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1949-09-08 第5回国会 衆議院 政府支払促進に関する特別委員会 第13号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十四年九月八日(木曜日)     午前十時五十二分開議  出席委員    委員長 岡野 清豪君    理事 大上  司君 理事 小峯 柳多君    理事 澁谷雄太郎君 理事 島村 一郎君   理事 庄司 一郎君 理事  上林與市郎君    理事 千葉 三郎君 理事 河田 賢治君    理事 内藤 友明君       首藤 新八君    南  好雄君       今澄  勇君    西村 榮一君     早稻田柳右エ門君    石野 久男君  委員外出席者         総理府事務官  川田 三郎君         総理府事務官  岡田 純夫君         農林事務官   金城 順隆君         参  考  人         (日本紡績協会         常務理事)   田川 信一君     ————————————— 本日の会議に付した事件  政府支拂促進に関する件     —————————————
  2. 岡野清豪

    岡野委員長 これより会議を開きます。  この際、昨日開きました國の支拂促進に関する法律案起草の小委員会経過ちよつと簡單に申し上げます。  昨日委員長私案として出しましたところの法案を小委員会にかけまして、いろいろ御審議を願いましたところが、重要なる修正意見とか、またいろいろ御希望も出ましたので、もう一度改訂したいと思いまして、改訂することにいたしました。つきましては、九月十三日——來週の火曜日でございますが、もう一度起草委員会を開いて審議したいと存じますので御承知を願いたいと思います。  なおちよつとお諮り申し上げますが、紡績業界におきますところの政府支拂いが遅延しているということは、耳にいたしておりましたが、それにつきまして、今までその方面お話を伺つたことがございませんから、今日日本紡績協会常務理事田川信一さんに参考人として御意見を伺いたいと存じますが、皆様御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 岡野清豪

    岡野委員長 御異議ないと存じますから田川さんに御意見を伺いたいと存じます。田川さん、どうかお願いいたします。
  4. 田川信一

    田川参考人 ただいま委員長からお話のございました紡績の方の政府支拂い遅延の問題でございますが、あらかじめ一つお断りしておいた方がいいかと思いますことは、紡績政府支拂い遅延の問題は、要するに綿糸綿布加工賃支拂い遅延であります。紡績綿糸綿布両方生産いたしておりますが、両方から問題が起つたのでございます。綿布につきましては、紡績のほかに地方の小さい織機ばかりをお持ちの機屋さん、それには綿工連という別の團体がありまして、その方の資料は私どもにはわかりません。またその方の團体は非常に会員が多いものでありますから、まとまつた資料も現在までのところできていないので、綿糸綿布加工賃支拂いとして紡績関係のあるもののみについて申し上げますことを、あらかじめ御承知を願いたいと思います。  現在紡績から繊維公團代行人である輸出商社に対して請求書発行済み支拂いを受けていない金額は、八月十日現在で十六億一千三百万円になつております。これは大体本年二月までの計画生産加工賃支拂い並びにこ月以降輸出製品原綿拂下げ制度になりました、それまでは賃加工生産であつたのであります。二月以降拂下げ制度になりました。從つてそれ以前のB・Sコントラクトーバイヤー・セーラース・コントラクト原綿拂下げを受けずにやつておりましたですが、二月以降原綿拂下げ制度になりましたために、その際B・Sコントラクトのものも拂下げ制度で、そのときにペンディングのものは拂下げ制度で行くか、あるいは從來通賃加工で行くか、会社のオープシヨンになりました。その場合にその当時の契約に関する限り從來通賃加工で行くものは、そのものに関する限りその後も多少賃加工のものが残つております。そのもの両方の分がこの政府支拂い遅延の原因になつておるわけであります。  八月十日現在でも十六億一千三百万円になつておりますが、それがこういうふうにたまります経過を申し上げますと、一月末現在に十九億ありました。そうしてその二月中に請求いたしましたものが四億五千万円。その月に政府から支拂いを受けましたものが八億八千万円。從つて二月末には十五億四千五百万円ございました。政府支拂いが一番遅れておりました月を申し上げますと、四月でありますが、つまり三月末に三十億の米麦拂いがございました。四月中に十三億の請求をいたしました。四月中に政府支拂いを受けましたものが八億一千万円。四月末には政府支拂いが二十五億五千万円ございました。ところが一月以降は原則としてB・Sコントラクト政府から原綿拂下げを受けまして製品として海外の商社に送るという形式になりましたために、三月以降は原則的に政府支拂いというものがなくなりましたので、その後次第に漸減はいたしております。八月十日現在の模様を申しますと、八月末現在に十六億の未支拂いがありまして、八月十日までに一億九千万円の請求をいたしまして、それから十日までに政府から一億三千万円の支拂いを受けまして、結局八月十日現在の未支拂いの残高が十六億一千二百万円。從いまして七月末に比べますと約十億の支拂いが減少になつております。それだけ政府支拂いがふえております。しかしながら七月中の政府支拂いは三億八千万円、六月は六億六千万円、本年事度において一番最高の月は五月中に十億拂われておるたけであります。從つて政府支拂いがまことに私ども希望に反しておりますことは言うまでもないことであります。  ただ多少その間に誤解を、お招きしてはいかぬと思いまして蛇足を加えますが、紡績会社から、これは御承知かと思いますが、原則としてキヤツユデリバリーで引渡ししましたら、キヤツシユを支拂つていただくということになつております。そのデリバリーと申しますのは、紡績会社製品公園代行人である輸出商社に渡した時期を申すのでありまする輸出商社に対してはそれと同時に請求権ができるわけであります。ところが輸出商社請求権という請求は、輸出商社貿易公團に対してさらに手続をいたしまして、貿易公團整理しました上で政府支拂いになるのであります。ところが紡績輸出商関係輸出商公團関係が円滑に育つておりません。さらに私どものあるいは邪推かと思うのでございますが、公園整理されるというような問題も一方にありますので、公園手続が非常に遅延いたしております。整理も不十分な点もあるように思いますが、それでは紡績側加工委託所に対して、まだ加工賃拂いのものがどのくらいあるかというはつきりした数字を持つておりません。それでは現在紡績が困るのでありますから、紡績の方と公團の方と協力いたしまして、現在その書類を整理しております。近日中に整理ができ上るのでありますが、その整理ができ上りましたら、今日私がここで申し上げます以上に状態がもう少しはつきりすると思うのであります。私個人の考えから申しますと、そのときあらためてさらにもう一ぺん御説明させていただきましたら、今日以上にはつきりこういう状態にあるということが十分申し上げられると思います。  それからもう一つ加えておきたいと思います私ども希望は、先ほど申し上げました通りに、三月以降の原綿拂下げ制度であります。二月以降八月末現在までに、紡績政府に対して原綿代として支拂つておりますのは、二百六十億という非常に莫大な金額になつております。從つてこれは金融を受けておるのでありますが、もし原綿代支拂いが遅延いたしました場合には、日歩一銭の金利支拂うことになつております。現にとられておる場合もあるのであります。ところが政府の方の支拂い遅延に対しましては、金利は一銭もちようだいいたしておりません。試みに現在の政府支拂い遅延日歩二銭八厘で計算してみますれば、概算二月以降今日までに金利だけでも六千万円ちようだいいたさなければならない計算になるのでございます。私どもといたしましては、一方に二百六十億の政府に対する原綿拂いをいたしておるのでありますから、もし一般商業通念からいたしまして、一方に支拂いがあるのでありますから、相殺させていただきますればこれに越したことはないのであります。一昨年以來政府支拂いが遅延の場合が再々ありますので、その際に相殺を主張することは一再ならずでありますが、どうも会計檢査関係でありますか、そういう関係からいつて相殺をさせていただいておりません。もしそういうふうにさせていただけば一番簡單に解決し得ることだと私は思うのであります。  またただいま申し上げましたように、紡績も非常に原綿代支拂い等におい著莫大な金がいりますので、金融的には非常に困つております。こういう政府支拂いそのものから起きたわけではございませんが、これも一つの理由になりまして、会社によりまして、は、労銀の分割拂い延拂いという場合も起きておりますし、会社支拂い金利がふえて行くのは当然であります。また資材等延拂いも間接的に起きている場合もあるのであります。從つて、もし政府支拂いが遅れるというような場合には、何かそういう方面の特別の金融というようなことでもお考え願つたら、紡績としては非常に助かると思うのであります。  大体概要を御説明申し上げました。
  5. 岡野清豪

