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1949-05-17 第5回国会 衆議院 商工委員会 第17号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十四年五月十七日(火曜日)     午前十一時四十六分開議  出席委員    委員長代理理事 神田  博君    理事 今村長太郎君 理事 小金 義輝君    理事 澁谷雄太郎君 理事 村上  勇君    理事 今澄  勇君 理事 川上 貫一君    理事 河野 金昇君       岩川 與助君    江田斗米吉君       門脇勝太郎君    高木吉之助君       多武良哲三君    森下  孝君       水谷長三郎君    聽濤 克巳君  出席國務大臣         商 工 大 臣 稻垣平太郎君  出席政府委員         商工事務官         (繊維局長)  長村 貞一君         商工事務官         (中小企業廳振         興局長)    小笠 公韶君         商工事務官         (貿易廳輸入局         長)      越智  寛君  委員外出席者         商工事務官   柴田 龍雄君         商工事務官   永山 時雄君         專  門  員 越田 清一君         專  門  員 谷崎  明君         專  門  員 大石 主計君     ――――――――――――― 本日の会議に付した事件  中小企業等協同組合法案内閣提出第一四五  号)  中小企業等協同組合法施行法案内閣提出第一  四六号)  地方自治法第百五十六條第四項の規定に基き、  通商事務所設置に関し承認を求めるの件(内  閣提出、承認第三号)  地方自治法第百五十六條第四項の規定に基き、  繊維製品檢査所支所設置に関し承認を求める  の件(内閣提出承認第四号)     ―――――――――――――
  2. 神田博

    神田委員長代理 これより商工委員会を開きます。前会に引続き私が委員長職務を行います。  作十六日内閣提出地方自治法第百五十六條第四項の規定に基き、通商事務所設置に関し承認を求めるの件、及び地方自治法第百五十六條第四項の規定に基き、繊維製品檢査所支所設置に関し承認を求めるの件、以上二件が本委員会に付託されました。ただいまより右両案を一括議題として審査に入ります。まず政府説明を求めます。     ―――――――――――――
  3. 稻垣平太郎

    稻垣國務大臣 ただいま御審議を仰ぐことになりました地方自治法第百五十六條第四項の規定に基き、通商事務所設置に関し承認を求めるの件、並びに繊維製品檢査所支所設置に関し承認を求めるの件につき、提案の理由を御説明申し上げます。  從來通商に関する地方行政機関としては、貿易廳地方貿易事務局及びその出張所分室がありましたが、これらは今回の通商産業省設置に伴い、通商産業局に統合されることとなりました。しかし管理貿易現状におきましては、政府通商当事者となる建前等関係もありまして、地方通商行政は、通商物資の積出し、引取等現地港湾において処理しなければならぬ業務など、特殊な專門的通商業務が多く、地理的関係等から申しましても、通商産業局所在地においては、とうていこれらの業務処理の円滑を期することができませんので、通商産業省設置法案におきましても、このため通商事務所設置し得ることとしたのでありまして、これに基づきまして今回本案の通り主要通商港に新たに通商事務所設置し、通商物資船積、引取に関し通商産業省を代理してその当事者としての業務を行う等、現地における通商事務処理の迅速円滑を期したわけであります。  次に繊維製品檢査所の問題でありますが、繊維製品檢査所は昨年の十一月十五日政令第三百三十七号で設置されたものでありまして、輸出品取締法による輸出繊維製品檢査及び輸出繊維製品依頼檢査規則による輸出絹人絹織物依頼檢査を行う國の檢査機関であります。右檢査所設置の際、とりあえず従来の輸出絹織物檢査所所在地である京都外七箇所に本所と、その他輸出絹人絹織物の主産地数箇所に支所出張所設置いたしましたが、檢査の円滑かつ迅速確実なる施行をはかるとともに、業界要望にこたえてその利便をはかるために、その他の主産地に若干の支所を増設せんとするものであります。しかしてこれら支所の増設によつて人員及び経費の増加はこれを必要としないのでありまして、檢査の能率的な運営をはかり、品質向上輸出貿易の健全な発達を期待せんとするものであります。なお檢査所業務一般行政機事関と性質が違いまして、技術的な檢査事務のみでありますから、地方自治法の趣旨に矛盾しないと考えるのであります。  何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御承認あらんことをお願いする次第であります。
  4. 神田博

