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1949-07-01 第5回国会 衆議院 選挙法改正に関する特別委員会 第7号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十四年七月一日(金曜日)     午前十時四十六分開議  出席委員    委員長 生田 和平君    理事 栗山長次郎君 理事 小玉 治行君    理事 鈴木 明良君 理事 野村專太郎君    理事 前田 種男君 理事 福田 繁芳君    理事 逢澤  寛君       江崎 真澄君    北澤 直吉君       齋藤 隆夫君    田中 重彌君       中川 俊思君   橋本登美三郎君       藤枝 泉介君    淺沼稻次郎君       鈴木 義男君    小野  孝君  委員外出席者         衆議院法制局参         事       三浦 義男君         全國選挙管理委         員会委員長   海野 晋吉君         参  考  人         (都道縣選挙         管理委員会連合         会会長)    松崎權四郎君         参  考  人        (東京都知事)  安井誠一郎君 六月十七日  委員原健三郎君辞任につき、その補欠として齋  藤隆夫君が議長の指名委員に選任された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した件  選挙法改正に関する件     ―――――――――――――
  2. 生田和平

    生田委員長 これより会議を開きます。選挙法改正に関する件を議題といたします。本委員会といたしましては、その使命の重大性並びに緊要性にかんがみまして、慎重なる審査を期して参つたのであります。その間去る六月一日には学識経験者より御意見を伺いまして、多大の参考なつたのでありますが、本日は東京都知事安井誠一郎君並びに都道縣選挙管理委員会連合会会長東京選挙管理委員会委員長松崎權四郎君より参考人として、二院制度選挙方法選挙公営、その他現行選挙制度に対する御意見を承りたいと思います。御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 生田和平

    生田委員長 御異議なしと認めます。さよう決定いたします。  なお本日は政府側より全國選挙管理委員会委員長海野晋吉君が御出席になり同様の御意見を承ることになつております。  これより松崎權四郎君の御意見を拜聽いたしたいと思います。時間の都合もありますから大体約三十分ぐらいで御終了をお願いいたしたいと思います。
  4. 松崎權四郎

    松崎参考人 私ただいま御指名をいただきました全國都道縣選挙管理委員会連合会会長を勤めております松崎權四郎でございます。  ただいま委員長よりお話のございましたように約三十分という時間の関係がございますのと、事項の正鵠を期しますために、大体原稿についてお話申し上げたいと存じます。  これより御指定による二院制度の問題、これが選挙方法公営選挙についてことに選挙制度一般に関する批判という関係についてお話申し上げたいと存ずる次第でございます。  第一、二院制度についてでありますが、一院制の採用はこれを避けるべきであろうと存じます。なんとなれば一院制に内在する欠陷が露呈したときを想到すれば、おのずから明瞭となるからであります。およそ國会は国権の最高機関であつて、国の唯一の立法機関でありますから、ほとんどなしあたわざることなき強大な権限を有しております。從つて國会審議は、その慎重を期するの要、いよいよ倍加されるのであります。現在世界各國は、ほとんど二院制をとつておりますことは、この考察に当つてきわめて重要な示唆を與えるものと存ずるのであります。しこうして民主政治多数決原理に基くものとは言え、その多数決が究極に誤らざるためには、同じ審議権限を有する機関をして、あるときは過誤を指摘せしめ、あるときは抑制せしめ、もつて衆議院を補わしめることが必要であります。かくしてこそ多数決原理妥当性は担保せられ、民主主義政治の一発展が確保されるに至るものと思われますゆえに必要なのは、衆議院異質一院を持つことであります衆議院が二つある、二院制は無益でないかと思うのでありまして、実に二院制がその真の存在意義が認められるためには、参議院はよろしく多数に屈伏することなく、その慎重的かつ叡智的機能を十二分に営むことを要するのであります。國民二院制においてこれを期待、またこの期待に反する参議院であれば、大いに失望しまして、その存在意義を疑うに至るでありましよう。  第二点は選出方法についてでございます。現行の直接選挙による方法、全國選出地方選出選挙制等はなおその実績を見守るべき段階であろうと思います。現行制度はその実施をみてからわずかに三年、その改革はなお早きに失するの感を覚えるのであります。今日参議院現実は、参議院の本然の機能を発揮するにいまだ満足すべき域に達していないと見る向きもあるにはありますが、それは現行制度の非難を伴なわなくとも向上の可能性になお存すると思うものであります。また現行直接選挙間接選挙にすることには、相当論議の余地が認められると存じます。これはむしろ時運逆行的とも批判されるのではないかをおそれます。今かりに違憲論ないし憲法改正論を離れて考察しましても、これを間接選挙とすることは、ようやく体得しつつある主権在民の感情に反するものであり、また国民不信頼を意味するのではないかとさえ思われるのであります。すなわち参議院もひとしくすべての國民代表として選出することが、国民主権の観念から言つて望ましく、かつ議員存立基礎も直接選挙にあることが必要であると存じます。  また全國選出制を廃止することは、参議院異質性たる性格を進んで混迷ならしめる原因つくるものでないかと考えます。むしろ純理的には地方選出を擁すべきでないかとさえ言われるくらいでありまして、全國選出を廃し、地方選出のみとするのはなお検討の必要があろうと存じます。これは要するに議員の質の問題でありまして、これはまた国民参議院性格衆議院に異なること、從つて選ぶべき対象は何かを認識することに、すなわち國民政治啓蒙につながる問題であると思います。ゆえにこれに力を注ぐことがむしろ今日最も急を要することであると信じます。  第三、選挙公営についてでありまして、選挙に当り候補となるには莫大な費用を要するとすれば、選挙は常に莫大な費用支出にたえ得る一部の者のためにほしいままにされ、遂には選挙目的である廣く人材を求めることのますます困難となることは必至であります。ゆえに候補者人物識見有権者に周知せしめ得る程度及び候補者として有権者に自己の抱懐する政見を周知せしめ得る限度内における選挙運動は、これを候補者のためというより選挙民のため、換言すれば、公共のため必須なる事項としてこれらの費用については、候補者費用として負担せしめないことが必要であると存じます。しからばいかなる程度公営を行うべきかと申しますに、  1 原則としてすべての選挙立会演説会を開催すること。但し立会演説会以外の演説会開催候補者の自由とする。  2 経歴広報選挙公報に改めてこれを発行すること。  3 候補者所属政党等公報を発行すること。  4 新聞廣告を認めること。 (廣告掲載新聞選択候補者の自由)  5 一万枚から三万枚の範囲無料はがきを認めること  6 無料乗車券を認めること。  7 用紙及び自動車用燃料のあつせんを行うこと。  8 氏名掲示を行うこと。 等であります。 要するに選挙運動候補者負担はなるべく軽減せしめることが政治腐敗を根本的に断ち切る最も現実的かつ有力な方法でありまして、これは選挙運動をある程度公営とすることによつてその目的が達成せられるものであります。また同時に公営によつて統一的物資消耗は全般的にはその濫費を防止し得るに至るのであります。その他現行選挙制度に対する批判これを一、選挙基本法制定必要性について二、選挙運動について三、啓発宣傳についての三項目に分けて述べたいと思います。  まず選挙基本法制定必要性につきましては現行選挙法複雑多岐にわたり、しかも準用規定がすこぶる多く混乱をきわめております。かく国民のための選挙ないし選挙法たるにかかわらず一般有権者選挙とはうるさいもの、やつかいなものとの印象を與えているのは、遺憾ながら公知の事実であります。この結果一般国民をして必然的に選挙の興味と熱意を喪失せしめ、ひいては民主主義政治のため最も重要なる手段でありますところの選挙をして低調ならしめている最大の原因となつているのであります。  すべからく解説を要しないで、理解し得る平易にしてかつ、簡明なる、新しい選挙法がすみやかに制定されなければならないと考えます。すなわち新選挙法眼目は、  一、選挙に関する基準法であること  二、国民に理解されやすくかつ親しまれる法規であることでなければならないのであります。この眼目に基いて新法編纂の要領の概略を述べますれば  イ、有権者であるために職能上の要件を必要とする農地委員農業調整委員等選挙法を除いて成年に達したならば法的欠格者を除きだれでも選挙権をもつ――國会議員普通地方公共團体議会議員及び長、教育委員会委員選挙に関する法規をまず單一統合せらるべきであります。  もとより國会議員普通地方公共團体議会議員及び長、教育委員会委員選挙はそれぞれ相違点があるのでありますが、その類似もしくは準用規定またきわめて多数に上るのでむしろ合一してこれら相違点のみを統合した規定中に並列することがはるかに優れるものと言わなければならないのであります。  ロ、右の單一化に伴いまして選挙に関連する特別法(令)すなわち衆議院議員選挙法第十二條の特例などに関する法及び同令、選挙運動文書図画等特例法選挙運動等臨時特例法及び施行令及び別件わずかに補充的規定としてあるにすぎない各選挙運動取締規則を廃止しまして新法に統一的に規定せらるべきであります。  また現行政治資金規正法中、選挙関係する部分は新法選挙に関する單一的統一法である趣意にかんがみましてこれを新法中に吸收すべきであります。  次に選挙運動はこれをいかに規定さるべきかについて述べたいと思います。  今年初頭に行われました衆議院議員の総選挙が、初の公営中心主義を採用しますかわりに選挙運動制限が強化されましたのでその解釈をめぐつて種々の問題を生じたのでありますが、これはひつきやう選挙運動の本質が自由であるべきにかかわらず、これを弊害の生ずる面の防止のみを強調した結果にほかならないのであります。もとより選挙運動は、最も多く費用を要するのでありますから、これを極端に放任すれば、選挙は、遂には醜悪不正の場となり、ひいては政治腐敗をもたらすことは明瞭でありますから、かかる意味の「自由なる選挙運動」は断固として封じ去らねばならないのでありますが、さりとてあまりに制限を加えることはかえつて潜行的な悪質選挙運動を培養する温床を提供するに至ることに留意すべきであります。しかして、なお選挙運動にまつわる腐敗行為防止公共の福祉の維持のため最小限の制限を必要とします事項は  1、選挙事務所設置数 2、休憩所類似の設備 3、兒童等の未成年者に対する特殊の地位の利用 4、戸別訪問 5、日沒後連呼行為 6、選挙当日の一切の選挙運動 7、文書図画につきましては第三者の推薦状一定枚数制限掲出ポスターには選管の検印を要すること、ポスターの形状の一定ポスター掲示場所の若干の制限であります。これらの事項にその放任することによつて生ずる弊害の、けだしこれを抑制することの当否の論議より大であることの幾多の経験がこれを実証するのであります。しこうして、すでに述べました公営及び右の制限を除くすべての選挙運動は、あげて候補者の創意と工夫による自由とすべきであります。  次に選挙に関する啓発宣傳につきまして、選挙管理委員会民主主義政治の確保のため、その方法たる選挙に関する啓発宣傳を常時行うことにすべきであります。それは去る四月廃止せられました民主主義政治教官連盟にかわり、選挙と結びつけて行う国民啓蒙でありまして、これに要する経費國庫負担として相当額を計上せらるべきであります。現存規定によれば選挙管理委員会棄権防止實務を有するのでありますが、わずかに糊塗的に選挙のときだけ宣傳を行うのであつては、その効果はきわめて微弱でありますから、よろしく常時不断の啓発宣傳を行うことにすべきであります。  最後に附言いたします。國会議員選挙に要する経費は、地方財政法第十一條において、國がその全額負担し、これを支出すべきであるにかかわらず、とかく出ししぶりの景況がありますのは遺憾に堪えません。これは法律違反であり、現下窮乏地方財政に過重の負担を強いるものであります。もし負担金全額支出ができないとしますなら、選挙執行準備相当前にこれを示すべきであります。これは選挙法改正重要性とともに、執行の任にある地方公共團体選挙管理委員会として特に指摘したい点であります。  なお選挙手続法規改正を要する事項についての考えは多々あるのでございますが、時間の関係等もございますから、いずれ機会を見まして御説明申し上げるなり、文書等で提出いたしたいと思いますから、よろしくお願いをいたします。以上をもちまして私の意見を終ります。
  5. 生田和平

