○北澤
委員 ただいま
大臣の御答弁のように、日本の現在の為替レートをかえるべきでないという御
意見には、私
ども全然同感であります。それから今度のポンドの切下げというものが、全般的に長い目で見て、世界経済の復興に非常に貢献がある。
從つて、長い目で見てみれば、日本の経済にも非常にいい
影響があるということは、これも全然同感であります。しかしながら問題は、
將來の日本の貿易と日本の経済の自立をはかるという点から申しましたならば、どうしてもアジア地域におきまする日本の貿易を発展させるべきであるということは、御承知の
通りであります。ところがお隣りの中國は中共の支配下にあ
つて、これもマッカーサー元帥の声明のように、中國との貿易というものはそう期待をかけられない。こういうことを
考えますと、結局非共産地区との貿易の発展をはかるということが日本の生命線である。そういう点から申しますると、東南アジアの日本のマーケットというものは、日本にと
つて非常に大事なところと思います。ところがそれが大体においてポンド・ブロックである。しかもそのポンドが、平價が下つたということになりますると、そこへ行きまする日本の品物というものは、値段が大体三割くらい上つたということになりまするので、日本の商品とポンド地域におきまする製品との競爭は相当はげしくな
つて、日本の輸出貿易ことに東南アジアに対する輸出貿易というものには、相当
影響があることは否定できないことであると思います。今後
政府におかれましてもそういう
状態を
考えまして、東南アジアに対しまする日本の輸出の増進ということにつきましては、善処をされると思うのでありますが、結局この東南アジアの経済開発発展、これに対する日本の輸出の増進ということが、今後日本が自立経済を達成するかどうかということをきめるかぎだと思いますので、この上とも御善処願いたいと思うのであります。
もう一点お伺いしたいのは、今度のシャウプのレポートを見ますと、日本におきまする資本の蓄積ということに非常に重点を置かれておるようであります。そのほかにも
國民負担の公平ということも書いてありますが、どうもこのレポートを通覧してみますと、資本の蓄積ということに非常な重点が置かれておるようであります。今日のような敗戰経済におきまして、日本に最も欠乏しているのは資本であります。從いましてこの資本の蓄積ということに最大の重点を置くということは当然と思うのでありまするが、もしそういうこの筋を通すならば、このシャウプの勧告の中に、もう少しその点をはつきり拡張して
考えるべきではないか。たとえば資本の蓄積と申しますと、結局
國民の消費を節約し、特に
國民の奢侈的消費を節約して、それを資本の蓄積の方にまわすということが必要なんでありまするが、そういう点から
考えますると、
國民の奢侈的な消費を抑制するというふうな観点で、もう少し税制の
方面においても
考える余地はなかつたか。あるいは物品税にしましても、あるいは奢侈的ないろいろなものにしましても、そういう点で
國民の奢侈的消費を節約して、それをも
つて資本の蓄積の方にまわすということを、もつと
考える余地はなかつたかと思うのでありまするが、それに対する
大臣のお
考えを伺いたいと思います。