    神田委員長代理 これにて政府説明は終りました。引続き事疑に移ります。今村長太郎君。
  5. 今村長太郎

    今村(長)委員 ただいま商工大臣からいろいろと御説明を承りましたが、その御説明の中で、業界要望である、こういうふうに説明されましたが、はたしてそれが真に業界要望であるかどうか。この点が非常に疑わしいのでありまして、私どもの察知いたしております事情から判断いたしますと、この檢査出張所は、以上八箇所にお設けになるというよりも、むしろこうしたものは輸出品を発送いたします貿易港等設置せられまして、ただ書類の上だけの檢査でなく、実態に即した―現在行われております輸出品に対する檢査と申しますのはチエツク檢査でありまして、ただ書類のみを通すだけであるのでありますが、こういうふうに支所設けても、依然としてそういうふうに同じような形態をたどつて行くとするなれば、いたずらに役所の出店をふやすようなことは、おとりやめになる方がよいと思われるのであります、しかも支所に派遣せられる官吏の方はおそらく三級官吏であろうと思われるのでありますが、こういう薄給の官吏の人が、現在の生活の面の物価とにらみあわせて非常に生活が苦しいという場合、はたして至公至平に厳重なる檢査が行われるかどうか。支所設置したがために、最近ややもすれば、厳粛であら事なければならない税務官吏においても、いろいろの醜聞を聞くのであります。事実新聞等にも掲載されておるのであります。ここにおいてこういうふうに支所設置されましたことによつて業界人といろいろなれ合の上で、そういうふうな事態が発生しないとも限らない。これは現在の官吏の方の素質が悪いのでなく、現在の給料ではとうてい食つて行けない、こういうふうなことがそういうふうにさすのであろうとは思いますが、でき得る限りさようなことのないように、ぜひとも支所設置しなければ良心的な優秀な貿易品が製造されないというならばいざ知らず、われわれの考えておるところから判断いたしますと、良心的事な優秀な製品海外輸出するということは、技術向上と、設備の改善と、メ―カ―の良心的な努力、そういうふうな点が相まつてこそ初めて優秀な輸出品が製造されると思うのであります。八箇所や九箇所支所設置したからといつて、それによつてただちに製品の優秀なるものが製造されるとは受取りがたいのである。しかも出張には多額の旅費を要する。こういう点でありますが、支所設置された場合に、一固年を通じてどれだけの経費がいるのか。出張した場合にどれだけの費用がいるのか。現在までに出張を行つている旅費ははたしてどのくらい費用がいつたのか。こういう点をひとつ明確にお答えを願いたいのであります。要約しますれば、現在までに出張旅費は、どれだけいつたか。支所設置した場合にはその経費が省かれるか、冗費が省かれるか。負担が軽減されるか。支所設置したからただちに優秀なる製品が製造されるかどうか。しかも現在行つているような書類の上だけのチエツク檢査であれば、支所をお設けなつたところで、それは同じことであると思うのであります。從つてほんとうりつぱな製品を製造して海外輸出しようと思えば、船積みをするときに厳重に檢査を行うということにでもするなれば、もし誤まつて不良品を製造いたしました業者があつたとしても、民間檢査が行われておつて、しかも國営檢査も行われるが、民間檢査をパスしても、ある一部の國営檢査員とないれ合いの上でパスしてみても、船積みするときにはまたさらに嚴重なる檢査を受けるというようなことであれば、製品を製造する上において細心の注意を拂うということに自然なろうと思うのであります。従いましてそういう点についてはたして政府はどういうふうにお考えになつているか。まずこの点をお尋ねしたいのであります。
  6. 長村貞一

    長村政府委員 ただいまの御質問お答え申し上げます。今回設置いたそうと思つております檢査所支所の場所は、御案内の通りに大部分絹あるいは綿の主産地でございます。業界要望ということを申し上げたのでありますが、今出張檢査をやつておりまして、檢査員が、その産地相当製品がたまつた、そのときに出かけて行つて出張檢査をやるよりも、常時そこに常駐して手取り早く檢査をしてほしいという要求が、特にこの方面の産地から強く來ております。それらを勘案いたしまして、ここにありますように、絹の主産地あるいは綿の主産地に今回の支所を置きたいと思つておるわけでございます。この檢査はご承知通り絹等につきましては毎回檢査現場でやつております。単に書類を見るだけでございませんで、それぞれの製品を一々現場で見まして檢査をいたしておるのでございます。私どもといたしましては、この檢査は、特に絹、人絹というようなものにおきましては、単に合格品、不合格品というものを区別するだけでございません。進んで、どうして不合格品ができたか、どこに欠点があつたかということもそこで明らかにいたしまして、それぞれの産地技術向上なり何なりに資したい、かように考えておる次第でございます。これに要します職員としましては、先ほど申し上げました通りに、人員も少しも増加いたしませず、またこれに要します経費といたしましても、決してこれによつて経費をふやすというようなことは考えておらないのでございまして、何らこれによる新しい負担というものは考えていないのでございます。すべての繊維製品産地に全部支所設けるということを考えておるわけでは決してございません。特に必要であり、また現場の需要からみましても、結局そこに檢査員を常置しておいた方がよろしいというところだけ選びましてごくわずか置いておる次第でございます。檢査嚴正公平につきましては、従来といえども厳重にこれを監督いたしまして、いやしくも誤りのないように指導はいたしております。今後とも、現場に常駐することに相なりますればますます公平な、しかも厳正な檢査を行いまして、同時にまた、品質向上をも期したい、かように考えております。これのみをもつて品質向上が全部達成されるとは、私率直に申しまして考えておりませんけれども、これによりまして相当産地の方々の利便に資するところが多かろうと、かように存じておる次第であります。
  7. 今村長太郎

    今村(長)委員 私がお尋ねいたしました中で、由来出張して檢査をやつてつた場合には、どれくらいの経費がかかつてつたか、新たに支所設置した場合にはどれくらいの経費がいるのかという点をお尋ねしたいのですが、多分それに対する御回答はお忘れになつたと思いますが、これに回答されるのか、されたないのか。
  8. 柴田龍雄

