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1949-07-16 第5回国会 衆議院 考査特別委員会 第21号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十四年七月十六日(土曜日)     午前十一時四十分開議  出席委員    委員長 鍛冶 良作君    理事 大橋 武夫君 理事 高木 松吉君    理事 猪俣 浩三君 理事 神山 茂夫君    理事 石田 一松君       安部 俊吾君    井手 光治君       福井  勇君    吉武 惠市君       赤松  勇君    椎熊 三郎君       聽濤 克巳君    寺本  齋君       浦口 鉄男君  委員外出席者         証     人         (日本國有鉄道         千葉車掌区分会         鬪爭委員)   中島  登君         証     人         (民青時報通信         員)      李  泰權君         証     人         (千葉地方檢察         廳檢事)    細野 良久君         証     人         (日本國有鉄道         労働組合千葉支         部執行委員長) 戸田 芳夫君         証     人         (日本共産党千         葉縣委員会寛傳         教育部長)   若林秀二郎君         証     人         (日本國有鉄道         職員局長)   牛島 辰彌君     ————————————— 本日の会議に付した事件  証人出頭要求に関する件  國電スト問題     —————————————
  2. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 これより会議を開きます。  昨日に引続き、國電スト問題につき調査を進めます。さつそく証人より証言を求めることといたします。ただいまお見えになつておる証人は、中島登さん、李泰權さん、これより皆さん証言を求めることになりますが、証言を求める前に各証人に一言申し上げますが、昭和二十二年法律第二百二十五号議院における証人宣誓及び証言等に関する法律によりまして、証人証言を求める場合には、その前に宣誓を、させなければならぬことと相なつております。  宣誓または証言を拒むことのできるのは、証言証人または証人配偶者、四親等内の血族もしくは三親等内の姻族または証人とこれらの親族関係のあつた者及び証人の後見人または証人の後見を受ける者の刑事上の訴追または処罰を招くおそれのある事項に関するとき、またはこれらの者の恥辱に帰すべき事項に関するとき、及び医師歯科医師、薬剤師、薬種商、産婆、弁護士、弁理士弁護人公証人、宗教または祷祀の職にある者またはこれらの職にあつた者がその職務上知つた事実であつて黙秘すべきものについて尋問を受けたときに限られておりまして、それ以外には証言を拒むことはできないことになつております。しかして、証人が正当の理由がなくて宣誓または証言を拒んだときは、一年以下の禁錮または一万円以下の罰金に処せられかつ宣誓した証人が虚偽の陳述をしたときは、三月以上十年以下の懲役に処せられることとなつておるのであります。一應このことを御承知になつておいていただきたいと思います。  では法律の定めるところによりまして証人宣誓を求めます。
  3. 神山茂夫

    神山委員 議事進行について‥‥。証言に入る前に、証言関連がありますから、一言お尋ねしたいのですが、私はけさ尋問事項受取つて、今ここに来て見たわけでありますが、李泰權証人に関する尋問事項は他の証人に関する尋問事項と非常に違つておる。第一に、証人國籍、年齢、出生地及びもしあれば日本名を述べよということでありますが、これは国籍の関係もありますので、かりに本委員会お尋ねになるのを私たちも讓るといたしましても、なぜこの証人限つて、第二項に証人の履歴を簡單に述べよということがあるのか、今までどの証人にたつた一人でもこういうことを聞いたことがあるのか。なぜこの李泰權証人に関してはこういうことが必要であるか。私は必要ないと思う。また尋ねるべきでないと思う。これは審理に関係がある場合、これに関連して述べることはあり得るでしようが、初めから尋問事項の中にこういうことが出て来ることは適当でないと思う。第三に、民主青年高等学院につき、責任者経営方針教育方法学生状況等を述べよということは、いかなる根拠に基いて、こういう尋問をされるのであるか。これは李泰權氏が自分が事務員として働いているのに関連するように見えますが、本考査委員会の対象としておるのは國電スト、ことに千葉の問題に関連しており、ことに電車の発車を妨害したということが、考査の中心になつておるわけでありまして、從つて、これに直接関連のない、学校の責任者経営方法、いわんや教育方針学生状況を述べよということは、まつたくこれは特高的な尋問である。從つて私は断じてこういうことは尋問すべきじやないと思う。第四に至つては、ますますけしからぬ。証人は、東京三一学院なるものを知つておるか。右学院と、民主青年高等学院とは関連があるか。こういうことは、私が先に述べた反対理由にいよいよ重みを加えるものであつて東京三一学院と、証人李泰權氏がかり関連ありとしても、本事件そのものには、私は直接の関連がないと思う。從つて、こういうふうな点を、お尋ねになるようなことがありますと、私たちは他の証人との公平を欠くという点で、もちろん賛成できない。これに対して報復的な手段をとらざるを得ないというようなことを、はつきり言つておく。これは名前を申し上げてもいいのですが、あとに出て来る牛島辰彌君、あるいは細野檢事。こういうような人に対して、委員長がやつたと同じ尋問を必ずするということをはつきり言明しておく。
  4. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 宣誓を求めます。起立を願います。
  5. 李泰權

    李証人 ちよつと前に言つたことが間違つている。私自身が民主高等学院事務員であるということを言つておるわけです。だけれども、この点はぼくとしては‥‥(発言する者多く聽取不能
  6. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 こちらで聞くから違つていれば違つておるように述べてください。中島君、宣誓書を読んでください。     〔証人中島昇君各証人代表して宣誓
  7. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 署名捺印願います。     〔各証人署名捺印
  8. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 証言を求める順序は、中島さん、それから李泰權さんといたしますから、中島さんを聞きまする間、李泰權さん、もう一度元の控室でお休み願います。あなたは中島昇さんですね。
  9. 中島登

    中島証人 そうです。
  10. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 あなたは千葉車掌区の車掌をしておいでになつたようですが、いつからいつまでおやりですか。
  11. 中島登

    中島証人 昭和二十二年十一月四日からです。それから解雇通知を受けたのは、昭和二十四年六月九日です。
  12. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 そこで、千葉車掌区のうちでは労働組合として何分会というのができているのですか。
  13. 中島登

  14. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 その車掌区分会鬪爭委員長をやつておられたことがありますか。
  15. 中島登

    中島証人 鬪爭委員長はありません。
  16. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 どういう役をしておいでになりましたか。
  17. 中島登

  18. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 鬪爭委員だけですか。
  19. 中島登

    中島証人 ええ。
  20. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 委員長、副委員長はだれでしたか。
  21. 中島登

    中島証人 委員長山本長之助、副委員長は東川です。
  22. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 そうするとあなたは普通の鬪爭委員なんですね。
  23. 中島登

    中島証人 そうです。
  24. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 六月早々行おうとした俗にいう新交番制実施にあたつて、いろいろ紛糾が起つたようですが、そのときあなたはこの分会の一鬪爭委員であつたのですか。
  25. 中島登

    中島証人 その間鬪爭委員をやつておりました。
  26. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 この新交番制に対してあなたは反対でありましたか。
  27. 中島登

    中島証人 そうです。
  28. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 反対理由はどういうところから反対をせられたものですか。
  29. 中島登

    中島証人 新交番をやりますと非常に乗務が重くなるのです。それではなはだしい場合には、一週間も家へ帰れない場合も起り得るし、ごくいい交番で最低四日間は家へ帰れないというような状態が起つて、非常に勤務がつらくなるわけです。それでどうしてもわれわれとしては、それに対して反対せざるを得なかつたわけであります。
  30. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 勤務がつらくなるということは、帰れないことが多くなるからですか。それともまた勤務時間が非常に増すからですか。
  31. 中島登

    中島証人 そうです。帰れないということも一つの大きい原因としてあるとともに、それから勤務時間が非常に長くなるということです。
  32. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 どれくらい長くなるとお認めになりましたか。
  33. 中島登

