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1949-10-24 第5回国会 衆議院 選挙法改正に関する特別委員会 第15号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十四年十月二十四日(月曜日)     午前十一時三十一分開議  出席事委員    委員長 生田 和平君    理事 小玉 治行君 理事 野村專太郎君    理事 立花 敏男君 理事 逢澤  寛君    理事 小平  忠君       北澤 直吉君    千賀 康治君       藤枝 泉介君    淺沼稻次郎君       鈴木 義男君    床次 徳二君       並木 芳雄君    谷口善太郎君       鈴木 幹雄君    中野 四郎君  委員外出席者         法 制 局 長 入江 俊郎君         法制局参事   三浦 義男君         法制局参事   川口 頼好君 十月七日  委員齋藤隆夫君は死去された。 同月二十日  委員志賀健次郎君辞任につき、その補欠として  床次徳二君が議長の指名で委員に選任された。     ————————————— 本日の会議に付した事件  選挙法改正に関する件     —————————————
  2. 生田和平

    生田委員長 これより選挙法改正に関する委員会を開きます。  まず第一に、前会の委員会におきまして保留あるいは研究または字句訂正等委員長に御一任になりました点につきまして、これを議題とし、御報告を申し上げます。  まず第五、選挙事務管理
  3. 三浦義男

    三浦参事 本日お手元刷りものとして上げました分がございますが、これはこの前いろいろ問題になりした点等につきまして、さらに最後に御決定を願いたい分であります。簡単な分につきましては刷りものにいたしませんで、私から口頭で申し上げたいと思つております。第五は簡単でございますので口頭で申し上げることにいたします。  第五の「この法律において選挙に関する事務は、」とある次に「特別の定がある場合を除く外」と入れていただきたいと思います。  その理由は、第五におきましては、選挙事務管理原則をきめておるわけでありますが、この要綱でときどき例外が出て参りますので、その点を一応明らかにしておきたいと思いまして、さような文句を挿入したいと、こう考えておるわけであります。たとえば同時選挙の場合におきまして、市町村選挙に関します事項都道府県選挙管理委員会が行い、立会演説会におきまして、全体の計画国会議員選挙につきまして都道府県選挙管理委員会計画をきめ、これが事務市町村選挙管理委員会が取扱う。その他いろいろありますが、さような意味におきましてこの字句を挿入いたしたい、かように考えております。
  4. 生田和平

    生田委員長 御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 生田和平

    生田委員長 御異議ないと認めます。
  6. 小玉治行

    小玉委員 この第五の「管理」ということは「管掌」という文字に置きかえになるわけに行きませんか。「官理」というと、何だか形式的な言葉のようですが、実際は選挙事務管理し掌握するというのがこの選挙管理委員会の仕事ではないかと思います。で、この「管理」という言葉を「管掌」という文字にかえる点については、いかがでしようか。
  7. 三浦義男

    三浦参事 「管掌」という言葉をいろいろ官制その他におきまして使つてあるのもございますが、「管掌」と申しますと、多少事務の幅が狭いきらいがありますので、従来選挙管理委員会事務につきましては「管理」ということでずつと初めから来ておりますし、特にここで字句変更をいたしますと、権限その他におきまして内容的に変更を来すのではないかというような疑いを持たせてもどうかと思いますので、御支障がなければ、これでずつと解釈運用をしておりますので、お認め願いたいと思います。
  8. 生田和平

    生田委員長 次は第七、一部修正であります。
  9. 三浦義男

    三浦参事 第七につきましては、前に佐竹委員その他の委員から御意見がありまして、第七の中で「選挙取締に関する規定を厳格に執行し」という言葉があるが、「厳格に執行し」ということは適当でないのではないかという御意見がありましたので、この「厳格」ということは何も厳重にという意味でなくて、正しく行うという意味でございますので、その趣旨をくみ入れまして次のように訂正いたしたいと思います。「選挙取締に関する規定を厳格」とありますのを「公正」と直していただきまして、次に「執行し」の「し」から「公正を確保」までを削つていただきます。公正を確保するということは取締りに関する規定を公正に執行するという結果から出て来ることでございますので、「厳格」という字句異議があれば訂正いたしまして、今申し上げましたようにいたしてよかろうかと考えます。
  10. 生田和平

    生田委員長 御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  11. 生田和平

    生田委員長 御異議なしと認めま事す。  次は第九、選挙権の問題でありますが、そのうち第三項、第五項、第六項、第十五第六項、第二十六第二項及び第二百六十六、第二百七十に関連した問題であります。三浦部長から御説明申します。
  12. 三浦義男

    三浦参事 お手元にお渡ししました刷りのもの三枚目と四枚目でございますが、内容的には市町村区域内に三箇月以上住居を持つておる者については、問題ではないのでありますが、その期間が三箇月に満たない者につきましての取扱い関連いたしまして、選挙人名簿登録の問題、それから特別区等につきましてはその読みかえの問題、さらに海外引揚者、それから入院加療中の者の住所要件等関係事項でありまして、念のために読み上げることにいたします。     〔参事朗読〕   第九第三項  3 引き続き三箇月以来市町村の区   域内住所を有していた者で天災   事変等又は転勤に因りやむなく他   の市町村区域内に住所を移した   ものは、その市町村において住所   を有する期間がまだ三箇月に達し   なくても、当該市町村選挙管理   委員会にその旨の申出をすること   により、前項規定する住所に関   する要件にかかわらず、当該市町   村の議会の議員及び長並びにその   教育委員会委員選挙権取得   することができる。   第九第五項を削り、第六項を第五  項とする。   第十五第六項後段を削る。   第二十六第二項  2 引き続き三箇月以来市町村の区   域内住所を有していた者で天災   事変等又は転勤に因りやむなく他   の市町村区域内に住所を移した   ものは、その市町村において住所   を有する期間当該選挙の期日ま   でにまだ三箇月に達しなくても、   第九第三項の規定による申出によ   り、前項住所に関する要件にか   かわらず、同項の補充選挙人名簿   に登録することができる。  (特別区の特例)  第二百六十六 この法律中市に関す   る規定は、特別区に適用する。但   し、第九第二項及び第三項並びに   第二十六第二項の規定適用につ   いては、これらの規定中「三可箇月以来市町村区域内」とあるのは「三箇月以来特別区の存する区域内」と読み替えるものとし、第二十第一項及び第二十六第一項の規定適用については、これらの規定中「三箇月以来その市町村区域内に住所を有する」とあるのは「三箇月以来特別区の存する区域内に住所を有し、且つ、その日においてその特別区内住所を有する」と読み替えるものとする。(海外引揚者及び入院加療中の者と住所要件との関係)第二百七十 海外引揚者市町村区域内に住所を有するに至つたがその期間がまだ三箇月に達しないものの選挙権取得及び補充選挙人名簿登録については、この法律規定する住所に関する要件にかかわらず、引き続き三箇月以来市町村区域内に住所を有していた者で天災事変等に因りやむなく他の市町村区域内に住所を移したものの例による。  2 この法律規定する住所に関する要件を定めるに当つては、病院その他の療養施設入院加療中の者に対しては、その入院加療中の場所にその住所があるものと推定してはならない。  3 前項規定は、入院加療中の者の選挙権行使を妨げる意味を有するものと解してはならない。
  13. 小玉治行

    小玉委員 ちよつと一点お尋ねします。第九の第三項の「選挙管理委員会にその旨の申出をすることにより」とあるのですが、これは口頭の申出と書面その他の申出とがあるので、これは届出というような何か厳格に書面によつて申出をするというふうに訂正された方が、実際の取扱い上便宜ではないかと考えます。その点は届出と申出というのと立法上お考えなつたことがありますか。
  14. 三浦義男

    三浦参事 この点は選挙権取得要件でありまして、重要な意味を持つておりますので、文書による申出が必要かと考えております。申出と届出の点につきましては、事柄が選挙権取得する意思があるかどうか。しかもその意思を表明するということを、はつきりさせる意味におきまして、届出よりも申出ということが適当であろうと考えておるのでありまして、現在地方自治法における規定も、まつたくこれと同様になつておりますので、それに沿うことにいたしたわけであります。
  15. 小玉治行

