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1949-09-07 第5回国会 衆議院 大蔵委員会 第43号
公式Web版
会議録情報
0
昭和
二十四年九月七日(水曜日) 午後一時三十九分
開議
出席委員
委員長
川野
芳滿
君
理事
小峯 柳多君
理事
島村
一郎
君
理事
内藤 友明君 岡野
清豪
君 北澤 直吉君 佐久間 徹君 西村
直己
君
前尾繁三郎
君 三宅
則義
君 吉田 省三君
田中
織之進君 中崎 敏君 宮腰 喜助君
風早
八十二君 河田 賢治君 坪川 信三君 河口 陽一君
出席國務大臣
大 藏 大 臣 池田 勇人君
委員外
の
出席者
大藏事務官
河野
一之君
大藏事務官
平田敬一郎
君 專 門 員 椎木 文也君 專 門 員 黒田 久太君 七月十八日
委員風早
八十二君
辞任
につき、その
補欠
として
田中堯平君
が
議長
の
指名
で
委員
に選任された。 八月一日
委員田中堯平君辞任
につき、その
補欠
として風 早八十二君が
議長
の
指名
で
委員
に選任された。 同月二十九日
委員風早
八十二君
辞任
につき、その
補欠
として
田代文久
君が
議長
の
指名
で
委員
に選任された。 九月二日
委員田代文久
君
辞任
につき、その
補欠
として、
風早
八十二君が
議長
の
指名
で
委員
に選任された。 同月六日
委員宮幡靖
君
辞任
につき、その
補欠
として、西
村直己
君が
議長
の
指名
で
委員
に選任された。 ————————————— 本日の
会議
に付した
事件
税制改革
に関する件 —————————————
川野芳滿
1
○
川野委員長
ただいまより
会議
を開きます。 去る八月二十六日
発表
に相なりました
シヤウプ博士
の
税制改革
に対する
勧告案
につきまして、
政府当局
より
説明
を求めます。
平田敬一郎
2
○
平田説明員
先般
シヤウプ使節團
の
税制改正
に関する
勧告案
が公表になりましたけれども、実はこれはまだ
勧告
の
概要
で、
シヤウプ博士
が
アメリカ
に帰國されるにつきまして
発表
にな
つたの
でございまして、正式の
マツカーサー元帥
に対する
報告書
というのは実は今
印刷作成
中なのであります。
從つて
先般の
発表
は事前の
概要
の
発表
ということになるわけでございます。公式の
報告書
というのは
相当
浩瀚なものになるらしくて、目下懸命に印刷されておるように伺います。
関係方面
といたしましてはなるべく早く
発表
いたしたいという氣持のようでございまして、おそらく十二日ごろまでに何とか
発表
したいということを言
つて
おりますが、まだ私から確実なことを言いかねるような状態でございます。ところで実は詳細な
報告
、いわゆる正式の
報告
によりませんと、
細目
はなかなか
はつ
きりしないところが多いようでございますが、今日は先般
発表
になりました
概要
の
範囲
内におきまして、私から
要点
を御
説明
いたし、御
参考
にいたしたいと存ずる次第であります。おそらく
大臣
が
あと
でお
見え
になると思いますが、
日本政府
といたしましては詳細な
勧告書
が出た上で、なおよく研究いたしまして、
來年度予算
の
編成
と関連してなるべく早く成案を得て、
國会
に提案する運びになると思います。その点につきましては後ほど
大臣
がお話になると思いますから、私は主として
勧告案
の
内容
につきまして、御
説明
申し上げたいと思う次第でございます。 先般
新聞紙上
に出ました
勧告
の
概要
というものは、ほとんど
勧告
の
概要
の全文でございます。從いましてそれに触れていないことは、実は私どもまだ申し上げることがむずかしいわけでございます。
要点
とするところを重複するかもしれませんが、最初に申し上げておきたいと考える次第でございます。 まず
勧告
の案をつくるについて
シヤウプ博士
は、これは
新聞紙上
にも出ておりましたように、五つの問題をきめてあるのだということを言われました。第一は現在の
日本経済
の
情勢下
におきましては、何と言いましても
経済
の安定をはかるという
見地
が、
税制
の
改正
におきましても
相当
重んじられなければならぬということを強調いたしたのであります。
均衡予算
をあくまでも確保する。しかし
價格調整
その他の
歳出
を削減して、それだけの税を減らす、あるいは調整することはもちろんさしつかえない。あるいはそういう
方向
に行くべきだという
意見
のようでございましたが、
基盤
といたしましては
健全財政
、
均衡予算
を確保するという
基盤
の上に立つた
税制
でなければならぬということを、強調されておるようでございます。 第二点といたしましては、一旦
税制
をかえました上は、なるべく
長期
に安定した
税制
を樹立しなければいけない。つまりたびたび
税制
をかえるのはおもしろくないから、將來できる限り長く持続し得るような
制度
を考えたい、こういう点が
相当
重要視されておるようでございます。今の瞬間から考えるとすぐどうであろうかというようなことも、
長期
の
見通し
として正しいならば、その
方向
をとるというような
考え方
のようでございます。 第三の点といたしましては、これは申し上げる必要もないと思いますが、
税制
の全般にわたりまして
負担
の
公平化
をはかる。
負担
の
均衡化
をはかる。これらはあらゆる
改正
の際の最大の目的でございますが、そのことにつきましては
相当
重要視されておるようでございます。 第四の点といたしましては、
地方自治
につきまして極力
財源
を與えて、健全な
地方自治
の発展ができるようにいたしたい。從いまして
國費
はある
程度
削減できましても、
地方
に
相当
の
財源
をこの際付與して、
地方團体
の健全な発達をはかる。
税制
としましてもできるだけ有力な
財源
を
弾力性
のあるものとしまして、
地方自治
の運営を容易にする。この点を
相当
強く強調されておるように見受けられるのでございます。 第五点といたしましては、これは第三点とやや関連するのでございますが、
税制
だけの公平では実際の
負担
の公平は期し得られないから、
税務行政
の改善を大いにはからなければならない。それによ
つて
のみ
税制
の
公平化
が現実の
負担
の公平にな
つて
現われて來る。両方伴わなければ
ほんとう
の
負担
の公平は期しがたい。この点を
相当
強調されまして、御
承知
のように
徴税制度
その他につきまして、重要な
勧告
が行われておるのでございます。さような点を
シヤウプ博士
は強調せられておるように見受けられますが、そのほかに
経済
の安定に関しまして、この際としましては何と申しましても
企業
の
生産活動
と申しますか、
生産
を大いに
引上げ
て行く。インフレをとどめると同時に
生産
を助長しなければならぬ。
事業活動
を旺盛にするという点が、やはり
相当考慮
に入れられておるように見受けるのであります。さような観点から事実あらゆる
中央
、
地方
の
税制
全体の骨格から、あるいは各税の中の小さい
細目
に至るまで
相当
詳しい檢討を遂て、浩瀚な
報告書
ができ上
つて
おるように聞いております。
内容
はもちろん
発表
されました後に明らかになると思います。 大体の点はこれもすでに
概要
をごらん願いましておわかりかと思いますが、やや
特色
みたいな点を御
参考
に申し上げてみたいと思います。第一の点は
中央
、
地方
と申しますか國と
府縣
と
市町村
、この三つの段階におきまして
租税
を適当に配分したと申しますか、おもな
税金
を有効に配分しようというような点が非常に強調されているように思います。すなわち
所得税
と酒、タバコの
消費税
、こういうものは國で徴收する。それから
府縣
は
事業税
と
遊興飲食税
、
入場税
、こういうものを徴收する。
市町村
は
地租
、
家屋税
それに若干
課税範囲
が拡張されまして、
不動産税
、それから
住民税
、これを
府縣
が
徴税
をしていたのをやめて
市町村
の
独立税
となる、こういうことでございます。そうしてなるべくあまり
重要税目
でない税は極力整理した方がいいだろう。
つまり学問
上も実際上も実績に照して大いに重要視さるべき税をできる限り合理的なものにして、そういう
税目
でそれぞれの
團体
が
財政
上
收入
を得るように持
つて
行きたい、こういう点が
相当
はつ
きり現われているのではないかと考えます。それから全体の
税制
の中で
所得税
にやはり
中心
を置く。
所得税中心主義
と申しますか、こういう見解を
相当
と
つて
おると思います。これはおそらく先に申しました
長期
にわた
つて
持続したい
税制
、こういう点から考えますと、おそらく
所得税中心主義
ということが、自然に出て來るのじやなかろうかと思うのであります。そういう点からいたしまして
所得税
を全体の
税制
の根幹にしまして、
あと
はそれぞれ先ほど申し上げましたように
重要税目
をできるだけ伸張して、それによ
つて
各
團体
が所要の
財源
が確保できるようにいたしたい、こういう点が
一つ
の重要な点じやなかろうかと考えられるのでございます。それから各税の
内容
につきましては
所得税
につきまして非常に重点を置いて、いろいろな
改正
に関する
勧告
がなされておるようであります。
基礎控除
は
扶養親族
の
控除等
につきましては、御
承知
のように
引上げ
られることになります。それから
所得税
の中における
負担
の
均衡
と申しますか、そういう点にも
相当
注目しておられるように思います。
勤労所得
の二割五分
控除
に対しましては、
少額事業所得
に対してもやはり
國税
の
控除
を與えるのが妥当である。すなわち
勤労所得
に二割五分の
控除
を認めるならば、
少額
の
事業所得
につきましては一割五分の
