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1949-07-21 第5回国会 衆議院 選挙法改正に関する特別委員会 第9号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十四年七月二十一日(木曜日)     午前十一時六分開議  出席委員    委員長 生田 和平君    理事 栗山長次郎君 理事 小玉 治行君    理事 野村專太郎君 理事 前田 種男君    理事 福田 繁芳君 理事 川上 貫一君    理事 逢澤  寛君       北澤 直吉君    齋藤 隆夫君       千賀 康治君    田中 重彌君       藤枝 泉介君    淺沼稻次郎君       小川 半次君    佐竹 晴記君  出席國務大臣         國 務 大 臣 増田甲子七君  委員外出席者         全國選挙管理委         員会事務局長  吉岡 惠一君         総理廳事務官  金丸 三郎君         法制局参事   三浦 義男君     ————————————— 本日の会議に付した事件  選挙法改正に関する件     —————————————
  2. 生田和平

    生田委員長 これより選挙法改正に関する特別委員会を開きます。  昨日最終におきまして、御議論になりました選挙権のうちで、参議院選挙権年齢を変更するの件、並びに兼職禁止の職にある公務員に関する問題で、地方公共團体議会議員と、地方公共團体有給議員との兼職この二つの問題が御意見の一致ができなかつた点であると思つております。この二つの問題は保留することにいたしまして、他の各條項は小委員会に付託するようにお運びを願いたいと思いますが、御異議はありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 生田和平

    生田委員長 御異議なければ、さよう決します。  第六、選挙人名簿を議題といたします。
  4. 三浦義男

    三浦参事 選挙人名簿調製は、非常に技術的な問題ではありまするが、実際問題といたしまして、選挙権の有無に非常に重大な影響を与える事柄でありますので、この点に関しまして、いろいろ問題となり得ると考えられまする点を、選挙人名簿の第六項においてあげておきましたわけでございます。  第一には、選挙人名簿調製上どういう制度をとればいいか、一般に言われております制度といたしましては、永久名簿制定時名簿制臨時名簿制、こういうことが制度的には考えられるかと思います。現行選挙人名簿調製方式といたしましては、原則的に定時名簿制ということで、一年間すえ置きして、また新しくつくり直す、こういうことになつておるようであります。それで補充人名簿等につきましては、臨時的な意味が含まれておるかと思うのでありますが、原則的にはさようなことになつておるのであります。この点に関しまして、將來制度としてどういう制度がいいかという点が第一の点であります。  第二の点は、選挙人名簿登録制についてどういう方式をとるか、現在は職権調査主義によつておりまするが、この方式として考えられる主義といたしましては、職権主義申告主義、それから職権主義申告主義併用、こういうようなことが考えられるかと思います。現行法といたしましては、職権主義申告主義との併用によつておると考えられるのであります。原則といたしましては、基本名簿職権主義によりまして、例外といたしまして、衆議院議員選挙人名簿臨時名簿、それから地方公共團体等において使われます補充名簿というようなものは申告主義なつておるわけであります。  この人名簿制度的な問題等考えます場合に現行法がどうなつておるかということを第三に掲げておいたのでありまして、現行法選挙人名簿の種類といたしまして、衆議院議員選挙については御承知通り基本名簿臨時名簿ということになつておるのであります。臨時名簿にはどういうものが登録されるかということをそこに分類として掲げておいたわけであります。それから参議院議員選挙におきましては衆議院議員選挙人名簿を用いますので、衆議院議員選挙人名簿参議院議員選挙人名簿としての効力を有する、こういうことになり得ると考えられるのであります。地方公共團体議会議員及び長の選挙においては、衆議院議員選挙人名簿またはその抄本を用いますが、そのほかにおいて、補充選挙人名簿またはその抄本というものの調整法律上要請しているわけであります。それから地方公共團体の場合において衆議院議員選挙人名簿と言います場合には基本名簿臨時名簿と含む意味でありまして、そのほかに補充選挙人名簿をつくつて地方公共團体補充選挙人名簿衆議院議員選挙における臨時名簿と大体同様のものと考えられます。それからこまかく申しますと、そこに相違が出て参るのでありますが、これはあとで申し上げたいと思います。それから人名簿の点を考えます場合において、ただいま申し上げたような選挙人名簿が本來の選挙でない、いわゆる選挙でない投票にそれが使われる場合があるのでありまして、これはローマ数字の(ろ)の(ハ)のところの(a)(b)(c)(d)(e)に掲げておいたわけでありますが、たとえば地方公共團体議会の解散の投票、あるいは地方公共團体議会議員解職投票、あるいは地方公共團体の長の解職投票、あるいは地方公共團体の特に重要な財産または営造物の独占的な利益供与の処分または長期の独占的な使用許可に対する賛否投票、それから副知事以下一定職員解職投票、こういうものがございます。そのほかここにあげておきませんでしたが、御承知通り一の地方公共團体のみに適用される特別法に対する賛否投票、たとえば最近行われました福島、長崎における投票の例はその一つでありますが、そういう投票のときに用いられるのであります。なおもう一つは特別市の指定賛否投票、現在特別市というのは地方自治法規定の中にありますが、特別市に指定なつているのは現在はございませんけれども、制度的にはそういう場合の賛否投票にもそれが準用されることになるわけであります。大体選挙人名簿はそういうことになつておりますが、さてこういうことを前提として問題として考えられます点は、衆議院議員選挙人名簿登録に必要な六箇月の居住條件をどうするかという問題であります。これは選挙権のところで申し上げましたように、衆議院議員選挙参議院議員選挙において六箇月の居住要件選挙権要件ではなくて、人名簿登録要件なつているわけであります。地方公共團体の場合においては、それが選挙権要件なつているわけでありまして、これらの相違補充選挙人名簿との場合に関連を持つて來るわけでありますが、將來の問題として統一法なり、共通法なりを考えます場合において六箇月の補充要件選挙人名簿登録要件とするか、選挙権要件とするかということは一つの問題で、研究事項であると考えております。次には地方公共團体議会議員及び長の選挙においては六箇月の居住要件選挙権要件としておるが、これを衆議院議員参議院議員選挙の場合と同様、選挙人名簿登録要件とすることはどうかということはただいま申し上げた通りであります。次は選挙人名簿調整期日現行通りでよいか、毎年九月十五日現在によつて調整をして、縦覧その他の期間を置いて選挙人名簿調整がされるのでありますが、九月十五日現在の調整一定時制によりました場合にこの期日がよいかどうか。地方の農繁期その他の点において、あるいはいろいろ技術的な点をを考えてよいかどうかという問題を一応ここに書いておいたわけであります。次には衆議院議員選挙における臨時名簿調整に関する規定を本法中に包括して規定し、恒久化することはどうかという問題でありますが、これは御承知通り衆議院議員選挙法の十三條の特例に関する法律によつて臨時名簿調整というものを臨時措置として、臨時立法規定しているわけでありますが、この問題を恒久的な問題として取上げるか、將來やはり臨時的なものとして残しておいたらよいかという問題であります。  次には衆議院議員選挙の場合の臨時名簿地方公共團体選挙の場合におきまする補充名簿とは一応別々につくられる建前になつておりますが、これを別々にいたしませんで総合する方法はないかどうかという点で、あります。  次には選挙人名簿調整は毎年四千万からにのぼる有権者登録をいたしますので相当複雑な手続を要するのでありますが、こういうのを簡便にする方式としてカード式にするような便利な方式が考案できないかという問題であります。なお選挙人名簿調整に関連いたしまして、目下法務庁住民登録法案というものを研究中でありますが、これによりますと住民登録というものを全國にわたつていたしまして、その住民登録に載つた人のうちから選挙権を持つ有権者の人を選挙人名簿に移しかえて登録するというような制度考えておるようであります。これはまだ法案としては研究の段階でありまするけれども、法務庁におかれましてはその方面の制度調査会においてそういう案が一応できておるのでありまして、こういう点も一応選挙人名簿と関連した研究事項であろうと考えております。次の問題といたしましては、選挙人名簿調整選挙人本人住所主義によることになつておりますが、船員の不在者投票につきましては船舶所有者の主たる事務所の所在地において投票させるような特例を認めてはどうかということであります。これは投票の項において詳しく書いておきましたが、投票の項の六十四ページを御参照願いたいと思つております。このことについてはその際に申し上げたいと思つておりますが、そういう問題も選挙人名簿に関連して考えられる研究事項だと思つております。次には選挙人名簿脱漏の問題であります。よく選挙毎に集團脱漏ということが新聞等にも現われるのでありますが、これを防止するに適切な制度上の方法はないかどうか、これがどういう原因によつてつて來るかということにつきましては、全國選挙管理委員会当局の方から必要があればなお御説明を願うとけつこうだと思つておりますが、そういう問題も一応ここで取上げておきましたわけであります。なお選挙人名簿脱漏及び誤載があると認められるときには、これが修正申立は、その名簿縦覧期間中に限つておりまするけれども——縦覧期間中と申しますと十一月五日から十一月二十日まででありますが、その期間を相当期間延長する必要があるかどうか、これはいろいろ影響するところがあると思いますが、期間が十五日で、あまり短いので、その期間をもう少し長くする必要がないかどうかという問題であります。次には包括的に選挙人名簿の次のような事項に関しまして改正を加えるところはないかどうかという問題でありまして、そこに一から六まであげておりますような事項について一応の研究を要するかと考えておるわけであります。
  5. 前田種男

    前田(種)委員 ちよつと三浦さんに聞きますが、來年から年の計算がかわることになつておりますが、従來の満二十歳とかあるいは、満二十五歳、満三十歳という計算の仕方と來年からの年齢計算の仕方がかわつて來る法律案との関係で、実際問題として投票期日までに満二十歳となつたものは選挙権があるかどうか、あるいは立候補する場合に、立候補する当日満二十五歳あるいは満三十歳になつたとしたらその資格があるかどうかというその計算のかわりますものとの間に若干の違いがあるか、全然違いがないか、その点御説明願いたいと思います。
  6. 三浦義男

    三浦参事 現在は満によつておりますから、数え年によりますと九月十五日現在で数え年二十五以上でありましても、満で二十五歳になつておらなければ選挙権はない、こういうことになるわけでありますが、臨時名簿の方におきまして、九月十五日現在におきまして、満二十歳に達していなくとも、それが臨時名簿調製期日までに選挙権要件、満二十歳に達する場合におきましては、臨時名簿の方に載せられる、こういうことになるわけでございます。その場合の年齢につきましては選挙期日によつて計算する、こういうことに一応現行法なつております。
  7. 小玉治行

    小玉委員 私は衆議院議員選挙人名簿登録に必要な六箇月の住所要件、この点につきまして実はこういう考えを平素持つておるのです。職業の性質したびたび住居の移転をするような者、たとえば官公吏であるとか、会社の社員であるとか、そういう人は、私も経験したことですが、たとえば今年の衆議院議員選挙眞近に転任する、六箇月住んでいないから選挙人名簿登録されてなくて選挙ができない。ところがまた次の総選挙の際に、折悪しくまたその六箇月以前に転任していなかつたために選挙権を行使できない。二回も三回も総選挙の際に総選挙権を行使することができないという実例が多々官吏、公吏等にあるのであります。こういう点については六箇月の住居要件を短縮するか、あるいはかような人には撤廃して登録する必要はないか。もうたびたびの選挙選挙権を行使し得ないような実状が官公吏等には相当あるのでありますから、この点は一箇月くらいの住居権に短縮するか、ないしは撤廃するかして、選挙権を行使し得る、その機械を与えるというふうに改正する必要があろうかと思いますが、その点御意見を伺いたいと思います。
  8. 生田和平

    生田委員長 吉岡さん、あなたの方で何かこの問題についてお調べになつたことはありませんか。この期間について何か地方から選挙管理委員会陳情のようなものはありませんか。
  9. 吉岡惠一

    吉岡説明員 選挙人名簿の今の住居期間要件は、私の方でもいろいろ実際の人の動きがどういうふうになつておるか、今実体調査集計中であります。従つてその集計が出て参りますとおよそ見当もつきますし、また今のような場合は不在投票で救う道が全然ないではない、ある程度解釈を拡張して現在救つておうようなかつこうで、立法本來として相当研究すべき問題であると思います。
  10. 小玉治行

    小玉委員 不在投票と申しましてもなかなかめんどうでありまして、そんなことをするよりいもむしろ簡明率直にこの要件を撤廃する、あるいは非常に短縮するのがよろしいかと思つております。
  11. 千賀康治

    千賀委員 選挙人名簿脱漏及び今問題になつております問題でありますが、脱漏をみずから申告によつて訂正させるため九十日間の期間が置いてありますけれども、事実はその期間に見に行く人はほとんどありません。見に行く人があることが正しいのか、ないことが正しいのか、そこをせんさくしてもしようがないのでありますが、実際問題として見に行かない。また実際上四千万人の人間がおのおの所属する市町村役場へ全部が見に行つたとすると、その期間ではとても見ることができない。どつちにしても不可能であるならば、やはり住民登録というような問題を善用して、住民登録から拾い上げた選挙権はどこへ行つても認めるのだというような行き方の方がよいのではないかと思います。またいろいろな脱漏があります。集團脱漏でもその他の脱漏でも、住民登録にある者ならば全部入れるのだということになるならば脱漏もなくなる。それから申請期間ですが、みずからの脱漏を認めて、申請するという期間がある。これも一切廃止してしまうか、一年を通じての期間を有効にする。いよいよ選挙期日迫つて來ると、人民も興味を覚えて、おれのはあるかしらということに気がついて來るのであります。また隣近所入場券配付されても自分のところに配付がない、初め驚いて大騒ぎをするのが今までの例であります。そのときになつて何とかならぬかということになつて、われわれのところに陳情に來たりいろいろなことをするのは門前市をなす盛況でありますが、かような点も数年届出が有効であるということになれば、一切そういう病根は除かれることになるわけであります。あれこれ問題がありましても、一切住民登録と一緒にして、すべて自由にやつてしまうということがいいような気がするのですが、この点はいかがでしようか。
  12. 佐竹晴記

    佐竹委員 先ほどのこの住居がかわつたような場合における六箇月の要件の問題でありますが、不在投票によつてその不備を補うということがごときはまつたく姑息の方法であります。不在投票方法によりましても、たとえば北海道の者でありまして東京に移転しましたときは、北海道まで帰つてやらなければならない。そんなことはとてもできるものじやない。そこでたとえば戸籍について身分の変動がありますときは。ただちに前戸籍を担当しておりました役場から新しい管轄の役場に送籍することになる。同様にこういうような権利についてもやはりその身分についてまわるものでありますから、新しく住居いたしております土地の名簿登録をなすべき義務のある箇所に名簿を送付するといつたような制度をとるか、さもなくば前に選挙権のあることを立証せしめて、証明書を付して申告をした場合においては、これを新しい選挙管理委員会において登録しなければならぬといつたような方法を講ずることがきわめて妥当でないかと私は存じます。
  13. 生田和平

