと起つているわけですが、特に先般のドツジ予算等を通して、公共事業費というものは非常に制約され、あるいは六・三制の建設に関し、そのほか災害に通ずる地方公共事業費が非常に手がまわりかねているようなわけでありまして、現在のインフレが收束し、それから反面いろいろな状況にかんがみまして、公共事業に対し、災害の線を通して活溌に予算を計上すべきであると考える。そこに初めて公共事業が積極的な失業対策対象になりますし、中小業者振興対策にもなる、こういうことにかんがみ、いろいろ新聞等を通じて政府当局における予算編成にあたつての非常に力強い片鱗もうかがえます今日の機会に、このことに関して公共事業費中心にして、これに対する所見を伺いたい、かよう考えております。
  8. 水田三喜男

    水田説明員 お答えします。一番最初の市町村吏員恩給の問題ですが、これは政府の方の考えは、大体來年度の予算におきまして、シャウプ勧告案によりますと、千二百億円くらいの平衡資金地方に出すという予定になつておりますが、もし千二百億円かりに出すとしたら、今までよりはさらに地方に対して政府がどのくらい多い金を出すことになるかということを計算しまして、これが二百億なら二百億、三百億なら三百億、多く出すことになるのだということでしたら、その半分くらいをことし配付金として補正予算地方へまわしたいというよう考えで、今予算を組んでおりますので、從つて今おつしやられたような金というのは、ことしの補正予算で、地方へ渡される配付金の増額の中で、地方の方でよろしくやつてもらいたいという考えで、相当予算地方へことし配付金として渡す氣持でおりますので、その範囲でやつていただけると思います。  次に災害の問題ですが、これは御説のよう相当の覚悟でこの災害復旧に当るし、將來この災害を繰返さないように、その予防費というものをここへ見なければならぬという考えで、ことしの予算査定は冗費というものはできるだけ切つて、それを全部災害復旧費の方へまわすという考えでやつておりますので、相当今までと比べては思い切つた災害復旧費が出せるのではないかというふうに考えております。シャウプ勧告案によりますと、地方災害復旧費政府で直接見たらいいというよう意向がありますので、それについては今相談してどの点まで政府が見るか、地方にまつたく負担させないでやるか、やはり地方に一部負担してやつてもらうか、この点がまだきまつておりませんので、おそらくきようの閣議にかかつて、きまる問題と思いますが、いずれにしても、國がやる場合には國が應急予算をとるし、地方に一部負担させるというときには起債わく廣げる等々の、いろいろな措置をして、御要望のように思い切つた予算をここへ集中したいというふうに考えております。
  9. 中島守利

  10. 藤田義光

    藤田委員 政務次官は十一時ごろまでしか余裕がないのですから、簡單に二、三お尋ねしたいと思います。  まず第一は、シャウプ勧告案に関する点でございますが、この案によりますと、來年の一月一日をもつて廃止する、たとえば在日外國人の所得に対する免税、これは來年の一月一日に廃止しろと勧告されておりますが、いろいろ二十四会計年度において実施すべき事項も勧告案相当含まれておりますし、大藏省では來るべき臨時國会で、どの程度法案を出されますか、この勧告案に直接関連した法案は、どの程度に用意されておりますか、これが第一の質問であります。  それから第二の質問は、二十四年度の起債査定を見ておりますと、從來地方財政委員会が大体全責任を持つて起債査定に当つております。ところが二十四年度は單独事業も、公共事業に対しましても、大藏省預金部が非常に発言権を大きくいたしております。地方財政委員会査定を終りました單独事業費等に関しましても、相当横やりを入れております。これはぜひひとつ地方財政を最もよく研究し、知つておられる地方財政委員会所管に一任されたい、そうすることがかえつて國政の運営上スムースに行くのじやないか、これは私の体驗でございます。これに対する政務次官の御意見をお伺いしたいと思います。  それから平衡交付金中心明年度から地方財政委員会ができますが、これと大藏省関係、從來の自治廳大藏省との関係と何か変更がございますかどうか、この点をお伺いしたいと思います。  最後明年度予算編成を今事務当局で急いでおりますが、これに関しまして大藏省安本及び所管官庁との関係に紛淆を來しておる点もあるようでございますが、一例をあげていただきまして、たとえば公共事業費はこういうふうな権限に基いて処理しておるというような御説明をお伺いしまして、私たちの陳情の参考にしたいと思いますが、以上四点を簡單に御答弁願いたいと思います。
  11. 水田三喜男

    水田説明員 第一の御質問、今年度減税案を出すかどうかという御質問でございますが、今年度から一部減税を実施したいと思いますので、今度の臨時國会に出すつもりで現在準備しております。  それから第二の問題は、地方起債わくの問題ですが、これは公共事業費の出し方によつて、どれだれのわくを認めてやらなければ、地方がやつて行けないかというような問題になりますので、御説の通りこれは全部地方自治庁と相談して、むしろ地方自治庁にその檢討をおまかせしてやる考えでおります。  第三の問題は、平衡資金というものをきめると、今度は今までの機構上狂いが來るかという問題ですが、若干機構変化はあろうかと思います。各官庁がそれぞれ今までの國家補助金をどういうふうに配付するかという事務をやつてつたのですが、この事務をどう統一するか、政府はただ千二百億出すとか千三百億出すというようなことを予算で決定するだけであつて、それをどう配付するかという組織はまだきまつておりませんが、当然今までとは機構上の変化は來ると思います。  第四番目の問題ですが、これは各官庁がそれぞれ予算大藏省へ要求して來る。公共事業関係は農林省とか、建設省とか、いろいろなところの要求を安本公共事業課、あそこを通つて、あそこの査定を経て大藏省へやつて來る。それらが全部集まつて大藏省主計局がこれを査定するというようなことになつておりますので、公共事業関係——さつき陳情や何かの都合ということでしたが、これは原局安本と両方を通つて最後査定当局大藏省へ來ればよいということで、非常にややこしくなつておりますが、大体そういう手続になつております。
  12. 藤田義光

    藤田委員 第一の点だけ再質問いたします。このシャウプ勧告案に基いて今度の臨時國会に提出される法案は、どういう法案を用意しておるかということをひとつお答え願いたいと思います。
  13. 水田三喜男

    水田説明員 お答えいます。これはまだ決定しておりません。
  14. 中島守利

    中島委員長 大藏関係においてはまだ質疑がおありだと思つておりますが、この次に讓りまして、政務次官は非常に多忙ようでありますから、これで御退出されてさしつかえないと思います。  次に自治庁関係質疑を許します。通告順によりまして質疑を許します。川本委員
  15. 川本末治