    岡野委員長 何か御質問がありますか。
  6. 大上司

    大上委員 ただいまのお話の中に、綿工連資料は持つておらぬというお話で、これはもつともと思います。ただ推定でもけつこうですが、綿工連の方がどうなつているかということはわかりませんか。
  7. 田川信一

    田川参考人 先ほど申し上げたように、資料はないのでありますが、ただ私の想像を加えて申し上げますと、綿工連にも四、五億の未支拂いがあるかと思つております。今全般的に整理しておりますので、ここしばらく日時をおかし願えれば、この方面も明らかになると思います。
  8. 河田賢治

    河田委員 支拂いは各社によつて平均していますか、それとも非常にかたよりがあるわけですか。
  9. 田川信一

    田川参考人 今これに関係しておりますのは十三社になつております。十六億の中で一番大きいのが鐘紡で、これが二億六千万円、ごく規模の小さい会社で四百万円というのもありますが、紡績の中どころのものは一億円足らずという実情であります。
  10. 岡野清豪

    岡野委員長 田川さんにお伺いしますが、今お調べになつている整理は、いつごろ御完成のお見込みですか。
  11. 田川信一

    田川参考人 もう半月もあれば整理できると思つています。
  12. 岡野清豪

    岡野委員長 それではそのときにもう少し詳しくお願いしたいと思います。  ほかにございませんか——それでは、どうもありがとうございました。     —————————————
  13. 岡野清豪

    岡野委員長 次に農林当局から供出代金の未支拂いに関しまして御説明を聽取いたしたいと思います。食糧廰総務部金城主計課長さんにお願いいたします。
  14. 金城順隆

    金城説明員 主要食糧供出代金支拂いについて御説明申し上げます。  供出代金食糧管理特別会計支拂われます場合に、食糧管理特別会計の方でその支拂い金融機関委託して支拂うという規定があるわけであります。現在法律で指定されております金融機関というのは、農業協同組合と、一般市中銀行事農林中央金庫、こういう三本建になつておるわけであります。それで政府から供出代金支拂いいたしますときには、まず協同組合の系統の親銀行みたいになつておりまする農林中央金庫前渡しをいたしまして、その前渡金がずつと各村の協同組合行つて、そこで拂われることになつております。末端におきましては食糧廰職員である檢査員農家から供出いたされました食糧檢査をいたしまして、それの等級をつけ、数量をきめて、それによつて去年五月から実施いたされました支拂い証票というものを発行いたしておるわけでありますが、その支拂い証票を発行いたしまして、それを各農家に渡し、各農家はその支拂い証票自分の選んだ金融機関協同組合とか、あるいは一般市中銀行に持つて行きまして、その代金をもらう。その代金をもらいますときに、現金がほしいときには現金を要求してもらい、なお現金がとりあえず必要がないという農家の方に対しては振替方法、要するに預金にしてもらうというような二つの方法でやつておるわけであります。それでかりに九月のことを申し上げますと、九月にそれでは金を幾ら政府から出したかということをちよつと申し上げますと、昨日までに六十億を農林中央金庫前渡しとして出しておるのであります。これを前年の九月の米の供出実績から申し上げますと、大体三百万石というのが去年の九月に供出されておるわけでありまして、その三百万石をかりに二十三年の米の代償で申し上げますと三千五百七十円ぐらいでありまするが、計算のやりよいように、かりに四千円といたしますと、それに早場奨励金が九月中は千円つきますから五千円といたしまして、これを上旬の十日までに三百万石の三分の一、百万石といたしますと、五十億の金が必要なわけであります。ところが先ほど申し上げますように、昨日までで六十億の前渡しをいたしております。これは末端までの送金日数を考慮いたしておるわけでありまして、要するに十日までに政府支拂うべき金が約五十億なのに対して、その送金日数というものを三日ぐらいと私の方は考えております。昨日までに余裕を見て六十億という金を渡されてありますので、政府からは一應金が下の方へ流れるように段取りはいたしておるわけであります。ただ末端におきまして供出最盛期におきましては職員の手不足とかいうようななことがありまして、支拂い証票を発行することが、あるいは何日間か遅れるようなことがあるかとも思いますが、これは供出が立て込んで参りましたときには、今の状態ではある程度やむを得ないかと思つております。私の方でも臨時の職員を配置するとか何とかいうようなことで、供出されました即日金が行くようにということには努めておりますが、現在の状況はこういうふうになつております。一應今の状況お話して御了承を願いたいと思います。
  15. 岡野清豪

