○風早
委員 それではこれはぜひ各
委員にも
参考資料として配付していただきたいと思うのでありますが、昭和二十四年一月十四日麻生鉱業株式
会社資金監査報告書、この監査期日は昭和二十三年十一月二十九日から十二月九日に至るまででありまして、担当者の事務官の名も明記してあるのであります。しかもこの文章がま
つたく同じありまして、これは明らかに同じ
政府の責任のある調査であるということは十分に考えられますので、それが必ず大藏省にはおありだと思いますから、これはぜひお願いしたい。しかし麻生鉱業のはたまたま手に入れたのでありまして、おそらくほかの経理についてもあると思うのであります。それを一々みなあげてお
つたのでは、いくら
政府でもそれはたまらないと思いますから、その点は一例として、私がたまたま入手しておるものだけを申し上げた次第であります。
それによりますと、これは決して分量の問題ではないのです。ここではとてもそんなに詳しいものを出しておれないという
お話でありますけれ
ども、分量は短かくても、
結論といたしましてどういうところに一体今まで
融資の問題があるか、また非難を受けるに値する問題はどういう点であるかということを、率直に出していただきさえすれば、二ページでも三ページでもかまわない。数ページを費してでもその
結論がこういうふうな
状況では、何にもやらなか
つたと同じようになるのであります。問題がないのじやない、必ずあるのでありまして、その問題がどこにあるかということを示していただきたい。この場合におきましては、経理が全面的に乱脈でありまして、内容に幾多の不正もあるのであります。帳簿という点から見ましても非常に不備で、でたらめでありまして、たとえば未決算勘定というようなものの整理ができておらない。それから麻生家というものとこの株式
会社とは、こういう大きな一流の大手筋の炭鉱
会社でありますし、当然この
会計ははつきり区別されておらなければならないにもかかわらず、はなはだその間に乱脈をきわめております。この麻生家に対する仮拂い金というものがただ多いというだけではなしに、それは仮拂い金の中に赤字のままで放置されておるというところがたくさんあるのであります。そういうような点は、こういうことが
結論に出ておれば、これはただちに改めて行くことができるのであります。傳票なんかにいたしましても、炭住あるいは一般設備等の区分というものがなか
つたり、補助表というものには誤記があり、脱漏があり、鉛筆書きがあり、
残高の記入がないとか、また帳簿の保管整理というものが不十分であるとか、
関係官廳に
提出する書類、またはこの許可書、認可書というようなものの保存というものが、きわめて不完全であるというふうな、実に経理上からいたしましてもイロハである、できておらないということがあるのであります。しかしこれはただルーズでや
つておらないという問題だけではないと思うのです。こういうふうにしておいては結局わからないじやないか、わからないのだということで、その結果起
つて來ておりますいろないろな問題を隠蔽してしまうということになるのでありまして、それではまじめに経営を立て直したり——実際この経営の状態は惡いのでありますが、立て直して、たくさん
復金から
融資を受ければ受けるほど惡いのです。そういう実に矛盾がある。いやしくも國家の税金を取上げて
復金から
出資をしたという限りは、それがほんとうに生産の増強に役に立つ、設備の増強に役に立つということでなければならぬと思うのでありますけれ
ども、それができないというようなことが当然起
つて來るのでありまして、しかもそれをまるきり何もわからないようにごまかしてしまう、こういうことに
なつてしまうのであります。これははなはだ遺憾だと思うのであります。ことに麻生一家というものが自由自在に
会社の金を使
つておるという点は、自然その金が一体どこにどういうふうに流れておるかという問題にもつなが
つて來るのでありまして、たとえば二十三年の九月現在で
会社の麻生一家に対する貸金
残高は、六百二十三万五千円に達しております。その利息というようなものも事実拂
つておらない。規定の利息は一應年四分ということに
なつておりまして、それも二十年以降は拂
つておらない。こういうふうなことに
なつておるのであります。社外の貸付というようなことにつきましても、それがま
つたく單なるいろいろな商業的な
方面の
資金に使われておるというようなことがたくさん上
つております。また素灰というようなものもやみに流しておることもあるのでありまして、こういうふうな
会計上の問題が、結局はいろいろな不正の問題にもはつきりとこれが連関を持
つておるということを考えてみますと、やはりそういう点については、大藏当局としては何ら顧慮する必要はないのでありまして、もう少し眞劍に檢討していただきたい。のみならず事実そういうふうな檢討が、すでに責任ある事務官によ
つてなされておるのでありますから、これを十分に
政策の上に取上げ、今
愛知銀行局長が率直に言われましたように、そういう
愛知銀行局長の言われるそのお言葉の態度は、非常に私は敬意を表するのでありますが、そういうような意思が事実出ておらないのであります。それでや
つてお
つていただければ問題はないし、われわれもその改善に対して全幅の協力を惜しまないものでありますが、残念ながら事実はま
つたく所見という形でも
つて、一切こういうふうな事実を出しておられないのであります。私はこれはただ單に麻生鉱業だけの問題ではないと思います。ほかの経営についても、おそらく資料がありましようし、それを見れば、それぞれの担当官は相当の分析をちやんとや
つておられると思うのでありまして、それによ
つて初めて問題が解決されて行くべきものであると固く信ずるものであります。そういう
意味で
政府はこの監査資料に対しては、まず責任を十分に感じていただきたい。これは何らかの形でこれに対する訂正増補をしていただきたいわけであります。それによ
つて初めて私
どもの
質疑もまともにできるのでございます。最初から頂戴した資料がインチキであるということになれば、これは何を論議したところでむだになりますから、ぜひこの点はお願いしたいと思います。
そこで
政府は今の資料も出してくださるということでありますから、私は先に進みまして、二、三の質問をいたしてみたいと思います。今後
復金が
融資をする場合におきまして、また
興業銀行が
融資をする場合におきまして、その
融資の
方法そのものについて、あるいはまた
融資先の使途
状況監査ということについて、どういう
方法をとられるか。今までのいろいろな經驗をもとにして、今後の
融資並びにその根本的な態度につきまして、さらにその使途の監査
方法につきまして、
政府の率直なる御
意見を伺いたいのであります。