    生田委員長 この際東京都知事安井誠一郎君の御意見を承りたいと思います。
  6. 安井誠一郎

    安井参考人 実は選挙法改正の問題について、意見を述べろという御指名をいただいたのですけれども、御承知の通り近ごろ私の手元には選挙に関する事務がございませんので、松崎委員長なり海野氏が見えておりますから、この方からお聞きくださる方が最もよいと思いますので、せつかくのお呼出しですから、ひとつ私は伺つていて、何かこういう問題について、お前はどうかという御質問でもありますれば、それに関連して若干の自分の考え方を申し上げようかというくらいの氣持で実は伺いましたので、今とりとめて專門であられる皆さんの前に、これということを申し上げる何ものも持たないので、何か問題について、これはどうだということでもありますれば、申し上げたいと思います。ほかの先輩からそれぞれお話があつたと思いまして、一應ここで伺うことにいたします。
  7. 生田和平

    生田委員長 それでは全國選挙管理委員会委員長海野晋吉君の御発言を求めます。
  8. 海野晋吉

    海野参考人 本日お呼出しがありまして、選挙制度に関する私の意見を述べろというお話でございますが、先刻東京選挙管理委員会委員長松崎君の意見の御開陳がございまして、同じ仕事をいたしておりますために、大体申し上げることが同じ傾向にあるように存じます。で、まことにお聞き苦しく、かつ私のは松崎さんのようにきちんと体系が立ちかねておるところもありますから、何とぞその点は御容赦を願つておきたいと存じます。  本日の課題は二院制度についてというのが筋であります。それから第二には選出方法について、これにおそらくは投票方法及び当選者確定等に関する問題であると理解いたします。第三が選挙公営について、第四がその他現行選挙制度に対する批判、こういうことになつておりますので、この順序に從いまして、私の考え方を申し述べたいと存じますが、多少重複するような点も出て来るかと存じますから、その点もひとつ御容赦を願つておきたいと存じます。  端的に課題に入りまして、緒論的なことは省略いたします。二院制度に関する問題といたしましては、現に憲法規定がございますので、憲法規定の改廃については論及いたしませんで、この制度規定の事実として考え方を述べてみたいと思います。  國会一院制にするか二院制にするかということについては、新憲法制定の際に、臨事法制調査会においても相当議論はかわされたところでありまして、それぞれの議論論議を盡された結果、ともかくもこの際二院制度議会を構成して行くという結論に到着したことと存じますが、本來の理論を一貫するということになりますれば、國権最高機関であり、國のただ一つ立法機関として、また国政の重要案件審議するところでありますから、直接の民主主義政治の視点から申しますれば、國会代表は二つはないはずであつて公選によるものがただ一つで足りるという、純理面的に申しますならば、さような結論が出るのではないかと思います。從つてこの主張をされる方があります。だが一院の形式にのみ依存することになりますと、地域的の問題、もしくは職域と申しましようか、職能ということになりますと、多少議論が出ても参ります。職域とかあるいは学識経驗とかいう面についてはどうであろうかという考慮すべき点が出て来る。そういう方面から國民代表を出すということを一つの観点から見ますと、多少一院制だけで押し通すことについてに疑問が出て来る。廣く國民の各階層代表を網羅して行くということについては、一院制だけで行きますと十分にその目的を達することができるかどうかということについてはやはり疑問が残つて来る。またその権能の点から見まして國政上の重要案件審議するということに愼重を要するものであつて審議の愼重性というような観点から考えますと、必ずしも一院制によつて絶対多数にのみこの基準を置くことになりますと、場合により一院独善的傾向の問題が起る、また議院運営上における議案の審議の愼重という点、いわゆる復審的な審議という点において一院制二院制に比較しまして短所があると言われてもいたしかたがないというふうに考えまして、それでおそらくこの二院制を採用されたものでないかと私は愚考いたす次第であります。かように規定の事実として二院制を採用いたしたといたしますと、次に來る問題はこの二院制参議院の組織及び選出方法をどういうふうにしたらよいかということであります。参議院の組織につきましては國会を全國民各種階層代表によつて構成する建前から、衆議院地域代表制としたのに対して、参議院はでき得る限りこれと異つた階層から代表を出すべきものであつて年齢等も異ならしめておりますし、また職能的の色彩を持つ人の代表学識経驗者群とでも申しましようか、こういう群の代表を出すべきであるというふうに考えられます。新憲法におきましては両院議員の直接公選制原則としておると思われますので、参議院議員選出方法の決定はなかなか困難であると存じます。現行法におきましては議員数はおよそ衆議院の三分の二という趣旨で二百五十名とし、うち百五十名は都道府縣を單位とする地方選出議員、百名は全國を選挙区とする全國選出議員としておりますが、この全國区にして、しかも單記投票法を採用する制度は、候補者選択選挙運動選出人物等に関しまして多くの不合理性が伴つておることは、いなむことができないのであります、そこでこの不合理性を幾らかでも補うという意味において、ブロツク制を採用したらどうかという問題が考えられるのでありますが、このブロツクをいかに定めるか、そしてまたブロツクとしての共通の具体的の利害があるかどうか、あるいはまた補欠選挙等における大縣と小縣との利害の調節等なお多くの難点があります。また全國区による比例代表制としますれば、参議院職能学識経驗者としての、政党よりも個人の識見ないし職能性を重んずべき性格より、妥当性を欠くきらいがあるまた衆議院との振合いにおきまして、衆議院を小選挙区制にして参議院都道府縣別制一本とするという意見もありますが、地域代表制にのみ偏しまして、職能をひとしくする群あるいは学者、いわゆる学識者層あるいは経驗家別等代表を含むことが非常に困難になります。参議院存在價値が先ほど申しましたようなところにあるとするならば、これがくずれて行くというきらいがあると思うのであります。以上のほか、新憲法選挙された議員いう規定を廣義に解釈して見まして、諸外國制度にならいまして、間接選挙として職能、学識、経驗代表等を出すべきであるとの論もありますが、憲法の直接公選の建前より問題があると考えます。結局全國区の選挙は、これは私個人の意見でございますが、まだただ一回だけ行われただけでありまして、いわば試驗期であると考えます。いろいろの御意見がありまして、これを変更すべきだという有力なる意見があり、またその意見に非常に合理性のあるところもありますけれども、ただこの一回の全國区選挙によつて、まだ弊害が具体的にどれだけ起きて來たかということについて、二院制度参議院の價値等について、はなはだしい支障が起つたかどうかということについては、まだその程度には達しておらないものではないだろうか。從つてもう少しこれを見送つて、十分に檢討して行くことの方が、この際妥当ではないかと考ておる次第であります。  次に参議院権限につきましては、二院制たる性格上、衆議院と同一の権限を必要としないということは当然のことであります。また党派的色彩稀薄性ということが参議院については考えられる。並びに審議方法において合理的にこれを進めるというようなことが、先刻來申し上げますように、参議院に対しては要求されておりますので、その性格から考えてみまして、参議院現実政治への参加と申しましようか、行政府への直接かかわりと申しましようか、具体的に申し上げるならば、政務官等かかわりを持つというようなことについては、むしろない方がいいというふうに私は考えるのでございます。この点につきしましては、それぞれ各位の御経驗上から考えてみまして相当議論があると存じますが、ただいま申し上げるように参議院性格的に考えてみまして政務官等におなりにならないことの方が、参議院の特色を維持することの可能性が多いというふうに私は考える次第であります。  次に選出方法について申し上げたいと存じます。この選出方法につきましては、これは一般選挙選出方法の問題であります。投票方法がまず第一に考えられるのであります。各種選挙を通じまして、投票方法について改善すべき事項は少くないのであります。そのうちで最も重要な事項の二、三を述べてみたいと存じます。  まず最初に考えられますのは記号式投票の問題であります。現在各種選挙はすべて投票白書主義をとつておるのでありますが、これは事実上選挙権制限とまで申すのは少し言い過ぎるかもしれせんが、無筆の者には選挙権を與えられないという結果に相なるのであります。その数がはたしてどれだけであるかどうかということにつきましては、十分な調査資料がございませんが、年齢の六十才もしくは七十才以上の者のうちには、相当数にこの種類に属する人々があるのではないかと考えられるのであります。また白書主義から起つて來ます弊害としては書きそこないというようなこともございますし、他事を記載しておるというようなことにわたりますので、相当数無効投票を生ずることを免れ得ないのでありまして、これは各位が選挙に際しまして、しばしば御経驗になつておるところと考えます。そこで記式投票すなわち候補者氏名をあらかじめ投票用紙に印刷しておいて、選挙人投票しようと思う候補者一定の記号をつけさせる方法によつて以上の欠陷を回避して行くことはどうだろうか、つまり投票しやすいように改正すべきであろうと私は考えますが、これもいろいろの点においてすぐかようにすべきかどうかについて問題がたくさん残されておる。記号式投票方法にはいろいろのものがございますが、最も普通に行われておるのは、一定の條件に適合する政党ごとにその公認にかかる候補者氏名を印刷いたして、それ以外の政党政派候補者や無所属の候補者については、同一の投票用紙に空欄を設けておいて、これに白書させる方法もありましよう。しかしわが國の現状がかかる政党範囲を定めて基準を置く、そうして投票用紙候補者氏名を印刷するというようなことが、この政党の現状から一つ考えましてどうであるかということについては、やはり疑問が残るというふうに考えられます。なおこの記号式投票用紙を印刷するという点から見まして、立候補の締切期日を繰上げる必要もできて来るというようないろいろの問題が含まれますので、この点はにわかには結論を申し上げかねますけれども、漸次記号式投票方法に移行するような考えのもとに、すべての組立を持つて行くことの方が適合しておるのではないかというふうに考えます。それから不在者投票は從來通り白書主義によつてもさしつかえないようにする必要があること等も、十分考慮を拂わなければならないのであります。現行白書主義よりはむしろ効率的であり、ことに遅れておる政党選挙の体制を馴致して行くという点におきましては、先ほど申しますように漸次この方向に向わせることの方が政党政治の発達に奇與する結果に相なるのではないかと考えておる次第であります。  次に不在者の投票について申し上げてみたいと存じます。この不在者の理由になりますことがだんだん拡大されて、旅行先帶在地の市区町村、または病院、自宅等においても投票し得ることになつたのでありまするが、船員については從來の船長が不在者投票管理者となる制度が廃止されました。