    生田委員長 ほかに御意見はございませんか。
  14. 千賀康治

    千賀委員 これは同じような問題ですが、たとえば総選挙があるとして、入場券配付をなるべく早くして、一箇月前くらいに配付する。それから臨時名簿最終締切り期間配付を受けた日から三日なり一週間なりしてから締切りにするということになると、大騒ぎしたのが一わたり解除されることになるのですが、そういう手続は逆手ではあろうけれども、いかがでしようか。今委員長のお話を聞くと役場においでになつたようですが、そんな取扱いができましようか。
  15. 生田和平

    生田委員長 非常に期間が迫つておりますから……。御意見はひとつ尊重して、小委員会のときに研究してみます。  ほかに御意見がなければ小委員会に付託することに御異議はありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  16. 生田和平

    生田委員長 御異議なしと認めます。  次は第七、選挙管理機関の問題であります。
  17. 三浦義男

    三浦参事 選挙管理機関の問題は、管理機関自体の問題と、管理費用の問題、と同時に選挙に対する國会の監督と申しますか、そういう問題と大まかにわけまして、取上げておいたのであります。選挙管理機関につきましては一にいろいろあげてございますように、全國選挙管理委員会、それから参議院の全國選出議員選挙管理委員会都道府県選挙管理委員会市町村選挙管理委員会、区があれば区の選挙管理委員会組合がある場合には組合選挙管理委員会等にわかれるわけであります。それで選挙管理委員会の本來の職務選挙に関する事務を扱うということであります。これらの規定が全國選挙管理委員会につきましては、全國選挙管理委員会法という単独の法律でありますし、参議院議員の全國選出議員選挙管理委員会につきましては参議院議員選挙法の中に含まれております。都道府県選挙管理委員会以下市町村、区、組合等につきましては、地方自治法管理委員会組織規定が載つておるのであります。そしてそれぞれの選挙管理委員会の中に選挙人名簿調整なり、あるいは選挙に関するいろいろな義務を負わせているわけであります。これらの管理機関に関しましては、第一にあげてございますように、もしこれができ得るならが包括的にこれらの管理委員会に関する規定統一いたしまして、いわゆ選挙管理機関法というような単行法を請求することはどうか、こういうのが一つの問題であります。現在全国選挙管理委員会総理府外局なつておりますので、これはほかの委員会と多少違う趣があると思いますが、將來立法といたしましてはそれらも一応再検討いたしまして、上から下まで統一のある機関を設定し、そこに選挙に関する十分な権限義務負担させまして、選挙の執行が公正かつ迅速に的確に行われるようにすることは一つ考えではなかろうかという意味から、こういう問題を一つ研究事項として書いておいたわけであります。かりに単行法といたしませんでも、そういうものをまとめまして、あるいは今度の統一的な選挙法の中に織込んでもよいかと考えております。  第二の問題は各種の選挙当該選挙に関する事務管理する委員会との関係は、現行通りでよいか。三十四ページに書いてございますが、御承知通り衆議院議員選挙につきましては、その管理者都道府県選挙管理委員会参議院議員選挙につきましては全國選出地方選出にわかれまして、全國選出議員選挙管理委員会と、都道府県選挙管理委員会がこれに当る。こういうことになつております。地方公共團体議員及び長の選挙につきましては、都道府県の場合におきましては、都道府県選挙管理委員会市町村の場合は市町村選挙管理委員会、大筋はそういうわけになつておりますが、これらの関係現行通りでよいかどうか、こういう問題であります。  第三の問題は先ほど申しましたが、全國選挙管理委員会総理府外局とする規定現行通りでよいかどうか。  次は参議院の全國選出議員選挙管理委員会を存置させる必要があるか。なおその事務は全國選挙管理委員会に取扱わせることは不適当かどうかということであります。参議院國選出議員選挙におきましては、特別に参議院において選出いたしますところの参議院國選出議員選挙管理委員会というものを組織いたしておるのであります。前は参議院議員なつておりましたが、先般の改正によりまして議員以外の人がなることになつております。こういうものを全國のものだけに特別に置く必要があるかどうかという点でありまして、あるいは全國選挙管理委員会に取扱わせてもいいじやないか。あるいはそれ以外別途の機関に取扱わせることもいいじやないか。こういうような問題が考えられるわけであります。  次は選挙管理委員会にそれぞれ専属の事務局を設置させる必要はないか。これは事務局の設置されておるのもありますが、將來組織機構の問題と関連いたしまして、一つ研究事項であろうと思つております。  それから選挙管理委員会に置かれる職員任免については、委員会独立権限を不与する必要はないか。大体委員会において任命はいたしますが、その前に、全國選挙管理委員会については別でありますが、ほかのいろいろの手続をふむようになつております。これは選挙独立性というような観点から、委員会の独自の権限で、そこだけで任免権を持つことはどうかという問題であります。  次は包括的に選挙管理委員会の運営上、その組織職務権限等について改善を要する点はないかという問題であります。  次には選挙管理費用の問題であります。相当選挙に多くの費用を要するのでありまして、この場合に國庫負担地方公共團体等負担限界ということが、いろいろ問題になると思うのでありますが、まず第一には選挙管理に要する國の費用独立予算として計上し、國会の議決を経るようにすることはどうかというのであります。これはいろいろ予算関係等もありまして、むずかしい問題があるかと思いますが、教育委員会等につきましては特に独立予算制というものを採用しておるのであります。これがそのままこちらに取入られるかどうか疑問だと思いますが、一つの問題として提起しておいたわけであります。  次は國の負担する選挙管理委員会地方公共團体負担する選挙管理費用限界をどう定めたらよいか。なおこれを明確に法定する必要はないかという問題であります。これは地方財政法の九條、十一條、十七條等に大体その限界を書いてございますが、その場合におきましても主として國の選挙に要する費用とか、主として地方公共團体選挙に要する費用というようにわけてあるのでありますが、必ずしも明確でないのであります。なおまたそれぞれ衆議院選挙法参議院選挙法等において、國の負担する費用の限度をいろいろ規定しておるのでありまして、そこにあげておいた通りでありますが、こういう問題をどういうふうに考えるかという問題であります。  次は國の負担する選挙管理費用配分について法律一定の規準を設ける必要があるかどうか。もしあるとすればどういう基準を設けたらよいかという問題であります。これは現在選挙費用として國が負担する部分の配分につきましては、全國選挙管理委員会がその責任当局として取扱つておるのでありますが、これらについて多少の意見もないわけでもありませんので、この際こういう問題について法律上の基準を設けたらどうか。あるいはそれがはたして可能であるかどうか。またそういう基準をどうしたらよいかという一應の問題と提示したのであります。次は國の負担する選挙管理費用配分について、國会において監督する必要があるかどうか。もしあるとすればそういう方法によるかという問題であります。これはある方面の意見等もありまして、一応ここに掲げておいたわけであります。次は、補欠選挙の施行に要する費用は相当額に達するように認められるが、國または地方公共團体の財政の見地から制度改正を加える必要はないかどうかという問題でありまして、この点に関しましては百三十八ページに選挙公営と國庫負担の状況等という題目のもとに、最近の表をそこに掲げておきましたので、いずれその際に触れたらいかがかと思つておりますが、ここでも一応関連がありますので、特にあげておいたわけであります。  次の問題は選挙に関する國会の監督の問題であります。この点に関しましてもある方面からの意見等もありましたので、これをそこにそのまま掲げておいたのでありますが、一切の選挙及び選挙の結果に対し、國会の監督の途を開くべきかどうかという問題でありまして、まず第一には選挙運動の進捗状況、第二は選挙期日における投票結果の審査、第三は買収、選挙費用の法定制限額の超過支出、官庁の干渉、有権者の苦情、選挙管理委員会選挙事務の執行状況、選挙管理費用の支出振り等の調査というような問題が一応考えられるかと思います。  次の問題といたしましては、参議院議員選挙の施行に関しては衆議院その監督に当り、衆議院議員選挙にあたつえは参議院がその監督に当るような方法はどうかというような問題であります。
  18. 生田和平

    生田委員長 この問題はここにも書いてありますように、現在は総理庁の外局として、全國選挙管理委員会があるのですが、しかし今全國選挙管理委員会がやつておる仕事を、國会みずからが管理したらどうかという、有力なる方面からの意見が実はあるそうであります。これは一つ根本問題になると思いますが、その点を論議するとめんどうな問題になつて來ますので、一応御参考までにお耳に入れておきたいと思います。
  19. 逢澤寛

    ○逢澤委員 この際私は三浦さんにお尋ねしたい。選挙費用に対して國の負担すべきものと、地方公共團体負担すべきものの範囲が書いてはあるのでしようが、私どもははつきりしない。この間の本年初頭の選挙の際には國庫の交付金が下がらぬというような話が非常に多いのです。ところが下がらぬとうのは、実際は地方の自治團体が負担すべきものを負担せずにおるのかということを、私どもははつきり知らぬのです。いずれあなた方の方でも問題になつておると思いますからお話を願いたい。
  20. 三浦義男

    三浦参事 実際の状況につきましては、選挙管理委員会当局から説明を願う方がよろしいかと思いますが、法律上の見解についてだけ申し上げます。  ここにも條文を三十五ページのところにあげておきましたように、地方財政法の九條、十一條、十七條等に一応根拠規定があるのでありまして、それをかいつまんで申しますと、第九條には主として地方公共團体の利害に関係ある事務を行うために要する経費は当該地方公共團体が全額これを負担する。そういうことになつておりまして、前項の経費は左に掲げるようなものとする。と数項目掲げてありますが、その第一に地方公共團体議会及び議会議員選挙に要する経費こうこうことが一つあります。もう一つは第十一條にありますが、十一條は主として國の利害に関係のある事務を行うために要する経費については、地方公共團体はその経費を負担する義務を負わないと書いてありまして、前項の経費は、左に掲げるようなものとすると書いてあり、その第一に國会議員選挙及び國民投票に要する経費、こういうことになつております。なおこれに関連いたしまして、十七條等負担基準の問題があるわけでありますが、これが地方財政法における一般的な選挙に関する費用負担の限度を規定したのであります。ところが先ほど申しましたように、三十五ページから三十七ページに通してあげてあります現在の選挙法におきまして國の負担する選挙管理費用といたしましては、第一は衆議院議員選挙法及び参議院議員選挙法規定する國庫負担、第二は選挙運動等の臨時特例に関する法律規定する國庫負担、第三は選挙運動の文書図画等の特例に関する法律規定する國庫負担、第四は政治資金規正法に規定する國庫負担、第五は地方自治法規定する國庫負担、こういうふうにわけられると思うのであります。第五の地方自治法規定する國庫負担のそこに「イ」と書いてありますが、これは國庫負担というよりも地方負担する場合のことを念のためにあげてあるのでありまして、「ロ」が地方自治法における根拠規定考えてよいかと思います。
  21. 吉岡惠一

    吉岡説明員 法律的の関係は今お話の通りでありますが、おそらく御質問の要旨は本年一月の総選挙においての費用の件だと思います。これは結局選挙費用を國で負担すると申しましても、選挙費用の解釈、どの範囲が選挙費用であるのか、関係の部局によつて違うのであります。従つてこの春の選挙費用については地方ではまだ足りない、國庫補助が足りない。中央では足りるといつておる。こういうような関係でいろいろ問題になるのであります。現在の状況を申し上げますと、地方の現状は大体二億足らず、一億七、八千万円、これくらい足らないとう数字になつております。大蔵省の方へ私どもの方はそれぞれ要求を出しまして、現在折衝中であります。そうして大体の考え方としてはやはり選挙費用と申しましてもいろいろの使い方によつて違うと思います。ことに啓蒙宣伝の費用によつては見方によつていろいろ違う。場合によつてな二、三枚ビラを配る、あるところは十枚配つたということによつてつて來る。どこまでが正当の選挙費用であるかということの基準を設けまして、それで足らなければまた出そうという話に今のところ大体なつておるのであります。
  22. 逢澤寛

    ○逢澤委員 そうすると大体現在選挙管理委員会でやつておるその標準というものがおそらくあると思いますが、その標準を逸脱するもの払わないというのですか。その標準が明確を欠いておる。明確を欠いておるから従つて地方々々によつてビラ三枚出すところ、二十枚出すところもあるということで、費用が二億ばかり足らぬことになつたというのですか。その点をもうちよつとはつきりしていただきたい。
  23. 吉岡惠一

    吉岡説明員 今のお話は現在きまつておる基準というものはありません。それで新しくつくりまして、それによつてきめようと考えております。この春の選挙におきましても、選挙を施行する前に補助費がきまつておれば問題はなかつた。きめ方が遅かつたものですからはなはだ申訳ないのですが、どれだけ來るかわからないのに使つてしまいました。それを出してくれぬのは不都合だ、こういうふうな話になつたかと思います。今のお話はこれからきめてそれによつてやろうというのであります。
  24. 逢澤寛

    ○逢澤委員 選挙管理委員会というものの不始末なことを國会議員の名において叱つておきたいと思います。およそ地方に委託するのに対して標準を示さずにやるというような無責任なことはないと思いますから、それは速やかに一定の標準をきめ、ビラはどれだけ出す、廣告はこういうふうにやるべきものと示してやつて、金が足りるとか足らぬということはけしからぬと思う。従つて地方が要求しておるものに対しては、大体そういう線に沿つて支払つてやるべきだと思います。このことを私は勧告しておきたいと思います。従いまして今後におきましては、そういうあいまいなことに陥らぬように、厳格に委員会はやつていただきたいということをつけ加えております。
  25. 小玉治行

    小玉委員 その費用の点ですが、それはあと始末はどういうふうになつておるのですか。まだ済まないとおつしやるのか。それはいかなる処置を経てあと始末をつけるつもりであるか。
  26. 吉岡惠一

    吉岡説明員 今折衝中でありまして、大蔵当局の方も全然出さないということは言つておりません。その出す金額については先ほど申しましたように基準を相談して、適当な基準で必要なら許可する、こういう話であります。
  27. 小玉治行

    小玉委員 しかしそれは各県の選挙委員会がすでに支出した費用は明確になつておると思うのですが、その支出した費用がいいか悪いかということを判定して交付額をきめる、こういうふうなお考えですか。
  28. 吉岡惠一