    川本委員 小野政務次官が御出席になつておりますから、小野政務次官にお尋ねいたしたいと思います。地方税法の中に電氣ガス税のことを規定しておりまするが、この中に自家用一般工業ガス課税につきましてお伺いいたしたいと思います。私のここで自家用一般工業ガスと申しまするのは、商品として供給する燃料用ガスとは違いまして、自分工場の内部で、たとえば製鉄用とか、化学肥料製造用とか、あるいは化学工業原料用等に使用するために、自分工場で発生せしめるものを言うのでありまして、水性ガス、あるいは窒素ガスコークスガス炭酸ガス酸素ガス等を指すものでありますが、最近聞くところによりますと、福岡縣下におきましては、これらのガスに対しまして、本税附加税を合して約一割の課税を計画しており、すでに着々これが準備をしておるということでありまするが、これにつきましては日本鉄鋼連盟日本化学工業協会日本ソーダ工業会石炭窒素組合酸素協会化成品工業協会油脂工業協会板ガラス協会等有力関係業者から眞劍陳情が参つております。私は地方税法の第七十九條に言いますガスとは当然市販コールガス、または天然ガスをおもな対象としたものと解するのでありますが、もしこのガスという文字を廣く解釈しまして、先に述べましたよう自家用一般工業ガスを包含しまして、このガスに対して課税するということになりますれば、製鉄業または重化学工業のごとき特に重要な工業生産費が非常にかさむことになります。さなきだにこれらの工業は世界各國の市場におきまして激甚なる競爭場裡にありまするので、生産費の増加の結果はひいてあらゆる輸出産業に重大な影響を及ぼしまして、わが國貿易振興上憂うべき結果を招來することと思いまするが、この問題に関しましては、すでに第五國会におきまして、五月十八日の本委員会で、わが党の野村專太郎君から、ガス事業副産物に対して課税するやいなやにつきましては質疑をいたしております。これらに対して木村國務大臣事業税を課するのはほんとうガスいわゆる燃料ガス台所用ガス暖房用ガス等ほんとう燃料に供するガスに対して課税するものであつて副産物に対して課税するつもりはないということを御答弁に相なつておりますから、本件もこれによつておのずから明らかだとは存じまするが、また多少異つた点もあるやに見受けられまするし、ただいまは福岡縣下の一例を申し上げましたにすぎませんが、これは各地方におきまして、また業界各関係者におきまして非常に不安を抱いております問題でありますから、念のためにいま一度私はここにお伺いをいたしておきたいと思います。なお私は地方税法第七十九條のガスとは石炭及びコークスより発生するガス並びに天然ガスに限定すべきものであると思いまして、非ガス業者及び準用ガス事業者の製造するガスにして自家用または他人の生産の用、すなわち原料燃料材料に供するものや、ガス事業者の製造するガス自分生産の用すなわち原料燃料材料に供するもの、これらのものは当然課税対象より除かるべきものであると信じます。この点に関しまして政府当局の明快な御答弁をお願いしておきたいと思います。なお右の解釈昭和二十四年度の課税分よりすることは、これまた当然の義務であると存じまするが、念のためこの際あわせて御答弁をお願い申し上げておきます。
  16. 小野哲

    小野説明員 ただいまの御質問に対しましてお答え申し上げます。御質問の要旨は主として自家用ガスすなわちただいま御質問の内容にございましたように、原料ガス等に対しての課税の問題であろうと拜承いたします。地方税法の第七十九條の趣旨から考えますと、全然電氣ガス税を課することができないということにはなつておりませんので、從つてガス事業者でない者でみずからガスを製造するものが、みずからガスを使用する場合においても、一應は課税対象になるというふうに読めるのでございます。しかしながらただいま御指摘になりました福岡縣における問題でございますが、この問題につきましては主として原料ガスにまで課税して行こう、こういうふうに見受けるのでございまして、実は立法当時におきましてはかよう原料ガスにまで課税をするというふうなことは考えておらなかつたのでございます。從いましてこれらの事情をも勘案して、地方自治庁といたしましては、福岡縣に対しては原料ガスにまで課税をするということはその製品に対する統制額や、價格差補給金制度の改訂と並行して行かなければ非常に無理があるから、課税を差控えるよう勧告をすでにいたしております。なお御心配のようにこの種の事態が各地方にも起つて來るというふうなおそれもなきにしもあらずでございますので、かような問題が起りませんように十分な連絡をとつておきたい。かよう考えておりますことを御了承を願いたいと存じます。なお御質問の後段につきましては御意見通りと解しております。
  17. 川本末治

    川本委員 ただいま小野政務次官の御答弁で、政府の御意向は大体わかりましたが、この際私は委員長にお願いを申し上げたいのであります。この第七十九條は法文の不備な点が見受けられますために、ややもすると曲解されるおそれがないとは言えませんので、この際委員各位の御賛同が得られまするなれば、本委員会におきまして、ただいまの政府当局の御答弁を何らかの形において確認しておいていただきたい、かよう思いますので一言お願いいたします。
  18. 中島守利

    中島委員長 ただいま川本委員より、ただいまの質疑に対して委員会の確認を求めております。これは法制上の解釈でありまして、はなはだ法制欠陷があります、これは早晩自治庁としても私は法制の修正を求められるのではないかと思うのであります。しかしその間、この解釈をはつきりしておきたいということはごもつともだと思います。委員会としてただいまの應答に対して政府答弁を確認しておくという必要があろうと思います。御異議なければこの法制解釈委員会が認めておる、こういうことにいたしたいと思うのでありますがどうでございますか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  19. 中島守利

    中島委員長 御異議なしと認めましてこれを確認いたすことにいたします。  次に委員長より質問をいたしたいと思うのであります。小学校教員に対して最近自治庁荻野財政部長の名によつて通牒をいたした問題であります。あの問題はまつた財政方面より見たる教員の問題、そういうふうに考えたいのでありますが、しかしはなはだ通牒文が極端でありまして不明瞭であります。この際政府当局質問をいたして、これもはつきりしておきたいのであります。あの通牒によりますれば、政府の指示するところの定員以外に教員を存置しておつた場合においては、政府はこれに対して國庫負担金支出できないというよう趣旨に私ども簡單に見るのであります。それ以上にあの通牒文教員に対して政府が指示をしておるものとは考えておらないのでありますが、しかしあの通牒文ですと、どうもそこのところがはなはだあいまいでありまして、あるいは政府の指示する定員以上に置くことが絶対にできないというふうに解釈ができるのでありますが、ずいぶん地方によりますと、地方の部落には大きな区域の廣い町村なんぞにはごく兒童の数の少い分校のようなものが置かれておりまして、そのために定員では処置がつかないよう状態のところがあると思われる、そういう土地においては、その土地財政が許し得れば定員以上に教員が置かれるという解釈を私どもはするのであります。こういう点に対して政府当局としてはどういうふうにお考えになつておるか、ずいぶんこの問題は御考究になつた問題と見ておりますから、どうぞ御遠慮ない御意見をここに発表していただきまして、さらにその御意見によつて了解のできない点は、なお質疑をいたしたいと考えるのであります。
  20. 小野哲