そのかわり上陸地の市区町村役場に出向かなければならないことになつたのであります。むしろ不便となつたという非難が少くないのと、病院または自宅等においてする不在投票については、情実や買收の危險が少くないという非難もございます。また郵送の方法について改善の要望を聞くことが相当にございます。これらに十分に檢討して、採用すべきものはこれを採用し、一は選挙人の便宜をはかり、かつ選挙の公正の確保に努めなければならないと考える次第であります。  その次に選出方法について問題になりますのは比例代表の問題であろうと存じます。この点については学者、経驗者から今まで十分論議されておるところでありますが、この制度につきましては結論的に申し上げますと、非常に計算方法に関して時日を要する。それから選挙区の大小関係等がありますので、從つてこれはにわかにこれ一つで比例代表が現状に適するというようなことには参らないように私は考えるのであります。  それから次に選出方法として考えられますのは、立候補制度であります。第一に立候補制度については、政党の公認ということを法定化すること、法律をもつてこれを取扱うことという点であります。立候補制度につきましても届出を必ず推薦制とし、かつ供託物、すなわち物的担保にかえまして一定選挙人の連署、すなわち人的担保をもつてすべしという意見や、濫立防止のために供託物の價格を引上げ、あるいは選挙公報を発行のため届出の機関を短縮すべし等の意見があります。その他に政党政治の発達ないしこれを促進するために、事実上言われておる候補者政党による公認制を法定化することが考えられるのであります。これは候補者の予選制度とも関係を持つ重要な問題でありまして、記号式投票制度を採用するときは政党公認の方法を法定化することが適当であろうと思います。しかし現在の政党の実情から考えてみまして、現実的には相当困難性が伴うということを認めざるを得ない次第であります。  それから選出方法につきまして、公務員の立候補禁止の問題でございます。なお現在國家公務員中、一般職にある者は、現職のまま公選の公職の候補者となることができないのでありますが、衆議院議員選挙法第六十七條の五項になつておると思いますが、同規定においては、さらに廣く衆議院議員と兼職できない國または公共團体の公務員は、退職しない限り立候補の届出ができないこととされております。この規定は、参議院議員地方公共團体議会議員、及び長その他これに準ずる者の立候補を不当に防止し、抑制するきらいがありまして、適当でないところがあるのではないか。またその範囲も明確を欠いております。どういう範囲内でこれが規定されておるかということは、はつきりいたしませんので、この間の選挙に際してもいろいろの議論が起つたような次第であります。むしろこの制度を廃止するか、さもなくば公務員の範囲を明確に規定するということが必要であろうと考える次第であります。  次に選出方法についての問題として繰上げ当選の問題、いわゆる繰上げ補充につい考えてみる必要があると思うのであります。繰上げ補充は、各選挙法とも原則として当選人の当選辞退期間内、すなわち当選告知後十日以内に限られておりますが、費用超過訴訟や選挙犯罪の判決が、このような短期間に確定することは言うまでもなく絶対にありません。從つて繰上げ補充の制度は有名無実のそしりを免れないと思うのであります。もともと繰上げ補充は補欠選挙施行の煩を避ける便宜的な制度でありますが、しかし論理上にも十分に支持し得られる理由がありますし、また今日のように多くの選挙が行われることとなつては、補欠選挙の施行に要する経費も莫大であります。御承知のように、先般兵庫縣において八木君の補欠選挙が行われました際に、ただ一人の参議院議員選出するために千五百万円以上の経費を要したという事実がございますので、これらの点から考えてみて、よほど考慮を要する点であると思うのであります。そこで國または地方公共團体の財政上の負担能力から考え、決して好ましいことではないのでありまして、むしろ繰上げ補充の期間を、たとえば一年間に延長することも考えられます。実際こういうふうにいたしましたならば、必要に適合するようになるのではなかろうか。但し地方公共團体の長の選挙については、次点者すなわち反対者との激烈な、かつ深刻な手段によつて行われる長期の競争の延長とでも申しましようか、問題がからんで來まして、これがためにかえつて当選の不安定の情況を長く継続するという点が考えられますので、この点には私は賛成ができないように考えるのであります。  さらに第三の課題であります選挙公営について申し上げてみたいと存じます。選挙運動の基本の原則をどうするか。最近の選挙法改正の中心題目として、選挙運動方法をどうするかということでありますが、昭和二十一年の総選挙は自由選挙であつたのでありますが、二十二年は再び制限が加えられまして、さらに今年一月の総選挙には公営を主として選挙を行うということに重点がおかれました。從つて公営の効果をできるだけ発揮せしめるという点から考えてみて、相当嚴重な制限が行われたのであります。いわゆる制限選挙的な色彩を非常に濃厚にした。これに公営の効果をあげるという点においては、一方において自由選挙を幾分強く制約しなければならないというやむを得ない結果が出て来た。選挙運動は自由を原則とすべきか、これを制限して公営を本則とすべきかについては、だれもこれは自由を原則とすべきであるということについては異論はございません。ただ自由に放任する結果は、いたずらに競争が過激となつて、非常な多額の選挙費用を要する結果、いわゆる金権候補とでも申しましようか、そういう方面の人が非常に、選挙がやりやすくなつて、著しくその方面の人のみが進出して來るというおそれがございます。すなわち一方における選挙の公正の原則を害するおそれがあります。かつ政治腐敗を招くおそれがありますので、選挙運動制限は、ある意味においては候補者相互の協定なのであります。決して私はこれは取締るとか制限を加えるとかいう外力的な観点のみから考えないで、候補者各自の協定の方面も相当にあるというふうに考えます。たとえて申しますならば、スポーツのルールも同様なものである。フエア・プレーで行こうという点において各自が協定をして行くという点から考えますと、自由の制限だというふうにのみ見なくてもいいのでありまして、幾分かはその点において自由を制約するという結果になりましても、これまた選挙という一つの部分社会における福祉の維持のために、やむを得ないのだという理論的構成も成立つのではないかというふうに考える次第であります。  選挙運動公営は、主として選挙運動経費を軽減して、選挙運動の機会均等を保持しようというところにあります。これが根本のねらいであることは申し上げるまでもありません。しかし選挙の自由の原則は先ほど申しますように蹂躙し、また憲法で保障された國民の言論、その他表現の自由に反するということのない限度において、行わるべきでありまして、この交叉点をどこに求めるかということが非常に困難な問題でございます。本年度の選挙において、特例法十九條の中に、選挙運動のために云々、その他一切の文書を頒布してはならないという規定がございます中に、新聞紙を含むか含まないかということについて、非常な議論の起りましたことは、各位の御承知の通りであります。その時分に考えてみまして、特定の候補者のために、特定の政党のために、あの有力な武器である新聞紙が、一方的にこれを支持する、場合によつて投票依頼の文字まで書いていいかどうかということについては、非常な議論のあつたところでありますが、新聞紙の公器性、新聞のみずから持つている尊嚴から考えてみて、これをあの條項に当てはめなくてもいいことであろうというふうな解釈をとつたことは、御承知の通りでございます。ただいかに新聞の公器性を尊重し、自主的にその欠陥のないようにというふうなことを考えましても、言論の自由、表現の自由も、また自由権の乱用の範囲にわたつた場合においては、これはやはり制限を加える必要が当然に起つて来ると私は考える次第であります。  そこでもう一つ考えなければならないことは、選挙運動を自由にして、一方において公営選挙を十分に発揮さして行こうという点については、公営でありますから、その負担は結局國民負担となることでありまして、先般行われた総選挙において七億七千五百万円の費用を使いましたが、なお足らないで、地方の財政について非常なめいわくをかけておるというような結果に相なつておりまして、いまだにこの問題も十分なる解決を見たとまでは申し上げかねる状況にあります。七億七千五百万円ではとうてい足りません。この点につきましては、議員各位にいろいろ衷情を訴えまして、お願いをいたしたことは、まことに私どもとしましては恐縮いたしておる次第でありますけれども、いかにしても多数の職員を時間外に働かしめる。その他資材の点につきましても、非常な騰貴を來しておるというような点がございますので、選挙公営ということに伴う國民負担の過重という点において、やはり考えなければなりませんので、ある程度に限度をやはり求むべきではないかと考える次第であります。このような見地から、私は選挙運動についてはでき得る限り自由にするとともに、他面選挙費用の増額に伴う選挙弊害、ひいては政治腐敗を避けるために、選挙の本質と憲法上の原則に違反せず、かつ國及び地方公共團体の財政から考えて、合理的と認められる限度において選挙公営を強化すべきであると考える次第であります。まことに抽象論的になりますけれども、これは時間をかけますと、私どもがこの間選挙費用を、各都道府縣に分割するにあたりまして、非常な科学的基準に基いて計算をいたして、都道府縣に分割をいたしたのでありますが、この点についても各位にご参考までに申し上げる機会を私に得たいと考えておるのでありまして、ある程度こういう選挙費用の分割を、いかなる基準によるべきかということを法律に盛り込む必要までありはしないかというふうに考えられる程度にこの費用の問題は、非常に重要性があると考える次第であります。  次に自由選挙運動とでも申しましようか、その方面について一言申し上げてみたいと思います。私は選挙運動については、いわゆるフリー・エレクシヨンの原理を貫徹したいというようには思うのでありますが、何らの制限を設けず、ただその費用の最高額だけを法定してはどうかというように考える考え方一つあると思うのです、ややこういうところに線が引かれて来るのではないか、選挙費用の最高額を法定化して――現在でも法定化をある程度までしておりますが、これを各方面からこの最高額について、実質的最高額、形式的の最高額でなく、よく各位の御意見等によりまして、御経驗等によつて、まる公でなく、ほんとうの金額がおよそどこに線を引くべきか、そうしてこれを維持するためには相当の法律的のつつかい棒を立てて、どうしてもこの法定額というものは維持させるという方法とつたらというふうに考えるのです。つまり一定のグレンツにおいては、きわめて自由にする。そのグレンツを越えたときは当選等をただちに無効にするとか、その他の方法によつてこれを強化して行くことは考えられるのではないかと思います。