    吉岡説明員 結局地方から出て來ました費用をこちらで仔細に検討いたしまして、その基準によつて必要なだけは出す、こういう考えであります。
  29. 前田種男

    前田(種)委員 私はこの選挙管理委員会統一して、一本の法律のもとに権威あるものにすることに対しては賛成します。それを政府の機関におくか、國会が直接監督するかという点について、これはいろいろ議論があろうと思います。さらにいろいろな條項については、これまた各方面ともそれぞれ議論があると思いますが、せつかく終戦以来こうしたスタートを切つて選挙管理委員会が発足していますので、各選挙管理委員会等の実例を見て、もつと強化しりつぱなものにしなければならぬという点では、おそらく異論はないと思います。私はそういう線に沿つてどういうふうにこれをまとめて行くかということについては、さらに議論をしてもいいと思いますが、私はそうした意味においてこの第七の問題を取上げて行くことに賛成します。
  30. 生田和平

    生田委員長 私はかりに初めの方の「三十一ページ」の資格というところに「欠格條項に該当しない者で國会における同一党派の各所属議員数の比率に寄る政治的実勢に基き各党派から推薦したもの」、こういうのがあるのです。それから御承知のようにこの委員議会における実勢力から割当てて、各政党から出しておるように承つておるのです。といたしますと、すでにこの委員会ができて二年ばかりになるので、現在の議会の実勢力はよほど変化を來しておるのです。ところがこの委員の方々が自主的に自分がやめる、あるいは改正をするとか、やり直すとかいうことになるとよろしいのですけれども、どうも委員をやめさせるような方法がないようであります。この資格についてはそのときどきに選挙のあるごとに改正をすべきものであるか、あるいは任期は三年でありますから、任期中は改正をする必要がないかというような問題も相当議論があろうと思いますが、このへんについては何か御意見がありますれば、参考として承つておきたいのです。  それからこの管理委員会というのは選挙法の中では関連した問題ではありますが、先刻申し上げましたように全國選挙管理委員会は、総理庁の外局である、そのほか府県のものは府県でやつておるのですが、これをどんなことにしたらいいものですか。この根本方針によほど考えなければならぬことがあると思うのです。議会みずから監督するか、やはり従來通り総理庁にまかしておくか、ここに議論があると思います。これを根本からかえて行くことになると、この委員会の任務は非常に重くて廣範囲にわたつておるのでありますから、それがこまかくやるだけの仕事ができるかいなやということになつ一つ疑念を持つのです。もしこれを根本的にやつてみるというのであれば、別の選挙法改正に関する委員会の中でさらに特別委員でもこしらえて、その方に研究していただくとかいう方法も実は考えられるのです。しかしやはり小委員会でこれを取りまとめてやるという御意見であれば、これまた勉強してやらなければならぬと考えております。この二点について何か御意見がありますれば承つておきたいと思います。
  31. 逢澤寛

    ○逢澤委員 私は最後の一切の選挙及び選挙の結果に対し國会の監督の途を開くかどうかということなのですが、これは現状の選挙管理委員会をやめて、國会の方で監督をやる。またそういうような意味ではないと思いますが、國会が中心になつてそうしたことを管理する。もしそういうような意味であるとすれば、私は弊害が起るのではないか。かつても政党が選挙に直接の関係を持つようなことになると、弊害が起つたことがあるのです。かりに私どもはそういうような逆戻りをせずに選挙委員会をもう少し充実して、選挙委員会が監督するというような方法がとれれば、それがいいのではないか。そのようなことについて少し研究を続けてみたらどうか。
  32. 生田和平

    生田委員長 ここには各所属議員数の比率による政治的実勢に基き各党派から推薦した者となつておるのです。現在國会内から委員を推薦して、それを総理大臣が任命して成立しておるわけです。現在の法律の上にもすでに國会が監督の任に当つておるようなものなんです。委員國会でこしらえておるのであります。ところがそれが実勢力によつておるのですから、党派の数によつて、頭割で委員をこしらえておるわけです。ところが選挙のたびごとに実勢力がかわつて來るのです。任期は三年になつておるからかわらない。ここにも大きな矛盾がある。國会が監督しているということは現在でもその通りなんです。しかし将来総理庁の外局に置いてあるものを引離して國会内に置くというようなことが有力なる筋の考えなんです。はたしてそれがいいかどうか、私は今どつちにも考えていないのですが、参考のために皆さんに申し上げておきます。
  33. 逢澤寛

    ○逢澤委員 私もそう思うのです。委員は各党から出しておる。そうして管理をやつておる。しかし委員会が一応できましたら國会としての監督機関というものは別の形になると思う。実際問題とすれば委員が各党から出ておつても、それが必ずしも監督するということにならぬ。今は委員長のお話のように総理庁の方から離して別の監督機関のものを議会の中へ置くということの方が充実した監督ができるのじやないかということを申し上げたいのです。
  34. 佐竹晴記

    佐竹(晴)委員 監督問題は衆議院をして監督せしめることはけつこうだと思います。しかし選挙管理という事務そのものは私どもは性質上行政事務だと思う。立法機関がそういつたような行政事務を直接に扱うということになると、三権分立の性質は混淆して來ると私は思う。なぜそういう議論が出るか、出るについては何か理由があるだろうと思う。もしそういう議論をなすものがあるとすれば、あるいは管理委員会においてそういう議論が出ておるなり、あるいはこの法制部においてそういう意見が出ておるとすれば、私はその根拠をこの際お示しを願いたい。また便不便のためにたとえば予算の問題が先ほど問題になつておりましたが、なかなか政府が払わない。今度は國会の直属の機関ということになつ國会予算の中でこれを組むことになれば、そういう問題が避けられる、そういつたような便宜のためにそういう議論が出るのか、あるいは根本的にそういつたような行政事務も何も三権分立の関係に影響するものではない、國会が直接に監督すべきものである。國会議員選挙するのだからその事務國会が直接行うべき性質のものであるという根本的法理論からそうおつしやるのか、今言つたような便宜の点からそうおつしやるのか、あるいはまたそれ以上に何らか理由があるのか、そういつた根本問題をこの際もしそういう議論があるとすれば、その議論の発生しれおります箇所から承つておきたいと思います。
  35. 生田和平

    生田委員長 これは私の一つの議論としてお聞き願いたいのですが、各派から推薦する手続はどんな精神でできておるのか、これは一昨年あたりできたものと思うので、淺沼君なんかはお詳しいと思うのですが、どういう事情で各派から推薦したのですか。
  36. 佐竹晴記

    佐竹(晴)委員 各派から推薦し、監督せしめる。そういつたことは、たとえば公安委員なら公安委員は警察事務を扱つております。警察事務それ自体は行政事務です。しかし公安委員を選任することについて議会の承認を経ることを要する、かくのごとくいたしまして國会の承認を要する、あるいは國会の推薦を要する、そういうような國会をしれ監督に当らしめることはけつこうです。しかしこういうような警察事務國会が直接にこれをなすべきであるということは立法、司法、行政の三権を混淆せしめるものです。従いましてこの選挙管理に関する事務そのものを國会へ直属せしめることについては相当根本的に考えなければならぬ問題ではないかと思うのです。監督に関するこういう條項については私はこれはあつてけつこうだと思う。
  37. 生田和平

    生田委員長 ところが議会が推薦しておるのですから、任期中に政変があつて議会が解散されて総選挙があるという場合に、その実勢に変更が來るのです。そのことも議会はもとより考えて行かなければならぬ問題だと思う。なぜならば実勢力に現われておるのですから、ただ議会が推薦するとか公安委員を承認するとかいう問題と違う。各党派の実勢によつて割り当ててあるのですから公安委員の選出とは性質が違つておる。なおこの推薦につきましては、私がある有力な方面とだけしかそれ以上のことはただいまは申し上げられませんが、あるいは申し上げる機会ができるかもしれません。
  38. 逢澤寛

    ○逢澤委員 これは國会がやるというのではなく、國会が監督をするということです。國会自体が選挙事務をやるということを議論しておるのではない。監督をやつておることが、うまくやつておるか、不足があるかないかということを今論議しておるのではない。監督機関をどこにおつたらいいかということを今言つておるのです。
  39. 三浦義男

    三浦参事 ただいまの問題は多少私の説明が足りなかつたかもしれませんが、問題になつております國会の監督の問題は法律上はかように考えております。先ほど佐竹さんからおつしやいました通りに私も考えておるのでありまして、選挙事務は行政事務であるし、現在全國選挙管理委員会も内閣総理大臣の所轄に属して独立的な権限をもつてやるということが構成になつておるわけであります。従つて選挙管理委員会の一切の事務國会が引受けて國会のもとでやるというような考えでここへ書いたのではないのでありまして、國会の國政調査の面というのが御承知通り、にある、ここにあげてありますような條項は國政調査の面においても十分なし得ることでありますが、特に選挙という問題に関しましては、非常に公正厳正に行われなければならぬし、國会は國権の最高機関として、立法機関だけでなく、最高機関としての権能にかんがみまして、こういう問題についていろいろの状況等を審査したり調査する、ここにあげてあります事項も審査調査というようなことに書いてあるわけでありまして、いわゆる廣い意味の國政調査の面において國会が監督する面をどう考えたらいいかという問題でありまして、所轄の問題が内閣に行くかあるいは立法府の中に取入れるべきものかということはおのずから別個の問題であると考えております。  なおまた全國選挙管理委員会の問題につきましては、先ほど委員長からお話のありましたように各所属國会議員数の比率による政治的実勢に基き各党派から推薦した者、こういうことになつておりますが、これを淺沼さんが委員長時代に内務省が解体いたしまして選挙事務をどこにもつて行くかという問題が起りました場合に、別個の独立委員会制度をおいてやつたらよかろうということで、しかも選挙事務は政党を離れては考えられないことでもあるから、各党派の実勢に基いて議員以外の人を委員に推薦してそれによつて運営して行こうというような事柄によつてできたわけであります。しかしながらこれは任期が参りませんと、この実勢の比率がからりましてもすぐ改正するということには、今の法律上の解釈ではいかないかと考えております。
  40. 小玉治行

    小玉委員 私は全國選挙管理委員会の任期が三年、都道府県選挙管理委員会の任期が三年、市町村選挙管理委員会の任期が三年、こういうふうに同じ任期にしてあることは不合理ではないかと思う。地方議会議員は解散がないわけです。衆議院はたびたび解散がありまして、任期の三年が解散前に到來することは少いような実情じやないかと思いますから、全國選挙管理委員会を存置するとすれば、その任期は一年くらいに短縮して、議会が解散して新たに議会ができたたびに新たに管理委員を選任し得るという道を開いておくのがよいのではないかと思う。選挙のたびに選挙管理委員がかわるということも、いろいろ事務上さしつかえがあるのではないかと思いますから、他の地方議会と違つて衆議院は特に解散があるということを頭に入れてこの任期を一年くらいに短縮することが実情に沿うものではないか、かように考えております。
  41. 前田種男

    前田(種)委員 私は先ほどちよつと申し上げましたが、選挙管理委員会の根本をどこにおくかということによつてきまつて來ると思います。現行法から見て行けば、委員の選出もこういうかつこうになつておりますが、私はもうここらで再考すべき時期じやないかと考えます。私は必ずしも党派にこだわりなくりつぱな人物を推薦するように改正した方がよいと思います。しかしそれは國会の承認を得て委員を任命することになりますと、そのとき議会勢力に幾分左右されますが、少くともやはり適当な人物を推薦して、そうして一本にかりにまとまつた、りつぱな選挙管理事務を統括するという意味において人選する、そういたしますなら、やはり任期は三年なら三年おくということで、相当腰をすえて、そうした人々がりつぱな実績を残してもらうという意味からも任期はやはり三年ぐらいが妥当だと考えます。要は根本的な方針を今の程度でおくか、あるいは統合強化し、しかも相当行政面を担当しなければならない点はありながらも、政府に左右されることなくりつぱな公正な立場によつて事務ができるようにして行くようにしなければならぬと私は考えます。
  42. 千賀康治

    千賀委員 いろいろ問題はありますけれども、私はこの問題は、もしも委員の任期を変更するならば二年がいいと思つております。日本の衆議院の大体の平均年齢が二年二箇月くらいと思つておりますが、二年二箇月ということも妙ですから、かえるならば二年とすれば選挙管理委員の任期と衆議院との大体の任期が始めと終りはずれておりましても、二年できめておけば大体内閣がからればそのうちにまた管理委員会も顔ぶれをかえるということになつて、ここに無理がないのじやないかと思うのであります。しかしながらアメリカ行き方をもつてして、衆議院は解散しない、四年の任期は必ず続くのだという指導原理で行くならば三年でもいいので、委員を三年にしたためにわれわれが四年もまた確保ができるのだということになれば私はこつこうな方なのですが、そこはいかようとも、四年を基準で行くなら三年でいい、また平均年齢を基準で行くなら二年でいい、かように思つております。しかし今まで特に取立てるべき不都合があれば、この選挙管理委員党派的にその党派を勝たせようというような不都合が指摘できるならば、今この際かわつてもらつたつてけつこうなんですが、私は幸か不幸か現在の管理委員にはさような不都合の点があるとは聞いておりません。そういうことがあれば何もこだわることはない、ちようど民主教育連盟ですか、解散したのと同じことをやつてけつこうだと思うので、ここに私見を申し上げておきます。
  43. 淺沼稻次郎

    ○淺沼委員 國会の監督の道を開くというのはどういう意味かもう一ぺん聞かせていただきたいと思うのですが、國政調査でできるということが言われましたが、國政調査の権限でやればたいていのことはできるのでございます。従つて監督を國政調査の形式をもつてしないでやるとすれば、第二項にも関連して來て、結局特別委員会でも設けて、選挙の結果については意味にあるような状況についてそれぞれの議院において審査をし監督をするということは現われて來るのがこの意味ですか。
  44. 三浦義男

    三浦参事 國会の監督の問題につきましてはただいま淺沼さんのおつしやいましたような点を私も同様に考えておるのでありまして、國政調査の面でもちろんできますけれども、ただ國政調査という漠たることではつきりいたしませんので、特にこういう條項國会が審査あるいは調査するという必要があると仮定いたしまするならば、そういう点を特に明確に選挙法の中に規定をしておいたらどうか、こういうような意味で取上げたのでありまして、それは法律上申しますならば國政調査という廣い面の中に入る事柄であろう、かように考えておるわけであります。  なおまたこういう問題をここに一応取上げましたのは、現在の全國選挙管理委員会なりその他の選挙管理委員会に特に不都合があるとか、どういう問題が具体的にあるということの前提のもとではありませんので、制度的な問題といたしまして、根本的に現在選挙法を再検討いたすといたしますれば、制度上こういう問題を考えたらどうか、こういう意味でございます。
  45. 淺沼稻次郎