    岡野委員長 何か御質問ございますか。
  16. 小峯柳多

    小峯委員 昨年の実例でいいますと、九月、十月、十一月の供出最盛期中心としてどのくらいの支拂いになつてつたかお伺いいたしたいと思います。
  17. 金城順隆

    金城説明員 昨年の九月に支拂いになりました金が百九十七億五千二百万円、それから十月が四百九十九億一千百万円、十一月が二百四十九億五千二百万円、十二月が三百八十一億一千四百万円、一月が百九十六億八千二百万円、二月が百十七億円、三月が百四十三億九千四百万円、こういうふうな政府支拂い実績になつております。
  18. 小峯柳多

    小峯委員 この支拂いというのは中金に対する振込みを言つておりますか、一般支拂いですか。
  19. 金城順隆

    金城説明員 中金に対する振込みであります。
  20. 小峯柳多

    小峯委員 ただいまのお話に関する限り供米代金支拂い遅延はないように受取れるのでありますが、実情はどういうふうになつておりましようか。
  21. 金城順隆

    金城説明員 先ほど申し上げましたように、政府の金繰りといたしましては、一應順調に出しておりますが、十月、十一月、十二月といいます月は供出が非常に殺到いたします時で、たとえば昔の自由取引の時代でありますと、九月ごろから供出が始まつて、翌年の六月ごろまで続きまして、もちろん十月、十一月、十二月というのはかなり数量がかさまりましたけれども、やはりある程度ずつと延びていましたのが、これが最近は十月、十一月、十二月、一月の半ばごろまでにほとんど供出が済むというような状態でありますので、末端職員檢査をいたし、それに支拂い証票を書いて渡すという事務がどうしても遅れがちでありますので、この期間におきましては何日間か遅れる。また支拂い金融機関におきましても、現在協同組合一般市中銀行で取扱つておりますが、一般市中銀行の扱つております分量と申しますのは全体の大体四%でありまして、協同組合の扱つているのが九六%というような金額の面になつておりますので、協同組合においてもこういう最盛期には事務処理が幾分遅れるのじやないかと思いますので、ある程度の遅延はやむを得ないかと思つております。もちろん私の方では先ほど申し上げますように、あらゆる方面でこの点を補充いたすようには努力いたしております。
  22. 千葉三郎

    千葉委員 今のお話で、末端において支拂いが完了したという報告はあなたの方では取つておらないのですか。
  23. 金城順隆

    金城説明員 完了した報告は参りますけれども、これが大体一月か一月半、要するに全國がまとまりますのは完了した日から早くて一月、遅いと一月半くらいかかつてつて参ります。
  24. 千葉三郎

    千葉委員 そうしますと、今中央からは支拂いしたけれども、まだ支拂いの残つているところ、未支拂いという分はどのくらいになつているのですか。
  25. 金城順隆

    金城説明員 中央では一應、先ほど申し上げますように、大体去年の実績中心にして、それに幾らかの余裕を見まして、いわゆる支拂い機関に一應前渡しいたしておりますので、從つてその支拂い機関から末端におろしますときに、たとえば中金に例をとりますと、中金末端に送りますときに、やはりこれは金融の面もありまして、各村に予想で送るということになりますと非常な厖大な資金がいる、要するに必要以上の金がばらまかれるというような関係がありますので、中金は毎日末端からの電報送金いたしているというようなかつこうになつております。その関係で、まあ末端の方で、たとえばきよう供出代金が、どのくらい出るという予想がついて、それによつて上の方に請求いたしておりますればいいのですが、末端の方で非常な多忙なときに、それの手続が遅れますと、結局金の末端に流れる分が幾分遅れるということは起きると思うのです。その末端に金が流れて行つて末端がその金をあたためて、実際に農民に金を拂わないという額はあなたの方ではわかりませんか。
  26. 金城順隆

    金城説明員 これは私の方では調べておりませんが、私ども食糧廳におりますと、たまにあるいはたれかが上京して來て私の方に、あるいは各縣にあります食糧事務所にそろつてつて來て、その件を申し出ますれば、私の方から調査してその分を是正させるということはいたしております。現に去年あたりも二、三の村から——これは関東の村でありますが、直接参つて、私どもの方から出向いて、その是正をさせたという例はございます。だが全國一万一千の市町村でありますから、その都度私の方から出向いて檢査するということは非常に困難でありますが、年に一回とか二回とかその村のうちの一部を調査するというようなことはやつておりますし、それから今年檢査院が檢査をいたしますときにも、今年あたりは村まで行つて供出状況代金支拂い状況も一應は調べておられるようであります。
  27. 南好雄

    南委員 そうしますと、ただいまの御説明によりますと、中央の方では予想で拂われる。地方の方では供出の事実から、それを報告して行つてとられるというのでありますが、あなたの御見解では、供出完了後幾日くらいで金がもらえるのが理想的な体系でしようか。
  28. 金城順隆

    金城説明員 事務関係もありますけれども、私たちの理想といたしましては、即日ないし翌日ということを理想としておりますが、ただ三日程度はやむを得ぬのじやないか。それ以外のいわゆる最盛期の場合においては、たとえば午前中に供出が済めば、午後には村の協同組合行つて金がもらえる、あるいはそれが預金に振りかえてもらえる、そういうようにいたしたい。午後に行つたら翌日に現金支拂うなりあるいは預金に振りかえるというような方法支拂われております。
  29. 南好雄

    南委員 今のような形で、そういうようなことはただりくつであつて、実際はできないのではないですか。中央だけが前金拂いになつてつて、ほかは全部前金拂いになつていないのに、完了後に二日ないし三日で、電報送金にするにしても何にしても金が行くわけはないのでありますから、そういういわゆる架空的な理想論ではなくて、ほんとうのことをおつしやつていただきたい。
  30. 金城順隆

    金城説明員 だからこれはこういうことになつております。食糧管理査特別会計法支拂いを即日にいたす。從つて末端協同組合と私どもの方との支拂い委託一つ契約を結んでし、それで末端協同組合農家から供出された場合に、その供出支拂い証書を檢査員で発行いたしまして、それを提示されたらただちにこれを拂う、あるいは振替拂いにする。ただ問題は非常に最盛期の場合にたくさんの者が殺到して來まして、協同組合現金の手持がないという場合は一應考えられます。その場合においては協同組合は、もし大体村の供出状況というものがわかれば、それによつてあらかじめ農林中央金庫支店なり代理店なりから金を前もつてもらつておいて支拂うようにするというような契約を一應結んであるわけであります。從つて協同組合としましてはその契約に基いて後拂いと申しますか、供出されましたらただちにそれを振りかえる方法で拂う。從つてその協同組合自己資金をもつて應拂つた分については、政府は一應拂つたものとしてそれの金利は見てやる。要するに末端協同組合自分上級機関である信用組合にそれは預金してあつたものというような仮定で預金金利を見てやるというような仕組みで一應それをやつております。ただこれを始めまして、ちようど去年の五月から大体こういう方式を始めておりますので、場所によつてはよく理解せず、ふなれな点もあるかと思いますが、徐々に是正して行くように指導いたしております。
  31. 小峯柳多