    中島証人 平均二時間程度長くなるのです。
  34. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 一日にですか。
  35. 中島登

    中島証人 そうです。
  36. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 そんなようなことを言つておる人もあるのだが間違いありませんか。
  37. 中島登

    中島証人 間違いありません。
  38. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それからそのほかにまだ何か反対理由がだんだんつけ加えられたのじやないですか。
  39. 中島登

    中島証人 そのほかにいろいろ交渉しておる間において、当局の言うのには、勤務時間規定改正になつて、そうして乗務員勤務時間を陸運関係の從事員の勤務時間の規定に適應させるべく、こういう改正をやるのだということがわかつたのでありますが、それが適用されるのはひとり車掌だけでなくて、機関士もあるし電車運轉手もあるしというような関係にありながら、車掌だけ六月にそれを適用して、機関関係あるいは電車関係というような他の常務員に対しましては、八月にダイヤ改正をするというような状況であつたにかかわらず、車掌だけにやるということは非常に不合理であるということが、交渉過程からわかつて來て、八月まで延期されたいというようなことで反対していたわけです。
  40. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 ほかと同様に八月以後にしてもらいたいということでありますか。
  41. 中島登

    中島証人 そうです。
  42. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それからまだありませんか。——そんな程度ですか。
  43. 中島登

    中島証人 ええそうです。
  44. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 ところがそれをほんとうは六月一日からやろうとしたのだが、事実上できなくて、六月五日からいよいよ実施することに告示されたそうですね。それは間違いありませんな。
  45. 中島登

    中島証人 そうです。
  46. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 ところがその日になつてたいへん問題が起きて、あなたが車掌区長といろいろ交渉し、ほかの人を紹介などされたそうですが、それについてその日の模様をひとつできるだけわかるように説明してもらいたいと思います。
  47. 中島登

    中島証人 どういうことですか。
  48. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 六月五日に車掌区長の方へこの実施をやつてはいかぬということを皆申し出たようですが、そのときあなたがそこへ出て、それを申し出られた一人のようだし、それから外部の人を紹介したりなんかされたということを聞いておりますが、そういうことを私の方から言うよりか、あなたとして当日の模様をわかるように説明してもらいたいと思います。
  49. 中島登

    中島証人 六月五日に、十一時ごろだつたと思いますが、民主團体の方が來られまして、そのときほかの鬪爭委員がいなかつたので、私のところへ代表の方が來られて、新交番反対鬪爭車掌区でやつておるけれども、この点について区長さんとお話してみたいから、とりついでくれというようなことであつたので、その代表の方二人と一緒区長さんのところへ行つて、こういうわけですがいかがいたしますかと言つたら、では会いましようということで、私が一應司会というような立場になりまして区長さんといろいろ話してもらつたわけです。
  50. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 その民主團体というのはどういう團体とどういう團体ですか。
  51. 中島登

    中島証人 私今資料の持ち合せがないので、どことどこということを正確にははつきり覚えておりません。
  52. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 二つか三つの團体が來たのですか。
  53. 中島登

    中島証人 そうですね。千葉縣労働組合会議の方は來られたと思いますが、はつきり覚えておりません。
  54. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 千葉労組ですか、何か朝鮮連盟も見えたんじやないですか。
  55. 中島登

    中島証人 覚えておりません。
  56. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それじやあなたの紹介せられた二人はどういうところの人だつたのですか。
  57. 中島登

    中島証人 最初私のところへ来た方ですか。
  58. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 そうして区長へあなたが紹介したでしよう。
  59. 中島登

    中島証人 どこの方か忘れてしまつた
  60. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 前から顔を知つておる人じやないのですか。
  61. 中島登

    中島証人 初対面の人です。
  62. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 全然覚えはない……。
  63. 中島登

    中島証人 ええ。
  64. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 あと行つて調べればわかりますか。
  65. 中島登

    中島証人 そうですね。当時記録をたいてい私しておつたのですが、その記録したものが檢察廳に押收になつておりまして、もしその中へ記録されてあるとすれば調べればわかると思いますが、はつきりは‥‥。
  66. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 わかつたあとで聞かしてもらいたい。来た團体と、あなたが紹介して連れて行つた人名前とを聞かしてもらいたいと思いますから、至急調べてみてください。ところで二人が入つて来るときには外部相当大勢の人が來ていたということですが、それはどんなふうでしたか。
  67. 中島登

    中島証人 十五、六人の方が一緒に來られたと思います。
  68. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 そこで二人を区長室へあなたが案内したのですか。
  69. 中島登

    中島証人 そうです。
  70. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 そうしたらほかの人も入つて來ましたか。
  71. 中島登

    中島証人 それで区長にこういうわけで話をしたいから会つていただけますかと言いましたら、区長さんが、では会いましよう。それでそのときほかにまだ來ておりますが、そういう人たちとも会つて欲しいと言つたら、区長さんも、ではせつかく來たんだから会いましようということで、皆に区長室に入つていただいて、そうして大体來てくれた人たち全部が区長室に入りまして面会したわけです。
  72. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 十五、六人ですか。
  73. 中島登

    中島証人 ええ。
  74. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 もつと大勢のようなことを言つておる人があるが、そんなものですか。
  75. 中島登

    中島証人 私は十五、六人だつたと思います。
  76. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 そのときの模様はどうですか。たいへん区長迫つたようですが。
  77. 中島登

    中島証人 区長迫つたというのは、どういう点で迫つたのか存じませんが、迫つたというようなことが私よくわからないのですが。
  78. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 新交番制実施しないということを言明せられたのですか。
  79. 中島登

    中島証人 新交番制実施しないでということで迫つた——迫つたということは大体どういうことですか、はつきりいたしません。
  80. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 新交番制の話を出したのでしよう。もちろん交渉をやめろということだつたのでしよう。
  81. 中島登

    中島証人 別に交渉というような形でなくして、鬪爭をやつておるので一應話を聞きたい。一方的にわれわれの話だけを聞いたのでは判断が誤るであろうから、私の方からの話を聞くと同時に区長さんの方の話も聞かしてほしいということで面会したわけです。
  82. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それでどういうことになりましたか。
  83. 中島登

    中島証人 それで区長立場をその方々に話をして、席上私も出席をしておつたので、私の方の立場としての話を聞いてもらつてつたのです。
  84. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それであなた方の方の話はどういうことなんですか。
  85. 中島登

    中島証人 私の話したことは、今度の新交番制というものがどういうもので、われわれがこれに対してどうして反対せざるを得なかつたか、その日まで大体どういう行動をとつて来たかということについて概略的に説明したのです。
  86. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 そうしたら区長はどう言つておるか。
  87. 中島登

    中島証人 私の言つたことに対して区長はもちろんどうこうということは言わないわけです。区長立場からなぜ新交番制実施しなければいかぬかというような点について説明したのです。
  88. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 そこで実施をやめろということを言つたのじやないですか。
  89. 中島登

    中島証人 代表方々ですか。
  90. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 代表の方もあなたも‥‥。
  91. 中島登

    中島証人 私は別段その席上では交渉のつもりで区長と会つておるのではないのですから、別にそういうことは言わなかつた。またほかの連中もそういうことは言つてなかつたと思います。
  92. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 何時間ほど話をしましたか。
  93. 中島登

    中島証人 時間ははつきり記憶はいたしません。そう大して長い時間ではありませんでした。
  94. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 区長の話では、二時間くらいもそこで責められて、私はどうしてもやりきれぬからしようがないのでとうとう今度は二階に上つたということですが。どうですか。その二階へ上るまではどのくらいの時間がありましたか。
  95. 中島登

    中島証人 今はつきりは覚えておりませんが、そんなに長い時間ではありませんでした。
  96. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 二時間以上かかつたよう言つておりますが‥‥。
  97. 中島登