    柴田説明員 では私から、今村さんの御質問に対しましてお答え申します。出張所の問題でございますが、実は輸出品取締法によりますと、檢査標準関係上來月から実施するごとになつております。今実績をちよつと申し上げかねますが、私ども考えておりますことは、大体一つ支所に一箇月に―二人が一組になつておりますが、二名の檢査員が二回出張いたしますと、大体一箇月に延べ四人が出張をすることになります。それが平均かりに一万円の旅費がかかることにいたしますと、一箇所に四万円、八箇所で平均三十二万円程度出張旅費がいる計算になるのであります。ところが支所を置きますと、大体私どもの方で考えておりますことは、家賃が月二千円、その他の雑費が三、四千円、大体月五、六千円というような計算になつておりますから、八箇所でありますから、月に四万円か五万円ありますれば、支所経費がまかなえる予定でおります。從つて大体一割程度経費仕事が運営できる。こういうような計算になるわけであります。
  9. 今村長太郎

    今村(長)委員 ただいまの御説明では、支所設置すれば一箇所で五千円、八箇所で四万円程度、そして人を派遣する場合には、一人当り一万円、月四人が行くとすれば八箇所で三十二万円、こういうことで、結局支所設置する方が二十八万円ほど経費が少くて済む、こういうような御答弁であつたと思います。そこで出張されておる檢査員は、現在どういうお仕事をしておるか。檢査方法、それは私先ほど申し上げましたように、現場現品檢査でもなければ、抜取り檢査でもない。ただ書類の上に目を通すだけだ。私はさよう考えております。これに対してはお答えがなかつた。それで、檢査を現在までどういうふうな方法でやつておるか。今後はどういうふうな方法でやるか。
  10. 柴田龍雄

    柴田説明員 今度支所を置きまして、その檢査員の実際に行います仕事の内容は、輸出の絹、人絹においては実際上の檢査でありまして、毎反檢査をして取締りをするわけであります。綿関係その他は輸出品取締法によります檢査、これはスポツト・チエツクでありまして、これは標準関係上、來月一日から施行することになつております。今までやつておりませんが、来月から実施することになるわけであります。それは各工場、また各檢査機関のところに参りまして、檢査の実際を指尋しますと同時に、必要がありますれば、実際に抜取り檢査をする予定であります。
  11. 今村長太郎

    今村(長)委員 東京都中央区日本橋に新富ビルというものがありまして、その中に絹、人絹織物檢査協会があるということは御存じのことだろうと思います。全国に檢査協会が十九ありまして、その十九の檢査協会というものは民間の協会でありまして、現在までに民間檢査を行つております。現在までの成績は、悪いと思われる節が非常に少いのでありまして、國営檢査より以上に成績が上つておるように聞き及んでおるのであります。しかもこの十九の檢査協会というものは、繊維局檢査課、いわゆる柴田檢査課長が御指導になつて、こういうふうな檢査協会をつくられたのであると、私はさように開き及んでおるのであります。それがはたして事実であるかどうかということが一点。いま一点は、すでに人絹に対しては、國営檢査でやるべきはずのものを、この民間の絹、人絹織物檢査協会下請檢査をさせておるやにも聞いておるのであります。もしそれが的をはれたものだとしても、今後そういうふうに下請檢査をさすようなお考えになつておるのか。現実にさせておるのか。これからそういうふうにやらすという公約をしておるのか。この点お聞きしたいのであります。
  12. 長村貞一

    長村政府委員 ただいまお話のありました檢査協会は、お話のございます通りに、いずれも繊維局指導と申しますか、業界と打合せましてつくつたものでございます。ただいまここでお願いしております國営檢査所支所は、輸出品でありまするところの繊維製品檢査をやるためにつくりたいと存じておる次第でございまして、絹織物人絹織物等は、依頼によりまして、この國営檢査所が毎反檢査をやつておりますことは、先ほど柴田説明員が御説明申し上げた通りであります。内需品と申しますか、輸出しないものにつきましては、檢査協会がやつておるのでございますが、輸出品取締法によつて命ぜられております檢査、これはスポツト・チエツクになりますが、それと依頼檢査は、全部この檢査所で直接その責任によつてやることになつております。
  13. 今村長太郎

    今村(長)委員 絹、人絹織物檢査協会に対して現在下請をやらしておる事実があるのかどうか。それから今後やらす意思があるのかどうか。これは答弁がなかつたにですが……
  14. 長村貞一

    長村政府委員 ただいまの絹、人絹織物事檢査協会に対しまして、この國営檢査でやるべき檢査下請させておる事実はございません。将來もこれを下請させる意思はございません。
  15. 今村長太郎

    今村(長)委員 官吏檢査員と申しますか、國営檢査を行いまする場合、優秀な製品を製造する面において、はたして檢査員が工員を指導する技術があるのかどうか、こういう点をお尋ねしたいのであります。と同時に、また國営檢査員いわゆる官吏檢査員を採用する場合、どういうふうな方法によつて採用しておるかという点をお伺いします。
  16. 長村貞一

