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1949-07-25 第5回国会 衆議院 政府支払促進に関する特別委員会 第10号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十四年七月二十五日(月曜日)     午後二時十四分開議  出席委員    委員長 岡野 清豪君    理事 大上  司君 理事 澁谷雄太郎君    理事 島村 一郎君 理事 庄司 一郎君    理事 上林與市郎君 理事 河田 賢治君       小山 長規君    首藤 新八君       高間 松吉君    田中 啓一君       南  好雄君    荒木萬壽夫君       川上 貫一君    羽田野次郎君       石野 久男君  委員外出席者         総理府事務官  加藤 八郎君         大蔵事務官   伊原  隆君         大蔵事務官   松木 巖馬君         運輸事務官   笹嶺  清君         日本國有鉄道資         材局準備課長  大石 敏雄君     ————————————— 本日の会議に付した事件  政府支拂促進に関する件
  2. 岡野清豪

    岡野委員長 これから会議を開きます。  皆様お暑いところを特に御出席くださいましてありがとうございます。もし少し早く開くはずでございましたけれども、各官庁に対していろいろ資料を出していただくように照会を出しておいたのでありますが、それがなかなかか集まりませんで、たいへん遅れました。今日開きましても、集まりましたものはまだ厚生省総理庁運輸省特別調達庁くらいなところでございまして、はなはだ遺憾でございます。またそういうものを出していただきましても、今これを研究しまして議論になるような材料になつておりませんから、またあらためても少し詳しいことを調べなければならぬ、こう考えております。それから新聞広告も出しましたし、各府縣知事照会を出しまして、いろいろ一般から、また各縣から集まつたものもいございますが、それを実は私がかずつと資料にして皆様に差上げたいと思いましたけれども、つい二、三日前に届いたようなものばかりでございまして、準備がありませんから、私が読みまして集録した結果を皆様に御報告申し上げます。  それによりますと、意見を出してくだすつたお方が二、三ございますが、その意見につきましては、みな官庁手続が非常に複雑煩瑣であるから支拂いが遅れるのだ。これを直してくれなければ、いかにしても支拂い遅延ということは免れぬだろうというのが一致した意見でございます。これにただいままでいろいろ業者とか、東京における本省のお方お話を伺いましても、やはり官庁それ御自身としても肯定されておるところの御議論でございます。それからまた一面から言いますと、業者の方はそれが一番苦しい、こういうことを言つておりますから、当面の問題といたしまして、支拂い遅延しておることを促進することが第一の義務でございますけれども、また政府支拂いというものは、將來もずつと一番大事な件になります。同時にただいま金融が非常に詰まつておるから、政府支拂いが遅れておることがたいへんな財界の問題になつておりますけれども、聞くところによりますれば、過去いつの時代でも政府支拂いは非常に遅延がちのものである。こういうことでございますから、どうしてもそういう支拂い遅延するというような制度を根本的に改正して行かなければならね、こう考える次第でございます。つきましては、あと皆さん方の御意向を伺いまして決定したいと存じますが、各官庁における政府支拂い手続が一体具体的にどうなつておるか、どこでそういうような遅延をすることがあるか。またどこに複雑さがあるか。どこに煩雑さがあるか、そういうものは一体どうにもならぬものかということを至急に調べて、將來のためにも考えて見たいと思います。  そういふうでございまして、ただいま私が持つております材料で、まとまつた意見を申し上げるようなことにできない状態でございますが、ただいままで受取りましたところの書類によりまして判断いたしますと、とにかく官庁手続をもう少し簡素にしなければならぬということがまず第一点、それから第二点としましては、これに特別の一種の意見として、ただ意見だけを相当な人が寄せてくれた中にも、官庁支拂いが非常に遅延するというのは、はなはだ不当ある。そして國税徴収法によつて税金の滞納には二十銭の日歩をとつておるけれども、官庁の支払いが遅れたのに対してに何らの報償がない。これではやはりわれわれはやみ金融もしなければならぬし、高い金利の銀行金融もして事業をしなければならぬので、勢い官庁に対して高いコストのものを納めなければならねという不合理があるから、どうかひとつ官庁支拂いが遅れた場合には延滞利子をとつてもらいたい。こういうふうな要望がたくさん出ております。これも將來政府支拂い遅延しないようにする何かの対策を講じますときには考慮に入れなければならぬ第二点だ、こう考えます。  それからいろいろございますが、まず運輸省あたり材料ちよつと拜見しまして、これに皆様方のお手元に差上げておるのでございますが、二十三年度分の責務の確定分が七十六億八千百万円ぐらい残つておる上に感じます。二十三年度分の債務が未確定であり未支拂いになつた——二十三年度分の債務が未確定であるといううなことには考えられない状態でありますけれども、やはり表の上から判断しますとそういうような結果になります。そういうものが十二億八千六百万円あるように考えられます。こんなことはもう一度そういうふうな当該省に当りまして、その事情を十分追究して行きたいと考えております。  それから新聞広告なんかによりまして出しましたもので一番出て來ますことは、進駐軍に接收されました土地並びに家屋賃貸料でございますが、その賃貸料が昨年十月以降まつたく受領していない。それからまた受領する額が、税金としてその土地建物に対して納める額の三分の一ないし四分の一、はなはだしくなると非常な金額に達する。こういう不合理は直してもらわなければならということが、やはりどの進駐軍に接收された不動産の不平言つて來ておる中にも、異口同音に述べれておるようであります。この辺もやはりいろいろな点で考えなければならないことと存じます。  それから厚生省の表、これはお手元に差上げてあるはずですが、今日私拜見したばかりでくわかりませんけれども、大体二十三年度分に全部支拂いが済んでおるようです。二十四年度は相当あるようでありますけれど、ここに契約額というものと未支拂額と載つておりますけれども、契約額にしてでに期限が到來しておるかどうかということも、実は見きわめがつきませんものでから、この表としては判断がつきませんけれども、二十四年度分として相当拂わなければならぬものがあるのではないかという感じもいたします。これも一応照会しなければならぬと思つております。ただ厚生省に対る不平としまして、二十三年度分にすでに未支拂いにないというふうに、今日拜見した表はにありますけれども、地方から來た、これは一例でございますけれども、健康保險でございますが、その健康保險の金を幾ら請求しても拂つてくれない。もう半年ぐらいになる。とるときにに保險料をどんどんとつておきながら、さて拂うとなると政府はなかなか拂つてくれないというような例が出ておりました。之も一応調べなければならぬ項目の一つかと思います。  それから各府縣情勢を見ますと、これは報告が大変少のうございまして、ほとんどないと入つてもよいくらい名程度でございますが、來ました四、五縣の中では未支拂分がちつともないという縣が二、三あります。ありますれば、薪炭受給特別会計からの支拂が遅れておつて、炭を非常に滞貨しておつて、今年の冬にはこういうような滞貨があるために生産者が炭を焼かない。だから今年の冬の炭が需要に応じ得るかどうか非常に疑問であるというようなことを諄々として説いておられる縣もあります。それからやはり進駐軍関係で非常に困つておると言うところもあります。  いろいろ考えてみますと、特別調達庁関係市中不平不満があるようなことも大分あるように思いますから、これは特別調達庁の方に相当研究をしなければならぬと考えております。  大体只今まで私の手元に來ましたもので、皆様方に差上げてご参考に今日したいと思いますものは、つい最近手元に入りまして、それを印刷して差上げることができないものを私自身が読みまして、そうして結論を出しました、それだけのことを御報告申し上げたのであります。  次に今日は大蔵省理財局長並びに総理庁経理局長のお二方においでを願いまして、このお二方からの後の官庁側情勢をお伺いしたいと存じます。
  3. 川上貫一

    川上委員 この委員会はどういう具合に開くのですか。御予定もあるでしようが、この理事会か何かをお開きになつて、この委員会の今日の運営を御決定になつておるのですか。どういうことになるのですか。
  4. 岡野清豪

    岡野委員長 今日の委員会は、その後の状況を調べようと言う委員会であります。
  5. 川上貫一

    川上委員 それはどこできまつたのですか。
  6. 岡野清豪

    岡野委員長 これは閉会前に、ときどき閉会中に集まつて、その後の状況聽取並びに研究をしようということは、理事の方と話し合いができておりますから……。
  7. 川上貫一

    川上委員 聞くだけですか。
  8. 岡野清豪

    岡野委員長 聞くと同時に、皆様方のお調べを願つた結果を御報告願いたいと存じます。そうしてこの委員会としても地方に御出張願つて、そしてその出張願つたお方お話も承りたい、こういうこともこの委員会の指名でございます。
  9. 川上貫一

    川上委員 そうすると今日の委員会の順序はどうなるんですか。
  10. 岡野清豪

    岡野委員長 今日はこれから理財局長並びに総理庁お方のその後の政府支拂いに対する政府側情勢を承りまして、それから後皆様報告を承りたいと思います。
  11. 石野久男

    石野委員 理財局長の御説明を承ります前に、只今委員長から御報告がありました件について一、二御質問申し上げたいと思います。なおその前にお願いしたいのは、実はここにもらつておる表を見ますと、理財局は別といたしまして、総理府関係資料は、政府支拂の方は非常に順調にいつているように出てるわけです。最も問題になりますのは、特別調達庁運輸省関係だと思う。本日ここで開きます委員会を過ぎると、次の機会までまた大分期間があるとだろうと思いますので、ぜひ特別調達庁並び運輸省関係の方においで願いまして、この資料説明とか、あるいはまたわれわれからの質問に対してもお答えいただきたい、かようなお手配をしていただきたい。
  12. 岡野清豪

    岡野委員長 そういうことも委員会を開きました上でいろいろ御意見が出るだろうと思いましたから、この材料をお目にかけると同時に、そういう御要求を承つて、その後でいかに委員会を開くかということを御相談申し上げたいとは存じておりました。
  13. 石野久男

    石野委員 それはこの委員会を開いた後でなくて、この委員会の席上にすぐ運輸省の方と特別調達庁の方をお呼び寄せ願いますようにお願いしたい。
  14. 岡野清豪

    岡野委員長 それでは、官庁もなかなかお忙しいから、言つてもすぐ來てくれるかどうかわかりませんけれども、呼ぶ手配だけいたしましよう。
  15. 石野久男

    石野委員 それはひとつお願いいたします。  なおただいまの御報告によりまして、大分委員長手元まで資料が來ておりまして、われわれのところまで渡すだけの十分な期間がなかつたために概略の御報告願つたのでありますが、ただいままで手元に來ております各地方からのそうした調査書類は大体何件ぐらい集まつているのですか。
  16. 岡野清豪

    岡野委員長 都道府縣で六件でございます。それから勘定しておりませんけれども、占領軍接収家屋賃貸料とか、農地買い上げというのが五、六件來ております。それから引き揚げ者とか、恩給の問題、傷病手当の問題、これが四件ほど参つております。
  17. 川上貫一

    川上委員 これは希望なんですが、この委員会はどうも政府説明を聞く会のようなことに今までずつとなつて來たと思うのです。政府説明を聞いて追つてもらちはあかぬ。こつちの方は聞きたいことがたくさんあるわけです。ですから、委員会運用としては、政府説明の方は簡単でよいから、それよりかわれわれ聞きたいことが大分ある、それを十分に説明してもらわなければ困る。そこで今石野委員からも言われたように、政府の当局の方がきておられなければ話にならぬ。話を聞いたところでこれはさつぱりらちがあかぬ。そこで関係係りの方はぜひ出てもらうこと、それから説明を非常に簡単にしてもらつて委員の方からの質問に対して答えてもらうようにしていただきたい。こちらの意見中心にしていただきたいのと思うのであります。
  18. 岡野清豪

    岡野委員長 もしなんでございましたらば、こういうことの材料があるからこういう質問があるということを委員長手元まで事前に御報告していただきますれば、それに合つたように各官庁の係官を呼んで、そうして会を開いたらどうかと思います。いかがでしようか。
  19. 川上貫一

    川上委員 各官庁に一つづつ分けてやりますからさつぱりその見当がわからぬ。これは委員長も先に言われたように、政府全体の支拂い手続きに非常に問題がある。あるいはそのほか取扱い上に問題があると言うところに実は非常に大きい問題がある。各分担された何省々々ということになりますと、技術的の問題はいろいろありますけれども、根本には一向触れて來ない。私のところには未支拂いはありませんという説明が出てきてみたり、私のところはなんぼなんぼ未支拂いが出て参りますけれども、政府としての、政府支拂いあるいは未支拂いの問題についての基本的な問題には、各省の話を聞いたつて触れて来ない。それだから、当然そういう全体について責任を負うところの方が來てくれればそれで私はいい。各省別に一々呼んでも、各省ことごとくが別々な取扱いをしておるわけじやないのですから、どのくらいたまつておるとか何とかということは、表をもらつたらわかる。何も各省から係りの人が出てこないでもわかる。われわれ聞きたいのはそこなのだ。政府支拂い問題について政府は一体どう考えておるのか、どう取扱つておるのかということの方が聞きたい。そういう意味ですからこれは片づく問題である、そういう考えを持つております。
  20. 岡野清豪

