○幸島
参考人 この前の六月四日の
委員会にお招きいただきまして、ここで非常に概括的な
政府支拂いあるいはその他の機械工業に関します
支拂いの
遅延状況について私御
報告申し上げたわけでございます。その後の
事情を
報告せよという
お話で非常に喜んで伺
つたわけでございますが、本日はこの前御
報告を申し上げました概括的な数字と最近のものとを比較いたしまして、どんなふうに
政府支拂いあるいはそのほかの
関係の金融の問題が進んでおるかということをごく重点的に申し上げたいと思
つて資料をあさ
つたわけでございますが、
関係の
官廳あるいは事業会社等について調べましたものが、早急でございましたためもございますけれども、この前のと比較して申し上げるのにふさわしい資料が得られませんでしたことをはなはだ申訳ないと存する次第でございます。一應資料といたしましては最近経済安定本部の生産局の方で昨年の十二月ないし一月と、本年の四月ないし五月のものとを、大体デフレ傾向はどんなふうにな
つておるかということを主に調べました資料がございますわけですが、その方の
関係からでは、あまりここで御
報告を申し上げるようなものは得られないわけでございます。機械
関係だけにつきましては先般通産省の通商機械局が業態
調査というものを百工場ばかりについていたしましたのと、それから最近各地方の通商局の通商部の方に通牒いたしまして各地方の機械工場を網羅的に調べております未拂い状況の
調査がございますが、この両方とも——前の方の
調査はまだ集計ができておりませんし、あとの方は仙台、名古屋、廣島の三通商局から
報告が参
つておるだけで、全國的な把握をすることは、全然できないというような状態でございます。それで私といたしましては
支拂い官廳であります
運輸省とか、あるいは
特別調達廳、建設省その他につきましていろいろ聞いてまわ
つたわけでございますが、各事業
官廳ともそれぞれ御自分のところの
支拂い状況はどういうふうにな
つておるかというようなことにつきまして民間の私どもに御
報告くださることをわざわざお断りに
なつたのか、あるいはそういう
調査はないのか存じませんが、そういう方からも資料は得られませんでした。この点につきましては私どもとしては、何か
官廳にそういう
調査は常時できておらないという印象を受けたわけでございまして、先ほど
委員長から
お話がございましたように、こういうような面についても
官廳行政の組織の
簡素化と申しますか、統一のとれたそういう
調査が常時あるような形をと
つていただかないと、この
委員会でお取上けを
願つております
政府支拂いの
促進というようなこともうまく参りませんでしようし、また行政そのものも実体把握なくしてはうまく行かないのじやな
いかということを痛切に感じたわけでございまして、一應自分の
報告を申し上げます前にそういうような点につきましても今後本
委員会、あるいは
國会において
政府当局の方をぜひ御鞭撻を願いたいと、ここでお願いを申し上げる次第でございます。
政府支拂いの問題につきましては民間の
調査としては、
大藏省の
関係局の方からの依頼で先般日本産業協議会が
調査をしたものがございますけれども、これは三月十日現在というような
調査で、今その後の経過を御
報告申し上げますのには材料になりませんわけでございます。私どもの
機械工業連盟がとりあえずこの
委員会で御
報告申し上げますために急いで二十社ばかりの個別の会社、それから
関係の團体等に問合せをいたしまして得ました非常に雑ばくな資料でここで一應責を果す
意味で御
報告を申し上げたいと思います。
個々の会社の方の
調査では二十社ほどのところへ問合せを出しまして、わずか七社から昨日までに得られました資料をやつと集計をしてみたわけでございますけれども、電氣
関係の会社三社と、造船及び産業機械
関係をや
つております会社が一社と、それから
一般産業機械の
関係をやりております会社三社の
政府支拂い、あるいは炭坑、電力
関係とい
つたようなものの本年の三月末から七月末までの入金、あるいは未回収状況はどんなふうにな
つておるかというものはできたわけでございまして、これによりますと個々の会社によ
つて事情は違いますので一應これを集計いたしましたのではかえ
つて実情からは遠く
なつたような変なものができておりますわけですが大ざつぱに申し上げますと、たとえば
政府支拂いの多い、特に問題の多い
運輸省で申しますと、
報告のありましだ七社が、全部
運輸省関係の未回収を持
つております。それで見ますと、一應七社の総計といたしまして、本年三月末に一億二千二百万円程度ございましたのが、四月に一億五千七百万円、五月に九千五百万円、六月に六千八百万円、七月に六千二百万円程度入りまして、その間にさらに納品をいたしましたものなどがかさんで参りますので、出入りはございますが、ただいま申し上げたような比較的よい入金状況で、七月末現在では、一億程度の残があるわけでございます。後ほど特にこの
関係の多い日立製作所一社については別に詳細御
報告があると思いますが、この中には日立製作所
関係は入
つておりませんが、大体七社だけではそんなふうにな
つております。
それからやはりこの
政府支拂いの問題の多い
通信省、現在の電通省の
関係で申しますと、これはただ一社しか
関係はございませんが、三月末に千三百万円ございましたのが、四月にはすでに