    長村政府委員 檢査所業務は、先ほど申し上げましたように、私といたしましては単に悪いもの、よいものをより分けるだけじやございませんで、それを通じまして、その地方におきます技術向上に資したいと考えておる次第であります。從つて、お尋ねのように、現実の問題としてさようなことができるかどうかということになると思いますが、数ある檢査員のことでございまして、あるいはいまだ知識経験の不十分な者もあるかと存じますけれども、大体におきまして、その地方におきまして毎日その製品を、しかも一つ工場だげでありませんで、各種各様製品を見、またそれらの欠点あるいは長所というものも数多く手がけて知つておりますので、勢いおのおのの檢査員には、それぞれの織物欠点なり、あるいはその織物技術を改善する点は、職務上よく気づく立場にありますので、その点現場の監督は相当うまく行き得るのではないかと考えておる次第であります。従いまして、この職員を採用いたしますときも、もちろんこれは官吏でございますので、一般官吏と同様な採用基準は必要でございますけれども、ことにさような技術的な仕事をやります職務を持つておりますので、でき得るだけさような技術的な專門の知識を持ち、また現実経験を持つておる者を採用いたすというとにしておる次第であります。
  17. 神田博

    神田委員長代理 ちよつと今村君に伺いますが、大臣に対事する質問はございませんか。
  18. 今村長太郎

    今村(長)委員 ありません。
  19. 神田博

    神田委員長代理 それでは大臣に対する質問として、川上委員から要望がありますから、川上君に許したいと思います。川上君。
  20. 川上貫一

    川上委員 この通商事務所に関連いたしまして、商工大臣ちよつとお聞きしたいのですが、通商事務所設置して、通商業務の円滑を期する必要があるというのでありますが、もちろん通商業務の円滑ということは非常に大事なことだと考えます。しかし聞くところによりますと、現在通商に関しまして、非常に輸出向け滞貨があるというように承つております。これは通商関係において、かなり将來の問題として重要な問題と考えるのでありますが、大づかみで、どのくらいな金額の輸出滞貨があるかということを、ちよつとお開きしたいのであります。
  21. 稻垣平太郎

    稻垣國務大臣 今正確な数字を聞こうと思つて話をしておつたのですが、三月末の数字を私おぼえているので、そのものをもつてお話をいたしますと、大体二百五十億から三百億の程度であります。但しこれは、いわゆるランニングのストックもその中に入つておりますので、いわゆる滞貨、つまり処理がまだできずにおるという―川上さんの言われる滞貨もその意味だろうと思うのですが、それが大体七十億から八十億見当であろうと思うのであります。これにつきましては、繊維品がその中の大部分を占めておりますので、繊維品につきまして、どうしても規格その他の関係輸出ができないものにつきましては、これを國内放出をすべく今考えておるわけであります。それ以外のものにつきましは、あるいは民間業者にこれをまた拂いもどしまして、そうして直接輸出の面に振り向ける。あるいはこれを規格をかえて輸出する。こういつた措置をとるように考えておるのであります。これはこの前、この委員会でも何かのときにも御質問がありまして、私お答えいたしたと思うのでありますが、大体詳しい数字は、もちろん御必要とあればまた申し上げますけれども、私の記憶した数字で申し上げたのですから、どうかそのつもりで……。
  22. 永山時雄

    永山説明員 ただいま御質疑の在庫高の問題についてでございますが、これは最近の資料を私ここに持合せておりませんが大体ただいまから申し上げる数字と大差なかろうと存じます。鉱工品貿易公團、この関係でトータルにいたしまして約三十八億程度でございます。このうち輸出の可能と思われまするのが二十七億、それから残りの十一億ばかりが、現在のところ輸出がきわめて困難であろうというように見通しをされておるのであります。それから繊維関係につきましては、現在約三百億ほどのものが輸出向け滞貨としてございます。これはほぼ輸出が可能であるという見込みでございますが、そのほかに内需向けといたしまして約百億程度ございます。これは大体現状からいたしますと、輸出がきわめて困難であるという意味合いから、内需向けに処分するという予定の数でございます。大体以上であります。
  23. 川上貫一

    川上委員 事の手元にあります資料から見ても、今の繊維関係が約三百億ということは、まことにそうであろうと思いますが、一体どうしてそうたくさん滞貨になつたのか。これは輸出可能であるということを言われますが、従来の貿易関係赤字が、あれほどたくさん輸出があつたにもかかわらず、大きな赤字になつておる。その一つの原因として、この滞貨問題がどうしてもあるわけであります。なぜこう滞貨するか。將來の見込みは一体どうなるか。輸出可能であると言われますが、これは可能か不可能か、はつきり実際はわからない。この滞貨が年々ふえて来ておる。この見込みはどうなるでありましようか。またどうしてこうなるのか、伺いたい。
  24. 永山時雄