そうして自由選挙のいわゆる選挙運動の自由といううちに、もつとも考えらるべきものは、申し上げるまでもなく言論、文書、図画について最小限度の制限を設けるのほかは、制限を撤廃してしまつていいのじやないかということがまず考えられます。  次に事前運動、戸別訪問という問題が近來大分各方面で論議されておるところでありますが、これもある程度まで自由を認めてはどうか、個人ないし政党の行つておる選挙運動制限は、すべてこれを撤廃してしまつて、自由にするかわりに、國家の行う選挙運動の保障、すなわち選挙公営は実質本位に今度はかえつて來る。最も効果ある方法に集中的に公営を行う。たとえば立会演説会、先ほど松崎管理委員長が言われた点が、この点においては非常に妥当の点が多かつたと思います。候補者、運動員等に対する無賃乗車券の発行の点、無料郵便の数を相当数にふやして行くということを考えまして、金銭と時間に余裕のない候補者にも便宜を與えることによつて相当に機会均等の結果を持ち來させることはどうかというふうに考えられる次第であります。選挙運動制限の緩和ということについて一番問題となりますのは、先ほども申し上げましたように事前運動と戸別訪問の問題だと思います。事前運動は禁ぜられておるにもかかわらず、從來行われておりまして、その違反の認定はきわめて困難であります。選挙区の培養という言葉がございますが、議員その他当選者の日常活動の実体はいわゆる政治活動でありますが、これはただちに事前運動に繋がるものであります。今後もますます政党ないし労働組合等の日常活動が活発となる趨勢にあります。これは禁圧は決してできない問題であると考えられます。また各政党ともこの点について十分なる活動があつてこそ國民政治意識というものについて啓発される結果と相なると思うのであります。この点はその方面から考えますと、事前運動ということを禁圧するというような結果、かえつてこの方面の運動を不自由にするという結果が生じまして、おもしろくない傾向だと考えられます。個人の候補者に対しましても、その日常の選挙運動を禁止すべきいわれは実はないと思うのであります。実際理論上の根拠として、選挙運動を事前にやつてはいけないのだという事前運動の禁止の理由は、はつきり、理論的には認められておらない。買收とかその他悪質の選挙運動が禁止処分さるべきはもちろんでありますが、そこでどこが悪質であるか、どれが処罰の対象になるべきかということについては、相当技術的にむずかしい問題が出て來るとは思いますが、どうもそれらの難点と、ただいま申し上げましたような特徴とを比較してみますと、どうも事前運動を特に禁止しなければならない理由に乏しくなるというふうに考える次第であります。結局はこういう問題は、一般國民の人々がいわゆる民主主義政治下において、主権は國民にあるんだ、そうして自分は國民の一人であるという自覚にまつて良識の発達をとげまして、かかる問題については進歩発達せしめるという方向に向わしむる一つの試練の機会を與えるものとして、事前運動等については、できるだけ自由にする方向に向わしむることの方がよいのではないかと考えられる次第であります。戸別訪問の問題につきましては、これは非常にどうもやかましい問題になつてつておりますが、皆さんのうち古いお方は、それぞれこの点については御経驗もありますし、私も時分の選挙ではございませんけれども、三回ばかり戸別訪問を先輩の選挙でもつてしきりとやつた経驗がありまして、いかに選挙というものが候補者にとつて苦しいものであるか。運動者側にとつて苦しいものであるかという点については、相当経驗があります。いわゆる國民代表である議院のデイグニテーの問題も考えられますけれども、しかし近來そういう点については、あまり考えない方がいいのじやないか。やはり一人々々の有権者に対してできるだけ接触していわゆる選挙の機会において、國民國政に直接参與するのだという意識を持たしめるという理想論的考え方から申しますれば、戸別訪問必ずしも理論的にとめる必要はない。ただこれに伴う弊害といたしまして、買收の機会を多からしめるというようなことを申すのでありますが、この点についても選挙運動即違反というようなことを、まず念頭に置いて選挙の立法をすること自体がもう一ぺん考え直していい点であるのではないかと私は考えるのであります。いつまでもいつまでも危い危いという考え方でもつて立法をやつて行きますと、その結果は決してよい結果はございません。私ども法律家といたしまして、しばしばその点については刑事、民事を通じまして、人の行為をかくしたならば、かような不都合が起る。かくしたならばかように治安が乱れるといつたようなことのために、嚴重なる法律をつくればつくるほど、かえつて反対的方向に社会の動向が向うということについては経驗をいたしておるところでありまして、選挙法につきましてもこの点はお互いが立派な一個の人格を備えた國民であるのだ。政治の力を自分が持つておるのだということを自覚せしめることに重点を置いたならば、戸別訪問必ずしもそう臆病にならなくともよいと考える。ただ候補者諸君が、この戸別訪問ということについて、課せられる肉体的の非常な負担ということについても考えねばなりませんけれども、選挙区域の問題あるいは交通機関の発達等にかんがみまして、この点につきましても、必ずしも耐えざる負担になるかどうかについてはそう一概に言い切れないと私は考えるのであります。從つて傾向といたしましては、戸別訪問もある程度の制約を加えつつ開放して行くということの方が望ましいものであると考えている次第であります。  次に選挙公営の点でありますが、もうこの点につきましては、ほぼ私の申し上げたいことを申し上げ盡したような感がありますので、ごく省略をいたします。公営の問題としまして基本的に考えられることは、選挙民に対する公営選挙運動の徹底ということと、各候補者に対する公平及び経費の節減、この三つの観点からなるべく効果的に合理的にこれをやつていくことが必要である。從つて張紙の印刷または配布、街頭演説会の設備の公営等のことも考えられます。立会演説のことは先ほど申し上げましたから繰返して申し上げませんが、ただいま申し上げますような点がさらに考えられる点であると存じます。費用が許すならば街頭演説に対してもマイクロフォンその他のものを公営にして、一定の場所において各候補者が自由にこれを使い得るような程度にまで発達せしめたならどうかという点も考えられます。ただしこれも費用等の関係で、ある程度制限のあることは申し上げるまでもありません。  第四点としてその他現行選挙制度に対する一般的批判の点でありますが、これにつきましては先ほど松崎管理委員長からもお話が出ましたが、それはまことに適当な御意見のように考えられますので、私の申し上げますことは、いささか蛇足を加える結果と相成るかと思いますが、一言申し述べたいと思います。選挙法の統一の問題でございますが、新憲法施行後において民主主義政治の原理によりまして、行政機関の構成員の直接公選制度は著しく増加いたして参りました。現在両院議員を初め、地方公共團体議員及び長、教育委員農地委員、農業調整委員、さらに土地改良法によります土地改良区議会議員等将來ますます増加いたす傾向をたどつておるのであります。これら直接公選による公職にある者はもちろん、公安委員一定の公職者に対しましては御承知のようにリコールの制度が認められております。この人民投票制とでも申しましようか、このことは地方公共團体議会及び條例制定改廃の賛否にも適用されております。さらに新憲法による最高裁判所裁判官の國民審査の問題、憲法改正に対する國民投票、その他先般議会を通過いたしました一の地方公共團体のみに適用される特別法に対する当該公共團体の住民の投票各種選挙のほかにこれとほぼ同様の手続を要する各種のリコール及び国民投票が盛んに行われる結果となつたのでございまして、これら一連の選挙法規は衆議院議員選挙法を基本としまして、それぞれの選挙の特質に應じまして特殊の規定を設けておるのであります。從つて立法技術の関係上非常に準用條文が多くなつておりまして、私どものように法律いじりをいたしている者にとりましてもすこぶる難解であり、まことにやつかいな法規だと言われております。從つてこういう難解な法律のために誤りを犯す者もまた非常に多く、誤りなきを期するためには非常な努力をしなければならない。世人からあるいはこの選挙法規に適用する取締り当局と選挙管理関係の係とか、公務員のための法律である。有権者候補者、一般運動員のためにする法律ではないとまで非難を受ける場合があるのであります。そこでこういう難解な法規を單一法に統一すべきであるという要望が近來非常に強くなつてつております。むしろ專門家方面からこの要望が出て来ているのであります。選挙法規の統一化によつて選挙事務の執行機関のみならず、候補者選挙民の便益を促進するものであるならば、この單一化の可否いかんは十分に考慮して行かなければならぬ問題であると思うのであります。まず統一すべき選挙の種類の範囲でありますが、普通選挙制をとつている國会議員地方公共團体及び教育委員選挙は統一化し得られる。農地委員、農業調査委員選挙はもともと臨時的なものでありまして、またこれらを加えるときは統一法をかえつて複雑にいたしますので、簡明を期するゆえんではございませんから これは統一法規中に加えることは困難なことだと考えられます。さらに国民投票、今の最高裁判所の裁判官に対する国民投票及びリコール等一般住民の投票、一般成年者によるものでありまして、投票とか開票の手続を同じくするために統一も不可能ではないと考えられます。  次に選挙法規に規程すべき事項でありますが、選挙の全体は選挙人に関する部分と、候補者及び選挙運動者に関する部分と、選挙事務の管理及び取締機関に関する部分の三者に大別をすることができると思います。この中に選挙人に関する部分と、選挙事務の管理及び取締機関に関する部分を合しまして、すなわち選挙人名簿、投票、開票、選挙会及び争訟も手続、それに所要の罰則や補足的規程をもつて投票法とも言うべきものを制定して、これに国民投票、一般投票規定をも加えることも考えられる。また候補者及び選挙運動者に関する部分に、選挙公営を含めまして、政治資金規正法をも考慮いたしまして、選挙運動法とも言うべきものを制定していくことも考えられる次第であります。米英両國のいわゆる腐敗行為防止法として知られております法律は、この選挙運動法に該当するものではないと考える次第であります。  次に選挙施行に要する経費の点でございます。これも先刻一應触れた点でありますが、現在国会議長の選挙の施行に要する経費は、国庫において負担をしまして、地方公共團体選挙。施行に要する経費は、当該地方公共團体負担することになつております。またこれが地方財政法の建前でもあります。ところが現実には國庫予算の関係や府縣の財政の窮乏から、國の選挙については都道府縣及び市町村、都道府縣の選挙については市町村に相当の財政上の負担をせしめておる実情でありまして、從つて法律上選挙の施行に要する経費基準を定めまして、紛乱することを避けまして、必要な経費を補償して地方公共團体に迷惑をかけないようにすべきであると考える次第であります。  以上はなはだまとまりませんが、大体課せられました題目について、一應意見を開陳いたした次第でありますが、これはどうぞ海野個人の意見であることをつけ加えて申し上げ、私の話を終りたいと思います。
  9. 中川俊思

