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1949-04-28 第5回国会 衆議院 水産委員会 第9号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十四年四月二十八日(木曜日)    午後一時三十七分開議  出席委員    委員長 石原 圓吉君    理事 小高 熹郎君 理事 鈴木 善幸君    理事 玉置 信一君 理事 平井 義一君    理事 林  好次君 理事 砂間 一良君       五島 秀次君    田口長治郎君       冨永格五郎君    永田  節君       二階堂 進君    松田 鐵藏君       奧村又十郎君    早川  崇君  出席政府委員         総理廳事務官         (物價廳第一         部長)     吉田 晴二君         水産廳長官   飯山 太平君  委員外出席者         專  門  員 小安 正三君         專  門  員 齋藤 一郎君 四月二十二日  委員千賀康治辞任につき、その補欠として川  端佳夫君が議長指名委員に選任された。 同月二十五日  委員長谷川四郎辞任につき、その補欠として  芦田均君が議長指名委員に選任された。 同月二十二日  漁港に関する小委員千賀康治委員辞任につき、  その補欠として同月二十八日川端佳夫君が委員  長の指名で小委員に選任された。     ――――――――――――― 四月二十二日  常呂字常呂ポントマリ船入澗築設請願(  松田鐵藏紹介)(第四七一号)  宇登呂港漁港並びに避難港として修築請願  (松田鐵藏紹介)(第四七二号)  漁業災害補償制度設定に関する請願外一件(鈴  木善幸紹介)(第四七三号)  常呂村の鮭鱒養殖事業拡充に関する請願松田  鐵藏紹介)(第四八七号)  久慈漁港修築に関する請願山崎猛紹介)(  第五一八号) 同月二十七日  日立漁港修築請願山崎猛紹介)(第五四  三号)  漁船保險対策に関する請願石原圓吉紹介)  (第五四四号)  漁業用燃油等配給完全実施に関する請願石原  圓吉紹介)(第五四五号)  根付漁業中に「ぼら寄魚漁業」を編入の請願(  石原圓吉紹介)(第五四六号)  全國水産連合会結成等に関する請願石原圓吉  君紹介)(第五四七号) の審査を本委員会に付託された。 同月二十一日  紀伊水道を瀬戸内海海区より除外の陳情書外二  件(第二六  一号) を本委員会に送付された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した事件  小委員補欠選任  水産行政に関する件     ―――――――――――――
  2. 石原圓吉

    石原委員長 これより会議を開きます。  この際お諮りいたします。去る二十二日千賀康治君が委員辞任されましたので、漁港に関する小委員が一名欠員となつております。その補は委員長において指名するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 石原圓吉

    石原委員長 御異議なしと認め、川端佳夫君を漁港に関する小委員指名いたします。     —————————————
  4. 石原圓吉

    石原委員長 次に本日は水産行政を議題といたします。  お諮りいたします。前日に引続いて秘密会にいたしますか、それともただいま物價廳の第長がここにご出席になつておりますから、このまま御質疑をなさいますか。いかがとりはからいましよう。(「しばらくこのまま進めたらどうですか」と呼ぶ者あり)それではしばらくこのまま続行することにいたします。御発言を願います。鈴木君。
  5. 鈴木善幸

    鈴木(善)委員 安本の第一部長にお伺いしたいのであります。今回為替レートが三百六十円に決定を見たわけでありますが、それに伴まして、漁業用資材に当然補給金等措置がなければ、値上りをいたすわけであります。現在の漁業経営の実情から見まして、今日でさえ資材魚價との鋏状價格並びに金融の逼迫に伴いまして、経営が非常に困難な事態にぶつかつておるわけでありますが、その際にさらに資材價格が大幅に値上りを來すことに相なりますれば、わが國の漁集は壊滅的な打撃をこうむるわけであります。当局におかれましても、この事情は十分御承知のことでもあり、適切なる対策を御考慮中と思うのでありますが、この際漁業用資材に対していかなる具体的な対策をとられるか、その点をまずお伺いしたいと思います。
  6. 吉田晴二

    吉田政府委員 ただいま御質問のございました為替レート関係では、大体輸入物資につきましては、先般八百三十三億の補給金予算で御協賛を得たわけであります。ただいまお話通り三百六十円のレートとなりますると、大体百五十億円くらいの不足が見込まれるわけであります。これをどういうふうにして、つじつまを合わすかということは、目下作業中でございますが、大体のところは食糧でありますとか、肥料でありますとか、こういうふうに対する補給金年間を通じて出す。その他の主として工業用原材料というようなものについては、今後毎四半期ごとに檢討いたしまして漸次増額して行く。少くとも平均大体半年くらいのところでこれを増額するということによつてつじつまを会わすことにすべきではないかと考えておる次題でございます。
  7. 鈴木善幸

    鈴木(善)委員 主要食糧肥料、あるいは基礎的な産業部面に重点を置かれまして出される結果は、今お話通り、その他の物資に対する補給金が非常に不足を告げるということが予想されておるわけでありますが、その際に漁業用資材につきましては、燃油あるいは漁網用綿花、マニラ、あるいは染料、そういう品物につきまして、どの程度補給金出し、それを年間通じて、もし今の御説明のように、出し得ないとすれば、その補給金出し盡した後に対する対策、これを十分御用意のあることと思うのであります。私ども見解をもつていたしますならば、もし年度の途中において補給金が枯渇いたしまして、漁業用資材にそれ以後においては出し州得ないということになりますと、勢い魚價大幅値上げということもやらなければ、漁業経営はできないということに相なるわけでありますが、現在の國民購買力現状、特に主要食糧とともに日常の國民生活の上に相当の比重を占めております魚を、はたして價格を大幅に値上げすることが、政策としてとるべき道であるかどうか。かりに魚價値上げをいたしましても、現在のマル公においてさえ、ある魚種等につきましては、またある時期等にあたりては、現在のマル公を下まわつているというような現状でありまして、マル公値上げ必ずしもそれによつて漁業経営を維持するに足るところの魚價の収入を確保することは、非常に困難視されているのであります。これに対していかなる対策をお考えになつているか、この点もお伺いしたいと思います。
  8. 吉田晴二