控除
をするのが妥当ではないか、そういう
考え方
が二十四年度の
所得税
の
改正
につきましては提案されておりまして、その
所得税
は一月から実施しますが、そのうち
申告所得税
につきましては十月から三箇月分だけ一割五分の
勤労控除
を
事業所得
に認めて行く、こういう
勧告案
にな
つて
いるようでございます。ただ
來年度
からは
勤労所得
の二割五分の
控除
を認め、
事業所得
に一割五分の
控除
を認めるということでは実益が少いから、
來年度
からはその一割だけを残したらどうか。ただ
勤労控除
は一割に圧縮されたようでありますが、これは主として
事業所得
と
勤労所得
との
負担均衡論
と申しますか、そこから自然に出て來た
結論
でありまして、この点從いまして
使節團
としましては、
相当
考えられた上で出て來た
一つ
の
結論
ではないかと考えられるわけであります。そういうところに
一つ
の
所得税
の中の
負担
の
均衡
ということを考えたものと考えられるのでございます。 それから
税率
につきましては、御
承知
の
通り最高税率
を三十万円
超過
、五五%にすえ置く。五五%にとどめようというのが、これまた
一つ
の特徴ではないかと考えられるのであります。これはおそらく
一つ
は、あまり
税率
が高いと結局うまく税が徴收できないという点と、それからいま
一つ
は、やはり今の大
所得
は大
部分事業所得
でございまするので、そういう
事業活動
を盛んならしめるように、あまり
税率
が高いと
事業意欲
を阻害することが多いという点を
考慮
いたしまして、そういう提案に
なつ
たと思います。そのような点が
一つ
の
特色
のように考えるのであります。ただこの反面
資産所得
に対しましては、やはり五五%だけの
課税
では低いから、これに対しましては
富裕税
を新設いたしまして、
所得税
の
一種
の
補完税
にしたい、こういう考えのようでございます。これも
内容
は御
承知
の
通り
でございます。
建前
はかように
所得税
につきましてはある
程度
税率
を低くしまして、ただ
資産
化しました
資産
から生ずる大
所得
につきましては
相当
重い税をかける。結局
所得税
が五五%とそれから
富裕税
の三%。ただ
富裕税
はどこまでも
所得税
の
補完税
という
建前
が原則でございましようが、
所得
がなくてもやはり
富裕税
は
課税
する、あるいは税は低くても
課税
するという
建前
にな
つて
おります。そういう
建前
から行きますと、純粹の
所得税
とはもちろん違う。
一種
の
所得税
の
補完税
たる
建前
であろうかと思います。その点が
一つ
の
特色
にな
つて
おるようであります。 それから
所得税
につきましては、先般の
発表
にもある
程度
触れておりますが、
所得
の
計算方法
その他につきまして、
相当
詳細な
勧告
がなされておるようでございます。委細は後ほど
発表
になると思いますが、
相当
こまかく触れておるのではないかというふうに見受けられております。
所得税
の
改正
によりまして、結局
負担関係
はどう
なつ
たかと言いますと、これはもう御
承知
のように、
少額事業所得者
の
負担
が一番
税金
が減るようにな
つて
おります。
農業所得
は
昭和
二十四年度におきましては、大体九万円
弱平均程度
ですから、かりに十万円の
農業所得
の場合を考えてみますと、
扶養家族
が四人の場合は三分の一くらいになるようでございます。現在十万円で
扶養親族
四人、奧さんと子供三人の場合は一万六千五十円、それが五千六百
幾ら
になるわけでございます。
営業所得者
の
平均
は大体十七、八万円くらいになります。かりにもう少し高い二十万円のところをとりますと、現在の案によりますと五万七千五十円、それが三万三千七百円
程度
になります。大体二万円くらい
軽減
されているというわけであります。
中小
の
事業所得
の場合、いわゆる
家族
が多い場合は
相当
所得税
だけでは
負担
が減るようであります。ただ
勤労所得
は今申しましたように、
控除
は
事業主
との
関係
で縮まりました
関係
上、減り方が一番少いのであります。ただ
家族
の多い人は
勤労所得
の場合でも
相当程度減
つて
おります。たとえば十万円の人で
家族
が四人の場合でありますと、現在は七千八百円ですが、それが三千六百円
程度
になります。二十万円くらいですと現在は四万三百円ですが、それが二万六千三百円
程度
になります。
家族
が多いと
勤労所得
も
相当
の減少になるわけでございます。ただ
家族
が少い場合は
勤労控除
が縮ま
つたの
に対しまして、
家族控除
の拡張による
恩惠
が少いのでありますから、從いまして
負担
の減り方が少くて、たとえば十万円の
独身者
は現在一万五千円の
負担
であります。それが
勧告案
によりますと一万四千円、この
程度
しか減らない、こういうことにな
つて
おります。この辺でいろいろ問題になるかと考えます。要するに先ほど申し上げましたように、
所得税
としましてはあくまでも他の
事業所得
と
勤労所得
とのバランスをはかるという
見地
に立ちますと、こういう
程度
の
負担
の差になるのではないかということが、
相当
強調されておるように見受けられるのであります。
所得税
だけですとそういうことになります。
地方税
の
住民税
と
地租家屋税
は、これは現在に比べますと
相当増徴
がありますので、そういうものを総合してみないと判断がつきませんが、しかし
中小事業所得者
は全部含めても
相当
な
軽減
になると見ております。
地方税
は精密な
計算
はなかなかむずかしいので、よく調査した上で後ほど御
報告
申し上げたい。
住民税
はある
程度
ふえる、
地租家屋税
もふえるということを
考慮
に入れて、
所得税
とあわせて考える必要があります。 次は
法人税
でございますが、
法人税
につきましては
相当
な
改正
が行われているようであります。御
承知
のように今までの
日本
の
法人税
は、大体
法人
に対して
課税
する、その
利益
を
株主
に配つた場合はやはり
株主
の
所得
として
課税
する、こういう
建前
をと
つて
おります。ただ昨年から
証券民主化運動
を大いにや
つて
おりまして、
配当所得
については
税額
から一割五分
控除
する。どつちかというとそれぞれ別の立場に立
つて
課税
しよう、こういう
考え方
の上に立
つて
おります。今のドイツの
税制
あるいは
アメリカ
の現在の
税制
がそれに近いのですが、
イギリス
の
税制
はこれに反して非常に徹底しております。
法人
に
課税
したのは
株主
に対する
課税
と大体同じという
考え方
にな
つて
おります。いわゆる
普通所得税
は
法人
の
利益
に対して、それを配当した場合においては
課税
いたしておりません。
総合所得税
だけは別にいたしております。しかしこれは
イギリス
の税の中では、全体の一割五分くらいの税で、
所得税
と
法人税
と二重
課税
はしてないという國であります。今度の
勧告案
によると、後者の
意見
を採用いたしているようであります。
從つて法人
に対しては大体三割五分の
普通所得
、
株主
に配当した場合には
配当所得
の二割今まで
源泉課税
をいたしておりましたが、そのほかに
個人
の
所得
から
配当金額
の二割五分
相当額
を
所得税額
から
控除
した。
法人税
三割五分
課税
した額の中から、二割五分だけは
個人
の
課税
が済んだものとして、
個人
の税から引いてもらう、こういう
相当
徹底した
意見
であります。これはおそらく先ほど申しましたように、極力
法人
の
事業活動
を盛んならしめる方が、今の
日本
の
税制
としては適当ではなかろうかという配慮から出ております。そういうシステムに改めたのは
相当
の
改正
であります。それに関連して
超過所得税
をやめて、また
清算所得税
は後ほど申し上げるように
讓渡所得
に
課税
した方がいいというわけで、
清算所得
を廃止した。
税制
のかけ方から申しますと、
相当
根本的な変革に相なるわけであります。今申したような
考え方
から申しますと、会社が
利益
があ
つて
配当しなかつた場合はどうなるかという問題でございますが、結局配当しなかつた場合におきましては、
株主
に対して
課税
さるべき一部の
税額
が引かれるということになります。
利益金
に対しては一%
課税
する。これは累進して年々今後の
利益
に対して積み上げて行く。 次に
間接税
におきましてはまず
酒税
でございますが、
酒税
は前回の
改正
が少し
税率
を引下げ過ぎたのではなかろうか。
從つて酒税
につきましてはむしろ
税率
を
引上げ
て、
増收
をはかつた方がよくはないかというのが
要点
のようでございます。これはおそらく酒類の
原料
が主食である点に
相当注意
をされて、そういう
意見
にな
つたの
ではなかろうかと思いますが、この点は
相当
問題となる点ではなかろうかと思
つて
おります。 それから
織物消費税
は、要するに
衣料品
は大体代表的な
必需品
の
一つ
だから、なるべくこれはやめるべきだ、むしろ
取引高税
よりも先にやめるべきだ、こういう御
意見
で、
必需品課税廃止
の徹底した
勧告
をなされておりますが、この廃止の仕方につきましては、若干
議論
があると思います。 それから
物品税
につきましては、どちらかというと、まだ
相当
課税
してもいいのではないかという
意見
のようでありましたが、
総額
は今年の
予算
で二百七十億ですが、この
総額
を減らさない
範囲
内におきまして
税率
はある
程度
調整する。それから
課税品目
の中で、
ほんとう
の
必需的製品
、これを除外したらいいのではないかということになろうかと思
つて
おります。
物品税
につきましては
課税
の
軽減
をすべきだという
意見