    ○中川委員 ちよつと海野さんにお尋ねしたい。先ほどおつしやつた選挙費用のところで、本年の初めに行われました選挙に七億七千五百万円というような予算が計上されておるということであります。これは地方選挙並びに國会議員選挙全部を含めました額でありましようか。
  10. 海野晋吉

    海野参考人 一月二十三日行われました衆議院選挙だけの費用です。もつともその費用の中には都道府縣、市町村に分配するもの、中央において支出いたすものも含まれております。
  11. 中川俊思

    ○中川委員 ありがとうございました。
  12. 栗山長次郎

    ○栗山委員 議事進行についてでありますか、公述者に質問をするかしないか、皆さんにお諮りして、質問した方がよろしいという御意見であれば、質問をされるがよかろうと思いますが、私は動議として出したいことは、質問は差控えまして、何か確かめたいことがあれば、別の機会にすることにはかられたらいかがかと思います。
  13. 生田和平

    生田委員長 ただいま栗山君からの道義は、別の機会にしたらどうかというご意見ですが、いかがですか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  14. 生田和平

    生田委員長 御異議なければさように決します。  何か東京都知事に所管事項についてお聞きになることがあればお聞き願いたいと思いますが、今栗山さんの御動議もありましたし、別に東京都知事からもご意見がないそうでありますから、東京都知事の発言はとりやめますることを御了承願いたいと思います。  この際御報告申し上げたいのでありますが、昨日司令部のウィリアム國会課長からオーストリアの選挙法並びに議会関係の書類の寄贈があつたのであります。これはわずかに一部しかないのでありますが、参議院の柏木委員長が受け取つて参つたのです。これは原本は図書館に保存して置いて、写しを参議院並びに衆議院の方に配ることに御相談をいたしておるのでありますが、さようどうぞ御承知願います。  午前はこの程度で休憩いたしたいと思います。午後は将来の議事の運び方について、一應御相談をいたしたいと思います。なおご意見によりましては午後も続行いたしたいと思いますが、お差支えございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  15. 生田和平

    生田委員長 御異議なければ午後一時半から再開いたしたいと思います。さようご承知を願います。暫時休憩いたします。     午後零時十八分休憩      ――――◇―――――     午後二時十七分開議
  16. 生田和平

    生田委員長 午前に引続き会議を開きます。  本委員会の進行をどういう順序でやるかという審議の方針について一應お諮りいたしたいと思うのであります。本件につきましては委員長の手元に作成したものもありまするが、一應参考のために三浦部長から御説明を申し上げたいと思います。お手元に資料として差上げてありますが、「選挙法改正に関する特別委員会における審議方針」というのをごらん願いたいと思うのであります。
  17. 栗山長次郎

    ○栗山委員 説明員からの御説明の前に、この審議要綱を拜見しますと予定表というものがありますが、この委員会を開催すべき予定について、お打合せが願えれば仕合せと存じます。
  18. 生田和平

    生田委員長 ただいま栗山委員より御注意がありましたが、実は私忘れたのでありますが、これを劈頭御相談しようと思つておつたのであります。本委員会も六月一ぱい休会いたしまして、ようやく本日久しぶりに開会いたしたのでありますが、なるべく至急本案をとりまとめたいという希望を持つておるのであります。先刻理事会にお諮りいたしました結果、大体七月中は毎週木、金、土の三日を続いて御審議を願うことにして、一應それで当分の間やつてみて、その審議の成果を見まして、さらに八月分予定をいたしたいと思うのであります。御意見がありますれば承りたいと思います。
  19. 栗山長次郎

    ○栗山委員 理事会のお打合せの結果とありますならば、私も理事の一人としてその申合せに拘束せられるものでありますが、たまたまそのときに席におりませんでしたが、議院の休会中の実情を考えてみますと、毎週委員会を開くということは困難のように感ずるのでありますが、できれば七月中にかなりの審議を進めることの必要は十分に認めますが、七月中さらに他の適当な機会を選んで四日なり、五日なり一回にかためて審議をなし得るようにおはからいを願えぬものかどうですか、動議を出したいと思います。
  20. 逢澤寛

