○砂間
委員 私
補給金をどこへ出すかという、その
出し方について少しお伺いしたいと思うのです。三十一億出すとしましても、それを最も有効に使うということが必要だと思うのですが、大体
政府のこれまでの方針などによりますと、貿易公團から
輸入資材を第一次的に
拂下げるときに出すような方針じやないかと思うのです。そうしますと、たとえば漁綱などの場合におきましても、
輸入綿花を紡績資本家に渡すときに
補給金を出すということになるのではないかと思うのです。ところがこれまでの実際の
資材の流れを見ますと、かりに五万八千梱なら五万八千梱の
水産漁業用の
綿花が入
つて來て、これを紡績資本家に渡しましても、
綿花の
價格が輸出用と國内用とでは非常に大きな開きがあるという点で、
漁網用として受取つた
綿花であ
つても、それで紡いだ糸がより糸業者なり、あるいは製鋼業者なりの方になかなか流れて行かない。切符はもら
つても、これを現物化するのが非常に困難である。あるいは時期的にも三箇月も六箇月も遅れるというふうな場合がある。実際におきまして、豊田とか、兼松とかいう大メーカーが主として九五%くらいを扱
つておると思うのですが、それをいろいろやみに流しまして、現実には半分くらいしか
漁網用の方にまわ
つて來ないというのが事実だと思うのです。そしてより糸業者や製鋼業者に來ましても、それがまた相当やみに流れる部分が出て来るというので、実際の消費者、つまり漁業者の手に渡る
数量というものは非常に少くな
つて來る。
從つてかりに三十一億の
補給金を
出しましても、それがたとえば紡績資本家というふうな大きなところに私腹をこやすのに使われておりまして、
補給金を
出したほんとうの趣旨というものが生かれておらない。そうして実際にはほんとうの漁業の
生産に從事しておる人たちの手に
資材が入らない。あるいはやみで高いものを買
つてや
つておるというふうなのが、実際の姿にな
つておると思うのです。それで私はどうせ
補給金を出すのならば、最後の消費者に、漁民に
補給金を出すようにすれば、この
補給金というものが完全に生きるわけであります。これは
資材調整事務所か何かで、
漁網なり、ロープなりを購入する切符をもらうときに、その切符をどこか行政官廳にでも集めて、それに対して
政府の方で拂うというふうにや
つて行けば、事務的にもそう煩雑でなくて済む。そうすれば
價格の面においても高いものを買わなくても済むし、
補給金もほんとうに生きるし、何よりもかんじんなことは品物が確保される。確実に
吸収できる強みがあると思うのです。そうしなかつたならば、これまでのような
補給金の
出し方では、実際に
水産方面に生かされておらないということを強調いたしたいと思いますが、
政府の方では
補給金をどこに出すかという
出し方について、從來のやり方をそのまま踏襲して行くのか、あるいはこの際相当思い切
つて、たとえば私が今申し上げましたように、最後の消費者に渡すようにかえて行く方針はないかどうかという点をお伺いしたいと思います。