    ○淺沼委員 制度上の関係から行けば、やはり國政調査の面で強化するという意味の、制度上の問題ですか、それともさらには全國選挙管理委員会を議院のもとに置いて、そうしてやつて行くという考え方でしようか、どつちでしよう。
  46. 三浦義男

    三浦参事 その点に関しましては、私は先ほど佐竹さんからもお話がありましたように、選挙事務は行政事務であろうと考えますので、やはり選挙に関しましていろいろ不都合なことがかりにあるといたしますれば、それを國会に対して責任を負う責任者がなければならぬと思うのでありまして、それはやはり内閣の責任であろうと考えておるわけであります。従いましてここに掲げてあります事項は、そういう面とは別個に監督するその監督の方法といたしましては、特にここに具体的には書いてはございませんが、いろいろお考えはあるかと思いますが、先ほどおつしやいましたような國会内に特別委員会制度を置いて、そういう特別委員会においてまずいろいろ事情を調査して、それを最後に本会にかけて審査するというようなことも一つ方法であろうかと考えております。
  47. 淺沼稻次郎

    ○淺沼委員 それも一つ考え方だと思うのですが、自分みずからの構成を決定して行くのでありますから、自然選挙管理委員会のことを國会において扱うということは、自分みずからの地位を自分みずからつくつて行くことが現われて來るのであるから、それで政府の監督のもとに選挙が行われる、あるいは行政府の監督のもとに選挙を行うというのでなく、選挙自体が、立法府をつくる基礎単位として選挙を行うという観点から行けば、その事務自体が純然たる行政事務であるかどうかということについては、はやり一応の議論が残つて來るのではないでしようか。その点委員長の言われるような示唆になつて現われて來るということになれば、私ども大いに検討しなければならぬ問題だと思う。しかし選挙が純然たる人民の代表を出して政治を行う構成をつくる場合において、行政府がその仕事をやる。そういうことがはたして妥当であるかどうかということについて、みずからのものをつくつて行くその基礎的な代表をつくる上において、行政府から独立した行為を行うという議論も私は当然出て來てしかるべきじやないかと思うのですが、もそそういうふうな考えから委員長一つの示唆があるということを言われておれば、この問題は慎重に考えなければならぬ問題だと思うのです。選挙事務を単なる行政事務として考えて行けば、名簿をつくるとか何をつくるということは一つの行政事務に違いないけれども、その行政事務は自分みずからの地位をつくるための行政事務だということになれば、最高主権者である國会がやるということになれば、國会自体を形成する行政事務をやることが衆議院府の行政機構としてやるか、あるいは國会自体のものとしてやつて行くのかということについては、議論の余地があるのではないでしようか。
  48. 三浦義男

    三浦参事 ただいまの点に関しましては、これを掘り下げて参りますと、いろいろの御意見があるかとも思いますが、私は実はそこまでは考えていなかつたのでありまして、たしかに淺沼さんの御意見はごもつともだと思いますが、しかしそうにいたしましても私はやはり選挙事務はどこまでも行政事務である。しかしながら行政事務であるからといつて、それがそのときの内閣によつて左右されるかどうかということは、これはまつたく別個の問題でありまして、現在の全國選挙管理委員会法をごらんになればおわかりになります通り、そこに内閣総理大臣は特別に監督をするとか、指揮をするとかという言葉は一つも使つておりませんので、いわゆる所轄に属する、ちようどこの前の行政設置法がしかれましたときに、いろいろ議論もありましたが、日本学術会議というものが置かれまして、これが最初は総理府の付属機関というような形が濃厚に現われておりました。行政という廣い部面からは内閣に所属いたしますけれども、内閣の指揮監督というものを受けて、学術関係事務をやるのではない、こういうことになつておるわけでありまして、これと同じような観点に選挙事務は立つているのであろうと思つております。しかしながらたしかに選挙自体は國会なりあるいは地方議会なりの構成員を選出する重要なる事柄でありますので、その場合に國会がなおそれに入り込んで行つて、しかもそれがどの程度まで現在憲法上の権限にかんがみてやり得るかということはちよつとにわかにここでは断定いたしかねるのでありますが、私の感じといたしましては、國政調査の面におけるような意味に置いての監督をするのであつて、行政事務としての総括的な國会に対する責任者はあくまで内閣であろうとかように考えております。
  49. 淺沼稻次郎

    ○淺沼委員 いや、私にはあなたが言うような結論は出ないわけですが、そういう考え方があるということを申し上げるので、ことにそこにあげてある点を考えてみますれば、選挙運動の進行の状況、このことは結果でなくて選挙運動それ自体の進捗の傾向を見るのだと思うそうなればこのことはやはり選挙管理委員会出やつているような形で現われて來ているので、あと現われた買収とか、選挙費用法定制限額の超過といつたようなあとの結果に対する批判といつたようなことでなくて、現実に行われる姿がここの出て來ているのです。  もう一つは、三項から行けば一体議員に買収行為があつたか、選挙費用が法定額超過の支出をやつているか、官庁の干渉があつたかどうかということについて、これを特別の委員会その他をもつてやることは、今いろいろ議員の國政調査権について議論が出ていると同じようなことをもう一ぺん議論するような形が出て來ると思いますが、そういう点についてこういうふうなことはやつてできないことはなかろうと思いますが、しかしやつた結果、今國政調査権に対する議論の出ていることと、このこととは一体どういうような関連を持つか、三浦君の考え方の中には、今國政調査権については最高機関であるから何でもやつていいのだというような考えであるのか、何でもやるけれどもやはり三権分立の形の上においてある程度のものはお互いに牽制しあう形の上でやつて行くのかそういう点がもしここで買収行為があつたかないか、またあつたからということで摘発を受けてここでやるということになれば、自然そのこと自体は法廷でやることをここでやるという形が現われて來ようと思いますが、選挙費用の法定額の超過支出の関係においても同様のことであろうと思います。摘発があれば摘発があつたことのよつて衆議院においてやるのか、そういう点はやはりこの考え方で行けばやることになるのですか。
  50. 三浦義男

    三浦参事 第一の点につきましては選挙運動の進捗状況でありますから、選挙運動が進行中に限られることのなりますが、この場合におきましては衆議院自体について問題にいたしますれば、衆議院は会賛意なるなり何なりになつている、補欠の場合は別問題といたしまして、構成しておられませんから、従いまして衆議院自体が進捗状況かその現状において調査するということは不可能であろうと思います。従いまして二に書いてございますように、参議院がやるかどうかという問題は一応考えられると思います。それから三の買収その他の問題に関しましては、これは参議院行つておりますところの裁判等の國政調査権の問題に関連いたしまして、最高裁判所等においてもいろいろの意見が出ておることは御承知通りであろうと思うのでありまするが、私は個々の具体的なケースにつきまして、それが法律上違反であるとか違反でないとかいうような裁判権に類するような事柄を一々調査するというような意味ではなくて、ここのあげておりますのは、全般的な問題といたしまして、そういう問題がどういう事情で起つて、どういうことになつておるのか、その欠陷はどこにあるのかというような事柄等を調査することが、この國会の監督の問題としてとり上げられておる趣旨であろうと、かように考えております。
  51. 佐竹晴記

    佐竹(晴)委員 選挙管理機関を内閣の外局としてそのままに置くか、あるいは國会直属の機関として改正をするかということについて意見ないし示唆があるといたしますならば、これは愼重に考慮されんことを希望いたしたいと考えます。  それから委員長のおつしやつておられました政治的実勢に基き各党派から推薦した者とありますけれども、これは先ほど前田君もあつしやつておられました通り、この際これは取つた方がいいと思うのです。実際において私どもの経験するところのよつても、各政党から推薦はしておるけれども、推薦をされる人はあまり政党政派に深い色彩のない人、特にこれは地方管理委員会委員などにいたしますならば、どの政党にも属しない人、そしてきわめて公正に事務をとることのできる人、こういつたような人を目標として実際において選んでおりまして、なるほど推薦するのにはその各党派の実勢によつてつておるかはわかりませんけれども、実際その適任者として選ばれまする人は、あまり党派の色彩の濃厚でない…たとえば有効投票無効投票を決定するにいたしましても、どの党派の候補だからひいきしてこれは一つ通そう、これはひとつ落そう、などどいつたような感じのない、まつたく公平無私に判断のできるような立場にある人を出すことがきわめて必要であると私どもは思います。従いまして党派の勢力のよけいにある方面からよけいに委員が出て、そして多数決で非常に有利な決定をするなどといつたような考え方が法規の上に現われておるということは、これはたいへんいけないことであるから、むしろこれは削つてしまう方がよろしいと私は考えます。
  52. 三浦義男

    三浦参事 ちよつと誤解があると申訳ありませんから申し上げておきますが、ただいま佐竹委員からお話がございました全國選挙管理委員会総理府外局とする現行規定はそのままでよいかどうかという問題は、一応さつきの統一法と関連いたしまして、私どもの方でこういう問題を一応研究事項として掲げたわけでありまして、この点は特別に何らかの示唆等によつてあげられた事柄ではございません。國会の監督の点に関しましても、これもどの程度の意味か、私もはつきり存じませんが、しかし一つ研究事項としてこういう問題を考えたらどうかというような意味におけるある方面からの意見であろうと考えます。
  53. 生田和平

    生田委員長 ちよつとこの際申し上げておきますが、この研究事項三浦君が責任を持つて起草したものであります。またただいまの機関についての感じはこれは私別個の意見でありまして、三浦君との関係はありません。そういうつもりでこの起草をしたものでないということを御承知願いたいと思います。
  54. 小玉治行

    小玉委員 國会の監督問題ですが、これは淺沼さんから今申されたようですが、選挙そのものを國会でつくつた機関が監督するという行き方はどうかと思うのでありまして、選挙そのものはどこまでも別の機関である選挙管理委員会において全責任をもつてやらせる。その選挙の結果について國政調査の範囲内において國会がこれを監督することは法律上差支えないと思うのですが、選挙自体、たとえば一項の選挙運動の進捗状況、こういうような選挙自体を監督することはどうかと思うのであります。それから國会の監督という点ですが、これはおそらくは今衆議院にあります考査特別委員会というような超党派的な特別委員会を設けて監督するという行き方に、もし設けるとすれば、なるんじやないかと思うのですが、その点は普通の特別委員会形でやるのか、あるいは例の超党派的というあの考査特別委員会のような性格のものでこれを監督するか、制度上、こしらえるとすればどういう考えを持つておられるこということをちよつと三浦さんにお聞きしたいのであります。
  55. 三浦義男

    三浦参事 國会の監督の問題につきましては、いろいろの方法考えられるかとも思いまするが、現在の状況におきましては考査委員会がこういう問題を取上げる権能は私はないと考えております。しかし國会がみずから意志決定をなさいまして、そういう問題も考査委員会の所管事項だという決議が成り立ち得るといたしますれば、そこで行われることになるだろうかと存じます。しかしそういう考査委員会というような性質とは別にやはり超党派的な別個の特別委員会を置いて、こういう問題を取扱わせるということもまた一つ方法ではなかろうか、かように考えます。  選挙運動の進捗状況は、たしかに選挙運動の新校長でありますので、これにいろいろ國会が働きかけるということは、選挙に対する公正を害するような嫌いがあるかもしれませんけれども、しかしながらそれは二にも書いてございますように、衆議院選挙の場合には衆議院が構成されておらないのですから、別個に参議院が國権の最高機関としての地位において、いわゆる調査的な監督にあたるということは差支えないことじやないか、かように考えております。
  56. 生田和平

    生田委員長 この問題は総理庁において総理庁が監督するということも実は私はどうかという疑問を持つておるのです。國会が自主的に監督するということが本筋じやないかとは思つておりますが、どうも法制上において多少疑義がありますし、私自身としてはどつちも考えついておらぬので、皆さんの御意見を承るわけなのですが、この問題は相当重要性を持つておると思いますから、かりに小委員会に御付託になつても、愼重に考慮して決定いたしたいと思います。
  57. 小玉治行

    小玉委員 今三浦さんからの御答弁ですが、私も現在の考査特別委員会がかような仕事をなし得る機能があるとは考えておりません。ただ特別委員会とつくるならば、すべからく超党派的の委員会をつくられたい、かように考えておる次第であります。
  58. 生田和平

    生田委員長 この問題はこの程度で小委員会に付託することに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  59. 生田和平

    生田委員長 御異議ないと認めます。  それではこれで休憩いたします。午後は一時半から開会いたしたいと思います。     午後零時三十五分休憩      ————◇—————     午後一時十九分開議
  60. 生田和平