    岡野委員長 そうしますと、川上委員のおつしやることについては、だれを呼んでどういうことを聞いたらいいのでしようか。
  21. 川上貫一

    川上委員 これは私が質問すればわかつてくるのですが、当面大蔵省が一番中心だと思うわけです。それから内閣それ自体関係がある。これは官房長官であるかどうか、私職制上のことは知りませんが、それ自体責任がある問題だと思う。それから政府支拂い遅延などということは、たとえば特別調達庁に未支拂いがたくさんあるといつても、これは特別調達庁だけの責任ではない。もし未支拂いがあれば、政府責任である。これを末端の、例えば厚生省なら厚生省関係の人が來て言うといつても、これは厚生省の事務的な説明しかできない。それだから私の言いましたのは、各省の人ことごとく出なければわからぬという問題も案外少い。もし出てもらうとすれば特別調達庁運輸関係が一番大きいようですから、これは特に出てもらつてもよろしいが、そのほかに当面の責任のある政府当路者に出てもらわなければ道も話が進まぬ。
  22. 岡野清豪

    岡野委員長 それではただいま川上委員のお申し出を後で理事会に諮りまして御主旨の沿うようにひとつ委員会運用の仕方を研究いたしましてからいたしましよう。
  23. 川上貫一

    川上委員 けつこうです。大体お開きになる時分に理事会お開きになることは当然です。そうしてあらかじめこの議事の運用について考究せられて、それからやつた方が本当はよかつたと思うのでありますが、今日はこれでやつて、そうしてあとのこれをどう運用していくかという問題については、理事会を開くなり、全員に諮るなりしておきめ願つた方がいいと思う。そうでありませんと、今までのように形で、ずるずるやつておりましたのでは、何べん開きましても、政府のいろいろな事情をお聞きするということで済んでしまうと思う。
  24. 岡野清豪

    岡野委員長 よくわかりました。
  25. 島村一郎

    島村委員 丁度今川上君の御発言は、先ほど個人的に委員長に私にお漏らしくだすつたこととぴつたりしている。あらためて理事会なら理事会にお諮りになる。ちようど委員長お話も同じ事であります。どうぞそうお運び願いたいと思います。
  26. 岡野清豪

    岡野委員長 何か御発言ありませんか。
  27. 石野久男

    石野委員 ただいま川上委員からも御発言がありまして、今後の運営については理事会で協議してやつていくということでありますが、本日、先ほど申しました特別調達庁運輸省の方々においでになつていただくほかに、大蔵大臣にも、もしおいで願えるのでしたらば、來ていただきマすれば非常に都合がよろしいのではないかと思います。
  28. 岡野清豪

    岡野委員長 それでは大蔵大臣がもしおいでになられれば出てもらうように連絡いたしましよう。  それでは御発言がもうないようでございますから、大蔵省理財局長伊原さんにお話を願います。
  29. 伊原隆

    伊原説明員 ごく簡単に政府一般的な收支状況を御説明申し上げたいと思います。政府資金收支状況につきまして、先ず第一に四、五、六の第一・四半期と、それから七月九日までにつきまして、全般的な政府の収支の状況を御説明申し上げます。  先ず第一に、四、五、六の三箇月間、第一・四半期に起きまする政府收入支出との関係について申し上げますと、一般会計におきましては、四、五、六の三箇月におきまして收入支出との差額は百一億四千五百万円收入超過に相なつております。これは收入の方におきまして千四百四十一億七千九百万円、支出が千三百四十億三千四百万円でございまして、差引百一億四千五百万円の引き上げ超過になつております。これは政府が当初予定いたしておりましたよりも、多少支拂いの部分が少ないのではないかというような感じがいたします。なお第二に特別会計でございますが、特別会計におきましては、政府收支状況は百七十三億三千四百万円の支拂い超過になつております。これは收入が千六百五十三億でございまして、支出の方が千八百二十六億でござい増すために、百七十三億三千四百万円の支拂い超過になつております。  このおもなものは、一般会計について先に申し上げますと、收入の方では、租税におきまして九百十九億、それから專資益金が三百二十六億というふうなものが收入のおもなものでございまするし、歳出の方におきましては、終戰処理費が二百三十四億、それから價格調整費三百七億、地方配付税二百十五億というふうなものがおもなものでございます。それから特別会計におきましては、御存じのように食糧特別会計は、現在におきましては食糧を買いますより賣る方が非常に多いために、二百九十六億の引き上げ超過になつております。これは食糧を賣つてつて來る金の方が多いために二百九十六億の引き上げ超過でございますが、鉄道におきましては百七億、それから貿易資金おいて二百九十二億というふうな支拂い超過をいたしております。政府收支につきまして、結局一般会計特別会計を合計いたしますと、ただいま申し上げたように、約七十二億程度支拂い超過ということになつておるのでございますが、預金部におきまして、これは政府支拂いではございませんが、預金部が八十九億の引き上げ超過、つまり郵便貯金はたまりますけれども、運用の方ができませんので、約八十九億の引き上げ超過、それから政府短期証券を召還をいたしておりますが、これが三百九億の支拂い超過、差し引きいたしまして四、五、六の三箇月間におきまして、政府は二百九十一億九千二百万円、約三百億の支拂い超過をいたしております。民間に対してまして、約三百億だけ支拂いをよけいやつておるということになつております。しかるのその間三、四、五の三箇月で、通過は百十九億の減少を示しましたけれども、これは日本銀行の勘定におきまして、実質的に貸出しが回収になりましたり、そのほか日銀勘定で四百億以上民間から資金を引上げましたためで、政府が約三百億支拂いましたけれども、日銀勘定が四百億くらい引き上げ超過になりましたために、百十九億通貨の減少をいたしております。なお七月に入りましてからは、六月末の政府租税收入が非常にありました等のために、七月上旬におきましては、七月九日まででございますが、一般会計おいて八十五億の引き上げ超過をいたし、それから特別会計では二十三億の支拂い超過をいたしまして、そのほか預金部で三十一億、これも民間から資金を吸收いたしまして、差引きいたしまして、七月に入りまして、七月九日までは七十九億の金を民間から逆に引き上げております。こういうわけでございまして、政府では現在、土曜日になお百四十六億の当座預金を持つております。それから百十二億だけ指定預金して外部に預かつておりますので、合計二百五十八億だけ金を持つております。なおそのほかに技術的のことでございますが、他の特別会計に金を貸したりいたしておりまするので、政府は約四百億程度の自由に処分し得る金を持つております。それで本日付を持ちまして、民間指定預金ということをいたしまして、百四十六億の内百億だけ市中銀行にお預入をいたしまして、民間に還元するという処置をとりましたわけでございます。政府收入はただいま概略を申し上げたとおりでございます。  第二に、大蔵省におきまして、政府支拂い苦情処理期間のようなものを——国会のこの特別委員会資料をつくるというふうな意味もございまして、苦情処理期間をつくつてみたのでありますが、ただいままでのところ大蔵省苦情処理申し出ました件数は三十二件、金額にいたしまして十億円の苦情の申出がございました。これは実はもつと苦情がたくさんあるのではないかと予想しておりましたけれども、どういう理由でございますか、苦情申し出が非常に少ない状態にございます。これは決して支拂い未済が苦情に属するような事項がないから申出がないのではなくて、実際問題といたしまして、宣伝などが足りないためかと思いますが、申出は三十二件しかありません。これにつきましては、政府支拂促監査委員会というものが、やつとメンバーがそろつて、先週末にできあがつたのでありますが、そちらの方に資資料をお送りいたしておる状態でございます。ただ一般金詰まり対策との関係について、最後にごく簡単に申し上げたいと思いますが、政府におきましてもドツジ予算の成立以後デイス・インフレというより、むしろデフレ程度まで信用、通過状況減少いたしておりますので、むしろこれをデイス・インフレラインまでどうやつて調整して参るかということが、一番大きな仕事に相なつておりますので、金融面におきまして相当いろいろな手を打ちますと同様に、政府支拂の方も何とかしてよけいに出すということについて、苦心をいたしておるのでありますが、ただいま申しましたして預金の百億等も、それに基いたわけでございます。なお第一・四半期以後におきまして、むしろ支拂い超過になる程度收支予定を立てた方がいいのではないかということで、ただいま進んでおる次第でございます。なおこの政府関係で、郵便貯金相当引き上げ超過になつてしまつておりまして、この融資は約三百億程度あるのでありますが、これをデイレクテイブによりまして国債と地方債以外に融資ができないということも、相当金融には影響いたしておりますので、この方から預金部の金をどういうふうに使うかということについても、ただいま折衝いたしておるようなわけであります。  ごく簡単でございますが、その程度経過報告を申し上げます。
  30. 岡野清豪

    岡野委員長 何か理財局長に対して御質問ありませんか。
  31. 首藤新八

    首藤委員  ちよつと理財局長にお伺いしたいのですが、今デフレデイス・インフレにひきもどすということで、いろいろやつているということでありますが、そのうち具体的にやつたことは、政府預金の振り替えだけなんですか。他に何か対策ができているのですか。この点ちよつとお伺いしたい。
  32. 伊原隆

    伊原説明員 このデフレーションの減少デイス・インフレラインまで調整いたします点につきましては、これは政府支拂の面はもちろんでありますが、むしろ金融面におきまして打つ手が非常に多いのでありまして、金融面につきましての問題の方が割合に重点を置いてやつているのであります。政策委員会もできましたことでありますので、例えば融資の問題につきましても、甲乙丙の区分につきましてある程度檢討を加えまして少なくとも丙種の産業などの融資の部分を多くいたしますとか、それから預金部資金につきまして、公団関係につきましてこれを融資する。その食糧関係五公団に融資をいたしました金で、復興金融金庫に返りました部分、四十億の金が返るのでありますが、それらについて、それをもとにして保証融資をいたしますとか、それから中小産業の部面におきまして、いわゆる中小産業金融の枠を広げますとか、そのほか金融面につきましていろいろ手を打つことにして、考慮いたしております。政府支拂い部面におきましては、ただいま申し上げましたように、現在あります金を指定預金をいたすという以外に行きましては、大きな筋といたしまして、ただいま申し上げましたように、大体順調に行つておりますので、政府支拂いの部面におきましては、ただいま申し上げた程度のことしかやつておらないのであります。むしろ先ほど委員の方からお話がございましたように、大筋におきましては、支拂いを促進することについて努めているのでありますが、末端の技術面においてつかえている問題が苦情の問題になつて出て來ているのではないかと思うのであります。
  33. 首藤新八

    首藤委員 今のお話の中で丙種の撤廃のことでありますが、新聞によれば撤廃とも言い、あるいは撤廃は困難で緩和する程度にとどまるということを傳えられておりますが、どういうところまでこれが行われておるのか、もう一度はつきりお答え願いたい。  それから中小企業に対する金融ですが、これも十二億を二十五億に拡張したと言うし、また一面ではもつと大きな金額に拡張されたという説もありますが、大蔵当局ではどの程度までこれを拡張されたことがはつきりしておるのか、この点をちよつとお伺いしたいと思います。
  34. 岡野清豪

    岡野委員長 速記をちよつと止めてください。     〔速記中止〕
  35. 岡野清豪

    岡野委員長 速記を始めてください。
  36. 首藤新八

    首藤委員 私もう一度お伺いしたいと思いまするのは、今政府の方で当面の金融梗塞を緩和するためにいろいろの手を打たれておる。これもけつこうでありますけれども、先ほど局長が言われた通りに、現在の金融の梗塞は根本的に銀行業者が貸出しを警戒するということに私は一番大きな原因があると考えます。従つてかりに丙種の三%を十五%に拡張し、あるいは中小企業の別わくを二十五億に拡張いたしましても、それらを取扱うところの銀行家の態度、考え方が從來道理でありますならば、せつかくかような手を打つても実際的効果は期待できないのではないかということを怖れるものであります。現に三千五、六百億の兌換券が二千八百億台に減少したということは、完全にこの間の事情を物語つておるものであります。そこでどうしても当面の金融を緩和いたしますことのためには、こういう手を打つことも必要であるけれども、根本的には銀行の貸出しに対する態度をもう少し公共性を持たせるとか、あるいは前途に対する行き過ぎた悲観説を是正するとか、それらの点に重点を置いて、そうして銀行家の貸出しをもつと積極的にするような指導方法をとることがこの際最もやるべき大きな対策ではないかと考えるのでありますが、この点についてどういう考えを持つておるか、この点をお伺いしたいと思います。
  37. 伊原隆

