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1949-04-30 第5回国会 衆議院 商工委員会 第9号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十四年四月三十日(土曜日)     午前十一時十六分開議  出席委員    委員長代理理事 神田  博君    理事 今村長太郎君 理事 澁谷雄太郎君    理事 今澄  勇君 理事 川上 貫一君    理事 永井 要造君       岩川 與助君    江田斗米吉君       小金 義照君    高木吉之助君       多武良哲三君    松尾トシ子君       水谷長三郎君    聽濤 克巳君  出席政府委員         商工政務次官  有田 二郎君         商工事務官         (機械局長)  武内 征平君         商工事務官         (鉱山局長)  長谷川輝彦君         商工事務官         (電力局長)  玉置 敬三君         商工事務官         (生活物資局         長)      細井富太郎君         商工事務官         (中小企業廳振         興局長)    小笠 公韶君         商工事務官         (石炭廳管理局         長)      山地 八郎君  委員外出席者         議     員 足立 篤郎君         議     員 天野 公義君         議     員 小川 半次君         議     員 苫米地英俊君         議     員 原 健三郎君         議     員 降旗 徳弥君         議     員 三宅 則義君         專  門  員 越田 清七君         專  門  員 谷崎  明君         專  門  員 大石 主計君     ――――――――――――― 四月二十八日  電氣小委員小川半次君及び商業小委員石田一松  君委員辞任につき、その補欠とし七月三十日柳  原三郎君及び河野金昇君が委員長の指名で小委  員に選任された。     ――――――――――――― 四月二十八日  自轉車競技法の一部を改正する法律案原健三  郎君外六名提出衆法第四号)  鉱山保安法案内閣提出一三八号)  中小企業等協同組合法案内閣提出第一四五号)  中小企業等協同組合法施行法案内閣提出第一  四六号) 同日  労務者用繊維製品配給に関する請願前田種男  君紹介)(第六一七号)  常磐茨城炭田自立に関する請願山崎猛君外二  名紹介)(第六八九号)  石けん資材割当方法に関する請願降旗徳弥君  外三名紹介)(第七三八号) の審査を本委員会に付託された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した事件  小委員補欠選任  自轉車競技法の一部を改正する法律案原健三  郎君外六名提出衆法第四号)  鉱山保安法案内閣提出一三八号)   請願  一 配電事業公営に関する請願有田二郎君紹    介)(第四六号)  二 炭鉱資材の賣掛金処置に関する請願(小    金義照紹介)(第九八号)  三 ガラ紡製品に対する統制一部撤廃請願(    三宅則義紹介)(第二六二号)  四 電力事情改善に関する請願冨永格五郎君    外二名紹介)(第二大五号)  五 小清水村に発電所設置請願林好次君紹    介)(第二六六号)  六 東北地方大口産業用電力料金低減に関す    る請願内海安吉紹介)(第二九五号)  七 八向村前波部落電燈線架設費全額國庫負    担の請願上林與市郎紹介)(第三〇六号)  八 北海道の家庭用石炭確保に関する請願(苫    米地英俊倉外一名紹介)(第三五五号)  九 鉱業法の一部改正に関する請願高橋清治    郁君紹介)(第三八一号) 一〇 繊維屑に対する統制撤廃請願天野公義    君紹介)(第四〇二号) 一一 絹、人絹織物統制撤廃請願平島良一君    外十名紹介)(第四〇八号) 一二 中小企業の保護に関する請願平島良一君    外十名紹介)(第四〇九号) 一三 羅臼村知円別自家発電施設建設請願(    伊藤郷一君紹介)(第四六五号) 一四 供出重油タンク買戻の請願稻田直道君紹    介)(第四六七号) 一五 岩手縣水害罹災者衣料確保等に関する請    願(山本猛夫君外六名紹介)(第五〇七    号) 一六 引揚者に対する繊維製品配給に関する請願    (足立篤郎紹介)(第五〇八号) 一七 岩手縣水害地鉱工業復興資金に関する請    願(山本猛夫君外六名紹介)(第五一五    号) 一八 岩手縣に電氣計器調整所及び電氣試験所    設置請願淺利三朗君外二名紹介)(第    妻七号) 一九 中小企業振興対策に閥する請願清藤唯七    君紹介)(第五四〇号) 二〇 單一為替レート設定に伴う中小企業対策に    関する請願清藤唯七紹介)(第五四一    号) 二一 和袋細貨類衣料配給規則より除外等に関    する請願森下孝紹介)(第五六二号) 二二 坑木生産供出の駐路打開に関する請願(平    野三郎岩紹介)(第五八九号) 二三 廣島縣下の発電所設置に関する請願外二件    (宇田恒君外一名紹介)(第五九〇号)  日程追加    石けん資材割当方法に関する請願降旗徳    弥君外三名紹介)(第七三八号)   陳情書  一 衣料適正配給に関する陳情書    (第六号)  二 石炭配給機構改善に関する、陳情書    (    第二一号)  三 鹿児島、南西諸島間に民間貿易再開陳情    書(第四〇号)  四 國立漆器試験所設置陳情書    (第四五号)  五 水力発電事業拡充陳情書    (第七三号)  六 夜明水力発電所設置陳情書    (第七四号)  七 炭鉱資材の支払に対し紐付融資方法活用    の陳情書    (第八五号)  八 疊行政を商工省に一元化の陳情書    (第九〇号)  九 只見川筋水力発電計画に関する陳情書    (第一一五号) 一〇 信用保証協会設置陳情書    (第一五五号) 一一 石炭配給機構改善に関する陳情書    (第二〇二号) 一二 ガラ紡並びに特紡製品統制撤廃陳情書    (第一三八号) 一三 中小企業診断制度実施に関する陳情書    (第二四七号) 一四 ガラ紡製品に対する統制一部撤廃陳情書    (第二七一号) 一五 水産加工業者米軍放出衣料割当陳情書    (第三一二号)     ―――――――――――――
  2. 神田博

    神田委員長代理 これより商工委員会開会いたします。  本日は委員長におさしつかえがありますので、私が委員長の職務を行います。  まずお諮りいたしたいことがあります。一昨二十八日小川半次君及び石田一松君が委員を辞任せられ、柳原三郎君と河野金昇君が新たに委員になられたのであります。小川君は電氣小委員石田君は商業小委員でありましたので、その補欠選任を行わなければなりませんが、これは先例によりまして選挙の手続きを省略して、ただちに委員長において指名いたしたいと思いますが、この取扱いに御異議はございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 神田博

    神田委員長代理 御異議なしと認めます。それでは柳原三郎君を電氣小委員に、河野金昇君を商業小委員に指名いたします。     —————————————
  4. 今澄勇

    今澄委員 議事進行について発言を求めます。
  5. 神田博

    神田委員長代理 今澄君から議事進行についての発言要求がございますが、簡單に願います。
  6. 今澄勇

    今澄委員 大体商工委員会委員長最初一回出席しただけで、その後姿が見えない。しかも先般の鉱工業小委員会において、委員長席小金委員が着いて申合せをした結果、石炭に関する暫定炭價の問題で正式な委員会を開こうということであつた。ところが、それを一昨日の委員会において開くべく議事日程に載せたところが、委員長が姿を見せない。遂に流会となつて石炭に関する炭價の問題はその後一回も開かれないよう状態であります。私は商工委員会権威のためにも、それらの商工委員会を闘いたからには速記をつけて、そうして委員会ではわれわれの意見を取上げるのが妥当であるにもかかわらず、いまだ速記がついて委員会を開いたことが一回もない。大野委員長は姿を見せない。神田委員長代理も料飲店問題で姿を見せない。澁谷委員長代理に聞けば、神田委員長代理に聞いてもらいたいということで、商工委員会権威はいずこにありやと言いたいのであります。しかも大手筋炭鉱代表者から、聞くところによると、この炭價の問題について石炭協会へ、きのうの会からきようの会にかけて各代表者を呼んで参考人としての会は開かないという電報が、衆議院の内部から行つておるのである。この電報を何入が打つたかということを今調査中でありますが、委員会を開くべく公報に載せておきながら、委員会を開いて理路整然たる理論闘争をする場合においては、非常に不利であるという観点から、おそらくこの委員会の中のだれかがその電報をもし打つたものであるとするならば、商工委員会を私するものと言わなければならぬのであります。われわれはこのよう観点に立つて、このたびの石炭炭價の問題、メリットの問題、すなわち五、六月の暫定炭價並びに復金融資その他の資金の問題について、正式な委員会を開いて、石炭の問題に関する結論を、この商工委員会が出そうということにきまつてつたにもかかわらず、今日に至るまでのびのびとなつて、さよう至つてもほかの議題はかけるけれども石炭議題はかけない。この暫定炭價の問題もすでに今明日中にもきまろうという状態である。まことにけしからぬと思うのであります。その原因は、商工委員会委員長がまことに怠慢であるという一点に帰するのであつて、しかも商工委員長の怠慢に加えて、委員会が正式に呼んで聞こうとしたそれらの人々に、委員会をやるという公報を取消したという事実なきにもかかわらず、電報を打つて出て來ないでよろしいという策動をするということは、國会権威に関してまことに許すべからざる行為である。この点に対して委員長の所感を伺つて、ひとつ私は議事進行にかえたいと思うのであります。
  7. 神田博

