○河野(一)
政府委員 國の補助金の支出が遅れますことにつきましては、実はいろいろな場合が
考えられるのであります。國の補助金にもいろいろな種類があるのでございますが、分與税でありますとか、義務教育費國庫負担金とか、そういうふうに法律で交付の時期がはつきり明示してあるものがございます。これはその時期に支拂うのが当然でありまして、
政府の方におきましては、この期限を嚴守して地方に御迷惑をかけないようにということは、たびたび各末端の経理
当局に通牒いたし、またその
通り実行しておると思うのであります。ただいろいろなことで計算が遅れましたり、あるいは書類が縣の方から出て來なか
つたりというようなことで、遅れることが
相当あるように聞き及んでおります。
それからもう
一つは、これはあまりよくないことなんでありますが、一應國庫補助を
指定して、その
計画を示しておきながら、金を渡さずにおく結果、地方におきましては、補助の一應の約束はあるけれ
ども、一時立てかえてその事業を執行しなければならぬというような事例が、
從來相当あ
つたのであります。これも一時的に地方財政を圧迫いたしますし、ことに借入金等でまか
なつておりまする場合は、その利子だけでも負担になるというようなことがありまするので、実は前
年度から、こうい
つたものにつきましては、ある
程度概算拂いをや
つて、一應事業を施行させ、その結果を見て清算をいたすというように最近では
指導して参
つておるのであります。しかし何にせよ多数の自治機関のことでありますから、その点がなかなか徹底いたさない点もあるようでございます。この点につきましては十分今後も留意いたして行きたいと
考えております。
それからその次に問題となります点は、特に最近の状況かと存ずるのでありますが、災害
関係に
相当多いのであります。災害の復旧その他を急がれるのもよくわかるのでありますが、國の
予算より多少先行して復旧事業が行われる一方、
予算がないというようなことで、事実上の國の補助が遅れるというようなこともあるようでございます。それから最近地方の財政が
相当窮乏いたしておるものでありますから、一應府縣までは金が行きましても、さらに府縣の
予算を通して、下級の地方團体にその補助金が交付されるというようなものにおきましては、府縣で一時その経費を流用されておるというような
事情も、なくはないようにときどき拜聽いたすのであります。こういうような点で
國庫補助金の交付が遅れるようなことになるのではないかと、私
どもは
考えておるのであります。しかし國の一方的な
考え方と申しますか、取扱いと申しますか、そうい
つたことで地方が非常に御迷惑になるということは、私
ども常々戒心いたしておるところでありまして、この点については今後とも十分留意して、こういうことがないようにいたしたいと思うのであります。過
日本國会において財政法及び会計法の一部
改正があ
つたのでありまして、そのときに支出負担行為という制度が確立されることにな
つたのでありますが、今後におきましては、この制度を活用いたしまして、國庫補助事業を指令する場合においては、それに基く支出負担の担当官、あるいは契約の担当官等に対しまして、確実な
見通しをつけて、もしそれをやるのであるならば、すぐに現金の交付があるというようなことにいたして、そういう面で具体的にこの問題を
考えて行きたいと、実は思
つておる次第であります。御趣旨の点は非常にごもつともでありまして、私
どもは今後
予算の実行面におきましては十分戒心、留意いたして参りたいと思
つております。
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