    小野説明員 ただいま御質問がございましたいわゆる定員定額の問題でございますが、この点について地方財政上の見地から、地方自治庁から一應各都道府縣知事に対して通牒を出しておりますことは御承知通りでございます。つきましては、すでに本委員会でこの問題について、いろいろ御審議に相なつたことと存ずるのでございまするが、私の所見をも申し述べまして御了承を願いたいと思うのでございます。地方財政が非常に窮乏しておるということは御承知通りでございまして、從つて義務教育に從事する教員給與費に関しまして、國庫財政との問題が起つてつておるのでございます。義務教育費國庫負担法に基きまして、その二分の一を國庫が負担することに相なつておることは御承知通りでございます。しかし府縣で幾ばく多く支出されても、常にその二分の一を國庫が負担するというよう余裕のある支出は、國としては現状においては非常に困難な状態にございますので、法律を改正して定員定額わくが設定されまして、國庫予算においてもこの方針が確認されておるものと心得ておるのでございます。地方財政において負担する教員給與費所要財源は、定員定額制に基いて國が支出する金額と同額という計算のもとに、地方財政全体の財源措置を講じておるのでございます。義務教育費國庫負担法の建前から見まして、当然そうあるべきものでございますが、このよう計算をいたしましても、昭和二十四年度の地方財政は数百億円の実は財源不足を來すという状態に置かれておるのでございます。文部省定員定額制に基く國全体のわくの中で、個々府縣実情に即應するように、さらに個別に定員定額を定めておりまして、この個々に定められたる定員定額があるいは若干の府縣に対しましては、かなりきゆうくつになつているように思われるのでございます。この個別に定められる府縣別定員定額は、必要によりましては適宜増減等変更を加えてしかるべきものがあるであろうと存じます。しかしながら一たび府縣に示されました定員定額わくを若干の府縣が上まわつて支出をするということに相なりますと、それだけ計画された地方財政全体の所要財源を上まわるものであることは申すまでもないのでございます。しかも定員定額はいずれも財政逼迫から起つて参りました問題でありますだけに、かなり低いところで線が引かれておるものと思うのであります。教員の実数や、給與額をこれに合せて行くためには、相当の苦痛を忍んで行かなければならない種類のものであろうと存じております。從つて若干の府縣文部省から示されました定員定額わくを超えて、増員増給しておるということでありますならば、隣接している他の府縣はそれでなくても、非常に苦しい状態に置かれておりますだけに、定員定額わくを守り続けて行くということはほとんど不可能に近いと申さねばならぬのでございます。ある縣でかりに文部省の示す定員定額以上の人員配置や、給與支給をしておるといたしますならば、地方財政全体としてはそのよう余裕のある財源措置はできていないのでございますが、かりにそういう場合があつたといたしました場合に、自然他府縣も同樣の措置をとらなければならないはめに陷りまして、それだけその團体財政に累を及ぼすことになるおそれがあるのでございます。しかも文部省の示しております定員定額以上の人員配置や、給與支給を行い得る團体がありますならば、定員定額通り配置支給にも財源に事欠く團体に、その財源をまわすべきではないかということに相なると思うのであります。すなわち前に申しました前者に交付されておる地方配付税はそれだけ減額して、後ののものに増額交付するというふうな手段が講ぜらるるのが適当ではないか、こういうふうに考えるのであります。以上のよう考え方から文部省から示されました定員定額を上まわるというふうな場合は、地方財政法の規定によりまして措置を講じなければならぬというふうな考えが起つて参るわけでございます。しかしながらもとよりその以前に文部省の示しております府縣別定員定額はより実情に適当するように、漸次改めらるべきであるということが考えられますし、國全体として採用しております定員定額わくも、必要があればさらに引上げが考慮されるべきものと私は考えるのでございます。右のよう措置が講ぜられますならば、その範囲において当然府縣定員定額も拡張しまして運用さるべきものであると存じます。地方自治庁といたしましては、文部省から示されました定員定額さえとれないような貧弱な府縣に対しまして、これを守れるよう財源付與の道をくふうして行かなければなりません。しかし國庫予算で示されたわく範囲内でしか地方財政全体の措置ができませんのに、このわくを越えた地方支出を、國庫に向つてではなく地方財政に向つてのみ、これを要求するということは相当困難な問題ではないか、かように思うのでございます。從いましてただいま御質問がございましたように、当該都道府縣定員につきまして多少ゆとりを持ち得るよう財源がかりにあるといたしました場合におきましては、これはその地方自治体の自主性に應じて考えなければならない問題でございまして、この定員自体についてはもちろん政府の方針によつて、本年度内に適当な措置を講ぜられる建前に相なつておるのでございますが、私どもの方からこれに対してかくすべきであるというふうなことを申しますことは、地方自治の建前から考えましていかがなものであろうか、かように存じ、地方自治体の自主性の問題として考えてさしつかえないものではなかろうか、かように思うのでございます。なお先ほども質問がございましたが、シャウプ使節團の勧告書によりまして、今後の地方教育費の問題につきましても、相当変化があるものと考えられておりますので、これらの点につきましては文部当局とはもちろん大藏当局とも十分な連絡をとりまして、具体的に檢討を加えて行くようにとりはからつて参りたい、かように存じておりますので御了承願いたいと存じます。
  21. 中島守利

    中島委員長 小野政務次官の御答弁で、大体自治庁のお考えはわかつたのでありますが、こういう点をもつと具体的に伺つておきたい。政府としてはもし定員定額を守れない場合においてはいかに処置するか。私ども自治体の自主的の建前から、それまで定員以外である、定額以上であつてもこれに政府が干渉することはいけないと思つておる。もし定員定額を守れない場合においては國庫の負担をしないでおいて、あるいは配付税、將來における平衡資金というものにおいて考慮をするという措置政府でとれると思うが、どこまでも定員定額で拘束するということは、現在の自治制の本旨に反するのではないかと思う。この点をはつきりお伺いいたしておきたい。
  22. 小野哲

    小野説明員 ただいまの御質問に対してお答えを申し上げますが、この定員定額の問題で委員長御指摘のような事態が起りました場合においては、もちろん地方財政の見地から所要の操作と申しますか、措置を講じなければならない場合が起つて來るかと存じますけれども定員の問題に関しまして自治の本旨を尊重し、自治体の自主性にかんがみて、政府としてこれに対してとかくの干渉をすることは適当でないと存じておりますので、御意見はごもつともと解しておる次第でございます。
  23. 立花敏男

    ○立花委員 第一部長通牒定員定額以外の人員は、年度末までに整理せよという趣旨のことをお出しになつておることが、すでに自治庁はそういう措置をおとりになつておるという実証にほかならないと思うのです。だから次官の今言われたことがほんとう自治庁意向であるとすれば、部長通牒は即刻お取消しになる必要がある。あるいはそういう誤解を地方に生じており、すでに実施しておる所があれば、取消しするという措置をおとりになることが当然であろうと思います。この点に関してどうお考えになつておるか、御明答願いたいと思うのです。
  24. 中島守利

    中島委員長 立花君、その点はどうでしよう。この点をここで確認しまして、そうして政府委員会と意思が一つであるということではつきりすれば、それでいいじやないかと思うのです。
  25. 立花敏男

    ○立花委員 その問題に入りますまでに一つお伺いしたいのですが、定員定額以外のものを地方で雇用いたしまして、地方の負担においてやるということが第二條違反だとはつきり御認定になつておるのか、御明答願いたいと思う。
  26. 小野哲

    小野説明員 ただいまのお尋ねに対してお答え申し上げますが、私どもといたしましてはさよう措置をとる場合におきましては、第二條違反になるという解釈をいたしておるのでございます。
  27. 立花敏男

    ○立花委員 第二條の何項に違反いたしておりますか。
  28. 小野哲

    小野説明員 お答えいたします。第二條第一項でございます。
  29. 立花敏男

    ○立花委員 その文章をお読み願いたいと思います。
  30. 小野哲

    小野説明員 それでは御要求によりまして文章を読みます。第二條第一項は「地方公共團体は、その財政の健全な運営に努め、いやしくも國の政策に反し、又は國の財政若しくは他の地方公共團体財政に累を及ぼすような施策を行つてはならない。」以上でございます。
  31. 立花敏男