    神田委員長代理 今澄君にお答えいたします。大野委員長が当委員会に出席できないことは、いろいろの事情があつてのことでございまして、これはやむを得ないと考えております。委員長におきましては、事情の許す限り委員会に出席するという意向でございます。  それから次に一昨日の商工委員会にせつかく石炭業者を呼んでおきながら、委員会が流れた。これははなはだ遺憾でございますが、一昨日は本会議がございまして、本会議の定足数を欠くという理由によつて議長委員会開会許可されなかつた。これは委員会といたしましてははなはだやむを得なかつたことであります。  それから速記委員会につけない理由がしばしばあるという御注意でありましたが、これは國会事務局におきまして、速記者が非常に不足しておるということでございまして、あらかじめお諮りした上で速記を付さなかつたことでございまして、ここで遺憾であると言われることは、國会事務局に対して潰憾であるという意味であろうというふうに私承りておきます。  なおまた炭價問題等につきまして、いろいろ御憂慮の御意見がございましたが、それらの点に対しましては私も同感でございます。これらの点につきましては、適当なる機会にすみやかに検討いたしたいと考えております。  なおこの問題と関連いたしまして、國会郵便局から電報を打つたというような一つの想定の上で、御意見をお述べにたつたようでありまするが、これは調査中ということでありますので、いずれ判明いたしましたならば、その状況によりましてお答え申し上げたいと思います。おそらく当委員会委員等においては、さような卑劣の行為をとるよう委員の諸君は、一人もないであろうということを私は信じております。以上お答え申し上げます。
  8. 川上貫一

    川上委員 関連して申し上げます。今今澄委員発言によつてこれは私は初めて知つたのであります。これは今取調べ中ということでございましたが、これは十分に取調べの必要があると思うのです。これはデマであるか、あるいは今澄君の聞き違いであるか、あるいは事実であるのか、委員長がそう言われただけでは私たちはそうかということを結論するわけにはか行かない。これは十分にひとつ取調べをお願いしたい。  それから一昨日の石炭に関する商工委員会の開催については、その以前に理事会において決定した問題である。一昨日これが自然流会なつたということは、議長委員会開会を延ばすようにということがあつたということでありますが、これは事実そうではない。二時から開会するということになつてつて商工大臣も二時には列席しておる。われわれも二時にここへ來ておる。ところがこれが自然休会になつたの委員長が來ないからである。向うから委員会を中止して本会議に出てくれという話があつたのは三時である。その間に一時間のずれがある。これは委員長がちやんと示した通りにここへ來て商工委員会を開かれる考えであるならば、少くとも一時間は委員会を開けたのである。これを開いておらぬのは委員長の怠慢であつて、この責任議長のところにあるのでも何でもない。これは事情が違うのである。最初に顔を出されてあいさつがあつたきり一ぺんも出て來ない。いろいろ事情があるというお話でありますけれども、それは事情があるのでありましようが、一ぺんも顔を出さないよう事情では委員長たる資格がない。それゆえにわれわれはこの委員長を今後信任することができない。委員長を信任しないということをここでひとつきめてもらいたい。これでは困る。大体委員長が一ぺんも委員会に來ない。こんな委員長はあつたものではない。事情があるというが、そんな事情は無責任な話であつてつもりくつにならない。これでは委員長たる資格はないと思うのであります。  第二の問題は一昨日の石炭に関する商工委員会は、今暫定炭價がきまるというようなときであるし、また関連産業が非常に未払いで困つておる。その他石炭については、速急にこの委員会としての見解をきめなければならぬということで開くことになつてつたのであつて、適当な機会にこれを開くという問題ではない。即刻これは開かなければならぬということは、理事会で決定されたことでありますから、私の者えとしてはこれをもうただちに開かなくちやならぬ。これはこの委員会で適当な時期にというようなことではなしに、いつ開くということまできめなければならぬ。この石炭に関する委員会が、こういうことになると何かわからぬけれども、とかくこれを引延ばそうという空氣が非常に見える。こういうことは私ははなはだおもしろくないと思う。一旦決定した問題についてはどんどん委員長責任においてやらなければ、今今澄君の言つたよう商工委員会としての権成はないということになるのでもりますから、この石炭に関する自然休会になつているところのこの委員会をただちに開くという手続をとつてもらいたい。これを要求するのであります。以上二点であります。
  9. 神田博

    神田委員長代理 川上君にお答えいたします。川上君の今述べられた人体の趣旨は、私が今澄君にお答えした通りでありますので、さよう御了承していただきます。
  10. 今澄勇

    今澄委員 関連して、今の電報につきましてちよつと申し上げます。今衆議院内から石炭協会に関する電報の件について、委員長は当商工委員会からそのような者は一人もないであろうという御答弁でございましたが、私もその通りであればよいと念願しておる次第であります。よつて事実を一、二点申し上げて——商工委員会は当然これを調査すべき責任があると考えておるのでございますから、私からその事実を申し述べておきます。この石炭に関する参考人を呼んで——石炭協会が一本にまとまつておらないで、大手筋小山炭鉱にわかれておるということは御了承の通りであります。よつて二十七日商工委員会鉱工業小委員会において、石炭協会代表者並び小山炭鉱代表春大手筋炭鉱代表者及びその他の参考人を呼んで、その間の事情を聽取する予定であつたところが、二十七日夜電報をもつて石炭協会に対し、参考人の件はとりやめたという電報が、衆議院郵便局から行つておるということは嚴然たる事実であります。よつて石炭協会は二十八日の朝常磐炭田並びに宇部炭鉱に対し電話をかけて、これこれの電報が來ておるから、今日はあなた方は行くには及ばないという連絡をいたしたことは事実であります。しかもその電報発信者大藏委員会ということになつておる。大藏委員会は何らそういうよう石炭業者に縁がないにかかわらず、大藏委員会の名で二十七日の夕ベこの電報が出されて、二十八日に石炭協会から、これこれこういう連絡があつたということが、各小山炭鉱その他に傳わつて、二十八日の朝それらの者に來るに及ばないという情報が流された。このことが事実であるということをこの際確認しておいて、当商工委員会はこの問題を——いかなる目的で何人がこのよう電報を打つたかということを調査するように、第一に皆様にお諮り願いたいと存じます。
  11. 神田博

    神田委員長代理 今澄君に私の意見を申し上げますが、実は電報云々事件は、今澄君の御発言によつて突如として私も承知いたしたわけでありまして、どういう事情で、どういう材料をお持ちか、私も今お聞きしたのみでありまして、詳細に知る由もないのであります。この事件調査をする、そこで委員会に諮れという御要求でありましたが、河も今あわててやるほどのこともないだろうし、証拠を隠滅されるおそれもないと思いますので、ひとつ十分具体的な証拠を整えられまして、理事会等においてこれを相談し、そして委員会にお諮りした方が適当じやないかと考えております。さよう御了承願いたいと考えます。     —————————————
  12. 神田博

    神田委員長代理 一昨二十八日、原健三郎君外六名提出轉車競技法の一部を改正する法律案内閣提出鉱山保安法案中小企業等協同組合法案中小企業等協同組合法施行法案、以上四法案が本委員会に付託されました。以上御報告申し上げます。  次に原健三郎書外六名提出、自轉車競技法の一部を改正する法律案について、提案者説明を求めます。原健三郎君。
  13. 原健三郎

    原健三郎君 この自轉車競技法と言いますのは、昭和二十三年八月一日法律第二百九号によつてきめられたものでありまして、その第一條に「都道縣及び人口財政等を勘案して主務大臣が指定する市は、自轉車改良、増産、輸出増加國内需要充足に寄與するとともに、地方財政増收を図るため、この法律により、自轉車競争を行うととができる。」と規定してあります。これによりますと、都道縣及び主務大臣が指定する市となつておりますが、その市だけにとどまらず、町村も入れるようにいたしたいというのが、この改正法律案の全部であります。市のほかに町村を入れたのであります。その理由といたしましては、根本的な理由と具体的な理由と大体二つあるわけであります。根本的な理由といたしましては、この第一條にうたつてありますように、今後わが國においてますます自轉車改良をはかり、なお國内の需要が非常に盛んになりますから需要充足をはかり、さらに最近アジア各方面に輸出増加がありますので、なおさら輸出増加をはかりたいと思つております。さらに第二の理由は、財政が逼迫しております町村がありますので、その増收をはかりたいということももちろん理由になつておるのであります。それから今までの法律によりますと、われわれが今申したような自轉車の競技をやる根本的な理由から考えましても、これは都道府縣は申すまでもありませんが、何も市だけにやらしておいて、町村にやらしてはいけないという理由は少しもないのであります。しかし町村はどの町村でも軒並にやらせるということではないことは、言うまでもないのであります。單に行政区画が市であるから主務大臣は指定することができるけれども、町村であるから指定することができないというのでは、きわめて片手落ちになるのであります。たとえば財政的に非常に窮乏したり、戦災その他の災害に悩みつつあつて、しかも人口などから考えましても、ちつぽけな市よりもはるかに大きな人口を有しておる町村があります。こういうものは單なる行政区画だけをもつて、これは市であるからいい、これは町村であるからいけないというのでは、非常に片手落ちのきらいがあります。具体的な例を申し上げませんとそういうことを申し上げてもわかりませんから、具体的に例を申し上げます。現に兵庫縣武庫郡の例を申し上げます。これは阪神間であります。それを見ますと七個町村つて鳴尾村、良元村、本庄村、本山村、魚崎町、住吉村、御影町となつておりまして、二町五村であります。戦災をこうむつ戦災率を見ますと、この七つの町村におきまして、七割一分という戦災をこうむつております。そして現在の人口から見ましても、現在は武庫郡は何割かは減つておりますが、それでも十二万を突破しております。しかも人口は密集しており、地域の狭いところにこれだけの人口が集中しておりますが、全部これが町であつたり、村であつたりいたしております。鳴尾村のごときは、現在でもほとんど三万あります。良元村も二万、本山村が二万、その他においても一万五千内外のところでありまして、大きな町村であります。こういう具体的な例をとつてみますと、近くにある人口三万くらいの市においてはやる可能性があるにかかわらず、これらの大町村で、しかも戦災をこうむつており、財政的にも困つておるのに自轉車競技がやれない。しかもこれらの町村に行わす場合におきましては、町村が合併して場合でやりたいということを申し出ております。私の改正法律案に対して反対する意見は二つあります。競輪場を一々設置するのに費用がかかるからできないだろうと言いますが、これは事実上できません。それから、町村に許すと全國の町村どこもかしこも競輪をやらしてくれといつてたいへんなことになる。今市でさえもやれないのに、町村軒並にどの町村もやらすということはもつてのほかであるということは、御説ごもつともであります。われわれも全國の町村どこもかしこも競輪をやつてもらうという趣旨では決してありません。ただいま申しましたように特別の町村に許してもらいたいということになるわけであります。特別というのはどういうことかと言いますと、法律にうたいましても競輪場はそうどこでもできません。今申した武庫郡の例で申しますと、既設の西宮の競輪場を借り入れて、この七箇町村が連合して主催者になつて競輪をやつて收入をあげたい、また一方には自轉車改良もやりたい、こういう希望であります。そういたしましてもなお全國の町村から申込みが殺到して困るというようなことがありますが、今申したようなことから考えましても、現在におきましては主務大臣である商工大臣が、これを指定いたすことになつておりますが、商工省委員会というのがあります。その委員会において、現在でもこれが適当なりやいなやということを嚴重に審査いたしております。でありますから法律がかわつたからといつて、もちろん全國のどの町村にも許すということにならないことは言うまでもないし、委員会にかけて十分これを公正にやる。私どもの提案理由からいたしましても、むやみに許可はいたしません。たとえ許可をいたしましても、それは採算がつきませんから、おそらく盲めつぼうに希望もないと思いますが、たとい希望があつても多数許す意思はもちろんないのであります。これは主管大臣にも立法の趣旨をよく説明いたしまして、善処いたしたいと考えております。簡單ながら提案理由をここに御説明いたしておきます。     —————————————
  14. 神田博