がないようでありまして、
織物消費税
と大分違うようであります。 それから
取引高税
につきましては、これも
報告
にございますように、
來年度債務償還費
と
地方團体
に対する
補助金
、
交付金
、要するに國から出すもの、そういうものを除きまして、
歳出額
が四千五百億以下になれば、
取引高税
はやめた方がよろしいという
はつ
きりした御
意見
でありますが、私どもの
見通し
では、大体四千五百億以下になり得るのではないかと考えておりますので、これは廃止可能ではないかという
見通し
をつけております。 それから
地方税
につきましては、これはいろいろございますが、ちよつと注目すべきものは
地方
の新しい
事業税
でございます。これは縣税として徴收されるものでありますが、
課税標準
は
從來
の
純益課税
から大幅にかわりまして、今度は
企業
の賣
上げ金額
から仕入品、
原料品等
の他の
企業
から買い入れたものを差引いた
残り
を
課税標準
とする。その
残り
は、むずかしく言いますと
附加價値
と称しているわけでありますが、それを
課税標準
にする。すなわち
附加價値
の中から、
企業
は
賃金
なり
金利
なり
事業費
を拂
つて
行くわけでありますが、結局今の純益以外の
金利
、地代、家賃、
賃金
、給料、こういうものが
課税標準
の中に入
つて來
ることになります。もちろん
課税率
は現在よりも
相当
引下げられることになると思いますが、
税收総額
としては四、五百億を予定したらどうか、こういうことにな
つて
おります。 その次は
地租家屋税
でございますが、これは
一つ
の
課税範囲
を、
土地家屋
のほかに償却し得る
固定資産
、これに拡張することにな
つて
おりまして、
営業用
の
固定資産
が
課税対象
になるわけであります。また
課税標準
は時價にかわるということになります。
從つて名前
は
はつ
きりしない点もございます。
不動産税
とか言
つて
おりますが、むしろそういう税にかえた方がよいのではないかという
勧告
のようであります。
賦課率
は現在と比較いたしまして、
負担
は
相当引上げ
になるのではないかと思いますので、新しい
地租家屋税
は大体六百億か五百億を見込んでおられるのであります。これによりますと現在の
地租家屋税
は、大体二倍半と三倍の間くらいに
引上げ
るのではないかと見ております。 その次は
住民税
でございますが、この
課税
は
相当
重視されておるのでございます。何と言いましても、
地方團体
の中でも
市町村
の
地方自治
、これは大いに伸長させなければならない。それが一番健全な
行き方
ではないか。從いまして
市町村
には直接税の形で、
相当
彈力性のある税源を與えべきではないかという意味で、
住民税
につきましては
相当
財源
を認めるようなことにな
つて
おりますので、
一定
の
所得者
一人
当り幾ら
という
定額税
と、それから
從來
の
資産割
をやめまして、今度は國の
所得税
の
課税標準
により、
所得税額
で
課税
することにな
つて
おります。
所得税額
の場合は、二割以内、
課税所得
の場合は一割以内、それから
課税所得
から
所得税額
を差引いた
残り
を
課税標準
とする場合は二割以内とな
つて
おりますが、これはいずれも
最高
でございます。そして
最高
の中におきまして、
所得税額
を
課税標準
とする以外の場合、つまり
所得額
を
課税標準
にする場合には、
比例税率
でもいいし
累進税率
でもいい。要するに
地方團体
が適当と思われる
税率
をつく
つて
、税を徴收して行くという
考え方
のようでありますが、これは
相当
注目すべき
改正
だと思います。 それから
收入
といたしましては、大体六百億ほどを來年の
地方團体
の
財政
の全体の
收入
として予定しておりますが、これはまだ
相当引上げ
になるものと考えております。その他の税におきましては
不動産取得税
をやめるとか、あるいは
地方
の雜種税については極力整理の方針がとられる。
細目
はおそらくこの次
発表
されるだろうと思いますが、できるだけ
合理性
の少い税は少くするという
方向
に行くのではないかと思
つて
おります。
地方財政
につきましては、現在の分
與税制度
と國から出しておる一部
補助金
のうち、
教育費
のようなどちらかというと
負担
金的なもの、これはむしろ包括的な
補助金
にして、新しく
一般平衡資金
というものを出したらどうだろうという
勧告
のようであります。これにつきましては、各
地方團体
が大体必要とする
最低需要
と、普通の
課税
で
幾ら
入
つて來
るか、それの差額を
計算
しまして、それによ
つて地方團体
に交付して行くという
行き方
になるのではなかろうかと思
つて
おります。そしてこれの配分のフアンクシヨンを受持つものとして、
地方財政委員会
が新しく提案されております。そういうのが大体の構想でありまして、いろいろ申し上げますとその他大分ございますが、その点が税の大きな
改正
の点であります。 それから
徴税制度
といたしましては、御
承知
のように
一定
の樣式の
帳簿
をつけるということを申し出て來た人に対しましては、
帳簿
を調査した上でないと税務署が
更正決定
をしない。またそういう人には
青色申告用紙
を利用させまして、特別の
一種
の特権を與える。こういう点が大きな
改正
であります。異議の
申立て
につきましては責任のある特別の官吏を選んでやらせる。なお
租税
の
事件
につきましては成規の
司法手続
を経て解決する。すなわち
租税裁判所
みたいなものをつく
つて
、解決したらどうかという点がおもな点であります。その辺いろいろ御
議論
もありましようが、將來にわたりましてなるべく適正な
制度
を確立するという点で、
諮問委員会等
につきましても、
勧告案
は賛成しない
意見
のようであります。 大体以上申しましたような
要点
でございますが、なおこまかいことはおそらく次の
勧告書
に一々理由をつけて、
相当
詳しく出るのではないかと
承知
いたしておりますので、こまかいことはこの次の機会にさらによく御檢討いただくことがいいのではなかろうかと思います。
川野芳滿
3
○
川野委員長
次は
シヤウプ博士
の
税制改革
に対する
勧告
に関して、
昭和
二十五年度
予算編成方針
に関し、
河野主計局長
より
説明
を求めることに相な
つて
おりますが、
主計局長
がまだお
見え
になりませんので、
平田主税局長
に対する質疑に入りたいと思います。
田中織之進
4
○
田中
(織)
委員
御質問申し上げる前に、今
委員長
はまだ
主計局長
が
見え
られないというのですが、それを伺うことが実は必要だと思うのですが、大体出席は何時ごろでしよう。
川野芳滿
5
○
川野委員長
もはや來る予定にな
つて
、今電話で催促したのですが、もう向うを出られたということにな
つて
おるのですが……。
田中織之進
6
○
田中
(織)
委員
それから
大臣
の出席は……。
川野芳滿
7
○
川野委員長
大臣
の出席は二時ということに約束したのです。まだお
見え
になりませんが、これまたお
見え
になると存じております。
田中織之進
8
○
田中
(織)
委員
それでは大藏
大臣
並びに
主計局長
の出席を
委員長
からせいていただくことにして、主税局長に一、二お伺いをしておきたいと思います。この
勧告案
の
発表
せられた
概要
の中にも、
シヤウプ博士
みずから述べられております
通り
、今度の
勧告案
は、政府與党はもちろんそうでありましようが、われわれもある
程度
期待しておりました減税という点が、どうもわれわれの期待の沿い得ないうらみを実は持
つて
おるのでございますが、この点はこの
勧告案
に基きまして、政府が
税制
の改革を行うときの心構えをお伺いすることによ
つて
、われわれはこの
勧告案
自体から來る減税の可能性というもののきわめて幅の狹いことを、
幾ら
かでも補いをつけなければならぬと、かように考えるのであります。特に政府並びに與党が
從來
公約しておりました、シヤウプ
勧告案
が出るならば
相当
減税されるという政府の公約から見ても、この
勧告案
自体に盛られておる減税の幅というものが非常に少いと思います。この点をどういうふうに調整せられるお考えでありましようか。先般議院運営
委員
会で、
風早
議員からの質問に対して主税局長がお答えにな
つて
おることを、私も
新聞紙上
で拜見しておるのでありますが、この
勧告案
を
発表
するにあたりまして、
日本
の國民の
勧告案
に対する自由な批判、檢討をむしろ歓迎せられる一文章が附加せられておりまするので、私はそういう意味からも、政府が積極的にこの
勧告案
をさらに発展させるような
方向
に、特に政府の公約でありまする減税に重点をさらにつけ加えて行くという点について、すでにこの
勧告案
が
発表
せられてから閣議等も開かれておると思うのでありますが、主税局長からその点についての
見通し
を聞かせていただければ幸いだと思います。
平田敬一郎
9
○
平田説明員
政府といたしましては、まだ何した正式の
報告
を得ておりませんので、閣議で態度を決定するというところまでには、至
つて
いないのじやないかと考えますけれども、私の
見通し
を若干申し上げてみたいと思います。 この
勧告案
の
概要
にもありまするように、一應
來年度
の
租税
收入
の必要額というものを仮定するという言葉を
勧告案
に使
つて
おりますことは、
使節團
は、
來年度
の
歳出
を今きめるわけには行かぬ。一應の
見通し
を立てて、その上で
税制
をいかに
改正
すべきかを考えたいのである。こういうことを言
つて
おります。從いまして、ものも
來年度
の
歳出
が、この
勧告案
が
見通し
を立てているよりも、より以上に減少するということでありますれば、これはそれだけ税の
軽減
と申しますか、