    永山説明員 お答えをいたします。特に繊維関係につきまして非常に滞貨が多いわけでございますが、これは御承知のごとく、從來輸出生産につきましては、政府見込みによつて生産をいたします計画生産方式をとつておりますのと、それからバイヤ―の注文に應じてつくります注文生産、この二つの方式があるのでございまして、繊維につきましては、従来はそのほとんど全部が計画生産政府見込みによつて生産をいたしたものであるのでございます。申し上げるまでもなく、日本輸出の大部分繊維製品でございまして、從つて一層これが輸出に努めることが、輸出の進行を促すゆえんであるという意味合いにおきまして、極力繊維輸出に努めまして、その意味合いにおきまして、繊維品輸出向け計画生産にも努めたわけでございますが、ただ一面海外事情におきまして、必ずしも従来の状態が正規の貿易状況に帰つておりませんで、きわめて制限をされた、いわばアブノ―マル状態においてしか貿易ができなかつたというのが、従来の経過であつたわけでございます。この点も漸次改善されて参りまして、繊維につきましても先般來計画生産を全部とりやめまして、すべて注文生産に基く方式に切りかえるというようなこと、それから協定貿易範囲促進等によりまして、繊維品滞貨を極力一掃するように努めておるというようなことで、漸次この関係状況も好轉して参りました。ただいま申し上げましたように、三百億程度輸出向けのものは逐次処分をすることになるだろうという見通上になつております。
  25. 川上貫一

    川上委員 それに付随しまして聞きたいのでありますが、從來の貿易の業態がアプノ―マル状態であつたのが、今後はこれが解決するだろうという御答弁であります。しかし全体の状態をながめて考えて、繊維を中心とする―そのほかのものもそうでありますが、行先は東洋貿易なのであります。これは新聞でもたびたび傳えられる通りに、日本繊維品質についてはことにイギリスの業界は非常に敏感になつておる。また極東においても非常に日本繊維輸出を喜んで歓迎するということが、将来ぐんぐん続いて行くかどうか。これはいつかも私、商工大臣にお尋ねしたのでありますが、この輸出は実質においてダンピゾグではないか。厖大なる補給金価格調整費の基礎の上に立つたところの実質的なダンピングの形を持つておる。こういうような輸出の形は國際憲章立場からいつても適当ではない。また極東の民族がこういう貿易に反撃を加えるのではないかということを、かつて質問したのであります。これに対して明快なる答弁を私は得ておらぬのでありますが、東洋市場において今のような状態輸出で、非常に前途が明るいと政府当局はごらんになりますか。あるいはいろいろな困難があるとお考えになりますか。海外の情報によると、これははなはだ障害にぶつかるであろうということを傳えておるのですが、この見通しをお聞きいたしたいと思います。
  26. 稻垣平太郎

    稻垣國務大臣 この問題はこの前も川上さんにお話を申し上げたのでありまして、結局川上さんのお話のように、むろんいろいろな困難にびつかるだろうと私は思つております。そう簡単に日本輸出が進展するというようには考えていないのであります。困難だろうという点については、私はまつた川上君と同意見であります。ただしかしながら困難だからといつて、われわれは努力しないわけにも参りませんし、われわれはとにかくわが国を加工工業國としまして、原料の輸入はどうしても確保しなければならぬ。原料の輸入を確保するためには、どうしても輸出について極度の努力をやつて行かなければならぬ。ただ今日の関係におきましては、われわれが出しますところの市場において、ドル貨が不足しておるという点、またわれわれがどうしても必要なる原料を得なければならぬといつたような諸事実を考えまして、主として貿易協定という形で推進して行くことが一番必要であろう。こういうように考えておりますので、できるだけ各國との間に貿易協定を締結して、わが國の輸出の進展を企図して行きたい。かように考えておるのであります。幸いに本年度以來の輸出成績は、われわれが予期しておるように進展いたしておりますので、今後ともこの傾向を持続して行きたい。かように考えておる次第であります。
  27. 川上貫一

    川上委員 いろいろ困難があるけれども貿易は促進して行かなくてはならぬという、この点も一度商工大臣にお尋ねしたのでありますが、中國との貿易であります。今の貿易状態を打開して行くためには、どうしても厖大なる人口を擁するところの中國の貿易ということを考えなければならぬ。努力するとは言われますけれども、しよせん日本の東洋向けの貿易というものは必ず困難にぶつかつて行くし、真価を上げることができない。このことについてかつて商工大臣はそう考えておる、しかしいろいろな事情があつてなかなかそれが思うように行かない点がある、こういう御答弁があつたと思います。それにつきましてはいろいろな事情があるのでありましようが、どうしても中國貿易を促進しなければいけないという立場については、政府当局におきましても御異論ないと思う。そのいろいろな事情はどうしても打開しなくてはいけないので、この日本の國民大衆の要望と國民大衆の諸要求、こういうようなものの上に立つて強力に中國との貿易を促進しなければならぬ。こうお考えになつておりましようか。あるいは政府当局では、これは成行きにまかせておくより仕方がない。こうお考えになつておるのでありましようか。これは商工大臣から伺いたい。
  28. 稻垣平太郎