    ○逢澤委員 栗山君の動議に賛成します。
  21. 生田和平

    生田委員長 四、五日くらい連続続けてやるとして、その時期はいつごろにしたらよいでしようか。
  22. 栗山長次郎

    ○栗山委員 その時期については、これだけは委員諸士の側の都合だけというわけには行かないと思います。事務局における準備の都合もありましようし、また他の方面との連絡の都合もあろうと思いますけれども、そういうことを勘案せられて、たとえば七月二十日前後ごろにというようなことでよかろうかと存じます。
  23. 生田和平

    生田委員長 実は参議院の方は二十七日から連続してずつとやつておられるようなので、もう少し早く進行したいという氣持があるのですが、あまり先になると非常に暑くなりますし、どうも土用のまん中では困るという御意見もあると思うのですが、いかがでしようか。
  24. 栗山長次郎

    ○栗山委員 それは主として私が申し上げましたように、事務局側の御準備の進捗状況いかんによると考えます。準備がもつとはやくできるということであるならば、おそらく委員諸君におかれましても早くお繰合せをおつけになることとそんたくいたします。
  25. 生田和平

    生田委員長 それでは事務の方とよく打ち合わせまして、追つてまた書面をもつて申し上げます。御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  26. 生田和平

    生田委員長 さよう決定いたします。
  27. 齋藤隆夫

    ○齋藤委員 審議の方針を読むと、参議院における選挙法改正に関する特別委員会、政府に設置されておる選挙制度調査会との関係とか、國立国会図書館との関係、こういつたものを審議事項として掲載されておるのですが、私の考えではまず第一に衆議院だけの選挙法改正を先に切り離してやつてもらいたい。それから後に参議院参議院として特別にやるというようなぐあいに片つぱしから片づけて行かないと、これを何もかも混同してやつては議事の進行の上において得策でないと思います。またわれわれに衆議院のものをすつかり片づけてしまつて、それからほかの参議院や地方團体の選挙とは共通点がありまするからして、共通の点は共通の点として、特別の点は特別の点として別にここで檢討することがよろしかろうと思います。そうしないとどうも議事の進行上において遅れはしないかと思います。何でもこの会は早くびしぴしきめるべきことはきめてしまつて、おそくとも次の臨時國会の劈頭に出すのであるというようなお考えを持つてつていただきたいと思います。
  28. 栗山長次郎

    ○栗山委員 ただいまの齋藤委員の御発言、ある点においては同感でありますが、ここにあげられたのは、この委員会審議中にこれらの機関関係をするかしないかという趣旨であろうと私は思いますが、立法府として他の一院である参議院選挙法改正に関する審議、これとある程度まで並行すると申すか、連絡をとることは必要であろうと思いますが、二、三、四に至つては必要のないことであろうと私は考えます。
  29. 逢澤寛

    ○逢澤委員 先ほどの齋藤先生のお話のように、一應衆議院衆議院としての考え方をまとめませんと、その間に関連して來ておるとなかなかもまとまりがつかぬと思います。それから衆議院衆議院として独自の考え方があると思いますから、そういうようなことをひとつこの成案の上に表わして行かぬと、どつちみちわからぬようなことが出て来るおそれがあるから、まず衆議院としての性格をはつきりするためには、その間にはあまり折衝せずに、成案を得て後にいろいろ参議院性格をあわせて檢討する必要がある。從つて私は齋藤先生のような考え方で、まず本院は本院としての考え方をぐつと進めて行きたいと思います。
  30. 三浦義男

    ○三浦法制局第一部長 実はお手元に差上げました審議方針は、今後の委員会の運営に関しましてどういう方法で行つたらいいかというようなことをさしあたりご参考までにとりまとめたものでありまして、簡単に内容を御説明をいたします方が、いろいろの御意見をおとりまとめになります上にも御便利かと思いますので、簡単に私から御説明申し上げたいと思います。大体かように考えておるのでありまして、お手元に上げました審議方針を一通り御檢討願いますると、この方針に從いましてさしあたり衆議院の法制局の方において研究事項というものをとりまとめまして、お手元に差上げたいと考えております。その研究事項を申しまするのは、衆議院選挙法を中心といたしまして、参議院選挙法、地方自治法、この主要選挙三法を比較檢討しながら、大体衆議院選挙法を中心といたしましていろいろの事項を御審議願う、こういうような運び方が審議上御便宜ではないかと考えまして、さような準備をただいまいたしておるのでありまするが、本日までにまだ研究事項をお手元に差上げるまでに至つていないのははなはだ申訳ないと考えております。大体さように考えておるわけでありまして、ただいまもいろいろの御意見が出ましたが、審議方針の第一の問題といたしまして、選挙法改正に関する審議を進める場合の順序、方法をどうするかというところで、他の機関との関係をどうするかという意味は、一に書いてございまする参議院に置かれました選挙法の特別委員会――これは向うにも選挙法の特別委員会を置かれまして、参議院選挙法だけでなくして廣く選挙法改正を取扱うということになつておりますので、こちらもある程度においては連絡しなければならない場合等もありましようが、それらの関係をどういうふうに審議上皆さんの御意見によつてあらかじめきめておいたらいいか、かような問題でありまして、先ほど御意見がありましたように、こちらでずつと進めた上で後に向うと連絡する、あるいは初めから連絡する、いろいろな御意見をとりまとめて大体お調べ願つておいたらどうかというような意味において書きましたわけであります。それから政府に置設されました選挙制度調査会も同様に選挙制度の調査をいたしておりますので、これは政府独自の関係でありまして國会とは別個の問題でありますが、そこらの関係は別に連絡をとらないでこちらが独自に必要に應じてそういうことに対する連絡をとる、そういうことであればさしつかえないだろうと思つておるわけであります。それから三、四の問題は資料の提出との関係あるいは全國選挙管理委員会におきましては現実選挙執行の面においていろいろな行政的な面を取扱つておりますので、そういう関係上いろいろこちらの方の当局者から説明を聞いたりする場合等もありましようから、それらの関係をあらかじめどういうふうに考えておるか、さような問題を第一の他の機関との関係ということで取上げた次第であります。それから第二の閉会中の審議をどうするかということでありますが、これは先ほど栗山委員からの御意見によつて委員長の方であとでおきめになるように願う点であります。第三の審議機関中の公聴会をどういうふうに開くかという問題もあらかじめきめておいていただいたらいかがかと思う次第であります。それから第四の点でありますが、現地調査を行うかどうかという関係議員各位におかれまして、非常に忙しい御予定をお持ちのことだろうと思いますので、こういうことがあるとすれば審議上の日取りも関係いたしますからあらかじめ決定しておいたらいかがかということで取上げておいた次第であります。第五は審議中においては選挙法改正案要項の作成にとどめるのであるか、あるいは法律案の成文化まで行うのかどうか。こういう問題は審議の日取りその他審議の促進の上にも重要な関係を持つておりますし、なおまたかりに成文化の問題は法制局において御援助することになりますれば、相当の準備等もいりますので、その辺どういうふうにしたらよいかということをおきめ願つていただいたらと思うわけであります。第六は成案を得る目標を大体いつごろまでとするか、七月、八月、九月と便宜ここに予定表を書きましたが、最終の大体の日取り、要項の作成か、成文の作成か、いずれにいたしましても、最後の目標をいつごろに置くかという点をここに問題として提起したわけであります。第一の点については大体以上のような趣旨で書いた次第であります。
  31. 小野孝

    ○小野委員 ちよつと委員長にお伺いしておきたい。今三浦君からお話があつたことを審議するにしても大体選挙法に関する改正案を委員の発議で全体としてここでわれわれやるのであるか、政府当局が見えておらないようですが、政府の方で選挙制度特別調査会というものを置いておることは、そちらの方でまた提案する準備のために調査会を置いたのだろうと思いますが、政府にも提案する考えがあるのではないかと思う。そうするといろいろな案が出て来るわけです。この委員会は、衆議院発議の原案をここでとりまとめるためにやるのか、その辺の根本方針をひとつお伺いしたい。
  32. 生田和平

    生田委員長 私はこういうふうに理解しておるのです。この特別委員会を設けたのは、当初は調査だけにとどまつておつたわけです。そのうちに本会議の御決議を経て大体の目的を明らかにしてありまして、それには成案ということを書いてあるのでありますが、成案というのはつまり立法化することも成案でありますし、要綱まででとどめることも成案であります。委員長の希望としては立法化するまで行きたいと考えております。  第二はお尋ねの政府との関係でありますが、これは総理廳の法規ができますときに、選挙委員会を政府において総理廳に設置するという規定になつておるそうです。この法規によつていわゆる総理大臣の諮問機関として総理廳にこしらえるように伺つておるのです。また参議院は独自の立場で選挙法全般に対して改正案を審議するというのであります。從つてこの委員会参議院委員会とは別個の働きを持つておると思つております。ただ事実上の問題として、ある場合には連絡をとらなければならぬことも生ずるかと思いますけれども、ただいまのところは参議院の議長官舎で第一回の懇談会を催しました。その後に何らの会合、連絡等はとつておりません。ただ本委員会として独自の立場で選挙法改正案を作成しよう、そして次の國会までにその成案を報告するという任務を持つておると解釈しておるのであります。
  33. 小野孝

    ○小野委員 大体それでわかりましたが、衆議院の方から発議するのだ、その発議の案をつくるのだということなら、私はこうやつて委員会をしばしば開いたつてあまり話が進行しないのではないか、それならばむしろ小委員でもあけて法制局の方からだれか加つてもらつてそこでまず一つの試案を作成する。その試案ができたところでそれを委員会にかけて、委員会審議して行くというやり方をしなければ、何も案がないのにこうやつて集まつたつて私に仕事ははかどらぬと思う。ですから政府の提案をもつてこちらがやるのではなくて、こつちの方で発議するという腹がきまつておるなら、その発議すべき最初の案を作成するための小委員会をつくつてそれはこういう委員会ということでなしに、ほんとうにひざをつき合わせて法制局もいれて、まず試案を作成するというふうにするのが一番いいのじやないか、そういうことを提案したいと思います。
  34. 生田和平