    小玉委員 そうしますと、実際上の運用としては、文書にしたためて出すというふうに、施行令か何かでおきめになるわけでございますか。
  16. 三浦義男

    三浦参事 その点に関しましては、施行令で取扱うことにいたしたい、かように考えております。ただこれは実際問題といたしまして、従来の例が文書によらないで、口頭による便宜の取扱いをいたしておるかどうかという点につきましては、私はつきり確言いたしかねます。選挙管理委員会の人が今日は見えておりませんけれども、私の考えでは一応先ほど申し上げたように考えております。なおこの点に関しまして要旨を御説明申し上げます。  まず第一に、第九第三項の点でありまして、要綱と比べて違つております点を申し上げます。ただいまお手元に差上げました分で読み上げました第九、第三項が要綱とかわつております点は次のような点であります。従来の要綱によりますと、天災事変等によりまして甲の市町村から乙の市町村移つたというような場合におきまして、元おりました甲の市町村においても選挙権を有し、それから他の乙の市町村に移りました場合、乙の市町村においても、もちろん申出によつて選挙権取得することができる、かようなことになつてつたのでありますが、天災事変等によつて他の乙の市町村に移りました場合においては、常に移つた新しい町村において選挙権取得し、かつ選挙人名簿にも新しい町村において登録される、かようなことになつておるのがただいま手元に渡した案であります。  この点につきましては両論考え得るとは思いませんが、現在の地方自治法は両方で一応取得するということになつておりますが、期間が三箇月というような短かいことになりましたし、二重登録のおそれを避ける意味から行きましても、一方の市町村において取得させるということが、事務取扱い上便宜であるし、二重登録の幣も避けられるというので、かようにしたらどうかと考えます。  なおそれからもう一つは第九第三項におきまして、原案には「天災事変等に因りやむなく」とありましたのを、「天災事変等又は転勤に因りやむなく」と「転勤」という字句が入りました点が違つておるのであります。これはこの前の委員会におきまして、天災事変だけでなくて、転任その他の都会によつてほかに移つた場合も、入れたらどうかという意見がありましたので、一応入れてみたのでありますが、私ども意見といたしましては削つた方がよくはないか。かように考えておるわけであります。それは実際転勤してほかの方で選挙権取得しないというような気の毒な事情もありますが、住所要件が三箇月ということに非常に縮まりました点と、それから転勤を入れますと、その証明する事実がなかなかむずかしいと申しますよりも、取扱い上、事務が非常に煩雑で二重登録のおそれがあるということと、一般的に転勤ということにいたしますと、すべての会社あるいは官庁その他の転勤がこれで取払われることになりまして、むしろ三箇月の住所要件なんかを置くことの意味がなくなりますので、それならば住所さえ持つておる人であれば、常に選挙権を与えるというところまで進んで行くことになりはしないか、かような意味合いから、天災事変という特に避くべからざる事情によりまして、ほかに移りました方に対して、選挙権取得に対する特例を置くということがよろしかろう、かように考えておるわけであります。
  17. 生田和平

    生田委員長 削ることに決定いたすに御異議ありませんか、     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  18. 生田和平

    生田委員長 次に第九第五項、これはどうなるのですか。
  19. 三浦義男

    三浦参事 ただいま第九第三項を申し上げましたが、これによりまして、新しい町村において選挙権取得するということになりますと、原案の第九第五項は、もとのところで選挙権取得することの関連規定でありますので、これがいらなくなります。第九第五項を削つていただきまして五項がなくなりますので、第六項を第五項に繰上げていただく、かような意味であります。
  20. 生田和平

    生田委員長 御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  21. 生田和平

    生田委員長 御異議なしと認めます。
  22. 三浦義男

    三浦参事 それから、それに関連いたしまして、「第十五第六項後段を削る」とございますが、第十五の第六項の後段は、「第九第三項の規定による選挙権を有する者で市町村区域内に住所を有しない者については、当該市町村選挙管理委員会は、本人申請により、その申請がないときは職権により、その所属の選挙区を定めなければならない。」とありまして、これもやはり元の町村選挙権取得した場合の関連規定でありますので、これがいらなくなりますから、削除をしていただく、かようなことになります。
  23. 生田和平

    生田委員長 第十五第六項後段を削ることに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  24. 生田和平

    生田委員長 御異議なしと認めます。
  25. 三浦義男

    三浦参事 次に第二十六の第二項について申し上げます。第二十六の第二項は、第九第三項と実質的に同様の規定でありましてそういう第九第三項に規定しているような人が、新しい町村において選挙人名簿登録されるということでありまして、その場合、もちろん基本選挙人名簿はきまつておりますので、補充選挙人名簿登録するということになりますが、内容的には第九第三項と関連しているのであります。第九の第三項で先ほど「又は転勤」を削つていただきましたので、二十六の第二項におきましても「又は転勤」を削つていただくことで御審議を願いたいと思います。
  26. 生田和平

    生田委員長 ただいま説明通りに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  27. 生田和平

    生田委員長 御異議なしと認めます。
  28. 三浦義男

    三浦参事 次に二百六十六であります、二百六十六は補則規定してございますが、関連事項でありますので、ここであわせて申し上げたいと思います。  二百六十六は「この法律中市に関する規定は特別区に適用する」ということでありまして、それにつきましては問題でないのでありますが、但書におきまして、第九第三項、第二十六の第二項と関連いたしまして、たとえば東京都の特別区におきまして、市町村とありますものの読みかえの規定でありますので、先ほどの第九第三項、第二十六第二項がさように御決定になれば、当然二百六十六はかようなことになるわけでございます。  次に二百七十について申し上げます。二百七十につきましては、この委員会あるいは小委員会におきまして御意見がありまして、入院加療中の者と住所要件との関件に関する特例規定を置いておつたのでありますが、これとあわせまして、実は先ほど第九第三項、第二十六第二項と関連する事項を新しく挿入いたしたのであります。先ほどの説明の際にちよつと申し忘れておりましたが、実は海外引揚者につきましての規定が第九第三項、第二十六第二項に置いてあつたのでありますが、海外引揚者は特殊の場合でありますので、これは基本法案要綱の本則の中に入れるよりも、同じ事項を、内容的には特にかわりはございませんけれども補則の方に入れますことが法の体系から見まして適当であろうと考えまして、二百七十に移したわけであります。二百七十の第一項におきまして「海外引揚者市町村区域内に住所を有するに至つたがその期間がまだ三箇月に達しないものの選挙権手得」、これは第九の第三項に関連いたすわけであります。補充選挙人名簿登録は第二十六第二項に関連をいたすわけであります。それらの特殊の取扱い規定を置いたわけであります。  第二項、第三項につきましては、入院加療中の者と住所要件との関係でありまして、前々から問題になりつおりました点を一応二項、三項のように書き改めたわけでございます。
  29. 小平忠

    小平(忠)委員 第二百七十の第三項でありますが、この規定はことさらに三項としてうたわなくても、入院加療中の者の選挙権行使を妨げる意味ではないのでありまして、この三項の規定はいらないのではないのですか。
  30. 三浦義男

    三浦参事 その点はごもつともかと思うのでありますが、実は第二項の意味が「病院その他の療養施設入院加療中の者に対しては、その入院加療中の場所にその住所があるものと推定してはならない。」と一応ありますので、推定ではありますけれども療養施設の中に住所がないというようにとれるわけであります。そういたしますと、実質上病院の中に住所があるという人がかりにあつたといたしました場合に、その人は病院の中に住所がないというように二項では読めまして、そのあとの取扱いがどうなるかということが明瞭でありませんので、第三項におきましては、それを広い意味から入院加療中の者の選挙権行使を妨げる意味を有するものと解してはならないという意味でもつて補つた趣旨であります。
  31. 淺沼稻次郎

    淺沼委員 そうすると病院療養所というのは、大体においてその住居とみなさない結論になつたわけですか。私はこれはどうも了解しかねるのであります。長期にわたつて療養所療養しておりまして、最近の事例をもつていたしますならば、そこで配給も受け、病院から住所届出行つてつて療養している。事実は事実だけれども、一年も二年もいるという形にとられて来れば、そこが真実の住所にかわつて来ていることだけは言えると思うのであります。それをまた元の住所に立ち返つて不在投票して、投票するというそれによつて一つ制限まで加えることは賛成しかねるのであります。
  32. 三浦義男

    三浦参事 その点につきましては、ただいま小平さんからお話がありましたのでお答えいたしました通りでありまして、第三項におきましては一応「入院加療中の場所住所があるものと推定してはならなない」——「推定してはならない」とあつて、こそに住所が全然ないと強く言つているわけではないのであります。従いまして、ただいま淺沼委員から御指摘になりましたような場合も、実際問題としてはあり得るかと思いますので、第二項の原則を第三項によりまして補いまして、そういう人がかりにあるといたしますならば、そういう人たち選挙権行使を妨げる意味を有するものと第二項の規定が解されてはならない、かようなことによつて補つて淺沼委員の御趣旨に三項は沿つておるかと思います。
  33. 淺沼稻次郎

    淺沼委員 そこが問題になりますので、病院のことは私はとやかく言わないが、療養所のようなところへ長くいる者で、実際はそこが住居になつている。しかし世帯届出病院がまとめまして、配給もそこでもらつて生活しているこのごろの条件は、配給品をそこでもらつていることが、案外空活及び世帯がそこにあるという形になると思うのであります。それをここでは否定しておるような形で、条文がかわつており、結局本人の元の住所としてあり、場合によつて不在投票を行うという。しかしそこで配給もらつてつて、事実上そこに一年も二年もおつてただ金だけを家から仕送りされておるという場合に、そこが住所でないという論拠はどうして立つのでしようか。が
  34. 三浦義男

    三浦参事 その点につきましては、すべてこの選挙法におきましては、住居という一般的な概念行つております。その言葉をさらに突き進めて申し上げれば、生活本拠がどこにあるかということは、客観的な事実によつてきまるし、なおかつ、本人意思等もその参考としては加味される場合もあり得るかと思うのであります。従いまして、客観的に生活本拠がどこにあるかということによつて選挙権要件である住所が自然にきまつて参りますので、それをこの規定は否定しておるわけではないのであります。ただ選挙管理委員会におきましての最近の解釈が、病院その他の療養施設入院加療中の者の住所は、そういう療養施設の中にあるのだという一応の推定をいたしておりますので、それを第二項において、そうではないのだということにいたしまして、さらに第三項におきまして、その人の実際の住所がそこにあるとすれば、その選挙権行使を妨げる意味ではない、かようにいたしまして、実際に沿わせることにいたした次第であります。
  35. 淺沼稻次郎