徴税
に制限をいたしましても、ドツジ原則あるいは
勧告案
の趣旨にも反しないことじやないかと考えます。そういう方面におそらく私どもとしましては努力いたしまして、さらに若干の補正ができればいいのじやなかろうか、かように考えておる次第でございます。ただ
相当
やはりこれも國の
歳出
がある
程度
減るという前提で考えておりますので、どの
程度
できまするかは、目下作業をしておりますところの
來年度予算
が具体的にもう少し明らかに
なつ
た上でないと、私といたしましては申し上げかねる次第でございます。 それから一番関連の深いのは、おそらく
所得税
の
軽減
関係
だと思います。これは
概要
にもございますように、今年度の
予算
額三千百億から、明年度は二千九百億
程度
にしたい、こういうことにな
つて
おります。これは明年度の
所得税
の
改正
案による見積り二千九百億、それと本年度の三千百億と比較しておるわけであります。從いまして
所得税
がどのくらい減るかということから考えますと、まさにその差の二百億というのが正しいのでございますが、これはおそらくこの詳しいものが
発表
になりますと、二千九百億の算出の根拠が示されると思います。それによりまして明らかになりますが、ある
程度
課税所得
の増を見ておるのではないかと見ております。從いまして今度の
改正
案も、今年の
予算
つまり三千百億円と
計算
いたしました、その
予算
の基礎にな
つて
おるところの
課税
表をそのまま適用いたしまして、
計算
いたしてみますと、これも新聞紙に出ておりますように、実は約千億
程度
の減少になる。
負担関係
から申しますと、こう見ておるのでありますが、何しろ先ほど申しましたように
農業所得
税は三分の一、営業
所得税
でも
中小
の場合は
相当
減りますし、
勤労所得
の場合でも
家族
の多い人は二、三割の減が大部分でございます。從いまして大体
所得税
は、
負担関係
の増減という観点から見ますと、三分の一弱が
税率
控除
においては予定される、こういうことは言い得るのではないかと思います。それは
勧告書
にもちやんと書いてあります。本年度の
予算
額三千百億円から、明年度二千九百億円
程度
に若干減少せしむべきことを
勧告
する。
税率
の引下げ、
控除
の
引上げ
は、このわずかな減少が示唆するよりもかなり大きなものである。こういうことを注意書きでつけ加えておりますが、そういう点は今申し上げましたようなところで一應御了解を願つたらどうであろうか、かように考える次第でございます。
來年度
の全体の
税目
をきめることになりますと、もう少し
來年度
の具体的作業が進みますと、的確な数字がきまるようになるのではないかと考えております。
田中織之進
10
○
田中
(織)
委員
勧告案
にもちらつと出ておるのでありますが、今
平田主税局長
の御答弁の中にもありましたように、
來年度
における
課税所得
の若干の増加を期待されておるようでありますが、これは私本年度の
所得税
の、いわゆる
課税所得
の増加につきましても問題に
なつ
たと同じような意味で、われわれは現在の
経済
的な情勢から見て、
來年度
における
課税所得
の増加ということについては、そういうものに期待を持てないようにわれわれは考えておるのですが、
課税所得
が若干でも増加するという根拠が、どういう点を押えられて——これは
使節團
に聞かなければわからないというようなものでありますけれども、
勧告
を受けた政府側としても、その点についてある
程度
の
課税所得
の増加を期待せられておるようでありますが、そういう点から、その根拠となるような條件が、現在の状態からピツクアツプできるかどうかという点をまず聞きたい。 それから、たびたび立
つて
いただくのも何でありますから、
あと
二点ほど伺います。
所得税
につきましての
軽減
は若干期待できるわけでありますが、局長も先ほど
説明
せられましたように、ことに
勤労控除
の引下げの問題は、國全体として今度の
勧告案
がかすかであるけれども
所得税
の
軽減
の
方向
にあるということは、私認めるにやぶさかではありませんけれども、先ほどの御
説明
にもありましたように、まだ
勧告案
に
説明
されておりまするように、いわゆる
勤労所得
者と農民あるいは
中小
企業
等の
少額
所得者
との
均衡
を、
勤労控除
の削減によ
つて
や
つて
おるというようなことは、むしろ
勤労控除
を受ける純然たる
勤労所得
者の立場から見るならば消極的であり、これはマイナスにな
つて
おると思うのです。新聞紙等に出たところから見ますると、この
勤労控除
の引下げを一〇%まで一挙に引下げるということは、これはあまりにも急激過ぎるというか、酷だというような
考え方
もあるだろうと思うのです。できれば二〇%
程度
までの引下げということに食いとめることはできないかということで、何か作業されておるように
新聞紙上
拜見したのです。われわれは率直に申しまして、少くとも
勤労所得
税の
勤労控除
につきましては、かりにこの
勧告案
通り
に行われるということになれば、これらの
勤労所得
者は、今度の
勧告案
によ
つて
何ら
恩惠
には浴さないと言
つて
も、大した言い過ぎではないというように考えておりまするので、その点については、これをいかに調整せられる御所信であるかどうかということをお伺いしたい。 それからそれに関連いたしまして、先ほどの
説明
、また
勧告案
にもあつたわけなんですが、
所得税
における若干の
軽減
というものは、
地方税
における
住民税
と
地租
及び
家屋税
の——率直に申しまするならば、増徴という形にな
つて來
るので、
所得税
の面における
軽減
が、全体として税
負担
の点から見れば、さらに
軽減
率というものが軽くなるように見受けるのでありますが、大体そういう点について差引いたしまするとどの
程度
になるかということについて、数字的に作業されたかとも思いまするので、そうした点についてもし
地方税
との
関係
において、
所得税
が最終的にどの
程度
軽減
になるだろうか。細部の点は
勧告
の成文が政府に傳達されないとあめいはわからないかもしれませんが、大体予想されるところのものがありますればこの際お示しを願いたい。かように思います。
平田敬一郎
11
○
平田説明員
所得税
の
來年度
の見積りは、御
承知
の
通り
にいろいろ問題があろうかと思いますが、ただ
勧告案
はやはり一應最近の
生産
物價の状況などに照しまして、そういうものがそう惡くならぬという前提のもとに、おそらく
計算
されておるのではないかと考えております。この点はこの次の
報告書
にあるいは
相当
詳しく出ておるのじやないかと思
つて
おりますが、その上でさらに御批判を願つたらどうか、かように考えております。 それから第二の
勤労所得
税の問題でございますが、全体的に見まして、実はこの
勧告案
に対して政府としてどういうふうにするかということは、まだ
意見
を
はつ
きりきめておるわけではございません。私どもいろいろ各方面からの批評等をよく参酌いたしまして、よく檢討した上で政府の態度をきめたい。かように考えておりますが、これは先ほど申し上げましたように、
一つ
には
來年度
の
予算
のわくがもう少し具体的に
見通し
がつかないと、その方もなかなかむずかしいという点がございまするので、こういう点につきましても、あるいは
大臣
は何かお考えがあるかもしれませんが、私といたしましては、ちよつとまだここで
意見
を申し上げる段階に入
つて
いないことを御了承願いたいと思います。むしろ御
意見
がございましたら承りまして、私の方で参酌さしていただきたいと考えておる次第でございます。 それから最後の点は、
地方税
の問題でございますが、これも実は
地方税
についてごく大まかな
一つ
の概数が出ておるだけでございまして、どの
程度
に
平均
的な
負担
を見るべきか、いろいろ檢討の余地がありますので、目下いろいろ
計算
いたしておりますが、なお詳しい
発表
が出ました上で案を練りまして、できるだけ世間にも誤解されないような数字をつくり上げまして、御
説明
申し上げたいと考えております。はなはだ恐縮でございますけれども、後ほどに延ばさしていただきたいと思います。
独身者
の
勤労所得
者の
勤労所得
税の
軽減
は、これはあるいはできるかもしれない。
家族
の多い
事業所得
者なり、
家族
の多い
勤労所得
者は、大体において
負担
が減るとお考え願
つて
よいのではないかと思いますが、詳細な
計算
はなるべく正確なものをつくりまして、適当な時機に公表いたしたいと考えております。
川野芳滿
12
○
川野委員長
今大藏
大臣
がお
見え
になりましたが、実は大藏
大臣
は三時からほかの会合にぜひ出席しなければならぬ、こういうふうな実情でございますので、大藏
大臣
に対する質疑をまずお願い申し上げます。
風早
八十二君。
風早八十二
13
○
風早
委員
池田大藏
大臣
にお伺いいたします。國民が重税でどれくらい困
つて
いるかということは、これはいまさら言うまでもないことでありますが、これに対して
政府当局
はかねがね
税金
の
軽減
ということを國民にも公約しておられたわけです。ところが二十四年度
予算
案では、御
承知
のようにこれが果せなかつた。そこで
シヤウプ使節團
の來朝の機会にぜひともこれはやるということは、たびたび池田大藏
大臣
から伺
つて
おつたわけであります。國民としてもこれは非常に期待しておつた。ところが実際に出てみますと、まだ詳細のことはわからないと言えばそれまででありますが、この
勧告案
大綱によつただけでも、まつたくわれわれの期待を裏切つたものであると考えるわけです。この点につきまして、まず第一に池田大藏
大臣
は、
新聞紙上
その他でわれわれが仄聞しているところによると、
シヤウプ使節團
とは密接な交渉を持
つて