    中島証人 私はそんなには長くかからなかつたと思います。
  98. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 どれだけにしても、かりに二時間が一時間でもいいが、その間はどういうことで時間がかかつたのですか。
  99. 中島登

    中島証人 先ほど申し上げたようなぐあいで、私の方の話をして区長立場から区長の話を聞いたということで時間がかかりました。
  100. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 そんなに長く時間がかかるものですか。説明お互いに主張だけすればわかるでしよう。その長くかかつたのはどういうわけかというのです。
  101. 中島登

    中島証人 私はそんなに長くかかつたとは思つておりません。
  102. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 あなたがこれは弱つた、こういうつもりでこういう人たちを案内したのではない、困りましたと言つたそうじやないですか。そこまで押し進んでさし迫つて行つたというじやないですか。
  103. 中島登

    中島証人 そんなことはありません。その日の私の立場としては、それまで区長と新交番制実施の問題については何回も話し合つたわけです。それでわれわれの方の立場としてはこれは八月まで延期してほしい、区長としては延期できないということで、何回持つた交渉でも結局結論と言えば二つのことで堂々めぐりしていたわけです。ほかの点で話をすればする余地があつたが、区長も君たちがあくまで延期しろということで、またおれの方としては延期できないということでは、いくら話をしてもむだであるということも認めておるし、われわれの方もそのつもりでおつた。席上われわれの立場区長立場を聞いた人々は、新交番制実施組合要求通り区長にはからつてくださいというようなことを説明を聞いたあと言つたわけです。それを言つたので私は、皆さん、私たちはすでに実施しろ、しないということについてはもうお互いがあくびの出るほどやつて來ておるんだから、その点についての話はこの席上でしないでくれということを話したわけです。そうしたら來た人たちは、そういうことであればおれたちはそういう話をしないにしようということで納得したわけです。そのとき区長が、私もその点では同感である、話をしてもむだであるからほかの点で話をしましようということを言われたので、では二階へ行きましようということで二階へ行つて、われわれと区長だけで話をしたのです。
  104. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 二階は労働組合の人と区長だけですか。
  105. 中島登

    中島証人 そうです。
  106. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 外郭團体の人は外におつたわけですか。
  107. 中島登

    中島証人 階下です。区長室というのは階下にあるのです。
  108. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それから二階ヘ上つたというじやないですか。
  109. 中島登

    中島証人 二階へ上つたのはそれから相当たつてからです。
  110. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 みんな一緒上つたじやないですか。
  111. 中島登

    中島証人 いや、上りません。二、三の鬪爭委員区長だけが上つて、その二、三人の人が話をしたわけです。
  112. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 どういう話をしましたか。
  113. 中島登

    中島証人 区長に対して、われわれとしては区長車掌は同じ一つのかまの飯を食つておるのであるから、いわば親子の関係である。われわれのこの苦しい新交番制をぜひ八月まで延期するように区長立場からお骨折り願いたいということでお話したわけです。
  114. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 二階へ上つてまた大分おつたようですね。
  115. 中島登

    中島証人 二階へ上つては相当時間がかかりました。
  116. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 どうして、そういう時間がかかりましたか。
  117. 中島登

    中島証人 それは区長さんがわれわれと一緒に新交番制を延期するために一緒に骨を折るというようなことについてわれわれがお願いしたわけです。区長さんとしてもその点については一度相談したいということで、二階へ行つてわれわれが願いしたわけです。その場合区長さんとしても簡單には決心できなかつたと見えまして、いろいろとお考えになつてつたようです。それについてわれわれとしてもお考えのきまるまで別段どうこうということでなくして、ゆつくり考えてほしいということで時間がかかつたのです。
  118. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 その部屋にはほかの外郭團体の人は入らなかつたことは間違いありませんか。
  119. 中島登

    中島証人 たれも入りません。
  120. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 二階の助役部屋つたのですね。
  121. 中島登

  122. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 はしご段から指導助役室まで相当距離があるじやありませんか。
  123. 中島登

    中島証人 そんなに大きい家ではないのですから、距離なんかないのです。
  124. 中島登

    中島証人 その二階へ外郭團体人たち上つて参つたじやありませんか。
  125. 中島登

    中島証人 入つて参りました。
  126. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 相当入つたそうですね。
  127. 中島登

    中島証人 うち車掌が大部分。
  128. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 車掌はどれくらいおりましたか。
  129. 中島登

    中島証人 正確にはわかりませんが、うち車掌だけでも二十人か二十五人ぐらいおりました。
  130. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 外郭團体の人はどのくらいいましたか。
  131. 中島登

    中島証人 先ほど入つて来た十五、六人の人たちです。
  132. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 何かインターナシヨナルの歌を歌つてずいぶん騒いだようですね。
  133. 中島登

    中島証人 インターを歌つたことはありますが、実に整然としておつたのです。
  134. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 何時ぐらいまでやりましたか。
  135. 中島登

    中島証人 たしか二時間半か三時間かでありましたね。
  136. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 二階でね。
  137. 中島登

    中島証人 ええ。
  138. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 そうすると、下から合計して何時間ぐらいになりますか。
  139. 中島登

    中島証人 大体全部ひつくるめれば三時間ぐらいになるのじやないかと思います。
  140. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 区長は飯も食われず、便所へも行けないし、ずいぶんいじめられて疲労困憊したと言つておるのですが、そういう事実はありましたか。
  141. 中島登

    中島証人 そういう事実はございません。
  142. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 だつてあなたの言われる三時間にしても相当なものじやないですか。
  143. 中島登

    中島証人 でも区長さんが、かりに食事がしたいというようなことを言つた場合われわれはそれを阻止したとか、あるいは便所へ行きたいと言うのをどうするかと、いじめたということはそういうことを言うのですか。
  144. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 いや、そうじやない。食事をしたいというひまどころではない、早く取消せ取消せと言われて便所へも行かれなければ、食事をする余裕もなかつた、こういうのです。
  145. 中島登

    中島証人 食事したかまた便所に行つたかということについては、これは食事もしなかつたでしよう、また便所へも行かなかつたでしよう、しかし別段それに対してわれわれは行くなとか、あるいは食事をするなとかいうようなことを言つたわけではない。
  146. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 あなた方はもちろんそういうことは言わないだろうが、そういうことをするような余裕を與えないように迫つたのじやないですか。
  147. 中島登

    中島証人 そんな事実はありません。その日私たちとしては新交番を取消せとかいうことで話をしたのではなくて、私たちいわば子供たちが今泣いておるときなんだから、何とか救つてくれということで、むしろ私たち立場区長さんに懇願するという立場であつたわけです。
  148. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 結局そこで区長はどうしましたか。
  149. 中島登

    中島証人 そうしたら結局区長さんもわれわれの誠意をくんでくれまして、では一緒にやりましようということを誓つてくれたわけです。
  150. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それからその翌日また何か職場大会をやられたようですね。
  151. 中島登

    中島証人 やりました。
  152. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それで主としてどういうことをおきめになりましたか。
  153. 中島登

    中島証人 その日の職場大会は、前日に区長さんがそういう態度をとられたので、われわれとしてはその五日の日に区長さんとそういう話の結果、区長さんがそういう態度をとれば、きつと当局区長をことによつた懲戒免官処分にするだろうと考えたので、局長さんとその点について御心配はありますかということで御相談を申し上げたら、生計の点が心配である。それでそういうこまかい点について、五日の日にわれわれと相談をしたわけなんです。われわれとしても、どうしても区長さんが私たちのために骨折つてくれることについて、区長さんがそのような不幸な結果になつては申訳ないと考えたので、さつそく六日の大会に、区長さんがわれわれのためにやつてくれるのだから、われわれも区長さんのためにやらなくてはならぬというので、生計費の関係とか、あるいは懲戒免官になれば退職金を棒に振られるというような関係で、ただちに区長のためのカンパを強力にやろうということがまず第一で、第二としては、そういうように次第に鬪爭もはげしくなつて來たので、鬪爭委員会を確立しなければいけないということで、大体大きなものとしては鬪爭委員会を確立したということと、それから区長さんを守れというスローガンのもとに、強力な資金カンパ活動を行つた、この二つが大体大きな決議としてなされたのです。
  154. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それから九日の日もまた大会をやられたですね。
  155. 中島登