支拂われて、あと残が全然ないという状態にな
つております。
問題のございます
特別調達廳の
関係は、四社ほど
関係を持
つておりますが、これは三月末に千百万円程度ございましたのが、四月に二千万円入り、また四月中に
相当の未回収が逆にできまして、四月末に五千九百万円ほどの残ができ、五月には二千八百万円ほど入
つて、残が四千三百万円ほどになり、七月には七月末現在で七千万円ほどにな
つておりまして、傾向としてどういうふうにな
つておるかどいうことは、はつきりこれではつかめないわけでございます。ほかの
関係省のもございますが、概括的に見まして
政府の
支拂いは——もちろんこの
委員会の政治的な圧力が加わ
つたためだろうと存じますが、おかげをもちまして非常によくな
つておるわけでございます。特に最近
運輸省あるいは電通省
関係等のエイド資金が入りましてからは、非常に
支拂いがよくな
つておりますことを御
報告できますことに、
まつたくこの
委員会の
皆様のおかげだと存ずるわけでございます。これに反しまして、石炭
関係の部門においては、直接
政府支拂いの問題ではございませんけれども、
政府の施策から参りました問題でございまして、いずれ
大塚さんから詳細の御
報告がございますと存じますが、お
手元に差上げました資料でごらんをいただきますように、地区別未回収分が増加をいたしておりまして、現在六月末まで全図的に申しますと、三十七、八億という程度の未回収が積
つて参
つておるわけであります。
電力問題につきましては、お
手元に半切れの紙をお目にかけてございますが、これは主として電力の今まで修理
関係のために特別に通商産業省の中の機械局に
委員会ができておりまして、その
委員会における重要指定工場四十二工場の未回収分のトータルを、一應一月から六月までをお目にかけたわけでございますが、多少とも未回収分については増加をしておるわけでございます。ただ電力
関係の方は主として日発及び配電会社
関係でございますが、この四十二工場の生産額か月額で十六億、未回収が十億程度、六月末でな
つておるわけでありますが、おおむね
支拂いは良好であるわけであります。聞くところによりますと、日発
関係では納品をいたしましてから檢収をして
支拂いの
手続が終りますまでに大体四十日かかるのがふつうだそうでありまして、それからみれば決して未回収はそのまま滯
つておるという状態ではございませんが、たた絶対額において機械
関係にと
つては比較的大きな数字でございますので、これがまた炭坑機械の二の舞の状態になりますと非常に業界としては大きな問題になると存じますので、一應ここで
実情の御
報告を申し上げまして、御
参考に供するわけであります。
それから個々の会社につきましては一應の
調査から得ました傾向をただいま申し上げました各
関係團体の方について
調査いたしたものから申しますと、自動車工業会で四社の自動車
業者の調べをいたしたものがございます。これで見ますと四月に
運輸省関係では、本省で四月に四千五百万円ほどの入金がございまして、四月末には零にな
つておる、未回収金は全然ないわけであります。その後若干の納品等がありまして、七月に百七十万円ほどの残があり、地方
鉄道局ではやはり四月に百十万円ばかりの入金がありまして、五月にも同じ程度の入金がありまして、
支拂い別に悪くはな
つておりませんが、ただいまのところ八百万円程度の残が地方
鉄道局として残
つておる程度でございます。ただ
特別調達廳の
関係では入金が四月に六百万円ございまして、五月はなし、六月が千四百万円ほどの入金があ
つたわけでありますが、やはり納入をしたものが
相当ございますので、四社でただいまのところ四千六百万円程度の残がございます。
それから自轉車については自轉車工業会というものがありまして、それの十六社の調べでは一切の
政府関係を一まとめにしてございます数字がありますが、それですと
政府関係の
支拂い残が二十四年三月末千七百万円程度十六社でございます。そのうち四月にほぼその程度の入金がございまして、五月にも一千万円ほど、六月にに二千二百万円ほど入金がございましたが、その間にもちろん
相当納品がありまして、六月末で千八百万円ほどの残があるということにな
つております。問題になりますのは公團でございまして、この方では二十四年三月末には五千六百万円ほどの残がございまして、そのまま入金なしに現在に
至つております。
地方公共團体の
関係ではわずかに六十万円程度三月末にございましたが、その後やはり納入があり、
支拂いがありまして、現在の四百三十万円ほどの残が
地方公共團体としてあるというような
報告が参
つております。
それから
日本電氣通信工業連合会というものがありまして、これは主として通信機の
関係の事
業者團体でございますが、この方の
調査でございますと、一應有線
関係の機械で二十三年度に四十億ほどの——これは日発その他二億五千万円ございますが、あとは逓信省、
運輸省、それから
國家警察というようなところで全体で四十億ほどの発注がございましたわけです。これもやはりこの
委員会のお力等によりまして、二十三年度の分は全然もう未回収はございません。本年度は
予算の
関係で、三十四億程度の発注計画がございますそうですが、今までのところではこの
関係のすでに納入いたしましたものについての
支拂いは、ほぼ済んでおるということでございます。無産