    伊原説明員 私からお答え申し上げることが適当かどうかわかりませんが、私の知つております限りにおきましては、ただいま仰せのように現在の金詰まり状況、これは金がなくてではありませんで銀行として金を貸し出す適当な相手がないという点に大きな根本があるのではないかと思うのであります。これに対しましては私は金融機関を責めるというふうなこども、お話の点もございましたけれども、金融機関としましてはやはり公衆の金を預かつておりますから、判断の付かないような企業に対して金を貸し出すということもいかがかと思うのでありまして、むしろ企業の方で金を借り得る体制を整えていくと言うことが必要ではないかと思うのであります。もちろん金融機関といたしましても、行き過ぎの警戒氣味というようなことがないようにしていただきたいということは、政策委員会におきましても、大蔵省におきましても常に言つておることでありまして、例えば少なくとも約千億の金が政府から今年は金融機関の手に入る予定でありますが、自分の貯蓄で吸収いたしました金についてはある程度自由にしてもいいかと思うのでありますが、政府の力によつて与えられた金等につきましては、或程度のひもつきと申しますか、重要な産業には貸出しをしてもらいたい。それから長期のものに社債を持つてもらいたいというような約束のもとに、政府の方の金を金融機関に入れて行くということが必要ではないかと考えておるのであります。それから復金がとにかくなくなつてしまいましたために、特殊金融というものがなくなりまして、すべてが一般金融機関でまかなわなければならないということは相当の問題でありますので、ただいま申し上げましたように預金部の金を活用いたしまして、預金部の金を農林関係の五公団に九十億程度でありますが、融資をいたしまして、これが結局そのうち四十一億ほど復金に返りますので、それを基金の保証的貸出しをやつていきたいということも考えております。それから特殊金融機関の公債を買い上げまして、ある程度特殊金融機関の融資の機能を活発ならしめる信用補償制度をできるだけ強化して行く。それからなお見返り資金等につきましても、なかなか活用が遅れておりまするが、たぶん今日当たり鉄道と逓信に、鉄道五十六億、逓信十四億でありましたか、七十億程度の貸出しができるようになると思つております。そのほか見返り資金の活用についてもいろいろ懇請をいたしておるわけであります。
  38. 石野久男

    石野委員 ただいまの伊藤局長から最後にお話になりました見返り資金の使い方について、特に鉄道と逓信とのお話がございましたが、大体今日それが確定するのでございましようか。
  39. 伊原隆

    伊原説明員 御存じのように見返り資金につきましては、百億の金が現在やつと繰り入れになりまして、この百億の使い方は、鉄道五十六億、逓信十四億、あと三十億が一般産業ということに相なつておりますが、鉄道と逓信につきましては、これははつきりわかりませんが、たぶん非常に近いうちに——今日くらいという話があるのでありますが、確定いたしたとは聞いておりませんが、非常に近いうちに許可があつて貸出しができると思つております。たぶん今日だという話でありますが、私がここに出て参りますまでに、今日許可になつたという話はいまだ聞いておりません。
  40. 川上貫一

    川上委員 政府支拂の問題に直接関係ではなくて、間接的の関係になるのですが、ちよつと話が他の委員の方からも出ましたが、つけ加えて申し上げて、御意見を聞きたいと思います。  中小企業の資金のことについては、これはもちろん大きな問題でありますが、インフレあるいはデフレという問題を、大蔵当局の方では金融操作で解決できるようにお考えになつておるようなことを承りますが、この問題は金融の操作というような問題で解決できる問題でないということについては、どうお考えになつておるか。大体今の政府金融並びに産業の計画は、國内の購買力というものを問題にしないで、いわゆる飢餓輸出なんですが、飢餓輸出の趣旨をとつてつて来ておられる。すなわち國内の購買力を問題にしないで、輸出だけやろうというのですから、当然飢餓輸出になつて來る。ところが買手が頭を打つておる。これは先日の商工委員会でも商工大臣からも答弁があつたのですが、相当頭を打つておる。見込みがあるあるといわれますが、実際は確実なる見込みがない。これはくずれて行くと、國内の消費市場はない、輸出はできない、滞貨がもう尨大なものがあつて、石炭でも五百万トンくらい滞貨しておる。鉄でも非常にたくさん滞貨しておる。それから輸入品が非常に滞貨しておる。輸入が商工省の御答弁では二百七十億滞貨しておる。またその輸入品を払い下げた未收代金が二百億もある、こういうかつこうなんです。つまり言いかえますと、産業はもうつぶれてしまう。ここのところに銀行が金を貸さなければ、貸す先がないと言われますが、これは確かにその通りです。一方においては集中政策である。一方においては中小企業をつぶす政策をやつておる。一方飢餓輸出をやられるだろうが、なかなかうまく行かぬで、頭を打つておる。こうするとこれは銀行が貸す先がないのはあたりまえだ。委員長なんかは銀行の専門家だし、非常によく知つておられるが、銀行は貸さぬのがあたりまえだ。これは十二億五千万円を二十億にしようがどうしようが、そんなことでデフレ問題は解決するものではない。この點は一体大蔵当局はどう考えておられるか、簡単でいいですから御見解だけ聞きたい。金融操作で一体デス・インフレとかデフレを解決することができると思うておるか、その點をひとつ聞きたい。  それからついでに一緒に聞きたいと思うのですが、政府支拂い超過の問題を説明せらあれたんですが、支拂い超過の問題は、これはなるほど資金徹布の形にはなりますけれども、これだけで今日の金詰まりの状態ではなかなかできない。輸入物資の滞貨から未收入があるという状態資金なんかは拂えない。輸出が滞貨になつて、遅れてしまうということになつて來る。それですから支拂い超過三百億くらいある。これはりくつの上ではありますけれども決して政府未払いが民間を非常に困らしておるというような回答にはならないと思う。ところで私の聞きたいことは、政府支拂遅延監察委員会というようなものができたんですが、なんでこんなものができておるのか、なんでこんな監察しなければならぬ事があるのか、政府支拂いするのを監察委員をこしらえて、何をどう監察する意味なのか、どんなことがあるかということが一つ。それからこれはさつきからのと続くんですが、何ゆえにこう遅滞するのですか。二十三年度の分もまだ未拂いになつておる。一体何でこんなことになるのか。これはわれわれにはよくわからぬ。なぜこんなことになるかと言うことがわからない。ここの資料によりますと、差引未拂残額とありますが、この数字だけを見たのでは実際に請求書がどれだけ來ているのか、この中でどれだけ債権になつておるのか、どういう形になつておるのかさつぱりわかりません。事実どれだけあるのか見当がつきませんが、これがおそらく政府支拂うべきものであつてまだ支拂つてないのだろうと解釈しているのですが、資料によると厖大な金額になる。二十三年度のものでこの厖大なものが一体今日まで何がゆえにこんな風に残つているの具体的にこれを聞きたい。  その次に問題をまとめて聞きたいことは、政府支拂いを見返りにして、大きな企業家は銀行で金を借りておりますかどうですか。これは大蔵当局としては認めておられるのですかどうですか。もしそういうことがあるとすれば、これはきわめて重大なんです。政府未拂い、政府に対する債権というものを見返り担保にして企業家が銀行から金を借りておる。こういうことになりますならば、これは非常に大きな問題になつて來る。今の企業においては政府支拂いをしないから賃金も拂えないというようなことで、非常にたくさんな遅配、欠配が行われておる。また賃金の削減が行われておる。ところが一面においては、政府からもらうべき金を銀行から借りて、これを使つてしまつておる。そうすると政府がこれに支拂いをしますならば、その支拂つた金は銀行に入つてしまう。そうすると労働者の問題が一つも片付かない。だからだまされてしまう。こういうようなことができておるとすれば——できておるはずなんですが、これはきわめて重大であつて、一体こういう形で銀行から、これは大きい企業がやることで、小さい企業はやりません。大きい企業が一体どのくらい金を借りておりますか。この調べが大蔵省の方にあるはずですから金額を知らしていただきたいと思います。  それから次に苦情申し出期間をこしらえたが、一向苦情の申出がない、こういうはずはないのだという今の御説明なんですが、なぜ苦情を申し込まないと思つておられますか。これはわかつておるはずです。これをお考えのところを正直に聞かしてもらいたい。それにはいろいろ事情があると思うが、いずれおもしろからざる事情が出て來るはずです。苦情申し出るとあとで困ることがあるかないかそれはわからないが、この苦情のでない理由は何か、この点を一つお知らせ願いたいと思います。まだほかにたくさんありますが、とりあえず以上の点だけ、要点でよろしゆうございますから御答弁をお願いいたします。
  41. 伊原隆

    伊原説明員 第一の金融だけでデイス・インフレないしデフレが解決できるかと言うことは、これは総合対策でありますので金融の方も一生懸命にやらなければなりませんし、またほかの実体面もやらなければならないことは御説の通りであります。第二は政府支拂促進監査会でありますが、なぜそのようなものができるかというお話でありましたが、政府支拂いは大半においては促進いたしておりますけれども、個々の問題につきまして支拂が遅れておるものも相当あることは世間周知の事実であります。ただ非常に遅れておるとは言いながら、その実体がなかなかつかめませんので、むしろ苦情処理の機関をつくりまして、そこで実体を生のままで伺つて、もしそれが政府部内の責に帰すべきことでありますならば、そういうことがないようにしたいというつもりで、内閣に政府支拂促進監査会というものができたわけであります。それからなんでそんなに遅れるのかというお話でありましたが、それはむしろ私から伺いたい点でありまして、遅れておるものの具体的の省について、私ども一緒に聞かせていただきたいと思います。第四の政府支拂い見返りの貸出しがあるかということでございますが、これにはこういうものがございます。政府の注文を受けまして工事にかかりまして、すつかり工事ができ上がつてしまいましてから政府支拂いが、檢收が済んでできまするので、それらの政府の今後支拂うべきものを目当てにしまして融資を受けるということは相当たくさんございます。ただその中で果たして予期した時期に政府支拂いが行われて、その融資が返つたかどうか、すなわち政府支拂いを、担保と言いますか、見返りにして貸出しを受けた産業が、予定通り支拂いを受けたかどうかという問題は、政府支拂いのいわゆる遅延があるかどうかという具体的の問題に相なりますので、政府の今後支拂うべきものを当てにして融資を受けるということはたくさんございます。それから大蔵省苦情処理の調査室をつくつたけれども、余り來ないのはどういうわけかというお尋ねでありますが、これは宣傳が足りない点も非常にあると思います。川上委員のおつしやつたようなことも理由にあるのじやないかと考えております。
  42. 川上貫一

