○
浦島政府委員 本
請願の御
趣旨につきましては、ただいま
土橋議員から
お話がございましたが、
請願の要点は、
東京中央電話局の
超過勤務手当の
支給方法について
是正をしてほしいというような御要求でございます。元來この問題が
組合の問題になりました経過を、ごく
簡單に御
了解を願います意味におきまして申し上げたいと思うのであります。
ちようど昨年の秋ごろは
從業員の
方々が非常に
生活が苦しい、こういうことで、まずこの
給料の繰上げ
支給を、毎月
交渉をせられたのであります。しかし
給料の繰上げは以前は適宜やつたことはございまするが、そのときの
情勢としましては、とにかく
給料の
支給は、定
給日でなければならぬという強い
方針がありますので、
逓信省としましては、
給料の繰上げはなかなか困難である、しかし一面におきまして、実際
從業員の
方々がお困りの点も
考えられたのでありますので、
ちようどこの問題が起りましたのは十一月の下旬でございますが、十一月分の
超過勤務手当は、その月が終りまして、翌月に
支給するというようにな
つておりますけれ
ども、
給料の繰上げができないので、とにかく十一月の
超過勤務されましたのに対して、一應概算的に前
拂いをしよう。
各人がどれだけ
超過勤務されましたか、確定はいたしておりませんが、とにかく前
拂いをして、一日も早く金が
渡つて、その当座をしのいでもらいたい、こういう
考えで前
拂いの
方法を、これは
ひとり中央電話局ばかりではございません、全國的に特に
大臣の御高配によりまして実施をいたしたのであります。前
拂いでありますので、
各人がどれだけあるかわかりませんが、とにかくそのときの
情勢としましては、それでは最低三百円は確保できるように前
拂いをしよう、事実十一月の
超過勤務の結果が三百円以下になりましても、とにかく三百円を拂
つておいて、そして
將來の
超過勤務において、この問題を清算してもらいたい、こういうところで全國的に実施いたしたのでありまするが、それによりまして
東京中央電話局においても三百円を
支拂つたのであります。しかし
從業員側におかれましても、とにかく
自分たちが
生活に困
つておるのであるから、この三百円の概算は前
拂いでなくして、別にほしいというような御
要望のもとに、またこれを
精算するということは非常に困る、こういう御
要望で、
組合の、
中央電話局の第一
市外課の
從業員の
方々が
局長室に來られまして、
交渉を十一月の二十四日前後から始められたのでありますが、この問題につきましていろいろ
組合と
管理者との間におきまして
いざこざが起りまして、
局長としては、とにかく前
拂いであるから
精算をすることにな
つておるから、どうしても
精算してもらわなければならぬ。しかしその
精算の時期につきましては、
組合と十分に相談をするつもりでありましたが、ときの
情勢におきまして、なかなか
組合と折合がつかずに、結局この問題が非常にもつれまして、十一月二十四日、二十五日、二十六日と、連日
交渉が行われたのであります。当初は数人の方が
交渉をしておられたのでありますが、だんだんと人数が多くなられまして、
最後の日は三百人
程度局長室に集まられまして、またその間におきまして夜遅くまで
交渉せられまして、
局長、
課長はその
局長室に自由の行動を制限されたというような事態が起
つたのであります。
組合の
交渉のこの
いざこざの問題につきましては、ただいま
土橋さんがおつしやいましたように、目下公判中でございますので、かれこれ申し上げるわけにも行かないのでありまするが、この問題にからみまして、
組合側におかれましては、それでは次において
精算は必ずやる。要するにまた別に三百円をくれる、こういうことでなければということで、
組合側におきましても一方において過去の
超過勤務手当の
支給状況を
調査せられまして、それを取上げまして、とにかくかように不
都合な点があるから、われわれ一般の
超過勤務を
精算するとか、あるいはまた三百円をプラスしてくれないとか、そういうことは不
都合である。むしろ過去の
超過勤務の
支給額が妥当でないから、その面からこれを取上げて、そして
自分たちの三百円のものはとらぬでくれ、こういう問題を途中において起されたのであります。これが
請願の問題でございまするが、しからばそれでは、
東京中央電話局の
超過勤務手当の
支給について、
お話の
通り、いわゆる
課長、主幹—主幹と申しますと
課長の補佐として直接現場を監督、指導あるいは業務運行に当
つておるものでありますが、この主幹の
方々の
超過勤務がかように金額が多い。こういう例をも
つて、非常に不当である。
從つてそういう多いところを取上げてこちらにまわしたらいいじやないか、こういう
お話にな
つたのであります。ところが
組合側として
指摘しておられます主幹その他局の
幹部の
超過勤務が多いのは、特に七月、八月におきまする
超過勤務が平常よりも非常に多かつたためであります。これは
ちようど七月、八月は非常に電話の交換手の
方々の再訓練、あるいはまた英語の講習会ということで、非常に主幹、主事等の居残り時間が多か
つたのであります。
從つて居残り時間が、中には七十四時間、あるいはまた一番最高の人は、百時間