    中島証人 そうです。
  156. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それはどういうことになりますか。
  157. 中島登

    中島証人 九日の職場大会では、この新交番制に対する態度を再確認したわけです。それでその日の職場大会では、場合によつて交番管理をしても旧交番を維持するということが圧倒的な多数で決議されたのです。
  158. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 ところが十日の日に、当局では新交番制実施するという態度に出たようですね。そしたら十日の午前十一時に千葉発の電車が発車しようとするときに、新交番で乗る車掌を乗せないために相当騒擾が起つたと聞いておりますが、その実情を話してください。
  159. 中島登

    中島証人 それはこういういきさつがあつたわけなんです。九日の日にわれわれが新交番に対する態度を再確認するというもとに審議を進めておつたら、首席助役が大会の席上に参りまして、発表したいことがあるから発言させてくれと言つて来たわけです。どういうことであるかと言いますと、ちようどその日九日の大会をやる前に、朝ですか九時ごろ業務課長が車掌区に参りまして、本日から新交番を強行せよというような文書の業務命令を持つて来たわけです。それで会つたんですが、その後たしか十一時ごろだつたと思いましたが、首席助役が参りまして‥‥。
  160. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それは十日ですか。
  161. 中島登

    中島証人 十日です。業務命令は‥‥。(「九日じやないか」と呼ぶ者あり)いや、間違いました。九日です。その九日の朝九時にそういう業務命令が來まして、その日の十一時ごろにわれわれの職場大会の席上に首席助役が來まして、業務命令は九日になつておるけれども、実際実施するのは十二日である。從つてその間三日というような猶予期間があるということを発表したわけなんです。それで一應新交番に対する態度としては先ほど申し上げたような決議がなされましたけれども、われわれとしては実施されるのは十二日というぐあいに考えておつたわけであります。その日の夜あと助役に聞いたのですが、大体交番の操作は当直助役というのがおりまして、当直助役がやつておるのですが、当直助役にあしたから新交番を強行せよというようなことを特に言つて來たのが九日の夜遅くだつたそうであります。時間ははつきりしておらないのですが、遅かつた。それで九日の日に乗務した車掌で翌朝早朝から乗務する車掌がある。それらの車掌だとか、またその他の車掌が九日の日に翌日の交番を確認した場合はみな旧交番であつたわけです。そういうような状態の中で九日の夜遅く、新交番実施しろということが当直助役に言われて來たわけです。それで当直助役はまずそのような方針で行くという氣持を持つたそうでありますが、たまたま九日は中野車掌区がストを行つた。その関係で平常ダイヤで行きます事と中野から出発しまして千葉まで來るというような電車があるわけです。また千葉から発車した電車が中野まで行くというぐあいに、急行時間中は総武線と中央線のおたがいの連絡の電車がある。それがストの関係でなくなつてしまつて、そのために九日には千葉では臨時ダイヤというものを編成したそうでありますが、車掌区といたしましては、大体車掌乗務するときは乗務交路表と申しまして、第何電車から乗つて第何電車を乗つて来いというようなカードがあるわけです。そのカード通りの電車が運轉されておらなかつた從つて、当日は当直助役としては非常に仕事に困つた。しかも当局から新交番実施をするのだから確認させろ、確認しない車掌に対しては乗務させる必要はないというようなことを言われておつたので困つたわけです。それで人がそういう点でどうにもならないということを予想したかどうかわかりませんが、その晩のうちに真夜中一時ごろとか言つておりましたが、管理部から管理部員を集めまして、その人たち車掌区に詰めさしておつた。そうして翌朝この新交番を確認しろと一人々々やつたわけなんです。実際にその場合車掌としては新交番は私たちは確認できません、しかし私はきのう確認したように何交路でありますから、今日は何交路に乗務いたしますとみんな言つたわけです。そうしたらきみは乗る必要はないというようなことで、乗せなかつた。そしてそばに待機しておつた管理部員を順番に乗せてその日は運轉したわけです。その運轉も普通車掌というのは乗務交路表を持つて乗務しなければならないのでありますが、その日の管理部員は全然乗務交路表を持たずにこの電車に乗れと言つて千葉から乗り出し、そのまま折返しになつて電車にまた乗務して來るというぐあいで、しかも中には過去十年前に車掌を経験したとか、あるいは五年前に経験したとかいうようなしろうとに近いような車掌乗務させられておつたわけです。それでわれわれはその十日の問題としては新交番を確認するかしないかということは実質的には問題でないわけであります。もし問題だとすれば、十一日以後の問題として新交番の確認云々が問題になつて来るのですが、当日何も問題にならないようなことを問題にして、われわれの車掌乗務することについて向うで、乗務させなかつたわけです。そういうような点で、朝からうち車掌がみんな乗務させられなくなつてしまつていた。それで一一○三四という電車ですが、そのときあのような事件が起つたわけなんですが、事件のいきさつについてはそのような朝からのいきさつがあつて車掌としては非常に不満だつたわけです。それで事件がどのようなとこるから起つたかという点につきましては、私その場合おらなかつたのでわかりませんけれども、私車掌区におりましたら、ごたごたが起つておるから來てくれというので行つて見たわけです。行つて見たら公安官それから管理部員というような人たちとそれからうち車掌たちと何だかごたごたしておつたわけです。しばらくしておるうちに警官がどやどや来て、私はそのときは檢挙されなかつたのでありますが、ほかの連中三十三名を檢挙して連れて行つたわけであります。
  162. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 その乗務に使用する車掌乗務させないというのでずいぶんスクラムを組んで妨害したと聞いてるのですが、そういう事実はありましたか。
  163. 中島登

    中島証人 車掌を引きずりおろそうというのに対してスクラムを組んで守つたということはありましたが‥‥。
  164. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 旧交番制のままで乗ろうとする車掌をおろそうとしたのですね。
  165. 中島登

    中島証人 そうです。
  166. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それはどういう者がおろそうとしたのですか。
  167. 中島登

    中島証人 公安官だつたと思います。それから管理部の旅客関係の方がおつたようであります。
  168. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それを妨げたのですか。そのかわりそれをおろすと同時に新しい者が乗らなければならぬ。乗ろうとしたんじやないか。
  169. 中島登

    中島証人 新しい車掌は、乗ろうとしたというよりも、そのときは反対側のドアをあけて乗つてつたわけです。
  170. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 旧交番制の者をおろそうとする、それを妨げるためにスクラムを組んだ、こういうことですか。そのスクラムを組んだのはどういう人々が組んだのですか。
  171. 中島登

    中島証人 そのときスクラムを組んだ人たちはどういう人、何人、またはだれとだれということは私にはわからないわけです。
  172. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 あなたは現場へ行つて見たのでしよう。
  173. 中島登

    中島証人 現場へ行つて私もスクラムを組んだ一人でありますが、だれとだれが組んだか、そのときは非常に興奮しておつたので、別段氣にもとめて見なかつたし、記憶に全然ございません。
  174. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 部外者が相当入つてつたことは見なかつたですか。
  175. 中島登

    中島証人 部外者が相当入つていたということは檢束された結果わかつたわけです。
  176. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 あなた方はこの運動を始めてから部外者とは相当密接な関係を持つていろいろやつてつたのではないのですか。
  177. 中島登