    稻垣國務大臣 この点はこの前も私お答えいたしたのでありますが、中國との貿易は從來とも非常に大きな部分を占めておることはお話通りであります。そして日本があの大衆を擁しておりますところの中國との間に輸出、輸入ともにやつて行かなければならぬ。こういう点についてもまことに御同感であります。ただこの前もお答え申し上げましたように、実際上中共政府がどういう形になるかという問題は、まだ未決の問題でありますし、また実際にわれわれは占領下において管理貿易を行つておる建前から、これをどういう形に持つて行けるかということについては、まだ私申し上げる時期に達していないと思うのであります。ただ実際問題といたしましては、実際上のいわゆる取引というものは、われわれは機会をつかまえて今後できるだけこれが促進に努めたい。かように考えております。また同時に中共との間の関連につきましても、管理貿易下において了解を得ることができますれば、むろん喜んでわれわれはやりたい。かように考えております。
  29. 川上貫一

    川上委員 その筋の了解ということもありまして、その点はわかりますが、これは実際日本の産業の生死に関する大きな問題だと思う。そこでこういう大きな問題をどうしても解決しなくてはならぬために、國民の世論に訴え、國民の希望にこたえ、國民の意見を聞き、國民の意向を総合しなけれぱならぬということが全國民の、要望であるから、この状態をでき得る限り打開し、あるいは打開してもらうというようなお考えがありますか。この点は政府はやつておると言われるのでありますが、これは日本の生死に関する問題であるから、國民的世論を喚起して政府と國民とが力を合せてこの問題を解決して行くということについて、どうお考えになりますか。
  30. 稻垣平太郎

    稻垣國務大臣 むろん政府といたしましても、國民のそういつたような声が結集されるということは最も希望するところであります。ただ御承知のように管理下、占領下にあるのであります。そのいわゆる管理下にあるという建前に抵触しない限りにおきましては、われわれはむろん喜んでそういつたような建前をとりたい。かように考えております。
  31. 河野金昇

    ○河野(金)委員 これは主として大臣にお尋ねし、事務的なことで大臣におわかりにならなければ、繊維局長その他からお答えつてもけつこうと思いますが、この繊維製品檢査所というものは、絹織物輸出入を主として檢査されるのか。それとも毛とか綿とか、一切の輸出入の檢査をされるかどうかという問題が一点と、それからいろいろ繊維製品に対しての統制をはずすとか、はずさないとかいう問題がありまするが、絹織物に対する統制ははずされるのかはずされないのか。はずされるとしたならば、大体の目標があればそれをお示しいただきたいと存じます。もう一点それと同時に戰争中戰争に協力せんがためというのか、一方的な命令によつて企業整備、企業合同でスクラップに織機などを出しました。いわゆる轉廃業者や引揚者が終戦後苦心さんたんして、絹なり毛なり綿なりの織機を入れておりますけれども、それに対してまだ登録のついておらないものがありまするが、毛とか綿、そういうものの未登録の織機に対して、どういう処置をおとりになろうとするのか。また特紡なりガラ紡なりの統制がはずされるとしたならば、はずされるものの未登録の織機に対しては、どういう処置をおとりになるのか、御答弁が願いたいと存じます。
  32. 稻垣平太郎

    稻垣國務大臣 私から統制の問題をお答えいたしまして、あとは繊維局長からお答えいたします。今の絹製品、あるいはガラ紡、あるいはくず繊維というものの統制をはずすかどうかというような御質問でありましたが、政府といたしましては、その配給価格についての統制のわくをはずすべく、今関係方面と折衝中でありまして、できるだけわれわれの期待するところを裏切らないように今努力いたしております。この程度お答えさせていただきたいと思います。あとは繊維局長からお答えいたします。
  33. 長村貞一

    長村政府委員 檢査所檢査の目的でございますけれども、これは制度といたしましては、全部の繊維製品についてスポツト・チエツク檢査をいたすものであります。ただ依頼につきましては、今絹織物人絹織物依頼を受けておるわけであります。ほかのものももし業界依頼されるようであれば檢査いたしますけれども依頼がございませんので檢査をいたしておりません。  それから設備の問題でございますが、ただいまの大臣の御答弁のように、かりに繊維のある分野につきまして生産配給等の統制が変更されることに相なりましても、ただいまの情勢ではいわゆる設備の制限の点では、従前通りのことになるのではないかという見通しを持つております。  なお轉廃業者の方々の設備の復元の問題につきましては、昨年絹、人絹その他の設備の復元の場合にも、できる限り優位にこれを取扱うようにいたしておりましたけれども、今後も復元の問題が具体化いたしまする都度、轉廃業者の方々はこれを優位に扱いたい、かような方針で考えております。
  34. 今村長太郎

    今村(長)委員 繊維局が御指導になつてつくられたこの檢査協会が十九という数字になつておるのですが、民間のこうした檢査協会檢査をやつております檢査の方針と、國営檢査の方針自体については、どういう点が違つておるか。たとえば國営檢査の方はただ檢査をするだけだ、いい製品をつくるにはこういうふうに指導するのだという、指導の面でどういうふうな指導方針をお考えになつておるか。この点をお聞きしたいと思います。
  35. 長村貞一

    長村政府委員 いわゆる檢査指導方針については、國営檢査で行います檢査も、いまの民間檢査協会で行います檢査も、その間の齟齬はないものと考えております。先ほど私申し上げましたように、檢査の目的は、もとより直接にはいいものと悪いものをより分けることではありますが、何故にさような不合格品、悪いものができたか、その欠点を明らかにしまして、再び不合格品が出ないようにまで指導するのが、そういう種類の檢査としては必要なことではないか。この点については國営檢査機関で行う考え方も、民間檢査協会で行う考え方も齟齬はないものと考えております。
  36. 今村長太郎