関係につきましては、二十三年度に十二億円の発注がありまして、これも全部すでに
支拂い済みでございます。二十四年度の発注計画が十五億円ほどございますが、これも今までできまして納めましたものにつきましては、ほぼ滯りなく代金を頂戴しておるという
報告を受けております。
それから鉄道車両につきましては、これは一應鉄道車両工業会というものの
調査でございますが、完成車だけでこの三月末現在で
契約金額が十六億七千百万円ほどございます。部品等を含めると二十八億六千七百万円程度の
契約高がごさいましたわけですが、一應十四次までの
支拂いとして、完成車だけについてこの部品を含めましたもので、十八億ほどの
支拂いをいたしまして、あと十五次、十六次、十七次と七月末までに各月一億一千百万円なにがしというような程度の
支拂いをして参りまして、十五次から十七次までで三億三千四百万円ほど
支拂う計画がございまして、これは全部で二十一億五千八百万円ほどの
支拂いが七月末までにあると計画にはな
つておりますわけですが、この点については後ほど
龜田さんから詳細な御
報告があると思いますが、計画
通りには行
つておりませんが、この計画では七月末までに当初ございました二十八億のうち七一%が
支拂いを
完了するという計画にな
つております。
それから鉄道車両以外のたとえば機械
関係の工作機械とか、理化学機械とか産業車両というようなものでは、二十四年の三月末に未拂いが一億九千五百万円ほどございましたのですが、ほぼ今までに
支拂い済みにな
つておるということでございます。
それから電機計測器の
関係では、わずか二社だけの回答でございますが、これも
運輸省関係で三月末に二百五十万円ほどの未回収がございましたのが、四月に五百二十万円ほど入り、六月に百万円ほど入りまして、その間の納入等もございまして、現在は二百五十万円ほど残
つております。
逓信省
関係としてはわずかでございますが、十七万円ほどございましたのが、現在はわずか五万円足らずの残にな
つております。こういうふうに大体
政府支拂いの
関係は各業種についておかげをもちましてほぼうまく行
つておると見えるわけであります。
もう一つ電機
関係の電氣機械につきまして、日本電氣工業会という團体の二十五社の調べでは、
政府関係として三月末に賣掛金が合計六億二千五百万円ほどございましたのが、四月末には一億五千万円ほど減りまして、四億八千万円、五月末には三億三千三百万円というふうに未回収分は漸減をいたしております。ただ
地方公共團体の分が百八十万円、三月末にございましたのが、四月末には二百十万円になり、五月末には四百八十万円ほどにな
つております。
公團
関係では各種の公團の
関係のトータルで、三月末に一億四千万円ほどございましたのが、四月末には九千二百万円ほどになり、さらに五月末ににふえて一億四百万円という残が出ております。先ほど
ちよつと触れました電力
関係の機器につきましては、三月末に四億六千五百万円、それが四月末には四億七千三百万円になり、五月末には五億六千四百万円というふうに逆に漸増しております。
また炭鉱機械の
関係につきましては、三月末に六億三千五百万円ほどございましたのが、四月末には七億三千万円ほどになり、五月末には七億七千万円を越えているという状態でございまして、これも先ほど申し上げましたように、だんだんとふえている状態でございます。大体各團体の
調査なり、あるいは隅々の会社から直接とりました調べでは、ただいま御
報告申し上げたようなことで概括的に見まして、おかげをも
つて政府支拂いの
関係はその後非常に好轉をしております。特にエード資金が若干出ました後は非常に
支拂い関係がよくな
つているということを御
報告申し上げ得るわけであります。ただ
地方公共團体につきまして、は、額は少いわけですが、これは
予算等の
関係で
支拂われているのだと思いますが、
支拂い関係が
一般にだんだん悪くな
つているということは申し上げられるのではな
いかと思います。
機械
関係として問題になりますのは、やはり炭鉱機械の未拂い問題というのが、非常に大きな問題にな
つておりますことは、この前申し上げましたわけですが、さらにその後悪化しておりまして、今の情勢では多少曙光もございますわけですが、この問題については特に
政府支拂いの
関係の
委員会におきまして、お願い申し上げる筋ではな
いかもわかりませんけれども、特に御配慮いただきたいと存ずるわけでございます。また最近御承知のように、貿易
関係の悪化あるいは
一般のデフレ傾向から輸出商品なりあるいは國内商品なりの滯貨が
相当にできて参りまして、これは機械
関係ばかりではございませんが、この点についても御配慮をいただきたいと思うわけでございます。
もう一つ特に鉄鋼の補給金問題、これは機械工業に及します影響というものは十分御承知をいただいていると存じますが、特に資材の大
部分を鋼材とかあるいは鋼鉄によ
つております。機械工業あるいは造船、車両工業というふうなものは、この補給金の撤廃あるいは一時的な大幅の削減ということによ
つてこうむる影響は非常に大きいのでありまして、この点についても十分御配慮いただきたいと存じております。一應問題の所在だけを申し上げまして特に御高配をいただきたいと思います。たいへん要領を得ませんで申訳ございませんが、その後の経過を申し上げた次第であります。