程度もあ
つたのでありまして、これを一人頭にいたしますと、五、六千円の額に上
つたのであります。しかしこれは事実かような七月、八月の特殊
事情に基きまして、居残りの日がございまして居残られたのでありまして、これは
基準法の関係からいたしまして、その
超過勤務せられた人に対しては必要な額を
支給しなければならぬのであります。でありまするからすでに過去にそれだけ居残りをしまして、それだけの金額を
支給しなければならぬ額を取上げて、他の人に
支給するということは不可能なことであるのであります。またしからば
管理者のみ多くと
つておるかと申しますと、よく
調べて見ますと、やはり
超過勤務は居残りの必要のある人が居残られまして、それに対して必要なる
超過勤務手当が
支給せられておるのでありまして、なお主幹、主事ばかりでなく、同じく事務員の方でも、事務官の方でも中には主事、主幹と金額は同じ
超過勤務の
手当を、このとき
支給されておるのでありまして、何も
管理者のみ多くと
つているという事実は認められないのであります。なるほど
お話のように一般の
從業員の方方、交換手の
方々は、平均しまして非常に少いのでありますが、これは御
承知のように、現業におきましては交替制勤務でございまして、必ず自分が何時から何時まで勤務する。そして次の人が來られましたならば交替することにな
つておりまして、仕事が残りましても、次の人が來れば次の人がさばけるわけでありまして、必ずしも今までおられた人がむりに居残りをしてもら
つてやることも必要ではないのであります。自然
從つてこの現業の交替制におきましては、どうしても勤務のやり方からいたしまして
超過勤務が少いのは当然であろうと思います。また電話局は
女子從業員の方でありまして、十八歳未満の人は労働
基準法におきまして、そういう
超過勤務を強制することはできないのであります。そういうような仕事の勤務
方法、あるいはまた
從業員の対象の違いによりまして、一般の交換手の人は、平均しますと、一般的に見ますと、非常に
超過勤務が少いのであります。これは私は何も
超過勤務が少いのがいいとか、あるいはまた多いのがいいとかいうことでなくして、できるだけ現場の
人たちには、
ほんとうに仕事の性質上、居残
つてもらわなければならない必要のある人には居残
つてもらいますが、できるだけ勤務時間内に仕事を終えてもらいまして、できるだけ早く、時間が來たならば退廳せられまして、休養せられるのが一番現場の方の労務管理として正しいものと
考えるのであります。かようなわけで一般の交換手の
方々は少いのであります。
從つて御
指摘のように、
中央電話局の
管理者のみが、特に不当、不正に多くとられたということは、事実はよく私の方でも
調べたのでありますし、その後参議院の逓信
委員会においても、この問題が取上げられまして、参議院においても具体的にこれを御
調査願いまして、よく事実を
調査していただいたのでありまして、私
ども調べましたところによりましては、決して不正にあるいはまた不当な点がないものと、今日も
考えておるわけであります。しかし
ちようどこの問題が起りましたときに、なるほど
中央電話局におきましては、事実七月、八月において
超過勤務の予算を相当使
つておりますので、十一月、十二月、その後の
超過勤務の予算が非常に苦しくな
つておることは事実であります。これは元來
超過勤務の予算がやはりあるのでありまして、その予算のわく内におきまして、前も
つて各局に令達して、できるだけ予算の範囲において、必要やむを得ない場合にのみ
超過勤務を実施してもら
つておるのでありますが、
ちようど東京逓信局におきましては、現業側の
意向によりまして、まず現業に自主的に
超過勤務の予算の使い方をさしてくれという、年度初めの
要望がございましたので、当初四月から九月までは予算のわくを示さずに、実際に
超過勤務をされたその額に應じて、自主的な
支給をされてお
つたのであります。しかして先ほど申し上げましたように、七月、八月の特殊
事情によりまして、非常に
超過勤務が多かつたために、予算が相当使われてあとが苦しく
なつた。こういう事実はあるのでありますが、これは先ほ
ども三百円の問題とも
考えまして、この三百円の解決方につきましては、急激に一ぺんに翌月月給から
精算せずに、適当に
從業員の方でお困りがない
方法で、電話局で
精算をするように、あとで私の方からも十分
中央電話局に
局長に申し上げましたので、その点は
局長と
組合と話がついて、十分
了解がついてる問題でございます。
なお物資の問題の不正使用のことを御
指摘なさ
つたのでありますが、これも先ほど申し上げました
いざこざがありましたときに、
組合側において、
管理者がビールを不正使用しておる、こういう御
指摘であ
つたのでありますが、これは元來各局におきまして、接待用としまして、逓信局からこのビールのわくをもらいましてそのわくをその局におきまして、必要な場合にをこのビールを使用いたしておるのであります。そのビールの使用状況も祕密にまた使用数も詳しく私の方で
調べたのであります。そうすると、決して御
指摘のような不正の事実がないということを私の方で確めておりますので、その点も念のために申し添える次第であります。