いろいろ協力されたことは認められた。しかし実際の結果から見ると、これは一体どういう協力をされたのか、われわれとしては疑わざるを得ない。先ほど主税局長からもいろいろ御
説明
を聞いたのでありますが、何かこれが政府とはちつとも
関係
のない、こういうものが與えられて、これから初めて考えるのだといつたような印象を受けるのであります。そういうものじやなかろうと思う。もともと
シヤウプ博士
の
勧告
を受けるのをまたなければ仕事ができないということ自身が、非常に不見識であると考えるのであります。しかしそれにしましてもいよいよ
シヤウプ博士
が來られるということになれば、やはりこれに対して
ほんとう
に
税金
の
軽減
の実現のために、努力が拂われなければならなかつたと思うのであります。その点でどういう努力を拂われたのか、大体大藏当局としましても、どの
程度
の
税金
の
軽減
、またいかなる意味でこの
軽減
ということを
シヤウプ博士
にいろいろ協力されたのか。そういう点のいきさつをこの際少しお話願いたい。そうでなければ、これは政府にと
つて
もあるいはまた民自党にとりましても、どうも國民に対して何ら納得を與えるわけに行かないと思う。たとえば先ほど
勧告案
のねらいとして御
説明
があつた中の大きな問題としまして、
負担
の
公平化
というのがあります。しかし
負担
の
公平化
はもとより大事なことでありますが、
公平化
という意味は具体的に申しますれば、必ずこれは大衆
負担
が
軽減
せられるという点になければならないと思う。そのことがこの
公平化
の
内容
にな
つて
いると思う。ところが実際に出て來た大綱を見ますと、たとえば
所得税
についてもこれは累進
課税
ではなく、逆進税である。わずか三十万円、四十万円の年
所得
の者が五五%の
所得税
を課せられる。それでどうしてや
つて
行かれるか。これに対して何百万円、何千万円の者もやはり同じ五五%だ。これは累進
課税
の反対の逆進
課税
と言わるべきものであると考えるのであるが、こういう点にも現われておりますように、
負担
の
公平化
ということ自身がここでは出ておらないと思います。いろいろありますが、まず第一にどういう形でどういう
内容
で協力をされたか。その点をぜひこの際率直にひとつ話していただきたいと思
つて
おります。
池田勇人
14
○池田國務
大臣
シヤウプ博士
が來られましてから、
日本
の
経済
の実情調査並びに
日本
の
税制
の
説明
につきまして協力をいたしました。しこうして
シヤウプ博士
が二、三回私の
意見
を聞く機会を與えられましたので、日ごろの
租税
に関する考えを申し述べたのでございます。これが
シヤウプ博士
に対しまする私としての協力であ
つたの
であります。しこうして今
シヤウプ博士
の
勧告案
の
内容
につきまして、
風早
委員
よりいろいろな言葉が費されましたが、私は
シヤウプ博士
の
勧告案
につきまして、ただいま
意見
を申し述べることはさしひかえたいと思います。
風早八十二
15
○
風早
委員
勧告案
に対する
意見
は大藏当局としては述べられないというようなお答えでありますが、これはわれわれははなはだ意外とするものであります。
シヤウプ博士
自身も特に帰る際に、これについては十分な國民的な討議をや
つて
もらいたいと述べている。討議をやるにはこれの批判が当然伴うわけでありまして、どういう
意見
を持つかということは、特に政府としては考えがなければならないと思うのでありますが、これが述べられないというのははなはだ意外で、また了解に苦しむところです。しかし私が今伺
つたの
は、この
勧告案
の出て來た結果に対して
意見
をお尋ねしているわけじやないのであ
つて
、どういう
内容
の協力をされたかということです。いろいろ
意見
を求められたので、
大臣
は平生考えておる
税制改革
に対する私見を述べたというお話でありますが、それは長くなりますからある一点に限
つて
もいい——
税金
の
軽減
、ことに
所得税
なら
所得税
の
軽減
というような点だけに限
つて
もいいのでありますが、そういう
軽減
問題で具体的にどういう
内容
を持
つて
シヤウプ博士
にぶつか
つて
行かれたか。そうしてそれがどういういきさつで結局こういうことに
なつ
たか。この点を伺
つて
おるわけどありまして、もう一度お答え願いたいと思います。
池田勇人
16
○池田國務
大臣
シヤウプ博士
の
勧告案
につきましては、いずれ近日中に全貌が出ると思うのであります。先般の分はその一部を要約せられたものであるのでありまして、
シヤウプ博士
の全体の
考え方
につきましてはただいま檢討中でありますので、今ここでこれに対しての
意見
を申し述べるのは適当でないと考えるのであります。また
シヤウプ博士
の
勧告案
につきまして先ほどお答え申し上げましたように、私の
意見
はある
程度
申し述べておりまするが、
シヤウプ博士
と私との対談の
内容
につきましては、ここで
発表
する自由を持
つて
おりません。
風早八十二
17
○
風早
委員
それはやはりお答えになり方いかんで、どうにでもお答えになれると思うのでありますが、そういうふうに大藏
委員
会に対する誠意が示されなければ、われわれは遺憾ながらこの点は打切ります。われわれが具体的に要望しておつたことは、何とい
つて
も
税金
が
軽減
されるということでありまして、しかもこれが大多数の國民大衆の側において
税金
が
軽減
せられるということであ
つたの
であります。その
軽減
はもちろん実質的な意味においてでありまして、かならずしも額だけの問題じやないわけです。 いろいろ問題はありますから、こまかいことは
あと
で主税局長に伺いますが、大藏
大臣
に一点だけ伺
つて
おきたいのは、
來年度
の減税を大体一千百億に見積るということは、池田大藏
大臣
の談として最近しばしば新聞に出ておるが、新聞に出ておることは責任が持てないとい
つて
はずされることは、はなはだわれわれは望まないところでありまして、どういう根拠でああいうことを言
つて
おられるか。その
一つ
としてはやはり國民
所得
が本年よりは來年がふえるであろう、
從つて
また
課税所得
というものもふえるであろう、こういつた前提があるように考えられます。この点ははなはだわれわれの予測と相反するものでありまして、現在のように産業も全般的に非常に危機に瀕しており、また
中小
商工業者も廃業が続出しており、一般の勤労者も首切りでみんな矢業しておる。こういつたような状況で、実際にまた
生産
そのものもきわめて停滯しておる、滯貨は激増しておるという状態であるから、はたして
來年度
國民
所得
が増大するかどうかわからない。
從つて
課税所得
というものも増大するかどうかわからない。もしも國民
所得
が増大しないで、しかも
課税対象
の
所得
だけが増大するというようなことであるならば、これはも
つて
のほかのことでありまして、この辺のところがきわめてわからない。そういうあいまいな、またわれわれから考えても明らかに逆のような前提をとられて、その上で
來年度
の減税云々ということを問題にされても、これは全然間違つた
結論
と言わざるを得ないのであります。そういう点についていま少しく國民
所得
の実情の
見通し
並びに
課税対象
の実情の
見通し
と、そうしてあらためてあの一千百億円の数字について、大藏
大臣
の所見を伺いたいと思います。
池田勇人
18
○池田國務
大臣
減税案の
内容
につきましてどれだけ少くなるかという場合には、いろいろな
考え方
もあるのであります。われわれ大藏当局が
税制改正
案のときに、これだけの減税になるということは、
一つ
の基本を置きまして、そうしてその基本に
改正
税法と現行税法を当てはめたときにどれだけ減税になるかということで、われわれは今まで來てお
つたの
であります。しこうして本年すなわち
昭和
二十四年度の
所得税
の基本になりまする
課税所得
をもとにいたしまして、現行税法を適用した場合には、御
承知
の
通り
に三千百億円と算定いたしたのであります。同じくその
課税所得
を基本にいたしまして、シヤウプ
勧告案
の
所得税
の
税率
並びに
控除
その他の
改正
案を適用いたしますると、二千百億円になるのであります。
從つて
われわれは本年度におきまして、現行税法とシヤウプ
勧告案
とを比較すると千億の減税になると
発表
いたしました。これには誤りはございません。お話の
シヤウプ博士
は三千百億円のことしの
所得税額
に対しまして、來年は二千九百億円になる、こういうことを
発表
されましたが、聞くところによりますとこの二千九百億円の
來年度
の予想というものは、
シヤウプ博士
の
計算
によりまして
昭和
二十五年においてはこれだけの
所得
になるだろうということを想定され、しかして
シヤウプ博士
の
所得税
率並びに
控除
を適用にな
つて
、二千九百億円と算定されたのであります。從いまして
來年度
は二千九百億円、今年度は三千百億円、差額は二百億援と言われたのであります。もし私が
シヤウプ博士
の
來年度
の國民
所得
の予想、並びに
所得税
の
課税所得
を基本にいたしまして、
シヤウプ博士
のこの
税率
を適用したならば四千億円に達するだろう。しからば
シヤウプ博士
の案を適用して二千九百億円と
計算
されたならば、
來年度
においては千百億円の
所得
の減税案である、こういう
計算
であるのであります。これをたとえて申しますると、たとえば酒の
税率
を下げてやつた場合に減税の額がどうなるかということは、二十四年度の増石見込高で
計算
いたします。
來年度
にもし酒が非常に増産になりました場合におきましては、國民が
酒税
として納める
税額
は、たとい
税率
を引下げてもたくさん入
つて來
る場合もあるのであります。しかし税法
改正
の減
税額
というのはそういうふうなものでは考えていない。基本の増石高を同一にした場合の減