    吉田政府委員 ただいま御質問のございました漁網用資材、特に綿花マニラ麻、あるいはタンニン類そういうものに対しては、この際ただいま申し上げたような工業用原材料の一部として、補給金を出すということに大体見通しがついているわけであります。ただ、先ほど申し上げましたように、この八百三十三億円のわく、特に最近における政府部内、また各党の御要望もございますので、この額はなるべく減額しなければならぬというような立場にございますので、ある期間後においては、どうしてもこれを減額しなければならぬということになると思います。その際においては、一應われわれの考えといたしましては、需給状況を見、またこの場合、もちろん魚の値段との関もございますが、適当な價格にこれを改訂するということはやむを得ないことになると考えております。
  9. 鈴木善幸

    鈴木(善)委員 漁業用資材については、工業用原材料と同じようにこれを取扱つて行く、補給金を出すという明確なる御答弁があつたのでありますが、しからば具体的に各漁業用資材品目ごとに、現在のところどれだけの補給金を御用意になつているか、その数字をお示しを願いたい。
  10. 吉田晴二

    吉田政府委員 実は先ほど申し上げましたように、各品目についての單價は大体見通しがついているわけです。ただこれを年間何箇月出すかということになりますと、これは他の物資との具合いもございまして、はつきりした総額を申し上げる段階になつておらぬわけです。でありますので、補給金單價を大体その半年分に幾らになるかという金額申し上げますれば、大体綿花については少し数字が動く可能性はあるわけでありますが、一應八億五千万円、ラミーにつきましては一億九千万円、マニラ麻につきましては十九億円、タンニンについては大体二億円というものが、一應計算されるされる金額になるわけであります。
  11. 鈴木善幸

    鈴木(善)委員 ただいまの御説明によりますと、おそらく半年分という前提ではありますけれども政府の御用意になつておりますところの漁業用資材に対するところの補給金は、三十億程度のきわめて少額のものに予想されるのでありますが、三百三十円レートの場合におきましても六十億余の補給金がなければ、現在の資材價格を維持することができない。三百六十円に相なつた場合に、半年分と前提は打つておりますけれども、おそらく政府が御用意なさつておる漁業用資材に対する補給金の額は、現在のところ三十億程度しか見込んでいないというぐあいに推察されるわけでありますが、この点はこれ以上用意されておるけれども、一應半年分だけをここにお示しなつたというぐあいに了承していいのかどうか。この点を明確にお話願いたい。
  12. 吉田晴二

    吉田政府委員 ただいま申し上げました数字は、大体三百三十円レートの場合に考えておりました数字基礎と大した差はないはずでありまして、この前に六十億というお話がございましたが、この場合はおそらく漁業用資材以外のものも含んだ金額が入つておるんじやないかと思うのであります。漁業用資材だけならばこの前にもたしか五十五億ばかりということをこの席で申し上げたように記憶しておるのであります。從つてただいま申し上げた数字は三百三十円レートの場合と、少くともその品目等については何ら変更はないというふうに考えております。
  13. 鈴木善幸

    鈴木(善)委員 この機会に、綿花についての八億五千万、その他合計いたしまして三十一億四千万というものの計算基礎でありますが、二十四年度におきまして輸入資材は各品目ごとにつきまして、それぞれいかなる輸入数量を現在予定しておられるか、そのことをお伺いしたいと思います。
  14. 吉田晴二

    吉田政府委員 綿につきましては、これは大体の数でありますが、漁業用として三万三千梱、それからマニラ麻につきましては約七千五百ポンド、それからタンニンにつきましては一万一千八百トン、大体以上のような数字であります、これはもちろん年間輸入数量でありますが、ラミーにつきましては八百七十一万六千ポンドであります。
  15. 鈴木善幸

    鈴木(善)委員 この漁業用綿花の二十四年度の輸入量は、この数字で、見ますと、昨年度、一昨年度から比較いたしまして非常に数量が減じておるわけでありますが、これは輸出用綿布の方に多く割当てをする等のために、漁業用がこのように不足になつておるかどうかという点であります。私ども計算で参りますと、戰前におきまして、わが國の漁業用の棉花の所要量は九万梱少くとも最低六千梱を確保するのでなければ漁業経営は困難だ、こう考えておるのでありますがその半量程度の三万三千梱ということは、補給金関係からこういうぐあいに押えておられるのであるか。これ以上には漁業用にまわし得ないということがはつきり関係方面との折衝の結果出て來ておるのであるか。この点も明らかにしていただきたいと思うのであります。それから先ほど私が御質問したのに対して御答弁で明確を欠いておる点は、漁業用資材に対する補給金総額は三十一億四千万円程度はつきりとわくがくぎづけされておるのであるかどうかということであります。これは半年分としての單なる計算数字示したのであるか。その点を明確にしていただきたい。つまり漁業用資材は三十一億四千万円までは出して行くのだが、これを使い果したあとでは漁業用資材に対しては補給金は出せない別途の対策を講じなければならない、こういう御見解なのか。この点を明確ににされたい。なおこれを使い果したあとに、その他の財源から補正予算等に、よつて措置を講ぜられる御見解があるのかどうか。この点も重ねてお伺いしたいと思います。
  16. 吉田晴二