    生田委員長 休憩前に引続き会議を開きます。  第八、選挙の施行を議題といたします。
  61. 三浦義男

    三浦参事 選挙の施行の問題に関しましては、各種の選挙につきまして、それぞれその選挙方法等について改正を加えるべき点があるかどうかという問題が一つ、それから選挙期日に関する問題が一つ、それから選挙期日の公示または告示に関する問題、こういうように大きくわけられるかと思つております。  まず選挙の種類に関しましては衆議院議員選挙の場合、参議院議員選挙の場合、地方公共團体議会議員及び長の選挙の場合等の関しましてここにあげておいたのでありますが、この選挙の個々の問題につきまして、選挙法規において取上げておりますところの各種の選挙について問題となり得る点を説明いたしたいと思つております。  まず第一に再選挙の問題でありますが、これも各選挙に共通の事柄でありまするけれども、現行通りでいいかどうかという問題であります。  それから次には再選挙現行制度はこれを廃止することとするか、あるいは存続することとするか、再選挙制度を維持するとすればその再選挙を行うべき場合をさらに拡充するか、それとも一定数を達した場合に限つて行うようにさらに制限するかどうかという問題であります。それから再選挙の問題と関連いたしまして問題となりますのは、繰上補充との関係でありまして、再選挙にかわるものとして繰上補充の制度を拡充強化することはどうか。次に繰上補充を行い得る機関と再選挙とを関連させておるが、再選挙を行い得る機関はこれとは別個に定めることとするかどうかという問題であります。実は再選挙を行うべき自由に関しましては四十ページの終りから四十一ページ、二ページに書いてありますような事由に該当いたしました場合において再選挙が行われるのでありまして、衆議院の場合とそれから参議院地方選出議員の場合においては大体同様の事由の場合に再選挙が行われるのであります。しかしながら参議院の全國選出議員の場合においては(ハ)のところに書いてありますように、その事由が違つておりまして、「在任期間を同じくする選挙について繰上補充を行つても尚当選人の不足数が当選決定後の議員の欠員数と合せて通常選挙における議員定数(全國)の1/4を越えるに至つたとき。」こういうことになつております。それから地方公共團体の場合においてはその四分の一というのが六分の一ということになつております。これらは三主要選挙法規の統一と申しますか、共通法的な意味において観察します場合において、それらの点に関してやはり特殊の取扱いをするがいいか、同じ事由にするがいいかどうかということが問題として考究せられるべきであると思つております。実は再選挙の場合は繰上補充によりましても当選人を定めることができない場合で、しかも先ほど申しましたような一定の事由に該当する場合であります。すなわち衆議院選挙について申しますれば当選人が全然ないとか、あるいは当選人がその選挙における議員定数に達しないときというようなきわめてまれな場合に再選挙が行われるのでありまして、こういう制度が現在の選挙の実情にかんがみてその必要があるかどうか、またかりにそういう必要がありといたしますれば、先ほど御説明申上げたように繰上補充の問題としてその点を考究したらどうかというような問題が取上げられるかと思います。  次に補欠選挙の問題でありますが、補欠選挙についても四十三ページから四十四ページに補欠選挙が行われる場合をごく主要選挙について比較してそこにあげておいたのであります。御承知通り衆議院選挙の場合においては、同一選挙区における議員の欠員数が二人に達した場合は原則として行われるのでありまして、一人の場合においても例外として行われる場合があり得るのであります。それから参議院の場合、地方公共團体選挙の場合等においてもそれぞれの事由に該当した場合に行われるのでありまして、参議院のばあいにおいては衆議院の場合と違いまして、議員の欠員数が二人とかいうようなことでなくして、当該選挙区の議員定数の四分の一というようなことを原則といたしております。それから地方公共團体の場合においては議員定数の六分の一を越える人数が欠員となつたような場合でありまして、これはその点においても多少の違いがあるわけであります。これらの点に関して方法として考えた場合にどういうふうに考えるかとう問題が取上げられるかと思いますが、それ以外にさらにここにも書いてありますように、補欠選挙制度について一般的に改正を加えるべきではないか、あるいは補欠選挙を行うべきではないか、あるいは補欠選挙を行うべき場合の欠員数は現行通りでいいかどうか、欠員数を制限する方法あるいは欠員数を制限しないで、一人でも欠員があれば津念に自由に補欠選挙を行う方法ととるかどうか、こういう問題が考えられるかと思います。また補欠選挙の問題と関連いたしまして、先ほど再選挙の問題の際にお話申し上げた通り、繰上補充との問題があるわけであります。補欠選挙を行うべき場合をなるべく避けることとして、繰上補充の機会を多くすることの可否ということでありますが、一応方法的に考究されてよいのではないかと思います。これはあとで選挙費用國庫負担の点等において、その費用等をごらんにらればわかりますように、過般行われました参議院の補欠選挙においては、兵庫県ですが千四百六十二万円の國庫負担というような状況になつております。百三十九ページに書いてあります。こういうような費用の点からも一応検討できるかと思います。また選挙は常に新しき輿論を代表した人々を選挙して送り出すというような建前をとりますならば、費用という問題とは別個の見地から補欠選挙という問題を考究しなけらばならぬかとも思われるのであります。一応そういう点が問題であろうかと思われます。  それから次には繰上補充を行う期間を延長するかどうかという問題でありまして、これはあとで繰上補充の点についてさらに御説明申し上げますけれども、補欠選挙は繰上補充を行つてもなおそれができない場合に行われることになるわけでありますので、それと密接な関係があるわけであります。しかし繰上補充を行いますのは現在の衆議院議員選挙法によりますと、原則として当選の辞退期間を経過した後十日間ということになつておりまして、それから後繰上補充が行われる場合は同点の得票者がおりまして、くじによつて一人の方が当選し、もう一人の同点者であつた者が落選したというような特殊の場合だけに十日以後において繰上補充を認めるというような規定なつておりますので、それらの点と関連して補欠選挙の問題をどう取扱うかという問題が相当重要な問題であろうと思います。なおまた参議院議員の全國区における補欠選挙については実質上現行通りでよいかどうか、これは地方選出参議院議員とは別問題でありまして、全國選出参議院議員の補欠選挙が起こりますのは、先ほども申し上げたように四十四ページのところに書いてありますように、その欠員数が当選人の不足数と合せまして、通常選挙における議員定数、全國の場合は四分の一を越える場合で、百人といたしますとその四分の一ということになるわけであります。これもきわめてまれな場合になるだろうと思いますが、こういう問題ともあわせ考えまして、またかりに参議院の全國区の補欠選挙がたびたび行われるというような事態になつた場合におきまして、はたしてそういうのが選挙区の問題と関連いたしまして適当かどうかという問題が一応の考究の問題であろうと考えるのであります。  次に合併選挙でありますが、これは特殊の場合において衆議院選挙参議院選挙法においては認めておるのでありまして、同時選挙が行われる場合にその選挙を一緒に一つ選挙といたしまして行う制度でありまして、これは現行通りでいいかどうかという問題であります。たとえば衆議院議員の場合に例をとりますと、衆議院選挙法の七十五條、七十九條の規定にありますように、再選挙、そういうものが同時に行なられる場合にはこれを別々の選挙としませんで合併して一つ選挙として、しかもその投票方法は単記の投票に世つて法定数に満つるだけの当選人を決定するというのが衆議院選挙法の三十八條の例であります。こういう点についてどう考えるかという問題があり得ると思います。それから合併選挙の問題につきましては、参議院の場合地方公共團体議員の場合等につきまして、ここにその起り得る場合をあげておいたわけでありますが、特に地方公共團体議会議員選挙の場合におきましては同時選挙ということがあり得るのであります。同時選挙は必ずしも合併選挙というような方式にはならないのでありまして、特別の場合だけ合併選挙ということになるわけであります。同時選挙はただ選挙を同時に行うということだけで、投票については単記でありましてもそれはそれぞれの選挙について投票する。結局二票投票するという点が違うわけであります。それからあるいは地方公共團体議員の総選挙ということがあるわけであります。これは四十七ページに書いてありますように、これもきわめてまれな場合であろうと思います。しかしながら地方の村会等におきまして、村会議員等が連袂辞職というような場合を考えましたときには、こういう事態も起り得るかと思うのでありまして、さような意味におきまして地方自治体における特殊な想定かと思うのでありまして、さような意味におきまして地方自治体における特殊な想定かと思うのであります。それからその総選挙の問題に関連いたしまして、総選挙制度現行通りでよいかどうか、これはもちろん地方公共團体議会議員意味であります。  次は特殊の選挙といたしまして、地方公共團体の長の決選投票のための選挙ということがあるわけでありまして、これは都道府県知事の選挙におきまして、法定得票数これは有効投票総数の八分の三以上ということになつております。この得票数を得た者がだれもなかつた場合におきましては、それから一定期間を置きまして、決選投票と申しますか、そういう意味における再選挙を行う規定があるわけでありまして、この決選投票の場合の再選挙制度は、現行通りでよいかどうかという意味があるのであります。  それから次は同時選挙の場合であるわけでありますが、これは先ほど申しました、合併選挙意味における同時選挙でない、ほんとうの同時選挙の場合であるわけであります。この事例をそこに七、同時選挙という項に書いておいたわけであります。この同時選挙制度現行通りでよいかどうか、また技術的な面もあります。この同時選挙選挙費用を節約するとか、また選挙をできるだけ簡単に早く済ましていただくことを考え地方自治法においては、特に同時選挙ということをいろいろ規定してあるわけかと想像されるのであります。大体以上が選挙の趣旨に関連いたしました各種の選挙に関して一応考究を要すると考えられる事項についてであります。次は選挙期日の問題であります。選挙期日に関する現行規定にはそれぞれ次のような差異があるがこえでよいかどうかということで、任期満了による場合と任期満了によらない場合とにわけまして、選挙がいつ行われるかということをここにあげておいたのであります。これらの点に関しましては衆議院参議院選挙を特に問題にいたしました場合におきまして、そこにそれぞれ違つた規定が必要であるかどうか、同一の原則に立つて選挙期日をきめるというような主義方針はとれないものであるかどうかというような点が問題として取上げられるかと思うのであります。そのいみにおきまして、各選挙の場合の選挙期日相違をそこに羅列しておいたわけであります。次は選挙期日の公示または告示の問題でありますが、この問題もここに衆議院議員選挙の場合、参議院議員選挙の場合、地方公共團体議会議員及び長の選挙の場合にわかちまして、五十三ページに書いてございますように、選挙期日の公示または告示が違うのでございます。こういう点に関しましては同一法、共通法として考えました場合に、特にこういう差異を認める理由があるかどうかという点につきまして、いろいろ考究を要する点がありはしないかという意味において、そこに特に列記したわけであります。  それから選挙期日の問題と関連いたしまして、次に書いてございますように、國会の召集と議員の任期満了による選挙との関係でありますが、これは現在御承知通り國会法の二條に、國会の常会は会期中に議員の任期が満了しないように召集すべき棟の規定があるわけでございます。この規定現行通りでいいかどうか。前記の規定と関連して参議院議員の任期満了による改選は、議員の半数が欠ける結果を生じないように行うべきであるとの意見があるが、この問題をどう取扱うかということであります。これは両院法規委員会におきまして、ただいまの國会法第二條の問題と関連して、参議院議員選挙を任期満了による改選は議員の半数が欠けないように任期中に選挙を行うように國会の召集をとりはかるべきであるというような意見がありましたので、特にここに掲げておいたわけであります。任期満了による選挙選挙期日との関係でありますが、これは全体を通じましてどういう建前をとるかという問題でありますが、任期満了による総選挙とか通常選挙あるいは地方公共團体議会議員及び長の一般的な選挙の場合でありますが、任期満了前に行うこととする建前をとるか、あるいは任期満了後に行うこととする建前をとるのがいいかどうかというのであります。これは先ほど申し上げましたように衆議院議員選挙につきましては、その選挙は任期満了の翌日に行うことになつており、参議院議員選挙につきましては任期満了前三十日以内にこれを行う、こういうように衆議院参議院についても相違があるわけであります。  選挙期日の公示または告示と選挙運動の問題でありますが、これは選挙運動のところでさらに触れる問題でありますけれども、一応ここにあげておいたわけでありますが、選挙運動の期間を十分にするために、選挙期日の公示または告示をなすべき制限期間を延長することの是非の問題でありまして、これは御承知通り衆議院議員選挙法の九十五條であつたと思いますが、選挙運動は立候補の届出がなされた後でなければ行うことができないことになつておりまして、立候補の届出は選挙期日の公示または告示ということと関連いたすわけでありまして、さような意味におきまして選挙運動の始まります初めの時期と申しますか、それと影響関連をもつ事柄であるわけであります。  大体以上の点がこの選挙の施行に関連する問題でありまして、衆議院議員選挙法におきましては、今の再選挙の問題とか補欠選挙の問題、合併選挙等の問題に関する規定は、これらの選挙法規の後の方に規定されてありますが、ここで選挙の施行という問題と関連して一括して取上げて説明したわけであります。
  62. 佐竹晴記

    佐竹(晴)委員 これは大切な部分を含んでおりますけれども、こういつたことを全部やつておつたのでは、とうてい予定されている選挙事項をこのあと三日間で審議し盡すことは困難であります。従いましてこの問題などはもう全部ひとつ小委員会へお移しになつてはどうかと思います。
  63. 逢澤寛

    ○逢澤委員 私も今佐竹さんのおしやつたことに同感でありますが、しかしせつかくの審議をやつているわけでありますから、気のついたことだけはごく簡単に申し述べて、なるべく時間を費さぬような方法でやつていただきたいと思います。  そこで私は繰上げとういことについてちよつと意見だけ申し上げておきたいと思います。繰上げ補充を行い得る期間は、原則として衆議院では十日間ということになつている。もとは一年間というようなこともあつた時代がある。この十日間にしたことは、どういうところから十日間に切り詰めたのであろうか。一体ごく少数の多数の差の場合もありますが、一票違つても落選は落選である。ところがその違つたごく少数の者に対しても、十日間を経過すれば繰上げ当選ができないというようなことはあまりにも時間が短か過ぎると思うのです。それを一箇年くらいにするというようなことは、どういう弊害があつてそおういうようなことになつたかをごく簡単にお話願いたいと思います。  それからもう一つ、例の当選無効と申しますか、数が不足する。いわゆる八分の三以下の場合に決選投票するという非常にむずかしい問題が起つて参りますが、一体八分の三ということは、私どもは民主主義選挙を行うのには、当時の構想としては考え及ばなんだところであろうと思うのです。非常な多数の候補者数が出るということになると、八分の三以上とることは当然困難なことになつて來ると思うのです。競争率が激しくなると八分の三は絶対にとれない結果になります。それを過去の経験、経過から考えてみると、八分の三をとるということは当然直さなければならぬことのように、これは私の卑見でありますが考えております。  それから選挙期日の公示のことでありますが、これはあとのところで出ると言われたからあとのところでもいいのでありますが、これの延長をするということはいかぬと私は思う。その理由は、もう選挙告示をやるということになると、もう選挙運動に入つたということになる。そうするとみなそれぞれが、いろいろな心構えなどを議員候補者がする。また第三者運動にしてもそういうようないろいろの気構えをする。そうなると非常な人間の活動力を消耗することになつて來る。今日の國民にの常識から言いましても、選挙に対しては常に國民が用意しておらなければならない。また選挙した者に対しては常にこてを監督する。それだけの心構えをわれわれは要望するのであります。そういうような意味合いから言いましても、その期日をあまり長くすることは、候補者自体もまた選挙民自体もとるともろではないと思うのであります。一応意見を申し上げます。
  64. 三浦義男