税額
を言
つて
おるのであります。この点は誤りのないように御了承願いたいと思います。
風早八十二
19
○
風早
委員
これは数字の上の單なる手品とわれわれ考えるほかないのでありますけれども、実質に問題にしておるのは國民
所得
と
課税所得
そのものなのであります。これは実質的に考えなくちやならぬ。千百億円が形式的に浮かび出ると言いましても、実際の國民
負担
、
税金
負担
という点から言いまして、千百億円はおろか、この勘定が行かれれば來年はおそらく今年よりも、もつとはなはだしい
税金
負担
の加重になると考えざるを得ないのでありますが、そういう國民
所得
の実体、また
課税所得
の実体——今年
課税所得
がこれこれであ
つて
、これに対して三千百億円の見積りである。その
課税所得
そのものが実体的には問題になるのでありまして、そういうものが來年に出て來ると予想されることが、今の実情から見まして、まつたくただ言葉の上のごまかしであるとしか考えられないのであります。こういう点についてもう少し納得の行くように、國民
所得
が來年実質的にふえるという点について何ら御
説明
がないのでありますが、これをお尋ねしておるわけであります。同様に
課税所得
についても実質的にふえるのかどうか。そうして
結論
としまして千百億円は形式的に減税になるということは実質上はどういう意味なのか。実質上においては大体どのくらいにその
負担
の増減を見積
つて
おられるか。この点については
シヤウプ博士
の見解ではなくて、池田大藏
大臣
御自身の見解を承
つて
おきたいと思います。
池田勇人
20
○池田國務
大臣
二千九百億円の
所得
を見込まれたのは、
シヤウプ博士
が二十五年においては國民
所得
はこうなるだろうという仮定のもとにおいて
計算
されたのでありまして、何も
日本政府
を拘束するものではありません。私は
來年度
の國民
所得
の見方につきましては、
シヤウプ博士
にならうものではないのであります。私は今
予算
編成
にあたりましてそれをせつかく檢討中であるのであります。今ここで
來年度
の國民
所得
がどうこうということは申し上げる時期に至
つて
いないのであります。國民の
負担
というものはこういうふうにお考え願つたらよいと思います。たとえば十万円の
所得
のある農家とか、あるいは
中小
商工業者で妻及び子供三人あつた場合には、現行税法では一万六千五百円の
負担
になります。その方が
來年度
においてもやはり十万円の
所得
があつたならば、シヤウプの
勧告案
によ
つて
計算
すれば、これは七千六百円で半分以下になります。これはもう
はつ
きりした事実なのであります。しかし今年十万円あつた人が
來年度
十五万円に
なつ
たときには、シヤウプ
勧告案
を適用してもなお
税金
がふえるじやないか、これは増税だ、こう考えることは
税制改正
案の減税の当然の理論にならぬ。これを申し上げておるのであります。
風早八十二
21
○
風早
委員
今の御
説明
は私の問わんとするところとはまつたく違つた点についてのお答えでありまして、一体來年國民
所得
がふえるのか減るのかということを言
つて
おるわけです。國民
所得
というものはその年々の
生産
によりまして、新しくつけ加えられる價値でありまして、これが來年は今年よりもふえるのかどうか、そういう点については何らお答えがないのでありまして、今國民
所得
の
計算
はまだ
発表
する時期ではないというようなお話、これはこまかい数字の上でまだ吟味すべき点はむろん多々あろうと思いますが、現在の実情から推してあらかじめ來年は今年よりも國民
所得
がふえるであろうというような、今までの年々の水増しの
考え方
でこの際に類推されたならばたいへん危險である。國民は今の事例なんかで当てはめられて、十万円の者の
課税
負担
が半分になるといつたようなことは、これは当の十万円でそういう
税率
だけの
計算
から、今そういう
結論
を出されましても少しも納得ができない。実際に年々水増しの國民
所得
があ
つて
、それによ
つて
また
税金
が水増しされる。それで実際の
負担
も加重しておるのでありまして、この際に問題は実質的に國民
負担
の
軽減
をして、これで元氣を出さしておいて働いてもらう。この根本にあるのでありまして、そういう根本の問題について政府は一体どう考えておられるかということを聞いておるわけです。その点でただ
税率
だけの
計算
を私は言
つて
おるわけではない。
從つて
千百億円という数字だけを問題にしておるわけではないのです。この数字の
計算
というものは標準の立て方によりまして、どうにでも上り下りはあるのでありますが、実際困
つて
おることは御
承知
の
通り
でありまして、來年は一層困るようになるかならないか、困るようにならないためにはどういうことをしなければならないかということが問題なのであります。その点ではなお私の問いに対してお答えがないと思いますからこれで私は終りますが、どうかもう一度お考えを願いたいと思います。
池田勇人
22
○池田國務
大臣
來年度
の國民
所得
の税の見積り並びに
所得税
の見積りにつきましては、ただいま檢討中であるので今お答えするわけに行きません。ただ私といたしましてはできるだけ減税をいたしまして、國民の
負担
を軽くしようと日夜努めておるのであります。
田中織之進
23
○
田中
(織)
委員
大臣
がお
見え
になる前に主税局長からも私その点をお伺いしたわけでありますが、政府の方でもまだ
來年度
における
課税所得
、
從つて
國民
所得
がどうなるかということについては、目下作定中ですからお答えはできないかもしれませんけれども、
勧告案
で
シヤウプ博士
みずからも
來年度
におけるある
程度
の
課税所得
の増加ということを、期待されておるのではないかということがうかがわれるわけであります。
從つて
政府の方でも、もちろん作定せられる上にそういう期待を盛り込まれることは、われわれ國民の立場から見まするならば、そういう期待を國民
所得
の算定の中に入れられることはめいわくな話なのでありますけれども、大体現在の
経済
情勢から國民
所得
が増加する、
從つて
課税所得
が増加するという根拠があるならば——たとえば
生産
の上昇、これは当然國民
所得
の増加の場合における
一つ
のエレメントだと思います。そういうような点からでも、政府においても國民
所得
の増加、
從つて
課税所得
の増加が期待せられるとするならば、どういう方面からそういうものが期待されておるかという、根拠になるような條件をお示し願えれば幸いだという意味において、私はお伺いしたのであります。その点について、
勧告
の威文の中に
シヤウプ博士
がそういうように
課税所得
の増加を期待しておるとすれば、どういうところからそういう期待が出るかという裏づけがあるだろうからという、先ほどの局長の御答弁でありますが、
大臣
がその点について何かお考えにな
つて
おる点がございますれば、ついでですがお答え願いたいと思います。 それから私角度をかえて、先ほど
主計局長
がお
見え
に
なつ
たら
予算編成方針
を承
つて
、一應政府の意向を確かめておきたいと思つた問題、
大臣
の時間の
関係
もありますから、私
説明
を伺う前に一應
大臣
にお尋ねしたい。この
勧告案
で
來年度
の税收を査定するにあたりまして、いわゆる國家債務の償還の問題を取上げておられるわけであります。われわれはもちろん減税を國民の立場から期待するものでありますが、それは同時の支出の面の圧縮が伴わなければならないことは言うまでもないのであります。実はわれわれの立場から申しまするならば、現在強く
経済
界その他から要望せられておるドツジ・ラインの修正が、実は
勧告案
を通じて幾分でも出て來るのではないかという期待を持
つて
おつたわけであります。
シヤウプ博士
もその点で非常に御苦心をなされたのではないかということを、われわれは仄聞しておるのでありますけれども、遺憾ながらそうしたことを見出すことはできないのであります。特に國家債務の償還を、この
勧告案
の中でも
來年度
の
予算
の問題として継続することを強調しておるが、われわれとして政府はこの
勧告案
を政府のものとして咀嚼して、
來年度
の
予算
にこれを具体化して行くという面におきまして、やはり一番御檢討願わなければならない問題は、この國家債務の償還の問題だと思う。われわれは終戰後から國家債務の処理の問題、あるいは軍事公債の元利拂いの打切りの法案を、われわれの党が政権に参加している当時には提案したこともあるわけであります。そういう観点から、やはり國家
財政
の方でこうした項目が占めておる重要度合いというものを、われわれは非常に注目しておるのでありますが、一應八月六日の
予算編成方針
の閣議決定によりますると、もちろんこれは既定の計画を遂行する分として取上げて、強調してはおられないのだろうと思いますけれども、その点には触れておらないのであります。この
勧告案
にある國家債務の償還の問題が、こういう形において強調せられることは、
予算
の圧縮という面におけるわれわれの期待とどうもそぐわないものがあるという観点から、その点については
勧告案
を咀嚼するにあた
つて
、十分御檢討願わなければならぬのじやないか、かように考えるのであります。この点に対する大藏
大臣
の所見を伺いたいと思います。 なお
勧告案
をどういうふうに具体化するかということは、今政府で成文の施行されるのを待
つて
御檢討せられておることだと思うのでありますが、確かにこれは税
負担
の
軽減
をはかるという意味において、政府も期待せられておつたことだと思うのであります。ところが税
負担
の
軽減
という点においては、少くとも私らの見るところでは、政府の期待ほどにもこれを具体化する上においてできないのじやないかという点について、実は苦慮せられておるだろうと想像するのでありますが、これをどう具体化するかということについての具体的な