    吉田政府委員 ただいまの綿に対する輸入数量、特にそれの漁業用数量の問題でありますが、ただいま申し上げた数量は、関係方面で一應はじいた数字でありまして、必ずしもこれが漁業用の割当であるということではなかろうかと思うのであります。これは先ほどちよつと申し上げましたときに、綿の八億五千万円については、多少の問題は残つておるということを申し上げたのは、その点に含みがあるのではないかというふうにわれわれとしても考えておるわけであります。この数字はなお折衝関係で動き得る数字であるというように考えておるわけです。ただ問題といたしまして、そのあとで御質問のございました、これが大体半年間数字であつて、それが固定しておるかどうかということにつきましては、そのときにお断りいたしましたように、單價そのものは大体見通しがついておるのでありますが、その期間についてはまだ見通しがつかいわけであります。この四月に発足するときには、今申し上げました漁業用資材については、補給金が出せるということに一應こぎ着けたわけでありますが、これは何箇月間出せるかということについては、まだはつきりしたことを申し上げるわけにに行かないのであります。全体のわくから申しまして、ただいまの半年間三十一億幾ら補給金が最高であるわけでもなし、また最低であるわけでもない。從つてそれより減ることも考えられるし、またふえることも考えられる。ただ全体の、見通しといたしましては、とにかく八百三十三億のわくそのものを減額しろということが一般の要請でございますので、まずこれよりふえることは、われわれとしてもちよつりと見通しが困難であるということを申し上げていいかと思います。
  17. 鈴木善幸

    鈴木(善)委員 八百三十三億の中で、漁業用資材に対する補給金は、現在のところ三十一億四千万円しか見ていない、こういうぐあいに了解してよろしうございますか。
  18. 吉田晴二

    吉田政府委員 ただいま申し上げましたように、その点もし出す余地ができれば、われわれとしてもなるべく補給金出しまして、價格を押えたいという希望は持つております。しかし見通しとしては、これを増加して行くことは非常に困難である、こういう見通しであります。
  19. 鈴木善幸

    鈴木(善)委員 もう一点伺いたいと思います。綿糸漁業網等補給金出します場合に、どの段階へ交付される御計画でありますか。つまり公團会計補給金を繰入れるというような形において出すのであるか、あるいはそれがより糸なり漁網なりの段階において出すのか、その点をお伺いしたい。
  20. 吉田晴二

    吉田政府委員 実は具体的な出し方につきましては、まだはつきりしたことはきまつておらないのでございます。また私のところではその問題を直接担当しておりませんので、明確なお答えを申し上げるわけに行かないのでありますが、大体事の性質といたしましては、これにやはり輸入補給金でございまので、最初段階で出すのが普通のやり方であります。從つて最初綿花拂下げのときに安い値段拂下げまして、その後の配給段階において最後までプレスして行くことが、おそらく一つの方法になるのではないかと想像しております。
  21. 松田鐵藏

    松田委員 先ほどの御説明の中に、やむを得ない場合は魚價値上げも考慮しなければならぬというお話のように承つたのですが、経済原則の題四項に、價格の統制の強化ということがうたわれておると思うのであります。この場合、はたして魚價値上げに可能であるかどうかということをお聞きしたいと思います。
  22. 吉田晴二

    吉田政府委員 魚價値上げは可能であるかどうかという御質問でございますが、これは非常にむずかしい問題であることに、われわれも承知しておるのであります。ただそのために非常に漁獲が減つておりまして、國民生活上どうしてもぐあいが悪いことになつた場合は、やむを得ずそういうことも考慮せられるということが、一應結論として考えられるのではないかと思つております。
  23. 田口長治郎

    田口委員 補給金の問題につきましては、鈴木委員松田委員質疑によりまして、大体了承いたしたのでございますが、なお一、二伺いたいと思います。  まず第一に食糧肥料、石炭に対しては一年を通じて出す。工業原材料に対しては半年分を予定しておる。われわれの見解では水産物を何ゆえ食糧の中に入れられなかつたかという疑問が多分にあるのであります。一例を以西底引網の状態について申し上げますと、二十三年度におきまして以西底引で使用いたしました資材輸入金額は三百七十万ドルで、それで掲げました魚は二十二万トンでございました。輸入資材から計算いたしますと、十六ドルの資材をもちまして一トンの魚を生産したことになつております。一方アメリカの議会で決議をいたしました食糧輸入金額計算して見ますと、二億四千万ドルを使用いたしまして、二百十八万トンを生産しております。これから計算して見ますと、この場合輸入食糧は一トンについて百九ドルかかつております。水産の方で資材輸入して生産いたしますと、十六ドルで一トンの生産ができる。一方輸入食糧は百九ドルに一トンが相当しておる。植物性栄養動物性栄養といずれが優秀であるかということは申しませんが、動物性蛋白がわれわれの食糧としてはるかに重要である。その重要なる動物性蛋白を、十六ドルで一トン生産しておる。植物性食糧を百九ドルかけて輸入するという点から申しますと、経済原則見地からいたしましても、むしろ資材輸入して魚の生産を上げ、これによつて輸入食糧を減ずることが、今の日本としてとるべき最も重要な点でないかと思う。こういう意味におきまして、私は、この食糧の中に何ゆえ水産物を入れられなかつたか、この問題について、まずお伺いをいたしたいと思います。
  24. 吉田晴二