    三浦参事 繰上げ補充の問題につきましては九十一ページから九十三ページに方にさらにくわしく書いておきましたが、そこの九十三ページに例をあげておきましたように、昭和九年の衆議院選挙法改正のときに従来一年間でありましたのが、十日間というようにかわつて参つたわけでありまして、従来は衆議院期間が一年間となつておりましたのはお話の通りでございます。このときの立法理由はどういうところにあつたかにつきましては、私はただいま詳しいことを御説明申し上げる資料を持つておりませんが、ただ繰上げ補充の問題は、こういう点が要点になつておるかと思うのであります。と申しますのは繰上げ補充を行い得る期間は常に当選辞退期間、当選を承諾する期間、こういうような期間と関連を持つておりまして、現在の衆議院選挙法におきましては、選挙の当選がきまりまして、十日間は当選の辞退期間ということになつておりまして、何ら本人が自分はこの票数を得て、当選したことと決定されても、自分がやめるという意思表示をしない限りは、十日間でそれが確定しまして、これはほんとうの当選ということになるわけであります。それから参議院選挙の場合におきましては、それが逆になつておりまして、十日間が当選の承諾期間ということになつておりまして、十日間以内にさらに当選を承諾しなければほんとうの当選にならない。こういうように多少そこに差異があるのであります。これがこの前衆議院改正におきまして、その十日の承諾、不承諾期間であつたのを、辞退期間に改めたと申しますのは、選挙によつて当選して選ばれて來るのだから、さらに承諾とか承諾しないという意志表示が必要じやないのじやないか。こういうような意味からただ辞退する人があれば十日の余裕期間をおく。こういうわけで衆議院選挙でも十日間ということになつたのであります。この十日間ということになつておりまして、これが今申し上げたような当選の承諾、不承諾といようなことと関連いたしまして、再選挙の場合におきましては、まだ当選がはつきり確定いたさないのでありますから、その期間と関連して再選挙の場合を規定しておうるというのが現行法制度であろうと思うのであります。非常に複雑でありますけれども、一応そういうことになつておるわけであります。従つて、これを言葉をかえて申し上げれば、今の十日間という期間を一年間にすることによつて、その間は繰上げ補充を常に認めて行くかどうかという問題は、相当この補欠選挙、再選挙と関連して重要な影響を持つことになるわけでありまして、補欠選挙を行わないでも、十日間を一年間にいたしますれば、一年間は有効投票を得ておる人は常にその順序によりまして、欠員があれば補充して行く。こういうことになるわけであります。これはあとで繰上げ補充のところでなお触れようと思つておつた問題でありますが、補欠選挙をできるだけ少くして、有効投票を得た人から繰上げ補充の制度を主として考えればそういうことになるだろうと思うのであります。しかしながらその期間を一年間に延ばしますと、今申しました当選の辞退とか承諾とかいうような條件をどういうように考えたらいいか。そんなところは考えないで選挙において決定されれば、本人の意思以外にかかわらず、その人の当選は原則として確率されるのだということになるのならば、この十日間の辞退の期間は不必要になりますので、別個に繰上げ補充を行い得る期間として六箇月が適当であれば、六箇月、一年間が適当であれば、一年間という期間をおけばいいじやないか。かように考えておるのであります。  それからさつきの地方公共團体の長の場合の決選投票のための再選挙の場合でありますが、これは都道府県の知事と市町村長等についてのみ行われるというのでありますが、先ほど申し上げましたように有効投票数の八分の三以上の得票数を得た者がなかつた場合に行われるということは実際問題として、こういう事件で再選挙た行われましたかどうか、私はちよつと記憶いたしておりませんが、これは選挙管理委員会の方から御説明願うことにして、その数が全体の有権者の数に比べて適当であるかどうかということは、その地方都道府県有権者の数と相当関連を持つ問題だありまして、全体の府県をながめまして八分の三とい比率を出した場合に、各府県によつてその決定得票数の総数がいろいろ違つて來ると思いますが、それがはたして八分の三で割出したこれだけの投票数で適当かどうか、これはもつと繰下げるべきであるか、あるいは率を引上げるべきであるかという検討を必要といたしましよう。いまここで数字が適当かどうかという結論が出しかねると思います。
  65. 千賀康治

    千賀委員 ただいま三浦部長の御説明と同じ質問でありますが、事務屋が法制的に考えると今のような説明より出ないかと思いますが。われわれは非常に長い間選挙人として終始いたしておりまするが、その記憶からすれば一年の繰上げ当選期間ないしは六箇月の期間があるというような長いときには次点になつた人が、何とかして当選者を告発で落して自分がとつてかわろうというこういう人情の弱点、あるいは日本人の特有ファイン・プレイでない気持ちが動きまして、全國的に無効訴訟が非常に殺到して検察陣がとても手がまわらぬというようなことに過去においてはなりがちであつたので、こういう見方を政党人が議場の中からりくつは今の三浦さんが言つたようにつけたか知らぬが、これを胚胎をして、だんだんこの期間がちじめられて來た。これは先人の努力であるとかように私は解釈しております。補欠選挙をできるだけ少くするという立場からいえば、この期間は長い方がいいにきまつておるのですが、しかしこの期間を長くすればわれわれの先輩たちがなめた苦渋を再びなめなければならず。またそこに醜悪な横へそれた闘争をわれわれは実践しなければならない。かような意味もありまして、私はこの点は短い方の長所をとつて行くこともいいのじやないか、かように思つております。地方の長の選挙その他で八分の三という制限はこれはときと場合で八分の三—十人も候補者が立つたときには八分の三をとり得ることはすこぶる困難な例に属するのであります。かような場合いつも再選挙がに起つたときに、同じ再選挙が起るについても、AとBでAが投票が多くてBが少なかつた。かようなときにいつもAが当選するということであれば、何も文句はないのでありまするが、Aの方が投票数が多数で再選挙に入つて行つて選挙技術拙劣なためにBが当選してしまう例はたくさんあつて、私の方の地方の町村長の選挙でもそういう場合が実に多いのです。ことに少なかつた方の政党にあつた人々がもつと少くてそこの再選挙に入れなかつた政党の人々に呼びかけて、江戸のかたきは長崎でといいますか、こんな気持ちでBの方に応援をして行つて、遂に再選挙に入るまでに多数をとつた者が落ちてしまうという例が非常に多いのです。しかしそれも選挙民の意思によつてやつたといえばそれまでではありますけれども、これはすこし選挙人のテクニックで民主的に人心の帰趨を誤らしめるような気もするのです。私も八分の三というような例はどこからつけたのかしれませんけれども、とり得るならばとつてしまつた方がいいと考えております。
  66. 栗山長次郎

    ○栗山委員 この選挙の施行に関する事柄は共通法としてまとめる上に多少の困難のある点もありましようけれども、こういう項はなるべく共通的に扱い得るように、三浦さん初め事務当局の方でおまとめいただいて、先ほど佐竹さんがおつしやられたように、小委員会で練るというお運びが望ましいのでございますが、今ひとつこれがただいまの御発言御本旨でなかつたと思いますが、私どもはこの選挙法改正の審議をするに当りまして、議員立法でありますので、事務の方や法制局の方がお手伝いをくださる、職責上のお立場もあつて、端的に申せば私どもの協力者である、私どもは自分の意見を交換し、審議する立場はどこまでも進めるのでありますが、お取扱いになつた人をせめるというような気持ちを持たずに、どこまでも協力者として唇歯輔車の関係で、よりよきものをつくるという気持で進みたいことを蛇足であるが望んでおきたいと思います。以上申し上げておきます。
  67. 生田和平

    生田委員長 大体御議論も出そろつたもようであります。この程度で小委員会に付託することに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  68. 生田和平

    生田委員長 御異議なければさように決します。  次に第九投票方法
  69. 三浦義男

    三浦参事 投票方法の問題に関しましては、いろいろ研究をようする事項がたくさんあると考えられるのでありまして、一応そういう問題を網羅的にここに取上げておいたのであります。まず第一に投票方式の問題といたしまして、投票方法としては種々の方式があるが、選挙の本質に鑑み、かつわが國の実情に則したものとしてはどういう制度が最も適当であるか、これは最初のときに投票方法につきまして齋藤委員からもお話がありましたが、一応順序といたしましてここに多数代表法、あるいは少数代表法、あるいは比例代表法による種々の方式をあげて御参考に供しておいたわけであります。  次にはここで考えられる問題といたしましては、五十八ページに書いてございますが、これはマイナス投票方法というのでありまして、先般公聴会が開かれましたとき、ある人の意見といたしましてこういう意見が出されておつた、またこれは制度的にかつて考えられた制度でもあるようでありますが、実際にこういう問題を取上げる必要があるかどうか問題ではありましようが、一応ちよつと掲げておいたのであります。マイナス投票方法のほかに、選挙人が欲しない候補者に対するマイナス投票を許し、法定のマイナス得票数を得た者には一定期間立候補を禁止する、いわゆる消極投票法の制度は考究に値いするかどうかという問題であります。  次に選挙区と投票法の問題であります。これがいろいろ重要な影響を持つ問題であろうと思うのでありますが、まず第一には選挙区と投票方法とは非常に密接な関係があるのでありまして、今まで選挙区におきましてもめました点を要約いたしますと次のような組合わせの制度考えられますが、これは将來の制度といたしましてどういう制度が適当であるかという問題であります。  第一は多数代表法の場合でありまして、この場合に小選挙区、中選挙区、大選挙区と考えられるのでありますが、これと投票制度とを関連いたして考えました場合におきまして、小選挙区の単記制、中選挙区の完全連記制、大選挙区の完全連記制が多数代表法として一応考えられるのであります。それから少数代表法の制度といたしましては、中選挙区の単記制、それから中選挙区の制限連記制、大選挙区の単記制、それから大選挙区の制限連記制、大選挙区の比例代表制というようなものが、制度的には考えられるかと思うのでありまして、過去の衆議院選挙法あるいはその他の選挙法等におきまして、選挙区と投票方式との関連におきまして、その制度を採用しておつたかということを五十九ページの下段のところに掲げておきましたので、御参考にしていただきたいと思うのであります。  次は比例代表制を採用する場合の問題でありまするが、かりにこの問題を考究するといたしました場合におきまして、根本問題といたしまして、選挙投票は人を主として考えるべきか、あるいは党派を主として考えるべきであるかというような大前提のもとに比例代表制という問題を、まず再検討する必要があると思うのでありまして、その次には、かりに比例代表制をとるといたしました場合におきまして、どのような選挙にそれでは比例代表制を採用するかというような事柄が問題として考えられると思うのであります。それからさらに再選挙とか補欠選挙というような選挙が行われる場合におきまして、比例代表法によることとするかどうかという問題等があり得ると思うのであります。これは手続、その他の点におきましても相当複雑な手続を要しますので、この問題をどうするかということはいろいろ議論がある問題であろうかと思うのであります。  次は連記投票法を採用する場合の問題でありまして、この連記の中には、かりに一選挙区三人の中選挙区といたしますならば、三人を完全に連記する方法と、そのうちの二人を連記する方法とが考えられるわけでありまするが、そういう連記投票法を採用する場合に、その連記は同一の政党の候補者にのみ限るか、あるいは他党の候補者を連記することも認めるかどうかという問題、それから次には制限連記の方法を採用する場合に、一選挙区における議員定数と制限連記の数との割合をどの程度とするかという問題であります。これはこの前の選挙におきまして、この前と申しましても二、三回前でありまするが、大選挙都道府県選挙区を原則といたしまして、制限連記制を採用したのでありますが、その場合に一選挙区におけるところの議員定数とその制限連記の数というような問題を一応法律上きめたのでありますが、これは選挙区のところにおいてその数をあげておきました。三ページでありまするが、たとえば三人以下は一人、四人以上十人以下の場合は二人連記、十一人以上三人連記というように、きわめて限られた制限連記でありますが、こういうように定数と結びつけて考えます場合において、どの程度の制限連記が適当かというよな問題が連記投票考える場合に問題になり得るかと思うのであります。  次に投票方法に関する現行法主義というところ、現在の選挙法における投票に関しましてのいろいろの主義を一応ここにまとめて掲げておいたのでありまするが、こういう主義は学問上の主義であるかもしれませんが、理解の便宜のために特にこういうような分類といたして、御参考に供しましたわけであります。第一は投票の秘密主義、第二は本人投票主義、第三は現場投票主義、第四は一人一票主義、第五は投票の自書主義、第六は無記名投票主義、第七は投票用紙の公給主義、こういうような主義方針と申しまするか、制度衆議院選挙法参議院選挙法地方公共團体選挙法等の中にそれぞれの規定に織り込まれておるわけでありまして、こういう制度に関連いたしまして、改正を加えるべき点があるかどうかいう問題が全般の問題として考えられるわけであります。さらにその問題に関連いたしまして特に取上くべき問題として、その次に書いておいたのでありますが、それは投票の自書主義を記号方式投票方法であります。これは前に齋藤委員から記号式投票法について反対の御意見があつたのでありますが、一応順序として御説明申し上げますれば、投票自書主義に基きますところの自書能力の要件を改めて記号式投票方法を取入れることはどうか。現在最高裁判所裁判官の國民審査法におきましてこの記号式投票法を取入れたのでありますが、こういう方式がどうであるかという問題が一つであります。次に記号式投票法を採用するといたしました場合において、どういう記号を用いることが適当であるかどうか。次に記号式を採用する場合に、どういう投票制度がよいか。次に書いてございますように、小選挙区、中選挙区、大選挙区と関連いたしまして、単記、連記、比例代表と関連してさらに記号式をどういうふうに取扱うのかという問題が考えられ得ると思うのであります。なおこの投票自書主義、記号式投票法の問題に関しましては七十ページの投票の無効自由と記号式投票法との関係というところで最高裁判所裁判官國民審査法による記号式投票法の無効事由の範囲というものをそこに掲げておきましたから、御参考に供していただきたいと思つております。  それから投票の問題といたして現在選挙法で認めております制度は点字投票制度でありまして、これは秘密投票主義の例外と申したらいいかと思うのでありますが、この盲人に対しまするところの点字投票制度について改正を加える点があるかないかという点がひとつであります。次には代理投票の問題でありますが、代理投票の範囲は現行通りでよいか、そうして代理投票の範囲は一、二に書いてありますように。特殊の事由がある場合に限られておりますが、身体の故障に起因しない一般の自書能力のない者に対しましても代理投票制度を拡張適用することはどうかというような問題が考えられる得ると思うのであります。つまり体の故障がなくも、書く能力がなくも、投票所に行つて名前を話して書いてもらうといような制度と新しく考究せられる問題であるかどうかという点であります。代理投票制度はこの前の衆議院選挙法改正の場合におきまして特に規定が加えられたのでありますけれども、地方自治法選挙においては認められておつた制度であります。  それから不在投票の問題でありまするが、これは現行不在投票の範囲はこれでよいかどうか。不在投票の事由につきましてここに掲げておいたのでありまするが、この事由の範囲でいいかどうかという問題と、それから不在投票手続等に関しまして改正を加うべき点はないかどうか、不在投票の場合におきましては証明書の交付の請求とか、投票用紙及び投票用封筒の交付請求、あるいは郵送等の問題、いろいろ複雑な点があるのでありまして、この点に関しまして、衆議院選挙に関しましてはその施行令において詳しい規定を置いておるのでありますが、これらをごく簡便に取扱うことができないかどうかという問題であります。それから不在投票に関して特別投票証明書の交付または郵送に要する費用を國の負担とすることの可否という問題がありまして、普通こういうことも問題としては考えれえ得るかと思つて掲げておいたのであります。  それからきわめて実質的な問題といたしまして不在投票と船員との問題がありまして、これは先般の衆議院議員選挙法の改正の場合におきまして委員からもいろいろ御発言がありましたし、また海員組合等からもいろいろの意見の提示があつたのでありまして、ここに書いてございまする不在者投票と船員の項におきまして、船員に対して不在者投票制度を拡充し、次のような特例を認めることの可否というようなことで、一つの案をそこに書いておいたのでありまするが、これはその当時海員組合等のにおきまして考えられておりました案を参考にここに掲げておいた次第であります。  次に繰上げ投票の問題でありまして、繰上げ投票制度はあります現行通りでよいかどうか。その繰上げ制度を行います場合には六十六ページに一、二として書いております事由に該当する場合であります。それからさらに繰延べ投票という問題がありますが、この繰延べ投票制度現行通りでいいかどうか。この事由も六十六ページから六十七ページにかけて書いてございます。  次には無投票当選の問題でありますが、無投票当選の問題といたして考えられる点は、現在の憲法と関連いたしまして、無投票当選制度がいいかどうかというような点が、一応の研究事項になり得るかと思うのであります。そういう点をそこに衆議院選挙の場合と、参議院議員選挙の場合、地方公共團体の場合の選挙等に関連いたしましてあげておいたのであります。六十八ページの二のところに書いてございますように、無投票当選の制度と憲法第四十三條の規定との関係でございますが、無投票当選については選挙人の暗黙の承認によつて、國民がこれを公選したものと認とむべきかどうか。現在この制度は認められておりますから、憲法違反とかいう問題とはなり得ないかもしれませんが、選挙投票によつてやるという原則的な主義方針から申しまして、こういう制度將來制度として維持して行く事がいいかどうか。また一方から考えますと、だれも競争者がなくて議員定数を超えないため、投票を行わないで当然当選になつた人たちでありますので、それらはそれぞれの事由によつて適当でないかという御意見もあるかと思うのであります。  それから次には投票の拒否及び仮投票に関する現行規定改正を加える点はないかという問題でありまして、これは選挙法におきまして特別の場合に、仮投票制度を設け、投票管理者が決定いたしまして仮投票させて特別の取扱いをする。こういうことになつておりますので、その問題をここに取上げておいたわけであります。それから投票に関する制限規定は、現行通りでいいかどうかという点を六十八ページに五項目あげて書いてございますが、この場合は投票が禁止される場合でありまして。こういう規定選挙法の中に織り込んでありますので、そういう制度は従来通り選挙法改正の場合においても、取込んで維持して行つたらいいかどうかという問題であります。  次に投票用紙の様式について改正を加えるべき点はないかという問題であります。これは投票方法と関連を持つ問題でありまして、投票方法がかわつて参りまして、たとえば記号式投票が採用される場合においては、また様式もおのずからかわらざると得ないと思うのでありますが、そういう問題と関連して現在の投票用紙は現行のままでいいかどうか。それから地方公共團体の同時選挙の場合におきまして、投票用紙は一つの用紙に記載欄をわかちまして、二人別々に書くが、同時選挙でありましても、別々の投票用紙を用いた方がいいかどうかという問題が、地方選挙管理委員会等意見として出ておりましたので、ここに取上げたわけであります。  次には無効投票の問題でありますが、これは実際選挙の当選、落選に影響を持つ問題でありまして、無効投票に関連いたしまして書いてございます現行法規定は、きわめて一般的でありますが、実際これに対しますところの認定は、投票管理者において、それから選挙会等においていろいろ疑義が生ずる場合があるのでありますけれども、その点を明確にする必要はないかという意味において問題となり得る点を掲げておいた次第であります。その第一は現行投票の無効事由の範囲について改正を加える点がないかどうかという点でございまして、投票の有効、無効の決定に対しましては、疑義を生ずる場合がたくさんありまして、判例、先例等もきわめて多数に上つておるような現状でありますので、無効事由の範囲をさらに詳細に規定することにするかどうか。それから投票に記載いたしますところの文字の種類につきましては特別の規定がないが、これに対して特別の規定を置く必要があるかどうか、たとえば漢字、平かな、片かな、ローマ字、朝鮮字、ドイツ字、ロシヤ字等文字について特別の考慮の点が必要かどうかという問題であります。次の問題は他字記入の限界につきましては疑義が多いが、將來その範囲を狭めることとするかどうか。投票用紙に他事を記入すると無効ということになつておりまして、他事記入ということが法律上の明確な規定はないのでありますが、そういう点について疑義を少くする方法があるかどうか。次には同姓同名の候補者を識別する方法をどうするか、たとえば山田という人の姓だけで投票いたしまして、二人の立候補者があつた場合にはそれをどういうふうに取扱うか。次には投票に関する指名の記載について氏または名のみを記載した場合と、候補者の何人であるかを確認しがたい投票を無効だという規定なつておりますが、この関係はどうするかというような点でありまして、多少法律問題にわたる点であります。次には先ほど申しましたように投票の無効事由の範囲につきましての疑義を少くする意味においても記号式投票を採用することとするかどうか、これは比例代表法とも関連いたしますけれども、それとは別個の意味においての記号式投票を採用するの可否の問題、最高裁判所裁判官國民審査法により記号式投票法を採用した場合の無効事由の範囲をそこに考えられる掲げておいたわけであります。次には地方公共團体選挙以外の場合における投票の場合でありまして、一、二、三、四と掲げてございます。一般的の場合においてはやはり投票によつて行こなわれるのでありまして、こういう議会の解散投票議員解職投票等、その他の場合におきましても選挙の場合と同じ規定が準用されるのでありまして、ここに掲げておりませんが、今朝御説明申し上げた通り、なおこのほかに一つ地方公共團体にのみ適用される特別法についての賛否投票、特別市指定の場合の賛否投票、こういう場合がさらに投票問題としてはあり得るわけであります。
  70. 生田和平