    ○立花委員 そのどの点に該当されるとおつしやるのですか。
  32. 小野哲

    小野説明員 私どもといたしましては、第二條第一項全体に関係のあるものと心得ております。
  33. 立花敏男

    ○立花委員 地方定員定額以外の負担を地方でまかなうことが國の政策に違反しておると判定なさるのですか。私どもはこれは國の政策に違反しておるとは思わない。定員定額以外の財政を國の負担においてまかなうというのならば違反するかもしれないが、自治体の独自の財政負担においてやる場合においてどこにこれが違反しているのか。明らかにこれは違反していない、自治体の自治権の範囲内だと思う。またその地方公共團体の施策が他の公共團体財政に累を及ぼすといつているが、これは直接的に累を及ぼすものでは断じてありません。從つてあらゆる点から考えまして、地方公共團体がその自主性において自己の財政の負担において定員定額以外の教員を雇傭することは、決して第二條第一項の違反にはならないということが明らかに言えると思うのですが、御明答をお願いいたしたいと思います。
  34. 小野哲

    小野説明員 ただいまの御質問に対してお答え申し上げまするが、結局これは見解の相違に相なると存じます。私どもは第二條第一項の趣旨にもとつておる、こういうふうに考えておりますことを申し上げておきたいと思います。
  35. 立花敏男

    ○立花委員 見解の相違と申されますが、これは地方自治体の自主権の問題でありまして、地方自治團体が國で定められた財政以上のものを國に要求するとなれば國の政策に違反するとはつきり言えるでしようが、自主性においてやる場合に、どうしてそれが政策の違反になるのか。自治庁が部長通牒をお出しになつて定員定額以外のものの首切りをやろうとされたことは、明らかに自治庁自体が違反されていると思う。しかもこの席上におかれまして文部大臣自身が定員定額によつて首切りはやらないと言明されておりますし、また教職員組合に対しても、首切りはやらないと言明しておる。しかるに自治庁措置によつて実際に首切りが行われておるし、行われようとしておる。これは明らかに政府の背信行為であると思う。しかも定員定額はあの首切り法案である定員法とは違いまして、あれによつて直接首を切るものでないということは國会も確認し、また教職員組合においてもそれを確認した上で賛成したものである。しかるに自治庁がこれは第二條第一項違反である、明らかに政府の政策に違反するものであるという建前でおやりになることは、自治庁自体國会を無視した態度であると思う。これは重要な根本的な問題だと思いますから、もう一度御確答を願いたいと思います。
  36. 藤田義光

    藤田委員 議事進行について——ただいま立花君からいろいろ御質問がありましたが、私はこの問題の根本は、文部省定員定額を実施したことであると思う。現在の自治庁財政部長の通牒というものはあくまでそれから派生した問題である。從いまして、次回の委員会では文部省の初等、中等教育局長かいずれ所管の方をお呼び願いまして、じつくりと定員定額を実施した経緯と現状を説明していただきまして、それから論議したらどうかと考えております。ほかにも質問があると思いますので、まず根本の責任者を喚問してやるということで、この質問を一應保留してもらつたらどうかと考えます。
  37. 立花敏男

    ○立花委員 問題の本質は定員定額の実施の仕方にあるのではなしに、定員定額はこの間の國鉄、全逓などの首切りとは全然性格の違うものである。財政的の見地からきめられたものであつて國家財政にそれ以上の負担を加えないならば、決してこの問題は國家の方でとやかく言うべき問題でないという建前からきめられております。その建前から文部大臣自身が首を切らないということをはつきり言つたはずなんです。だから今さら文部省の方に來ていただいてその説明を受けるまでもなく、もうこの問題は明らかであるので、自治庁が私どもから言いますとくちばしを出さなくてもいいところへくちばしをお出しになつて、自治権を侵害されている、自治庁自体が地方の自主権を侵害されていると考えるのでありまして、あくまでこれは自治庁の責任であろうと思います。
  38. 藤田義光

    藤田委員 私はどうも立花君のお考えと少し違うのですが、文部省定員定額の問題を実施しなければ財政部長の通牒も出なかつたと思いますから、当委員会としてはもう一度文部省の忌憚のない氣持を拜聽することが先決ではないかと考えております。
  39. 立花敏男

    ○立花委員 藤田君の御意見に対しては私は異論があります。しかし從つてもいいと思いますが、その前に自治庁の責任ある御答弁を受けておいて、文部省にもお会いいたしたいと思います。
  40. 中島守利

    中島委員長 荻田部長の通牒問題については、私、委員長として質疑をいたしましたあの内容で了解は得たと思うのです。先ほど申しましたよう定員定額を自治体が守らなくても、それをどこまでも押しつけるものではないという御答弁になつておるのであります。これを確認しまして、この問題は一時これで解決いたしたいと思いますが、どうでしよう
  41. 谷口善太郎

    ○谷口委員 委員長のおつしやるような解決をしてもいいと思いますが、しかしそれだと地方財政法第二條第一項に違反することになると、政務次官はおつしやつているのですが、これは非常に大事な問題だと思います。先ほどから問題になつております地方行政委員会で、文部当局が地方自治庁の方も委員長もいらつしやつた席上で、教員に関する限り定員法だけでは、あるいは定数條例だけでは首を切らないということをはつきり言明され、みんなそれを聞いていた。それを地方財政法第二條第一項の違反だと言つて自治庁がああいう勧告というか、命令というか出すということは問題であると思う。それからもう一つ第二條第一項の違反だというふうに前提されたとすれば、地方の自主性を認めて、定数條例以上に教員をある都道府縣に限つてつても、それには文句を言わないというふうに今委員長がおつしやることを確認しましても、それに対して一方報復的に第二條第一項違反として、たとえば現行の配付税を減額するということになれば、これは財政的に圧迫してできないことになると思う。そういうことは非常にあいまいであつて、第五國会で論議されてきまつていることを、自治庁が横やりを入れてこわして行くことは私どもは認められない。そこのところをはつきりしていただきたい、そう簡單には済まぬと思う。
  42. 中島守利

    中島委員長 この問題は文部大臣は現在の定員を減らさないで済むのだという発言をしたことを私も聞いております。しかしそれに対する予算措置が悪かつた予算わくが小さくて、現在の定員ではその予算わく内で國庫の負担ができないという結論で、自治庁と連絡をして、かよう通牒をしたものと見るよりほかはない。ここのところに矛盾があります。しかしながら現在のところはかような状況になつておるのでありますから、これをいかに処置するかといつても非常に困難な問題であると思う。これは別途の問題である。ただいまのところでは私はこの問題はこの程度にしておきまして、教員予算措置というものは、また別個にこれを考慮しなければならぬ。自治庁に迫りましても、権限外の仕事でできない立場にあります。國庫の負担金が増額されれば定員が自然増加されるわけでありますから、その範囲内で行けばよろしいのであります。今まではそのわくが小さいから、そのわくからはみ出した教員は、國庫負担ができないためにこんなことになつたのだと思う。
  43. 立花敏男

    ○立花委員 委員長のおつしやることもよくわかりますし、委員長自身がこの問題について御質問をお出しになつたお氣持はよくわかるのですが、しかしやはり第二條の問題は重要だと思う。委員長の言われることを第二條違反でないという建前で確認するのなら、私たちはいいと思いますが、第二條違反ということを残しておいて確認するのでは、これは何にもならないと思いますので、その点をもう一度はつきりしていただきたいと思います。
  44. 藤田義光