    吉田政府委員 ただいまの御質問、まことにごもつともでございまして、われわれといたしましても、この水産用資材漁業用資材というものについては、今の主食と同じような取扱いをいたしたいと、かねがね考えておつたわけでございますが、何分にも総額が八百三十三億というわくになつておりますのと、いろいろの関係で、どうしてもこれを減額しなければならぬということで、ごく大ざつぱな一應の見込みを立てたのが、ただいま御説明申し上げましたような方針であります。ただいま申し上げましたようなた主要食糧であるとか、あるいはまた肥料についても、その中においてさらにに檢討いたしまして、場合によつては一年間出さないで、さらに早くこの單價を切下げ、またはこれを途中で増額するということも考えなければならぬわけでありますので、全体から申し上げれば、ある程度の均衡は保つておるというようにも考えられるのであります。また重要資材そのものは、なるほどほとんど水産物そのものと同視するほどのことになるかとも思いますが、しかし一方から申し上げますれば、一應その生産期間というものもある程度あるわけであります。その間の時期的な問題もございます。またある程度食糧のものについては、吸収力ということは全然考えられませんが、少くとも工業用資材という関係では、ある程度吸収ということも考えられますので、順位といたしましては、どうしてもそこに多少の間隔ができるということに結果としてなつたと思います。
  25. 田口長治郎

    田口委員 漁業用資材肥料に類するものだという常識的の考えからいたしまして、どうしても工業用原材料であるというりくつはつかぬのであります。のみならず、この漁業用資材も、食糧生産に必要なるいわゆる水産肥料であるというふうに私らは考えるのでございまして、これは何か物價廳の方でお考え違いになつたので、食糧の部分にどうしても水産に必要なるところの資材だけは入れてもらわなければ困ると思うのでありますが、重ねてお願いいたしたいと思います。
  26. 吉田晴二

    吉田政府委員 われわれといたしましても、できればそうしたいと思いますが、その点やはり多少見解の相違と申しますか、主要食糧とこれを同一に取扱うということは、やや困難ではないか思うのであります。
  27. 田口長治郎

    田口委員 食糧問題につきましては、日本の独立という点から申しましても、あるいは日本人体位向上という点からいたしましても、どうしても動物蛋白をよけい摂取して、植物を少く摂取するという方向に、主食の改善をやつて行かなければならぬと思うのであります。ご承知通り日本が最も多く外國に佛わなければならぬ金は食糧輸入でございましてこの輸入を何とか金額を少くするということヒが、日本経済自立の根本になると考えるのでございます。しからば、その食糧を少くする方法いかんということを考えます場合におきまして、日本ではどうして、魚類から摂取する蛋白によつてこれを補うという方向に行きまして、日本が最もたくさん支出しなければならぬ輸入食糧金額を減らす。これが日本経済自立と同時に、日本人体位向上という点につきましても、非常に重要なことと思うのでございます。この点はひとり私らばかりでなしに、物價廳もあるいは安本も、政府全体が主食方向をかえる。これが日本の再建に必要であるという見地から、ぜひいろいろな事情もありましようけれども食糧の中に水産関係資材を入れてもらいたい。こういうことをもう一度御研究願いたいと思います。  それから第二に、先ほど部長は、三十一億何がしというものは水産資材補給金全体であるというふうに考えていいかということについてお答えがあつたのでありますが、私はそうは考えないのであります。先ほどから部長お話になりました、あとの半年は1また出すのだ、半年分である。こういうふうに考えておるのでございますが、その点において間遣いはございませんか。
  28. 吉田晴二

    吉田政府委員 その点は先ほど申し上げましたように、六箇月間を計算すれげこうなるのだということで申し上げたので、六箇月間ここに計上したというふうにはつきり申し上げるわけには、まだ段階として至つていないわけであります。先ほど申し上げたように、むしろこれはある意味において最大の数字ではないか、別に確定的なものではないけれども、これ以上出すということは、なかなか困難である。出し得ないということは言えないのでありますが、しかしこれをこれ以上ふやすということは非常に困難である。むしろわれわれとしては、これが減る心配もしておるというふうに申し上げておる次第であります。
  29. 田口長治郎

    田口委員 ただいまのお話によりますと、どうもはつきりしないのでありますが、三十一億は一年の半分の金額だ。一箇年間のトータルではない。こういうふうに承知してよろしうございますか。
  30. 吉田晴二

    吉田政府委員 そうでございます。
  31. 田口長治郎

    田口委員 次にお伺いいたします問題は、数量の問題でございますが、先ほど綿糸につきまして三万三千梱というお話がありましたが、われわれが聞いておるGHQその他とのいろいろな折衝は、この数字とはなはだ違うわけでございますが、これに單價を高くされる意味におきまして数量を少くされたのでございますか、あるいは單價きちつと合つてつて、その数量が出たのでございますか。この点をはつきお伺いしたいと思います。
  32. 吉田晴二

    吉田政府委員 これはむしろ單價の方から來ておりますので、念ために單價を申し上げますど、大体三百六十円のときの補給金單價は一梱当り四万九千円ということになつておる次第であります。
  33. 田口長治郎

    田口委員 この單價を合せられて三万三千梱ということが出たとすれば、これは水産関係者として非常な迷惑なことと思うのでございます。われわれは補給金もぜひ出していただきたいのでございますけれども、それと同時に、資材数量を減らしていただいては困るわけなのでございますが、その点におきまして、もし單價きちつと合つておるとすれば、この数量を再吟味していただきまして、その單價に実際の数量單價から出し金額を計上してもらわなければならないと思うのでありますが、いろいろわれわれが折衝しました数量とはなはだしく違つております。もしこの数字が生きて、それで実際にきまつている数字がこのために少くなるということになりますと、これは補給金問題以上の問題と思うのでありますが、大体二十三年は八万梱出ております。その消化が少しつかないということで、今年は五万梱を一應やつてみよう、こういうことになりておりますが、ここに一万七千梱の相違がありますから、その数字によつて実際の資材の割当、配給というものが引きずられるようなことになりますと、たいへんなことでありまするから、この点をもう一度御研究願いたいと思います。それからマニラ麻の問題につきましては、七千五百万ポンドは水産及びその他のものを一緒にしておられると考えるのでありますが、このうち水産に五千万ポンド割当てておられると思います。さつき申されました十九億というものが、七千五百万ポンドに相当するものであるか、あるいは水産に割当てられておるお五千万ポンドの金額であるか、その点をはつきりしていただきたいのでございます。それからラミー補給金につきましては、いろいろなうわさがありまして、ラミーはオミットする、こういうようなうわさもあるのでありますが、私らは漁業の経営ラミーが絶対に必要である。こういう点をよく承知しておりますから、ラミー補給金をオミツトするというような、そういう心配はないと思いますけれども、重ねて第一部長からその点をはつきりさせていただきます。
  34. 吉田晴二