    今村(長)委員 私どもがお尋ねしているのは、その指導方針です。たとえば技術の面においてはこういうふうな指導をしているのだ、こういう研究もやつているのだ、いろいろの調査もやつているのだ、そういうふうな面をお尋ねしているわけで、製品檢査は、民間檢査の方は現在抜取り檢査をやつている。國檢の方は抜取り檢査までは行つていない。毎反ごとに全部おやりになつておりますか。
  37. 長村貞一

    長村政府委員 國檢の方では先ほど檢査課長から御答弁申しましたように、依頼を受けておりますところの絹、人絹織物檢査については毎反の檢査をやつております。これは現実に各産地で行つております。その他についてはスポツト・チエツクとして抜取り檢査を行うことになるわけであります。
  38. 今村長太郎

    今村(長)委員 毎反檢査をやつているとすれば、昨年絹織物相当合格品が、積荷をするときに出たという事実があるのでありますが、それはどういうわけでさような結果が生じたかという点が一点。  それからどうしても國営檢査では、優秀な製品を製造するところの要素となるべき各工場の工員の指導というようなことは、言うべくして行われがたいのじやないかと考えられる。民間檢査でありましたら、すでにもう十年以上実際に檢査経験を持つているので、國営檢査とそこに相当な開きがあると思う。從つて民間檢査の場合は、檢査だけでなく、工員を指導して優秀な製品を製造する可能性が十分にある。從つてこの民間檢査をよく利用して最後に國営檢査は、輸出港から船積みをする直前に、民間檢査がはたしてその成績がどうであるかという点をよく檢査されることだけで、事足りるのではないかと思われるのであります。しかも従来も船積みをする前には相当檢査をやつて、不合格品を出したという事実に徴しても、ことさらに支所設けなければならないということが、どうしても納得できにくい点が多々あるのであります。特にこの支所設置されるとして、廣島をちよつと考えても、絹織物なんかはほとんどないように思います。浜松にしても、加茂にしても、松本にしても、足利にしても―ここは絹製品産地相当たくさんあろうと思いますが、岡山にしても、久留米にしても、絹は非常に少い。絹の工場は岡山では四箇所、久留米では三箇所ぐらいしかないのじやないか。こういうふうに考えて参りますと、どうしてもその支所設置する理由がまことに薄弱ではないか、そういうふうに思われますので、この点を承りたいと思います。
  39. 長村貞一

    長村政府委員 國営檢査をやつておりますにもかかわらず、現に輸出する際になお輸出品で適当でないものが出たということは、たしかにお話通りであるのであります。その技術的な原因につきましては、私承知いたしておりませんけれども、御承知のようにこれは絹系統のものがお話通り多いのであります。これはおそらく精練その他の関係から、檢査当時には表には現われなかつたものが出るのではないかと私は考えております。民間檢査協会があるのと また國営の査機関があるのと両方あるのでありますが、私どもは決して民間檢査を廃しまして、すべての檢査國営に移そうという考えは少しも持つておらぬのであります。先ほど來申し上げましたように、國営檢査で毎反檢査をやつておりますのは、業界依頼がありました範囲におきまして、絹、人絹についてやつておるだけでございます。その他のものは産地において民間檢査協会檢査していただく。それについて法律の定めるところによりまして、必要なスポツト・チエツクをする、こういう建前で行きたいと思つております。民間檢査を廃しましてこれを國営に移すために、かような支所等を設けるということでは決してないのでございます。お話のように今回の支所設けますところは、全部全部絹製品ではありません。絹、人絹産地もありまするが、同時に御指摘のように綿の主産地もあるわけであります。これらの産地におきましては、その産地では相当数の綿織物の産出がございまするので、これについての現場スポツト・チエツクというものは、やはりその都度檢査員現場に出かけて参りまするよりも、そこに現に常駐いたしまして、その場で生産があるごとにスポツト・チエツクをする方がかえつて檢査を促進するゆえんである。その方が都合がよろしいということから、かようなことを定めたのでございます。産地におきまして、特に主産地におきまして、そのところで法律の定めるスポツト・チエツク現場にてその都度やる方が、製品の出荷、檢査の遂行というものがうまく調和しますので、その方が出荷の促進出荷の阻害を來すことがないという意味で、実は地方の便利になる、かように考えております。
  40. 今村長太郎

    今村(長)委員 いろいろとお尋ねをしまして、お答えをいただいておりまするが、どうもこうぴんと納得の行くような点が來ないのであります。しかしいつまで質問を継続いたしましても限りのないことですから、結論といたしまして國営、國管、國檢こういう言葉がどうも流行語のようになつておるのでありますけれども、これも統制下においては、さような結果が自然に招来するでありましようが、結果から判断いたしまして、私は支所設置いたしましても、結局これは有名無実になつて、何ら得るところがないような結果が招來するのではないか、かように考えられるのであります。しかし政府としては支所設けることによつて、優秀な製品をつくり、責任を持てる製品海外輸出することができるのだというような考え方、これはおのおの見解の相違であろうと思います。従いましてこれ以上御質問をいたしましても、同じことを繰返すようなことになろうと思いますので、支所設置されましても、決して成果のあがるものでないというふうな考え方を持つておりますので、こういう点をよくなお一層政府としても御研究をしていただきたい、かように思うのであります。これで質問を打切ります。
  41. 長村貞一