    淺沼委員 金は仕送りしてもらつているが、そこの療養所に一年もおつて、そこで配給物資も受け、届出もやはり病院を通してやつているのにそこが生活本拠じやないとあなたは言うのですか。
  36. 三浦義男

    三浦参事 その点につきましては、いろいろの見方があると思いますが、病院でありますので、たといそこで配給を受け、あるいは仕送りを受けましても、そこはあくまでも療養生活場所であつて、その人のいわゆる社会人としての生活本拠が直接そこにあるとは解されないのではないかと私ども考えております。と申しますのは、療養施設は、一時的にその人の病気をなおすためにそこに入つておるのでありまして、その期間の長短に多少の相違はありましても、本来社会人としての生活本拠が、その人が死ぬまでの一生の間その病院にあるということに、理論的には推定されないのでありまして、どこまでも療養中という条件が前提でありますから、その住所は、病人として療養しておる住所で、生活本拠たる住所ではないということになると思います。
  37. 淺沼稻次郎

    淺沼委員 りくつは言いませんが、結局これは療養中の限られたる期間における住居だと思うのです。限られたる療養中における期間住居がそこにあることには間違いないのであつて、それを否定するところに、どうも私はあなたの言われる生活本拠ということに対する疑問を持つのです。限られた期間療養している間は、病人にある一つ制限を加えるなり、病人には選挙権をやらないというのなら別だけれども選挙権をやつたら、選挙権行使できるような取扱いをすることにしなければならぬのであつて、その行使する場合において何か非常に制限を加えられるという形が、どうも納得行かない。しかし議論をしてもしかたがありませんから、もう一ぺん反対だということについて、意思表示しておきます。
  38. 三浦義男

    三浦参事 その点につきましては、ごもつともでありますが、実はただいま淺沼さんからのお話のあつたような意味においては、病院住所でなくて、いわゆる居所だろうと思います。ここで言つている住所という意味は、非常に抽象的な概念ではありますが、生活本拠である住所を言つておるのでありまして、居所住所とは、多少そこに違いがありますので、こういう使いわけをしておるわけでございます、
  39. 淺沼稻次郎

    淺沼委員 りくつは言わないつもりであつたけれども、そう言われると私も言いますが、居住の場所住所とは違うと思うが、かりの住所たると、療養中の住所たるとも、住所たることには間違いない。それを今までの慣例で間違つて届出をやつてつたとすれば、この法ができるまでは、全部無効の選挙をやつて来た形になるわけです。やはりわれわれの長年の経験は、そうあやまちを犯しているものではない。この前までは違法でなくて、今度これが決定されれば、この前のことは違法になるわけです。そういうことはどうも納得が行かないのです。病院はおのずから別だと思うのです。ぼくの言うのは、主として長期にわたる療養者のことを言つておるのであつて、そういうような意味においては今まで弊害があつたが、今その弊害をいかに効済するかということが問題であつて、根本の原則は、何も前のことは誤りであつたということにはならない。そういう意味では、今までは全部選挙権を犯しておつたということになる。
  40. 小平忠

    小平(忠)委員 ただいまの問題で、淺沼委員の御意見はしごくもつともだと思うのであります。しかしこれは小委員でもずいぶん論議いたしましたが、現実問題として、長期にわたる療養という問題は、結局療養所が主体になつておる。その場合に、国立療養所でもつて二千人、三千人という収容をしておるのが現実にある。それで小委員会においても問題になつたのは、町村民の数よりも、療養所にいる者の数の方が多いという場合であります。単に、療養所におる。また現実にそこで配給を受けているからという理由によつて、実際に市町村選挙をやり、村の、療養所に入つていない者の数よりも、入つている者の数の方が多くて、実際の村政がそれによつて牛耳らられる、という問題があつたのであります。そういうような問題を十分研究した結果、これは今までの解釈ではいけないという結論を得て、一応このような条件の提示方をお願いしたわけであります。従いまして、その点を申し上げれば、淺沼委員も了解してもらえるのではないかと思うのであります。結局問題は、その療養所住所ではないので、加療あるいは療養中だけの者は、あくまでも本来の住居住所でなければならぬという解釈のもとに、療養中の場合においては、特殊な人で、これから長年そこにいなければならぬというわけで、住居を移してしまつたというような者については別だからというようなことも論議しました結果、このような表現の方法になつたと思うのであります。そういうようなわけで、この程度でもつて行くことが妥当ではないかと私は思うのであります。
  41. 小玉治行

    小玉委員 住所住所を、淺沼さんは混同されているのではないかと思うのであります。住所というものは、民法でもきまつており、各人の生活本拠住所と言うのであります。生活本拠というと、経済活動の中心ということになるのでありまして、いわゆる仕送りを受けているというような場合は、むしろ仕送り先に住所があるということになるのであります。病院の中で仕送りも受けずに独立の生計を自分自身が営んでいるというのならば、そこに住所があるということになるでありましようけれども、たとえば九州から東京に参つてつても、そこで仕送りを受けているということになれば、その療養所に入つている患者の生活本拠は、やはり仕送りを受けている先にあるというのが、法律の正しい解釈であると私は思うのであります。もしそういうふうに長期間外におつて生活しており、経済活動はしておらぬけれども、事実上おる所をことごとく住所にするというようなことになれば、これはまた非常に住所制限等の関係にもなりまして、選挙法自体の取扱いは混乱しはしないかと思うのであります。私はやはり三浦氏の説明通りでよろしいと思うのでありまして、住居住所を混同しては、選挙取締りが非常にめんどうになつて来ると考えております。
  42. 谷口善太郎

    ○谷口委員 住所住居の問題が出たのでありますが、病院の患者が半年も一年も、二年も三年もおるということと、これは仕送り云々を論ずれば同じことです。国立病院の患者がある村に非常にたくさんおつて、その村の村会選挙選挙権行使して、村の住民以上の勢力を持つというようなことについての問題が、小委員会で問題になつたようなお話がありましたが、そういう地方選挙の場合と、衆議院や参議院の選挙の場合と、そこに区別があるならば別にしてもいい、こういうように私は思うのです。やはり非常に長い間その病院療養しておる患者が、そこに選挙権を持つことは、従つて少しも不合理でない。特に第三項で入院加療中の者の選挙権行使を妨げるものでないという言葉原案作成者が言つていらつしやるのでありますが、これは一体どういう範囲のことを言つていらつしやるか、もう一度聞きたいと思う。この場合病院を指すとすれば、当然二項三項矛盾を来すわけで、この病院住居としてやつておる人とすれば、まあそこに住み込んで門番や何かをやつている人以外にはないわけです。従つて入院加療中の者ということになると、二項と三項とどういうふうにわけておいていらつしやるかということに矛盾がある。だがらやはりこれは淺沼君の御説の方が正しいように私どもは思います。
  43. 三浦義男

    三浦参事  二項、三項の問題につきましては、先ほど小平委員から御説明がありましたような趣旨が、これを立法化しようというような動機であつたのでありますけれども、それとは別に、住所というものは市町村選挙場所、それからあるいは国会議員選挙の場合によつて、同じ人のやる態様が異なるということはおかしいと思うのでありまして、住所病院の中にあるならば、どの選挙においてもそこに住所がありと考えなければならぬし、そうでなかつたならば、やはり住所はほかのところにあるというように考えざるを得ないと思うのであります。これは御参考までに申し上げますが、前にお手元にウィスコンシン州の選挙法の参考資料が掲げてあると思いますが、こういう入院加療中の者の住所は、すべてやはり元のところにあるのでありまして、その人の入つておる慈善施設とか、あるいは療養施設の中にあるものとみなされてばならないという規定が明らかにあるのであります。これらを勘案いたしまして、二百七十の二項、三項においてこの規定を置いたわけでありますが、三項は先ほどから申し上げますように、入院加療中の者につきましては、一応二項で療養所の中に住所はないと推定いたします関係上、かりに療養場所生活の根拠があると客観的にみなされる場合におきましては、その選挙権行使を妨げることは、私権の行使を抑制することになりまして正しい方法でありませんので、三項において補つておるような趣旨であります。
  44. 小平忠

    小平(忠)委員 私ただいま三浦さんの答弁でけつこうだと思うのであります、その理由は、もう一ぺん申し上げますが、あくまでも入院加療中の住所は、本来の住所をもつて住所とするという考え方でなければならぬと思います。しかしもう長期に絶対にこの病気は、おそらく爾後何十年も療養を要するというような問題については、仕送りというような問題がありますけれども、場合によつては、住所というものをその療養所に移して、そうして仕送りでなく、それに対する第三者の寄付的な、あるいは援護的な方法をもつて、完全にその住所療養所内に移つたという場合においては、その療養所内に住所があると認定してやるべきだ、そういうような点も勘案して、こういつたような表現で適切ではないかと私は思うのであります。
  45. 逢澤寛

    ○逢澤委員 この問題は、もうすでに三、四回ここで繰返すので、わかり切つておることなのです。さきに淺沼君の方から、もしこういうことになれば、前にやつたことが無効ではないかというようなお話もあつたのでありますが、私はここ数年間の新事態と思いまして、こういうような特殊な療養所などというものが激増しました結果、先ほどの小平君のお話のように、村の原住者よりか、移住した病院の入院患者の数の方が多くて、そうして村の選挙に対して非常な矛盾が来る、こういうようなことを勘案した結果、今のような原案になつて来ておるのですから、私ども原案に絶対に賛成いたします、この問題は、何度繰返しても同じことで、これは速記録を見ればわかります。三ぺんやつておるのですから、この程度でひとつ打切つていただきたい。
  46. 生田和平