    藤田委員 私も委員長の御発言にまつたく同感でございます。從いまして文部当局が定員の増減をやらぬと言明して、予算措置に重大な齟齬を來しておりますことは、文部当局の重大な責任であろうと思います。從いまして当委員会といたしましては、あくまでいま一度文部当局のいきさつを拜聽いたしまして、しかる後地方財政法第二條の問題を処理することがいいのじやないかというふうに考えております。
  45. 立花敏男

    ○立花委員 これは決して國家予算の問題ではない。國家予算わく外に出たものを地方が自主権において処理したのがいけないか、いいかという問題でありまして、國家予算の問題ではないと思います。多少関連はあるかもしれませんが、國家予算の問題ではなしに、國家予算以外の、余分にはみ出た分の処理を地方が自主的にやつてもいいかどうか、地方自主権の問題だと思うのです。
  46. 藤田義光

    藤田委員 今の発言でございますが、教育費は半額國庫補助になつております。あくまで國家予算の問題だと思いますので、文部当局の意見を一應拜聽する必要があるというふうに考えております。
  47. 谷口善太郎

    ○谷口委員 問題は二つあると思うのです。委員長は今予算措置教員の首を切らないと言うあとから、文部省が定数條例を押しつけようとしているのだ。こうおつしやるけれども、首を切らないという答弁をしたのは、予算の通つたあとなのです。それは記録を読んでもらえばわかると思います。だからそういうことではちよつと私はふに落ちない。それから藤田さんのおつしやるよう國家予算以外の問題ではなくて、國家予算の問題だとおつしやるのは、これは少し違う。私どもの言つているのは國家予算義務教員の教師に対する給與を半分受持つというその定数條例の範囲内のほかに、地方自治体が独自に自分財政教員を雇う場合に、それは地方財政法第二條第一項違反になるかならないかという問題だと思う。だからその点をやはりここではつきりしておく必要がある。
  48. 中島守利

    中島委員長 谷口委員の今のお話は、私はさつきの質問で解決していたと思います。定員定額以上であつて政府はこれに関與することができないということを言つておる。給料を減らすとも言えない、定員人員を首切るとも言えないということを、政府はその通りだと言つて答えておる。
  49. 谷口善太郎

    ○谷口委員 そういうふうに認めてもらうことがよいと思う。ただその裏に地方財政法第二條第一項の違反だと認めるとすれば、今度は逆に配付税なんか減額するときに圧迫が加わる。先ほど政務次官のお話では財政の豊かな所ではそういうことをやつてくれるが、財政の豊かでない都道府縣あるいは市町村が、それのまねをしなければならぬよう状態が來て、そういう貧弱自治体に対して國としてやはり救わなれればならぬときに、その財源のために財政豊かな所に出す配付税を減してこつちに渡すとおつしやつた。そうすると財政豊かな所をつぶして、財政の豊かでない貧弱町村にやるという何か非常に矛盾したことになると思う。でありますから私ども財政の豊かな所は自治体の自主性において、定員法にどうきまつてようと、必要な教員を雇う。これは自治体の自主権であると認むべきであつて、その裏に地方財政法第二條第一項の違反だと認めて、配付税なんかで報復的に國庫から出す金を減らすというようなやり方をやらない、つまり違反でないというように認めてもらえばよいわけです。ところがやはり認めるというようにおつしやつておる。これを明らかにしてもらえればよいと思う。
  50. 立花敏男

    ○立花委員 藤田さんのお話少し誤解があるのじやないか、配付税を減すと言つておりますのは、定員定額以上にはみ出した者の給與に対する配付税を減らすということを直接言つておるのではありませんので、そのほかにいろいろな形の配付税を違反だから第二十七條に基いて減らすということを政府が押しつけて來ると思う。だからどうしても首を切らなければいかぬということになります。單独地方費で定員以外の者を雇うのは、地方の自主権であるということを認めていただけばよいのでありまして、この措置は決して第二條違反じやない。定員定額以外のものを地方の單独財政費で負担することは、決して財政法違反でないということを認めていただければ、自然に第二條の問題も解決できるだろうと思います。
  51. 藤田義光

    藤田委員 私の名前を指摘されまして御発言だつたので、私の意見を述べます。私は財政法第二條及び第二十六條の問題は一應心得ております。ただ問題は当委員会所管いたしております自治庁の責任ある通牒に、財政法違反があつたということを認定することは非常に重大問題であります。從いまして事前に一應その根本をなす文部当局の施策を当委員会で十分審議いたしまして、その後にしたいというふうな私の意見でございます。この動議をひとつすぐ取上げていただきまして、議事進行をお願いしたいと考えております。
  52. 中島守利

    中島委員長 ただいま藤田君の発議では、文部当局に定員定額に対して質疑をしてから後この問題を解決する、こういうようなお話があつたのであります。これに対して立花委員からは、第二條の問題を解決しなければという発言でありますが、そこに中和された藤田君の議論があるのであります。これをいかに措置するかということは、委員の多数によつて問題をきめて行くほかはないのであります。藤田君の発議に御賛成の諸君は挙手を願います。     〔賛成者挙手〕
  53. 中島守利

    中島委員長 多数であります。それでは文部当局の出席を求めまして、そうして定員定額に対する問題の質疑を終了してから、なおこの問題に入ることにいたします。  ちよつと念を押しておきますが、ただいまは決をとりましたが、定足数が欠けております。これをひとつこの際、多数というのは委員会法制上の多数ではなくて、協議的の多数であるということに御了解を願つておきたいと思います。
  54. 立花敏男

    ○立花委員 同じような問題が、今地方自治体に起つておるのですが、これはもう御存じだろうと思いますが、縣庁、市役所その他の首切りの問題ですが、これはやはり全國一斉に同じような形で行われておりますが、全國一斉にこういう形で出るということは、その裏に、やはりこの定員定額の問題でお出しになつよう通牒をお出しになつたということが、当然考えられるのですが、お出しになつたか、ならないか、これをお聞かせ願いたいと思います。
  55. 小野哲

    小野説明員 ただいまの御質問に対してお答えをいたします。今回國として行政整理が行われましたことは御承知通りでありまして、政府といたしましては、國の行政整理に準じて地方においても協力をするようにとの意味を通牒いたしたことと存じております。
  56. 立花敏男

    ○立花委員 何に基いてそれをお出しになつたのでありますか。またそういう通牒地方にお出しになつて、現在のような重大な事態を地方に引起すような問題を、なぜあらかじめ委員会に了解をお求めにならなかつたのですか。
  57. 小野哲

    小野説明員 お答えをいたします。その際私は、実はまだ政務次官に就任いたしておりませんでしたので、その間の事情を詳細熟知しておりませんために、あるいは誤解のある御答弁を申し上げるきらいもあるかと存じますので、差控えたいと思うのでございますが、要は、國家財政あるいは地方財政の緊縮の問題が、國会におかれましても、また政府におきましても、現段階における重要な案件として取上げられておりますことは、御承知通りでございまして、この線に沿いました措置は、政府としては地方自治團体に対しましても協力方の要請をいたすことはさしつかえないものと、かように私は考えております。
  58. 立花敏男