    神田委員長代理 次は鉱山保安法案について、有田政府委員説明を求めます。有田君。
  15. 有田二郎

    有田政府委員 ただいま議題となりました鉱山保安法案につきまして、その提案理由を御説明いたします。  御承知のごとく、鉱業の保安に関する法制の歴史はきわめて古く、保安が生産の基礎となる鉱業の特殊事情に即應いたしまして、明治二十三年の鉱業條例以來、施設の保安、鉱夫の保護、鉱害の防止等に関し、これを法的に規制し、商工省において総合的かつ一元的に監督して参つたのであります。終戰以來、主として戦時中の濫掘による鉱業施設等の荒廃のため、鉱山の保安状況は悪化し、鉱業生産の確保向上のためには、保安條件の整備が焦眉の急とされているのであかますが、これを規制する現行法規には若干の不備もあり、監督機関も十分とは言えないので、政府といたしましては、鉱業保安関係法令の整備と、監督機関の充実並びに労働関係法規との調整について、鋭意検討を進めて來たのでありますが、ようやくその成案を得ましたので、ここに鉱業法、労働基準法とは別個の單行法として、鉱山保安法案を本國会提出して御審議を仰ぐ次第であります。  この法案は第一條に明文を設けましたごとく、鉱業生産の特殊性にかんがみ、鉱山労働者の保護をはかるとともに、鉱物資源の合理的開発をはかるという、こつの目的をあわせ持つものであります。  この法案において特に政府の考慮いたしました事項の第一点は、鉱業の保安に関する鉱業権者及び保安技術職員その他の鉱山労働者の責任を、明確にするということであります。現行法令におきましては、責任関係が明確でない点もあつたのでありますが、この法案は、鉱業権者及び鉱山に働く労働者が、それぞれ鉱業の保安に関し法的責任を持つことを、明確に定めようといたしております。  第二点は、鉱業の保安が特殊の技術的事項であることにかんがみ、鉱山の現場機構を整備強化しようとしていることであります。すなわち保安管理者、保安監督員等の保安技術職員の制度を整備し、かつ、その資質の向上をはかりますほか、各鉱山に保安委員会設置、実情に即する保安規程の作成を義務づけ、現場保安業務の最も円滑な運営を期しているのであります。  第三点は、鉱業の保安に関する監督機閥の整備と、そのきわめて民主的な運営をはかつていることであります。すなわちこの法案施行のため中央に鉱山保安局を設け、地方に鉱山保安監督部、炭鉱保安監督部を置いて、それぞれ商工局、石炭局に付置し、これらに鉱務監督官を配して、保安感得の強化をはかろうといたしておるのでありますが、これとともにその民主的な運営を確保いたしますため、中央地方にそれぞれ労資、学識経験者よりなる保安協議会存設け、重要事項について審議することといたしておるのであります。なおこの法案に基づき監督機関が操業に影響を及ぼすような命令等を発します際は、最も民主曲な公開による聽聞を行い、峯前に直接関係者の意見を聞く制度を創設しているのであります。今日鉱業の保安状況は必ずしも万全とは申せないのでありまして、この法案の施行により、万難を排して災害の絶滅を期し、鉱物資源の増産のため基礎條件を確保したいと思うのであります。  何とぞ慎重審議の上、可決せられんことを希望いたします。
  16. 神田博

    神田委員長代理 自轉車競技法の一部を改正する法律案、鉱山保安法、この二法案につきましての審議は、追つて公報をもつてお知らせいたしたいと思います。     —————————————
  17. 神田博

    神田委員長代理 次に請願陳情議題といたしまして、審議をいたしたいと思います。配電事業公営に関する請願、文書表第四六号、紹介議員有田二郎君の説明を求めます。
  18. 澁谷雄太郎

    ○澁谷委員 配電の事業は、民生の安定と直接の関係を持つておりまして、需要者へのサービスを使命とするものであります。該事業運営の合理化と民主的経営とは、その事業の公営化をまつて初めて達成されるものであります。つきましては、すみやかに配電事業の公営の実現のため、適当な旨方途を講じていただきたいことを切望するものであります。以上が本請願趣旨でありますから、何とぞ政府におかれましては、慎重なる考慮をお払いくださいまして、これが実現を期せられんことをお願いしたいと存じます。
  19. 玉置敬三

    ○玉置政府委員 電氣事業は御承知のように基礎産業でございまして、どういうふうに持つて行くかということにつきましては、昨年商工省内に電氣事業民主化委員会というものを設置いたしまして、あらゆる角度から検討をして参つております。目下私どもの方におきましても、これが全体の立場からいろいろ研究中でございます。ただ現在電粛事業全体は、集中排除法の指定を受けておりますので、これらの問題とも関連して、今後研究を進めて行きたいと思います。ただいまの公営論につきましては、電氣事業の運営としますれば、國営論あり、公営論あり、民営論あり、いろいろそれぞれ意見があると思うのでありまして、これは非常な重要問題でございまするので、これらの問題は電氣事業が特に基礎産業であるという立場から、十分研究を進めて行くつもりであります。
  20. 神田博

    神田委員長代理 本請願の可否は追つて決したいと思います。     —————————————
  21. 神田博

    神田委員長代理 次は炭鉱資材の賣掛金処置に関する請願、文書表第九八号、紹介議員小金義照君。
  22. 小金義照

    小金委員 炭鉱資材の賣掛金処置に関する請願でありますが、各炭鉱関連産業に対する賣掛代金が非常にたくさんにかさまつておるのでありまして、この炭鉱関連産業に支払いを行わないために、関連産業が非常に苦しんでおりますることは、すでに天下公知の事実でありましで、この問題はすでに各方面にいろいろな波紋を投じまして、今日関連産業及び中小商工業者が非常に窮境に立たせられておることも、すでに皆さん御承知の通りであります。そこでこの請願が三月十一日に出されたのでありますが、まことにもつともでありまして、この石炭鉱業自体が非常に苦しい立場におるということもまた事実でありますけれども、関連産業に及ぼす影響は非常に大きいので、監督官廳その他が適当にこの問題をさばいて、すみやかに炭鉱関連産業に支払いをして、この問題を解決するようにしていただきたいと思います。先般大蔵委員会及びこの商工委員会が連合の会議を開きまして、業者からつぶさにこの不払いと申しますか、未払い状態調査したのであります。事務の関係から速記はとつてありませんけれども、その事態はすでに明瞭になつております。どうかこの請願はすみやかに國会においても採択されまして、政府その他この石炭鉱業の助長、監督に当られる向きにおきまして、至急にしかるべく善処せられんことを希望いたすものであります。
  23. 有田二郎

    有田政府委員 小金委員にお答えいたします。炭鉱向け資材の賣掛金の処置については、二十三年度下期の配炭公團余剰金約二十億円を炭鉱に還元し、炭鉱資金的援助を與えることによつて解決すべく、目下関係方面と努力中でありますし、さらにまた日銀とも鋭意折衝中でありまして、黒字の炭鉱に対しては、何とか日本銀行においてもこれを見るという方向に、現在進みつつあるのであります。その点御了承賜わりたいと思います。さらに現実には余剰金支出及び日銀との関連においても、関連産業に対してひもつきの方法をもつて関係への支払いに充てたい、かような考えを持つております。     —————————————
  24. 神田博

    神田委員長代理 次は三、ガラ紡製品に対する統制一部撤廃請願三宅則養君紹介、文書表番号第二六二号、三宅君。
  25. 三宅則義

    三宅則義君 ただいま請願になりましたガラ紡製品に対する統制一部撤廃請願でありますが、これは第三ページにあります陳情の一四と同一でありますが、一括いたしまして請願趣旨を御詮明いたしたいと存じます。このガラ紡製品というものはくず繊維でありまして、私の選挙区であります愛知縣の岡崎というところが中心になつてつておることは、御承知の通りであります。現在紡績の落綿もしくは加工品の裁断くずをもつて原料といたしておりますが、それは全需要の約三〇%しかむいのであります。あとのものは家庭に埋藏せられておるところの古綿繊維、あるいは紡織繊維が中心になつてやらなければならぬということになつておりますが、現在これを統制しておりますから十分に集まつて参りません。それでやむなくやつておるというようなことでありますが、それははなはだ撤廃を欠いておると思うのであります。この古繊維のごときは統制撤廃いたしましても、決して現状に即しないわけではないと確信いたしますので、どうか私どもの繊維でありますところのガラ紡に対しましては、統制を一部撤廃せられますと同時に、この古繊維に対しましてもぜひとも政府当局におきまして一部統制撤廃せられまして、これが自由に生産せられることになりますならば、農村用のガラ紡というものは極端に地方にまわるようになりますから、衣料の不足いたしております今日、ぜひこの統制を一部撤廃せられまして、自由に賣買できるようにいたしますことが、わが國の衣料の制度を改革し、また需要を満たすために必要なことであると確信いたします。ぜひ本委員会において採択せられまして、統制を一部撤廃せられんことを念願する次第であります。
  26. 有田二郎