    中島証人 その関係については千葉地区労働組合会議というものがありまして、当然私たちもそれに参加しておつて鬪爭をやる場合、組合のやり方としてはそういう外部團体に対して密接な関係を持ちまして、いろいろ宣傳活動を行うことは当然行わるべきことであつて、またわれわれとしては行つて参りました。
  178. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 あなた方この運動についてそういう人たちに援助を求めておりましたのですか。
  179. 中島登

    中島証人 その十日の事件についてですか。
  180. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 すべてについてです。
  181. 中島登

    中島証人 十日の事件については別段連絡をとつたことはございませんが、大体六月三日から鬪爭らしい鬪爭になつたのですが、その間いろいろ外部團体と情報の交換をやつた。それでお互いに宣傳のために協力し合つたということはあります。
  182. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 そこでまたもどるが、五日のときにもそういう関係でそれらの人に來てもらつたのではないのですか。
  183. 中島登

    中島証人 五日の日に外部團体の來られたことについてわれわれとして招請したのではなくて、別段われわれが五日にその場に来てくれということを連絡をとつたことはありません。
  184. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 何かいざというときには應援者が何千人でもいつでも來るということをあなた方は言つてつたそうですね。
  185. 中島登

    中島証人 ちよつと議長さんにお願いしたいことがあるのです。私このところ非常に疲れておりますので、失礼ですがかけさせていただきたい。
  186. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 よろしゆうございます。そういうことを言つた事実はないですか。いつでも應援を求めれば何百人でも何千人でも来るということを‥‥。
  187. 中島登

    中島証人 だれに対して‥‥。
  188. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 主として区長にです。
  189. 中島登

    中島証人 私はそういうことを言つたことはありません。
  190. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 あなたでもほかの人でもありませんか。
  191. 中島登

    中島証人 ほかの人が言つたかどうか、私は聞いたことがありません。
  192. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 よろしゆうございます。
  193. 高木松吉

    ○高木(松)委員 きのう出しました写真、かりに一号ですが、この写真の中にあなたはおりますか。
  194. 中島登

    中島証人 おりません。
  195. 高木松吉

    ○高木(松)委員 そうするとこれはあなたのうちという最前の言葉を使うと、うち車掌さんですか、部外者ですか。
  196. 中島登

    中島証人 はつきりこの写真はわからないですね。
  197. 高木松吉

    ○高木(松)委員 わかる程度でいい、知つている人がおりますか。
  198. 中島登

    中島証人 これ一人。東川君だけです。
  199. 高木松吉

    ○高木(松)委員 一人だけですね。
  200. 中島登

    中島証人 それでここに書いてあります立松であるとか、あるいはこれであるとかいうのは、これは刑務所で初めてわかつたわけです。
  201. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 立松と書いてあるのは、大体合つていますか、違つておりませんか。
  202. 中島登

    中島証人 さあ、ちよつと似ているような氣もします。
  203. 高木松吉

    ○高木(松)委員 そのほかは全然あなたの表現するうち車掌さんじやないというわけですね。スクラムを組んでいるのは‥‥。
  204. 中島登

    中島証人 そうですね。
  205. 高木松吉

    ○高木(松)委員 それから二号、これはあなたおりますか。
  206. 中島登

    中島証人 おりません。
  207. 高木松吉

    ○高木(松)委員 あなたの方の車掌さんおりますか。
  208. 中島登

    中島証人 これが越川ですね。
  209. 高木松吉

    ○高木(松)委員 あとは。
  210. 中島登

    中島証人 あとは写つてはおりませんですね。
  211. 高木松吉

    ○高木(松)委員 大体これは部外者ですね。そうすると部外者であなた知つてる人がおりますか。
  212. 中島登

    中島証人 この後知り合つた人がおりますがね。ここに名前を書いてある人たちはみな留置場へ入れられたときにわかつたのです。このときはわからなかつた
  213. 高木松吉

    ○高木(松)委員 今の記憶ではだれだれですか。この書いてあるのはみな間違いないですか。
  214. 中島登

    中島証人 似てるような氣がします。
  215. 高木松吉

    ○高木(松)委員 それから第三、これはどうですか。
  216. 中島登

    中島証人 わかりません。
  217. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 あなたはそのうちにおらぬですが。
  218. 中島登

    中島証人 おりません。
  219. 高木松吉

    ○高木(松)委員 四号はどうですか。あなたはいますか。
  220. 中島登

    中島証人 わかりません。
  221. 高木松吉

    ○高木(松)委員 これはあなたのうち車掌さんはいないですね。
  222. 中島登

    中島証人 うち車掌はこれがそうだろうと思います。
  223. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 一人だけか。それは。
  224. 中島登

    中島証人 関口と言います。
  225. 高木松吉

    ○高木(松)委員 これにはあなたはおりますか。
  226. 中島登

    中島証人 いません。
  227. 高木松吉

    ○高木(松)委員 あなたのところの車掌さんはおりますか。
  228. 中島登

    中島証人 わかりません。
  229. 高木松吉

    ○高木(松)委員 それではお尋ねしますが、さいぜん区長室に二人を案内したと言いましたね。その二人のあとに十五、六人区長室に入つたが、それは区長の同意を得たとあなたはおつしやるが、区長は同意していないと言うのだが、どつちがほんとうですか。ひとつ記憶をはつきり呼び起してください。
  230. 中島登

    中島証人 区長は同意しました。
  231. 高木松吉

    ○高木(松)委員 あなたはそう言い切れますね。
  232. 中島登

    中島証人 はい。
  233. 高木松吉

    ○高木(松)委員 そこで先ほど民主團体の人が來た。しかし二名はどういう人だかわからぬと言うが、民主團体の人が来たということがわかつているならば、その人たちが何人であるかわかるはずだと思うが、その点はどうですか。
  234. 中島登

    中島証人 それは先ほど申し上げた通りでして、私現在だれとだれが、またどういう團体が来たかということは記憶がありません。しかし当時私は記憶しておつたと思うのですが、必要であれば、押收された書類にきつと書いてあると思いますので、それを見ればわかると思います。どことどこということは現在記憶にありません。しかし外部労働組合方々であるということは現在でもわかつておるのですが、どこのだれであるかということはよくわかりません。
  235. 高木松吉

    ○高木(松)委員 それから新交番制はどうして実施しなければならぬかということに対して、どういう意味で新交番制実施しなければならぬとあなたは解釈しておるのですか。
  236. 中島登

    中島証人 その点について実は六月三日にその問題に対する第一回の職場大会を持つてつたわけです。十一時過ぎだつたと思いますが、業務課長から今度車掌関係に新交番実施することになつておるけれども、その点について車掌区の諸君と話合つてみたいからというような申入れがあつたわけです。それでたまたま私たち職場大会をやつておる席上で披露されたので、実はここでみんなで相談しているよりも業務課長がそういうことを言つているのだからみんなで行つて業務課長に相談してみようじやないか、席上おり合せました九十人の車掌がそろつて業務課長のところへ行つたわけです。業務課長と管理部の職員養成所の教室で会つたのですが、その席上で何がゆえに当局は現在これを行わなければならないのかという点について明確な答えはしなかつたわけです。明確な答えをしなかつたけれども、われわれとしてはそのことを車掌関係にだけ実施するということはおかしいではないかということを言つたら、業務課長は、車掌関係だけ——当然これは機関区、電車区にも関係のある問題だけれども、予算の削減上現在、六月一日から実施しなければならないというようなことを言われる。予算の削減にどのくらいなるかいということを聞きますと、一日千葉車掌区だけでも四百円——たしか四百円だつたと思いますが、四百円程度の削減にしかならない。それは理由にならぬじやないかと言つたら、今度は陸運関係從事員勤務規程の改正でこういうことになつたわけだと言われる。これはどうして車掌区だけやるのかと言つたら、その点については回答しない。新交番をやると現在の過員と合せて約六十五名のものの過員が浮くということが前々からの区長とのいろいろの交渉の結果わかつておるのです。新交番にするということだけでじかに浮く人間が概算二十四名もあるわけです。たまたま小口扱いの省還元に伴つて車掌区に六月一日から荷扱い手を二十七名増員されなければならないというようなはめになつてつたわけです。荷扱い手要員を浮かすために新交番実施するのでないかということを問いたら、そういうことはありません。しからば二十四名の人間はどうするかと言つたら、場合によつたら遊ばしておくこともあるかもしれないというようなことを言われました。そういうようにして当局としては何がゆえに新交番を六月一日に車掌関係にだけ実施しなければならないかということについては全然明確にしていない。それでたまたま明確にしたような点もあるのですが、それは予算の削減であるとか、勤務時間規定に合せるとかいうようなことを言つてつたのですが、そのことを聞くと、業務課長と車掌区長と管理部長との言がみなまちまちです。最初車掌区長は荷扱手要員を二十七名必要としておるから、その要員に新交番実施して浮かした人間を当てはめておくのだ。そうすれば將來起る定員数による首切りも緩和されるであろうということを当初区長言つてつた
  237. 高木松吉