    ○立花委員 そうしたら、この通牒を即刻ひとつ委員に出していただきたいと思います。私ども、こういう重大な問題を知らないとなりますと、非常に困つたことだと思いますので、お出し願いたいと思います。それから、通牒をお出しになつた根本的な趣旨は、地方財政を救うという建前でございますか。
  59. 小野哲

    小野説明員 お答えをいたします。私の記憶では、どういうふうな形で通牒が出ておるか、実はただいまのところ明らかでございません。從いましてこれは一應取調べる必要があろうかと存じます。あとの御質問地方財政の窮乏という問題がございましたが、これは先ほど繰返し申しましたように、定員定額の御質問に対しましても、私からるる御説明申し上げ、御了療を得ておいたつもりであるのでございますが、現下の財政の情勢、その他國としての施策の全体から勘案いたしまして、かよう措置をとることはやむを得ない場合に遭遇しておるのではないか、かように私ども考えておる次第でございます。
  60. 立花敏男

    ○立花委員 通牒は調べた上でなければ委員会に出せないとおつしやるのですか。出すということを御確約願えないのですか。
  61. 小野哲

    小野説明員 先ほど申しましたように、私自身が実は見ておりませんので、またこの委員会に諮らなかつたという今のお話でございましたが、当時どんな模樣で事務当局の方で処理しておりましたが、この点もつまびらかにいたしておりませんので、從つてここで御確答を申し上げかねる、こういうふうにお答えいたした次第でございます。
  62. 立花敏男

    ○立花委員 ただいま次官のお答えになつような理由は、ここで出すという約束ができないという理由にはならないと思う。そういう問題は末節の問題でありまして、委員会に諮られてないことは事実であるし、あなたが知つておられるかおられないか、これは問題にならないので、ぜひひとつお出し願いたいと思います。  それから先ほどあなたのお言葉の中に、地方財政の窮乏を救済することが目的であつて、やはりこういう問題を地方に出したというようなお話であつたのですが、また次の御答弁では全般的な情勢から、そういうものを出さなければならないよう状態なつたとおつしやつたのですが、財政的な理由のほかに、どういう理由が一般的理由として加わつておるのか、お漏らし願いたいと思います。
  63. 小野哲

    小野説明員 お答えいたします。私の答弁の中で、いろいろ言葉の問題が御指摘になつたと存じまするが、やはりこれは地方財政の問題もございまするし、國の客観的な情勢というような諸般の問題も関係しておるものと私は考えておるのでありますが、さきに申しました地方財政の窮乏、あるいは後に申しました國全体、すなわち中央、地方を通じた財政上の問題というふうな見地から、國家の現段階における財政の緊縮の点から考えまして、かよう措置をとつておるものと、私はかよう考えておりましたために、多少言葉は言いまわし方がかわつておるかもしれませんけれども趣旨はそこにあることを御了承つておきたいと思います。
  64. 立花敏男

    ○立花委員 そうすれば、地方財政にしろ、國家財政にしろ、財政的な見地から地方への首切りを通牒なさつたというわけですね。そうすると、現在各地方で現実に行われております首切りは、決して財政的な見地からではないという結果がはつきり現われて來ているのですが、地方自治庁通牒で意図されたところと、現在地方で行つておる首切りとは違うということを御確認になつているかどうか。たとえば、これは至るところにある例なのですが、至るところの縣庁、市役所では、組合の幹部がほとんどすべて首を切られております。これは決して財政的な見地からだとは言えないと思う。こういう問題をどういうふうにお考えになつているか、御確答願いたい。
  65. 小野哲

    小野説明員 お答えいたします。私が先ほどから繰返し申しておりますように、わが國の現段階におきましては、主として國の財政、言いかえれば中央、地方を通じた財政緊縮というふうな問題が強く取上げられておりますので、それらの点を勘案いたしました措置として、やはり政府におきましても行政整理を行うことに相なりましたについては、これに準じた措置地方においてもとるようにということの協力方を要請したものである。こういうふうに私は考えておるのでございます。
  66. 立花敏男

    ○立花委員 私の質問は焦点が少し違うのですが、そういうつもりでお出しになつ通牒に基いてやられた地方の首切りが、実際はその趣旨と違つた形で出て來ておる。その問題についてどうお考えになつておりますか。現在各地方で裁判所に提訴し、あるいは地方労働委員会に、十一條違反あるいは七條違反で提訴しておるところが多数に上つておるということも御存じだろうと思う。だから自治庁通牒で委託されたところと結果は違いまして、地方では地方公務員の組織しております組合の彈圧、組合の幹部の首切りというところまで、はつきり來ておりますので、この問題を自治庁はどういうふうにお考えになつておるか。
  67. 小野哲

    小野説明員 お答えいたします。政府として今回いろいろの施策を講じております一環として、行政整理の問題もとり上げておるのでございますが、この線に沿うた協力方を要請いたしておるのでありまして、政府は特に地方自治体の自主性を尊重いたしております建前から、ああしろこうしろということの詳細な指示をいたしておるわけではない、かように存じております。
  68. 藤田義光

    藤田委員 簡單に御質問いたします。第一の点は、最近都下の大新聞に、地方自治庁が來るべき臨時國会地方所得税、固定資産税、附加價値税、この三つの新税の要綱を出されるという報道がございました。臨時國会で大体自治庁として予定されております新しい税法はこれだけでございますか。
  69. 小野哲

    小野説明員 藤田委員にお答えいたします。シャウプ勧告書の全文が発表いたされまして、御承知ように新しい地方税体系が設定されることに相なりましたので、地方税法その他関係地方税制に関しまする法律の改正をいたさなければならぬのでございます。特に今回は住民税の問題、あるいはまた事業税の問題等につきましては、画期的な措置が講ぜられなければならないのは御承知通りでございます。從つて政府といたしましては、特に地方自治庁はその担当行政官庁といたしまして、これらの諸法律案の立案に目下從事いたしておるような次第で、從いましてなお詳細な点につきましては、内容を御説明申し上げるまでに至つておりませんけれども地方税の改正、あるいはまた必要に應じまして地方財政法の改正、あるいは地方配付税法の改正等も考えなければならないのではないか、準備ができますならば、あとう限り臨時國会に提案をいたしまして、実施に関する諸準備が円滑に進みますよう考えておるような次第でございます。
  70. 藤田義光

    藤田委員 次は地方財政委員会機構の問題でございますが、シャウプ勧告案によりますと、現在國及び地方間の財政関係を処理する機関として地方税審議会と地方自治庁の二つがあり、いずれも地方財政委員会として活動するにはまつたく不適当であるから、これを解散して、新しく五名の委員國会で任命して、地方財政委員会をつくれという勧告がなされております。これに基いて自治庁首脳部は、関係方面と連日折衝されているということを拜聽いたしておりますが、どういうふうな機構になりますか、地方自治庁の現機構相当飛躍したものになりますか、たとえば現在通り行政連絡部というものが、中央各官庁地方自治團体との連絡調整に、非常な活躍をいたして相当実績を上げつつあります。こういうものは、この勧告案の趣味に從いまして、全廃されるものであるかどうか、でき得れば地方財政委員会の新機構に対する小野政務次官の個人的な希望でも観測でも、御発表願えれば非常に幸いだと思つております。特にこの委員会で私が杞憂いたしておりますのは、災害復旧費が全額國庫負担になります。さすれば当然地方財政委員会は、この経費を地方公共團体に配付するについては権限を持たなくなり、大藏省がもつぱらこれをきめはしないかというふうな、いろいろな新しい悩み、心配がたくさん予想されますので、地方財政委員会機構にはよほど愼重を期せられたいと考えておりますが、現在のところのお見通しをお伺いいたしたいと思います。
  71. 小野哲