    有田政府委員 三宅君にお答えいたします。請願並びに陳情の御趣旨にありますように、ガラ紡製品については自由競争によつて價格の引下げ、品質の向上、供給量の増加を期待できると思料せられますので、政府としては統制品に関する統制を大幅に緩和すべく、目下関係方面と折衝中でありまして、近き將來に実現でき得るものと考えておるのであります。
  27. 三宅則義

    三宅則義君 今有田政府委員のお答えによりまして非常に明朗になりました。つきましては一刻もすみやかに統制撤廃せられんことを、重ねて希望いたす次第であります。
  28. 有田二郎

    有田政府委員 三宅君の御趣旨に沿うように最善の努力をいたしたいと考えます。     —————————————
  29. 神田博

    神田委員長代理 次は第四、電力事情改善に関する請願紹介議員冨永格五郎君外二名紹介、文書表番号第二六五号、紹介議員の説明を求めます。
  30. 小金義照

    小金委員 ただいま議題になりました電力事情改善に関する請願趣旨を御説明申し上げます。本請願の要旨は、北海道渡島半島地方は電力に乏しく、産業、文化方面に多大な支障を來しているが、政府は北海道における電力開発計画としてわずかに十勝然別湖一箇所が開発されるばかりと聞くが、これでは北海道の電力事情が全面的に緩和されないから、石崎川の水力を開発し、並びに既存諸設備を改善して供給力を的確に維持し、また電圧の保持につき適切な措置を講ずるとともに、節電時の電力料金を割引きされたいというのであります。どうかこの請願趣旨を御採択くだされ、政府当局におかれましてもしかるべき御措置をお願いいたしたいのであります。
  31. 玉置敬三

    ○玉置政府委員 北海道のただいまの地点については、私どももこれが補強については、各方面から強力な措置を進めて行きたいと考えます。北海道の開発について十勝然別潮一湖というようなことでございましたが、現在私ども計画として持つております分は、これ以外にさらに六箇地点、火力において二箇地点を持つておるのでありまして、今回の五箇年計画においても重点的に、北海道の開発についてはでき得る限り措置を進めて行きたいと考えております。なお石狩川の電源開発については、現在私どもも水力調査を行つておりますので、これらの問題については具体化されるに伴いまして、十分検討を進めて行きたいと考えておるのであります。その他電圧降下に対する措置、節電時の電力料金については現在すでに実施中のものもございますし、その他具体的の問題として十分考慮を進めたいと考えておりす。     —————————————
  32. 神田博

    神田委員長代理 日程第五、小清水村に発電所設置請願林好次紹介、丈書表番号第二六六号、小川君。
  33. 小川半次

    小川半次君 林君がただいまここに出席しておりませんので、私からかわつて請願趣旨を述べたいと存じます。請願書、北海道開発総合計画に基く発電所の設定は、屈斜路湖よりポンヤンベツ川をつなぐ御調査をなし、本村に発電所の設置方御高配相仰ぎたく、別総理由を具しここに請願申し上げます。理由衆議院國土計画委員会地方開発小委員会において、北海道開発総合計画について審議立案決定を見ました水力発電施設は、本道工業に及ぼす影響は大で、その拡充こそは新日本建設の基礎とも言うべく、その一環として屈斜路湖を利用、発電所の設定こそは地方農村工業の振興に寄與するところ甚大で、実現のすみやかならんことを要望するもので、何分の御踏査の上御採用を請願に及びました次第であります。以上が理由であります。何とぞよろしくお願いいたします。
  34. 玉置敬三

    ○玉置政府委員 屈斜路湖の利用につきまして、現在判明いたしておるところによりますと、大体一万キロワツトくらいの包藏水力を有しておるものと考えておりますが、これが具体化につきましてはまだここで申し上げる程度に至つておりません。今後なお十分調査を進めて行きたいと考えております。     —————————————
  35. 神田博

    神田委員長代理 次は六、東北地方大口産業用電力料金低減に関する請願、文書表番号第二九五号、内海安吉紹介
  36. 小金義照

    小金委員 紹介議員の内海安吉君がおられませんので、私がかわつて、この東北地方大口産業用電力料金低減に関する請願趣旨を、御説明申し上げます。  本請願の要旨は、東北地方は大口電力料金について関東、関西、中部と同列のB級に編入されているのでありますが、需要地の遠隔、輸送の不便、補助関連工業の未発達、民度の低劣等の制約を受けているから、電力の低料金によつて補わなければ東北地方の化学工業の経営は成り立たない。ついては、東北地方の大口産業用電力料金を低減されたいというのであります。どうかできるだけ早くこの請願を採択されまして、政府当局におかれましてしかるべく御処置をお願いいたしたいのであります。
  37. 玉置敬三

    ○玉置政府委員 東北地方の電力料金につきましては、これは東北地方が発電縣でもありますので、われわれとしましても今後電氣料金のあり方といたしまして、でき得る限りその地域の、あるいは地方の原價計算を採用して行くことが、最も好ましいことだと考えておりますので、次回電氣料金の改訂等におきましては、でき得る限りその趣旨にのつとりまして、進めて行きたいと考えております。     —————————————
  38. 神田博

    神田委員長代理 次は七、八向村前波部落電燈線架設費全額國庫負担の請願、文書表番号第三〇六号、上林與市郎紹介
  39. 今澄勇

    今澄委員 上林紹介議員が不在でございますので、かわつて説明申し上げます。東北地方は日本の穀倉でございまして、早場米の供出を完全に実現できるかどうかということは、食糧政策上の重大問題でございます。この意味において農村を電化して農村の能率を増進することは、目下の急務であります。しかるに最上郡八向村は電燈すらなく、夜間作業は一切できず、非常に困つております。農業生産の増強並びに文化生活の向上のため、この際できる限りすみやかに八向村に電氣を供給されたいと思います。なお配電線新設のために多額の費用を負担することは、山間の一寒村としてとうてい負担にたえられぬところでございますから、工事費負担額は最小限にお願いしたいと存じます。以上が本請願趣旨でありまして、各委員におかれましては十分御審議の上、御採択あらんことをお願いする次第であります。
  40. 玉置敬三

    ○玉置政府委員 未点燈部落に対して、今後点燈を進めて行きたいということにつきましては、具体的な地域地域によつてわれわれとしても大いに促進したいと思います。ただいまのお話中に國庫負担ということがございましたが、これは現下の実情におきまして、國庫負担を行うととは非常に困難と考えております。なお御指定の地点につきましては、地方商工局電力部その他におきまして調査をいたしまして、でき得る限り今後点燈せしむるというような点につきましては、御趣旨に沿つて具体的な問題として進めて行きたいと考えます。     —————————————
  41. 神田博

    神田委員長代理 それでは八、北海道の家庭用石炭確保に関する請願、文書表番号第三五五号、苫米地英俊君外一名紹介
  42. 苫米地英俊

    苫米地英俊君 北海道は、御承知の通り半年にわたりまして、零下五度ないし三十度の極寒の地であります。從つて北海道におきましては、石炭は食糧にもおとらない絶対的必需物資でございます。しかるに近年石炭の代價が非常に上りまして、道民が手に入れる石炭は大体四千円以上五千円近く、まことに高い値段を払つておる次第であります。そこで近年の統計を見ますと、この燃料費が生活費において占める割合が、急激に高騰いたしておるのであります。そこで二十三年度におきましては、臨時処置士して一戸当り一トンについて九百七十円ずつ政府で補給されたのでありますが、これは二十三年度限りの処置で、二十四年度になつてどうなるかということは未定でございます。二十三年度の冬季におきましてもこの補給があつたにかかわらず、またことしの冬は非常に温暖の異変があつたにかかわらず、石炭の引取りが非常に困難であつた。多くの道民は、わずか一トン五分という石炭を引取ることができなかつたのであります。そこで道民はあの寒中にえんえん長蛇の列をなして、わずか一分か二分の石炭をもらう日が幾日も続いたよう状態でございます。もちろん石炭に代替される木材等のまきなどがあるのでありますけれども、これは石炭よりもさらに高いので、一般道民がこれによつて暖をとるということはできない状態であるのであります。そこでどうかこの石炭を一般道民に使われるよう——こに病院、学校、旅館等におきましても、この暖房用炭が非常に欠乏して困つておるのであります。学校などは窓ガラスが割れておつて、とてもストーブをたいても学童が寒さに耐えられないよう状態であるのに、石炭が乏しい、じかもその品質が非常に悪い。こういうことで参季は大学を初め小学校に至るまで、やむを得ず二月、三月の授業を休止しておるよう状態であります。これはまことにゆゆしい実情であると存じますので、昭和二十四年度以降においては、北海道の暖厨房用の石炭の價格を重要産業用炭と同價格まで引下げて、これを法制化していただきたいのであります。  第二は昭和二十四年度の家庭用石炭は、一戸平均三トン七分を確保せられたいのであります。從來一トン二分とか一トン五分とかいうような少量であつて、しかも品質が粗悪であるために、道民は非常に苦しんでおりましたので、どうかこの三トン七分、これは普通に生活のできる最低限度でありますから、この線まで確保するように、政府におかれては御考慮願いたいと思うのであります。また石炭の質が粗悪であつて燃えない。北海道では近ごろ石炭のことを「モエンタン」——燃えぬ炭と申しております。そういうふうでございまして、せつかく高い金を出して買つても、燃えないで捨てられてしまうということになりますので、どうか熱量も五千八百カロリー以上のものを配給するようにしていただきたい。これが本請願趣旨でございます。どうぞ政府におかれては、この特殊事情を十分御考慮の上、單に公務員の石炭手当だけでなしに、道民の暖厨房用炭ということに心を寄せられることをお願いする次第であります。
  43. 有田二郎

