○中島説明員 貯炭の処分の問題はただいま
お話の通りに進駐軍向け五十万トン、國鉄向け五十五万トン、これを配炭公園の貯炭から拂い出すことにな
つております。これについてはいろいろ経緯があ
つたのでありますが、実際上配炭公園の貯炭から進駐軍ないし國鉄に適当するような炭をこれだけ出すということは、非常に困難があるのでありますけれ
ども、これもやむを得ずこれだけの
数字を出すということに
なつたわけでありますが、この期間は進駐軍のものは十一月一ぱい、國鉄はとりあえず十二月一ぱいということにな
つております。しかし進駐軍の方は別といたしまして、國鉄向けのものを五十五万トン出せるかどうかという問題につきましては、適正炭の問題からいたしまして相当疑問もございますし、また一月以降こういう方式がとられるかどうかということになりますと、すでにこれだけ出してしまえばほとんどそういうふうな適正炭はなかろうというふうに
考えられますから、
從つて國鉄向けのものはおそらくかりに五十五万トン納入すればそれでおしまいだ、十二月中に五十五万トン納入するのが三月までかかるかもわからぬ、こういうように
考えております。それ以外に先般のメモによりまして官庁以外のものは、すべて公團から買えるということにな
つておりますが、これの
関係におきまして、これは主として
一般用の暖房炭、ボイラー炭でありますが、約二十万トンくらい今後この
方面に向けられると思います。
それからこれはすでに八月にその措置をいたしておりますが、北海道の官庁及び官公吏の暖房炭といたしまして二十万トンを、貯炭の振りかえのかつこうで振り向けることにな
つております。これは現在まではまだ全部済んでおりませんけれ
ども、大体二十万トンくらいは行ける。これは十一月にな
つてから十一月の市價の炭價によ
つて決済をする。そのときまでには北海道の官庁の官公吏に対する石炭手当も確定するだろうからということで、こういうような措置をと
つております。かようなことが大体本年度内に行われますと、百四、五十万トンのものが今年度公團から出ることになるのでありますが、それ以外に
一般にこれにプラスして出されることになるわけであります。しかしはたして予定通りやれるかどうかということについては、非常に疑問を持
つております。
それから三池の問題でありますが、そういう事実は私
ども承知いたしております。それは先般コークス用の炭の補給金が撤廃になりましたときに、コークス物價改訂をいたしたのでありますが、その際
一般のコークス業者はいずれも一箇月ないし一箇月半の貯炭を持
つておる。その貯炭については
從來の補給金のついた値段でありますので、安いストツクを持
つておる。
從つて補給金撤廃と同時にコークスの値段を上げるということは、不当に利益を與えるゆえんでありますので、十五日でありますか、二十日でありますか、コークスの値上げの実施期日を若干ずらしたわけであります。ところが
先ほどおつしやいました三池の二、三のものは、小口からコンベヤーで自分の工場に運んでお
つて、貯炭は持
つておらぬという
関係から、その方式でやられますと、物價改訂の
基礎にな
つておる今の貯炭がないということで、不利な点がありますので、それを調整するために今のような措置を便宜講じたわけでありまして、これは違法と言われれば違法かもしれませんが、事実上の措置としてやむを得ないと私
ども考えまして、こういう
方法をとらせたわけであります。