    吉田政府委員 ただいまの綿につきましては、御質問と同じような心配をわれわれも持つ彗おりまするので、その点についてはさらに十分檢討いたしまして、なるべく御心配のようなことのないようにいたしたいと思つております。それからマニラ麻につきまして、は、ただいま申し上げた輸入量のうち、漁網用と申しますか、そこのところははつきりしませんが、大体國内用のものだけに補給金を出すという考え方をしておりますので、そこにあるいは多少の数字の食い違いが起つておるかもしれません。それからラミーにつきましても、ただいま御質問がございましたが、ただいまのところでは、他のものと同樣な取扱いをするということになつておりまして、御心配のようなことはないかと思つております。
  35. 田口長治郎

    田口委員 八百三十三億の問題は、三百三十円レートの場合にこういうような金額が出ておるのでございますが、三百六十円レートになりました際、先ほどから伺つておりますように、約百五十億だけの不足金額が出るのでございますが、御承知通りいろいろな事情から魚の價格を上げるということは、物價問題からいたしましても、あるいは事実上魚價がある程度天井をついておるという点から言いいましても、むずかしいことと存ずるのでございます。かりに上げる魚の種類がありましても、それはほんとうの一、二の種類でございまして、大局には関係しないと考えるのでございます。その点から、私はこの八百三十三億を、さらにレートが上つたために不足を來した百五十六億、この金額を、どうしても何らかの方法で増額していただく。こういうことにいま一度の御努力をぜひお願いしなければならぬ。こういうことを考えておる次第でございますが、どうかそういうようなな事情で、魚の價格が非常に上げにくい。これは実際に天井をついております。それからただちに大衆の生活、物價にも関係することでございますし、政治的にも、あるいはその筋との関係も上げにくいと思います。こういう事情にあるのでございますから、どうしてもこの不足の百五十億というものは、何らかの方法で捻出していただくよう、最後にできるだけの努力をしていただく。こういうことをお願いしたいと思います。
  36. 奧村又十郎

    ○奧村委員 ただいまの政府委員お話によりますと、輸入補給金の八百三十三億は、これをなお減額したいという空氣が強いのだ。こういうお話でありますが、先般三百六十円にレートが決定しましてから直後、予算総会で同じ物價廳の谷口政府委員の御説明と多少食い違いがあるように思うのであります。そのときの御説明では、八百三十三億にもちろん絶対減らされない。これでは足りないので千二百億近くの價格調整金の方から千二百億円ほどどうしてもゆり出して、そうして物價を上げないというふうにいたすということのお話があつたのであります。それは昨日の水産委員会で民自党の西村委員からも、特にその話が出て、結局その点を突き詰めてお話を承ろうということで、本日この委員会を催したわけでありまして、どうも食い違いがあるように思いますので、その点をひとつ政府委員から御答弁願いたいと思います。
  37. 吉田晴二

    吉田政府委員 ただいまの御質問の点は、確かに一方の安定幣補給金というのは、約千二百億円予算に組んでございます。その方をある程度できれば減額いたしまして、それをこちらにまわすということも考えられることでありまして、大藏大臣もそういうことを言明しておられたように記憶してるのでありますが、その点については、もちろんこちらも努力するわけでありますが、一方また全体として補給金を減らせということが強い要求として、これは特に予算関係の方、あるいは税に関係する方面、またわれわれの聞いておるところでは、國会の方からもそういう御要求がありまして、價格調整補給金というものを減らして、公共事業費とか、あるいはまたその他の費用に充てたいということで、わざわざ関係方面まで衆議院議長がおいでになつたということも伺つておりまして、われわれとしては、どうも責任上、これをある程度減らして行かなければならぬものではないかというふうな見通しをしておるわけであります。
  38. 奧村又十郎

    ○奧村委員 どうも同じ政府部内で、大分御方針が違うようでございますが、それではわれわれ審議に非常にさしつかえると思うのでありますが、八百三十三億円を、むしろこれ以下に減額しようというただいまの御意見と、一方百五十億円の不足分は、價格調整金から振り向けてでもやつて行こうという予算委員会での御答弁、これは同じ政府部内の御答弁でも、大分食い違いがあるようであります。この点は、実はもうすでに時日も経過したのでありますから、政府部内では御意見は一つになつておるものと思つておりましたのですが、まだはつりしておられぬのですか。
  39. 吉田晴二

    吉田政府委員 この予算そのものは、もうすでに決定をしておるわけではありますが、予算の実行上の問題としましては、まだそこにいろいろと議論があるわけであります。これとどういうふうに具体的に行つて行くかということについては、最後的な結論は出ておりませんし、またこれは当然價格との関係になつて参りますので、今後の推移いかんによりませんと、はつきりしない、これがまあこの價格調整費というようなものの当然の性質だと思います。從つて多少なおそこに見解の相違があるかと思うのであります。むしろわれわれ物價廳の視点からすれば、なるべく補給金というものは長く、多く出してもらいまして、物價を押えて行きたいというのが、われわれの見解なのでありますが、ただ私の申し上げておりますのは、むしろ他の立場を少し考え過ぎて申し上げておるかもしれませんが、その点であるいに多少食い違いがあるかもしれません。これにむしろ私の考えでなくて、ほかの立場の人から要求されるのを、私がむしろ代弁しておるような次第でありまして、ただいまお話なりました政府委員が、あるいは安本の谷口政府委員かと思いますが、そうだとすれば、これはやはり物價の方の関係政府委員でございますので、私と大体同じような意見でありますから、そういう希望的な立場からすれば、補給金は多くしたいという考え方は同じでございます。
  40. 奧村又十郎