方針
を、まだ本日のこの席においてお伺いすることは困難だと思うのでありますけれども、特に政府ことに與党の公約との間をどういうふうに調整せられるかということについて、どういう心構えで進んでおるか伺い得れば幸いだと思います。
池田勇人
24
○池田國務
大臣
御質問の第一点の、
シヤウプ博士
の
來年度
の國民
所得
並びに
課税所得
の見積りにつきましては何も聞いておりません。ただある
程度
ふえるという
計算
のもとにおやりに
なつ
ただけでございます。私どもとしてはそれについて行こうという氣は持
つて
おりません。やはり
日本
の國情をよく見まして、そうして適当な見積りを立てようと思
つて
おります。 次に、御質問の点は、債務償還をや
つて
行くと
財政
の緊縮ができないじやないか。ドツジ・ラインの訂正とか何とかいうお言葉がありましたが、私はある
程度
の債務償還は現在の状況からや
つて
行かなければいかぬと思います。もし債務償還がドツジ・ラインの線であるとすれば、この意味においてドツジ・ラインの線に沿
つて來
年度の
予算
もつくる考えでおるのであります。しかし御
承知
の
通り
に、今年度の
予算
におきまして、債務償還を六百億余りや
つて
おるのでありまするが、その
通り
にやるかということになると、これは別問題でございます。ただ
考え方
としては、債務償還もある
程度
やらなければならぬと考えております。 御質問の第三点のシヤウプ案をどの
程度
実行に移すつもりか、公約との
関係
はどうかということでございますが、私は民自党員の一人としていろいろな公約をいたしましたが、このシヤウプ案に
関係
いたしまする
所得税
の
軽減
、
取引高税
の撤廃は、大藏
大臣
としてのみならず、民自党員として実行に移したいと思
つて
おります。また実行に移せる確信を持
つて
おるのであります。
川野芳滿
25
○
川野委員長
ほかに御質疑はございませんか。——それでは大藏
大臣
に対する質疑はこれで終了することにいたしまして、次は
シヤウプ博士
の
税制改革
に対する
勧告
に関連して、
昭和
二十五年度
予算編成方針
に対し、
河野主計局長
より
説明
を求めます。
河野一之
26
○
河野
説明
員 明年度の
予算編成方針
でございますが、これは先月のたしか六日でありますか、閣議決定にな
つて
おります。その
内容
をあるいはお手元に差上げたかと思いますが、
方針
といたしましては二十五年度
予算
の
編成
に際しては、いわゆる
経済
九原則の冐頭にあります総合
予算
の眞の
均衡
ということをあくまで貫いて行くのだ。そしてすでに緒についた
経済
安定をますます推進するとともに、
経済
基盤
の充実と輸出の振興をピークとして、
経済
の自立体制を強力に推進して行くのである。こういうふうな冐頭の文司でありまして、この具体的な実現の方法として、まず第一に
財政
規模の縮減ということをあげております。言うまでもなくこれはシヤウプ
勧告案
におきまして、ある
程度
の減税ができるということを期待いたしまして、それには
歳出
の規模を徹底的に圧縮する、こういうところに重点を置いております。しこうしてこの
財政
規模の縮減に関連いたしまして、現在、本年度の
予算
におきましても非常に大きな金額を占めております
價格調整
費というものを大幅に削減する。これは
経済
の自立的な体制を樹立する上においても必要でありますし、また物價等の現状に顧みまして、もはや
從來
の
價格調整
費というものは変貌して、ある
程度
産業助成金的な性格を帶びて來ておる。本來の
價格調整
費じやないというような点をも勘案いたしまして、これを大幅に削減する。それから最近における物資の状況逓にかんがみまして統制というものを大幅に改廃する。すでに石炭等におきましては一部実現されたものもあるのでありますが、そういつた物資の統制を大幅にやめる。それから公團等の組織についても考え直すというような
方針
にいたしております。それからこうした
財政
の縮減の一方におきまして、
経済
基盤
の充実の問題といたしまして、最近における災害その他の状況にもかんがみまして、公共
事業費
というものを
相当
考えて参りたい。それから失業対策事業についてもでき得る限りのことをする。それからまた
財政
金融の問題として考えることのなかなか困難な
中小
金融の問題、あるいは住宅資金の問題、農林資金の問題等についても、各種の状況を勘案しながら考えて行く。またこれらの経費につきましては見返り資金をも
つて
充当する。こういうことが第三点であります。 第四点につきましては、これは言うまでもなく
税制
の問題でありまして、國民
負担
を大いに
軽減
する意図のもとに
税制
の徹底的な合理化をはかる。 それから最後に
地方自治
の問題でありまして、今回のシヤウプ
勧告案
にもあります
通り
地方自治
を推進する
建前
におきまして、
地方
に
相当
豊富な
財源
を付與いたしまして
地方財政
の自立強化をはかる、こういうようなことが今明年度の
予算編成方針
にうたわれておる次第であります。この
予算編成方針
によりまして、現在どういうふうな段階に進んでおるかということを申し上げるのでありますが、各省の概算の要求と申しますか、これに基きまして
財政
法の規定によりまして、八月三十一日末すなわち先月末日までに、各省の
予算
の要求が大藏省の方に出ることにな
つて
おりまして、多少遅れたものもありますが、先週中をも
つて
大体集ま
つて來
ております。まだ集計はいたしておりませんが、各省ともこの
方針
にのつと
つて
いたしておるわけであります。これに基きまして目下大藏省といたしましては各省の
予算
要求を聽取しておる現状でありまして、一週間ないし三週間かかると思いますが、これに基いて
予算
の大体の規模輪郭をきめまして、でき得れば——と申しますか、今月一ぱいくらいを目途といたしまして、來年の
予算
の荒筋をきめて参りたいと考えております。御
承知
のようにシヤウプ
勧告案
に基く減税の問題その他補正
予算
の問題は、明年度の
予算
と一体とな
つて
考えられねばならないといつたような状況にもありますので、かたがた明年度の大体の
見通し
を立てるべく、目下檢討しておる実情であります。 大体以上のようなことであります。
川野芳滿
27
○
川野委員長
それでは
政府当局
に対する質疑を継続いたします。
三宅則義
28
○三宅(則)
委員
先ほど主税局長の御
説明
がありましたが、これは大体論の御
説明
でありますので、私も大体論を先に質問さしていただきたいと思います。局長のお話によりますと、シヤウプ
勧告案
は大体のわくをきめておるのであ
つて
、詳細は後日
発表
するというお話でありましたが、今日の構想といたしましては、私どもは
シヤウプ博士
の線に沿
つて
改正
することはもちろんでありますが、多少のことはわれわれによ
つて
修正し得るのでありましようか。得ないのでありましようか。その点をひとつ最初に聞いておきたい。
川野芳滿
29
○
川野委員長
三宅君にお尋ねいたしますが、それは
國会
で修正ができるというお尋ねでありますか。
三宅則義
30
○三宅(則)
委員
そうです。
川野芳滿
31
○
川野委員長
もちろんできます。
三宅則義
32
○三宅(則)
委員
私は当局に質問したのですが、
大臣
がお帰りになりましたから、
あと
でまた御相談なす
つて
もけつこうです。 それはそのままにいたして次に申し上げます。
シヤウプ博士
の
勧告案
の大きなわくでありますが、今の構想といたしましては、これは私が
地方
に出て参りまして民情を聞いた率直な
意見
を申し上げるのでありますが、局長の私見でもけつこうですが、今日
参考
にお伺いしたいと思うのです。その事柄は
地方
に対する
税金
、何と申しますか分與税と言うか配付税と言うか、そういうものが今度削減されるように聞いておりますが、これらに対して
地方
は單独に町村税を設けてできるのであろうか、こういうことでありますが、ただ貧弱町村におきましては、なかなか單独の
税金
だけでは行けない場合が多いと思うのです。こういう場合におきまして政府といたしましては、ある
程度
これに対しまする補助と申しますか、あるいは補給と言いますか、それらに対する構想があるものかないものか。一ぺんそれを聞いておきたいと思うのであります。
平田敬一郎
33
○
平田説明員
一應
一般平衡資金
の問題だと思いますが、これはおそらくは今の分與税と、先ほど申し上げましたように、一部國庫
補助金
を統合してできるものと考えるのであります。その
総額
はおそらく分與税と一部
補助金
を移しかえたものより以上に増額されるのではないか、かように見ております。この点もおそらくこの次の
勧告書
の中に詳しく出て來るのではないかと思いますので、その上で御
説明
いたしたいと思います。
三宅則義
34
○三宅(則)
委員
内容
がわからぬければ詳しくわからぬと思いますが、そこで問題は苦情処理
委員
を設けるということです。これはか
つて
局長にも
大臣
にもたびたび質問したことでありますが、やはり民主納税に
なつ
た以上は、一方的に政府がきめることはもろちんいけないと思いますので、私の試案としては、すでに
発表
いたしました
通り
、町村に十数名くらいの
所得税
調査員なりあるいは苦情処理
委員
なりを設ける、こういうことなのでありますが、こういう点についても、今政府は構想を練
つて
おられると思います。 これはそれが來てからやるという意味なのか、それを伺いたい。 それから次に苦情処理に関連しての裁判というようなこと、これらについての構想もあるいは向うから指示が來るかもしれませんが、少くとも私どもといたしましては、こういう
税制
に堪能なる者を裁判官、弁護人その他にしなければならぬと思
つて
おります。こういう構想を今
発表