    有田政府委員 苫米地議員にお答えいたします。北海道における家庭用石炭に関し、適正な品質の石炭を必要数量確保するということは、同地の特殊事情より北海道民の民生安定上、きわめて深刻かつ重大な問題であつて、政府としても常に鋭意研究して、これが安当な解決に努力いたしているところでありますが、わが國現下の石炭情勢においては、種々複雑困難な事情に制約され、一挙に理想的な解決をはかり得ないことは、政府としてもまことに遺憾でありますが、今後ともこれが改善に一層の努力を払いたいと存じている次第であります。北海道家庭用石炭の價格を重要産業並の價格に引下げるという御要望に対しては、現段階においては実現至難であると認められますので、別途適当な対策を研究したいと考えているのであります。北海道暖厨房用炭の本年度における配当は、経済安定本部においては百六十五万トンを計画しておりますが、これは本年度程度の出炭計画に基いて勘案する場合には、やむを得ない数量であると考えられます。  次に良質炭の配給についての御要望でありますが、現在の上級炭の生産数量をもつてしては、重要基礎産業部門において必要とする数量を満たすことも困難な実情でありますので、家庭用に対しては、本年度は平均五千五百カロリー程度の石炭を目標として、配当するのやむなき現状であります。これが打開のためにも、北海道における上級炭の増産については、今後さらに一段の努力を要すりものと考えている次第であります。
  44. 苫米地英俊

    苫米地英俊君 有田政府委員の御答弁、私ごもつともと存ずるのであります。しかしながら、別途考慮するというようなお考えは、もう少し具体的でないと、これは道民がとうてい納得いたさないと思うのであります。それから炭質にきましても、決して優良炭を配給してもらいたいということを申しているのではございません。優良炭と申せば六千カロリー、六千五百カロリー以上のものでありまして、現在配給されておる石炭は、多くは粉炭もしくは微粉炭であります。從つてこれらのものがストーブに入れられて、燃えないでつつつきまわされて落ちてしまつて消えてしまう。むしろ燃えないものを、石炭増産という名前で掘つて、燃えないものを配給しているという方が適当であるような実情であるのであります。それを政府の力で燃えるものをいただきたい。五千八百カロリーというのは、決して良質炭とは言えない程度のものではありまするが、とにかく家庭用炭としては良質だと言えるので、この五千八百カロリーを組持していただきたいというのがこの要望であります。どうかもう少し具体的に別途考慮の模様を聞かせていただきたいと思います。
  45. 有田二郎

    有田政府委員 苫米地議員にお答えいたします。経済安定本部におきまして、本年度の配炭は百六十五万トンと計画されておるのでありまするが、この点につきまして苫米地議員の申されることはもつともであります。現段階におきましてはなはだ至難であることも、御了承願えると思うのであります。さらに苫米地議員におきましては、この請願を経済安定本部に御交渉願いまして、この百六十五万トンの計画をさらに増加するという点に、御努力賜わりたいと思うのであります。さらにまた燃えない石炭を配給しておるというお言葉に対しましては、この点につきましても商工省といたしましてもでき得る限り努力いたしまして、御希望の五千八百カロリーに達しないかもしれませんけれども、燃える石炭を配給するように努力をいたしたいと考えるものであります。
  46. 苫米地英俊

    苫米地英俊君 この石炭の代金でありますが、これは先ほども申し上げました通りに、道民が引取れない現在の値段であります。昨年度において九百七十円の補助をしていただいたのでありますが、これで道民は引取れなかつたのであります。でありますからしてそれを御考慮になりまして、重要産業並にすることができないといたしましても、なるべくそれに近い値段を御決定いただくように、お願いいたしたいのであります。
  47. 有田二郎

    有田政府委員 専門事項にわたりますから、山地政府委員から御説明いたします。
  48. 山地八郎

    ○山地政府委員 石炭の單價について御質問があつたのでありますが、石炭の價格は御承知の通り配給の方の價格と、買取りの方の價格とある次第でございます。われわれといたしましては配給の方の價格は一般物價の水準との問題もありまするので、できる限り、また一般的には需要者にとつて喜ぶべき安い値段、かつカロリー相應の値段で販売いたすべき筋合いのものであると心得ておるのであります。ただこの販賣炭價のもとになつておりますのは生産者價格でありますが、生産者價格は御承知の通りであろうと思いますが、現在非常な苦しい経営のもとで生産確保に努力いたしております。北海道はもとより各地の炭鉱でも、本年の四月以降は政府の財政的援助け全然なしで、鋭意増産に邁進しなければならないような状況でありまするので、目下各炭鉱とも経営の合理化に努力いたしておりますが、簡單に生産者價格の引下げはむずかしいような状況であります。われわれといたしましては、適正な生産者價格を基礎といたしまして、これに基く妥当なる配給價格を維持して参りたい、かように考えておるような状況でございます。
  49. 苫米地英俊

    苫米地英俊君 石炭の生産コストが高いということについては、北海道民は十分承知いたしておるのであります。それと同時に、何ゆえにそのコストが高いか、それを下げることができないかという理由も、また何ゆえに炭質の悪いものが配給されるかという理由も、表も裏も十分承知いたしておるのであります。今七の経営もしくは労働問題等について、もしくはその配炭事情等について議論をいたそうというのではありませんから、差控えますけれども、政府が安易な考えをもつて、せつかく合理化をして、しかる後に道民の石淡の價格を見てやろうなんてやり方は、これは政治ではありません。政治は、窮乏している國民をいかに救い、いかに生活さして行くかということであります。もちろん合理化されて、將來安い値段、また銘柄で賣買できるような時代の來ることは、切望いたしておるところでありますけれども、現在直面している問題を、そういう悠長なことを言つておられても、道民のこの窮乏から來るところの不平また治安、思想各方面にわたる問題は、決して口先では解決いたされないのであります。そこで私どもの要請しておりますところは、真剣にこの問題に取組んでいただきたいのであります。口の先の答弁を要求いたしておるのではないのであります。取組んで、どういうふうにどこまでできるかということを明確にしていただきたい、こう考えるのであります。
  50. 有田二郎

    有田政府委員 苫米地議員のお話はよくわかるのでありまするが、御存知の通り企業三原則、経済九原則、ドツジ・ラインが與えられておるのでありまして、補給金その他のものも許されないことは、苫米地議員のよく御存じのことであります。從いまして、政府といたしましてはもちろんこの問題に真剣に努力をいたしますることは、当然でありまするけれども、現段階におきましては、補給金の支出を許されない状態にありまするがゆえに、その範囲内におきましてこの問題の解決に最善の努力をいたしたい、かような考えを持つておる次第であります。
  51. 苫米地英俊

    苫米地英俊君 有田政府委員のお話はよくわかつております。そのことを忘れてお話をしておるのではありませんが、この炭價のきめ方です。道民に割当てられる炭價のきめ方は、昨年二十三年度においては、補給金という形であつたといたしましても、今度は寒冷地の生活必需品であるものについては、たとい重要産業並にすることができないとしても、それに近い値段をきめるということはでき得るものと思うのであります。重要産業に特定の安い價格を用いるということは、一般物價、國民生活の安定ということが目標である。北海道民の暖房炭の價格を安くきめるということも、目的においては同じであると考えるのであります。でありますから、その意味においてこの石炭の代金を安くきめるということは、全体に振り割つてみたら大した問題じやなかろうと思うのでありますが、その点いかがでありましようか。
  52. 有田二郎

    有田政府委員 商工省といたしましては、北海道の事情をよく御同情申し上げるのでありますから、國会におきまして予算にでき得る限り各位の御協力を得まして、北海道のこれらの暖房用炭の價格の問題について御協力をいたしたいと思うのであります。
  53. 苫米地英俊

    苫米地英俊君 有田政府委員の誠意ある御回答に対して感謝すると同時に、どうかその趣旨で御努力くださるようにお願いいたす次第であります。これをもつて終ります。
  54. 有田二郎

    有田政府委員 苫米地議員にお答えいたします。この北海道のいわゆる寒冷地の暖房炭につきましては、政府といたしまして、特に商工省といたしまして、十分將來とも最善の努力をいたしたいという考えをもつておりまするので、さよう御了承を賜わりたいと思います。     —————————————
  55. 神田博

    神田委員長代理 次は日程第九、鉱業法の一部改正に関する請願、文書表第三八一号、高橋清治郎君紹介
  56. 岩川與助

    ○岩川委員 高橋君が御欠席のため、私がかわつて紹介申し上げたいと思います。  本請願の要旨はらう石、石灰石、ドロマイト、硅石、長石、滑石、陶石、耐火粘土の八種の鉱物は鉄鋼、セメント、化学肥料等の化学工業原料として、産業復興及び輸出品原料にその重要性は増大ししいるのでありますが、これが鉱物は鉱業法外の鉱物であるため、その企業は一般土石採取と同一に取扱われ、鉱床に適する採取権を入手することができず、これが増産を期することができないのであります。ついては前記八種の鉱物を鉱業法上の鉱物とし、企業者に鉱業権を與え、合理的な開発を促進されたいというのであります。
  57. 有田二郎

    有田政府委員 お答えいたします。らう石ほか七種の鉱物を鉱業法に追加するかいなかにつきましては、鉱業法改正委員会において意見を諮問し、審議せられました結果、追加することに決定し、その旨答申を得ましたが、さらに今次の改正につきましては、総司令部天然資源局から意見が述べられるはずでありまするから、その意見を聞きました上、事務当局といたしましては法案を整備する予定であります。
  58. 岩川與助