    生田委員長 ちよつとこの際一言いたします。増田官房長官が御出席になつておるのでありますが、去る一日の本委員会におきまして小野老委員から御質問がありまして御出席の要求があつたのであります。本日午後小野委員は御出席になるはずになつておりますが、今もつてお見えになつておりません。私の承つておる範囲内において一応増田官房長官の御意見を承けたいと思います。  小野君からの主張によりますと、総理庁には選挙改正委員会とかあるいは調査委員会とかいうものをお設けになつておることが官制にもある。それははたして事実であるか。なおおこしらえになる場合はどういう内容を持ちまたどういう組織をお持ちになつておるのか、一応それを承りたいということでございます。なおつけ加えて申しますと、本委員会の任務と内閣におこしらえになる選挙調査委員会とかいうものとはどういうふうな関係を持つのか、もしその調査の結果が意見の扞格ができて相当距離のあるものができた場合にはどういう御処置をおとりになるかということ、右おさしつかえない範囲でお答え願いたい。
  71. 増田甲子七

    ○増田國務大臣 お尋ねの選挙志度調査会は総理府設置法に基いて置かれておるものでございまして、これと國会における委員会との関係いかんという御質問にお答えします。総理府に置かれております選挙制度調査会の存立するところの根拠は今申し上げた法律でございます。それから調査の内容、仕事の範囲、活動の分野というようなものは選挙制度を廣く研究、審議、調査をする、これだけでございまして、総理府の仕事を助けるという意味の調査会でございます。そこで國会に設けられた選挙制度に関する委員会の御活動と、総理府にある調査会との活動が相抵触するとか、そういうようなことがあり得るかというようなことのお尋ねのようでございますが、総理府に置かれておる調査会はいわゆる調査会でありまして、選挙制度のことは、御承知通りいつも國会でイニシァチーヴをとつて法案をつくつております。いわゆる議員提出の法律案として審議を願い、また通過議決されておる次第でございます。われわれといたしましては選挙制度調査会を設けまして、國会等における特別委員会の御審議等の御参考になるような資料があるならば、それはお言いつけによつて集める、こういうような意味でございます。それからお言いつけ等がなくとも、いわゆる事務関係当局として調査をしておかなくちやならぬという意味合いで調査をしておるわけでございまして、少しも活動分野が抵触するというようなことがない、むしろこの選挙制度に関する法案、議案の作成なり、御提出は國会が主体性を持つてつていただくのだ、われわれはその準備なり、補助なり、ご協力なりを申し上げる期間として調査会を設けておる、こういうふうに考えております。
  72. 生田和平

    生田委員長 なおちよつとお尋ねしたいのですが、総理大臣の諮問機関であるということも世上に申しておるのでありますが、その関係はどうですか。
  73. 増田甲子七

    ○増田國務大臣 総理大臣の諮問にこたえて答申する、こういう機関でございます。
  74. 前田種男

    前田(種)委員 今の官房長官の答弁で明らかなようでありますが、もう一度だめをおすような意味でお尋ねしておきたいと思いますが、政府自身としては次の議会選挙法改正案を出す意思はあるかないかという点をもう一度お聞きしておきたいと思います。
  75. 増田甲子七

    ○増田國務大臣 前田さんにお答え申し上げます。政府としては、選挙制度改正法案國会に提出するということは考えていないのであります。
  76. 福田繁芳

    ○福田(繁)委員 ただいまの官房長官の御答弁で十分わかつたのでありますが、なお今後この委員会を継続いたして行く上において参考にいたしたいと思いますので伺いたいのでありますが、この委員会は御承知のように前國会に院議に基きまして新しくできたのであります。官房長官としての御見解は、この委員会において來國会選挙法改正法律案を提出するだけの権能がこの委員会にあられると御解釈なされるか。あるいはまた全然そういう権能はないものである。言いかえれば、先ほど官房長官が言われた、内閣にもできている調査会ですか、そういつた範囲の権能しかないと御解釈なさいますか。どちらであられるかということを一応御見解をお伺いしますれば、今後の委員会において非常に参考になる、かように思いますから、お伺いいたしたいと思うのであります。
  77. 増田甲子七

    ○増田國務大臣 福田さんにお答え申し上げます。政府としては選挙法改正案を國会に提出する考えは持つていないということは、先ほど前田委員に対するお答の通りであります。それから法案の提出権でございますが、これは御承知通り政府にもあり、國会にもある。國会参議院にもあり、衆議院にもある。参議院衆議院の中における委員の方々はもとより、議員たる資格を持つた方にもおありなんであります。この委員会が提出権があることはもちろんだと私は心得ております。
  78. 生田和平

    生田委員長 別に御質疑ありませんか。それでは終りました。どうも御苦労様でした。ただいま議題になつております投票方法でありますが、この前段のはやはり選挙区制と関係のあるものがほとんどであります。選挙区制の問題は昨日その決定が留保になりまして、その余のことを小委員会へ付託することになつておるのでありますが、つきましては第四以上は区制に関係する問題でありますから、この際御意見の発表をとりやめまして、そうして第五投票方法に関する現行法主義とそれから以下であれば、多分選挙区制と抵触しないようにも思うのです。あるいはする場合もあるかもしれませんが、この第五以下について御意見を承りたいと思います。暫時休憩いたします。     午後三時八分休憩      ————◇—————     午後三時二十九分開議
  79. 生田和平

    生田委員長 休憩前に引続き開議を開きます。齋藤隆夫君。
  80. 齋藤隆夫

    ○齋藤(隆)委員 選挙区制と投票方法について一言申し上げます。小選挙区ということでありますが、これはもう賛成者はないのでありまして、私も絶対に反対であります。これは問題にならない。  次は現今の中選挙区でありますが、中選挙区と投票方法であります。三名以上五名以下の選挙区において単記投票をやるのが現行制度であります。もう一つは制限連記であります。制限連記も、無統制の制限連記と、政党式の制限連記、いわゆる三名のところには二名連記、四名、五名のところには三名連記……
  81. 生田和平

    生田委員長 齋藤さんに申し上げますが、第四までは第一の選挙区の問題と関連しておりまして、これは一応宿題にしておくことに御相談をまとめたおります。
  82. 齋藤隆夫

    ○齋藤(隆)委員 投票方法は……
  83. 生田和平

    生田委員長 投票方法選挙区に関連するのでありますかて第四までは除きまして、第五から区制にあまり関係しないことについて……
  84. 齋藤隆夫

    ○齋藤(隆)委員 投票方法はやはり選挙区と不可分の関係があるのです。
  85. 生田和平

    生田委員長 その分は御遠慮していただきたい。
  86. 齋藤隆夫

    ○齋藤(隆)委員 現行選挙区においては、投票方法は、単記投票、制限連記、制限連記も無統制の制限連記と政党式の制限連記とある。三名の定員のところに二名連記、四名、五名のところには三名連記、その連記も同政党の候補者でなければだめだ、同じ投票用紙に甲の党の候補者に乙の党の候補者を連記した場合には無効になるという、政党式を加味した方法もある。それをどうするかということをひとつお考えおきを願いたい。  それから大選挙区の投票方法ですが、昭和二十一年に施行された大選挙区、七名、八名、もしくは九名、十名の選挙区という場合において、やは三名の制限連記をやつておる。それも今言つたように、政党式の制限連記もある。現行選挙区の単記と制限連記と大選挙区の制限連記と、三つありますから、これがどれが一番いいか、お考えを願いたいと思います。
  87. 野村專太郎

    ○野村委員 小さい問題ですが、地方公共團体の同時選挙の場合、これも研究課題になつておるようですが、これは多少費用がかかりますが、投票用紙を二枚に用いることが、事実問題として非常に混同を避けていいと思いますから、これをひとつ御研究を願いたいと思います。
  88. 佐竹晴記

    佐竹(晴)委員 他事記入の点について、ぜひひとつ御考慮を願つておきたいと考えます。旧來一番問題になりますのは、名前を書いて、ぽつんぽつんを打つのです。これは全部判例によつて無効とされておる。これはそういう癖のある人があります。名前を書いてちよつと打つのです。ところがこれは判例の見るところでは、名前を書いて俺が入れたのだぞというしるしをつけたのだから、他事記入だと解釈しておる。もしそうだとすると、生田なら「いくた」とかなで書いて、他は本字で書くとか、あるいは平がなで書いておいて、しまいは片かなで書くとか、いかようにもできることでありまして、ぽつんと打つ代わりに、知らせようと思えば知らせる方法は、故意にやればいくらでもできるのです。ぽつんと打つなどというのは、故意のものではありません。ほとんど無意識にやつたものが多いのです。故意にやる者は、それはもつと用意周到にやつておるのです。用意周到に故意にやつた者は全部有効で通つておるし、これを不用意ににぽつんとやると、無効だなどというのは、ありつこないので、こういうものを無効にすることは非常識もはなはだしいと思います。その他他事記入と解釈されて、無効の中に入つているものでずいぶん非常識なものがありますから、これはこの際立案なさる際には、必ず整理されることを強く要望いたします。
  89. 前田種男