    ○奧村委員 この問題が一番ここでかんじんな話ですがね。そこで、なお念のためにお尋ねしますが、八百三十三億のわく内であつて、それ以上増額できないとするならば、その範囲内ならば、漁業用資材に対する補給金三十一億、こういうふうなお話のように承りましたが、そうなんですか。
  41. 吉田晴二

    吉田政府委員 ただいま御質問の趣旨は、八百三十三億がふえれば、またこの漁業資材割当もふえるんじやないか、こういう御質問の趣旨だと思うのでありますが、その点はおそらく、われわれもそういうことになるだろうと思うのであります。ただその実現のいかんについては、われわれ実はけさも関係方面といろいろ折衝したのでありますが、どうも見通しとしては、これはむずかしいということを申し上げておく次第であります。
  42. 奧村又十郎

    ○奧村委員 それでは、えらいくどいようでありますが、八百三十三億円のままであれば、これは三十一億円以上には増額する余裕はない、こういうふうに承のですが、そうなんですか。
  43. 吉田晴二

    吉田政府委員 大体そういうことでございます。
  44. 奧村又十郎

    ○奧村委員 われわれの計算によりますと、三百三十円のレートの都合において約五十五億円——先ほど吉田政府委員の言われたように五十五億円いる。その節たしか五十九億円を予定せられたように承ておつたのです。それで三百六十円のレートになりますと、約九十億円いるようにに承つておるのです。それが今度三十一億円に減る。これはたいへんなことになるんです。そこでただいまのお話によりますと、ある程度漁業用資材値上りはやむを得ない、その値上りの分はいわゆる生産者の側でこれを吸収せしめよう、こういうお言葉も承つておるのでありますが、しかし九十億円と三十一億円、これではたいへん開きになりますので、われわれもまたこの八百三十三億円以外に、價格調整金の方から百五十偉円をどうしても補給金の方へまわすように、水産委員会としてもしたいと思いますのでありますが、物價廳の方においても、先ほども田口さんからお話がありましたが、この点はぜひひとつ御努力をお願いいたしたいと思います。
  45. 吉田晴二

    吉田政府委員 ただいまのお話の九十億円という数字は、ちよつと私の方ではわからない数字なのでございますが、私の方で計算いたしましたのでは、先ほど申し上げましたのは大体が半年間数字なのでございますから、つまり年額に直せば、これは六十何億という数字になるわけでございます。何かそこにあるいは計算の違いがあるかと思いますので、なお確かめてみたいと思つております。
  46. 石原圓吉

    石原委員長 ちよつとこの場合申し上げます。経済安定本部員佐藤君の御出席がありました。財政金融局長の出席は、三回目要求しておりますが、お見えにならぬのでありまして、この点に対しては不滿の意を表しておきます。
  47. 田口長治郎

    田口委員 吉田政府委員にもう一回お尋ねしたいのであります。どうもはつきりしない点があるのでございますが、三十一億というものに八億三十三億の場合に出さるべき水産素材の補給金の全体だ、こういう意味でございますか。あるいは、かりに六箇月分を計算してみれば三十一億どれだけになる、こういう意味でございますか。言いかえますと、あとの六箇月分がまだこの八百三十三億のうち入つておるのであるけれども、かりに前六箇月を計算してみると三十一億何千万円となるのだ、こういう意味でございますか。この点がどうもはつきりしないわけでございますが、その点をぜひひとつ明確にお願いしたいと思います。
  48. 吉田晴二

    吉田政府委員 私の方で申し上げておりますのは、大体綿花、ラミ—、マニラ麻、それからタンニン・エキストラクト、このほかにワツトル・パークも多少ありますが、大体その四品目で、半年間という計算をすれば、補給金として三十三億程度になるということを申し上げておるわけであします。それが上下するという問題は、結局他の補給金物資がどうなるか、またあるいは八百三十三億の全体のわくがどうなるかということによりましてかわつて來るわけであります。でありますから、かりに八百三十三億のわくが下つて來るというようなことがありますと、ある程度これも影響を受けますし、あるいはまた八百三十三億円のわくはそのままである。しかし他の補給金物資が減つて來る、あるいは減額されるというようなことがあれば、こちらの方にまた出す余裕が出て来る。そこで動く余地はある。また逆に、他の補給金物資に、半年で削ろうとしたものが削れなかつたというような場合には、この方また影響する場合があり得るというような、いろいろな要素が出て参りますので、ただいま非常にはつきりしたことを申し上げるわけには行かない。一應半年間計算すればそういうような金額が出て来る、そういうことを申し上げたのであります。
  49. 鈴木善幸

    鈴木(善)委員 私どもが伺つておりますのは、半年分の計算のことをお伺いいしているのでなくて、一箇年間にどれだけ漁業用資材に対して補給金が出るか。その場合に、たまたま半年分に、相当する三十三億程度のものしか、八百三十三億のわく内では考えていないのだ、あとの半年にまたそのときにおいて何らかの対策考えるのだ、こういうのが政府のほんとうの打割つたところの腹じやないだろうかということなのでありまして、半年分を計算するとこうなるという、その計算を聞いても、私どもは何ら審議上大きな要素にならないのでありまして、一箇念間を通じて出せるか出せないか。この八百三十三億の中では、漁業用綱に対して三十三億程度しかないのだから、結局半年分しか出せない、あとの半年は別途何らかの対策をその際に考えるよりほかはない。こういう御見解政府のほんとの腹であれば、その点をざつくばらんにお話を願いたいと思うのです。
  50. 吉田晴二

