○三浦
政府委員 林野局
関係といたしまして、國有林野の特別会計、あるいは森林火災の特別会計、一般の経費の中におきましては、事務的に多少遅れたものがある
程度でありまして、御
質問があれば別でありますが、
説明を省略させていただきます。
問題は薪炭特別会計に非常に大きい問題がございます。薪炭の特別会計は今日の統制方式の行き方からいたしまして、知事が自分の統制でやるというふうに指定する。いわゆる指定地区というものを除きましては、その賣る相手方というものは
政府である。こういうふうに規則上きま
つておる。それで從來は需要者の方面——大都市消費方面におきましては、非常に足らないのでもつと増産もつと増送ということで、特別会計が十五年に始ま
つて以來、ここに九年というものは足らない足らないで参
つたのでございます。現に昨年の十月あたりも、主食の増配を企図してさらに國民生活を落ちつけるためには、薪炭問題は一艘警戒をして、もつと多く都市に持
つて來ることに
努力しなければならぬ、こういうような
状況でございました。生産府縣の
関係部課長等にお集りを願
つて、もつと出してもらうように懇請いたします場合には、いや自分の縣でもそんなに出せない。こういうことで非常な困難を経て、その集荷の増強をはか
つてお
つたのが実情でございます。ところがその後におけるところの
状況は、一般の農山村における経済
状況の変化もございましようが、一面において山をあまり切るということは治山、治水の上から言
つて好ましくない。しかも跡地等が乱暴にされたのでは、その影響するところが大きいというところから、從來生産
計画を立てて、それに基いた生産、消費、そうして縣外への移出あるいは縣外からの移入というものをはか
つて参
つたのでありますが、十月末からは
相当好轉をいたしまして、昨年同期におけるこの移入
計画は、まきにおいて七割以上、炭におきましても四割以上の縣外供出、從
つて消費地への移入を見る。また生産自身も、まきにおきましては知事指定の箇所が
相当に廣範囲にかつ多くございまする
関係から、生産の的確な
数字はつかみかねますけれ
ども、三割
程度の増産はしておるのでございます。炭におきましても、一割以上の生産そのものが増加しておる。こういうふうな
状況でありましたために、二月の三日にはこの特別会計に非常な破綻が起きたのでございます。と申しますのは、生産者の生産意欲あるにはそれを推進して参りますところの職員の立場等も
考えて、農業
関係團体に対しましては農林中央金庫、また業者の一般の方に対しましては日銀を元締めといたしまして、あらかじめ
政府の薪炭の
資金をその金庫へ預けておいてその範囲でそれぞれの出先の機関あるいは取引の機関が、
政府にこれだけの炭を納めたという証拠を持
つて行けば、すぐ預金になるという制度をと
つて参りました。その
関係で
政府が農林中央金庫、あるいは日銀に納めてあるその
金額をはるかに突破いたしまして、農林中央金庫で言うと約二十億、それから日銀では一億五千万円というものがすでに貸越しにな
つておる。つまり
支拂い超過に
なつたという
状況でございました。薪炭需給調整特別会計法に示しておりますところの借入れ、または薪炭証券の発行五十五億の
限度においてこの操作をやる。
予算面で昨年を申し上げますと二百六十三億でございますが、それだけの仕事量をやる。こういう建前に対して、その中金または日銀が貸越しにな
つておるのはただいま申し上げました二十億、片方一億五千万円であり、合計二十一億五千万円というものは、これは五十五億の法律の
限度の中で解釈しなければならない。それは生産者に対する
融資という解釈は妥当でない。こういうような解釈が決定されました結果は、どうしてもそれを五十五億の線にしなければならないという
事情に迫られて來た。そこで二月の三日からはまきにつきましてはほとんど買入れを停止いたしました。炭につきましては、
資金繰りのつくきわめて狭き
資金をもちまして、わずかに各縣別にこれだけは買うということで糊塗して來ざるを得なか
つたという実情でございます。
一方におきまして、薪炭の統制というものはその方式をかえる、ないしはすみやかに自由にするというような声もございました。私
ども担当
当局といたしましては、その機会にそういうような統制方式——まきのごとく治山治水の問題はあるけれ
ども、また森林につきましてはある
程度のいわゆる施業
計画伐採を本年はどのくらいするとい
つたような
見込みはあるけれ
ども、経済
事情から出て來る影響がそういう
計画性というものに対しては非常な力を持
つてお
つて、その
計画性を守
つて行くことはなかなか困難な
状況でありました、しかしまきのごときは、なれない労務をも