    小峯委員 ただいまのお話の中の支拂い委託契約の当事者、相手方はどうなつておりますか。
  32. 金城順隆

    金城説明員 これは大体末端協同組合の委任を受けた農林中央金庫食糧廰長官契約を結んでおる、こういう形になつております。
  33. 小峯柳多

    小峯委員 どうも今のお話ですと、ここに問題はなさそうな氣がするものですが、しかし実際今までのあなた方のところへ農村から言つて來実例、そういうふうなものから見て、あなた方の考えておるところと、かなり違いがあるということを発見なさつただろうが、それを指導する方法は具体的にどんな方法をとつておられますか。
  34. 金城順隆

    金城説明員 支拂いの元締といいますか、政府から金をとつておりますのが農林中央金庫でありまして、農林中央金庫から支店代理店、それから全販連を通しまして、たとえばそういう実例があるたびにこういうことの起らぬように指導しております。  それからもう一つは、私どもの方の末端食糧檢査員に、政府の金の支拂いというものをどういう方法でやつているかということを徹底させまして、その檢査員から各供出農家に対して政府代金支拂い方法を徹底させるというような方法をとつております。
  35. 南好雄

    南委員 そうすると、去年あたりのあらかたの実例では、大体幾日ぐらいでもらつていましようか。
  36. 金城順隆

    金城説明員 これは私の方で農家のもらつておる実例を一々調べておりませんが、ただ非常にいい例と申しますか、ちよつと問題のあつたような場所で、たとえば大阪でありますが、一昨日あたり何かちよつと話があつて調べましたところ、大体三日ぐらいということになつております。全國的に何日間で拂つておるかということを、各組合について調査したものはありません。
  37. 岡野清豪

    岡野委員長 ほかに御質問はありませんか。——質問もないようでありますから、それでは金城さんありがとうございました。     —————————————
  38. 岡野清豪

    岡野委員長 次に進駐軍接收家屋賃貸料の未拂いにつきまして、特別調達廰経理部次長川田二郎さんから御説明を聞きます。
  39. 川田三郎

    川田説明員 進駐軍接收民間不動産土地建物その他の建物に付属いたしまする物件の借上料の現在の支拂い状況を申し上げます。  四月一日現在の物件の総件数は全図で一万四千三百九十三、これに支拂いをいたすべき金額は一億四千九百九十七万円、ただいま集めました資料によりますと、地方の分は早急なのでとりまとめる余裕はございませんが、東京調達廰本廰におきましてどういう割合になつておるかと申しますと、割合で申しませんで、数で申し上げますと、件数は東京特別調達廰関係がただいまの総件数に対して三千六百九十六件、金額にいたしまして月額五千五百九十七万円になつております。これはほんとうの土地そのものの部分、また土地と建物を合せました部分、それから中の付属物件を総合いたしたものでございます。それでこれらに対する支拂いが二十四年度以降どのようにして行われて來ておるかということを申し上げます。先ほどの五千五百九十七万円と申しました東京分についてだけ、現在の支拂い状況がわかる次第でございます。五千五百九十七万円と申します金額は、契約すべき金額でございます。これが支出になりますまでには、契約が全部そろわなければならぬわけでございますので、今のこの契約済みの金額を申し上げることができないのは遺憾でございますが、大体月額にいたしましてどのくらいになるか。月額が大体契約済みのものが五千二百九十七万、未契約のものが三百万と推定をされております。そういたしますと四月から拂い出る金額、これは現在の米軍八軍の支拂い組織によりますと、接收報告書という、軍側がそれだけの不動産を使つたという認定をしましたアメリカ側の公文書が出まして、これによつてのみ支拂い從る関係になつております。そのために現在すでに九月の声を聞いておるのでございますが、特別調達廰拂い得るのは六月分まででございます。六月分までについてそれでは幾ら拂つておるか、これは月額の三倍になるので、月額を申し上げますと千七件、四千六百八万円を支拂済みでございます。先ほど申しました数字から支拂うべき金額は幾らであるかと申しますと、五千二百九十七万円でございます。それに対してただいまの四千六百八万円が拂われたということになるのであります。  それから現在の未拂い状況を申し上げます。現在の未拂い状況はすでに契約が済んでおります。それでなおかつ拂われてないというものが二千八百八十四件ございます。全額にいたしまして六百九十八万円で、これだけのものが未拂いになつておりますが、これは契約そのものが進みますればできるものもあり、また持主、つまり物件の持主からの請求がないために拂われないというものもごくわずかございます。それで現在この支拂いをいかにして促進するかという点につきまして苦慮いたしておるのでございますが、とつておる方法といたしましては、銀行による代理請求、それから少額のものは銀行も取扱つくれませんので、請求書職員が代書いたしまして、それによつて拂う。また葉書等によりましてこういう支拂いができるから判事を持つて來ていただきたいということを御案内いたし、それで拂う。特別調達廰におきましても、この不動産関係支拂いだけは、一般契約による工事でありますとか、品物を購入いたしますとか、そういう商業上の契約に基いたものとは別に考えまして、特殊の戰後の國際事情によりましてその土地を提供しておられる方々でありますので、できる限り御便宜をはかることにいたしております。しかし、いかんせん、件数が相当ございます。東京だけにつきましても三千六百件、約四千件ございまして、これが税法の改正等によりましてその負担額がかわりました場合には、物價廰との折衝によりましてその使用料を増額いたします。そういたしますと、この一件々々につきましてまた別に支出をしなければならぬ件数が一回につき倍になつて來る。現に二十三年度におきましてもそれがございました。二十四年度もそれが想像されております。それで現在不動産関係支拂いがおそいと言われますのは、一面において請求をするのに、一般の商業をやつている人と違いましてめんどうな感じがあるということ、それから今のように税法等の改正がありますと、それを含めて再度の支出手続をしなければならぬ。分離いたしておりますが、やはり受取られる方からの感じで申しますと、まだ支拂いがつている、こういう関係になります。数字ばかり並べますので非常にお聞き取りにくいとは存じますが、大体現在の支拂い状況といたしましてはそういう程度になつております。  なおこの支拂いがどういうふうにして行われているかという点をこの機会にお聞き取り願いたいと存じます。これは最初この接收命令が出ました際に、ただちにその契約をするのでありますが、なかなか持主は、相対の関係と違いますので、契約に應じていただけません。むしろ頼んで契約書に調印をしていただくというような事情がまずございます。さてそれがずつと続きまして、年度がかわり、年度当初においてはどうするかと申しますと、この契約の更新をいたします。これは年間で更新いたします。それから支拂いになりますためには、新しい会計の法規によりまして支出負担行為という名前の手続がございますが、要するに國家が債務を公式に負う。これをいたしますのは、年間契約をしておりながら、三箇月々々々、すなわち四半期ごとに軍の接收報告書を基礎といたしまして、債務額を確定いたさなければなりません。これがきまりまして、初めて請求をしていただける状態になるのでありまして、現在では六月分までで、この九月分までにつきしましては、おそらく軍の方から十月までにはその報告書が出て参る。そこにすでに普通の家賃、地代等から見ますならば約三箇月くらいの遅れが出て参るのであります。普通家賃でありますならば、月末にもらうというのが通常でございます。今日ではそれどころか、前金ということもございましよう。月末にいたしましても、七月から九月までの分を十月に接收報告書をもらう。それから経理手続をやる。どうしても三箇月以上の遅れが出る。これは私どもも長官初め、何らか会計法令上の救済手続を設けていただいて、もつと早期に、つまり三箇月の一四半期中に、その初期においてアクシヨンを起して、少くともその期の第一月の月末くらいにはお支拂いできるようにいたしたいとは考えております。その考慮の域には達しておりますが、いまに成案を得ないでおるわけであります。  さて債務がきまりますと、請求という段階になるのでございます。これは私どもの頭が固いと申しますか、いまだに請求書を出していただいております。会計法の建前から行きますと、計算証明規定というこまかい規定がございまして、それに請求書をつけることが規定されてございます。けれども、これは一歩を進めて、支出決議という一方的の書類によつ支拂うことができるのではないかという見解をもつて、予算の主管廰であります大藏省の理財局の方へも相談をいたしております。あるいはこれが実現するかもわかりません。しかし請求書につきましては、今のように銀行によつて約五〇%のものが代理請求をされておりますので、これはかなり所有者の負担を解減いたしております。残りの五〇%につきましてはやむを得ませんので、現在職員がその請求書を代理に調製をいたしまして、捺印をお願いする。やはりお出向きを願わなければならないので、それだけ御本人にも迷惑をかけておる次第でありますが、請求という一つの形、これを法規的に改正すれば、あるいは請求の手数だけは免れ來るのではないか。先ほど申しましたように、やや前金拂いと似た方法、経理をする者にとりましては支出報告書の來るまでに拂うのでありますから、やはり前金拂いになる。これは米八軍とも協議をいたしまして、米八軍の認証前にそれだけの金を先に拂うということについて了解をつけ得ますならば、できるのではないかと考えております。  一應これで私どもの現在までの状況を御説明したわけであります。あとは御質問をいただきたいと思います。
  40. 岡野清豪