    生田委員長 この問題は原案賛成の方が多数であると認めるのでありますが……
  47. 小平忠

    小平(忠)委員 やはり問題は「推定してはならない」というところに、いささか疑義があるのであつて、大体ただいままでの論議によつて委員が了承されたことと思う。だからそういうような意味を十分勘案いたしまして、「推定してはならない」というところを、もう少し検討いたしまして、ただいま結論を得たような点を適当に修正なさることをあらためて申し上げます。
  48. 生田和平

    生田委員長 ただいま小平委員より「推定してはならない」という点に対して、なおよく研究をして適当な文字にかえたらいいというのであります。これは委員長に一任として御決定願うことに御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり。〕
  49. 生田和平

    生田委員長 御異議がなければさよういたします。  次は第十八第二項、第四項を議題といたします。
  50. 三浦義男

    三浦第一法制部長 第十八は開票区の問題でございます。簡単でございますので口頭で申し上げます。これは刷りものにございませんが、もとの原案の第十八の第二項の「参議院」の下に括弧書きで「(地方選出)」とあります括弧書きを削つていただく。第十八の第四項に、「当該選挙に関する事務管理する」とあります「当該」は生かしていただきまして、「選挙に関する事務管理する」までを削つていただく、そうしますと第四項は「当該選挙管理委員会」とかようになります。  この点は参議院の開票区につきましては、原案におきましては、地方選出だけに限つておりましたが、括弧書きを削りますと、地方選出はもちろんのこと全国選出の議員につきましても、開票区について必要あるときは都道府県管理委員会がこれを数開票区を設けたり、また数町村を合せて一開票区を設けることができる、かようなことになるわけであります。これは先ほど読みました第五におきまして「特別の定がある場合」の一つに該当するわけであります。第四項はそれに伴います整理であります。
  51. 生田和平

    生田委員長 御異議なければ、原案通り決します。  この際小休いたします。午後は一時から開会したいと思います。     午後零時二十一分休憩      ————◇—————     午後一時二十三分開議
  52. 生田和平

    生田委員長 午前に引続き会議を開きます。  第二十六第五項。     〔参事朗読〕  第二十六第五項  5 前四項の規定により補充選挙人名簿を調製する場合には、市町村選挙管理委員会は、当該補充選挙人名簿登録に関する申請期間中、現に効力を有する基本選挙人名簿及び補充選挙人名簿を閲覧に供さなければならない。
  53. 三浦義男

    三浦参事 二十六の第五項は、原案におきましてもこういう趣旨のことを書いてございましたが、なお字句を補正いたしましたので、特にここに掲げたわけでありまして、要するに補充選挙人名簿をつくる場合におきまして、それに漏れているかどうかというようなことを、選挙人があらかじめ知つておくことが選挙人名簿登録の脱漏を防ぐことになりますので、特に補充選挙人名簿の調製をいたします場合に、その申請期間中は効力を持つておる元の基本選挙人名簿と、それからさらにその後につくりました補充選挙人名簿を閲覧に供させるというような趣旨にたつております。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  54. 生田和平

    生田委員長 御異議がなければ原案通り決します。  次は第三十六、第四十六、第六十八でありますが、これは記号式の問題と連記とただいま非公式に申し上げましたけれども、同姓の方の取り方です。これは別にいずれも方法がないと思うので原案通りきめたいと思うのですが、いかがでしようか。、     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  55. 生田和平

    生田委員長 御異議ないと認めます。  次は第八十九、公務員の立候補制限。     〔参事朗読〕  (公務員の候補制限)  第八十九 国又は地方公共団体の公務員は、在職中、公職の候補者となることができない、但し、左の各号に掲げる公務員は、この限りでない。   一 内閣総理大臣その他の国務大臣、内閣官房長官及び政務次官   二 技術者、技能者、監督者及び行政事務を担当する者以外の者で、政令で指定するもの   三 前各号に掲げる者の外専務として委員、顧問、参与その他これらに準ずる職にある者で、政令で指定するもの  2 衆議院議員の任期満了に因る総選挙又は参議院議員の通常選挙が行われる場合においては、衆議院議員又は参議院議員は、前項本文の規定にかかわらず、在職中、当該議員選挙における候補者となることができる。地方公共団体の議会の議員若しくは長又は教育委員会委員の任期満了に因る選挙が行われる場合において当該議員、長又は委員がその選挙における候補者となる場合も、また同様とする。  3 地方公共団体の議会の議員は、第一項本文の規定にかかわらず、又は他の地方公共団体の議会の議 員の候補者となることができる。  4 第一項本文の規定は、同項第二号及び第二号に掲げる者並びに前二項に規定する者がその職に伴い 兼ねている国又は地方公共団体の公務員たる地位に影響を及ぼすものではない。
  56. 三浦義男

    三浦参事 第八十九は、原案にありました不明瞭な部分を整理いたしたのでありますが、この中で重要な点は、第三項に規定してございます地方公共団体の議会の議員は「在職中衆議院議員、参議院議員又は他の地方公共団体の議会の議員の候補者となることができる」という規定であります、これは小委員会におきましても、いろいろ問題がありましたし、本委員会におきましても、いろいろ御議論のあつた点でありまして、たとえば、地方公共団体の議会の議員が、衆議院議員、参議院議員に立候補することを認めるかどうかという実質的な問題であります。  それから第一項の第二号に「技術者、技能者、監督者及び行政事務を担当する者以外の者で、政令で指定するもの」と書いてございますが、これは原案におきましては「単純な労務に雇用されている者」となつておりましたのを補いまして、その範囲を明らかにいたした次第てあります。単純な労務の範囲がはつきりいたしませんので、技術者以外の者、技能者以外の者、監督者以外の者及び行政事務を担当する者以外の者で、政令で指定する者は立候補ができる、かようなぐあいにいたしたらどうかというのであります。  それから第二項は、衆議院議員、参議院議員が、相互に他の議院の議員となることができるかどうかという問題でありまして、この案におきましては、衆議院議員は参議院議員に立候補することはできないし、参議院議員は衆議院議員に立候補することはできない、もちろん在職のままのことでありますが、できないことになつております。ただ第二項におきまして、任期満了による衆議院議員の総選挙の場合、それから参議院議員の通常選挙が行われる場合におきましては、衆議院議員または参議院議員は、おのおの当該議員選挙の候補者となることができる、かようなことになつております。なお第二項後段におきましては、地方公共団体の議会の議員もしくは長あるいは教育委員会委員の任期満了による選挙が行われる場合におきまして、公共団体の議会の議員あるいはその長または教育委員会委員がそれぞれその選挙における候補者となる場合も、やはり立候補を許す、かようなことになつておるわけであります。  第四項におきましては、これは原案にもあつたのでありますが、第一項の第一号及び第二号に掲げておるような人、さらに前二項に規定しておる者と申しますと、第二項、第三項の場合でありますが、そういう人が、ある国または地方公共団体の公務員の地位を兼ねておる場合がありますので、その職に伴い兼ねておる地位は、そのまま、兼職のままでもかまわない、かような趣旨のことでございます。
  57. 野村專太郎

    ○野村委員 第三項のうちの、地方公共団体の議会の議員は、国会議員と同じく在職中立候補できる、こういうことに私らは賛成をしておるものですが地方公共団体の議会の議員が他の地方公共団体の議会の議員の候補者になれるという点について、これ一つの場合ならよろしゆうございますが、たとえば県会議員町村議員、あるいは都会議員と特別区の区会議員、または町会議員、村会議員、こういうような場合があり得るのです。これは非常に濫立と混乱を招きやすい。具体的に言いますれば、当選を目的としないもので、選挙を有利に導くためにポスタ—などもこのわくを両方利用してやるというようなことがあつて、非常に混乱をするという事例があるのでおりまして、一つの公職に立候補する場合はいいと思いますが、同時に便法として、自由に他の公職の候補者になるということがもしできるなら、これはよくないと思いますので、こういうことに対する立法者の御意見ちよつと伺いたいと思います。
  58. 三浦義男

    三浦参事 地方公共団体の議会の議員が、他の地方公共団体の議会の議員の候補者となることができるという問題につきましては、現在の地方自治法におきましては、これを許しておるわけでございます。従いまして、ただいま御指摘になりましたような例、たとえば県会議員町村会の議会の議員となり、あるいは逆に町村会の議会の議員が県会議員となることも、もちろん認められておりまして、東京都の議会の議員が区会議員を兼ねることも、現在地方自治体の上では認められておるわけでございます。従いまして、その点に関しましては、地方自治の特殊性にかんがみまして、許されておる現行法の規定を尊重して、第三項におきましてその趣旨を明らかにいたしたわけでございます。
  59. 小玉治行

    小玉委員 第三項に、新たに地方公共団体の議会の議員が衆議院、参議院等の議員となることができるという規定を設けた立法の根本趣旨を、私この前承つておりませんので、承りたいと思います。
  60. 三浦義男