    生田委員長 この委員会はただいま申し上げましたように立案をして議会に報告するまでにとどまるのでありまして、ここで委員会の要綱なり立法化する根拠になるのではなくて、一つ参考になるのじやないか、衆議院のこの委員会は初めから調査ということが出発になつておるのです。しかし調査でははなはだ不完全でありますから、その成案を得る、成案を得たら、それ以上に力を持つておらぬから臨時國会にその成案を報告する。こういうふうな御決議になつておるのです。――ちよつと速記をやめて……。     〔速記中止〕
  35. 生田和平

    生田委員長 それでは速記を始めてください。ただいま速記中止中に御議論のありました本委員会の任務のことでありますが、委員長といたしましては、本委員会は休会中に選挙法改正の試案を得て、立法化するまでの手続をとりまして、これを議会に報告し、また次の議会においてその成立を期するものでございます。さよう委員会の御決議を経たいと思いますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  36. 生田和平

    生田委員長 御異議がなければさよう決定いたします。
  37. 逢澤寛

    ○逢澤委員 ただいま懸案になつております小委員会の問題ですが、それは今少しく前委員の手において研究を重ね、そしてどういうようなところを研究すべきか、どういうようなところを改正すべきか、こういうような改正にはそれぞれそこに要点があると思います。その大まかな要点だけは少くとも全委員会のところでそれをとりまとめておく必要があると思いますので、その点につきまして私は皆さんの御意見を拜聴いたしたいと思います。
  38. 福田繁芳

    ○福田(繁)委員 齋藤さんなり逢澤君なりのおつしやることは実にその通りなんですが、さりとてそこまで持つて行くことに対して、どういう道しるべで行くかということに対して、ちようど先ほどから議題となつておりまする審議方針を見れば、その中に十も二十もないので、順を追うて委員長がお進めになれば、すぐに到達するのではないかと思うが、一應よく目を通してもらつて、それに基いてお諮りの上御進行を願つてはどうかと思います。
  39. 生田和平

    生田委員長 ただいま逢澤委員からの御意見もありましたが、実は研究事項も今法制局の手元で成案を急いでできておるのです。それは日本の例がこうであつて、外国の例が――かりに選挙区の問題、あるいは選挙権の問題、一つ一つ外國の例をつけ加えて説明がついて、一つ一つ御決議ができるような一項目についての参考書を実はこしらえてでき上つておりますが、印刷の方が間に合わないで困つておるのです。これは私過日來病氣であつたために少し手遅れした点もありまして、きよう間に合わないことはまことに残念に思つておりますけれども、それに大体御希望のようなものができておりますが、印刷が間に合つておらぬという事態なのであります。それができましたならば、この審議に対してよほど御便利になると思うのであります。
  40. 栗山長次郎

    ○栗山委員 小委員会を設ける前に全体の委員で大綱を練れという小委員会設置の道義に対する反対の意見が出ておりますが、私は齋藤、逢澤両委員から提案せられ、福田委員の賛成せられました小委員会に入る前に本委員会において大綱を練る動議に賛成をいたすものであります。おまとめ願います。
  41. 生田和平

    生田委員長 ただいま逢澤さんなり栗山さんその他から、まず一應総会に諮つて、大体の方針がきまつて後に小委員会に諮るという方針で進んでいくことにきめたいという動議がありましたが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  42. 生田和平

    生田委員長 御異議なければその方針に決定いたします。  研究項目については次回の委員会にお手元に差上げるつもりでありますが、まずここにあります審議の方針について一應了解を得たいと思うのです。この中にもいろいろのことがありますが、参議院との関係、政府の関係、全國選挙管理委員会関係、その次が國立図書館の関係、これにただいま三浦君から説明して御了承ができたと思います。それから閉会中の審議の日取もきまりました。  次に審議機間中公聽会をさらにどの程度開くかという問題でありますが……。
  43. 栗山長次郎

    ○栗山委員 公聽会を開くとすれば、委員長の方には何か御案がおありでありますか。もし御案がなければ、公聽会は相当開かれましたので、私はこれ以上開く必要はないと考えます。
  44. 生田和平

    生田委員長 栗山君の御意見に御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  45. 生田和平

    生田委員長 それでは公聽会は將来は開かない、またさらに開く機会がありましたらご相談申し上げます。  次は審議期間中地方の実情を聽取するため現地調査を行うかどうか。     〔「必要なし」と呼ぶ者あり〕
  46. 生田和平

    生田委員長 これも必要なしということに決定しました。  閉会中の審査においては選挙法改正案の要綱の作成にとどめるか、あるいは法律案の成文化まで行うこととするかということは、先刻御相談ありましたが、これは成文化まで行うことに決定いたしたいと思います。成案を得る目標を大体いつごろとするかということでありますが、これは事務との打合せもありますが、むろん最後は第六國会前に間にあわさなければならぬのでありますが、私委員長の考えとしましては、政府は次の國会を開く時期がおそらくきまつておらぬ。政府の方は十月ごろと言つておりますが、早期國会のご希望もあるし、この見通しはちよつと今のところ立たぬと思いますが、順次委員会をお開きくだすつて、そのうちに何とか目鼻がつくのではないか、こういうことで御了解を得ておきたいと思います。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  47. 生田和平

    生田委員長 選挙法改正に関して問題とすべき関係法規はどういうものに限るか。
  48. 栗山長次郎

    ○栗山委員 これはその都度の問題であつて、ここでお取上げにならぬでもよかろうと思います。
  49. 三浦義男

    ○三浦法制局第一部長 次に三を御説明申し上げます。三はこの委員会におきまして、選挙法改正審議いたしますに当りまして、大体選挙の基本法というような單行法をつくるような方向で審議を進めていくかどうかということは、相当審議に関連を持つ事項でありますので、その点をここで問題といたしたわけでありまするが、基本法というのは仮の名前で、一應そういう趣旨のことを表わしたわけであります。それでかりに單行法としてまとめるとした場合に総則的な事項だけに限るのか、あるいは重要な基本的な事項だけに限るか、あるいは共通的事項にできるだけこれを抱括的に一つのもとにとりまとめるようにするかという点が一つの問題だろうと思つております。  次には單行法としてまとめることができなかつた選挙関係法規と單行法との関係をどういう形において残すか、これは最後の問題でいいかと思つておりますが、大体單行法としてまとめるといたしますれば、先ほど申し上げましたように、衆議院議員選挙法を中心としては参りまするが、それに重要な関連を持ちます参議院と地方自治法の選挙というものと比較対照しつつ研究事項において進めて参つたらどうかと考えておるわけでございます。それが第三の事項でございます。
  50. 栗山長次郎

    ○栗山委員 今の説明員が御朗読になつ事項でありますが、單行法にまとめ得るか得ないかという見通しでありますけれども、人によつて違うと思う。法制局で御多用中でもありましようが、かなり手を入れておつて、種々調査してくだすつておるようでありますが、御調査の過程とは存じますけれども、いろいろな選挙に関して共通的な原則、基本事項がかなり多いかどうか。その今までの御調査の範囲内でようございますが、所見を承りたいと存じます。
  51. 三浦義男