    小野説明員 ただいま御指摘になりましたように、シャウプの使節團勧告書によりますれば、地方財政の重要性にかんがみまして、地方財政委員会のごときものを設置いたしまして、地方税審議会あるいは地方自治庁を解散した方がいいのではないか、こういうことが書かれておりますことは御承知通りでございます。その場合におきまして、どういうふうな機構を持つて來るのが一番よいか、言いかえれば、わが國の地方自治の現段階に処し、また將來わが國の地方自治が確立されるために、いかなる機構を設けることが最も妥当であるかということは、藤田委員、多大の御関心を持つておらるるごとく、私自身も非常に関心を持つておる次第でございます。ただしかしただいまの状態といたしましては、なお政府としてかよう考えを持つておるということを申し上げるまでには至つておりません。もし私の個人的な希望を述べさせていただきますならば、わが國の地方自治の確立、將來の発展を期しますためには、地方行政と地方財政とは不可分一体のものでなければならない、かような根本の考え方を持つておりますので、できることならば、さような基本的な考え方を持つておるような、またそういう活動ができるような何らかの機構を整備することが望ましいというふうに考えておりまして、自治庁内部においても種々檢討を加えますと同時に、関係方面とも連絡をとつておるような次第でございます。  なお後段御質問のありました、また御心配になつております災害復旧費が、全額國庫負担になつた場合における操作の問題でございますが、これはシャウプ勧告書にもございますように、一般平衡交付金の配分につきましては、新しい機構——シャウプ勧告書には地方財政委員会と相なつておりますが、この委員会の手においてやらなければならない。またこの委員会相当強力なものでありまして、きわめて少数、勧告書によりますれば、五人程度委員をもつて構成されておる相当強力な機関によつて行われなければならないというふうに書いておるのでございますが、災害復旧費の問題は御承知ように先般來の数次にわたる災害の現状にかんがみまして、この災害復旧費の運用と申しまするか、この点につきましても地方関係に対しましては、相当大きな影響を持つものであろう、かよう考えておりますので、新しい機構の整備にあたりましては、かような点をも考慮に入れまして、將來運用の万全を期するように持つて行きたい。かよう考えておりますことを私個人の見解として一應申し上げておきたいと思います。
  72. 中島守利

    中島委員長 ただいま政務次官は急用の電話が参りましたから、その間に野村委員から質問があるそうでありますから、これを許します。
  73. 野村專太郎

    野村委員 現在深刻な社会問題になつております路上における露店営業の禁止の指令に関する件ですが、このことは今深刻な問題の樣相を呈しております。すなわち來年の三月一ぱいで東京都下全部にわたつてこれを廃止する。こういうような指令が出ております。現在この露店商関係はおそらく東京都下で一万五千を下らない。しかもその家族を推算いたしますると、おそらく十万に近くなるのではないかと思うのでございます。しかもこの人たちの業態は実態において海外から引揚げられた方ですとか、あるいは戰災者、また半面健全な一軒の店舗を持ち得ないという人たちが大多数であろうと思うのであります。これによつて生活を立てておられるのですから、ここを追われるというようなことがありますならば、私はゆゆしい社会問題が現出すると思うのであります。この点に対し政府当局のこれが対策、構想を伺いたい。今日の委員会等によつては、あるいは地元の都知事なり、あるいは警視総監等にも伺わなくては解決がつかぬと思いますが、これは一地方の問題でなく、この廃止の内容は大体において都市の美観をそこねるということ、あるいは防火、衞生、こういう見地からこの廃止を指示しております。まつたく私らもこの指摘の内容については了承することができるのであります。現在の都市の美観、しかも平和の首都としての東京の美観ということは最も尊重して考えなければなりませんが、敗戰によつて打ちのめされた現状において、私はまず現在の生活ということを考えなければならぬと思う。しかもあらゆる職場が、從來の歴史なり、いろいろな事実を経て今日に來ております。不当に道路を占有しているわけではない。政府においても、地方自治團体においても、一定の道路使用料等を相当高價にとつておるわけであります。これに対しては廃止を奬励すると同時に、これに対する不安のない対策を立つべきであろう、かよう考えております。都市の美観を指摘いたしますならば、露店以外にいろいろ乱舞する町の風景、あるいは道路以外のやみ市、こういう点から見まして、できれば都市の美観から寸時も早くこれを解決することが望ましいことですが、今日の経済界においては、それは非常に困難であろうと思います。そこで政府当局としてはこの対策にあたつて愼重に遺憾のないくふうを行つて、收拾しなければならぬと思う。一面においては從來の営業形態を切りかえて、別な空間地なり土地をあつせんして、ここでやらせる。こういうようなことも考えられると思いまするが、しかし今露店以外のやみ市による弊害、またこういうことがどろぼう市場的なことになりますと、從來あるものすら解決をつけなくちやならぬ時代にあたつて、そういうことが再開されるということになるとゆゆしいことであります。そこでこの点に対しては十分出先地方團体にも指示しまして、愼重な対策がいると思う。しかも今日この問題は非常に深刻な問題でございますので、政府当局におかれては、これに対して現在行われておる対策がおありになりますればそれを承りたい。かよう考えております。
  74. 小野哲

    小野説明員 ただいま御質問になりました問題は、きわめて重要な問題であろうと私も存じます。ただ政府といたしましては地方自治庁を初め、各関係当局との間にまだこの問題について具体的な対策等についての取運びが行われておらない実情でございます。なおまた東京都当局との間におきましても、いろいろその間の事情等も聞かなければならない点があろうかと存じますので、直接地方自治庁としての所管事項ではございませんけれども、今お話がございましたような問題につきましては、関係当局ともそれぞれ打合せをするような道を講じまして、他日適当な機会に当該責任当局から何らかの御答弁をいたすような段取りにおとりはからいを願えれば、たいへん仕合せに存じます。
  75. 野村專太郎

    野村委員 ただいま次官の御説明はごもつともだと存じます。なるべく早い機会に具体策をお示し願いたいと思います。非常に不安な状況ですし、また全体の地区を一度にこれを廃止するということは、換地そのものを考えることでも非常に困難だと思います。大体露店というものは、從來は戰爭中いろいろ燈火管制等によつて盡間出すようなつたと思うのですが、いわゆる江戸の時代からあの懐かしい夜店——夜出すということになれば、都市の美観とかあるいは交通、いろいろな点で障害もないと思います。繁華な交通の非常に障害のある所については、これは別段の考慮を拂わなければなりませんが、そういう観点から結論に達するまでには相当考えてよいと思うのであります。この問題については政府当局の強い政治力にまたなければならぬ、かよう考えております。どうかただいまの御説明によりまして、近い機会に具体的の対策をお示しいただき、委員長にもお願いして、また委員会としても関係参考人を招致して具体策を聞きたい、かよう考えております。
  76. 立花敏男