    岡野委員長 御質問はございませんか。  川田さんにちよつとお伺いしたいのでございますが、今年の五月、六月までに投書によりまして承つたところによりますと、支拂いが昨年の十月以降停滯しておつたという話であります。しかし先般いろいろお願いしまして、多分促進したのだろうと思います。ところが最近そのあとの報告が來まして、今年の一月以降は全部未支拂いになつておる、これはどういうことになつておるのだろうかということがあります。これは兵庫縣所在の方でございます。
  41. 川田三郎

    川田説明員 これは今手元にその資料がないので、遺憾でありますが、想像いたしますと、やはり特殊というか、特定のものについては、そういう未支拂いがあると思います。
  42. 岡野清豪

    岡野委員長 これは特定のものでなくて、普通ずつと支拂いを受けて來ている会社なんです。土地持ですが、ただいまおつしやつた請求書の不備とか、請求書をよう出さないという方の立場の人ではないのでございます。
  43. 川田三郎

    川田説明員 ただいま昨年の分で拂えないのがある事情は、私どもの折衝の不十分もあるのですが、軍の方からのただいま申しました接收報告書が、十月分以降のものが未着でございまして、それが本年の三月になつて初めて政府側に入つております。
  44. 岡野清豪

    岡野委員長 ところが接收は相当早い期間に接收されて、だんだんと拂われておつたのです。
  45. 川田三郎

    川田説明員 そうです。それで接收したというものと、接收報告書というのは、違う文書なんです。
  46. 岡野清豪

    岡野委員長 接收報告書というのは最初じやないのですか。
  47. 川田三郎

    川田説明員 最初じやない、つまりそれだけを使つたという受取書です。それが常に遅れがちなのです。
  48. 岡野清豪

    岡野委員長 そうするとずつと続けて借りておつても、四半期ごとに接收報告書を受けなければならないのですか。
  49. 川田三郎

    川田説明員 そうでございます。
  50. 岡野清豪

    岡野委員長 これは土地を借りているらしいのです。
  51. 川田三郎

    川田説明員 ちようど私も最近兵庫縣下の問題で、御本人から申出があしまして、大阪の特別調達局の所管でありますが、そこにこれはもう公文では遅いので、私信を書いてやりましたら、向うでもすぐやつて、その人にこの月の五日に支拂つた。これは一月から三月までの分です。知りましたものについては、もう私信で速達まで出しておせわをやくようにしております。もう一つこういう方法もとつております。ただ利用されておらない氣味がまだあるのですが、支拂促進カードというカードをつくりまして、お申出があつた場合には、すぐその遅れておる金額、期間、またなぜ遅れておるかという推定に基いた理由を書き入れまして、自分の所からただちにその所管の部課にまわしまして、地方でありましたならば二通送らせて、向うに複製する手数を省かして、これの処理の経過をすぐよこせ、それによつて解決した支拂いも幾つかございます。私どもの取扱いましたものも、私信もやり、公信でもそういうものを出しております。お申出がないとわからないものですから……。
  52. 岡野清豪

    岡野委員長 それでは私どももどういう土地かよく存じませんから、後ほど材料を差上げますから、お調べを願います。
  53. 川田三郎

    川田説明員 いただきましたら、さつそく……。
  54. 岡野清豪

    岡野委員長 それからもう一つお伺いしたいことは、先ほどもお話なつたようでございますが、租税が相当高くなりました。そしていただく補償の地料というものとの差額が非常に多くなつている。それに対しては、あなた方の方でも物價廳と御連絡なさつて、できるだけ地租をカバーできるようなことに直してやろうという意向でやつておられるのですか。
  55. 川田三郎

