○稻垣国務大臣
当局が来ておりませんので、ごく概括的なことだけ申し上げて、御
答弁にさしていたたきたいと思います。
銅の補給金の打切りによりまして、どうしてもことに従来の生産者価格と消費者価格が、非常な差額がありました面についての困難があることは、御
承知の通りであります。それと同時に一方から申しますと、非常にたくさん貯銅がある。これが大きな
影響を及ぼしておるということも考えられるのであります。銅は御
承知のようにこのごろは大体月の生産額が五千トン
程度でありまして、その五千トン
程度のうちの半分は古銅によ
つてできたもの、半分はいわゆる鉱山の新鉱石によ
つて得られたもの、こういうようにわけられると思うのでありますが、古銅の方は非常にコストが安い、片方の方は非常に高い、こういう面があります。しかしいずれにしても今日の
日本の需要の面から言いますると、約三千トンくらいが需要されておるのでありまして、毎月千五百トンから二千トンくらいずつ貯銅されて行くという形にな
つております。それがために価格が圧迫されて、市場価格、消費者価格も非常に下
つておる。そこで補給金を下げられるときに、非常に困難を生ずるという問題があるわけです。そこで
政府といたしましては、これが対策といたしまして、大体来年の三月までの間に一万トンに対して
融資をするという形で、
融資は大体トン十四万円の一割掛
程度の
融資をするということ、それから同時に五大
会社に対して
融資いたしまして、その五大
会社がそのまた子
会社に当りますところのものに対して、この金を流して行くという形で、市場にあるところの銅を一掃する、これで大体市場価格がコストにさや寄せされるという操作をや
つておるわけであります。それからポーキサイトの問題でありますが、御説のようにビンタン島のボーキサイトは、トン十六ドルであります。アメリカのものが八ドルという
お話でありますが、八ドルでもありませんで、八ドル幾らという値段であります。これはしかしながらビンタン島ばかりではない、ニユーギニヤ等からも参つおります。いろいろな條件も違
つておりますが、とにかくわれわれの方が高いものを拂
つてお
つたということの事実があることはいなめないのであります。多分昨日でしたか、ボーキサイトのピツドをや
つた次第でありますが、オランダのバイヤーとの間にビンタン島のボーキサイトについては、今せつかく折衝を進めておるのでありまして、われわれの計算といたしましては、御
承知のようにボーキサイトのパーセンテージによ
つて、あるいはシリカの含有量によ
つて、あるいは水分の含有量によ
つて大分値段が違うのでありまして、一律に十六ドル、八ドルと並べるわけに実は参らないのであります。その点を彼此
検討いたしまして、われわれとして十一、二ドルで買えるならばいいのではないか、十三ドルなら問題なく買えるのではないかと、今予想しておりまして、欲を言えば十一、二ドルに買いたいというようなことで、折衝をいたしておるようなわけであります。この十六ドルの原料が今言
つたように、かりに十三ドルになるということになりますと、大体二割何分、三割近くも安くなるという問題であります。こうなればアルミニウムは生産費がぐつと下
つて行く、ということが予想されるわけであります。もしまたできますれば、私が先ほど言
つた原料であるところの
電力費を、その生産者に返して行くということになりますれば、またもう一つコストが安くなるということが予想されるのであります。それで今のレートで計算しますと、十万円ちよつと上になると想像されますが、十万円ではたしてペイするかペイしないか、たとえば日軽のごときは私はペイすると思
つておりますが、しかしながら日軽以外のところは、今言
つたような高い
電力を使わなければならぬし、いろいろな開係で、また御
承知の通り今ボーキサイトは十六ドルのを持
つておるのですから、それはペイしないということになると思いますが、しかしながら一方
合理化により、一方は原鉱を安く買うという点を操作いたしますと、私は輸出ができる形に持
つて行けるのではないかと考えております。今アルミニウムのストツクが
相当できております。アルミニウムのストツクは全国の
会社合せて
——はつきりした数字は、ここに
事務当局が来ておりませんから申し上げられませんが、私の記憶によると大体五千トンから六千トンの間であ
つたと想像しております。これが多少市場を圧迫するという操作をなしておるのではないかと考えるのでありまして、ある
程度これが採算が合う
会社に対しては、輸出することについて、実は昨年から援助しているという
状態であるということを申し上げておきます。