    ○岩川委員 ぜひ御盡力をお願いします。     —————————————
  59. 神田博

    神田委員長代理 日程第一〇、繊維屑に対する統制撤廃請願、文書表第四〇二号、天野公義紹介
  60. 天野公義

    天野公義君 繊維屑に対する統制撤廃請願は、先ほどのガラ紡製品に対する統制一部撤廃に関する請願と相関連するのでございます。大体繊維くずはガラ紡繊維品の原料部面という関係になつておりまして、密接不離の関係のもりでございます。これは現在指定繊維資材配給規則、故繊維、屑繊維等集荷規則という規則によつて統制されておるのでございますが、この規則のために業者はいろいろな集荷の面において、また配給の面において、金融の面において非常な困難に立ち至つておるのであります。この統制撤廃の運動は昨年からずつと続けておられまして、その請願の署名人も数千を数えるよう状態であります。特にこの繊維くずにおきましては零細な繊維くずを集めるために、くず屋、バタ屋とかいう人々の手によつて集められる部面が非常に多いのでありまして、この事業を生かすということは、社会政策的にも非常に意義の深いとこつであると考えられるのであります。また現在逼迫した國民の衣料を満たす上におきましても、繊維くずの十分な利用ということを考えたげればならない段階に、立ち至つておると考えるのであります。先般來繊維局の方面からの繊維くず、故繊維関係の統制撤廃の案というものが、新聞紙上に見られるのでありまするが、業者も私どももその趣旨に非常に喜んでおる次第でございます。どうか政府におかれましては本請願を取上げられ、一刻も早くそのくず繊維、故繊維等のようなもの統制撤廃されて、國民の衣料を満たし、また輸出面にも大いに活躍できるような態勢を整えていたたくことを、切にお願い申し上げる次第でございます。
  61. 有田二郎

    有田政府委員 天野議員にお答えいたします。政府といたしましては雑維維に対する統制撤廃は必要があると考えまして、そり統制撤廃の実現に目下努力中でありまして、輸入のくず、すなわち落綿その他のものを除きましては全部これを撤廃いたしたい。かような考えをもちましてただいま鋭意努力中であります。
  62. 神田博

    神田委員長代理 日程第一一、絹人絹織物統制撤廃請願、文書表第四〇八号、平島良一紹介
  63. 小金義照

    小金委員 紹介議員にかわりまして私からこの請願趣旨を申し上げます。この請願の要旨は、絹織物は公定價格の二、三割を下まわつて取引されておるという状態でありまするから、統制撤廃いたしましても價格は騰貴することなく、人絹糸の統制をはずせばやみ糸がルートに乗るために、需給上正常價格におちつきまして、絹、人絹織物の統制撤廃によつて物の流通は活発化し、需給関係は円滑になりまして、かつ自由競争のために技術の改善がはかられるのであります。技術の改善によつて品質が向上するというような、多くの利益をもたらすことになりまするから、この統制はどうしても撤廃していただきたいというのであります。どうか請願趣旨をくみとられまして、政府におかれましでも善処していただきたいと思うのであります。
  64. 有田二郎

    有田政府委員 お答えいたします。絹、人絹等の統制撤廃につきましては、政府当局においてもかねがね研究を進めて参つたどころでありまするが、絹と人絹とは若干事情を異にいたしまするので、同一に取扱うことは困難かと存じます。現在のところ繊維につきましては統制緩和の方針でありまして、目下努力中であります。近くその運びになるのではないかと考えられておるのでありまするが、人絹につきましてはまだ当分このまま統制を継続いたさなければならない段階にある。かような見解を持つておるものであります。     —————————————
  65. 神田博

    神田委員長代理 日程第一二、中小企業の保護に関する請願、文書表第四〇九号、平島良一紹介
  66. 小金義照

    小金委員 紹介議員にかわりまして私からこの請願趣旨を申し上げます。この請願の要旨は産業界の中核であるところの中小企業に対して、負担と犠牲をしいることしは非常に酷になる。この負担と犠牲を強行すればわが國の中小企業は破滅の危機に直面する。ひいてはわが國の経済再建に大きな支障を來すことになるのであります。つきましてはこの中小企業の保護、育成のために、復興金融金庫が廃止されました後におきましては、何か中小企業金融金庫というようなものを設置してもらつて、融資方面に万全を期して、中小企業に対する税を緩和する。また労働墓準法等を適正に改正せられまして、この労務者の就業時間等し弾力性を持たしてもらいたい、こうう趣旨であります。中小企業の立場からまことにもつともな請願だと思いますので、どうかこれも御採択を願いまして、政府におきましても全面的なごしんしやくを願いたいと思うのであります。
  67. 小笠公韶

    ○小笠政府委員 ただいまの請願趣旨はごもつともでありまして、具体的な要望事項といたしましての金融の問題につきましては、私どもといたしましては現在のような経済情勢下におきまして、資本力の弱小な中小企業対策として、何らかの特別な金融組織を持つ必要があると考えておるのであります。しかしながら早急にそういうものができるかどうかは困難であるのでありますが、何にいたしましても中小企業に対して長期、短期の資金をできるだけ出して行くような方町に努力をいたしたいと考えでおるのであります。税の問題その他労働基準法の問題等のお話がございましたが、税の問題につきましては、すでに中小企業におきまする担税の状況は、よく言われておりますように相当重いのでありまして、中小企業にできるだけ適正な應分な税制の問題、その賦課、徴收の方法等の問題につきましても鋭意研究をいたして、できるだけ全体との調和のもとに、中小介業の方にも適当な道を発見するように研究いたしておる次第であります。また労働基準法の問題につきましては、これはいろいろ考え方があろうと思うのでありまするが、できるだけ労働基準法の精神のもとに、それを中小企業においでも容易に守られるような諸條件を促進して行くというふうな線から考えるのも、一つの方法ではないかというように考えておる次第であります。
  68. 神田博

    神田委員長代理 日程第一三、羅臼村知円別自家発電施設建設請願、丈書表第四六五母、伊藤郷一君紹介
  69. 小金義照

    小金委員 紹介議員にかわりまして私から説明をいたします。本請願の要旨は、北海道目梨郡、羅臼村字知円別は無燈火部落でありますが、地勢の関係上、羅臼発電所から送電することは、経費及び利用度からきわめて困難な状態にあるのでありまして、地方産業の振興をはかるために、天然水路を利用して、該部落に自家発電施設を建設せられたいというのであります。どうかこの請願趣旨も十介おくみとり願いたいと思うのであります。
  70. 玉置敬三

    ○玉置政府委員 ただいまの請願の点は、多分地方小水力発電ということに関連する問題だと思うのであります。これらの点につきましては商工省といたしましても、でき得る限り御援助申し上げたいという方針をとつておりまするので、具体的の問題といたしまして、十分地方商工局その他におきまして御協議を申し上げて、十分御趣旨に沿うようにいたしたいと考えております。     —————————————
  71. 神田博

    神田委員長代理 日程第一四、供出重油タンク買戻の請願、文書表第四六七号、稻田直道紹介
  72. 澁谷雄太郎

    ○澁谷委員 紹介者にかわりまして私から請願趣旨を申し上げます。本請願趣旨は鳥取縣東伯郡入橋町の石油販賣業北中弘造所有の重油タンク二基は、戰時中に鳥取縣水産連合会に譲渡されて以來、風波にさらされて來たままに放置されているのでありますが、現在該タンクの旧所有者は石油配給公團の指定商として復活営業中で、またタンク不足のために輸送上支障を來たしているのでありまするから、該タンクの活用のために元の所有者に買いもどしていただきたいと存ずるのであります。政府におかれましては愼重に善処せられんことを望む次第でございます。
  73. 有田二郎

    有田政府委員 お答えいたします。該タンク活用のため旧所有者に買いもどしに関しましては、商工当局といたしましては賛成でありまして、先般農林当局と打合せをした結果に基きまして、現地商工局及び農林省資材調整事務所との間において解決するよう、月下指導をいたしておる次第であります。以上お答えいたします。
  74. 神田博

    神田委員長代理 日程一五、岩手縣水害罹災者衣料確保等に関する請願、文書表第五〇七号、山本猛夫君外六名紹介
  75. 小金義照

    小金委員 岩手縣の水害罹災者の衣料確保に関する請願でありますが、この請願の要旨は岩手縣下の水害罹災者に対する加配衣料切符の現物化に際しましては、その地方が寒冷地幣であることを考慮せられまして、保温に役立つものを配給せられ、また罹災者の窮状を察していだだいて、統制品に対して國庫補助等の方途を講ぜられたいというのであります。どうかこれにつきましても特別の御考慮をお願いいたしたいのであります。
  76. 有田二郎

    有田政府委員 お答えいたします。岩手縣の罹災者に対しては、百四十万点衣料切符を手渡したのでありますが、この衣料切符の現物化につきましては、隠退臓の綿製品、放出の綿毛布の特配等、給源の許す限り努力をしておる次第でありますが、今後も給源の見つかり次第優先的にこの方面に配給いたしたい、かように考えておる次第であります。なお國庫補助金につきましては、所管が厚生省でありまするので、厚生省の方の御答弁をお聞き願いたいと思うのであります。     —————————————
  77. 神田博