    吉田政府委員 その点につきましては、先ほどから申し上げましたように、これはわれわれがまだ関係方面折衝中の段階でありまして、なお最後的な決定というのには相当時間がかかると思いますので、われわれの見通しとして、やや何と申しますか、実現性に近いというところとしては、まず半年間ということが一應考えられる。ただこれをここではつりどとし上げるわけにはいかないわけであります。その点多少言葉があいまいになつておるわけでありますが、そういう点で御了承願いたいと思います。
  51. 平井義一

    ○平井委員 今の御説明で、八百三十三億の場合は一年間において三十一億四千万、こういうふうに考えざるを得ないのでありますが、そのあとの半年は、必ず政府として方策を講ずるということを、ここに言明ができればしていただきたいし、さもなければ、われわれは三十一億四千万円を一年分として考えなければならぬと思うのでありますが、そのあとの半年分に対して、いかなる対策を——必ずやつてくれるということを、責任を持つて言明ができますか。もしできますれば、していただきたい。
  52. 吉田晴二

    吉田政府委員 これは補給金の問題としては、ちよつと他に方法考えられない。もちろんその間には、たとえば先ほど申し上げました安定幣物資補給金からの繰入れだとか、あるいは他の物資からのいろいろのバランスをとるということはやりますけれども、その結果においてどうしてもこれに三十二億程度のものしか振り向けられないということになれば、どうもやむを得ないことになると思います。
  53. 田口長治郎

    田口委員 食糧肥料、石炭は、ずつと補給金を続けるけれども工業用原材料の分は一應半年だけやつてあとはやるかやらないか、ひとつそのときに考えてみよう、こういうような空氣があるのでありますか。その点をはつきりお答え願います。
  54. 吉田晴二

    吉田政府委員 ただいま一應食糧肥料については、大体一年間のものを計算しておるという程度でございまして、これもはつきり一年間出せるかということを言われますと、まだそこまで申し上げる段階ではないのであります。漁業用につきましても、これも半年間必ず出せるかということを言われますと、これもまたにつきり申し上げられる段階ではないのであります。ただ現在の段階において、一應この程度のことはできるのではないかという見通しを一應申し上げておる次第であります。
  55. 田口長治郎

    田口委員 もし六箇月だけ、この金額補給金が出されて、そうしてあとの六箇月になつて補給金が出ない、こういうような状態になりますと、結局魚價値上げの問題が出て来ると思うのでありますが、魚價値上げにつきましては、先ほど申し上げました通りで、なかなか実行困難であります。もし六箇月後にこの補給金が全然出ないということになりますと、おそらく、魚價の問題がそうでございますから、日本水産業というものは、非常な非況に陥つてしまう。これはもう非常にはつきりしておる次第でございますが、この点で、政府委員にくどいほどその点を確めておる次第であります。三百三十円レートの場合、八百三十三億で、大体われわれは五十億か、あるいは五十五億程度のものが水産方面に出していただくことができる、こういうことを信じておつたわけでありますが、もしここで八百三十三億をそのままにして、そうして水産補給金だけが三十一億に減額されたとすれば、ほかの方から水産の方に食い込んで來た、こういうように想像できるわけなのでありますが、その点はどういう経過をたどつて、五十億あるいは五十五億の予想のものが、ここまで下つて來たのか、その点を重ねてお伺いしたいのでございます。
  56. 吉田晴二

    吉田政府委員 御承知通り、三百六十円のレートが発表されましてから、まだわずかに三、四日の問題でありますので、その間において、実はこの補給金出し方について、詳細な檢討はまだしておらないわけであります。ある程血度非常に大ざつぱな檢討をして、一應とにかくここでスタートを早くしなければならぬ。とにかく補給金を出すものと出さないものとを区別しよう。そういう意味で、まず漁業用資材は補給椿金を出す物資に入れてしまうということが、現在一番重要な問題なのであります。今後それをどのくらい続けるかということについては、もちろん他の主要食糧、それから肥料についても、そこに問題がありますし、またほかの工業用資材についても問題があるわけであります。しかしその中でも、もちろんこの出発点で落ささる品目もあるわけですが、一應とにかくこの品目出しまして、さらにその後において出す期間を檢討するということになつておるわけであります。しかし、そういうふうに措置を講じましても、一應年間金額というものがはつきりしませんと、関係方面でなかなかこれを通してくれませんので、とにかくある程度年間のものと、あるいは半年のものというふうなものを大ざつぱに出しまして、数字を合せて、とにかくこれは補給金が出るものであるという確認をまずとりたいというのが、われわれの現在の仕事の段階であります。その段階から申しますと、今申し上げたような結果になつておるということを申し上げておりますので、今後私は、何と申しますか、全然考慮の余地がないということはないと思うのであります。ただ見通しとしては、いろいろその点むずかしい問題があるのじやないかというふうに考えておりますで、その際もちろん、ただいまお話通りに、非常に魚價との関係その他もございますので、こういう資材については、できるだけの努力はしたいと思つております。ただこの席では、一應の見通しを申し上げておる次題であります。
  57. 田口長治郎

    田口委員 三十一億を一箇年間に出すということでこの單價が下るという心配は全然ございませんか。少くともこの單價で最小の六箇月だけは出すという腹でおられるか。その点をひとつ明確にお願いいたします。
  58. 吉田晴二

    吉田政府委員 單價の点については、三百三十円の場合と三百六十円の場合と全然違わないはずでございます。  それから先ほど申しましたように、品目の点についても、かわりはないというわけでございます。
  59. 田口長治郎