    川田説明員 租税につきましては、根本の線はやはりその人のものをカバーするという線でやるのです。ところがやはり大藏省の財政面からと申しますか、それでは終戰処理費で負担するのはこの程度の歩合で——昨年度の増加に対しては六割を認めておりますが、これは大藏省、物價廰の線であつて、どれだけ終戰処理費が負担するかということでやつております。
  56. 岡野清豪

    岡野委員長 そうしますと、終戰処理費が予算で多くなつては困るから、税金が高くなつてもなかなか補償料が上げられないという立場ですか。
  57. 川田三郎

    川田説明員 いや、私の方はむしろ皆様方の御協力でもあれば、それだけ借り上げておるところに対しては税金を拂うまではカバーしてやりたい。また免税という線が課税標準の点でできないならば、接收期間中は減税ないし徴收免除、そういう方法でもとつていただいて、比較的不利益なるこの賃貸借契約を少しでも救つてあげたい、こう思つております。
  58. 岡野清豪

    岡野委員長 これはこの間特別調達廰の方へ私の方から御通告申し上げておいた一つの例でございますが、またこれを言つて來ておるのですが、政府の補償の地料は一箇年二万五千円、それに対して本年度の地租税は十六万八百五十円、差引十三万五千八百五十円の損失となりました。こういうことを書いて來ておるのですが……。
  59. 川田三郎

    川田説明員 それは私どもの線では、今はどうしてもきめられましたものしか拂えないということになるわけであります。
  60. 千葉三郎

    千葉委員 今の契約の更改でございますが、終戰当時契約したものは、どうしても動かすことができないのでございますか。
  61. 川田三郎

    川田説明員 現在の不動産の借上げ契約金額の点でございますか。
  62. 千葉三郎

    千葉委員 そうです。
  63. 川田三郎

    川田説明員 動かせます。
  64. 千葉三郎

    千葉委員 毎年動かせますか。
  65. 川田三郎

    川田説明員 毎年でも、年の途中でも動かせます。これは契約が月額の單位になつておりますので、月の区分によつて増額をいたすことができます。
  66. 石野久男

    ○石野委員 ただいまの年度当初に契約をいたしまして、支拂いをするのは四半期ごとの接收報告書をもらわなければどうしても支拂いができないという事務上の問題でございますが、これはやはり向うさまの問題なのですか。それともこちらの政府の問題になるのですか、どちらの問題になるのですか。
  67. 川田三郎

    川田説明員 それはやはりアメリカ軍の問題が出発点になつております。しかしこれは本質的なものではないと思います。なぜかならばアメリカ軍の方はスキャップ・イン、つまりGHQの覺書。あれの千八百七十二号というのが出ております。これはアメリカ側の受取書がなければ一切終戰処理費の支拂いはしてはならないという支拂いの憲法でございます。從つて接收報告書は受取りに当るわけでありまして、これは不動産のために支拂いを促進するのだから、日本政府側においてはこういう奉仕をするのだから接收報告書はあとから出たときに精算するとして、その以前に日本政府側の責任で拂つておく、こういうことは了解を受けるならば、全然不可能ではないと私どもは信ずるのであります。
  68. 石野久男

    ○石野委員 日本政府の責任において仮拂いをすれば、あとで精算ができるのだから、一つ方法はあると思うのですが、いま一つその接收報告書が非常に遅れるということについてどこにそのネックがあるのか。それは皆さんの方から見てどういうところにあるのですか。こちらの請求が遅いからですか、貸し付けた債権者が……。
  69. 川田三郎

    川田説明員 それはふだん私取扱つておりませんのでよくわかりませんが、八軍からの事務の取扱い上の命令がございまして、それを申し上げますと、四月、五月、六月の分について例をとりますならば、それを六月の三十日までにまとめて八軍に出せ、こうなつております。どうしても四、五、六というのはほぼ六月の末に向うに入る。それから向うで檢討いたしますから、早くても七月一ばいかかるわけであります。これをかりに四月は四月、五月は五月で一月ずつの順送りにやつたならばいいということが一應考えられますが、やはり件数が多いのと軍側の方の事務の都合もあつて、今こういうふうにやれときめられておつて、これをどう改善するということにつきましては、私ども今寄り寄り協議いたしまして、軍の方にもお願いしようと思つております。
  70. 石野久男

    ○石野委員 接收報告書の接收ということの理解の仕方ですが、この接收というのは、自分が家屋なら家屋を使つたということが接收になるのか、使うためにその人の所有権なら所有権を一應こちらが使うのだということが成り立つたときに接收になるのか、使つてしまわなければ農收にならないのか、どつちですか。
  71. 川田三郎

    川田説明員 接收ということと接收報告とは違つた観念でありまして、接收の方は日本政府に責任を負わす。米軍の使用した家屋を米軍に提供させる。これがいわゆるPDと申しまして、プロキユアメント・デマンド、接收命令になります。それによつてすべてRすなわちレントでございますが、Rの記わちレントでございますが、Rの記号でJ・P・N・Rの何号で出て参ります。これが接収命令であります。いわゆる接収されたというのは、この行為によつて接收されたのであります。それが事実上ずつと軍によつて使われておるかどうか、この認定が接収報告、向うから言いますとレポートになりますが、われわれの方から見るとレシート、受取書ということになります。それはほかの例で言うと非常にわかりいいのでありますが、進駐軍から工事を命ぜられた、その工事が完成したときに竣工調書を日本政府としてはつくりますが、それでは終戦処理費から支拂わない。向うの事業官がそれに対してこちらの出した文書にサインをするのでありますが、やはり向うが公文書を発行して、それで初めて支拂いの基礎がきまる。何かの工作物につきまして向うがこんなものは認めないということになりますと、それだけをサインの範囲から除外されまして、これはもう終戦処理費では拂えない。ちようど不動産を借りたということもそういう意味合いで接収報告書を出しておるのです。
  72. 石野久男

    ○石野委員 もう一つ疑義があるのですが、契約が成立してその契約に対する支拂いという問題を取扱う場合に、その契約を履行したか、どうかということにかかわらず、支拂いの責任はやはりそれを借りた者が持たなくちやならぬというふうに考えるわけですけれども、今のその問題は家を借りたとか、あるいは接収したといことは成立しましても、それを使つたという報告が來なければ絶対に今のところは向うさんの支拂いの條件を満たさないということになるわけですか。
  73. 川田三郎