    ○高木(松)委員 そこであなたに聞きたいのだが、日本の現状で、このままの状態で推移して行つて、日本の再建が成り立つと思いますか。
  238. 中島登

    中島証人 このままの推移で行けば私は日本再建はおぼつかないと思います。われわれが鉄道を復興しなければならない。このために仕事をしなければならないということに対して当局は首を切る。
  239. 高木松吉

    ○高木(松)委員 そこであなたに聞きたいのだが、そうすれば日本再建のためには、やはり耐乏生活をして大いに努力しなければならぬということがあなたのお感じですね。
  240. 中島登

    中島証人 日本再建のためにわれわれがどうしなければならないかという点については、これは現在の民自党の政策を根本的に改めていただいて、必要であれば民自党内閣をひつくり返して、われわれの眞の生活を守つてくれる政府をつくつてもらいたい、現在のような中で日本を再建するためにわれわれだけが耐乏生活をしなければならないということについては、こんなばかげたことはわれわれとしては考えられないわけです。そして現在の耐乏生活をしなければならないということで押しつけられる労働條件、あるいは生活環境というものは、耐乏生活の範囲内を越えて、すでにわれわれは現に首を切られてもおりますし、明日の生活を破壊されるような現状であります。從つて耐乏生活を必要とするかしないかということよりも、われわれは明日の生活を守り、自分自身が生きて行くためにはどうしても鬪わざるを得ないということです。そういうことが日本再建の道であろうと思います。
  241. 高木松吉

    ○高木(松)委員 わかりました。
  242. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 なるべく意見の交換はやめてもらいます。
  243. 高木松吉

    ○高木(松)委員 そこで、意見の交換じやありませんが、ただいまのあなたの言葉の中に民自党内閣をつぶしてわれわれの内閣をつくるとかいうようなお言葉があつたが、一体民自党内閣をつぶしたら現在の状態でどの党の内閣をつくることを希望とするお考えですか。
  244. 中島登

    中島証人 私は現在のどの政党をやつたらよいかということについてははつきりわかりませんけれども、ただ現在の民自党内閣をぶつつぶすということが、われわれはここのところ一年ないしは半年の生活の中でどうしても強く感じられているわけなんです。だから今度の鬪爭も民自党内閣をつぶすということはわれわれとしてはもちろんすぐどうこういうことでないので、さつきも申し上げました通り、現在の民自党の政策をかえていただきたい。それをかえていただけないものならばこれは倒れてもらわなければどうにもならないということであります。
  245. 高木松吉

    ○高木(松)委員 わかりました。あなたは政党の党籍をお持ちになつておりますか。
  246. 中島登

    中島証人 現在党籍を持つております。共産党です。
  247. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 ほかにございませんか。——吉武君。
  248. 吉武恵市

    ○吉武委員 二、三お尋ねしたい。六月の二日、三日にお茶の水で中野車掌区の人たちと会合をしたようですが、あなたは出席しましたか。
  249. 中島登

    中島証人 私は会合をしたことはございません。
  250. 吉武恵市

    ○吉武委員 あなたはただいまの証言の中に共産党に所属されているということですが、あなたの班では共産党はだれが代表をしておられますか。
  251. 中島登

    中島証人 私は今月の十二日に入党申込みをしている関係で、共産党内のいわゆる車掌区細胞がどういうことになつているかまだ正確にはわかつていないのであります。私は國電ストの問題について証言を得たいから來いと言われたので、從つて共産党の千葉車掌区細胞と國電ストが別段関係がないので、しかも先ほど申し上げましたようなわけでよくわかつておりませんから、私はつきりとこの席上で言うほどよくわかつておらないわけです。
  252. 吉武恵市

    ○吉武委員 わかりました。共産党と今度のストとが関係があるかないか最近お入りになつたあなただからあるいは御存じないかもしれませんが、その職場の、車掌区の共産党細胞の責任者はだれがやつておられますか。あなた方党員になつた責任者からいろいろ連絡があるでしよう、だれがあなたに連絡されますか。——党の活動というのはいろいろありますね。その党の活動について、あなたが党員であればいろいろ連絡されるわけでしよう、だれがその車掌区の共産党の責任者として折衝されたか……。これは政党ですから、政党の班の責任者が……。秘密な政党じやないから言えるでしよう。     〔「そんなこと必要ない」「委員長、注意しろ」と呼ぶ者あり〕
  253. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 委員が必要があつて聞いているものを一々私から止めるわけに行きません。
  254. 吉武恵市

    ○吉武委員 秘密組織じやないのですから、共産党の職場の組織があれば、組織の責任者がだれかということはおわかりでしよう。
  255. 中島登

    中島証人 私まだほんとうにチンピラの党員でありまして、しかも十二日に入党申込書を出しただけで、遺憾ながらよくわからないからお答えできません。
  256. 吉武恵市

    ○吉武委員 けれどもあなたは自分の班で入党されるでしよう、それにだれが責任者かわからないで、どうして手続をされますか。
  257. 中島登

    中島証人 入党申告書を書いて…。
  258. 吉武恵市

    ○吉武委員 代々木の本部に直接お出しになつたのですか。
  259. 中島登

    中島証人 細胞へ出したのです。
  260. 吉武恵市

    ○吉武委員 そうするとだれに出したのですか。
  261. 中島登

    中島証人 林長太郎という人です。
  262. 吉武恵市

    ○吉武委員 わかりました。
  263. 中島登

    中島証人 その人が細胞責任者であるかどうか私はまだわかりません。
  264. 吉武恵市

    ○吉武委員 その林君か何かからお茶の水で会合があつた様子をあなたは聞いたことはありませんか。お茶の水で中野車掌区の人々と会つて、あなたが出席されなかつたとすれば、帰られてあなた方に何らかのお話はなかつたのですか。新交番制は首切りの前提であるからどうせいとか何とかお話があつたでしよう、別に秘密なお話でもなし、労働者のためにあなた方鬪爭されているのですから、その代表行つて打合された結果というものはあなた方にわかつていると思いますが。
  265. 中島登

    中島証人 記憶がないのです。
  266. 吉武恵市

    ○吉武委員 それではよろしゆうございます。  次にもう一つ聞きたいのですが、この間旧交番制を主張されて、区長の新交番制に最後まで反対されて、あなたもその一人として懲戒処分にあわれたのですが、その懲戒処分にあわれた方のお名前を大体あなたは御存じですか。
  267. 中島登

    中島証人 名前は知つております。
  268. 吉武恵市

    ○吉武委員 私は、ここに控えがありますので、これが間違つていると悪いから一應お聞きいたしますが、山本長之助というのはやはり入つておりますか。
  269. 中島登