    ○三浦法制局第一部長 ただいまの点はまだ研究の過程でございますが、大体論から申しますと、一の(3)に書いてございますように、共通的事項相当まとめ得るというように考えております、こまかい点につきましては、まだ多少いろいろ問題があるとは思つております。  それから次の四であります。四は選挙法改正に関しては憲法そのものの改正にも触れて研究するのか、それとも憲法のわく内において研究することとするかという問題でありまして、これは審議の上の相当基本的な問題でございます。今憲法改正するかどうかということは、かりに別問題といたしましても、この委員会における調査研究の事項憲法とは別個の問題といたしまして、選挙法のいい法案をつくるという意味において研究するといたしますれば、憲法とは別個にいろいろな問題にも触れて来ることになると思つておりますが、憲法改正の問題はきわめて重要でありますので、それはそのままにいたしまして、そのわく内において研究するといたしますれば、自然にその範囲も限定されて来て、こういうような問題が第四の問題でございます。それで一に書いてございますように、憲法改正に触れると認められる問題は、二院制一院制か、現在憲法二院制を取つておりますので、これを一院制にするかどうかという問題はすでに憲法のわく内において考えるとすれば問題にならないわけであります。  それから第二の衆議院及び参議院議員の任期をどうするかという問題もやはり同様の問題でございます。  次に選挙権年齢をどうするか。これは成年者による普通選挙ということが規定してございますので、この点もあるいは問題とならないだろうと考えているわけであります。  それから次に参議院議員の半数改選の制度をどうするかという問題も同様であります。  それから先ほど選挙関係法規のときにあげておいたのでありますが、最高裁判所裁判官の國民審査という問題につきましても、この制度をどうするかという問題も、これは憲法と多少関連持つ問題があるわけでございます。  次には地方公共團体の長の選挙について間接選挙方法をとることはどうか。これは憲法九十三條の二項に地方公共團体の長、その議会議員及び法律の定めるその他の吏員の選挙につきましては、直接の選挙によるとありますので、間接選挙の方は実は問題にならないと思つておりますが、特に長と書きましたのは、地方公共團体議会議員選挙間接選挙という問題はあまり考えられないだろうと思いますが、長の選挙につきましては多少考える余地があると思つてここに書いたわけであります。やはりこれは憲法との関連の問題であります。  それから次に現行二院制度のもとにおきまして、衆議院及び参議院性格をさらに特色づけるために、両議院の組織、ことに参議院の構成に変更を加えることは、憲法改正に触れる事項であるかどうかという問題でありますが、これは内容の問題と関連している問題でありまして、あとの研究事項等に触れて行くべき問題であるとは思いますが、次に書いてありますように、憲法の第四十三條に「両議院は、全國民代表する選挙された議員でこれを組織する。」という規定がございまして、これが解釈上問題の規定でありまして、こり憲法規定をどう考えるかによりまして、選挙制度の問題等について関連がいろいろ起つて来ると思います。ここではただ網羅的にその事項参考にあげたわけでありますが、ただいまの趣旨をどう解するかという問題に関連して、次のようなことをそこに取上げてみたわけであります。  第一には、参議院議員選挙について職能代表制をとることは認めない趣旨であるかどうか。  参議院議員選挙について地域代表制をとることは認めない趣旨であるかどうか。  参議院議員選挙について間接選挙方法をとることは認められるかどうか。  その間接選挙方法といたしまして、一般選挙人が選挙委員選出してこれが選挙する方法と、それから地方公共團体議会議員、たとえば都道府縣の議会議員選挙する方法と、衆議院議員選挙する方法、こういう問題が考えられると思います。  それから次には参議院議員選挙について直接選挙方法をとることが認められておりますが、これに推薦制度を加味することはどうか。これは先ほどの全國民代表する選挙された議員でこれを組織するということと関連する問題でありますが、第一の問題といたしましては、一般選挙人が推薦する方法、次は一般選挙人が推薦委員選出してこれが推薦する方法、それから地方公共團体議員たとえば都道府縣議会議員が推薦する方法衆議院議員が推薦する方法と、全國を職能團体別に組織し、その團体が推薦する方法等で、こういう推薦されたものを一般選挙人、有権者選挙するような方式が全國民代表するということの趣旨にどうなるかという問題であります。  次は参議院議員選挙につきまして、全國区制をブロツク單位制または都道府縣單位別に改めることはさしつかえない趣旨と解されるかどうかという問題であります。この問題につきましては、なお研究事項でありますところの選挙区の問題に触れている事項と考えますが、一應憲法と関連した基本的事項としてここに参考にあげたわけであります。  次には右のほか二院制度の特色と機能を十分発揮するために、たとえば衆議院國民各層における一般的政治識見代表者たる性格を持たせるとし、参議院を練熟、耐久、愼重を求めるに必要な学識経驗者の代表者たる性格を持たせると仮定いたしますれば、それらを制度上どういうふうにしたらいいかという問題がまた考えられはしないかということでございます。大体四の問題は以上でございます。  次に五の問題は憲法のわく内において選挙法、便宜上衆議院議員選挙法と、参議院議員選挙法及び地方自治法の範囲に限定をいたしますから、そういう選挙法改正を行うこととする場合、どういう事項について研究を進めたらいいかという問題でありまして、大体これは三法に共通の事項相当多いのでありまして、第一は選挙に関する区域の問題であります。これは選挙区、投票区、開票区の問題、二は選挙権及び被選挙権の問題、三は選挙人名簿の問題、四は選挙投票及び投票所の問題、五は開票及び開票所の問題、六は選挙会の問題、七は議員候補者及び当選人の問題。八、議員の任期及び補欠の問題、九は訴訟の問題、十は選挙運動の問題、十一選挙運動費用の問題、十二罰則の問題、十三補則の問題等でありまして、大体これらの事項が先ほど申しました主要三選挙法において取扱われている事項でありまして、これらの事項につきまして、研究事項におきましては、個々に問題を摘出しながら触れて行きたいと考えているわけでございます。
  52. 齋藤隆夫

    ○齋藤委員 これは憲法のわく内においてやるよりほかに道はないだろうと思います。第五、たくさんありますけれども、これは私一人の考えですが、こういうことは現行法においてあまり強制をするような手はないと私は思います。ただ今度選挙法改正が問題になつたのは、先だつての臨時國会選挙運動の臨時特例に関する法律が出たが、これは私は初めから反対です。大分議論をしたけれども、もう委員会できまつてしまつて國会に出すのは一両日になつたからというので、われわれの意見はまつたく抹殺されてしまつた。ぼくの見るところでは法律上から言つて憲法違反だし、こんなばかなことはないと思います。憲法規定しているところの言論、集会、結社の自由を蹂躙している、そんなばかなことはない。私はその当時最高裁判所判事に会つて、あの法律は憲法違反だから、憲法違反ということを宣告せよと要求したくらいです。まつたく選挙運動の自由を拘束してどこに選挙があるか、個人演説会を三十回に限定するとか、候補者がおれば街頭演説はできるが、第三者では街頭演説できないとか、こんな選挙法は世界無類であつて、こんな選挙法をぶち壊わすことがこの会議目的だと私は思います。これ以外に現行制度に修正を加える手はないと思います。これに私一人の意見でありますが、この委員会の進行において、どんな御意見が現れるかわかりませんが、なるべく改正の点を大体限定して議事を進められたい。そうするとあまりこんがらかつたことにならずしてスムースにこの委員会が進んで行つて早く法案がつくられると思います。  それからけさほど來いろいろお話がありましたが、これについて私は次の委員会において私見を述べてみたいと思います。
  53. 栗山長次郎

    ○栗山委員 私も現行憲法のわく内において選挙法改正すべきであるという御見解に賛成であります。それから現行選挙運動取締の特例法でありますが、これに嚴に過ぎるところがあればよろしく緩和して、その後一箇年経つておりますから経済事情の推移に即應するような改正がなさるべきであると考えております。また齋藤委員の所見として述べられました俗に申せば大いじりということでなくして、現行法において著しく不合理であると申すか、不便であると申すか、また嚴に過ぎるというような点を改正すれば、それで事足りるのではないか、これは実際目的の上からさように考える者の一人であります。しかしこの際相なるべくは、先ほど説明員の方に御質問申し上げましたら、現在調査の過程ではあるけれども、特殊な者を除いて、大方の選挙の対象として、原則的なものをもつて單行法をつくろうと思えば、できるだけの共通点があるというような御所見もありました。で、相なるべくはそういう基本的な調査、審議、またとりまとめの労をこの委員会がとるに至りますれば結構である、かように考えるものであります。
  54. 生田和平

    生田委員 審議の方針については、まず初めの方は大体御意見がまとまるようでありますけれども、しまいの方になりますと選挙区制の問題とか、いろいろ相当重要な問題があると思います。その方針をかえないのだ、このままで行くのだという決定をするのは今少し時期が早いであつて、十分御研究を願いたいような氣持がするのです。そういうような決定はなお後日の機会に譲りたいと思いますが、いかがですか。大体ここに書いてありまする審議の方針で進めますつもりでありますが、なお資料等の不完全の点もありまするから、次の委員会には御不便のないようにとりそろえますつもりであります。さよう御承知を願います。
  55. 三浦義男

    ○三浦法制局第一部長 ちよつと資料の点について申し上げておきます。選挙法に関する特別委員会配付資料一覧という一枚ずりを差上げてございまするが、その一とその二というのがございます。その一の七に書いてございまする「各国上院制度の態様とその帰趨」、九の「改正選挙法に関する新聞論調」、これは先般臨時特例法等の場合の新聞論調であります。十の「英米における政党組織運営と党費の調達」それから二十の「衆議院議員選挙法、地方自治法――対照」それはまだお手元に差上げてございませんが、一つあげたいと思います。それから今日お手元に配布しました配布資料一覧のその二でありますが、二十九に書いてございまする「欧米各国における選挙制度」これはただいまプリントにいたしておる最中であります。それから三十三の「選挙法改正に関する主要な研究事項」は、今後差上げる見込みに考えております。なお下にかつこ書きで「全選」と書いてありますのは、たとえば全國選挙管理委員会に依頼いたしたものでありまして、それぞれその出所を明らかにいたしてございまするので、それらの資料等につきまして、審議の進行の途上においていろいろの御質問等があれば関係の方からお聞き願いたい、かように考えております。なおこれ以外の貸料等につきまして、お気づきの点がございましたら、これは今度この特別委員会事務局ができることになるわけでありますが、そこでまとめられるべき事項だと思つておりますが、できません間は私どもの方で便宜お手傳いをいたしておるのでありますが、何かそういう点がございますれば、なおこの機会にでも承わればけつこうだと考えております。
  56. 小野孝

    ○小野委員 少ししつこいようなのですが、最初お願い申し上げた事柄になお懸念せられる点があるので――すなわち次期の臨時國会にわれわれがつくつた案が出ると同時に、政府提案がなされるということの懸念もありますので、私はこの際政府の考えをはつきりしておく必要があると思いますので、この次の委員会には官房長官の出席を求めたいと思いますから、委員長においてそのとりはからいをお願いしたいと思います。
  57. 生田和平

    生田委員長 承知いたしました。それでは本日はこの程度で散会いたしたいと思います。明日は委員会を開くつもりでありましたけれども、ただいま申し上げました通り研究事項の印刷が明日まだ間に合わないと思うし、なお他にやむをえない事情がもう一つつて委員会を開かないことにいたしたいと思います。  次回はいずれ書面で申し上げます。本日はこれにて散会いたします。     午後三時二十二分散会