    三浦参事 これは原案をごらんになりますとおわかりだと思いますが、原案におきましては、地方公共団体の議会の議員は、自由に他の公職の候補者となることができるようになつてつたのであります。これは小委員会におきまして、いろいろ御意見があり、それを削除するという御意見が出まして、いろいろ御審議の結果、その点についての最終的な決定を見ないままに留保という形で来ておつたかと存じております。従いまして、ここでは一応問題といたしまして、衆議院議員、参議院議員にも立候補できるような形にした案を整備して出したわけでありまして、前々から留保になつている事項でございます。それを許しました趣旨につきまして、認めよという一方の根拠は、地方議会の議員は、公選によつて選出されているものでありまして、公選によつて選出されている議員国会議員に立つということは、他の一般公務員なんかとは違いまして、それを特に制限する必要はないではたはいかというようなことから、これが出て来たかと思つているわけであります。しかしながら、なおまた一面県会議員等が、地方においてその地位を利用していろいろ運動をし、国会の選挙の場合に出るということは、好ましくないではないかというような御意見も、もちろんあり得るわけであります。大体先ほど申しましたような趣旨からそれを認めよという御意見と、認めない方がよいという御意見の両論があるかと思つております。
  61. 小平忠

    小平(忠)委員 特にこの中で問題になりますのは第三項でありますが、地方公共団体の議会の議員は、衆議院議員、参議院議員選挙に立候補ができるという問題は、当初の委員会でも、また小委員会においても、あくまでも禁止してもらいたいと申しました。しかしその後いろいろ意見もありまして、本日立候補することができるという案の提示を受けたわけであります。これは過ぐる委員会においても、私は強くこの点を指摘申し上げましたように、当選したならばやめるというような考え方は、まつた選挙というものの根本的な考え方を冒読するものであると思うのであります。その理由は、少くとも地方公共団体の議会の議員という職務を持つている者が、国会議員の候補者となり、当選したならば従来の地方議会の議員の職をやめるという考え方は、その職務から見まして、まことに好ましくないものであると思います。従いまして過ぐる本年の一月選挙の実例を見ましても、都道府県議員がやめて立候補したという実例も相当ありますが、非常にこのことはよい結果をもたらしていると思います。そういう観点から、あくまでもやめて立候補するという建前をとるべきであるということを強くこの際主張いたします。
  62. 千賀康治

    ○千賀委員 私どもは大体小委員会意思を尊重したいと思つております。小委員会では、もちろんわが党が多数であつたのですけれども、各派の方もおられたのです。その多数の方は、依然として地方議会の議員は辞職せざれば国会議員の候補者たり得ないという意思を持つておられると思つております。これは私の誤認ではないと思つております。栗山先輩からも、特に私はこの問題を聞いております。かようなわけで、あらためてこれを論議する必要はないことで、これは小委員会意思を尊重する方がよいと思うのですが、この点をまたひつくり返して議案を出されたことは、委員長は何かこの間の小委員会意思の誤認をしておられるように思うのです。私は小委員会通りの方向で行きたいと思います。
  63. 逢澤寛

    ○逢澤委員 これは千賀委員お話のごとく、小委員会ですでに数回にわたつて論議されておつたので、私どもは多くを論じませんが、小委員会の案の現職はいかぬということに決定いたしたいと思います。
  64. 野村專太郎

    ○野村委員 私も小委員の一人でございましたが、この問題に対しては、終始現職にあつて立候補するのは、他の国会議員と同様であることを主張いたしております。小委員会においても、今日においてもかわりはない、この点を明確にいたしておきたいと存じます。
  65. 生田和平

    生田委員長 ちよつと速記をやめてください。     〔速記中止〕
  66. 生田和平

    生田委員長 速記を始めます——それでは一応御意見を承ります。
  67. 小平忠

    小平(忠)委員 現職立候補の問題は、この委員会が持たれましてから、全体委員会も小委員会も、十分に論議した結果において、現職立候補を禁じようという意思の方が強いわけであります。その理由は、本年の選挙におきましても、すでにこれがなされ、非常に二また膏薬的な行き方を打破して、真に公選の実をあげているわけであります。そういうような結論から、この際現職立候補を禁ずるということに私は忌憚のない意見を申し上げます。
  68. 小玉治行

    小玉委員 この問題は、すでに小委員会等において詳細に論議が尽されておるわけでありまして、これをいかに取扱うかということだけが残つておると思うのでありますが、さようにいたしすれば、委員会の本質からいたしまして、決によつてこれを決定してはいかがかと思います。
  69. 野村專太郎

    ○野村委員 この問題は、小委員会においても委員会総会におきましても、この見解においてはその帰趨は大体想像がつくのですが、しかし他の問題についても、はつきり全部結論づけて行くならとにかく、ほかに留保事件があるとしたならば、いずれ今日をもつてこの特別委員会は解消するわけですし、その結果が本会議にもたらされて、新たな委員会に付託されると思うのです。そういうときに、さらにこの問題は、少数たりといえども、そういつたようた違つた意見も持たれるのでありますから、しかも公務員に対してはいろいろ数の多い——特にこの地方公共団体の議員は、いわゆる公選選挙を通して来ておるのでありまして、他の公務員とは性格が違うのである。また事実においても、先般行われた選挙において、これに対する補欠の選挙に要した公費というものも、けだし相当なものになると思うのでありまして、他の公務員とは違う。こういう意味において、私は国会議員と同じ立場を与えるべきであると主張いたしておきます。しかし大体小委員会なり、この委員会の帰結も想像されるので、できることならば留保事項として、そうして次の付託された委員会におきまして決定されることが望ましいのではないかと考えます。
  70. 小平忠

    小平委員 ただいま野村委員から留保事項という御意見が出ましたが、この委員会の円満なる運営から見まして、決してそういう行き方については根本的に反対する者ではありませんけれども、ただこの委員会で得た結論というものを、ただちにこれを実行に移すとか、あるいは相当これが重大な示唆を与えるとかいうものではないのであります。従いましてこの委員会としては大体この委員会考え方として、まとまつた意見として、大多数の意向がその方向であるならば、なるべく保留という事項を少くきめてこそ、この委員会の真の意義があると思うのであります。従いまして現在保留になつておる重大な事項もございますが、これは私はやはり現段階における各種の客観的情勢から見て真にやむを得ないと思います。しかしこの現職禁止の問題については、一部現職立候補の賛成を主張される方もございますけれども、ただいま委員長がおつしやいましたように、大体の意向を承りまして、そうして方向をきめるとおつしやつたその方向通り一応きめていただくことが、この際妥当ではないかと思うのであります。
  71. 逢澤寛

    ○逢澤委員 ただいま小平君のお話のごとく一応今までの経過におきまして、大体の見当はついておると思うのであります。そこでこれをこのまま保留しておきますと、また新しくなつてしまつて、今までの経過がほとんどわからなくなつてしまうおそれがありますから。この際大体数に達しておるのでありますから、一応この委員会としての経過だけははつきりしたことを残していただきたいと思います。あるいは皆様の御議論をお聞きになり、あるいは数に問うなり何かによつて、どのくらいに小数意見があるかということをあとに残していただきたいと思います。     〔「賛成」と呼ぶ者あり〕
  72. 生田和平

    生田委員長 それでは申し上げます。第八十九、公務員の立候補制限の問題は、第三項の、「地方公共団体の議会の議員は、第一項の本文の規定にかかわらず、在職中、」その次に書き入れてある「衆議院議員、参議院議員又は」までを削ります。これで一応御決定を願いまして、なおこれに対して反対の意見があつたということを委員長報告に加える扱いをいたします。それで御異議事ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  73. 生田和平

    生田委員長 御異議ないと認めます。よつてさように決しました。
  74. 立花敏男

    ○立花委員 先ほど言いました公務員全般の立候補の制限、これに対する反対の意見が私たちあるのですが、これもひとつ委員長報告の中に入れておいていただきたい。
  75. 生田和平

    生田委員長 これは非常に複雑になつて、もうすでに議決になつているのですから、また次の委員会のときにさらに御意見があれば——これで決定するわけでけなくて、要綱だけがきまつて要綱を報告するにとどまるのでありまして、次の国会にも必ず委員会ができると思いますので、その委員会に御出席くださいまして、修正意見なり何なり御提出になつたらいいと思います。  次は第百十三の第一項を議題に供します。     〔参事朗読〕  第百十第一項第二号及び第三号   二 都道府県の議会の議員の場合には、同一選挙区において第百十三第一項にいうその議員の欠員と通じて二人以上に達したとき。但し、議員の定数が一人である選挙区においては一人に達したとき。   三 市町村の議会の議員の場合には、第百十三第一項にいうその議員の欠員の数と通じて当該選挙区における議員の定数(選挙区がないときは議員の定数)の六分の一を越えるに至つたとき。  第百十三第一項第四号及び第五号   四 都道府県の議会の議員の場合には、同一選挙区において第百十第一項にいうその当選人の不足数と通じて二人以上に達したとき。但し、議員の定数が一人である選挙区においては一人に達したとき。   五 市町村の議会の議員の場合には、第百十第一項にいうその当選人の不足数と通じて当該選挙区における議員の定数(選挙区がないときは議員の定数)の六分の一を越えるとき。
  76. 三浦義男