    中島証人 これは入つております。
  270. 吉武恵市

    ○吉武委員 この人は共産党に入つておられるのですか。
  271. 中島登

    中島証人 それはよくわかりません。
  272. 吉武恵市

    ○吉武委員 それから糸久利春という人がやはり処分を受けられている。これも間違いございませんか。
  273. 中島登

    中島証人 間違いありません。
  274. 吉武恵市

    ○吉武委員 この人も党籍はわかりませんか。——そうすると、あなたは入党されたけれども、職場の車掌区の他の人が、だれが共産党員に入つておるか御存じございませんか。
  275. 中島登

    中島証人 國鉄の職員でですか。
  276. 吉武恵市

    ○吉武委員 ええ。車掌区のフラクがありますね、その細胞の中でだれが共産党員であるか全然御存じなくて、あなたはお入りになつたのですか。
  277. 中島登

    中島証人 だれが共産党員であるかは、人があれは共産党であるというようなことを、言つておるのでそれはわかりますけれども、実際うわさであるか事実であるか、私別に確認しておつたこともないので、うわさであればそういう話も知つておりますが、しかし実際にどうであるかという責任あるお答えは、根拠がその程度のあいまいなものですからできないのです。
  278. 吉武恵市

    ○吉武委員 そうすると、あなたの職場の車掌区の共産党の細胞組織は他の者にはわからない、つまり秘密組織になつているのですか。
  279. 中島登

    中島証人 車掌区の細胞が秘密であるかないかという点については、私よくわかりませんが、かと言つてだれとだれが共産党に入つているぞというぐあいに宣傳したこともない。うわさとしてだれとだれが共産党に入つているということは聞きますが、しかし実際に共産党員であるかないかということを私は確認したことが一回もないので、このような責任のある場所で、うわさ程度のものを根拠にしては、ちよつと申し上げられないと思います。
  280. 吉武恵市

    ○吉武委員 うわさ程度でもけつこうですが、その中のだれだれが‥‥。
  281. 中島登

    中島証人 その中の山本長之助、林長太郎‥‥。
  282. 吉武恵市

    ○吉武委員 東川君は。
  283. 中島登

    中島証人 あれは入つておるといううわさもありますが、事実を聞いてみたら、本人は入つておりませんと言つておりました。
  284. 吉武恵市

    ○吉武委員 加瀬武治という方が、ございましたが、これはどうですか。
  285. 中島登

    中島証人 これは共産党員であると皆言つております。
  286. 吉武恵市

    ○吉武委員 それからもう一つ、外廓團体の人が六月の五日に会わせてくれということで、これに対して二人だけ代事表で御案内になられたそうですが、その二人の名前は帰つて見なければわからないというのですが、その二人の代表はどういう團体に所属しておるか、おわかりになりませんか。
  287. 中島登

    中島証人 それはさつき申し上げましたように、どの團体に所属した方であるということは、私今記憶しておらないのです。私ことによつたら記録してあると思うのですが、今はわかりません。
  288. 吉武恵市

    ○吉武委員 それから縣労会議の方が大分お見えになり、縣労会議には前々からいろいろ連絡をしておつたと言われますが、縣労会議にはあなたの職場の代表としてはだれが出ておられますか。
  289. 中島登

    中島証人 縣労会議には別に私たち車掌区分会として加入しておらない。加入しておるのは千葉地区労働組合であります。
  290. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 ほかにございませんか。簡單に願います。
  291. 大橋武夫

    ○大橋委員 今の五日の外部民主團体の方がお見えになりましたのを記録してあるとおつしやいましたね。その記録を押収されたというのですが、それはどういうものに記録してありますか。手帳ですか、ノートですか。
  292. 中島登

    中島証人 私、備忘録というのをつくつておるのですが、それに書いてあると思う。これは記憶がはつきりしておりません。
  293. 吉武恵市

    ○吉武委員 いつ記録されましたか。
  294. 中島登

    中島証人 私は何事によらずその都度いろいろなことについて記録しておくようにずつと心がけておつたので、その問題もことによつたら私記録してあると思うのですが、記録したかしないかも現在記憶がはつきりしません。
  295. 吉武恵市

    ○吉武委員 そうすると、その備忘録は、その当日民主團体の人がどやどや入つて来られたときに、あなたは持つておられたわけですか。からだとともに、あるいはカバンにでも入れて‥‥。
  296. 中島登

    中島証人 持つてつたかおらないかについては、はつきり記憶がないのですが、おそらくどこに行くのでも私持つて行きますから、持つてつたのではないかと思います。
  297. 吉武恵市

    ○吉武委員 あなたは千葉の今度の爭議の間に何かマイクで放送をされたことがあるそうですが、どういうことを放送されましたか。
  298. 中島登

    中島証人 千葉の駅頭で街頭宣傳をやつたわけです。そのとき私たちがどういうために今新交番反対闘爭をやつておるかということについて趣旨を通行人に訴えました。
  299. 大橋武夫

    ○大橋委員 それは何日のことでございましたか。
  300. 中島登

    中島証人 いつだつたか記憶がないのですが‥‥。
  301. 大橋武夫

    ○大橋委員 五日のときですか、それとも十日のときですか。五日に民主團体大勢見えましたが‥‥。
  302. 中島登

    中島証人 そのときは街頭宣博はやりません。
  303. 大橋武夫

    ○大橋委員 そうすると十日のときですか。
  304. 中島登

    中島証人 十日の日は街頭宣傳はやりませんでした。
  305. 大橋武夫

    ○大橋委員 そうすると、その間でしたか。
  306. 中島登

    中島証人 そうです。
  307. 大橋武夫

    ○大橋委員 何日くらいやられたのですか。
  308. 中島登

    中島証人 一日一回です。
  309. 大橋武夫

    ○大橋委員 そのときはどこのマイクをお使いになりましたか。
  310. 中島登

    中島証人 どこのマイクであつたか私その準備をした人間ではないので、はつきりわかりません。
  311. 大橋武夫

    ○大橋委員 ではどなたが準備なさいましたか。
  312. 中島登

    中島証人 今だれが準備したかは、はつきり記憶しておらぬのですが‥‥。
  313. 大橋武夫

    ○大橋委員 そうすると、部外の人が準備されたのですね、鉄道の方ではありませんね。
  314. 中島登

    中島証人 いや、うちの闘爭委員が準備したと思いますが‥‥。
  315. 大橋武夫

    ○大橋委員 そうすると、あなたは委員長としてそれを準備しろという命令を‥‥。
  316. 中島登

    中島証人 私は委員長ではありません。
  317. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 あなたはそのあと委員長になつたのじやないか。
  318. 中島登

    中島証人 あとでも全然やりません。
  319. 大橋武夫

    ○大橋委員 そうするとそれは駅備えつけのマイクではないですか。
  320. 中島登

    中島証人 違います。
  321. 大橋武夫

    ○大橋委員 外部から借りたものですね。
  322. 中島登

    中島証人 たしかラヂオ屋かどこかで借りて来たと思います。
  323. 大橋武夫

    ○大橋委員 それからあなたが五日に区長交渉をされておられる間に、車掌区の事務は、区長助役もとることがむずかしかつたと思うのですが、そのときに交番を管理しておられたのはどなたですか。
  324. 中島登

    中島証人 その日交番を管理しておつたのは当直助役です。
  325. 大橋武夫

    ○大橋委員 その場合は交渉の場所には関係なかつたのですか。
  326. 中島登

    中島証人 交渉の場所に関係がなかつたと言いますと‥‥。
  327. 大橋武夫

    ○大橋委員 そこにおられて終始自分で仕事を続けておられたのですか。
  328. 中島登

    中島証人 はあ。
  329. 大橋武夫

    ○大橋委員 それから先ほどあなたのお話の中で、旧交番を守るためには自分たち交番管理をしてでも守らなければならぬ、こういう考えを持たれたと聞いたのですが、交番管理ということはどういう意味ですか。
  330. 中島登

