○城戸崎
証人 管理部で会
つたときのことを申し上げますと‥‥。記録がありますから読みます。十日の日に私
たちがさつきお話した國警とか知事のところへ行
つているときにストライキに入
つたという状態を聞いたわけです。即刻分会支部に帰
つて来まして、鬪爭
委員会を開いてどうするかということを、いろいろ相談したわけです。ただちに管理部と交渉を持つということが
一つ、それから現地に鬪爭
委員を派遣して事態を収拾しようということにきま
つたわけです。その後鬪爭
委員会が終
つてから私と副
委員長の相澤君と二人で管理部に行
つて、四時三十分から五時五十分まで管理部と交渉しました。まず労働係長というのがありますが、それに面会を申し入れた。ところが現在部長が不在であ
つて代行者としても会えるかどうかわからない、用件は一体どんなことか、こういうことを言われたのです。私
たちとしては今さら用件とは何事であるか、当然東神奈川の事態収拾について早急に團体交渉の用意をしてもらいたい、では相談しようということにな
つて、そこで三十七分ばかり正確に待ちました。当局側としては総務課長、業務課長、運轉課長、それから労働係長と対面しました。当局側は非常に忙しいので十分間に限
つてお話をしたい、こういうことを
言つております。私
どもとしては、そんな無誠意なことでどうするか、十分間くらいでこの話がつくと思うかと言
つた。ところが、この問題についていろいろや
つたわけですが、結局十分間ということはごく短い時間であるということを管理部側が言
つた、それもよかろうということで話を進めて、かねてこういうことがあ
つてはならないというので十分管理部へ通告してお
つたにもかかわらずなぜこのような事態を引起したか、このことは東神奈川の
車掌区の新交番の問題について、いわゆる労資の紛爭が起
つてお
つたわけですが、紛爭は当然團体交渉あるいは話合いによ
つて解決されねばならぬ、その話合いの最中において、一方的に業務命令違反であるというようなことを
言つて、不当馘首、首切りを七十名発表した。そのことによ
つてストライキが突発した。だからそういうことがないように、新交番の問題についてはわれわれも再三度管理部と話合いをも
つて、お互いにこの問題については慎重にやろう、それはなぜかと言うと、御存じの
通り十二万の首切りという大きな問題を控えているとき、
組合の氣持が非常に神経が高ぶ
つているこういうときには、あまりに
労働者の氣持をそそるようなことはお互いにやめようじやないか、われわれとしてもこの首切りについてはあなた方とやはり今後鬪わなければならぬ、その前に小さな問題でいざこざを起したくないのだということをかねて
言つてあ
つたわけです。それにもかかわらずこういう措置をと
つてこういう事態にな
つたということは、まことに遺憾であるということを言
つたわけです。これはお互いに
見解の相違がありますから、そこで
討論をや
つたわけです。まず結論として私
どもは事態を早急に平常にもどすためには、首切りを白紙に帰して、旧交番か新交番かについて解決をはかろうじやないか。こういうことを
言つておる。ところがそれは承認しかねる。それはできないと言うのですね。但し上の人が私のと
つた処置があさはかだと言われるならば別だが、総務課長としては絶対に承認ができない。新交番とか旧交番とかいうことについては
組合の言う
通り大して問題でなか
つた。こういうことを
言つておられました。そして私
どもは、もちろんその
通りだ、
組合員が大した問題でないということは、お互いにこの問題を腹で処理したならば、大した問題ではないんだ、こういうことを言
つた。六月三日のことです。二日の日に管理部から来て、いろいろ新交番、旧交番の問題について話合いをしたのです。ところがその前の日にも管理部長と交渉しておる。そのときの話と一日の話と――正確に言
つたならば一日の日に話し合
つたことと二日に管理部の人と話し合
つたことの
内容が非常に違うのです。その違うことについてあらためて管理部としては
意見を統一して返事をしてもらいたいということで帰
つたわけです。ところがその電話の回答が非常に抽象的なんですね。抽象的なためにわれわれとしては、新交番、旧交番というものの解決にあたりましては双方がその腹で
仕事をしなければならぬという結論を出したためにわれわれは考えた。それはなぜかと言うと、
組合としてもやはり新交番よりも旧交番がよろしいのだ、当局としてももちろん旧交番を新交番にしなければならぬということにな
つて来るわけです。しかしその点において
組合員の言うことも、分会で
言つておることも納得の行く点があるのだから、新交番の
内容をなるべく旧交番に近ずけて、そうして新交番に移れば分会としても
自分の
立場も立つし区長としても
自分の
立場が立つ。また管理部としても面子が立つ。こういう、三者がいいような方法において、お互いに腹でやろうというふうにわれわれは解釈しておる。そのことを言
つたわけです。それについてはまた別に話しますけれ
ども、その交渉の席上いろいろ
意見の食い違いについて
発言があ
つたのだけれ
ども、とにかく私
どもとしてはもう一回お帰りにな
つて話をしてもらいたい。まことに子供の使いのようで追い返すように考えられるかもしれないけれ
ども、決してそういうことでなくて、問題が非常に重大だから、一應帰
つて管理部長の
意見を統一して返事をしてもらいたいと言
つたわけです。そのときに、それじや帰
つて電話で返事をしますということを向うで言
つた。ところがうちの書記長が、電話では困る、書面にしてもらいたい。こういうことを言
つたわけです。私はそんなことはどつちでもよろしいんだ、電話であろうと書面であろうと、そういうことはよろしい。とにかく今まで
討論をして、お互いの
意見を開陳したのだから、あとにな
つてああではなか
つたとかこうではなか
つたとかいうような不見識なことのないような手段をとろうじやないか、おそらく管理部の方もそういうことを考えておられるようだから、われわれとしてそういう電話とか書面ということは深くこだわ
つていない。ここで私はこう言
つた。ひとつ私の今言
つたことも、管理部の方も考えて返事をしてもらいたい。こう言
つた。ところがその問題の中心は何かと言うと、
車掌区長が前日管理部へ行
つて、私のところは新交番で乗
つておると言
つたというんですね。それを管理部長が言
つたというのです。その
通りだというのです。私は
車掌区長から新交番に乗
つているという話を聞いておる。だから
組合員もひとつうまくや
つてもらいたい。こういう話があ
つたわけです。ですからこれがやはり私がさつき言
つたところの三者の腹でも
つてやる
仕事だと
思つた。ところが十日の日に行
つたときの交渉では、管理部長が新交番でや
つていると言
つたことは、もし新交番でや
つていないならば現場長が業務命令違反をや
つたのか、あるいは
組合が業務命令違反をや
つておるということが含まれておるというふうなことを
言つておる。ですから私
どもはそういうことのないようにあとにな
つてつけ足りをつけて、あのことはこういうふうな
意味が含まれてお
つた、そういうふうな抽象的なことでなくはつきりとした返事をお互いにやろうじやないか、こういうことを言
つたわけです。こういうふうなことがわれわれがくれぐれも指摘した点が、ついに暴露されたわけです。こういう状態にな
つてこれ以上話が進まないので、私
どもとしては一應帰
つて態度をきめなければならない、また管理部長はおりませんから、代行者に対して、もつと熟考して処理するようにということを要望して、不本意ながら引上げて来たという次第であります。