    川上委員 見返りにして銀行が貸し出した額をお知らせ願いたいと思います。
  43. 伊原隆

    伊原説明員 ただいま手元に持つて來ておりません。
  44. 川上貫一

    川上委員 あとでわかりますか。
  45. 伊原隆

    伊原説明員 はい、わかります。
  46. 川上貫一

    川上委員 それではあとでけつこうでありますから、銀行ではこの問題に対してどのくらい融資をしておるか、総額でもけつこうでありますからひとつお願いいたします。  それからなぜ遅れるかは大蔵当局の方はどうもわからないから聞きたいのだというお話でありますが、この委員会で当局の方にそれを聞きたいから本委員会を開いておるのです。それじやさつぱりどうにもならぬ。もし大蔵当局にこれがわからないということになれば政府のどこでわかるか、政府のどこに聞いてみてもわからない。何で遅れるのかさつぱりわからない。知つておればひとつ言つてくれ、こういうことを議員に言われておりますが、これは不都合な答弁だ。これではどうも格好がつかぬ。政府の方でなんで遅れるかわからぬと言うようなことじや遅れるのはあたりまえです。こんなことだつたら監査委員会をこしらえるのはもつともだ。政府がわからぬというからこれを調べる、とんでもない話だと思う。この点は委員長に特に申し上げておきたいのですが、こんなことじや困ります。なんで遅れるかという政府の見解を明らかにわかるように言つていただきたい。私の方は見当もつかない。これをひとつはつきりと聞けるようにしてもらいたい。  次にこれは大蔵当局の方に聞いても私は知らぬという今のようなお返事があると思いますが、先日商工委員会で私の質問に対して宮幡政務次官はこういう答弁をせられた。金詰まりだ、金詰まりだと言つておるが、これはあたりまえだ、国民に耐乏生活を政府は要求しておるのであるから、金を持たせたら耐乏生活をしないのだから金を持たせぬようにしてあるのが政府だ、金に困るのはあたりまえだ、それが耐乏生活だ、これが宮幡政務次官の答弁です。まことに驚き入つた答弁だと思いましたけれども、まあ政府の答弁でありますから謹んで承つておつた。こういう考えが政府にあるとすれば、政府支拂い遅延するのはあたりまえだ。こういうことがあるのじやないかというような疑いさえわれわれは抱かざるを得ない。何で支拂が遅れるのかわからぬと言うようなことと一緒に考えますと、政府支拂いをそう急いでする氣を持つておらぬのだ。だから前にも委員長が言われましたが、とにかく各官庁における毎月の支拂い状態をこの委員会に知らしていただきたいということをこの前の委員会で私が述べて、委員長もこれを取り上げられ、委員全員の方でそれを決議されて政府に要求したじやないか。それがちつとも出て來ない。しかも今の委員長お話によると政府資料が昨日來たという。これは実に怠慢至極である。書類のひとつさえ委員会に出すことができない。こんなことをやつておつたら支拂いが遅れるに違いない。何でこんなことを言われるのか聞きたいのですが、それにつけてもこの前決議になつており、この委員会でも取り上げた毎月に支拂状態資料をはつきりと至急に出してもらいたい。今までの毎月別のはもうきまつてる。こんなものを要求したのじやない。これはもうわかつておる。出て來ておらぬのだ。これが出ぬくらいだから政府支拂いが遅れることになるのはあたりまえだ。これじや監査委員会というものをこしらえて苦情を扱つても、運びはせぬと思う。大体扱う根據がないのじやないか。だから宮幡政務次官さえそういうことをいうのじやないかと私は考える。これを要求したい。  それからその次には、資料がなければわれわれはいくら委員会を開きましても結論がなかなか出て來ない。例えば日本車輛の資料がここに一つありますが、日本車輛なんかはこういう資料を出しておる。政府未拂いというのですが、現在人員五千五百人に対して現行賃金ベースの三割引き下げを組合に要求しておる。その会社の言うところによると、運輸省の二十三年度の注文による機関車七台、客車五十八台、貨車三百三十台の納入代金四億五千万円に対し支拂われたものは現在までに三千万円である。だから、賃金は出せないと会社が言うている。ところが、もらつたのは三千万円であるが、会社の方ではどこの銀行から金を借りているかわからぬ。そうすると、会社は金を借りておいて、それを使つてしまつた。そして労働者に対しては、政府支拂いがないから賃金は出せないのだ。政府支拂いしたら、銀行へ返してしまう。そうすれば、弱つてしまうのは労働者である。こういうことが方方に行われているであろうことが考えられるので、各企業別の政府支拂い状態報告してもらいたい。これも非常に小さいと言うことになれば、非常に面倒だということになるかもしれませんから、一定の金額を区切つてもけつこうです。何ぼ以上の注文ということに対する今年の春以來の支拂い状態を企業別に拠出願わなければ、これは調査する方法がない。どういうように政府支拂いが行つているか、これが以下に金詰まりの原因になつているかということは、これを持つてわれわれが会社そのほかについて直接調べることにしなければ、政府の御答弁を聞いておつたのでは、とてもこれはわかりつこない。そこでこの資料をぜひご提出願いたい。これを委員会の方で提出願うようにとりはからつていただきたい。  それからやはりまとめて申しますが、地方庁の支拂い状況が非常に問題だ。この委員会政府支拂いの問題でありますけれども、これはほかの方からも質問があつたかもしれませんが、地方庁の支拂いの問題が、産業界あるいは金詰まりに対して相当大きく影響しているわけだが、このことについて、当局の方でお調べになつたものがありますれば、それを知らしてちようだいしたい。こういう資料の提出を願いたい。  私は最後の問題までついでにいうておきますが、それはこの委員会を今のような形でやるのではなくて、非常に正確な一定の資料をもらつて委員会が適当な方法によつて、自己で活動して資料をとつて、その資料による具体的な材料政府質問し、次の支拂い促進に関する方針を立てなければならぬと思うから、小委員会等をつくつて、頻繁にどんどん開いて、資料もとり、十分に活動のできるような形態にしてちようだいしたい。そうしなければ、この問題は片付きますまい。  最後にもう一言つけ加えておきますが、政令第百七十一号が非常にじやまになつている。これは各業者とも異口同音にいつていることであります。この問題について大蔵当局の方ではこれでいいと思つておられますか、これを何とかしなければならぬと思つておられますか。この煩瑣きわまるところの、金がなかなかもらえぬようにわざわざこしらえてあるこの政令を、どう考えておられるかを合わせてお聞かせ願いたい。さしあたつてこれだけであります。
  47. 岡野清豪

    岡野委員長 委員長として御答弁申し上げますが、この前五月十八日に委員会を開きましたときに、ただいま伊原説明員からの御説明のようなことがすでに触れられておつたのであります。そのときの話でも御承知の通り、大蔵省ちようどいつか私が例えましたように、水道の例についてみますと、貯水池のようなものであります。そしてその貯水池から金が出るか出ぬかは大蔵省でわかるものだ。それからなおずつと各省に分配された予算がいよいよ業者手元に行くまでには、各省の取扱手続や何かでいろいろ遅れておるのだろう。また今まで業者から入りいろ苦情言つてこられたことをみましても、やはりそういうところに事務の煩瑣、手続が難しいとか何とかということで苦情が出ておるというわけで、先ほどちよつと触れましたけれども、詳しくは触れませんでしたから、もう一度申し上げますが、大蔵省から出ました金が各省へまわりまして、その各省へまわりました金が業者へ行くまでに非常に遅れておると言うことは見当がついておりますから、各省からどういうふうになつてつて遅れておるかと言うことを、先ずこの委員会としては研究しなければならぬと思つております。それでただいま大蔵省伊原説明員からのお話は私自身はこう了承しております。大蔵省では一般業者に対する支拂いに対して、どうやつて遅れておるかということはちよつと見当がつきかねる。ですから各省の方でそういうふうな手続の遅れることをすつかり御研究になれば、大蔵省もやはり参考になるから聞きたい。それ以外のことは説明員から申し上げます。
  48. 伊原隆

    伊原説明員 ただいまお尋ねの最後の点でありますが。地方庁の支拂い状態大蔵省にはわかつておりません。それから政令百七十一号、これは公定価格で政府のものを買うということにしなければならぬという法律でございますが、これは相当書式その他について煩雑でございましたので、先般の國会におきまして、競争入札によりまして落札いたしましたものは、それを公定価格によつて買つたものとみなすということで、競争入札によつて工事等を引き受けました場合には、非常に手続が簡單になつておるというふうに了承いたしております。
  49. 島村一郎

    島村委員 私は二、三この際政府当局にお伺いしてみたいと存じます。ただいま川上委員発言の中の政令百七十一号は、たぶん法律百七十一号の誤りであろうと想像いたします。私はその問題について、この法律の改正を政府がお考えであるかどうか、どうも遅れる状況は結局ここらに根ざしているだろうと考えますので、これをひとつつてみたいと存じます。  それから第二の点は、特調の内部なりあるいはその他の官庁なりで、いろいろ出先機関に対してある権限を委譲するようなことができないものであるかどうか。  それからもう一つは、契約解除による損害補償について何かお考えをお持ちになつておらないか。例えば発注をして契約しておきながら、途中で品物ができあがつてしまつたようなときに解除した例がございます。そういうような場合に少しの補償もしておりません。こういうことについて何かお考えを持つておるかどうか、関係の当局からこれだけお伺いしたいと思います。
  50. 松木巖馬

    ○松木説明員 第一の御質問の点の法律第百七十一号の改正を何か考えておるかというお尋ねと存じますが、御承知のようにこの法律のもとになつたドラフトは、連合軍司令部から出たようなわけになつておりまして、その後の改正につきましても、積極的に司令部から話があつて改正をするという経過をたどつてつておりますので、ただいまのところ改正を要するというような意向を聞いておりません。從いまして、ただいまのところでは改正のつもりがありません。ただつけ加えて申し上げたいのは、先ほど伊原局長からお答えいたしましたように、從來はこの百七十一号の法律があつて、非常に詳しい明細書を政府に提出しなければ、政府は金の支払いをしては七。また業者の方は請求をしてはならぬとかいう規定に相なつております。これがために業者の方々がその明細書をつくるということが非常に手間がかかる、金がかかるということでいろいろ苦情があつたようでありますが、先ほどの局長のお話のように、この点を改正いたしまして、去る國会で議決を経ましたので、即時施行しておりますが、現在では一般競争入札または指名競争入札、いずれにいたしましても入札でありますが、入札して政府の間に契約金額がきまりました場合には、その契約金額自体を一つのリーガル・プライスということにいたしまして、明細書を付ける必要がないということに相なりましたので、この点の困難さは解消したわけであります。ただいまの実情といたしましては、前の四月以前のものについて若干残つておるかと思いますが、その点については前の規定に從いますので、問題は少し残つているでありましようが、改正法律施行後におきましては、全く解消したというふうにお考えをいただいてけつこうと存ずるのであります。なお改正を要すると認められる不都合な点がございましたならばお聞きいたしまして、研究の上G・H・Qに申し出たい、かように存じております。
  51. 加藤八郎

    ○加藤説明員 ただいま島村さんから御質問の、地方へ局長の権限を委譲することについてどうかという点と、それから契約解除による損害の補償ということを認めていないようだが、どうするかという二点につきまして、私から御答弁いたします。地方人権限を委譲するという点につきましては、局長の仕事は御承知のように、本庁で直接やつております仕事が大体六割程度でございまして、あとの四割程度地方の八支局にやらせておるのであります。從前はさらにもつと各府縣にまで仕事を委任いたしましてやつてつたのでございますが、これは特別調達庁ができマするときから八軍側では、この仕事は局長みずからやらなければならない。そして地方庁に委任するということは、現在では進駐軍労務者の労務関係の仕事だけは依然として地方庁にまかせることになつておりますが、それ以外は直接調達庁がやるべきであるということになりまして、地方では八つの支局がこれをやつておる次第であります。それで各支局ともみずから契約をいたしまして、みずから支拂いをするという権限を持つておりますので、ほとんど自由にやれるわけでありますが、ただ本庁を通じてこれを決めるというようなものが若干残つております。これはどういう点かと申しますと、大きな契約代金の支払い等につきまして、その契約が入札というような方法で初めから固定しておりますようなものは格別ですが、そうでなしに概算契約であつて、結局その精算をいたしまして、初めてその金額がきまるというようなものにつきましては、これを本庁の技術部において審査してから支拂いを認めるということに現在いたしておるのであります。併しこの金額將來だんだん引き上げて参りまして、地方の支局が直接に支拂いができるように指導はいたしつつございます。ただ從來は終戰処理費の所管が大蔵省でございました関係上、つい最近まで支拂いにつきまして、大蔵省の承認を得なければならないということで、精算書類を一件書類とともに持つて参りまして、予算をもらつてくるというような状況がありましたが、この点は大蔵省の方でおやめになりましたし、残るところは本庁技術部で仕事を受けるために大きな精算の工事代金などを本庁に提出するという点だけでございます。  また契約解除によります損害補償でございますが、これが全然拂つていないということは何かの間違いじやないかと存じます。進駐軍からPTが出まして、注文いたしました品物等が、向こうの規格が変わりまして、それがいらなくなるというようなことがままございます。さような場合には、その業者のこうむりました損害を、支局といたしまして支拂うことに相なつておるのであります。ただこの支拂いの際にも、最近進駐軍の方では、自分の方の終戰処理費金額にも影響いたしますので、その内容につきまして、事前に協議をしてこいというようなことに相なつておりますので、そういう手続上の面倒はございますけれども、支拂いはしないということはございませんので、損害をこうむりました限度においてこれを補償するということにいたしております。
  52. 島村一郎

    島村委員 私の質問に対しましては、ただいまのお答えで了承いたしたのでありますが、ここで一つ、二つ政府当局に対しまして希望を申し述べておきたいと存じます。政府におきましても、もちろんこの支拂いを故意に遅延せしめようとお考えになつておらないということは、伺つてみなくてもはつきりわかつております。しかしどうも支拂いを請求するまでの手続が非常に面倒だということは、どちらでも聞かされるところであります。政府の方におきましても、特に御研究の上、できるだけ簡素化を御研究願いたい。これが希望の一点であります。  それからもう一つは見積書の内訳とそれから官給材がどうもマッチしない、バランスがとれていない。もう少しわかりやすく言えば、官給材の内容が見積書の内容と違つて官給されるということを伺つております。こういう点につきましては、過去の実情を御調査の上、將來対策につきましては十分の御考慮を願いたいと言うことであります。それからもう一つは物件を購入いたしました場合に、どもその支拂いが遅れる。その状況を聞いてみますと、ある財務部管内におきましては、支拂いを請求してから三十四日目に支拂われたのが一番早い。一番遅かつたのは幾日かというと、六百余日を費やしております。これには何か特殊の理由があつたのだろうと思いますが、そうした面が現れておりますし、それから品物を納めましてから支拂われるまでにやはり四十日、多いのは六百日かかると言うことであります。現在におきましてはもうこういうことはなかろうと思うのでありますが、併し全然ないとも考えられませんので、これらにつきましても特に御留意を願いたいと思います。  希望を申し上げることはこれだけでありまして、最後に委員長にお願いを申し上げておきたいと思います。ただいままでに内閣にできました支拂促進監査会から、まだ本委員会に何ら通報事項はなかつたろうと想像いたすのでありますが、これは政府がこういう機構を新設いたしますからには、もちろん不正があるべきものでないという観点から、この委員会と相一致してい進むという考えのもとにおやりになつたことと想像いたします。でありますので、向こうから必要に応じて通報するというようなものでなく、今度はこちらの委員会から緊密な連絡を委員長おいて取つていただきたい。善処方をお願いいたしておきます。これを持つて終ります。
  53. 岡野清豪