    三浦参事 百十第一項第二号及び第三号と第百十三第一項第四号及び第五号の問題は、再選挙の場合または補欠選挙の場合における欠員数の問題でありまして、この前の本委員会におきまして御意見がありまして、欠員が二人以上に達したときに都道府県の議会の議員選挙原則として行う。それから市町村の議会の議員につきましては、原案にありました通り、六分の一を越えるときに行う。かような御意見がありましたので、それによりまして、案を整理いたしたものでございます。それでお手元にございます通り、第百十第一項の第二号におきましては、都道府県の議会の議員の再選挙の場合の規定でございます。しかし初めから議員の定数が一人である場合は、その一人の欠員が生じたときに再選挙を行うということであります。三号は従来二号としてありましたのを二号が新しく加わりましたので、三号にいたしまして「地方公共団体の議会の議員」と書いてありましたのを「市町村の議会の議員」と直したわけであります。  百十三の第一項の第四号は都道府県の議会の議員の補欠選挙の場合の規定でありまして、これも先ほど申し上げました通りと同様の趣旨であります。五号は従来四号までありましたのを四号が新しく入りました関係上、五号と別にわけましたので五号において、「地方公共団体の議会の議員」とあるのを「市町村の議会の議員」というように改めたわけであります。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  77. 生田和平

    生田委員長 別に御異議がなければ原案通り決します。  次は百三十八、百七十八を議題といたします。     〔参事朗読〕   (戸別訪問)  第百三十八 何人も、選挙に関し、投票を得若しくは得しめ又は得しめない目的をもつて、戸別訪問をすることができない。但し、公職の候補者が当該選挙につき、投票を得る目的をもつて自らする場合は、この限りでない。  2 いかなる方法をもつてするを問わず、選挙運動のため、戸別に、演説会の開催若しくは演説を行うことについて告知をする行為又は特定の候補者の氏名若しくは政党その他の政治団体の名称を言いあるく行為は、前項規定する禁止行為に該当するものとみなす。
  78. 三浦義男

    三浦参事 この百三十八の戸別訪問の問題につきまして、ただいま読み上げました案は、小委員会において一応御決定になつておりました案でございます。但し第三項につきましては、小委員会において御意見が出まして、整理をしてくれというようなことになつておりまして、それを一応整理いたしましたものを、この前の本委員会に提出いたしたのでありますが、なおさらに字句等につきまして厳密に規律するような文句に整理することが適当だと考えまして、三項をかような意味に改めまして、なお明瞭にいたしましたわけであります。  第百三十八で問題になつております点は、第二項でありまして、第二項で公職の候補者がみずから当該選挙に関し、あいさつ行為をすることは、第一項に書いてございます戸別訪問を禁止している規定適用趣旨を妨げるものではない、かようなことを記述してあるわけでありまして、戸別訪問は原則としてはいけないが、戸別にわたる場合がかりにあるといたしましても、それが公職の候補者がみずからやり、かつあいさつ行為であればかまわない、こういうことが第二項の趣旨でございます。第三項は選挙運動のために戸別に演説会の開催もしくは演説を行うことについて告知をする行為または特定の候補者の氏名もしくは政党その他の政治団体の名称を戸別に言い歩く行為は第一項に規定する禁止行為に該当する、こういう趣旨でございます。
  79. 小玉治行

    小玉委員 私は小委員会に出席しなかつたので、その経過をよく拝承することはできませんですが、第二項ですが、もし候補者が投票を得る目的であいさつにまわつたといつた場合には、やはり連続してやれば第一項の戸別訪問とかわらざる行為だと考えられるのであります。しかるに選挙の際に候補者があいさつしてまわる際に、投票を得る目的以外のあいさつをしてまわるとしたならば、それはもういわゆる戸別訪問でないのでありまするから、特にかような規定を設ける必要もないのであつて、さようなことから申しますると、候補者が投票を得る目的であいさつ行為をしてまわることがさしつかえないということであるならば、こういう明瞭を欠く規定を置くよりも、むしろ候補者が投票を得る目的で戸別訪問することはさしつかえないという立法に改めた方がよろしいのではないかと考えるのであります。もし第二項が戸別訪問を禁ずる趣旨だ。戸別訪問以外のあいさつ行為にまわることのみを候補者に許すというのであるならば、繰返して申しますけれども、かような法律を設ける必要はないのじやないかと考えます。また実際におきまして候補者があいさつ行為をしてまわつた、それが選挙の投票を得る目的だといつて許さぬという趣旨であるならば、この規定があるゆえに、またこれが徹底せざるがゆえに、かえつて候補者みずからこの違反行為を起こす危険性も包蔵する規定ではなかろうかと考えます。立案者のその点についての御意見を承りたいと存じます。
  80. 三浦義男

    三浦参事 百三十八の第一項と第二項は法律上の意味におきましては、一応限界はあると考えております。第二項は、公職の候補者がみずから当該選挙に関しあいさつ行為をすることを規定しておるのでありまして、投票を得る目的以外のあいさつ行為を言つておるわけでありますので、投票を得る目的でなくして、よろしく頼むというようなあいさつ行為でありますれば、第二項の問題であつて第一項の問題ではないと、かように考えるわけであります。しかしながら実際問題といたしまして、その本人がある家を訪問した場合におきまして、投票を得る目的であつたか、あるいは投票を得る目的ではなく、単なるあいさつ行為をする目的であつたかという立証の問題になりますと、なかなかむずかしい点もあり得ると思つております。本人意思ははつきりしておりましても、取締りの側から見ました場合におきまして、それがどちらの行為に該当するかという点において、第二項の趣旨にかりに該当したものであるといたしましても、取締り当局において投票を得る目的であつたと認定したといたしますれば、それは一応取調べの対象、違反の対象として取調べられ得る立場にあるという点に多少の問題が残るということは、仰せの通りであろうと思います。しかしながら論理上は一項と二項は明らかに区別し得ると思つております。
  81. 小玉治行

    小玉委員 論理上と申しますけれども選挙に関してあいさつ行為をする。この選挙に関してということがあつて、そしてあいさつ行為をしてまわるということは、これはもう投票を得る目的以外に、投票立会人を頼むというようなこともありましようけれども、しからばさような投票を得る目的以外の選挙に関してあいさつ行為をしてまわるという行為に局限する意味であるかどうか。投票を得る目的以外のいわゆる投票立会人を頼むとか、選挙関係あることであいさつしてまわるという、きわめて狭い範囲に局限して解釈される、さように承つてよろしいかどうか。
  82. 三浦義男

    三浦参事 第二項は投票を得る目的以外の場合に該当するわけでありまして、ただ単に普通のあいさつ行為をするということは何もこういう規定をまたなくても、たとえば立候補いたしました者の親類に幸、不幸があつたという場合に、そこに行つてあいさつ行為をするということは、法律規定をまたなくても当然なし得る事柄であります。しかしながら、立候補者がその選挙関連いたしましてよろしく頼むということは、それのみでなくて、さらに選挙とも多少の関連を持つ行為でありますので、それをある程度認めることが必要であるといたしますれば、第二項のような形において認めざるを得ないのではないかと思うのでありまして、第二項の事柄がさらに進みました場合においては、第一項の投票を得る目的の戸別訪問の段階に入る。かようなことになるのではないかと思つております。
  83. 小平忠

    小平(忠)委員 第二項の問題は、小委員会でもずいぶん議論をいたしまして、結論の考え方は、具体的に申し上げますと、戸別訪問というのは、一般の与論としては自由に開放すべきであるということが相当強いが、しかしこれを無制限に許すことは、選挙の公正を欠くものであるという結論から、これを禁ずべきである、しかし実際問題として、候補者がその選挙区内にまわつたときに、選挙区の親戚とか知人、そういつたような家に対しましては、従来もやはり選挙に関する以外のあいさつ行為といつても、やはり立候補したからよろしく頼むというような、あるいは投票を得る目的をもつて実際に戸別訪問したというような形に入つておる実例がある。そういう見地から、実際問題として行われておるような、だれが見ても真にやむを得ないというような親戚や知人に対しますところのあいさつ行為というものは、許すべきではないかといつたような結論から、こういう表現になつたのであります。いろいろ法制局の三浦部長からも御説明がありますけれども、やはり二つにわかれております。二項と一項の但書とは、帰一するところはかわらないと思う。しかし表現として公職の候補者だけは許すという考え方をとると、では全部許してしまつたらいいのだという結論になつてしまうので、前の二項のような表現が最もよろしいのではないか。しかしその場合に法的解釈の結論は同じものである、しからばはつきりせよという意見が出ると思う。そこで問題は法文としては非常に記載の表現の仕方がむずかしいが、しかし法の解釈としてこれを明らかに将来出して行けば、今まで論ぜられているような点をカバーできるのではないかという点を忌憚なく申し上げて、前の二項の案に賛成するものであります。
  84. 小玉治行