    前田(種)委員 私は今問題になつている箇所は、大体現行法を中心にして物事を考えるということにして、特に欠陥があれば、いい案があれば、それは当然取入れなければならぬと思います。ただ私の気のついた点を一、二申し上げますと、不在投票の点等については十分御検討願いたいと思います。特に船員関係等不在投票をどういうふうにするという点は、十分御審議を願いたいということだけを指摘しておきます。  それから代理投票方法、今佐竹委員から申されましたところの無効投票の点等については、相当細かく小委員会でもつと掘下げて、論議する必要があるのじやないかと考えます。
  90. 金丸三郎

    ○金丸説明員 先ほど佐竹委員からお話がございました、名前の下にちよつとうつかりして点を押したのは、無効の扱いになつているようであるという御意見でございましたが、現在ではそういう取扱いにいたしませんで、原則として有効として扱つております。  それから最近の有効、無効の判定の場合には、形式よりも、本人の意思に重きをおきまして、どの候補者に入れるという意思が推定されます限り、有効として扱つております。ただ形だけを見て無効ということは非常に少いのでありまして、もうできるだけ有効に扱うようにいたしております。そういう扱いにならつておりますので、誤解のないようにお願いいたします。
  91. 千賀康治

    千賀委員 今金丸説明員から御説明がありましたから、関連して一つ御伺いいたします。そうすると、こういう場合はどうですか、たとえば投票所に入る前に、手に書いておいてもらつて投票所に入つてから、つばをつけて紙に押した。紙を切り抜いて行つて、その切り抜いた所へ墨を塗つて、その紙をとればしるしが出ます。そういうものが今年の選挙でも現に私の知つている所では無効になつたのがたくさんある。もう一つは、小さい紙、新聞か何かにその人の名前を書いた部分でしよう、それを持つて来て、張りつけて逃げて行つたのがある。こういうのも全部無効になつておりますが、あなたの今の説明だと反することになりますが、これに対してどうお考えですか。
  92. 金丸三郎

    ○金丸説明員 それは現行法上候補者の氏名を自署することになつております。自署という点に反しますから、無効の扱いにいたしております。先ほどの御意見は、書いた字に間違つて点を押した。これは社会の一般の風習としてきわめて廣く行われていることでありますから、そういう点は他事記載にはならないと解釈で、有効に扱つております。
  93. 千賀康治

    千賀委員 私の今あげた例は、精神的いつて非常にまじめな者であつて、しかも某候補者に投票しようしようしよ熱意は非常に強烈でありますが、遺憾ながら文字を書くことができないから、さようなことをやつたのです。ところがこういう人が有効になり得ることはもちろん望ましいことであります。そういうために代理投票というものをもう少し幅を廣くして、それをみんな救済することがいいと思うので、そんな例を申し上げた次第であります。
  94. 佐竹晴記

    佐竹(晴)委員 これはせつかくの御意見でありましたが、実際にまだ無効として扱つておるのを私どもは現認しております。これは無効だという判例があつたのです。その判例がいつ飜えされたかという問題です。私はどうも最近判例がいつかわつたかちよつと記憶がありませんので、前の判例を私はよく知つております。いつかわつたかこれをひとつお示し願いたい。と同時にこれはその判例によつて解釈が今の御回答によりますと前にはそれを無効としておつた、そういう判例があつた。このごろはまた有効とする判例が出た。そういうぐあいに、どちらにでも解釈できるような判例がいけない。そういう誤解を受けないような、区切りのはつきりした條文をつくれというのが私の主張でありますから、その点十分ひとつのご注意を願いたいと思います。
  95. 野村專太郎

    ○野村委員 大体この程度で小委員会にひとつゆだねて、あと第十、第十一、第十二、投票所、開票所、選挙会のことは事務的に関することが多いようですから一応簡潔に御説明をいただいて、進行していただきたいと思います。
  96. 生田和平

    生田委員長 野村君の御意見に御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  97. 生田和平

    生田委員長 御異議なしと認めます。よつて十、十一、十二までは簡潔に御説明願います。
  98. 三浦義男

    三浦参事 第十につきましてはここに書いてございます点で終ると思いますから説明を省略いたしまするが、ただ一つの問題は第七十二ページに書いてございまする投票時間は午前七時から午後六時ということに法制上きめてございまするが、その投票時間の法廷主義現行通りでいいか、どうかという問題があります。  それから第十一のところの開票所等に関しまする問題に関しましては七十八ページのところをごらん願いますとよろしいと思いまするが、開票の際の投票の点検制の問題でありまして、多分これは投票の秘密保持という点から混同点検の制度を採用するか、あるいは個々別々に従来やつておるような制度によつてやるかどうかという問題であります。混同点検制を採用しておりまするのは地方公共団体の議会議員及び長の選挙の場合でありまして、自治法の第二十四條の第二項に規定しております。  十二の選挙会その他の点につきましては、これは各主要選挙関係法規と共通の事項等をここにわかりやすく一覧にいたしましたので、特別に申し上げることもないのでございます。
  99. 生田和平

    生田委員長 別に御意見もございませんから、十、十一、十二は全部小委員会の付託に決定いたします。  第十三、候補者の項を議題といたします。
  100. 三浦義男

    三浦参事 候補者の問題として第一に考えられますことは、立候補制度の問題でありまして、この立候補制度につきまして、どういう制度が適当であるかという点であります。これは八十四ページに例示してございまするように、一応考えられまする制度といたしましては、届出制度、指名制度、政党公認制度、直接予選制度等がおもなるものかと思うのでありまして、その中でも届出制度につきましては本人の届出主義に基くものと、推薦届出主義を認めておるものとがあるのでありまして、衆議院参議院選挙、それから地方自治法選挙等はその主義によつておるわけであります。なお地方自治法の場合におきまして、特に町村長の選挙に関しましては、連署推薦届出主義と申しますか、選挙人三十人以上の連署を必要とする。もちろん本人の承諾は必要でありまするが、こういうような立候補の場合の條件を規定しておるわけでありまするが、これらは立候補制度の問題と関連して一つ研究事項であろうかと思つております。  教育委員選挙につきましては、ただいま申しました町村長の選挙の三十人以上の連署が、六十人以上の連署ということになつておるわけであります。  なおこの問題と関連いたしましては、政党の公認制度の問題というのが一応考えられるかと思うのでありますが、これは政党法その他の特別法の制定と関連する問題でありまして、現行法の直接の改姓の問題といたしましてはあまり関係がないかもしれませんが、こういう制度一つ制度として重要な研究事項であろうかと思つております。  次に立候補の届出期間をどうするかという問題でありますが、これは各選挙につきましてそこに書いてございますように、本人届出の場合におきましては、「選挙期日公示又は告示の日から選挙期日前十日まで」というのが衆議院議員選挙の場でありまして、参議院議員選挙の場合はそれが選挙期日前二十日までということになつております。それから地方公共団体の場合の届出の場合は、選挙期日前七日までということになつております。その他推薦届出の場合、追加届出の場合等におきまして、多少主要選挙法規におきましてその期日が違つておりますが、これは共通法の面から考えてみました場合に整理していいのじやないか、かように考えております。  次は八十六ページにありまするが、議員の重複立候補禁止の制度現行通りでいいかという問題でありますが、これは特別の疑義のない問題ではないかと思つております。現行法通りでいいのじやないかと考えております。  それから次は昨日もいろいろ問題になりました公務員その他の者の立候補に関する制限の問題でありまして、これは昨日兼職禁止の問題と関連いたしましてお話申し上げましたので、あとでこれをごらん願うことにいたしまして説明を省略することにいたします。  次には立候補の辞退に関する規定現行通りであつていいか。次の二つ規定は他の選挙の場合にも及ぼすかどうかという問題でありまして、立候補辞退の手続選挙長への届出、それから衆議院議員の候補者がその兼職禁止の職にある國または地方公共団体の公務員となつたときは当然に辞退しなければならない。当然辞退した者というように規定があるのでありまして、これは衆議院におきまする特別の規定でありますが、こういう問題を他の選挙法にも及ぼすかどうかという問題があるわけであります。  それから覚書該当者として指定されたときには、昭和二十四年度の勅令一号によつて、これは当然立候補はできないことになるのですが、この点は昨日も佐竹委員から御意見がありまして、別個の法制によつて調整する、こういうことでけつこうかと考えます。  次は供託制度及び公営費分担制度の問題でありまして、供託制度の問題といたしましては、立候補のための供託制度は存続することといたしました場合に、その金額及び没収率はどの程度が適当であるか。それから次には原稿の供託制度にはそれぞれ次のような差呉があるのであります。これをどうするか、ここにあげてくださいますように、供託金につきまして非常に大きな開きがあるわけであります。衆議院選挙法は過般の改正によつて五千円から三万円に引上げられたわけでありまして、その他の選挙につきましては最近における改正がありませんので、前のままの金額になつておるわけでありますが、これらを比較いたしました場合において、それをどう取繕うかという問題が研究事項であろうかと思つております。  次に供託物の没収率の問題でありまして、これもそこに各選挙につきまして、法律規定にあります没収率の限度をあげております。それによりましてそれぞれの相違があるという点をお含みおき願いまして御研究を願えればけつこうだと思つております。  次は八十九ページの最後のところに書いてございますが、立候補辞退の場合の供託物の没収の場合でありますが、供託金は前記(a)、(b)の場合以外は立候補者を辞退してもこれを没収することとするかどうかというような事柄でありまして、特別な場合以外には常に没収制度を確認して現行通りに常に没収するという方針で行くかどうかという問題であります。  次に公営費の分担金の問題でありますが、九十ページに書いてございますが、これは過般の選挙運動等の臨時特例に関する法律によりまして新しく置かれた制度でありまして、現在は公営費分担金として二万円の金額を納めるということになつているのでありまして、これは供託金と違いまして、いかなる場合におきましても返還しないという建前に立つているわけでありますが、こういう制度を将来も存続する必要があるかどうか、また供託制度のほかに、こういう制度を設ける必要があるかどうか、こういうような点と、それからさらに、他の選挙の場合にも、この公営の問題と関連いたしまして、こういう制度を及ぼすかどうか、こういう問題が研究事項であろうと思つております。
  101. 北澤直吉

    ○北澤委員 候補者の問題はきわめて重要な問題でありますが、日本の民主政治というものは、まだ管制の域に達していないものでありまして、ただちに理想的な制度を日本に持つて来ることはどうかと思うのであります。議会政治というものを円滑に運営するためには、結局政党政治、政党が中心になつ議会政治というものを運営する以外に、民主政治をりつぱにやつて行く道はないと思うのであります。そういう意味では私は候補者につきましても、今ただちにというわけでありませんが、やはり政党公認制度とか、あるいは予選制度、こういうような制度によつて候補者をまとめて行く、ただ単に本人の届出だけで候補者になるということをやめまして、もう少し政党と候補者との関係を密接にする必要があるのではないか、こう思うのであります。こうしますれば、現在の日本のような候補者の濫立というものがある程度是正されまして、そうして選挙につきましても、ある程度のよい結果を得るのではないかと思うのでありますが、いずれにしましても、政党と候補者との関係をもつと密接にしまして、そうして国民の政党に対する認識というものを、もつと深くすることが必要であると思うのであります。
  102. 野村專太郎

    ○野村委員 公務員の立候補の制度ですが、一般公務員と別な立場において、地方公共団体の都道府県会の議員ですが、こういう場合の兼職を禁止することは当然だろうと思いますが、しかし立候補者を制限することに対しましては、少し苛酷に過ぎるのではないか。このことは前の項にも及んで現在は六分の一以上に達した場合はただちに補欠選挙をしなければならぬ。先般の衆議院議員選挙のあとを見ても、全國的にこれらを通して、かなり厖大な國費あるいは地方団体の財政の負担において、補欠選挙が行われたのでありまして、従つて立候補の制限だけは議員関係についてははずすべきだろうと私は考えているわけであります。
  103. 佐竹晴記

    佐竹(晴)委員 私は立候補について、濫立防止に関する何らか適当な方策を小委員会においても練つてもらいたいと思います。  その次に立候補届出と選挙期日は、衆議院においては十日、参議院においては二十日とありますが、いずれもこれは十日と統一すべきであると考えます。この十日というものは、法律上相当の根拠がありまして、これは私が申し上げるまでもありません。それに統一するがよろしいと考えます。  次に供託金の問題でありますが、経済界の変動等をもにらみ合せまして、もしデフレの傾向が深刻になつて参るといたしますれば、この三万円というものは、相当考えなくてはならぬと考えます。ことに経済学者なんかは、九月、十月ごろには物価は相当大幅に下落するのであろうといつております今日、それらの面とにらみ合せて、適当にこれは考慮する必要があると考えます。  次に公営分担金二万円は、私どもも前回賛成をしたのでありますけれども、もし公営の徹底を主張いたしますならば、これはまつたく意味をなさない、かえつて逆の意味をなすのでありまして、公営の徹底を期する意味合いにおきまして、これは削除いたしまして、公営がいいというならば、徹底的にこれは公費をもつてやるべきであり、齋藤長老の言うがごとく、お上から費用を出してもらつてやることはいけないというのだつたら、別の私営でやつたらいい。公営を認める限りにおきましては、この分担金二万円というものは矛盾すると考えます。
  104. 逢澤寛

    ○逢澤委員 今の候補者の濫立ということは、申し上げていいか悪いか知らないが、しかしとにかく皆さんがいろいろお話になつた濫立は若干考えなければいかぬ、防止しなければいかぬという、そういう見地からいうと、今制限が行われている供託金の没収というようなことは当然考えられることだと思う。もしそういうようなことがなければ、わんさわんさで、いわゆる濫立ができる。けれども濫立を防ぐという意味合いにおきましては、佐竹委員の主張にあつた二万円の供託金も、ある意味においては濫立防止の方法になると思う。それから立候補辞退の場合におきましても、いろいろ賣名のために立候補する、こういうような連中も少々あるのだが、そういうものに対しても、社会にあるいは選挙界に、あるいはいろいろな方面に悪影響を及ぼす、こういうので若干現行程度の制限規定は必要ではないか、こういうように考えております。
  105. 生田和平

    生田委員長 御意見がなければ小委員会に付託いたします。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  106. 生田和平

    生田委員長 本日はこの程度で散会いたします。明日午前十時から開会いたします。     午後三時五十八分散会