    川田説明員 そうであります。最初の御疑疑につきましては、契約が成立いたしましても、契約そのものの條項から行くと、それだけでは支拂いの義務は起らない。なぜかと申しますと、契約の内容といたしまして、これを月額幾らで借りる。それだけの期間の経過ということが必要な要件になつて来る。そしてその期間の経過を公文書の上で認定するのは、今の八軍の報告であるということになつております。
  74. 千葉三郎

    千葉委員 今の問題ですが、業者が非常に困つておるのは、PDが出てから後に、さらにまたこういうような修理をしてくれとか、こういう模様がえをしてくれというような追加が出るのです。その追加が二本で出れば、最初のものは拂つてしまうわけですが、一本で出る場合がある。そのときに非常に支拂いが遅れるのです。それで場合によつては、特別調達廰で拂わないで、府縣の公共團体で直接に拂わなければならないというふうなときもあるのです。かなりそういう実例があると思いますが、現在それはどういうふうになつておりますか。
  75. 川田三郎

    川田説明員 追加のPDが出ましたときには、すぐに追加の契約をいたします。工事の場合でありますとたいてい入札であります。その場合、追加PDのときは、匿名すなわち随意契約でやるということになつておりますので、それだけでも普通よりは早くなつておりますが、支拂い関係は追加工事が出たといたしましても、一括して拂うことができるのです。
  76. 千葉三郎

    千葉委員 そういう意味ではなくて、家を建てろということで、すつかり完成してしまつた。ところが向うが検査に来て、これは模様が悪いというのでまた追加する。これは一應家は完了してしまつたのだから、支拂いを受くべきが当然ですけれども、今度新たにこういう模様がえをするというために、一月、二月また遅れる。そこで大きな最初の金が受取れない。それで非常に困つておるという人が多いのではないですか。そのときにあなたの方は一番最初の基本的なP・Dで金を拂つてしまうのですか、あるいは追加工事が終つてからそれを検收するのであるか、一体どういうふうになるのですか。
  77. 川田三郎

    川田説明員 その点は、いわゆる八〇%の概算拂い方法を用いれば、ある程度までは解決できると思います。追加工事があつたために全体の工事の受取りがとれない。その受取りがとれませんと八〇%も拂えないということになるのですが、そこをどう解決するかと申しますと、今、軍の方である追加工事をさせるのであれば、それをさせない他の部分は一応いいということになつておるのですから、その分が全体の工事の六〇%であるか、七〇%であるかということを認定してもらいまして、その大部分の八〇%、つまり工事が八割方できておるというレシートだけをもらつて、その八割のまた八割以内で概算拂いをする。この方法よりほかはございませんが、それでかなり救済できると思います。
  78. 千葉三郎

    千葉委員 あちらの方はその程度でレシートは出しますか。
  79. 川田三郎

    川田説明員 それは出します。たとえば窓の取付け方が悪いから窓を直さなければ全体のレシートは出せぬというような場合は、窓以外の分を大体八〇%なら八〇%と認定してもらいますが、これを現場の特調の官吏が相当現地の士官と交渉しなければならぬことであります。おもにそういうふうにしてやつております。しかしめつたにそういうケースはございません。
  80. 千葉三郎

    千葉委員 それからこれは直接の問題ではありませんけれども、東京都内なんかでもYMCAの体育館が返されたようですが、いかがですか、接收家屋もしくは土地は最近返されるという傾向はありませんか。
  81. 川田三郎

    川田説明員 最近どちらかというと、かつての年度よりは返される傾向がありますが、まだそう目立つてはおりません。それでこの返された土地、家屋の経済的な跡始末をどうするかという点は、いずれ議会の方に接収解除不動産処理法というような法案をお願いするようになると思います。
  82. 西村榮一

    ○西村(榮)委員 ほかに御質問がなければ、直接関連はないのですが、ちよつと参考に調達廰の方に聞いておきたいのです。先ほど委員長が指摘された中に、金額は記憶しませんが、地租が十五万円、使用料が二万円で、接收された結果その面だけでも差引十三万円の損がどう処理されるかという御質問があつたのですが、それに関連してお伺いしておきたいことは、これは事務当局の責任ではないと思いますが、この賃貸料を査定された基準は一体どこにあるか。それから第二点は、終戰処理費の予算面の金額は、かように査定された金額が予算面の上に現われておるか。私がお伺いするところは、実際の價格よりも予算面が不当に安く計算されているのではないかということであります。これは直接あなたには関係ないことかもしれませんが、來年度予算審議の上に参考になるのでお伺いしてみたい。
  83. 川田三郎

    川田説明員 先ほどの賃貸料の評價につきましては、委員会制度によつてきめる組織になつております。その内容は物價廰との話合いできまるわけであります。
  84. 西村榮一

    ○西村(榮)委員 委員会制度というものは物價廰を中心とする各省それぞれの……。
  85. 川田三郎

    川田説明員 中心とはいたしません、物價廰も参加しているわけです。
  86. 西村榮一

    ○西村(榮)委員 それぞれで査定されたところによつて処理されるわけですか。
  87. 川田三郎

    川田説明員 そうです。特調の担当部課だけではやつておりません。私どもの経理部に予算課というのがございまして、不動産なら不動産の來年度の予算はどう要求するかという仕事をいたします。これは前年拂いました実績に当年の公定價格の変更の見通しをつけて予算を組みます。從つて今のように地租なら地租が特に高くなるというときは、現実に法制化するまでは予算の上に考慮されないので、補正予算なり追加予算ということになるのであります。
  88. 西村榮一

    ○西村(榮)委員 もう一点お伺いしておきたいのです。これは直接あなたに関係はないのですが、私の考え方では、國家の歳入は地租十五万円で歳入計画をする。ところが支出は終戰処理通としてあなたの方で提出される予算面は二万円になるのですから、十三万円だけは、どこかで負担していなければならぬことになる。実際の價格として十五万円から二十五万円ないし三十万円という使用料が定められるのが現行の物價あるいは所有者の負担からいつて当然である。しかるに終戰処理費の予算面に現われているのは二万円にすぎないということになると、終戰処理費の予算面と実際との差額を國家経済の全体のどこかで負担しなければならぬということになるのですが、直接関係がないから、私は最後にお聞きしたのです。予算審議の上からも、ひとつ参考に、ざつくばらんに聞かせてください。
  89. 川田三郎

