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宮幡委員 ただいま議題と
なつております
公認会計士法の一部を
改正する
法律案につきましては、同僚
三宅委員から、業界の切実なる要望をこめました適切果敢なる御
質問がありました。
管理委員会からそれぞれの御
答弁があつたわけでありますが、この
法案の今日まで参りました経過を靜かに
考えてみますと、業界といたしましては一つの涙の歴史であろう、かように
考えられます。なぜかと申しますと、当初提案されました
法律案に対しましても、議員
提出をもつて修正をお願いいたしたような次第であり、またその後におきましても議員
提出によりまして修正を行つております。ことに昨年の十二月に行われました第四
國会における議員
提出、各派共同提案の修正案なるものは、適法に
國会において成立といたしまして、その後において一つの疑問が生じまして、一應
法律としては
國会の権威上公布はせられましたが、今回の
改正案におきまして、
昭和二十三年
法律第二百七十五号でありますか、廃案の運命になるわけであります。しかしながらこの廃案になりまする各派共同提案の修正案なるものの
趣旨は、今回の
改正法案の中に、消極的ではありますが、面をかえまして盛り込まれておりますことは、われわれのわずかに慰められるところであろう、かように
考えております。しかしながらこの
法案全部を見まして完全無欠なものであり、これをもつて高
水準の
会計の
監査証明を專業といたします。
公認会計士を、必要数だけつくつて行こうという國の最高方針に一致するかどうかということにつきましては、まだ幾多の疑問を持つておるのであります。しかしながら本案に対しましては
事務的と申しましようか、
法律の処理上どうしても本日これを通過させなければならないような情勢にありますので、本
委員会とし、またわれわれ個人的な立場におきましても、要望いたした意見は他日の
機会に一應讓るわけでございますが、ただ將來のためにこの際
管理委員会におきましても、一應御記憶にとどめていただきたい点を二、三申し上げたいと思います。それは
特別試驗はこの四月の二日、三日に第一回が行われるわけでありまして、はなはだおはずかしいことでありますが、不肖
宮幡もその
受驗者の一人でございます。一生懸命に筆記して合格するように努力いたしておりまして、よもや経歴
年数によりましてしんしやく合格等の不名誉は受けたくない。しかし努力はいたしておるものでありますが、今回の
試驗に際しまして当然
特別試驗を受けます
資格者でありまして、第一回の
特別試驗を受けることのできない立場の方ができます。それは
会計士管理
委員であり、また
試驗委員であられる
方々であります。この管理
委員であり
試驗委員であります
方々のおしなべてが、われわれの尊敬する
方々であるとは私はここで断言いたさないのでありますけれ
ども、この
方々はけだし有能の士でありまして、
試驗さえ受ける
機会を與えたら、おそらく全部が合格せられるではなかろうか、かように
考えておりますが、惜しむらくは管理
委員であり、
試驗委員でありますために
試驗を受ける
機会を失う、こういうことになりまして、予想されます來る九月の第二回の
試驗をお受けになることになるのであります。その場合
三宅委員から切実に表現の
方法いかんにかかわらず申しましたように、
筆記試驗のことでありますから、不幸にしてわれわれのあがめます先輩あるいは
学識経驗者におきましても、失敗しないとは保しがたい。ところが五十六條の但書の
改正が昨年の
法律第二百七十五号におきましては、二十五年四月一日まで延長いたしまして、
計理士の名において
監査証明の業務が行えるように経過的の
措置をとりましたが、今回はこれを十月一日といたしまして六箇月につめてあります。もし第一回の
試驗を受けられる
機会のある方が受けないで、しかも第二回目に不幸にして失敗せられますというと、その
試驗が終つた直後におきまして、有能の方でありながら、從來やり來りました
監査証明の業務を放擲しなければならない。わずかに一回の受驗の
機会しか與えないということは、これは管理
委員であり
試驗委員でありますところの同僚先輩に対して、相済まないと思うのであります。從いましてこれはぜひとも二百七十五号の
法律同樣に、來年の三月三十一日まで延長してもらうということが適切でありますが、今回は時間的の
関係でこれらに対する修正案としては出しませんが、かような点におきまして本
法案に
欠陷のあることを、ぜひ御
了承を願いたいと思う者であります。
その次に、なおこれは
三宅委員から申しましたことと重複する点がありますが、言い方の相違でありまするが、この
法律の今日まで踏みました過程におきまして、いろいろな錯綜した問題が起つておるのであります。しかしながら幸いにしましてただいまでは、その筋の指導いたしますいわゆる高
水準の
公認会計士誕生という線に、
学者も官界もまた業界も一致團結の態度をとつて行進できるようにな
つたのでありまして、かような場合におきまして、この業界がいわゆる盲さじきや、つんぼさじきに追い込まれたように、
業者だけの集まりであつて独善であることを、私は
業者の一人としておそるる者であります。從いましてこれらの
実務的には能力のない方でありましても、そのセオリーにおいて、あるいはそのねらいにおきまして、業界の指導者たるべき者も、また
公認会計士としてこれを救うべきであろうと、かように
考えておりますので、自他ともに認められまする何か適切な
方法によりまして、われわれの推薦いたしまする、日本の現況においてたれでも納得のできる地位にある方、具体的に申しますれば名前を一々申し上げられるのでありますが、これはこの席上差控えまするが、そういう
方々に、せめては昨年の
昭和二十三年
法律第二百七十五号のような
方法によりまして、
資格を與える等の問題も御再考を願う余地があろうと
考えております。以上は
質問でもございませんで、意見にわたりましてはなはだ恐縮でありますが、本
法案に対しまして長い間の
関連を持ちます立場から、一應
管理委員会に対しまして御
希望を申し述べた次第であります。