    岡野委員長 ただいま島村君の御提案は、内閣の方のメンバーがそろいまして、人員がすつかり整つて仕事ができるようになつたら連絡して、そうして十分向こうと強調してやつていきたいとは言うておりますが、まだその後日がたちませんからそのままになつております。
  54. 大上司

    ○大上委員 二、三お尋ねしたいのですが、政府支拂い遅延と申しますか、その総体量が、例えば今まで伊原さんにいろいろお尋、ねがありましたが、一挙に未解決のものを民間支拂う、すなわち政府資金を放出すると言うことになると、政府おいて大体の第一・四半期、第二・四半期、あるいは各期ごとの通貨総量をつかんでおられるように私らは思いますが、総額とその面との均衡はどうなさるか。例えば年末におきましては、季節資金相当出て來る。また米の供出代金を一千億余り要するであろう。これはどういうふうに回轉していくか。あるいはこれは個々の問題であり、あるいはいろいろの企業の種類によつては違いますけれども、大体そういう面において通貨の発行量と、あるいはそれが政府の未拂金の促進による関係、並びに日銀が考えておるところの通貨政策、もう一つ言うならば、今次問題になつておりますところのいわゆる貿易見返り資金と申しまするか、これは総体量で一千四百億余りがある。ところが七月の今日当たり大体百億前後出る。なお加えて残余のものがいろいろな勘定科目でわが國内に放出せられるのですが、これとの関連性を、数字があれば数字で承つておきたい。  その次の問題は金利になつてくるのですが、問題はいろいろ出ておりますが、政府支拂いが非常に遅延しておる。先ほど川上委員からいろいろ話がありましたが、結局会社が銀行から融資を受けなければならぬ。その間にギャップが相当ある。それで政府支拂い遅延して会社企業がうまくいかない。あるいは労働賃金が拂えない。そういう場合には、特別に金利の措置を考える意思がありやいなや、この二点を伺いたいと思います。
  55. 伊原隆

    伊原説明員 第一の通貨の総量と、それから政府の國庫収支の関係でございますが、これは御承知のように通貨発行審議会というものもございまして、政府支拂い、それから政府收入、つまり政府收支と通貨との関係は、産業資金その他をこめまして非常に大きな影響がございますので、四半期ごとに大体の計画を立てております。例えばこれは六月二十三日に開きました通貨発行審議会におきましても、政府收支につきまして第二・四半期、第三・四半期、第四・四半期のおのおのの見通しを大体つけまして、例えば第二・四半期におきましては、一般会計におきまして歳出を千六百九十三億、收入を千三百八十六億、支拂い超過が三百七億というふうな予測を建て増して、それに基づいて通貨の発行の九月末を約三千億と押さえております。なお第三・四半期、第四・四半期につきましても、政府收支の大体の見通しをつけまして、通貨の関係を調整いたしておるわけでございます。ただこれがなかなか思つたように参りませんことは、はなはだ申訳ないのでありますが、一度に非常にたくさんある期に支拂つてしまうという場合には、これは大蔵省証券その他の発行になりまして、通貨が増発いたしますので、大体ただいま申し上げましたように、見通しをつけてやつておるわけでございます。それから見返り資金の方はさつき申し上げましたように、四月分のアメリカからの資金援助を賣り拂いました収入金が百億だけ、六月の三十日でありましたか、七月一日でありましたかに入金がございましたが、5がつぶんはまだ金が入つて來ておりません。その四月分の百億につきまして、近いうちに鉄道と逓信関係で七十億程度出ると思います。この金が放出になりませんので、それだけデフレ的の状態を呈しますのでこの放出についても政府としていろいろ懇請をいたしておりますわけであります。  それからあとの点はちよつとお尋ねと違うかもしれませんが、支拂遅延に対して金利をつけなければならぬと言う問題については、会計法上研究しておるのでありますが、いつからして支拂い遅延かと言うことは、非常に技術的の問題で、まだ成果を得ておりません。なお万一政府支拂い遅延のために銀行から金を借りておつて、おの方の金利負担が多いという場合に、銀行の方の金利を調整するという問題も研究いたさなければならぬかと思いますが、ただいまのところ、特別の問題としてはまだ研究いたしておりません。但し一般の金利の問題いたしましては、現在金利は非常に高くありますので、金利水準の引き下げということは、ただいま大蔵省として非常に力を入れて研究いたしております。
  56. 大上司

    ○大上委員 重ねてお伺いいたしますが、通貨発行審議会というものがございますが、これにはもちろん未拂金の拂つたものあるいは見返り資金を出したもの、あるいは季節的の資金のもを総合的に織込んで計算を立てたものであるかないが、從つてもし織込んでおれば大体政府おい委員長からお話もありましたが、大蔵省おいて大きな貯水池のようなものであるということであれば、各省ごとに、各期別ごとに必ず合計が出ておるはずですか、この委員会の性質を織込んでおるかおらないかという点をちよつとお伺いいたしす。
  57. 伊原隆

    伊原説明員 通貨発行審議会の通貨の発行の基礎になります問題は、各歳出の現金がいくら落ちるかということの見込みを立てておりますので、理論的にはすべての支拂いを見込んでおりますわけであります。ただ何分にも末端まで行つておりますことでございますので、実際に数字通り行くということはは非常にまれでございまして、いつもは過去にさかのぼつてみますると、どうもなかなか渡つておらないという実情は残念に思つております。
  58. 石野久男

    石野委員 伊原局長にちよつとお尋ねしますが、政府支拂い遅延しておるために各民間産業では非常に資金運営の上に困難を來たしておることは事実でございます。先ほどデフレーシヨンの形に来ておるものをデス・インフレにまで戻すために、そういう意味で是正するために補償金融とかいろいろなこと考えておるというお話もございした。それからただいまは大上委員からの御質問に対して、金利の面について連絡も相当におるということでございすが、一つだけ私お開きしたいりに、政府支拂い遅延しておるために、民間産業が非常に事業運営のために困難しておるような場合、特に銀行筋が非常に手持ちの金を持つておりますにもかじやわらず、なかなか貸手がない兼備に都合のよい貸手がないといために、現在の金詰りが起きておるということも加味しまして、政府としてはそういう支拂の非常に遅延しておるような産業に対して、特別に何かその支拂い遅延の額に相当するようなものを市中銀行から金融の便をはかつてやるような御配慮をされておるのでしようかそれともそのようなことにお考えになつていませんでしようか。
  59. 伊原隆

    伊原説明員 これは実に過去におきましてもそういう問題がございました。たとえば金資金特別会計におきましては、金は強制買上げをしなければならぬ。ところが金資金特別会計は借入金の限度が一ぱいになつておりまして、國会の御審議を経た後でないと金がないために非常に困つた例がございます。そういうような場合には日本銀行を通じまして、融資あつせんを頼みまして、そうして國会で借入金の限度が通過をいたしました後はすぐに支拂いをいたして、その融資を返してもらつたという例もございます。ただ、ただいまの現状におきましては、どうも政府の方にただま申したような借入金の限度がないとか、金がないとかいう現状でありませんので、もしあるといたしますと末端のいろいろな手続で遅れておるような問題が多いのではないかと思います。もしそういうような支拂い遅延の具体的なものがありましたら、むしろそのために貸出しをするというよりも、それ自体支拂いを促進して行く方が木筋じやないかと考ておりますが、法律的の問題とか、予算上やむを得ない事情があつて、必ず受取れるものがまだ受取れないというような場合に、融資あつせんというようなことも十分考慮いたしたいと思つております。
  60. 石野久男

    石野委員 御答弁によりますと、なるべく支拂いを促進することが一番いいのだということは私もよくわかるのでございます。ところが実情はその支拂い遅延していて困つておるわけです。そのためにこの委員会などが特に設けられておるような実情なんです。それでただいまの局長のお話のような段取りで行けば、実際にお困りになる方は少いわけですが、実情にそれに反対であるというこの現実、しかもそのために先ほど來川上委員等が言つておりますように、産業を営んでおられる方々もそうでございますが、そこに働いておる労働者諸君も非常に困つておるのが現状でございます。こういうような実情に対して、それがどこから來ておるかというと、こうした支拂い遅延されておつて民間産業がそのために非常に事業運営のための資金に困難しておるからでございます。そういうものに対しての支拂いが非常に遅延しておると思うがなかなか支拂い促進ができないのでございますから、それを何とかひとつ政府としてはめんどうを見てやらないことには、今日の場合問題の解決ができないのじやないかと思います。局長の今言われましたように支拂いを促進することが一番先決問題だが、実情は非常に困難なことをよく御認識になつていただきまして、それに対する何らかの方途を考えていただきたいと思うわけなりです。ことに金利の問題とか、市中銀行から何らかの融資を受けておる方々は、その金利だけにも追われておるような状態でございますので、これも何とかしてそれに相当するものの便宜を與えてやりませんと、事業家としては生産が非常に困難になつて來る。運営が非常に困難になつて来ると思いますので、いま一度そういう点についての御配慮方についで、政府は別段何らのお考えがないのであるかどうか
  61. 伊原隆

    伊原説明員 私の答弁が抽象的かもしれませんが、政府といたしましては何とかして支拂いを、政府全体として、内閣にこういうような委員会をつくりました考えからいたししても、それから大徳省の中に苦情処理を設けました考えからいたししても、何とかして支拂い遅延がないようにしたい。モうしてできるだけ具体的の例を見つけ出しまして、個々の具体的な問題に関しまして迅速に処理をいたして行きたいという意氣込みなんでありまますがただいま仰せの通りなかなか支拂い遅延の実情はあつても、そしれができないという点につきましては、はなはだ申訳なく思うのでございますが、融資あつせん等についても十分考慮いたすということを御答弁申し上げます。
  62. 石野久男

    石野委員 この問題はおそらく政府の財政政策の基本的な問題が解決しなければ、なかなか問題に解決点に到達しにくいだろうと思いますが、当面する問題として今局長が言われますような具体的な支拂い遅延の実情があります場合には、それをどのようにしたならばあつせんの労をとつてくれるのであるかということについて、現在理財局長の持つておられますところの、実際それを選んで行くやり方といようなものについてお聞かせ願いたいと思います。
  63. 伊原隆

    伊原説明員 ただいま仰せのように、具体的にたとえばどこの会社に対る支拂いが幾ら遅れているということがわかりましならば、私どものさつき申し上げましたような処理機関もございまので、その原因を確かめまして、くどいようでありますが、ほんとうに支拂いができるのに遅れているようなことがありしたら、それは支拂いをする方が早いのでありますから、すぐに支拂いをするようにいたします。それから他の原因でどうしても支拂いが遅れるのだというような場合につきましは、日本銀行の融資斡旋部等に交渉いたしまして、具体的にとりはからうことができると思います。
  64. 川上貫一

    川上委員 私は、これは委員長にも全体に諮つてもらいたいと思いますが、今石野君が言われたような重要な点を実際問題として含んでいるのですが、この委員会としては実情をはつきり握らぬと、委員会としての意見もはつきり出て來ない。また政府当局に対するこちらの考え方を述べる場合にも、また政府のやつておられることを聞いてポイントをつかむにも、こちらが実情を握らなければ困難です。そこでさつき申し上げましたように、各企業別の支拂い状態報告書というものをぜひもらいたいということを繰返して申し上げます。それをいただいて、この委員会おいて詳細にその資料によつて調べて、そうして必要があるならばその特殊な企業、あるいは関係者というような人に来てもらつて実情を聞かなければならぬ。それは正式な公聴会にするのもよいし、場合によつては証人というようなかつこうで懇談的に聞いてもいいのですが、実際の状態業者の方の方からも、労働組合の方の方からも、あるいは政府の方らも一緒に聞かないと実体の把握ができない。今大蔵当局でさえ実はその状態が本当は握りたいのだという御答弁があつたのですが、この仕事を進めるのが当委員会の当面の仕事であると思う。そこでそういう方向に向つてこの委員会運用をするようなやり方を委員長の方でとりまとめて、この委員会に諮つてもらいたいと思います。そうでないと、これはどうも実体が握れないから、これを特にお願いしたい。  それから第二には、名前ははつきりしませんが、政府支拂い遅延に対する調査書が、安本の官房課だと思いますが、できているはずだと思いますから、それをこの委員会に御提出を願いたい。これは委員会の方から請求してもらうように委員長の方においておとりはからい願います。こういう資料をもらいまして、これを寝かさないように、これは大事な問題でありますから、小委員会の活用なり、あるいは本委員会を続けて適当な機会に開くなりして、政府支拂いの問題をぐんぐん推進するよなふうにお願いしたい。二十三年度分は運輸省関係特別調達庁関係以外にほとんどこの資料によつて済んだようでございますが、二十四年度のは大分たまつております。そしてその内容もこの資料だけでは実際はつきりしない。どれだけ今すぐ拂わなければならないものであるか。あるいはまた書類が出ておらぬのであるか。出ておつてもひつかかつておるのであるか。その点がはつきりしない。数字だけでは実際の状態がまだはつきりしないから、こういう各発注別の資料、そのほかの資料もいただいて、それをもとにして委員会を積極的に運用して行くような方法をお取上げを願いたい。これが私の希望なり提案であります。
  65. 岡野清豪