    小玉委員 私はこれは実際取締りの面から、二項のような規定を設けておくと、候補者が危険にさらされるのではないかと考えるのであります。観念的には第一項と第二項はちやんと区別がある。そういたしますと、検察当局においては、候補者があるところにあいさつまわりに行つた。ところがそのあいさつまわりに行つたのが、いわゆる冠婚葬祭のあいさつでなくして訪問した。そういう用件でなく訪問したということになると、それでは何で訪問したかということになる。そうしますと、投票を得る目的以外で選挙関係して訪問したのだという立証、主張というものは実際には成り立ちません。これは多くの場合投票を得る目的で訪問することが多いわけです。それ以外の選挙の用件で訪問するということは、ほとんどないわけです。先ほど申しましたような投票立会人を頼むとかいうようなことが立証できればよろしいが、立証されない場合は、遂に問い詰められて何ですかというと、結局それは投票を得る目的でありましたということに相なるわけです。候補者が訪問したところは必ず捜査が行つて、何で来ました、冠婚葬祭がありましたか。そういうことはありません。何ですか。何かわかりません。一方においては候補者をつかまえて、何ですかと問い詰めて行く。そうしますと、結局投票を得る目的以外には選挙に関することは何事もなかつたということになつてしまう。これは私は非常に危険な規定だと思う。先ほど小平委員から申しましたように、投票を得る目的の戸別訪問ということは、いろいろの情勢からよろしくないと仰せられるのでありますが、しかしこの規定は非常に危険を包蔵し、誤解を生みやすい規定である。法文はすぐだれでもわかるようにすることが法の理想でありまして、さような意味からいたしまして、私はかような明瞭を欠く法文というものは、何らか適当に改正する必要がないか、かように考えております。
  85. 並木芳雄

    ○並木委員 ただいまのような御意見も出ると思いますけれども、これも小玉さん、小委員であつたにかかわらず出て来なかつた。了解を求められておりますから、あえて言いませんけれども、実際小委員会でもずいぶん問題になり、その後もこの委員会で問題になつたのですから、先ほどのようにこれにもなお反対の意見があるということをつけて——これは十分もんだ末の法文であつて、今のような御希望の点、あるいは反対の意見もあると思いますけれども、一応これを要綱に織り込んで反対の意見ありということでまとめ上げていただきたいと思います。
  86. 鈴木義男

    鈴木(義)委員 まとめられる前に、一言しておきます。ただいま小玉君の言つたようなことは、この前の委員会ですつかり議論がなされておる。検察庁の検事まで参つて小玉君と同じ解釈をして、検挙するほかはない、検挙するかもしれないということを申したくらいであります。立法府として、そういうあいまいな規定を設けるということは反対であります。しからば明確にして、今回出された修正案のように、はつきり「但し、公職の候補者が当該選挙につき、投票を得る目的を持つて自らする場合は、この限りでない」——候補者が戸別訪問をするのはさしつかえないと、こうはつきり書くべきであります。これはあまりにも法の平等の原則を破つて、候補者だけ本来違法なことをやつていいということを規定するわけであります。これも立法としては、あまり好ましくない規定の仕方である。またわれわれの立場では、戸別訪問には弊害がありまするから、あくまで反対であるという態度をとつておる。この点はどちらも反対で、結局戸別訪問はこれを禁止するということにとどめおくべきだ。あいさつ行為に行くのは一向さしつかえない、真にあいさつであるならば何ら違法性を持たない。規定を待つ必要もない、さように考えております。
  87. 千賀康治

    ○千賀委員 本原案をもつて可として、但し、反対意見もあるということは、後の委員会に申し送つていただきたい。
  88. 生田和平

    生田委員長 ただいま千賀君の御意見通り決定していかがでありますか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  89. 生田和平

    生田委員長 小玉さん、鈴木さんの御意見を小数意見として、こういうのもあつたということで報告したいと思います。
  90. 小平忠

    小平(忠)委員 ただ一点誤解があるといけませんから。これは小委員会では第二項の規定は「当該選挙に関し自ら挨拶行為をすることを妨げるものではない」というこの趣旨は、単なるあいさつ行為というように解釈される向きもありますけれども、これはそうじやない。これはあくまでも候補者みずからが、友人知己に対して現に行われておるようなものを「挨拶行為」とここに表現したけれども、実は立候補したからよろしく頼む、その結論においては投票を得る目的かもわからぬが、そういつたような行為を認めるかどうかということで、こういう表現の現われ方が出たのです。そのことをこの機会に私ははつきりこの委員会の態度として——そうでなかつたならばこんなことを規定する必要はありません。こういうことを一言私は付加しておきます。
  91. 小玉治行

    小玉委員 私の質問の形において意見を述べておるのも、さようなわけでありまして、もしもこれが戸別訪問的な行為を全然除外するという考えならば、二項のような規定は要ない、かように主張しておるのでありまして、ただ政治的に国民その他に及ぼす影響力を考慮して、候補者には内面的には戸別訪問を認めるのだけれども、しかし外形的にはていさいが悪いから、こういうふうな規定にして、この裏には候補者の戸別訪問を許すという意味を包蔵しておるということであれば、私は何も苦労してかような規定を設ける必要はないのであつて、これはやはり明確に戸別訪問を候補者がする場合はさしつかえないということにしておく方が、将来疑義を解き、また検察の面においても、検挙等において公正が期し得られる。かように考えているのでありまして、この規定を存置することすなわち私反対というのではない。その点を誤りなきように明確にしておきたい。
  92. 鈴木義男

    鈴木(義)委員 記録にだけ止めておいていただきたい。そうでないと困る。この前申し述べたので、あるいは速記録にあればよろしいのですけれども、わが社会党が反対なのは、市町村議員のような場合に、候補者の戸別訪問を許しますと、わが国民性の常として、ほとんど煩雑にたえない訪問戦が行われるであろう、そういうことはまことによろしくないことである。その間にはまた巧妙な買収も行われる。衆議院、参議院の場合には、訪問し得る限度がきまつておりますから、大した弊害はない。買収をやれば、候補者みずから傷つく危険があり、弊害は割に少い。しかしこの法律市町村から府県会全部に通ずるものである。これをよく考慮に入れて、戸別訪問を許すかどうかということをお考え願いたい。そういう趣旨で反対をしているということをお考え願いたい。
  93. 三浦義男

    三浦参事 簡単に私から第二項の趣旨をなお繰返して申し上げておきたいと思います。第二項の規定趣旨に関しましては、いろいろの事情があつて置かれたのでありますが、ただこの解釈の問題については、かりにこれが法律として出た場合には、もちろん裁判所が決定することでありますが、立案にに携わりました者の一人として、第二項の解釈は、先ほどもどなたかからお話がございましたけれども、実はさようには考えていないのであります。投票を得る目的をもつてあいさつ行為をすることの趣旨も、第三項は含めているという御趣旨であるようでありますけれども、それであるならば何をか第二項においてこういうことを規定する必要はないのでありまして、それであれば第一項だけで十二分に足りるのであります。第二項に書いてございますのは、その人の真意は別問題として、投票を得る目的でなくして、ある知人なり何なりに立ち寄りまして、あいさつ行為をすることを規定しているのでありますから、そこの限界を一応はつきりさせていただいた上で、どういうふうにするかということをおきめ願いませんと、一項と二項の趣旨が非常に混淆いたしまして、あとで取扱い上困る。私の個人的見解はまた別個に持つておりますが、委員会で一応御審議になりました趣旨を付言すれば、そういうことであると私は確信をいたしております。
  94. 生田和平

    生田委員長 ただいま千賀君より本案の扱いについて御意見あり、なおその内容について三浦法制部長より御説明を申し上げた次第でありますが、これに対しては、やはり少数の反対の御意見もあるということを委員長の報告に加えますことにして、本案を扱いたいと思います。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  95. 生田和平

    生田委員長 さよう御承知を願います。
  96. 立花敏男

    ○立花委員 本案はわかりましたが、第三項があるのです、この間の本委員会でも申し上げておきましたが……
  97. 生田和平

    生田委員長 第三項に御意見があるのですか、どういうふうに……
  98. 立花敏男

    ○立花委員 第三項は、前の委員会のときにも、「みなす」というような認定規定があつたのですが、今度これがかわりまして「禁止行為に該当するものとみたす」——前には裏から言つておりましたのを、今度は表から言つているのですが、この認定の根拠が非常に薄弱だと思う。こういう認定が行われましては、実際問題として、選挙運動ではない本来の政治活動というものに、非常に制限が加わります。と申しますのは、この選挙法規定しておりますのは、ほとんどすべての公職の選挙が含まれておりますので、一箇年を通じてこういう選挙が行われることが非常に多いだろうと思う。そういう機会において、政党の基本的な政治活動が禁止されるということになりますので、私たち民主政党といたしましては本来の政治活動を非常に大きな幅で制限されるということになりますので、この規定は除いていただきたい、こういう考えを持つております。
  99. 生田和平

    生田委員長 これは前の委員会におきまして、大体こういう趣意を委員長において起案してくれ、こういうので、起案になつておるのでありまして、立花君から御注意もありますから、他の方の御意見も一応承りたいと思います。
  100. 千賀康治

    ○千賀委員 立花君の御意見ではありますが、戸別訪問はいけない。また三項の中で演説会の告知だとか、その他特定の候補者の名前とかいうものを告知のような形で一軒々々言つて歩いたらどうかということ、これはいかぬ。政党名も同様ですが、そういう規定でありますから、これは当然私は禁止されていいと思います。これは第三者の戸別訪問とまつたく混線して行くのでありますから、これを許しておいたら選挙になつてもたまらぬだろうと思います。これは当然禁止されるべきでありまして、今共産党の方が、こういうことはおれたちのふだんの行動と牴触するからいかぬとおつしやつたのですが、ふだんどんなことをせられておるか、私どもはつきりわかりませんが、少くとも選挙期間中はこんなことをされぬ方が、まぎらわしくなくていいと思います。特に選挙に混線するのをねらつて、こういうことをやろうという意思つたら、もちろんこれは禁止するのが当然であります。以上私の私見を第三項に対して申し上げておきます。
  101. 生田和平

