○野村委員 現在
地方の
公共團体における困難な
予算事情というものは、いまさら申すまでもないのであります。今
門司さんからいろいろ
質疑のありましたことも、そのうちのことかと思います。さきに成立した本
年度の
予算そのものが、
予算事情から行きまして、國と
地方の均衡のとれた
予算の上に立
つて、日本の経済の健全なる樹立という点において、やむを得ざる事情のもとに成立したわけですが、しかし今回提案されておるこの法案によりましても、深刻なる今日の
地方公共團体の
負担をさらに加重することになるわけであります。こういう点においても國が
地方に対して当然
支拂うべきものに対しては、遅滯なく
支拂わなければならぬことは当然だろうと、かように
考えておるわけであります。そのうちの
一つとして先般行われました
選挙に対して、全國管理委員会からの陳情があ
つたわけですが、これらは目下
政府においてもそれぞれその実情なりを調査中だろうとこう思う。
地方公共團体においては、
都道府縣あるいは市区町村において、融通してや
つておる今日この問題は相当重大であると思いますが、すみやかに
政府支拂のいろいろなうちにおいても、こういう
費用について最も緊線に公正な支出、現在一億二千万円ばかりの未
支拂があるようでございます。こういう点に対しては現在そのまま未
支拂のものもあります。また
都道府縣あるいは市区町村において立替えておるものもあろうと思うのですが、至急にこれは公正なる
支拂の上に立
つて、結論を得て、來るべき
國会へ更正
予算として当然出されなければいかぬ。実状から言いますれば、そこまでなかなかまてないものだと思いますが、すみやかに実情の調査を完了いたしまして、
公共團体に対する補償を明確にいたすべきだろう、かように
考えておりますので、この点に対して現在のこれに関する経過を伺
つて、
政府の方途をお尋ねしたいと思うのです。
それからもう
一つはガス
事業税が課税されるわけですが、ガス
事業には当然副産物もあるわけです。こういうものに対しての課税方針は、
政府においてはどういうふうにお
考えにな
つておりますか。この点をお尋ねしたいと思います。
最後の一点は映画演劇に対する入場税の問題です。この点は先般の委員会においても、数回にわた
つて政府当局の所信をたたいておるわけです。
地方財政委員会においても、この事実をお
考えにな
つて、適当なる財源があればこれを減税をしたい。こういうことを
考えておるようです。まことにわが意を得たものだと、こう思うのです。しかし今日の映画演劇は、繰返して申し上げるまでもなく、特に都会生活者の健全娯樂として、日常生活から切離し得ない性質を持
つておる。ただ地租、家屋税あるいはその他の問題などで、
地方民の今日困難な
負担を、さらに加重される現段階において、國の
予算、
地方の
予算としても、非常に重要な対象を持
つておる税であります。
從つて結論から申し上げますれば、税收減になるというようなことは避けて行かなければならぬことはもちろんでございます。しかしこのことは私は今日の映画演劇に対する入場料金の統制、この
わくをとりますならば、私は税收減になる杞憂は
一つもない。むしろこれを凌駕する希望さえ持
つておる。今日の映画演劇は非常に貧困をきわめております。しかも自由に貿易が再開し、外國の映画等と対峙したときにおいて非常に劣等感を感じるわけです。しかもこれはほかの統制と違
つて、料金そのものを統制する必要はどこから來ておるのですか。こういう点私は了解に苦しむのでありまして、料金そのものの價格というものを外すか訂正するならば大衆娯樂は
もつとぐんと下げることによ
つて観客をふやすことができる。また高級な演劇については、さらに内容を豊富にして行きますならば、しかもこれらの対象になります観客というものは、相当これに耐え得るものですから、こういうものに私は價格を統制する理由を
一つも認めない。こういう点に対して私は少くとも半減をいたしたいのですが、十五割を十割に軽減し、そうして同時に入場料金の統制の
わくを外すことによ
つて、税收さえ増すことが
考えられるのであります。この点に対して
大臣の御所見を伺いたいと思います。世界各國こういうような健全娯樂に対して
——しかも日本が文化
國家として再建をする上において映画演劇は非常に大きな使命を持
つておる。それを今日のような事態に放置しておくことは、國民感情と背馳することも非常な大きなものがありまして、これはさいわい
地方財政委員会も賛成しておるようでありますから、すみやかにこれを今回改善されんことを望んでやまない次第です。それから今回はさらにこれに関して証紙を
考えておるようです。これは多少性質は違
つておりますが、この証紙の利用
方法に対しては、取引高税においてもにがい経驗をなめております。しかもこれによ
つて生きた藝術演劇、やはり各種の形によ
つて民業を活発にして行きますには、こういう官僚統制的なものを、さらにここまで行くということは妥当でないと
考えております。これら四点に対して
大臣の御所見を承りたいと思います。