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風早委員 今の
お答えの中にいろいろ外國の情報を得るとか、あるいはこちらの
輸出業者を向うへ派遣していろいろその実情を調査させるとか、こういうことにつきましては、もとよりそれ自身としては、はなはだけつこうなことであると思います。しかしながらそういうことによ
つて、この問題は少しも解決するのではないのでありまして、この不等價交換というのは、わか
つてみたところで、今のままのやり方ではおそらく不等價交換で終
つてしまう。こういう点についてはやはり
貿易のやり方に対して、これを根本的に等價交換の方向へ持
つて行くだけの、強力な手段がとられなければならぬ。それにはまたおのずから相手にもよるのでありまして、はなはだしい不等價交換になる相手國もあり、またそうでなくて、対等平等な資格で
取引のできる相手國もあり得るのでありまして、その辺をもつと多角的な
貿易体制に切りかえて行くことが必要である。特にアジア諸國に対する
貿易の増進は、非常に必要であると考えるのでありますが、それにつきまして大体この
輸出に若干の資材の優先配給もやれば、あるいはまた金融面についても便宜を與えると言われますけれども、それらの恩惠をこうむる部面、品目というものはきわめて限定せられておるように、見受けられるのであります。この点については
政府からももつと廣くしていただきたいのであります。大体時間の
関係上、私の方で積極的な
質問をいたしますが、要するに金属機械の製品の
輸出というものには相当の骨を折
つておられる。また纎維製品の
輸出についても同樣でありまして、これらの三つの部門につきましては確かにある程度資材、金融についても便宜を與えておる。しかしながらそれにもかかわらず、これらのものが
輸出されるということは、全体として今問題にな
つておりますところの飢餓
輸出になりはしないか。これは今日私はちよつとここに持
つて参りませんでしたが、國際経済新聞にもこの問題が大きく扱われておりましたが、飢餓
輸出の問題ということが、まさに今
政府がとろうとしておられます
輸出計画に、非常にはつきり現われて來やしないか。金属機械製品というようなものは、だんだんと國内需要向き國内市場あてでなくして、國市外場あてである。しかもそれが一定のきわめて近隣の善隣諸國からは、はなはだ好ましくないと考えられるような用途に使われる。そういうふうなことになりはしないかという点を、私は非常に心配するのであります。この金属機械類の予定
輸出額は一億四千百万
ドルに達しておりまして、
輸出総額のこれが二三・二%、非常に大きな割合を占めております。しかしこれは今
日本の再建、
日本の各重要部門特に交通部門、石炭電力こういうようなものの再建のために、非常に必要な資材でありますが、それらが今後ますますその國外市場に重点が置かれて行くということは、はなはだこれは逆ではなかろうか。
日本再建に役に立つのでなくして、逆じやなかろうかという疑問であります。これは昨年二十三
年度の
輸出分に対しましては、十六倍にも増強しようというのでありますが、はなはだこれは疑問だと思うのであります。せつかく生産計画におきまして鉄鉱が百八十万トンから二百万トンに計画数が非常に上
つて行く。アルミにいたしましても二万トンから二万五千トンに上
つて行く。こういうふうにして一方で上げて行く。かつそのためには一方で
輸入をしなければならない。石炭や鉄鉱石や重油などの
輸入というものは、二十三
年度の前期の
数字をとりますと、五倍半というふうな
輸入をして、またこれで非常な
補給金も上げなければならない。こういつたような実にまことにりくつに合わないばかばかしいことを、や
つておるように見えるのでありますが、こういう点について
政府はどう考えられるか。同樣にこの纎維につきましても、やはりこれは全体の総額の五四・四%という比率を占めておる。ほとんどこれが出て行くのでありますが、やはりそのためにわれわれ
國民の側におきましては、綿布、綿織物をさつぱり消費することができない。これもまた飢餓
輸出の典型的なものでありまして、こういう点につきましても
政府はみすみすこういう飢餓
輸出をや
つて行かれるのか、さらに飢餓
輸出につきましては、なおそれには非常な低賃金でも
つて、
輸出を強行するという問題も含ま
つておるのでありまして、かたがたこういう方向が
政府の積極的なる方針としてとられるのであるか。こういう点はぜひ
政府当局としてはつきりしていただきたいと思います。