    生田委員長 なお千賀さんにお伺いするのですが、先回御委任になりました趣意とこれはかわらぬと思つておりますが、どこかかわつた点がありますでしようか。(「その通り」と呼ぶ者あり)大体委任になつた程度で、これを作成したのですが、以前に御決議になつておるものと見て、よいくらいなんです。
  102. 立花敏男

    ○立花委員 これは私は前の委員会においても、はつきり反対しておつたのです。
  103. 生田和平

    生田委員長 あなたの御意見は、最後の「該当するものとみなす」というところであつたと思うのです。
  104. 立花敏男

    ○立花委員 だから「みなす」ということが、全体の党の基本的な日常の政治活動に大きな幅でもつて制限を加えるということから反対いたしましたので、決して「みなす」という字句だけに反対いたしたのではありません。
  105. 生田和平

    生田委員長 前回は「みなす」という表現がいかぬ、こういう御意見つたと思います。
  106. 立花敏男

    ○立花委員 そういうのでなしに、全体としての第三項に反対だと言つたのです。
  107. 千賀康治

    ○千賀委員 私はこの前この項で意見を言つたのは、最後に第一項に規定する禁止行為を免れるものとみなすという言葉があつたと思うのです。そんなくだらぬことを言うよりも禁止行為とみなすと言つた方がはつきりしておるじやないか。免れるものということになると免れたのだから、これは差別がないということに解釈ができる疑いがあつて、そういう文章は好まないという表現方法を私は申し上げておつたのです。むろん精神においては、三項の全体は原案通り賛成しておるもので、こういうふうにはつきりした文章になれば、なおさらこれでけつこうだと思います。
  108. 生田和平

    生田委員長 原案通り決するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  109. 生田和平

    生田委員長 御異議ないと認めます。
  110. 三浦義男

    三浦参事 ちよつと第百三十八に関連して、刷りものにあげておりませんが、藤枝さんから前に御意見がありまして、百七十八の選挙期日後のあいさつ行為のところでございますが、これと関連いたします事項がありましたものですから、その点をどうするかという問題はなお残つておるかと思つております。
  111. 生田和平

    生田委員長 百七十八に対して御説明を求めます。
  112. 三浦義男

    三浦参事 百七十八の一号で、選挙人に対して戸別訪問することを、選挙期日後のあいさつ行為として禁止しておりますが、ただいまの百三十八におきましてあいさつ行為をすることは妨げないと書いてございます。百七十八は初めからあいさつ行為の事柄でございますので、ここで挨拶行為をすることということを掲げますことはどうかと思われますが、百七十八の本文の但書の方に、「但し、公職の候補者であつた者が自ら第一号に掲げる行為をすることは、この限りでない。」これは言葉をかえて申し上げますれば、公職の候補者であつた人が選挙人に対して選挙期日後あいさつ行為として戸別訪問をすることはさしつかえないという文句を入れるかどうかということが、百三十八と関連する問題であろうと思つております。これが一つであります。  それから第六号におきまして「当選に関する答礼のため当選人の氏名又は政党その他の政治団体の氏名を連続すること。」とありますが、「連呼する」ということを百三十八におきまして「言うあるく行為」と書いてございますので、「連呼すること」を、「言いあるくこと」と直せば、百三十八と対応するかと思います。
  113. 藤枝泉介

    ○藤枝委員 今三浦部長お話がありますように、この百七十八の一号は、特に選挙の前でも候補者みずからがあいさつする行為は妨げないということになつておるのでありますから、選挙後に公職の候補者であつた者がみずから選挙人にあいさつする行為は、この一号に該当しないという規定を入れるのが当然だと思います。
  114. 生田和平

    生田委員長 御異議がなければ原案通り決します。  次は第百四十四の第一項でございます。     〔参事朗読〕  第百四十四第一項第三号乃至第五号   三 都道府県の議会の議員選挙にあつては、公職の候補者一人について五百枚   四 市の議会の議員及び長並びに市の教育委員会委員選挙にあつては、公職の候補者一人について三百枚   五 町村の議会の議員及び長並びに町村教育委員会委員選挙にあつては、公職の候補者一人について百枚
  115. 三浦義男

    三浦参事 この点は鈴木委員から御意見がございまして、それを条文に整理いたしたものでございます。
  116. 野村專太郎

    ○野村委員 先ほどお尋ねしたのですが、二つの公職に立候補した場合には、ポスターはどういうことになるのですか。双方のわく内で両方合算をしてやることができるのですか。
  117. 三浦義男

    三浦参事 選挙につきましては、それぞれの選挙を個別的な選挙と見ておりますので、対象が違いますれば、それぞれの規定による枚数が許されると考えております。
  118. 生田和平

    生田委員長 別に御異議がなければ原案通り決します。  次は第百四十六、第百四十八であります。
  119. 三浦義男

    三浦参事 百四十六、百四十八は新聞の報道の問題と関連いたしまして一応ここで御議論になりました点でありまして、この前百四十八におきまして「日刊新聞」の「日刊」を削つたのでありますが、特にそれ以上に訂正する案を現在のところ持つておりません。これによつてよろしいかどうかおきめ願つたらと思つております。
  120. 小平忠

    小平委員 第四十六の冒頭の「何人も、選挙運動の期間中は、著述」の前に新聞を入れるというのは保留になつたのですか。これはどういうことになりましたか、お伺いしたいと思います。
  121. 三浦義男

    三浦参事 百四十六の方に新聞を入れることは、保留いたしまするよりも、いろいろな関係でこの前削除いたしまして、別途の解釈で行くということになつたと思います。
  122. 生田和平

    生田委員長 御異議なければ原案通り決します。  次は附則第一項について……
  123. 三浦義男

    三浦参事 附則第一項は「この法律は、昭和  年 月  日から、施行する。」となつておりますのを、時期を今押さえますことは、いろいろ予定し得ないことがありますので、一応「公布の日から施行する」ということに改めておきたいと思います。
  124. 生田和平

    生田委員長 御異議なければ原案通り決します。  最後に題名のことについて御相談いたしたいと思います。
  125. 立花敏男

    ○立花委員 さいぜんの百四十六のところは読んでいるひまがなしにきめられたのですが、ほかの項ではたいてい選挙運動のためにという言葉が入つておるのですが、百四十六だけは選挙運動のためにという言葉が入つてなくて、ただ政党名の入つた著述、出版物なんかも頒布または掲示することができないとなつておるのです。これは非常に大きな制限になつてしまいまして、選挙運動のためにでなければ、こういうことは当然許されていいのではないかと思うのです。
  126. 三浦義男

    三浦参事 百四十六は「選挙運動の期間中」ということがございますし、なお百四十二、百四十三の禁止を免れる行為となつておりまして、百四十二をごらんになりますと、選挙運動のために使用する文書図画の頒布の制限でありますし、百四十三は同様選挙運動のために使用する文書図画の掲示の制限であります。なおまた公職の候補者の氏名、政党その他の政治団体の名称を表示したり、あるいは公職の候補者を推薦し、あるいは反対するということでありますので、もちろん選挙運動に限定されることは当然であります。ただそれが禁止を免れる行為としてやつた場合にどうかという規定であります。
  127. 生田和平

    生田委員長 最後に名前のことであります。従来「選挙基本法要綱」というので進んで参つたのでありますが、しかるに教育委員選挙も挿入いたしましたために、すでに基本法でなくなつたではないかという御意見もありまして、名前を適当なものを選んで入れようということを委員長におまかせになつたのでありますが、法制局におきましてお手元に差上げてある各種の名称を御参考に供したのでありますから、この中から適当なものをお選び願いたい、こう考えるのであります。——ちよつと速記をやめてください。     〔速記中化〕
  128. 生田和平

    生田委員長 それでは「公職選挙法」と名前を決定いたします。
  129. 三浦義男

    三浦参事 ただいまこの法案の題名を「公職選挙法」ということに御決定になりましたので、これと関連いたしまして、前の選挙基本法案要綱の第一章総則の第四にございますところを、かように御訂正願いたいと思つております。「この法律において公職の候補者とは、」とありますが、その「の候補者」を削ることにいたします。  次に第四の中の「並びに教育委員会委員の」という下に「選挙において候補者として届出をし又は推薦届出をされたもの」とあります字句を削除していただきます。ただいま訂正いたしました文を初めから読みますと、「この法律において公職とは、衆議院議員、参議院議員、地方公共団体の議会の議員及び長並びに教育委員会委員の職をいう。」かようになります」。  条文の配列の順序でありますが、第二にこの法律適用範囲を規定してございますので、その次に第四を第三としまして、「公職の定義」と、こういうことにして第三に入れていただきまして、現在あります第三を第四ということに直していただきたいと思います。第四の括弧書きの「公職の候補者の意義」は「の候補者」を削りまして、「(公職の定義)」とかようになります。
  130. 生田和平

    生田委員長 ただいま三浦部長より説明通り異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  131. 生田和平

    生田委員長 御異議なければさよう決します。  最後に申し上げます。本日をもつて公職選挙法要綱を全部御議了になりました。そのうち衆議院議員、参議院議員選挙区に対する問題は留保せられております。留保せられた旨を委員長報告に加えたいと思います。そのほか全部御議了いたしましたことに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  132. 生田和平

    生田委員長 御異議なければこの御決議に基きまして、次の国会の初めにおいて議院に報告いたします。さよう御承知を願います。  本日はこれをもつて散会いたします。     午後三時二分散会