    長村政府委員 ただいまの御意見にございましたように、私どもとしましては幸いに支所設置の御承認を得ましたならば、支所をしてその設置を意義あらしめますように、十分その運営及び監督には注意して御期待に沿いたいと思います。
  42. 森下孝

    ○森下委員 これは檢査所とは全然問題が違う問題でありますが、先ほどお話したように、繊維局においては元織織機の新設を認められないというようなことから、全國的に経済査察廳が活動して今織機の復元をしております。私どもの研究によりますと、政府が調べたところの登録織機というものの現在三倍という厖大な絹、人絹その他の機械が、今日本國中で運轉されているという事実を私は調査しております。この点に対しまして政府当局に対しては、輸出の場合にはこれだけの織機がある。これでマフラ―は何十万ダースと注文がとれるのだというふうな名目から、その仕事をやつていますが、結局はその仕事を納期に間に合わせるには、繊維当局が元織織機と言われるところの機械によつて日本の再建に貢献をなしておるというのが現実であります。しこうして織機もきのうきようできるものではない。一年がかりにすえつけて、動くまでには三月も四月もの日数がかかつております。いろいろな当局のむずかしい手続関係によつて、現在いろいろな形でその登録というものができ得なかつたという現状だと私は思うのでありまして、現在足利、桐生その他大阪方面においても、新聞で発表になつているだけでも数千台という織機が今復元されております。これを現実政府が法規の通りやるとしたならば、日本繊維業界はまつたく暗黒のうちに破産の現状になるということを、私は憂うるのであります。今回これらの織機に対して何らかの処置をもつて、一日も早く業界に対して明るい見事通しのつくような方法をすみやかにとつていただきたいということを、局長に要望するものであります。
  43. 長村貞一

    長村政府委員 ただいま御指摘の絹、人絹織機の未発録のものにつきましては、経済調査廳でただいま調査を行つております。その結果につきましては私どもまだお話を調査廳方面からは聞いておりませんけれども、各地の調査の結果はその都度御連絡を受けることになつておるのでございます。法規の面から申しますならば、これは臨検規則によつていまだ許可を受けていないものであろうと思いますので、その辺に法規との関連でむずかしい問題が起ると思います。一面ただいま御指摘のような現実の問題もございます。これは調査廳の調査の結果をまちまして、調査廳ともよく打合せまして、できるだけ妥当な結末をつけたいと考えております。
  44. 高木吉之助

    ○高木(吉)委員 ただいまの繊維檢査所設置の場所でありますが、大体絹、人絹並びに毛織物、綿織物としては必要な場所であります。しかし要は檢査員の質の問題が一番問題になると思うのでありまして、私ども專門的な立場から見ますと、現在は非常に檢査員技術的な面から言つて、低下しておるように考えておるのでありますが、ただ輸出不合格を摘出するのみではなくして、將來いろいろな織物なり繊維類ができ上つて來ます場合において、檢査員がそれを檢査するだけの技能を持つておらぬということが相当見られるのでありますが、繊維局にとりまして、とくに檢査員技術向上するという意味におきまして、特別の研究機関なりを設置せられまして、質の向上をはかるということについてお伺いいたしたいと思います。
  45. 長村貞一

    長村政府委員 檢査員の質の問題につきましては、先ほど今村委員からもお尋ねがございましたが、今後檢査の厳正公平な施行及びそれを通じての技術指導の面から申しますならば、ますます質の向上をはからねばならぬと存じております。御指摘のように必ずしも全部が満足すべき技術的な水準を持つているものと限らぬと存じます。今研究機関その他を現実設置する計画は持つておりませんけれども檢査標準の問題と関係させまして、各檢査所ごとにこれを統一して十分に理解せしめ、また技術向上をはかるための各種の訓練的な方法を講じたい、かように考えおります。
  46. 森下孝

    ○森下委員 先ほどの無登録織機の問題でありまするけれども、経済調査局の方から、いろいろの関係から資料繊維局の方に向けられると言われておりますけれども、私の考えではただいま動いておるところの織機に封印をするという問題については、即時にやめていただきたいと考えるのでありますが、いかがでございましようか。
  47. 長村貞一

    長村政府委員 この調査廳の結果につきましての措置は、経済調査廳で処置をすることになりますので、今お尋ねの点は御要望のありました趣旨を調査廳にも私は傳えたいと思います。
  48. 神田博

    神田委員長代理 ほかに御質疑はありませんか。――御質疑がないようでありまするから質疑を打切りたいと思います。御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり)
  49. 神田博

    神田委員長代理 御異議なしと認めます。それでは質疑はこれにて打切ることにいたします。次に速記をとめてください。     〔速記中止〕
  50. 神田博

    神田委員長代理 速記を始めてください。暫時休憩いたします。     午後一時一分休憩      ――――◇―――――     〔休憩後は開会に至らなかつた