    岡野委員長 ただいま川上委員からの御説ごもつともでございます。実はこの前川上委員からのお話がございましたので、各業種別について各官庁からそういうような資料を取り寄せるべく準備をいたしした。そうして川上委員、またほかの委員の方も同じ御希望でございました各官庁並びに業者方面からあらゆる資料を集めて、その資料を見た上でこの委員会の活動方針を具体的にきめよう、こういうお話合いで、実はただいまでに照会いたしました先は、本省並びに府懸知事、昇降会議所、経済団体連合会という方面まで出しておるのでありますけれども、あまりわれわれの希望したような資料が集まらないので、今日開かなければならぬようなことになりまして、はなはだ計画が齟齬しております。この経驗によつて今後はもう少し詳しく、おそらくわれわれの申し出資料の指示方法が足りなかつたのではないかと私自身は考えておりますが、もうすこしよくわかるように詳しく表のつくり方を指示して、そうしてお考え通りやつて行きたいとおもいます。ただ皆様に先ほど申し上げたように、私自身が今日遺憾に存じますことは、新聞の広告はみな見ておるようでございます。しかるにもかかわらず、それに対して出て來たのは、ごくこまかなことばかりで、しかもその数がわずか二、三にとどまるということで、ほんとうに産業界で金融に詰まつて政府支拂いが遅れて困つているにかかわらず、そうい方面から何らの申し出がなかつた。こういうような状態でありますから、今後の運営方針を少し積極的にかえて、こちらから繁忙に出て行くというところまで行かなければならぬと思います。これもの地ほど理事会でよく御相談して御趣旨に沿うようにやつて行きたいと思います。皆様そういう点で御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  66. 岡野清豪

    岡野委員長 ではそういうことにいたします。ほかに御質問ございませんか……。  それでは次に特別調達庁の加藤さんにお願いいたします。
  67. 加藤八郎

    ○加藤説明員 この前特別調達庁支拂い取扱いについて申し上げておつたのでございますが、その後今日までいろいろ取扱い上改善したような点もございますので、この点をお話申し上げたいと存じます、特別調達庁支拂い遅延については、先刻來いろいろお話も出ておりまして、われわれまことに恐縮しておる次第でございますが、大体この終戰処理費支拂いは、一般の國内の普通の官庁支拂いと非常に違つた取扱いを命ぜられているとい点において、いろいろの支拂い遅延の原困が多く出て参るのでにないかと思うのであります。昨年の十月の未でございましたか、少し資料は古うございますが、支拂い遅延の原因がどこにあるかということを大蔵省が調達庁その他にお命じになりまして、一件百万円以上のものにつきまして、仕事がもう済んでおる。しかるにもかかわら代金の支拂いがかないというものを全部調べたのでございます。その結果によりますと大体支拂い遅延の問題が三つの問題になつたのでありまして、その一つに軍側のレシーテイング・オフイサー、いわゆる受領官でございますが、受領官が普通われわれがキイーヤーと称しております受取書をくれないというのが大体二九%占めておるのであります。それからいレシートをもらいましたけれども、業者の方で請求の手続をまだしてないというのが三九%ございまして、そのあとがいわゆる官庁側支拂手続が遅れておる。あるいは手続中であるというようなことで、官庁側責任があると思われるものが、大体三〇・三%といつたような数字になつておりまして、この状況は昨年の十月の末でありますけれども昨年度はこの状況で進んで参つたと思うのであります。その後本年度に入りましてから、これらの点につきましてそれぞれできるだけの改善にいたして参つたのでありますが、先ず軍側のレシートの発出が非常に遅いという点にきましては、具体的に八軍当局に申出まして、管下の受領官に対しまして、仕事が済んだならば、レシートを早く出すようにということを軍の方からも現地部隊に命令されておるのでございます。しかしながら現実の問題といたしますと、レシーテイグ・オフイサーも非常に責任がありますので、そのレシートには詳細なる内訳を書くのでありますが、それを詳しくチエツクするあるいは品物を納めるような場合でも、納めるところの倉庫が指定にならぬために、なかなか業者が納めることができないとか、あるいはできましても軍側の檢査に合格しないというようなことで、レシートをもらえないようなものが相当あるようでございます。大体工事等につきましても最近は毎月レシートをくれるということになつておりますが、それがやはり相当遅れまして、ものによりますと数箇月要するような場合もございます。ことに全國的にやつております仕事をまとめて、東京のレシーテイグ・オフイサーがレシートを出すというような場合は非常に遅れて参りますので、こういう点につきましてはさらに軍側の方に要求いたしまして、早くレシートをもらうようにいたしたいと存じております。それからいよいよレシートが一とれますと、先日ほど申しましたように業者側から請求書を出すわけでございますが、進駐軍関係の仕事に初めから工事内容がはつきりいたしまして、その見積りによりまして入札をする。從つてその落札によつて工事を引受けるというような仕事につきましては、今度法律の百七十一号の改正によりまして、委員長 請求の際に内訳書をつくらなくてもよろしいということに相なつたのでありますが、しかしこの法律は施行されてから有効でありまして、その前にできておりました契約については、從前の通り内訳をつけなければならないことになつておるのでおります。そんな関係で現在この法律百七十一号の改正の効果がまだ本格的に現われて参つておりせん。また仕事の性質上予定價格を完全に見積ることができないで、結局仕事をやつたあとにおきまして、その実費を精算して支拂うというような仕事が相当あるのであります。たとえて申しますると、向うの進駐軍の家族住宅の修理、維持管理と申しておりますが、こういう仕事を考えますと、まず一箇月の間にどれだけの修繕料がいるかということはもちろん予想できないのでありまして、一箇月の間にたとえばガラスが割れたから直せとか、あるいはじゆうたんがいたんだから直せとかいうような個の軍側の作業命令によりまして、初めてその仕事をやるのでありまして、その仕事が一箇月まとまつて、初めて何月分は幾らであつたというようなことになりますので、こういう場合はあらかじめ金額をきめて予定價格を立てて入札をするということには参りませんので、やはり実費精算式にやらなければならない。こういう仕事につきしては、法律百七十一号の適用による簡単な内訳書ということには参りませんので、全面的にこの法律百七十一号の改正の恩典に浴するような取扱いができないという点が非常に多いのであります。こういう点も特別調達庁といたしましては、なるべく法律百七十一号の適用を受けられるように方法を考えて着やつておるのでありますが、現在まだ本格的に百七十一号の履行による手続の簡素化ということが現われていないということを申し上げざるを得ない次第であります。  それから第三の責任でありまする官庁側取扱いの問題でありますが、これにつきましては終戰処理費大蔵省の所管でありました関係上、從来に毎月仕事の済んだもの等につきまして資料を整えまして予算をもらう、その予算に上つて初めて拂うというようなやり方でありましたので、從來は相当遅延いたしたのであります。その後本年の二月になりまして大蔵省の方からバルク・アロケーシヨンと申しておりますが、概括的に予算をいただきまして、各支出官が概括的にいただいた予算でその支拂請求がありました場合に拂つて行くということになりまして、相当改善されました。しかしその場合でも精算支拂いのような場合には、やはり一件ごとの関係書類をつけまして、支拂いの承認を受けてからでないと支拂えないというようなことでありまして、本庁支局からそれぞれ書類をまとめて大蔵省に持つて行き、査定を受けて承認を受けるこういうような煩項なことでございましたが、本年度からこの支出負担行為の認証制度が施行されましてからは、支拂い予算というものが相当大幅に融通のきくように、もらつておりまするし、支拂いの証認というような点につきましても、大蔵省側ではもうその必要がないということにされましたので今後支拂い上非常に簡便になつて参ると思うのであります。  大体こんな点がいろいろ改善されて参つた点でございますが、さらにこの八軍側の終戰処理費よりの支拂いにつきましていろいろむずかしい注文が出ておりまして、今後ますます支拂い上の手続を向うがうるさく言つて來るというような感じがいたすのであります。たとえば支拂いましたときは政府は必ず英文で書いた詳しい——ペイメント・データーと称しておりますが、支拂いの明細書を英文で打たなければならないのであります。これは業者の方につくつてもらうのでありますが、業者にとりましては法律百七十一号の内訳書と同じように、あるいはそれ以上に困難な問題でありまして、こういう点が業者支拂請求書を出すのに遅れる一つの大きな原因じやないかと思うのでございます。また今まで前金拂いをいたしておつたものがあるのであります。これは会計の臨時特例によりまして、進駐軍関係の仕事につきましては前金拂いができるようになつており、またスキャップ・イン一八七二号によりしてもこれを認めておつたのであります。最近軍側におきましてはそのレシートがないものに対しては拂つてにいかぬという建前を強く言つておりまする関係上、前金拂いにつきましてもレシートをもらわなければならないというようなことを指示して参りまして、この点につきまして特別調達庁から各契約者に対しまする前渡金の支拂いの道が非常に制限されて來たというような点に、今後支拂い促進上マイナスになるような趣旨でありまして、この点につきまして八軍にもよく日本経済の金詰りの事情を話しまして、從來通り認めてもらいたいというふうにわれわれは考えておる次第であります。はなはだ簡単でございますが、その後の経過のおもなるものを申し上げた次第であります。
  68. 岡野清豪

    岡野委員長 他に御質問はございませんか——私から実は市中で承つたことにつきましてお伺いしたいと思います。特別調準庁の書類の様式がしよつちゆうかわつて困るという非難があるのですが、それはどうでしようか。
  69. 加藤八郎

    ○加藤説明員 書類の様式は、結局法律百七十一号の内訳書のつくり方がかわつて来るというようなことに伴いましてかわりますのと、それから進駐軍の方に報告すべき先ほど申しましたペイメント・データーのごときは非常に時々刻々というほど向うが改正をして参ります。そんな関係で、業者の方がせつかく何枚もデーターを書いて來られましても、それがだめになつて書き直すというようなことに相なります。それからまたこの冊数の数でございますが、この寫しなんかも、初め何部でよろしかろうとわれわれが考えてきめましても、その後の関係で八軍の方からこの書類はこちらの方にもまわしておく。こちらに残しておくというような要求がありまして、また一部ぐらいよけいにおもらいしなければならぬというようなことがありまして、確かに最近まで書類の書式の変更というようなものが多かつたような氣がいたします。今後なるべくそういうことのないようにやつて行きたいと存じます。
  70. 岡野清豪

    岡野委員長 それからもう一つ伺いたいことは、特別調達庁の事務の運営がどうもうまく行つていないということなのですか、それには各府縣に連絡する事務所があるのですね。あそこでただ單純に書類を取次ぐだけであつて、中をちつとも見てくれない。結局業者の方で、連絡事務所であるからそこで話せば大体本庁の方でも許可になる書類だと思つて出したところが、非常に時日を経過して、あれはどうだとかこうだとかいうような苦情が出て來て直さなければならぬ。それならばお受取りくださるときに、連絡事務所でその内容審査をちよつとしてくださつて大したことなしに通していただくようにやつて行けないものだろうかという業者の声があるのですか。
  71. 加藤八郎

    ○加藤説明員 従来向うの軍の、キャンプのありましたころには調達庁の出張所というものがございましたし、また名府縣の縣庁所在地に連絡事務所というようなものがございまして、それぞれ軍側の仕事のめんどうを見たり、あるいは契約書のためのいろいろな便宜をはかるというようなところができて参つたのでありますが、このたび改正になりまして、この出張所を全面的に廃止する、また連絡事務所もなるべく廃止したいという八軍からの指示がありました。しかしそれではあまりに遠隔な土地がたくさん出て参りまして、支拂いその他のめんどうを見ることができなくなるということで、実は軍側にその設置場所、並びに設置して駐在せしめる人員等につきまして、目下交渉を続けておるのでございますが、軍側の意向といたしましては、本庁並びに八つの各調達局だけがみずから契約をし、みずから支拂いをするということで、それぞれ各府縣おいて契約支拂いにタッチするということはさせたくない。こんな考えでありますので、非常にこの支局所在地以外の各府縣の方々には御迷惑をかけておるような点があるのじやないかと思われます。しかし八軍側と相談して、やはり連絡官を、向うの軍がたくさんおるような土地には置くように考えておりますので、そういうものができました際には、支拂い促進の方面にもそういう人たちが役立つようによく指導いたしたいと存じます。
  72. 岡野清豪