できるものかできないものか、これも後日に讓ることかと思いますが、承
つて
おきます。
平田敬一郎
35
○
平田説明員
ただいまの処理機関につきましては、先般
発表
に
なつ
た分については御存じと思いますが、税務所の官吏の特別のグループだということであります。最初の
更正決定
をなした官吏と納税者が
意見
の一致を見ない場合は、その納税者と相談する協議機関として奉仕することとな
つて
おりまして、提案はどうも民間の機関ではなくて、責任ある政府職員をしてそういう仕事を選択してやらせる、こういう
勧告
にな
つて
おるようであります。
田中織之進
36
○
田中
(織)
委員
主計局長
の御
説明
になられました二十五年度の
予算
編成
の基本
方針
について、ひとつ伺
つて
おきたいと思いますが、これはむしろ
主計局長
というより安本の方の
関係
ではないかとも思いますけれども、私はすでにこれだけの基本
方針
を閣議として決定された以上は、安本当局との間に話合いが済んでおると思いますので、
主計局長
からお答え願いたいと思います。その
一つ
の問題は、この基本
方針
の中に、現在一番國民の要望しておる國民生活の安定の項目を見出すことができない。私はやはり
日本経済
の再建の基本原則は、國民生活の安定、勤労者の生活の安定の上にのみ可能だという見解を持つものでありまするが、そういう点から見ますれば、
経済
基盤
の充実と失業対策の面にそれがあるのだと、あるいはお答えになるかもしれませんけれども、私は
予算
編成
にあたりまして、政府としてその点について特に國民生活の安定をどうするかという、抽象的に言えばその項目をつけ加えてもらわなければならぬと同時に、それを掘り下げたところのものを持つた
予算
でなければならぬ、こういう点からその点について
予算
編成
の基本
方針
の作定にあた
つて
、どうお考えに
なつ
たかということをまず伺いたいのであります。その点をさらに具体的にお伺いいたしますと、今度
價格調整
費の削減ということを、
財政
の圧縮という面から第一に取上げられておる点はごもつともだと思うのでありますが、そのことはすぐ私は物價に響くと思います。
來年度
の
予算
編成
の基本
方針
を示されておるのでありまするから、それは具体的な数字にな
つて
現われて來るのでありますが、一体物價水準をどこに置くという考えのもとに、
價格調整
費いわゆる補給金の削減ということも考えておられるかどうか。私は当然
價格調整
補給金の削減ということは、ある意味において物價水準の改訂を伴わなければならない情勢にある。現に肥料の補給金を
廃止
することによ
つて
硫安が倍の價格になるということは、農民が非常に関心を持
つて
おることで、あるいは食糧の輸入補給金を削減することによ
つて
、消費者價格が現在の五千八百何がしよりも、さらに二割五分方高くなるのではないか、こういうことがすでに予想されておるのであるが、大藏当局として
予算
編成
の基本
方針
を作定するにあた
つて
、その点をどこに押えておるかということ、同時にそのことは私は
賃金
水準の問題にも関連して來ると思います。たとえば現在の國民の生活費の指数なり、あるいは
賃金
指数というものをどういうように押えられて、
賃金
水準についてはどういう
方針
で——これは当然國家
予算
における行政費、人件費の算出にあたりましては、まず基本的に示されなければならぬ問題だと思います。現在物價水準と
賃金
水準との
関係
において、どういうように最初に申し上げましたところの國民生活の安定、ことに勤労階級の生活の安定をはかろうとするお考えであるか。税はそうしたことが
考慮
されてないとすれば、こんな
予算
の
編成
方針
というものは、まさに机上の空論だと思います。そういう点をさようは
大臣
もおられないわけでありますから、その点だけをひとつお答え願いたいと思います。
河野一之
37
○
河野
説明
員 國民生活の安定という問題でありますが、私は
予算編成方針
を定める場合に取上げる項目はたくさんあると思う。その中に國民生活の安定ということを特記するかどうか。この点いろいろ
議論
のあるところでありますが、私ども
予算編成方針
をつくりました
建前
といたしましては、先ほど御答弁申し上げましたように、
経済
の安定というのが現在の第一義である。
経済
の安定が即國民生活の安定にもなるのであるという
考え方
をしております。ただ一方
経済
九原則の進行に伴
つて
失業者が出る、あるいは
中小
企業
という問題につきましては、先ほど申し上げましたような失業対策あるいは公共事業であるとか、その他政府の有効事業喚起の問題もあろうかと思いますが、そういつた面でいろいろ処置する問題があるだろうというような
編成
の
考え方
にいたしておる次第であります。物價の問題あるいは
賃金
の問題でありまするが、これは今後
予算
の
編成
にあたりまして、総合的にきめらるべき問題でありまして、これは御
承知
のように四月以來
経済
界の変化というものは
相当
大きなものがありまして、今後これがどういうふうにな
つて
行くか。これには貿易の問題もございますし、そのほかいろいろな問題がありまして、早急にはなかなか
結論
が得られないと思います。ただ私どもといたしまして、
價格調整
費を削減いたしました趣旨、今後削減して行こうという趣旨におきましては、現行の物價水準というものには、大体移動はさせないという
建前
で考えて行こうと思うのであります。それだからとい
つて
價格統制をはずすものは、現在物資の需給バランスがよくな
つて
、自由價格にしてもよいと思われるものだけに限るという趣旨ではございませんが、かりに
價格調整
費をはずしましても價格への影響は軽微である、あるいは間接的で、途中の段階で吸收せられる、
從つて
全体的には價格にはそう大して影響がないという点をも
考慮
しながら、総合的に勘案しながら、この点を処理して行きたいと思います。また他方には價格の多少上る点がありましても、減税の問題その他がありまして、これによる吸收ということも考えられるのでありまして、これらのものはお互いにからみ合
つて
一体とな
つて
、國民の生活安定という
見地
において総合帰一せられた
予算
をつくりたい、こういうように考えておる次第であります。
田中織之進
38
○
田中
(織)
委員
予算
編成
の途上で総合的に勘案せられなければならない。これは
一つ
のりくつでありますけれども、私はやはり物價水準あるいは
賃金
水準をどこに置くかということについて、具体的にやはり檢討して、それが
一つ
の
予算
編成
の尺度とならなければならない。それこそ
予算
編成
の基準だと私は考えるので、本末轉倒しておるような感じを持つのであります。ことに
價格調整
費の削減ということは、物價水準にはほとんど影響しない。影響しないなら、本年度において二千二十二億という厖大な
價格調整
費を組んだ当時からの物價調整というものが、どういうように変化したかということを考えてみられたらわかると思う。もちろん今年の
予算
編成
にあた
つて
は、旅客運賃の六割と通信料金の五割値上げ以外には上げておらぬ。しかしそのかわりに二千二十二億という價格補給金が出て、その價格補給金によ
つて
物價の水準を
從來
のままにすえ置くという
方針
を、政府はとられたのだろうと思う。
経済
情勢の変化を今指摘されましたけれども、その点をどう押えるかということによ
つて
、
價格調整
費の削減ということはただちに物價に響いて來る。しかもその物價はたとえば米價審議会に現われておりますように、國際物價へのさや寄せという観点からも考えられておるようなことを、われわれは聞いておるのであります。そういうことになりますれば、現に自由價格というものがマル公のあるものすら、それを割
つて
おるような実情にある。すでに米價の問題について大藏
大臣
自身が、補給金をやめることによ
つて
ただちに國際價格とのさや寄せを企図したような水準として、米價の
一つ
の基準を示されておることによ
つて
も、私はあながち單なる臆説ではないと思う。そういう点から参りますならば、それでなくてさえ國民の購買力が低下して來ておる現状において、はるかにそれから上まわつたところの水準がきめられるというようなことは、そういうことがさらに現在のデフレ傾向を激化させて行く。
経済
的に常識的に考えても出て來るようないろいろな摩擦面が出て來るのであります。そういう意味で私は水準を考えられるにあたりましては、やはり
賃金
水準の問題——これは労働者階級にと
つて
きわめて重要な問題であります。人事院ではすでに官公吏に給與ベースについても、最近の物價との
関係
、生活費との
関係
において
考慮
しなければならぬということを、先般全農林の職組の代表に対して、人事院総裁が答えられておるような事情もあるのでありますから、私はこうした点を政府として
相当
掘り下げて、
一つ
の一貫した
方針
のもとに
予算
を
編成
されなければならないはずだと思う。かように考えますので、この点について重ねて答弁いただかなくてもけつこうでありますが、それをや
つて
いただかなければ二十五年度の
予算
が変なものになりはしないかということを考えますので、申し上げておくわけであります。
小峯柳多
39
○小峯
委員
議事進行で発言いたします。
勧告案
は詳細なものがさらに出るはずでございますし、
予算
の
編成
も作業がもう少し進まないというと詳細のお話にはならぬと思います。そこできようはこの
程度
にしまして、次会になお続けたいと思います。
川野芳滿
40
○
川野委員長
小峯君の動議に御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
川野芳滿
41
○
川野委員長
それでは次会は大体十九日に開く予定でございますので、さよう御了承願います。 本日はこれにて散会いたします。 午後三時二十四分散会