つて、あるいはきわめて少い
資金をも
つてもただちに短い
期間に生産されるという実態からいたしましてむしろ統制をきわめて緩和するのが妥当ではないか。また炭につきましても、
政府でなければ賣れないというようなかつこうではなくて、縣外に行くもの、あるいは木のない、炭のない大消費地を目標といたしまして縣外に出るものだけを扱う方が、むしろ役所の仕事振りから言
つて妥当ではなかろうか。こういうような
考えで、一面におきましては都市に備蓄されました薪炭のすみやかな賣
拂いによる
回收をも
つて資金の返済、一方におきまする狭いながらもの買入れに当て、一面におきましては統制方式のこの際における轉換という問題を、いろいろ
関係方面と相談をしてお
つたのでありますが、この統制方式の変換は遂に実現を見ま
せんで、その年を過ぎたのでございます。從いまして三月末の
支拂い未済額は四十六億九千七百方円に相な
つたのでございます。それに対しましてその後の新
年度になりましての
支拂い状況は、四月におきますところの收入十八億三千四百万円、五月におきましところの收入十二億二千五百万円。また新たに薪炭証券を発行していただきました分が二十八億八千万円。その三つの合計五十九億四千万円を元といたしまして、二十五日現在この三月末、支出未済であ
つた四十六億九千七百万円は、六億七千九百方円という残がまだある
状況でございます。そうして五十九億四千万円からそれを引きました十九億二千三百万円が農林中央金庫、それから日本銀行に
支拂い引当てのためにあらかじめ予納してある
状況でございます。また四月、五月におきますところの、つまり新
年度になりましてからの分としての、二十五日現在におきますところの
支拂い未済は二億二千六百万円、合計いたしまして九億近くのものが現在のところ
支拂い末済の形を持ちますことは、まことに遺憾なことでございます。
それに対して
当局といたしまして今日と
つておりますところの
対策は、從來薪炭が非常に生産條件が悪い。しかも需給のアンバランスが非常に強いという
関係で、山元のいわゆるトラツクつきであるならば、そこを
政府の指定場所として、買取る場所にしておりました。それが四十キロ奧であろうと、あるいわ五十キロ奧であろうともトラックつきのところまではどこも値段は同じだ。だから
計画の生産についてはぜひ確保してくれというのが、この十年に近い間の薪炭需給のバランスからと
つた行き方でございました。それを昨年の六月ははまきにつきましては公定價格の改訂の際、駅の價格に直すとともに、駅で國の方に買い取るという形にいたしましたが、炭は依然としてその生産條件が好轉せぬというような
事情、特に木炭につきましては、
相当の熟練と、そうしてかなり経ると申しますか、固定いたしますところの
資金の
関係もございますので、これは依然としたいわゆる山元買上げと申しますか、そういうところで続けて來たのを、四月一日からは生産者方面の非常な意見もありましたけれ
ども、その特別会計が非常に経理面ないしは
回收面で
期間のかかる最も大きな原因というものは、どんな奧でも、トラツクがつくならば、そこで仕切ります
関係から、買付場所というものが非常な数に上
つてしまう。であるから消費地まで運んで、消費者から
回收して行きます場合における非常な
期間を要するのを、なるべくさしつかえない限りにおいて短くしなければならないとともに、現物というものをほんとうに把握して行かなければ根本的には解決できない、こういう主とした趣旨から四月一日をも
つて、炭などにおきましても、駅で数量、銘柄等を確認いたしましてその確認された数量銘柄を、山のトラツクつきのところにまで逆行して、さかのぼらせて、そこまでその数量、銘柄の確認をする。こういう手段をとると同時に、一方におきまして、長野縣におきます上田地区及び伊那地区につきまして、会計檢査院の非常な協力を得て、帳簿面と現物とのつき合わをいたしました。また消費地におきましては、生産面の木炭事務所が発送して來る発達報告と、消費地において受取
つたときの数量ないしは銘柄の違いが、互いに重視しております
関係上、事務が澁滯しておる。從
つて資金の
回收というものが、そうい
つた事項処理のために遅いということに対する優遇をはか
つて、現に來ておりました私
どもとしては、先般東京日日の方にいろいろと非難をされたような問題もあります。この問題をまつまでもなく、この長い期にわた
つて足らないから、増産だ、増送だ、とにかく早く大都市に持
つて來て、なるべく多くと申しますか、
計画の線
程度は配給しなければならぬとあくせくして來ました。この特別会計の内部の檢討を根本といたしまして、鋭意その解決に努めているような次第でございます。