    神田委員長代理 一六、引揚者に対する繊維製品配給に関する請願、文書表第五〇八号、足立篤郎紹介
  78. 足立篤郎

    足立篤郎君 紹介議員の足立であります。引揚者に対しまする援護につきましては、各政府の御当局におきまして、從來多大の御考慮をいただきまして、感謝にたえないわけであります。引揚者におきましては、何と申しましても繊維製品に最も困窮するわけでありまして、着の身着のままで帰つておりますので、この点についてさらに特段の御考慮を煩わしたいと思いまして、ここに請願紹介した次第であります。引揚げが再開いたしました昭和二十一年あたりまでは、軍の放出物賢その他がありまして、きわめて安いものを、しかも質のいい実質的なものを多数配給していただきまして、非常に助かつたのでありますが、その後現在まで非常に品質も低下し價格も上りまして、援護の目的を達しないような現状にあるわけであります。私どもは、私も引揚者の一員でありますが、ふとんとか綿、作業衣あるいは地下たびあるいは衣服の補修用のきれ類、このような実質的なものをぜひ御考慮いただきたいと、お願い申し上げるわけでありまして、價格につきましても特別な御考慮を願い、援護の目的を達するように御配慮いただきたいと思うわけであります。特にお考え願いたいのは、私も引揚特別委員会におきまして、援護の問題を取上げて政府当局に御質問したこともありますが、引揚者を特別な扱いをしてはいけない。生活困窮者であれば生活困窮者として、一般的な取扱いをすべしというような考えもあるようでありますが、この点は少し御理解を願わないといけないと思う点でありまして、引揚者の中にはもちろん現在生活困窮者として取扱いを受け、非常にあわれな境遇にある方もたくさんあかますが、比較的インテリ階級の人たちも大勢おるわけでありまして、たとえば帰りまして会社に勤め、あるいは宣廳に動めまして月給をいただいても、すでに内地におつた方々とはきわめてハンデイキヤツプがあるわけであります。特に繊維製品の面におきましては、子供が一年経てば非常に違つて承りますので、安い月給でこういつたものの手当はとうていできないという、内面は火の車で非常に苦しい状態にあるわけでありまして、作業に從事する者にいたしましても、作業衣とか地下たびとかいう実質的なものを、御考慮いただきたいとお願い申し上げるわけであります。今後帰ります者はもちろん、從來引揚げました者でもお調べ願えばわかると思いますが、最近までに帰りました者は、当初朝鮮、中支あたりから引揚げた者に比べましては、非常にそこに扱いの差異がありますので、こういつた点も御考慮願いまして、今後なるべく從來薄かつた者に厚く御配給願うというようなお考えで、御考慮いただきたいとお願い申し上げるわけであります。以上簡單でありますが説明を終ります。
  79. 有田二郎

    有田政府委員 足立議員にお答えいたします。引揚者に対する衣料品の配給に関しましては、上陸地の援護及び定着地の援護にわたりましで、前者は肌着等の現品を支給し、後者は現品または衣料切符を支給しておるのであります。また越冬用として寝具類の配給もいたしておるのであります。これらの配給については、國内における衣料品の絶対量が少いことのほかに、厚生省における購入資金の不足のために、良質のものを多量に配給することが困難な状況にあるのでありまするが、引揚者に対しましては、当局としても経済安定本部の計画の範囲内で、でき得る限り最善の努力をいたしたいと考えておる次第であります。なお作業衣につきましては、現在の供給力をもつていたしましては、引揚勤労者に特に加配することが事実上不可能と考えられますから、これらの勤労者も安定本部において各業種ごとに配分された、労務者用作業用臓の範囲内で受配されるように、御努力願いたいと思うのであります。     —————————————
  80. 神田博

    神田委員長代理 次は一七、岩手縣水害地鉱工業復興資金に関する請願、文書表第五一五号、山本灘夫君外六名紹介
  81. 澁谷雄太郎

    ○澁谷委員 本請願趣旨は、昨年の岩手縣の水害に際しまして、鉱工業の被害は非常に大きいのでありまして、これが復旧費には工業部門で六千四百万、それからまた鉱業部門で六千五百万必要であるのでありますが、現在まで融資を受けたものは、工業部門で設備資金千二百九十万円、運輔資金千九百五十六万円でありまして、鉱業部門では設備資金として百七十万円であります。ついてはこれら設備の損傷は中小企業の死活に関係しておりますので、すみやかにこれが復興資金の融資を促進するとともに、金融機関の充実するため盛岡市に日銀支店を設置するか、あるいは現在の出張所の権限を大幅に拡大ざれたいと希望するものであります。付とぞ政府におかれましても慎重に御考慮くださることを、切にお願いいたします。
  82. 有田二郎

    有田政府委員 お答えいたします。鉱山の水害復旧についてはその性質上復興金融金庫よりの融資に重点を置くことといたしまして、極力その促進をはかつて來たのでありまするが、実績は遺憾ながら満足すべき域に達していないのであります。降雨期もま近に迫り、現場の模様いかんによつて再び憂慮すべき災害の発生も予想されるので、今後とも極力融資め実現に努力いたしたいと考えておる次第であります。しかし今後は復興金融金庫より融資が期待できないので、その実現は從前以上の困難を伴うものと予想されるのでありまするが、でき得る限りの努力をいたしたい、かような考えを持つております。なお第二項の盛岡市に日本銀行支店設置の件は、大藏省所管でありますので、同省より答弁をおとり願いたいと思うのであります。     —————————————
  83. 神田博

    神田委員長代理 日程一八、岩手縣に電氣計器調整所及び電気試験所設置請願、文書表第五二七号、淺利三朗君外二名紹介
  84. 小金義照

    小金委員 この請願の要旨は、電氣計器の調整並びに検定は、東北六縣中福島縣にその機関があるばかりでありまして、岩手縣内の電氣需要者は、これが整備については遠く福島縣に依存しなければならないことになつておりまして、一般の不利不便は多大であります。つきましては経費あるいは人員の配置等のぐあいもありましようが、巣北六縣中地理的中心地であるところの岩手縣に、電氣計器調整所並びに電氣試験所設置されたいというのであります。どうかこの請願趣旨をおくみとり願いたのであります。
  85. 玉置敬三

    ○玉置政府委員 東北地方電氣試験所あるいは調整所を設置いたしまして、計器の検定をすることにつきましては、十分その必要を私どもも認めておるところであります。現在のところではいかなる場所に設置するかということにつきましては、目下研究中でございます。     —————————————
  86. 神田博

    神田委員長代理 十九から二十三までの請願につきましては、まだ資料が整つておらないようでありますので、これは次会にその趣旨な聞くことにいたしたいと思います。     —————————————
  87. 小金義照

    小金委員 緊急を要すると存じまするので、ここに日程追加の動議を提出いたします。すなわちこの際本日付託されました料けん資材割当方法に関する請願議題といたし、鑑査を行われんことを希望いたします。
  88. 神田博

    神田委員長代理 ただいまの小金君の動議に御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり)
  89. 神田博

    神田委員長代理 御異議なしと認めまして、それでは日程を追加し、石けん資材割当方法に関する請願、丈書表第七三八号、降旗徳弥君外三名紹介議題といたします。紹介議員降旗徳弥君。
  90. 降旗徳弥

    降旗徳弥君 ただいま日程追加をお願いいたしましたこの案件は、緊急を要するからであるのであります。申し上げるまでもなく、石けんの資材割当につきましては、今まで各製造工場の能力に應じてこれを割当でておつたのでありますが、たまたま関係筋の意見もあり富して、この割当を運流クーポン制にするか、あるいは予約クーポン制にするか、この二つの案が出ておるのであります。しかるにもしこの道を一たびあやまつたならば、全國千数百余名に及ぶところの中小企業者が、まつたくその生きて行く道を失うのみならず、これに從属するところの從業員五万人、家族を加えて三十万人というものが生活の方途に迷わなければ相ならぬ、かような重大な結果の生ずるおそれもあり得るのでありまして、この点におきまして本案件については特に愼重に考慮をお願いしたい、かように思うのであります。さらに申しますると、單にこれは中小企業者の與亡の問題にとどまらず、われわれが現在日常使つておりますところの石けんの数量につきましても、相当の激減が招來いたされまして、われわれの日常生活に非常な不便な事柄を生ずるかもしれないということもあるのであります。そこでこの還流クーポン制を採用願いたい。その要点にどういうところにあるかと申しますと、予約クーポン制によりますと、石けんの資材というものは低とんど大部分少数の大企業家に集中されまして、中小企業者には配給されがたいことになるのであります。ところがこの問題につきまして先般社團法人日本輿論調査研究所におきましては、東京都の千二百世帯に対してその輿論調査をいたしましたところが、そのほとんど大部分九〇・八%というものがこの予約注文制、予約クーポン制というものに反対しておるのみならず、石けん業界の総意を代表するところの石けん審議会においても、強く予約クーポン制を否定いたしまして、還流クーポン制を主張しておるのであります。こういう意味から申しましても、私どもは今日経済界の動揺の中に、どうしても中小企業者の立場を擁護して、これが正常なる発達向上をはかることが今日政治の重要問題である、こういうことにおきましては各党派一致の意見を持つておるのでありまして、この請願書にもほとんど商工委員会の大部分、各党派にわたつて賛成の署名を得ておるのであります。さらに詳しく申し上げまするならば、予約クーポン制によりまする業者は、この予約クーポンをとるために、つまり予約の切符を得るために、われわれが選挙において投票を集めるような、投票集めの競争が行われることになりまして、その結果がかつて衣料切符においてにせの切符を印刷いたしまして、あたかも自分が多数の投票を獲得したごとく装つて、ついにそれが暴露したというような不祥事件もあつたのでありまするが、そういう思わないところのスキヤソダルが生ずる憂いが十分にあるのであります。さらに申しますると、この全國にありますところの千数百の中小業者というものは、北は北海道から南は九州に至る全國至るところにばらまかれて、その事業を遂行しておるのでありまして、各地方には御承知の通りにいろいろの油糧の資源があります。たとえて申しますならば、長野縣においてはさなぎの油があり、あるいはその他産地におきましては雑穀類あるいは、かぼちやの実であるとか、どんぐりの実であるとか、そういうものからとる植物油もありまして、これらのものが非常に善用、利用されまして、石けんの製造の面にも流れ込んで來ております。申し上げるまでもなく、昨年の統計によりますと、日本のこれらの油糧資源は、正常のルートに乗せられたものが大体三万トンと言われております。しかしながらこれはさらに潜在油糧資源を開発した場合には、二十万トンあるいは三十万トンにもなると思われるのでありまして、中小企業湾か二挙に抹殺してしまいますと、結局全國にあるところの油糧資源がそのまま退藏されてしまうことになります。さらに消費面の方から申しますと、昨二十三年度の計画予定によりますと、一人年間三・五個の化粧石けん、洗濯石けんを含めて配給が予定されておつたのでありますが、事実は年間二・六個くらいに終つておるのであります。從つて今申しますように、火企業家に集中生産を命じたといたしましても、全國千数百に余るところの中小企業を崩壊せしめ、全國にまたがるところの潜在油糧の開発を滅劫してしまうということにいたしますと、單に失業者の莫大な数を現出するというばかりでなく、それによつて製造されるところの石けんが急激に減少してしまう。從つてわれわれの日常生活に思わざる場面をもたらすということになるのであります。その点におきまして、われわれは何とかして中小企業者の生き得る道を講ずるとともに、失業群をなるべくここにおいてカバーし、さらにわれわれの日常生活により多くの石けんの利用かできるような方法を考えますならば、この際断固として還流クーポン制によらなければ相ならぬということで、請願をいたしたのであります。どうか請願の趣意を御了承くださいまして、この請願を採択し、所期の目的に到達せられるように、御協力あらんことをお願いいたします。簡單でありますが、請願の趣意を申し上げました。
  91. 細井富太郎

