○伊藤
政府委員 ただいまの御意見の点はまつたく御同感であります。大きい政策上の問題は
大臣からお答えいたすべきだと存じますが、
事務的にわれわれが
考えておりまする点を申し上げますると、その前にさつきも
お話しましたが、でき過ぎというのがある。これは今年の三月末日現在で各縣から報告をとりましたのを集計いたしたのでありますが、全部で事業量にいたしまして、私
どもの関係で七十億あります。この七十億のうちで一十億が耕地関係の
災害復旧の事業費であります。それから五十億が公共施設関係であります。從いまして耕地関係に
從來通り補助金を出すとすれば、十億そこにでき過ぎがある。公共施設の方は三十二億五千万円ここにでき過ぎがある。そこで現在まだ
國会で御
審議をいただいておりまする
予算の数字は、
先ほど申し上げました三十一億であります。これは公共施設関係、從いましてでき過ぎに全部投入いたしましても、公共施設の方でまだ十億にならぬ、一縣五千万円ほどはまだ
政府の僭越しがあるといつたような状態であります。さらにどんどん事業が実施されておるようでありまするが、今後そういうものを入れますると、
相当な量に上ると思います。耕地関係の方は一應全額打切られましたので、今のところでは手のほどこしようがない、こういう勘定にな
つております。そこでこのままにしておきますと、実際問題といたしまして、
地方で私は重大な問題が各所で惹起するのではなかろうかと
考えております。現在のところでは町村なり、あるいは水利組合。また
府縣当局はあらゆる手を盡しまして、借金をしてそれでや
つて來た。これはいずれは國から補助金があることを当然あてにしてや
つておられたのであります。これは司令部は昨年の夏ころまでは認証以外の事業をや
つてはならないということを厳重に言
つておられるのでありますが、
災害についてはその後
方針をかえられまして、これは実際やむを得ぬということで、
災害についてはでき過ぎも、補助金が來ることを目当てにしてやるということも認められて参
つたのであります。ですから
府縣当局あるいは町村としましては、当然のことを一生懸命やられた。ところがここへ來てみますと、金は全然目当がないか、少くとも今までのでき過ぎがやつと充当されるかどうかという状態にな
つております。そこでこのままではすでに
地方に大きな問題が惹起されますので、われわれといたしましては、
事務的にはできるだけ早い機会に
——特に
災害の
復旧につきましては、現在の農家の経済状態からいたしまして、自力で全部やれということはとうてい困難であると
考えております。これは過去におきましても、現在のような公定價格制度あるいは供出制度といつたようなものがないずつと以前から、
災害につきましてはやはり
相当の補助金を出して参
つたのであります。それに加うるにそういつたようないろいろの制約がありまするし、最近の農家の経済状態はだんだんと下向きにな
つて來ておりますので、白力でやれというこはとうてい困難であると
考えております。できるだけ早い機会に何とか
予算的の
措置を講じていただきたい、かように
考えておるのであります。しかしながらこれはある
程度たとい実現いたしますにしても、時期の問題がありますので、その間何とかしてつないでおきませんと、
地方財政上ゆゆしい問題が起りますので、
先ほど申し上げましたさしあたりの問題といたしまして、預金部の資金の運用、それからの融通、例の対日援助見返資金、このうちから
相当の額を
災害復旧あるいは土地改良といつたような
方面にまわしていただくことを今折衝いたしておるのであります。
もう一段の問題といたしましては、それでもこういうものがきまりまするためには、援助資金の
ごときはどういうものに貸すとか、どういう期限、どういう利率で貸すとかいうような問題がまだ未
決定なのでありまして、從いましてこれがきまる時期までには
相当まだ期間があると思うのであります。
災害の
復旧は一刻もゆるがせにできませんので、結局またそれまでのつなぎ資金はある
程度のものは出さなくちやならぬじやないかということで、現在大藏省等の
方面とさしあたり必要なここ一、二箇月間のつなぎ資金の問題につきまして折衝いたしておるような次第であります。まだ
金額、方法等につきましては申し上げるまでには至
つておらぬのであります。