    岡野委員長 それから特別調達庁へ出しました書類に不備があつた点は、業者があれはどういうふうになつておりましようかと聞きに行くまでは、不備があつたままに、その業者に通知せずそのままうつちやらかして書類が山積しておるということですが、そういうことがありますか。
  73. 加藤八郎

    ○加藤説明員 そういうことはもちろんいたしておりません。大体経理といたしましてはかようにいたしております。すべて支拂い関係のあります書類は、全部経理部においてこれを受けつけることにいたしております。受けつける際に事務に相当なれた者を受付におきまして、契約者が出して來られた書類には不備がないか、もちろん内容を審査するひまはございませんけれども、提出すべきあるいは添付すべき書類に欠けるのがないかどうかという意味で目を通しまして受付簿に登載いたします。それからその内容について技術局の査定を要するものにつきましては、技術局にまわし、技術局から帰つて参りますと、会計法上の審査をして支拂いをする。こういうふうにいたしておるのでありますが、もちろんその受付のところで一日相当多数の書類を受けつける関係上、一々内容を見ませんので、経理課の方にまわつたときにその内容が審査されます。その際に不備がありますと業者の方に御通知するようにいたしておりますがあるいはそういう御通知の葉書がつかないようなことでもあつて、いつまでも知らずにおつたというようなケースがあるいはあつたかとも存じますが、われわれの方といたしましては、間違いございましたら必ず御通知しましてそれを直していただくようにしておるのでございます。
  74. 岡野清豪

    岡野委員長 これにつきましてはほかの業者から私は聞きましたのと、偶然符節を合したごとき報告がある縣から参つております。ある縣の報告によりますと、業者特別調達庁へ出したところの書類は、どこに固まつておるのか知らぬけれども山積して、そのままほこりだらけになつておるのじやないか、そうして業者がわざわざ出張員を出して特別調達庁へ行つて、あれはどうなりましたかといつて、あちこち探しまわつて、ああここにありましたからといつてひつぱり出してこれを促進してもらわなければならない状態が、たくさんあるようだというある縣からの報告でございます。そういたしますと、私がほかの方面から聞きました業者の声と一致するのでありまして、書類がすぐ目を通されないで、相当期間審査されずにそのまま積んでおかれることがあるのじやないかという疑いが起るのでありますが、その辺はいかがでしうか。
  75. 加藤八郎

    ○加藤説明員 ただいまのお話は、縣の方から話が出ているような話でございますが、そういたしますと、こういう事情にあつたのじやないかと考えられます。昨年十月に各府縣がやつておりました調達関係の仕事を、一切特別調達庁の本庁並びに支局においてこれを処理するということになりまして、その事務の引継ぎをいたしたのであります。その際に府懸側から全部関係書類を整理して引継ぐというふうにお願いしたのでありますが、その書類の中、には、仕事をやらせてしまつたけれどもまだ契約も來ていないというような件数が、縣によりましては相当たくさんありました。そういう関係で、引継いだ方でもすぐそれを処理して、氣がついたときに縣の方と話をして事情を明らかにし、あるいは契約者の方に通知してその手続を進めるといようなことをすべきだつたと思いますが、中には引繊いだものの契約もできておらなかつたというような関係で、書類が不整備のまましばらく目を通さなかつたというような問題について、そうい声が起こつたのじやないかと思つております。しかしこの引継ぎ関係もほとんど最近では整理されまして、支出官の認証を受けて行くといううな仕事が始まりました関係上、特にその整理が促進されして、御承知の通り指定調達日から支拂うべき金を早く明確にするという意味合いで、ずいぶん古い引継ぎのものもございましたが、そういうものを一掃するようなつもりで整理いたしましたので、ほとんどそういう長い間放つておかれたというような書類はなくなつたのじやないかと私は考えております。
  76. 岡野清豪

    岡野委員長 お説によりますと、引継ぎのとき、どさくさまぎれにそういうこともあつたかもしれないが、今はそういう整理はついた將來はそういうことはなかろうというお見込みですね。
  77. 加藤八郎

    ○加藤説明員 さようでございます。
  78. 河田賢治

    ○河田委員 この際伺つておきたいとおもいますが、特別調達庁の方の今年の予算の時、大蔵委員会で話したことですが、例の解除物件処理、これは一応調達庁でその品物を受入れて、これが不用品になつたという場合、この品物を今度拂い下げて処理するわけですが、特別調達庁では、一応軍が購入る場合には、おそらくいろいろな資材については標準なり、あるいは納入の品質なりについては指示があつたのじやないかと思います。それが不用になつたとかいうことで軍が受け取らぬというようなことを聞いたのですか、この辺の関係はどうですか。
  79. 加藤八郎

    ○加藤説明員 解除物件処理お話でございますが、これは軍の方に納めてからその内容が不完全であつたというので解除になるというのではございません。そういうものでありますと、結局向うの受領官が受領いたしますとき、内容を檢査いたしまして、不合格であれば受領証をくれません。そういうことでございますので、解除物件になりますのは一応向うの檢査をパスして、正式に納まつたものではありまするけれども、その後軍の方の御都合によりまして、それを使わなくなつた、あるいは計画がかわつて必要でなくなつたというようなものを返還されるのであります。また向うで若干使いましたあと壊れたためにそれを返すというようなのもございますが、そういうのでございまして、納めるときに資格がなかつたものを解除するということはないと思つております
  80. 河田賢治

    ○河田委員 それからやはりこの問題につきまして、たしか商工委員会でしたか、保管料が六月までしかない。これをどうしても六月までに拂い下げなければならぬというので、大分困つておるということを聞いたのですが、これの進捗状況についてちよつと御説明を願いたいと思います。
  81. 加藤八郎

    ○加藤説明員 保管料は、当初予算にはあまり長い機関十分に使えるほどのものは見ておらなかつたのでありまして、なるべく早く処分いたしまして、むだな倉庫料等を拂わないようにするいう考えで処分を進めたいと思つたのであります。ところがこの処分を許可されるまでには、八軍側からいろいろ指図がありまして、レリーズ物件を向こうで返す場合には、それぞれこちらの方に指示されるわけでありますが、それがなかなか明確に、これだけのものをやるというふうにはつきりしたもので返還になつたのはあまり多くないのでありまして、今後軍の方でそういうものをはつきりきめてわれわれの方に返るようになりますが、從来向うの解像の手続が遅れたという点と、それからもう一つは処分をするにつきまして、非常に厳格な手続を向うが要求しており。要するに処分上の手続というものを八軍が承認をして、その手続によつて初めてやるというようなことで、日本政府の方からその手続につきまして軍側に申込んだのでありますが、それに対しましてよろしいという同等が参りましたのはつい先ごろであります。そんな関係で、それまでは処分してはいけないというようなことになつておりましたので、処分が一般的に遅れて参つたのであります。今後処分のできるのにつきまして極力早く処分するということで、大蔵省の方でもいろいろ調達庁を鞭撻してやられておりますので、なるべく早く処分をしたいと思つておりますが、從来はそんなことで處分ができなかつた次第であります。
  82. 河田賢治

    ○河田委員 予算書では大体三十一億とうことになつておりますが、現在いろいろ國内の購買力等から見まして、政府が拂下げる貿易公団のものにしても何にしても、なかなか買手がないという状況なのでございます。大体この見通しについてはどうなのでございますか。
  83. 加藤八郎

    ○加藤説明員 解除物件の処分の見通しの問題でございますが、直接の担当でございませんので、責任ある見通しは立たないのでございますか、予算には三十一億といような数字で載つておりまして、予算に載うておりますものだけのものを特別調達庁としてはぜひとも処分をして歳入を上げたい。かように考えておりますが、はつきりした見通しを責任をもつてお答えするだけの資料を持つておりません。
  84. 岡野清豪

    岡野委員長 河田君よろしゆうございますか。  お待たせいたしまし。ただいま國有鉄道材局準備課長大石敏雄君と運輸省の経理局主計第一課長の笹嶺清君のお二方がお見えになりましたから、御質問のおありの方はどうぞ……。
  85. 石野久男

    石野委員 質問いたしますが、運輸省からの二十三年度未拂金及び二十四年度未拂金というここに調書をいただいているのでございますけれども、一応これについて御説明をしていただきまして、そのあと質問さしていただきます。
  86. 岡野清豪

    岡野委員長 それでは本日いただきました運輸省支拂いの調書の御説明を運輸経理局主計第一課長笹嶺清君にお願いしたいと思います。
  87. 笹嶺清

    笹嶺説明員 お手元に差上げてあります昭和二十三年度未拂金でありますが、契約額の二十三年度分と申しますのは二十三年度に必要なものを二十三年度に契約したもの、それから二十四年度分としてありますが、これは二十四年度に必要なものを二十三年度に契約したもの、つまり財政法の解釈から行きますと、國庫債務負担行為に相当する契約でございます。ですから二十四年度分の契約額六十五億七千九百万円はいまだ品物が入つて來ないとか行輝ができ上つていないとかいうために債務確定しておりませんので、この表の一番右の端にある債務確定の分のところに、そのまま現れているのであります。二十三年度の分の千二百四十七億八千万円の契約額に対しまして支拂いましたのは千百四十三億五千七百方円、その差引きの百四億二千三百万円の未拂金となつて年度を越したのであります。ここでちよつとお断りしておきますが、国有鉄道では国有鉄道事業特別会計法の規定によりまして、一般会計で申します出納整理機関というものがありませんので、三月三十一日現在に支拂いを終わつていなかつたものは全部この支拂未済額の百四億の中に含まれているわけでございます。それからその百四億二千四百万円の調査は相当依然にしましたために、確定額でないことをお断りしておます。  次が昭和二十四年度未拂金の表でございますが、これは二十四年五月十五日現在に二十四年度分として契約いたしましたものは契約額としてあげておりまして、その総額は百八十五億三千七百万円でございます。その中、五月十五日までに債務確定したもの、すなわち契約の履行されたもの以外のもの、つまり契約の履行されていないものが一番右の端にございます五十二億九千三百万円でございます。從つてそれに対して支拂いしましたものが百五億二百万円でありまので、債務確定分に対する未拂額はこの表の右から二番目にございます通り、二十七億四千百万円ございます。この契約の総額の中には前の昭和二十三年度分の債務確定の六十五億七千九百万円は含んでおりません。  それから昭和二十三年度未拂金についてちよつと申し上げておきますが、百四億二千三百万円の未拂金は四月中に大体九十九億拂われておりますので、五月には支拂いをほとんど完了していると思つております。
  88. 石野久男

    石野委員 ただいまの御説明によりますと、二十三年度分の債務確定分は五月中にはほとんど完了しているといようなお話でありまして、その後のあとに残つております債務確定分については、これはその後におい債務確定がまだ十分ついていないのでございましようかどうか。
  89. 笹嶺清

    笹嶺説明員 正確なことを申し上げる資料がございませんが債務確定分の大部分は第一・四半期中に債務確定したものだと思つております。
  90. 石野久男

    石野委員 二十四年度の分どそれから十三年度分合せまして、現在政府支拂いとして運輸省関係でなお末支拂いになつておられるものと推定されるものはおよそどのくらいあるわけでございますか。
  91. 笹嶺清

    笹嶺説明員 現在と申しますと、きよう現在というようなことでございますか。
  92. 石野久男

    石野委員 まア最近でもよろしゆうございます。六月末でもよろしゆうございますし……。
  93. 笹嶺清

    笹嶺説明員 これにつきましては、二十四年度の支拂い計画を御説明申し上げた方がてつとり早いと思いますので大体申しますと、二十四年度の第一・四半期におきましては、この百四億の未拂金のほかに本年度分としてほ全体で三百十七億円、支拂いをする予定でございます。それに対して、一応第一・四半期收入予定、前年度未収金の收入予定を合算いたしまして、資金の足りないものが約百億ございます。そのほかに、当然高じ勘定支拂い用として見返り資金から資金を受けるものが五十六億ございますので、その百五十六億をよそから資金を受けまして、これだけの支拂いを完了すれば大体支拂金はなくなる、こういうふうに思つて計画を立てたわけであります。もちろん手続上自然と生じますところの未拂額というものは常に四、五十億はございますので、これは別にいたしまして、外部から百五十六億の資金が入れば、未拂額は全然なくなる。こういう計画で資金計画をしたわけであります。ところで、その百五十六億のうち百億につきまして予算にもあげまして、皆様の御審議を得ました結果、百億認められしたので、一時借入金として資金の借入れを受けましたが、五十六億の見返り資金からの繰入れが手続関係で現在まで受入れておりません。ごく最近五十六億の資金が入ることになりましたが、この関係で当時予定したよりも五十六億だけ未拂額がふえたというかつこうになつていると思います。
  94. 石野久男