    川田説明員 地租とか、そういうものは、大体税源として考えますときは、その不動産から來る收入が税源になるわけでありますから、その課税標準の取り方が悪いということが一應考えられる。それだけの收入しかない土地に高くかけるということは、課税標準の取り方が悪いか、あるいは今の評價委員会の評價が悪いか、何らかその土地に特殊性があるか、課税評價委員会が特殊とするような上級の不動産であれば、評價を上げるべきであるし、許價が普通であると見られるような不動産であれば、課税標準を下げるべきである。その支出と負担とのふつり合いは、どちらかの観点から修正されるべきだと思います。
  90. 西村榮一

    ○西村(榮)委員 わかりました。
  91. 岡野清豪

    岡野委員長 ありがとうございました。     —————————————
  92. 岡野清豪

    岡野委員長 それでは、ただいまの問題に関連しまして、地方自治廰の財政部の岡田純夫さんにお願いいたしたいと思います。
  93. 岡田純夫

    ○岡田説明員 岡田と申します。課長と関係事務官が出かけておりますので、かいつまんで自治廰としての考え方だけを述べさせていただきたいと思います。  今特別調達廰の次長の方から話がありましたけれども、地租、家屋税の課税標準の決定に問題があるのではないかということにつきましては、自治廰としましては、地方税審議会を持つておりまして、ここでもつて十分練られておりますし、かつ今度のシヤウプ勧告におきましても、三倍ないし四倍からの地租、家屋に関するところの増税が見込まれておるわけでありますから、その点においては問題はないのではないかと考えております。  いま一つ、それでは税法等におきまして、軽減、減免の措置が講ぜられないかという問題でありますが、地租及び家屋税の決定にあたりましては、地代家賃統制令との関係がありますので、物價廰の方と十分連絡をとつておりまして、物價廰の方と相應じてこれの改訂をやつて、地租、家屋税の増徴を行つております。ただいままでも、昨年度の七月から本年度の五月、二回にわたつて改正が行われましたが、常に物價廰との連絡は十分とられておるわけでありまして、予算的に相当の措置が講ぜられておるものと、私どもとしては考えておるのであります。從つて、減免等の問題につきましては、從來、扱いといたしまして、特に公益上やむを得ない場合というようなときに取上げて減免をいたしております。從つて、いつかは一つの予算的措置が講ぜられるであろうところの地代、家賃というものを対象として、特別な地租、家屋税の軽減の措置をとるということは考えられないところであります。一應かいつまんで申し上げましたが、以上のような考え方を持つております。
  94. 岡野清豪

    岡野委員長 何か御質問ございますか。——なければ、私からお伺いいたしますが、この一つの特例としまして、先ほども申し上げましたように、一箇年の土地料をとにかく特別調達廰からもらうのが二万五千円になつておる。それに対して地租が十六万八百五十円になつております。差引十三万五千八百五十円というものが地主の損になるわけですね。そうしますと、あなたのお説で行けば、ちやんと査定をして地租をかけてあるのだから、そういうことはないはずになるわけでございます。事実接收されている人から見ますれば、十三万何がしの金を一年に損をしなければならぬということになるのですが、その調整はどうしたらよろしゆうございますか。
  95. 岡田純夫

    ○岡田説明員 地租、家屋税は、現在のところは都道府縣税、それから附加、税を合せまして百分の五百になつておりますが、これは進駐軍に接收されたものと、されていないものとを問わず、もちろん一律でありまして、その点において何ら差別的待遇はないわけであります。從いまして、その方面の問題は、物價廳及び関係方面と十分な連絡をとられて、予算措置によつて、やつていたたくべきじやないか、こういうふうに考えます。
  96. 岡野清豪

    岡野委員長 それではいかがでございましよう、この問題は、私は常識上から考えれば、はなはだ不当だと思います。なるほど自治廰のお方のおつしやることもごもつともらしく感じますし、また特別調達廳のお方の仕事のやり方から行けば、またしかたがないことと思います。ある一定の個人が自分自身で持つておるものを接收されて、一年間に二万五千円だけしかもらわないで、しかもそれが遅れがちである。しかも地租というものは十六万八百五十円というものをかけられておる。どうしても納得行きませんから、これは物償廰並びに特別調達廰、またもう一つ地方自治廰、もう一つ必要ならば大藏省の方面にも、この委員会の名において、公文で、これはどういうことになつておるだろうかということを照会したいと思います。御異議ございませんか。
  97. 西村榮一

    ○西村(榮)委員 委員長の提案に対して賛成いたしますが、それにつけ加えて、單なる地租の問題ではなしに、進駐軍が利用しておる石炭であるとか、あるいは電氣であるとか、それら進駐軍が直接間接に買い上げあるいは使用している全面にわたつて、その價格の査定の当不当というものは、一應研究してみる必要があるのではないかと思つております。ということは、これは委員長は、ただいま常識上判断ができぬとおつしやつたのですが、地方自治廰の主張も私は正しいと思います。同時に特別調達廰の諸君の事務の取扱い上も不当ではないと思う。その間において、これを解決するものは、いわゆる政治的観点から、終戰処理費の全面的な査定の方針について解決しなければならぬと思う。それは單に地租だけじやなしに、占領軍が使つておるものの物價全面にわたつて再檢討をする必要がある。從つてそういうふうな文書を出されるならば、何と何を使つておるかということについて、その價格が市場價格と一体どれだけの差があるか、他の國民経済か予算においてそれだけ圧縮しておるならば、これは現実の面においてどこか犠牲をはらつておる、これは國民経済全体のバランスの上からいつて、われわれは次の予算の上においては再檢討しなければならぬ。この問題の前提として全面的な調査をする、かく委員長の提案につけ加えていただきたいと思います。
  98. 岡野清豪

    岡野委員長 ただいま西村委員のお説はしごくごもつともでございまして、この特別委員会が取上げる問題としましては、的はずれじやありませんけれども、少し考えなければならぬ点があると思います。ですから、この西村委員の御提議は一應お受けいたして、委員会であらためて研究することといたしまして、ただいま支拂い遅延のためにこういうような要求が出ておる、それに関連して、われわれは必要なだけの注意をし、説明を求める、こういうことに今日だけはいたしておきたいと思います。西村委員のこともいずれまた委員会理事会で十分研究しまして、この特別委員会が取上げるかどうかということを決定したいと思いますが、いかがでございましよう。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  99. 岡野清豪

    岡野委員長 ではそういうことにさせていただきます。  今日の委員会はこれで終了いたします。ありがとうございました。     午後零時十九分散会