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門司委員 私はそういうことがあろうかと思いまして、実は本日、
大藏大臣並びに
大藏当局の
責任者の
おいでを願おうと思
つておりましたが、
大藏当局は
予算の編成が困難で、非常にお忙しいという
ような
理由で、今日ここに
おいでになりませんが、ま
つたく今の
局長の
お話の
ようでありますと、
簡單に言うと
地方はや
つて行けないということになると思います。それはなぜかというと、御
承知の
ように消防の
独立を認め、
警察権を委讓し、さらに六・三制の教育の問題を委讓しており、そうして立法といいますか、表面だけは
地方自治体の完全なる
独立、いわゆる從來の
官治行政を
民治行政に移した
ような形で、非常に
日本の
民主化が行われている
ように、形だけは
示しておりまするが、その実体となる
予算がこれに伴わなければ、これはまた昔にほとんど逆戻りをいたして参りまして、
地方行政が
ほんとうにや
つて行けない。
財政の面でま
つたくや
つて行けないという
ようなことに相なりまするので、この点も少し
はつきり言えないものかどうか。これはあなたを責めるわけではありませんが、
先ほどの話を伺
つておりますると、
地方にはもう少しとり得る
税金があるとか、あるいは
地方財政はこれを圧縮する必要があるとか
言つておりますが、実際はそうではないのであります。一例をあげてみまするならば、一昨年の四月に
地方公共團体の、いわゆる知事以下
市町村長の選挙が行われて、今日までに一体どれくらいの人がおやめにな
つておるかというと、私最近の統計は持
つておりませんが、昨年の四月までの大体一箇年間の統計より見ますると、一万二百五十幾つかの
公共團体で、やめておりまするものが約七百に上
つておるのであります。おそらく現在まで満二箇年経
つておりまするならば、一割を超えておると私は思います。その大部分のものは
財政的の処置に困
つて、そうしていろいろな公約施設というものが行われないでおやめにな
つておる方が、私はたくさんあると思います。ことに町村長の代表の方の陳情を聞いて見ますると、
地方の自治体はま
つたくや
つて行けない。
市町村長が個人の信用において金を借りて來て、そうして仕事をしなければならない
ような状態にな
つておる。
先ほどの御
説明によりますと、大都市は別として、小さな都市に対する
起債云々という
ような
お話もありましたが、ま
つたく小さい町村になりますると、
財政のやりくりのために、当事者はほとんど寧日ないと申しまするか、ひまもない
ような状態であ
つて、実情を申しますると、わずかに六十日あるいはそれ以下の
——ことに私実例を申し上げますならば、神奈川縣の川崎市のごときは、わずかに五日くらいの
期限で市長が金を借りて來て、やり繰りしなければや
つて行けないという事実があ
つた。こういう
ように行き詰ま
つておりますときに、なお
地方財政に余裕があるという
ような物の
考え方、それから
地方民は農村といわず、都会といわず、
税金には非常に苦しんでおりまして、御
承知の
ようにいろいろな問題を引起しております際に、なおかつ
地方税だから余裕がある、
担税力があるというりくつは、私はどこにもないと思う。國の
税金がとれなければ
地方の
税金もとれないのは同じことです。そういう物の
考え方で
地方財政を圧縮して行こうということになりますと、私は
日本の自治
行政というものは、ま
つたく破壞せざるを得ないと思いますが、この辺に対してそれらのいきさつを、ただ一部にそういう空氣があるとか、そういう行き方であるとかいう
ようなことでなくして、もう少しそれらの根拠を
はつきり御
説明願いたい。われわれから言わせますならば、現行の上においても、なおまだ國家事務と
地方事務との分担が明確にな
つておらない。大体國家事務が非常にたくさんあるのであるが、それが
地方においてまかなわれている。一例を言うならば、戸籍事務のごときがそうである。これは
法律的には
地方の分担すべき
事業分担の中にはい
つておらない。ただ本
年度までくらい、戸籍法がかわ
つたことのために、國からある
程度補助として支出をしておる
ようでありますが、これらもやはり明らかに、
一つの國の分担事務として
地方にその費用をわけてやるという、何らかの処置がとられなければならない。こういう
ように当然國の事務であるべき仕事が、
地方の費用の中からまかなわれておりますのが今日たくさんある。これらを
地方として改革してもらいたいという、逆の
考え方を
地方の
公共團体は持
つておる。こうな
つて参りますと、われわれが
地方財政を審議して参りましても、前途はきわめて不安なものがある。そうして結論を得るために非常に困難を來しておりますので、もう少し
局長は詳しく現在の
地方財政というものを研究されておるかどうか。そうしてその
資料が大当藏局にまわ
つておるかどうか。今日まで
地方財政委員会がと
つて参りました経過をもう少し詳しく
お話を願いたいと思います。それでこれは
事務局長で御答弁が願えなければ、主管大臣であります木村さんにひとつお出かけ願いまして、
地方財政委員会の
委員長として御
意見を承ることができれば、非常に幸いだと思います。同時に私はそれをまたここで要求する、と言うと言葉が非常に強うございますが、このことを申し上げて私の発言を終りたいと思います。