    石野委員 ただいま御説明のありました見返り資金からの貸付許可が最近に下りるということについては、先ほども理財局長から承つているのでございすが、おそらくこの車輛関係の注文につきましては、前年度に本年度分に対してのいろいろな先もの契約もあつたようにも聞いておりますし、その後また本年度分も加わつているわけでございますが、それらのものを含めて五十六億というものが今度貸付が許可になりました場合における運輸省当局としての五十六億の支拂い内訳と申しますか、そういうものについてどういう計画になつているか。
  95. 笹嶺清

    笹嶺説明員 資金につきましては、こういふうにわけますと、支拂い資金支拂い経費とはつきりわかれるように見えますが、資金運用上は貸金の区別をつけておりませんので、見返り資金が入らなくても見返り貸金を対象にしました経費を支拂うような計画になつております。はつきりしたことを申し上げられませんが、物品の購入代に充てる資金が大体三十億から四十億の間ではないかと思つております。
  96. 石野久男

    石野委員 現在各車両及び車両部品のメーカーの方から、すでに政府に対しまして納入したものに対しての未支拂いという額については、相当額に上つておるということをしばしば聞いておるわけでございます。それにつきまして今車両メーカーの方から大体六月末現在におきましての約十一社で調査しました未支拂い額というものが、約十六億三千万円程度に及ぶというふうに調査がされておるのでございます。こういうような額につきましては、相当程度五十六億の貸付——見返り資金の中からの貸付というものに対する期待に多いやに聞いておるのでございまするけれども、当局としましては、このメーカーの方で調査されて出ております未支拂いにつきましての支拂い方法等について、この五十六億との関連性はどのようにお考えになつておるかということをお伺いしたい。
  97. 大石敏雄

    ○大石説明員 ただいま経理局の方からお話がございましたように、物品代の支拂いにつきましては、見返り資金が出ることを期待しておるわけでございますが、ただいま三十油億から四十億の範囲で出す予定だというお話の通りわれわれはこの額によりまして、今まで遅滞しておりました支拂いが、相当改善されるように期待しておるのでございます。ただ非常に残念なことであワまか、これは第一・四半期の見返り資金金額支拂を完済するというところまでに行き得ない状態にございますので、第二・四半期以降の見返り資金なりまた一面今後における見返り資金という措置によりまして、できるだけ早期にこの未拂いを解消して行きたいというように努力しておる次第でございます。
  98. 石野久男

    石野委員 ただいまの御答弁によりますと、第一・四半期では現在滞つておるところの支拂い未済のものにつきましては、なかなか十分にそれを満たすことができませんので、第二・四半期おいて、何とかくめんしたい、こういうお話でございますが、しかしここで私ども特にこの政府支拂いの促進に関しましての委員会としての関心は、いつ拂つてもいいというのでにないのでありまして、特に業者が今政府支拂いが非常に巨額に上つておる、特に運輸省関係は昨年度來業者の方では非常に苦しんでおる問題でございます。特に本年度におきまして、鉄道予算の中では相当程度の削減が行われておりますので、そのための苦しみもまた多いのでございますが、それに加えてこの政府支拂いの未済ということが、非常に大きな負担になつておることにすでに当局も御認識のことと思うのでございます。そこで私どもといたしましては、できるだけこうした業者の諸君に、特に今日の金詰りの実情におきましては、政府の可能な限りにおいて早くこうした支拂いを済ましていただかなければ、これに業者自体だけではなくして、そこに働いておる勞働者諸君も同じような苦しみを受けておるわけございます。しかもそのためにわれわれの予想しないようなトラブルが各所に起つておるわけあります。このようなことを勘案いたしましても、この支拂いに対する一応の見通しというようなものが、われわれも非常にそれに対して注意しておるが、業者といたしましても重要視し、並びに勞働者諸君もこれに対して非常に大きな関心を持つておるところでございます。そういうような意味で今度許可になりましたところの五十六億というものに対する、もつと具体的と申しますか、もう少しこまかい当局の御答弁をお願いしたいと思います。
  99. 大石敏雄

    ○大石説明員 車両関係について具体的に申し上げますると、六月末の未拂金が十三億三千八百万円ばかりございます。それら車両部品が八億九千百万円ばかりございます。これに対しまして現在の支拂計画は今月分として車両が約五億八百万円、部品が三億六千三百万円ばかりでありまして、また相当額の未拂いが八月に持ち越すという状態になつております。七月といたしましては運賃収入による支拂いが不可能であつた関係から、もつぱら見返り資金に依存しておつたのでございますが、八月以降におきましては、運賃收入からも若干の部外支拂が期待し得るのではないかというふうにわれわれの立場からは予測しておりますので、第二・四半期におきまする見返り貸金と相まちましてより支拂いが促進できるように考えておる次第でございます。
  100. 石野久男

    石野委員 ただいま大石説明員からの御説明によりますると、大体現在の支拂い未済額の半分くらいは今月末までにはお拂いしたい、こういうような御意向に伺いました。全然ないよりは非常にけつこうでございますけれども、でき得るならば私どもとしましては、この金額につきまして全額の支拂いが可能なようにしていただきたいと期待するのであります。しかしいろいろと手続上の関係等もありまするので、どの省においても多少の支拂残額か残ることはやむを得ないことと思うのでありますが、すでに半分の未済額が部品と車両を含めて二十一億余になるということがはつきりしておりまするのに、支拂い計畫としまして九億という額はあまりにも少いのではなかかろうかというように考えるのでございますけれども、これについては再考の余地がないのでございましようか、一応お尋ねいたします。
  101. 笹嶺清

    笹嶺説明員 今御質問がございましたが、これについてに第一・四半期の見返り安位からの予定の五十六億ほかに七私たちの方で計画しました案が大体十九億、見返り資金から受入れるかつこうになつております。これが七月中に入らなかつたためにそういうような支拂い不足になつたという結果にもなつておる思います。第一・四半期の見返り資金からの受け入れもようやく手続も済みましたし今後の見通しといたしまして、計画自体おいては承認を経ておりますので、今後の見返り資金からの受入は割合順調に行くのではないかと思つております。
  102. 石野久男

    石野委員 この注文の中にいわゆる内示注文といううな意味で、十分に確定的な契約にならないものも多分にあるのではないかと思うのでございます。そういうようなものにつきましては、今度の見返り資金の使用許可、貸付け許可というようなものを含めて、早急にそういうものの契約確定が、手続き上なされるものでありましようかどうかということについて御意見を承りたい思います。
  103. 大石敏雄

    ○大石説明員 本年度といたしましては、お話のように内示注文に属するものが相当つたのでございまするが、私どもといたしましても、この処理につきましては、できるだけ早く行わなければならないという点からいたしまして、ただいままで努力して参つたのでございまするが、何分にも予算的に相当節約されておりますし、一方では昨年度から現品としての持ち越しが相当額に上つておりました関係上、これを計画化いたしまするのに時日を要しまして、ただいままでこの内示品としまして処理したものも相等額ございますけれども、まだ若干のものが未処理になつております。このものにつきましては、計画もほとんどできて参りましたので、できるだけ早く契約の運びに至りたいといううに考えております。ただ支拂いとの関連もございますので、そのへんとのにらみ合せも若干必要ではございまするが、相当長期にわたつて内示の形で過ごされておるものにつきましては、極力早急に解決したいという意図でおります。
  104. 石野久男

    石野委員 内示注文につきましての御意向わかりました。それからもうひとつ、先ほど笹嶺さんから御明がありました八月意向からは運賃収入についての來たいが持てるというようなお話でございました。ところが運賃料金の改正の当時においても、相当そこからの増収が見込まれておつたにもかかからず、実情はなかなか期待通りに行かなかつたわけでございます。八月以降の当局におけるところの運賃増収というものについて、どのような見込みを持つておるのであるかということをお尋ねいたしたい。
  105. 笹嶺清

    笹嶺説明員 本年二十四年度全体の收入の月別計画、支拂の月別計画を比較してみますと、年間ではバランスのとれた予算になつておりますが、運賃改正が五月から行われたが、改正直後は非常な利用減がある。こういう関旅で收入の方は月別年間の平均より非常に少い数字になつております。支拂いの方は御承知のように先年の國庫債務負担の履行について支拂いがかさみますので、上半期の支拂いが非常にかさむということになつております。七月の運賃収入から見ても、いろいろ運賃の改正をいたしましても、大体二箇月ないし四箇月利用減の回復にかかるが、從來より收入がふえるのじやないか、こういう意味で申しましたので、今までの経過の数字から考えますと、七月よりは八月は十億見当は収入が増收になるのじやないか、かように考えております。
  106. 石野久男

    石野委員 十億になるかどうかというこまかい数字についての見当は私ちよつとできませんが、大体運賃値上げによる増收は、利用減によつて非常に減少するということはよく承つておるのであります。しかし今度の運賃改正は、從来の運賃改正より非常に大きなことにになつておると聞いております。從來の例にならいましたカーヴを描いて、運賃の増収が行われて来たものに比べて、今日においては非常に増收が困難であり、ことに今日のような行詰りの状態から申しまして、はたして運賃増収が可能であるのどうかということについて、私どもとしては疑念を持つておます。それは八月からよい方向に轉向するであろうという見通しについて、何か当局のよい見通しがあるのでございましようか。
  107. 笹嶺清

    笹嶺説明員 お話の通り利用減の回復ということについて、從來の運賃改正のときに比べまして、非常に利用減の回復はむりじやないかという御見通しでございますが、從來の月別の波から考えますと、八月は普通の月よりもだんだんいい時期になつておりますから、利用減を離れて考えました場合、八は七月に比べして相当の増収になるということは言い得るのであります。ちよつと数字を申しますと、これは非常にノルマルのときの状態の数字でありますが、四月を一〇〇としますと、七月が八六で八になりますと九八に上る。こういうようなかつこうで、八月になりますと、利用減の回復という意味でなくて、從來でも七月よりも増收になるこになつております。
  108. 石野久男

    石野委員 この点についてはいろいろな意見もあるのでございますが、私どもとしましては從來のそういうような毎年の七月、八の比較で、増收という見通しについても、今年の経済界の実情から見まして、非常にそれは困難であろうかと思うのでございます。しかしこの点についてはりくつになるだらうと思いますので、一応お話だけは承つておくことにいたします。
  109. 河田賢治

    ○河田委員 運輸当局は支拂いに対して大体どういううな基準でおやりになつておるのでしようか。というのは先月私は大蔵省関係で國勢政査に参りましたところが、木内という大阪の車両会社労働者から、実は会社でも車両をつくつているが、二十四年度の金は一文も入らぬというので、会社は賃金の遅配を盛んにやつておるわけです。これはほんとうに経営者の言うのが正しいのか、そうであれば運輸当局でも二十四年度分を支拂つておられる関係から、大きなメーカーだけ拂われておるものかという疑念が起るわけであります。この点について支拂の基準というものがありましたならば、ひとつお聞かせ願いたいと思います。
  110. 大石敏雄

    ○大石説明員 支拂いの基準につきましては、納品書が手元へ参りました順序にやるということが原則でございまして、大部分の場合にはそういう形で支拂いを進めて参つております。ただ納められた方におきましても、たとえて申しますれば、差し押さえを食つたとか、あるいはそうした緊急の事例がございます場合には、特に私どもの方といたしましても、特別の措置考えなければいけませんので、そうしたごくまれな例外といたしましては、緊急支拂いをいたすこともございます。大部分の場合は納品書の回付された順序によつて支拂いをいたしております。
  111. 岡野清豪

    岡野委員長 もう御質問ございませんか。
  112. 石野久男

    石野委員 念のためにひとつもう一度お伺いいたしまけれども、先ほど理財局長は五十六億の見返り貸金の貸付というものについては、きようあす中にも許可がおりるだろうということを言われておつたのでございますけれども、本日はまだその点についてははつきりした点がわかつていないのでございましようか。それについて大体見通しとしましては、もう月末も迫つておりますし、各社ともにそれぞれの問題について支拂いが実質的に遅れ、それが握れるかどうかということが問題になろうかと思うのであります。私どもとしましてはやはり一月越してしまうということは、從業員の諸君に対しても非常に大きな問題になつて参りますので、その点についての大体のはつきりした見通しがどのように当局においてついておるのかどうかということを、念のためにもう一度お伺いいたしたいと思います。
  113. 笹嶺清

    笹嶺説明員 はつきりしたことを申し上げかねますが、私がこちらに來る前に、大蔵省の方に許可がかおりるという通知が來たということを聞いております。その関係で会計課長が大蔵省に行つておりますので、帰つてみればわかると思います。大体今のところはきようおりたらしいということは申し上げておきます。
  114. 岡野清豪

    岡野委員長 ほかに御質疑はございませんか——御質問もないようでございますから、運輸省の方からお話を承ることはこれだけにいたしたいと思います。本日の会議はこれで散会いたします。     午後五時十三分散会