    田口委員 一應これだけの金は六箇月出すということに承知してよろしいわけですか。
  60. 吉田晴二

    吉田政府委員 大体出せるのじやなろかという見通しであります。
  61. 平井義一

    ○平井委員 補給金の問題は大体わかりましたが、補給金を必要とするもので、石炭とかあるいは魚價とかいうものの値上りがあるということを聞くのでありますが、これは政府として考えておることか。あるいは関係方面と若干でも折衝したのであるか。これはいろいろな人から、あるいはいろいろなところで、石炭の單價が上るとか、魚價單價が上るのだということを聞くのであります。この点についてちよつとお聞きしたいと思います。
  62. 吉田晴二

    吉田政府委員 石炭の値段が上るということは現在ないと思うです。ただ現在の輸入石炭というものは、これは大体鉄鋼用と肥料用だけにまわされておるわけです。從つてこれらのものにつきましては、鉄鋼の方にある程度吸収力ができる。あるいは鉄鋼そのものにはありませんでも、機械等の二次製品の方に吸収力があるという場合には、これらもある程度輸入價格考え合せまして、補給金の減額に努めるということはしたいと思つております。また魚價についてただいますぐ上げるということは考えておりません。
  63. 平井義一

    ○平井委員 折衝はしていないのですか。
  64. 吉田晴二

    吉田政府委員 ただいまのところは折衝しておりません。
  65. 石原圓吉

    石原委員長 今本会の定足数が足らぬので、議長から休憩して出席せいということを言うて來たので、とにかく吉田政府委員に対する質問を終つて休憩したいと思います。
  66. 砂間一良

    ○砂間委員 私補給金をどこへ出すかという、その出し方について少しお伺いしたいと思うのです。三十一億出すとしましても、それを最も有効に使うということが必要だと思うのですが、大体政府のこれまでの方針などによりますと、貿易公團から輸入資材を第一次的に拂下げるときに出すような方針じやないかと思うのです。そうしますと、たとえば漁綱などの場合におきましても、輸入綿花を紡績資本家に渡すときに補給金を出すということになるのではないかと思うのです。ところがこれまでの実際の資材の流れを見ますと、かりに五万八千梱なら五万八千梱の水産漁業用綿花が入つて來て、これを紡績資本家に渡しましても、綿花價格が輸出用と國内用とでは非常に大きな開きがあるという点で、漁網用として受取つた綿花であつても、それで紡いだ糸がより糸業者なり、あるいは製鋼業者なりの方になかなか流れて行かない。切符はもらつても、これを現物化するのが非常に困難である。あるいは時期的にも三箇月も六箇月も遅れるというふうな場合がある。実際におきまして、豊田とか、兼松とかいう大メーカーが主として九五%くらいを扱つておると思うのですが、それをいろいろやみに流しまして、現実には半分くらいしか漁網用の方にまわつて來ないというのが事実だと思うのです。そしてより糸業者や製鋼業者に來ましても、それがまた相当やみに流れる部分が出て来るというので、実際の消費者、つまり漁業者の手に渡る数量というものは非常に少くなつて來る。從つてかりに三十一億の補給金出しましても、それがたとえば紡績資本家というふうな大きなところに私腹をこやすのに使われておりまして、補給金出したほんとうの趣旨というものが生かれておらない。そうして実際にはほんとうの漁業の生産に從事しておる人たちの手に資材が入らない。あるいはやみで高いものを買つてつておるというふうなのが、実際の姿になつておると思うのです。それで私はどうせ補給金を出すのならば、最後の消費者に、漁民に補給金を出すようにすれば、この補給金というものが完全に生きるわけであります。これは資材調整事務所か何かで、漁網なり、ロープなりを購入する切符をもらうときに、その切符をどこか行政官廳にでも集めて、それに対して政府の方で拂うというふうにやつて行けば、事務的にもそう煩雑でなくて済む。そうすれば價格の面においても高いものを買わなくても済むし、補給金もほんとうに生きるし、何よりもかんじんなことは品物が確保される。確実に吸収できる強みがあると思うのです。そうしなかつたならば、これまでのような補給金出し方では、実際に水産方面に生かされておらないということを強調いたしたいと思いますが、政府の方では補給金をどこに出すかという出し方について、從來のやり方をそのまま踏襲して行くのか、あるいはこの際相当思い切つて、たとえば私が今申し上げましたように、最後の消費者に渡すようにかえて行く方針はないかどうかという点をお伺いしたいと思います。
  67. 吉田晴二

    吉田政府委員 ただいまの御質問の点は、これが單に水産補助金というようなものであれば、あるいはそういう出し方をするのも一つの方法かと思います。ただこれは御承知通り今度の一本レート設定に伴つて輸入品の値上りを防ぐという意味の補給でありますので、輸入されたものそのものの價格を下げるためというか、今までの價格にすえ置くために使われるものであります。從つてその出し方については、なるべく御趣旨のようなふうにやりたいわけでありますが、どうしても元で出しませんと、理論的なつじつまが合わないことになるのじやないかと思います。ただ実際問題としましては、今まで綿花は國内用についていろいろな用途に使われておつたのでありますが、今度は値段の低い綿花漁業用だけに使われる。漁網用だけが低い値段で流れて行くことになりますので、その点は非常に取引がしやすくなる。またその点については十分政府部内で監督するということにして、ご質問のような御心配のないようにしたいと考えます。
  68. 石原圓吉

    石原委員長 これで暫時休憩いたします。     午後二時五十九分休憩      ————◇—————     午後四時二十分開議
  69. 石原圓吉

    石原委員長 休憩前に引続き会議を開きます。都合によりまして本日はこれをもつて散会いたします。     午後四時二十分散会