    ○細井政府委員 ただいまの請願の御説明に対しまして、私どもの実情と意見を申し上げます。  御承知の通り石けんの生要原斜であります油脂は、大部分を輸入に仰いでおりますので、この輸入の油脂をできるだけ効率的に使うという意味におきまして、この輸入油脂と、わずかばかりではございますが、國産油脂とを合せまして、これにできるだけ強力なる統制を加えるという必要があるわけであります。このために今般配給面におきましても、從來のようなやみ石けんが出ておるのを極力統制面に吸收するという意味におきまして、これを基礎といたしまして、將來さらに油脂の輸入を確保するという見地から、今般御承知の通り物資調整法に基きまして、石けん配給規則が公布され、法規的な統制をすることになつた次第でございます。そこでこの配給面におきましては、消費者がまず小賣店を選挙し、小賣店はさらに卸賣店を選挙しまして、これによつて配給面を確保することになつたのでございますが、この最後の段階の卸商が、需要者なり小賣店の意向を反映いたしまして、メーカーを選択することになるわけであります。そこで卸店がメーカーとリンクする方法といたしまして、いろいろやり方がございますが、從來のように設備能力に基きまして、わずかのものを廣く割当てるという行き方は、設備や資材の有効利用並びに製品の優良化という見地から、絶対にこれはぐあいが悪いということは、すでに業界自身も言つておられるところでありますし、また今般の経済九原則の線にも沿わないということにもなるわけであります。さらに石けんにつきましてはある能率判定のもとに、極端に数の少い優良メーカーにフルの操業をさせるということは、單に技術的な目地から見ますと、あるいはいい結果が得られるかもしれないのでありますが、これは石けん業という特殊の業界における措置としては適切でないというので、これもよろしくないというようなことであります。おとに残ります問題は、しからばどういうふうにしていい石けんをつくるメーカーに、操業を集中するのがいいかということでございますが、それについて考えられますのは、需要者にメーカーを選択してもらう方法、すなわち最終の需要者が直接メーカーを選択するのでなくして、需要者の意思を反映した卸商にメーカーを選択してもらうということによつて、その操業の調整をいたしたいということになるわけであります。これに対しましては、今降旗議員から御質問がありました通り需要者つまり卸商からの注文の量に應じて資材を割当てる方式と、そうでなくていわゆる還流クーポン制と申しまして、一定の設備基準その他の基準によりまして、各メーカーに一應割当をつけまして、そのスタートに基いて卸商からの注文に應じてこれを調整して行き、次期の割当にこれを反映して行くという方法と二通りあるわけでありまして、どちらがよろしいかということは、まことに愼重に考えなければならないことでございます。またこの二つの方式にはそれぞれ一長一短がございまして注文生産制のやり力は、非常にいいメーカーに生産が集中するということが考えられるのでありまして、大事な油脂原料を最も有効に使うということになるわけでございますが、そのかわりこの制度に対しましては、不良つまりそう優秀でもないメーカーが、非常な犠牲を受けるという欠陥もございますし、またただいまお話がございました通り、從來の單に名称によつて不合理に集まるというような欠陥も、場合によつては起るのではないかという心配があるわけでございます。ところがまた還流クーポン制におきましても、現在還流クーポン制のやり方は、一定の設備、水準に対してスタートをそろえるわけでありますから、從つて毎四半期ごとに、不良製品が残つて行くという欠陥がございますし、また資材の有効利用を目的とした競争が、長期にわたつてきわめて緩慢に行われるという点に、経済九原則の面から見ますと、必ずしもその線に沿わないというような欠陥もあるわけでございます。しかしながら全体といたしまして石けん業界の特殊の事情から申しまして、あまりに急激な競争はなるべく避けたいという意向で、私どもはやつておるのでございますが、関係方面の意向といたしましては、大体におきまして注文生産制の方がより合理的である力また九原則の線により沿う趣旨であるというような御意向が強いのであります。この注文生産制によりましても、必ずしも大メーカーなり有名メーカーに集中するということにはならない。と申しますのは、大メーカーといえども今日他のメーカーと同じように、わずかに設備能力の五%くらいの操業しかいたしておりませんし、これが急に注文をたくさんとりましても、資金関係、労務者の関係からいたしまして、そう急にフル能力に操業するわけに行かないという点もございます。また需要者が直接メーカーを選択いたすことになりますと、お互いに有名メーカーしか名前を知らないような状況でございますので、中小メーカーで非常にいいものができるものがありましても、これが選択されないというような欠陥がありますが、これを専門の卸業者に選択させますと、その点は非常に専門的にやつてくれるというような点も考えられます。しかしながら非常に業界で心配しておられますように、正当な競争でなくして、他の宣傳その他商標等の理由によつて、有名メーカーに不合理に集まるのではないかという心配もあるわけでございます。そういう意味におきまして心配しておるわけでございますが、ただいま関係方面の御意向としましては、先ほど申しました通り、注文生産制の方がより合理的だというような見解が強いのでありますが、今日のところではまだ最終の段階に至つておりません。ただいま打合せ中でございますので、どちらがにきまることになろうかと思うのでありますが、なおここで一言誤解のないようにお願いしたいと思いますのは、千何百というメーカーがございますが、現在配給石けんをつくらしておりますのは、そのうちの二百十九工場ばかりでありまして、今般の実態調査によりまして、さらにその中に二、三百は入ることと思われますが、現在まで配給石けんをつくつておりますのは、その程度のものでございまして、他の千二、三百のメーカーに対しましては、現在におきましてもまた將來におきましても、還流クーポン制と注文生産制と、どちらの方をとるにいたしましても、大部分のもの、もう少し具体的に申しますと、年間生産能力八百トン以下のメーカーに対しましては、いわゆる配給石けんでなくて、洗剤、油剤その他の洗剤原料を配給いたしまして、わずかながらも操業していただいておるというような状況でありますから、その面につきましては大して今までとはかわつた影響がないのでありまして、一番心配なのは、その正規の石けんをつくつております者が、競争によつてどれだけ落ちなければならないかという点が問題になるわけであります。そこでこれらの者にして、かりに注文生産制をとりまして、配給石けんがつくれなくなつた。そのリストの中の者につきましては、今後は労務者用の石けんその他をやつていただいて、これによつて操業を維持するようにしたい。またその他の一般メーカーにつきましては、從來のやり方によりまして、これは集中生産制でなくて、つまり需要者選択制でなくて、油剤その他の配給を確保いたしまして、わずかながらもやつていただく。なおその他全面的には、先ほどお話のございました未統制の油脂を極力増産をしていただきまして、この方のメーカーについては別に統制をしないという方式で、だれでもその未統制品を集荷したものに、石けんをつくつていただくというようなことも考えておりますので、かりに注文生産制による方式をとりました場合におきましても、中小メーカーに対する影響は極力行かないように、配慮してみたいと思つておるのであります。ただいまそういう段階にございますので、御参考に申し上げておきます。
  92. 降旗徳弥

    降旗徳弥君 政府委員の御説明によりまして、問題は大体明らかになつたのでありますが、しかし私どもはただ單に中小企業者を擁護しなければ相ならぬという、單純な意図によつてのみ請願をしておるわけではありません。中小企業着といえども、悪いものを高く賣るよう中小企業は、今日の経済段階におきましてわれわれは廃除すべきものでありまして、中小企業着といえども、大メーカーに対しで断じて質の上においても、経費の上においてもおくれはとらぬ。そういう石けんをつくるのであるかち、われわれは断じ工石けんの製造業というものはやめるわけに行かぬ、こういう矜持と勇氣とがあるのであります。從つて大企業家が必ずしも良質の廉價な石けんをつくるのにあらずして、中小企業家といえども、大企業家を圧倒し得るとこるの製品をつくり得るという確信のもとに、この請願書を出しておるのでありますから、この点は誤解のないように願いたいと思います。さらに石けん製造の稼動率が五%という政府委員の御説明でありましたけれども、稼働率が五%ということは、われわれの調査せるところによりますと、はなはだしい狂いがあるのでありまして、おそらく稼動率は三〇%ないし五〇%のものである。がように私どもは認定しておるのであります。この点につきましても、さらに詳細なる調査をお願いいたしたいと思うのであります。要するにこの問題は、われわれの日常生活の立場から申しましても、さらに中小企業を正当に育成、発達せしむるという立場から申しましても、單にその筋から一つの承唆があつたということによつてのみ、処理できない問題だと思いますから、深く國民生活の実態、國家の経済の実情に即しまして、われわれがその道を誤ることのないように行きたい。かように思う次第であります。この点を特に御了承願つておきたいと思います。
  93. 神田博

    神田委員長代理 本日はこれにて散会いたします。     午後一時十六分散会