    ○立花委員 実は最近重大な問題で政府通牒というのが非常な物議をかもす種になつておるのですが、こういうようなことをあまり政府にやらせないようにしなければいけないのじやないかと思います。たとえば消防と警察の協力に関する通牒、あれなどもやはり國警部長通牒でお出しになつておる。そうして実質的にはああいう形を地方で起さしておる。あるいはその次には最前問題になりました財政部長の通牒、これがやはり現実に地方では定員法と同じ首切りを教職員の中にも捲き起している。また小野次官からお聞きしましたところの、地方公共團体の職員に対する首切りの通牒、これもやはり何ら法的根拠のないのに、定員法と同じ首切りを地方で実際において起さしておる。こういうことをやりますと、地方が何のために自治権を與えられておるのかわからぬと思う。單なる部長通牒國家公務員法が地方公務員法のかわりをするような首切りの形、あるいは定員法がそのまま下へ行つて地方の公務員の首切りをするというような形、こういうことはぜひやめてもらわなければ、何のために委員会があり、何のために國会法案を審議しているかわからない。部長の通牒一つで地方がこういうように拘束されるということでは、封建時代よりもさらに逆轉したような形になるのじやないかと思いますから、この点何か対策を講ずる必要があると思いますが、委員長の御意見をお伺いしたいと思います。
  77. 中島守利

    中島委員長 ただいま立花委員の御意見は、まず日本の自治体がもつと目ざめなければいけないのじやないか、根本問題は自治体自体が旧來の自治体の形を存置しておるからそのようになる。部長通牒ごときものにそう重きを置く必要はない。政府政府の政策を示すことは必要であります。しかしそれに拘束せられるものではないのですから、ある程度の問題は自治体自体で解決して行く必要がある。あまり依存心が強いからただいまのよう状態になつておるのではないかと思うのであります。
  78. 立花敏男

    ○立花委員 自治体を強くしなければいかぬが、同時はやはりこういう通牒は出さないようにしなければいけないので、弱いところへこういうものを出して、聞いたから悪い、聞かなければいいということを言つても始まらぬ。そこに部長がおいでになるのですから、やはり部長に言つて、出さないという誓約をはつきりとつておかなければいけないと思います。
  79. 中島守利

    中島委員長 それは政府でも荻田君の最近の通牒が大分問題になりまして、どうも昔の官僚式の通牒文で、刺激を與えるところが多い、ああいう形でなく、指導するような、いわゆる示唆するような、やわらかい形で行くことが必要である。こうやつたらいいじやないかと思われるよう程度のものがいいのじやないかと思います。これから自治体に向つては、なるべく自治庁としてはよく自治権を尊重して通牒等を出していただくようにお願いしたいと思います。
  80. 立花敏男

    ○立花委員 それと関連して、今日いただいた資料の中におりますように、やはり地方自治團体課税に対する自主決定権を強化するということを実質上生かしていただきたいと思います。今小野政務次官の話を聞いておりましても、地方財政委員会の問題でもはつきりしていないし、その他の問題でもはつきりしていない。しかるに新聞紙上では、地方所得税を人頭割り六百円にするとかいうことが発表されております。こういうことは地方の自主決定権というものを実際上は束縛するような結果になると思います。臨時國会にお出しになるというお話でございますが、できればやはり地方の自主性を十分機構の上でも反映できるよう措置をおとりになつて地方税の問題をおやりになつていただきたいと思います。單に官僚的に机の上でやるだけでは自主決定権というものは文字通り生かされないと思います。そういう措置機構的にも組織的にも十分考慮していただきたいということをお願いしておきます。
  81. 中島守利

    中島委員長 財政問題については御承知通り自治委員会に付議しております。そこでいろいろ考究され、閣議を経て提案されるわけでございますから、今次長が新聞などに書いている案は、何も確定した案ではないので、どうかさよう承知願いたいと思います。
  82. 藤田義光

    藤田委員 最後に一点だけ質問したいと思います。先ほど地方財政委員会事務機構の問題で、地方行政と地方財政は不可分のものである。そういう構想のもとに新機構をつくりたいという小野政務次官個人の御見解、まつたく同感でございます。ぜひそういう構想のもとに新機構をつくつていただきたいということをお願いしておきます。  最後質問の点は、実はこれは相当しつかりした資料に基いての質問でございますが、文部省で教育財政法というものを計画しているようでございます。教育に対する財源文部省が握りまして、地方財政委員会からこれを分離させて文部省の專管にしたい、教育費の支出に関しましても文部省が全責任を負うという体制をつくりたいというので、いろいろ計画しているようでございます。関係方面にも盛んに連絡をとつておりますが、これに対しまして小野政務次官はどういう御見解でございますか。もし通常國会等でこの法案が出ますと、当委員会で非常に大きい問題になりますので、事務当局ではもう案を持つておりますか、うわさの程度でありまするか、一應御答弁をお願いしておきたいと思います。
  83. 小野哲

    小野説明員 お答えいたします。私自身内容をつまびらかにいたしておりませんので、内容についてのお答えはいたしかねますが、考え方といたしましては、シャウプ勧告書にもありますよう趣旨から判断いたしまして、特に地方財政に関するさような法律案を作成する必要はなかろう、かよう考えております。
  84. 大泉寛三

    ○大泉委員 時間もありませんから簡單に申し上げます。委員長はきわめて各委員意見を尊重されるあまり、私どもにせつかく與えられた審議の時間がきわめて短縮される。私ども委員はおのおの公人として、また議員として政府当局に対する行政上の注意とか、あるいは質問をすることはいつでもできることです。別にこの約束された、制約された時間内において、これをむりにやらなければならぬということはないと思うのであります。そこで私は委員会会議体である以上は、委員会の意思を委員長に十分に尊重してもらつて、そうしてこの短い時間を努めて能率的に大いに活用してもらわないと困ると思う。どうか審議案件の根幹を常に把握してもらつて、なるたけ無駄な問題にはあまり時間をとらないようにしていただきたい。こう私は希望するのであります。どうかなるたけ大勢の委員に、與えられた時間を、他の委員の迷惑にならないようにさいていただきたい。この点をお願いいたします。
  85. 中島守利

    中島委員長 大泉君の御希望は謹んで了承いたしました。十分注意いたすようにいたします。それから質疑に対しましてはなるべく通告の形式をとりたいと思いますから、御遠慮なく通告してもらいたい。通告委員会の日でなくてもようございますから、前に專門委員の方へでも質疑の要項をお書きくださつておけばよろしいのであります。その点御了承願いたいと思います。きようは次に警察に関する件がまだ残つておりますが、齋藤長官が旅行中でありますので、これは次回に延ばしたいと思います。  なおこの際財政その他に対して、いろいろ御相談することが順次できて來ると思いますが、とにかく材料が集まりませんし、内閣から國会に提出する法案に対しても、先ほど水田政務次官が述べられたようにまだ確定しておりません。二十五日開会にしては、はなはだやりようが私はにぶいと思つております。こういうわけでありますから、本委員会においても私は十月の月初めから、そういう問題に対してお互いに考究したいと思つてつたのですが、まだその運びにならないのであります。一番重大な地方公務員法なども、まだきまらぬのであります。第一あちらとの折衝が終らないのであります。そんな事情でありまして、手のつけようがないのであります。  本日はこの程度で散会しまして、次回の委員会委員長において決定して御通知したいと思います。本日はこれで散会いたします。     午後零時三十七分散会