    中島証人 職場の大会で最悪の場合は交番管理をするというようなことを決議したのですが、その場合の考え方としては、一應区長さんがわれわれと一緒にやるというようなことを五日に言つて、また首席助役さんを初め、当直助役さんに至るまで、われわれと一緒にやるということが確認されておつたのです。そういうような関係で、われわれとしては、結局交番管理といいましても、具体的にいいますと、交番表というものがありまして、それできようは何交番、あしたは何交番という順番を書いてあるわけです。それを從來のままでずつと行くということでわれわれが‥‥。
  331. 大橋武夫

    ○大橋委員 それをだれがやろうとしたのですか。
  332. 中島登

    中島証人 それは助役さん方が一應われわれと一緒にやるというような関係があつたので、われわれと協力して当直助役さんも一緒にやるという考え方を持つてつた事わけなのです。
  333. 大橋武夫

    ○大橋委員 そのことはいわゆる業務管理の一種ですね。
  334. 中島登

    中島証人 それは業務管理であるかないか、よくわからないのです。
  335. 大橋武夫

    ○大橋委員 それからあなたが業務管理をしてでも旧交番を守ろうという決心で闘われたのですが、その行き方を強行すれば、これはどうしても國鉄の正常なる業務の運営を阻害することになる。そうなれば場合によつては業務命令も出るかもしらぬ。そしてその業務命令に反してまでそれを実行するということになると、あなた方の多数の同僚が場合によつては処分を受けなければならぬようなこともお考えになつたと思うけれども、その辺はどうお考えになつておやりになつたのですか。
  336. 中島登

    中島証人 それは一應われわれとしては、区長さんもわれわれと同調してくれた。その六月五日の後において、管理部長をもわれわれと同調してもらわなければならないというような基本的な考え方が裏打ちになつて、あくまでも旧交番でやつて行きたいということなんです。從つて業務命令が来た場合、犠牲者がそのために出るか出ないかということについては、それほどわれわれとしては考えなかつたわけです。
  337. 大橋武夫

    ○大橋委員 犠牲者の問題は全然考えずにやつた‥‥。
  338. 中島登

    中島証人 そうです。出ないというような考え方で区長助役もそういうぐあいに同調してくれたし、それらの関係で管理部長もわれわれと同調してくれるであろうというような確信があつたので、別に犠牲者が出るということについては深く考えなかつた
  339. 大橋武夫

    ○大橋委員 それはよくわかりましたが、そうしますと、犠牲者が出ないのに、区長だけが首になつて、暮しに困ることになるというのは、ちよつと今あなたのおつしやつたのはおかしい。区長が首になつたら困るだろう、このために百万円の資金カンパをやらなくちやならぬということは、明らかに犠牲者が出るかもしれぬということを予定したからこそ、そういうことをなすつたのじやないかと思う。そしてそれが組合の大多数で決議されたとすれば、大多数の人がやはりこれを強行して行けば、場合によつては相当多数の犠牲者が出やしないか、まず第一に区長が犠牲者になるだろう、それに続いて自分たちも犠牲者になるだろうというふうなことは、お考えになつておらなかつたのですか。
  340. 中島登

    中島証人 区長さんが犠牲になるという点について、六月五日のことなんですが、区長さんが、そういう態度をとつてあとでこういうことが心配になると言われたので、しかもそのときの状態からいつて、管理部長が今すぐ首にするのじやないかということを、われわれも考えたし、区長さんも考えたので、また区長さんがわれわれに相談したので、一應最惡の場合を考えて、そういうことをやつておくことはいいであろうということでやつたわけです。その後われわれは九日の大会で、犠牲者が出るとか出ないとかということについては、全然考えなかつたわけです。ですから犠牲が出るであろうとも、また犠牲が出ないであらうとも、別段考えませんでした。
  341. 大橋武夫

    ○大橋委員 そうすると六日の職場大会では、場合によつては犠牲が出るだろうということを最悪の場合を予定して、カンパの決議をされたのであるが、その後九日の大会にはもう犠牲は出ないだろうという考えでやられたのですか。
  342. 中島登

    中島証人 ええ、ということは、九日の十時ごろわれわれ九人の者の解雇が発表されたわけです。その後の大会でああいう決議が出たということは、だれしも犠牲ということはあまり考えておらなかつた
  343. 大橋武夫

    ○大橋委員 念頭におかなかつた。首になることよりも、交番を守ることの方がもつと大事なことだ‥‥。
  344. 中島登

    中島証人 首になることよりも大事だとはだれも考えない。首になることを希望している人間は一人もおりませんから、そうは思つておりませんでしたが、首になることについて考えるよりも、結局われわれの要求を全面的に通すということがいわゆる犠牲者を出さないのだという考え方は、一應みんな持つてつたと思う。それほど強く犠牲者について考えなかつた。しかしながら首を希望している者はだれもおらなかつた
  345. 大橋武夫

    ○大橋委員 そうすると九日の大会の席上では、すでに馘首のことはわかつておりましたね。
  346. 中島登

    中島証人 そうです。
  347. 大橋武夫

    ○大橋委員 九名の中にあなたも入つてつたわけですね。そうするとあなたが十日に檢束されたときには、すでにもう解雇された後の行動でございますか。
  348. 中島登

    中島証人 そうです。
  349. 大橋武夫

    ○大橋委員 もう一つだけお聽きして確かめておきたいのですが、五日に民主国体が大勢集まつて、あなたに率いられて区長室にお入りになつたときのことですが、そのときのことについて区長さんは、非常に自分は身辺の危険を感じられた、こう言つておられます。われわれも昨日区長の話を伺つて、各地でよくうわさに聞いているところの人民裁判のようなやり方が、当時行われたのではないか、こういうふうに今考えているのですが、あなたはそうは思つておられないのですね。
  350. 中島登

    中島証人 そうです。
  351. 大橋武夫

    ○大橋委員 ただそのときにあなた自身とされては、先ほど委員長からも御質問がありましたように、あなたが二階へ上る前に区長さんに、どうもとんだことになつた、自分としてもどうしていいかわからなくなつた、こういう言葉を漏らされて、とにかくこれは自分らだけで相談しようということで、二階に上つたのだ、こう言つておられますが、その点はどうですか。区長さんのお気持を推測すれば、これはそう言われたわけではありませんが、私どもの聞いた感じでは、あなた方の連絡によつてそういう外部民主團体が駅構内に導き入れられた。しかるにもはやいざという場合になると、民主團体の勢いがあまり激しくて、あなた方もやや手を焼いた形で非常に困惑された。どうも自分で入れたのだけれども、勢いが激し過ぎて、あなた自身でもう始末がつかなくなつて、困惑した状態だつた、こういうふうな感じを受けるような証言をなされておつたが、あなたも非常にお困りだつたと思うのですが、どうなんですか。
  352. 中島登

    中島証人 私はその日民主團体が、また車掌区のいわゆる同僚たちが一ぱいおつたということについて、別に困つたと思つておらなかつたのです。ただ困つたということについては、うち車掌区長が私たちの要求に対して全面的に同感であるということを前からも言つてつたのです。そしてわれわれの立場も、誠意もわかり切つておるぐらいわかつてつたのですが、区長としては、何せい区長立場ということもあつてわれわれと一緒にやるという決心がついておらなかつたのです。そういうたことについて区長さんが、区長という立場だけでわれわれと一緒に、それらに理解がありながらできないということについては、われわれはほとほと手を焼いて困つてつたわけなのです。そういう点については、六月五日に私としては困つたといえばそういう点が困つたと言えると思うのでありますが、そのほかの点についてそれほどほとほと手を焼いて困つたということはありません。
  353. 大橋武夫

    ○大橋委員 そうすると、区長立場上非常にその際に困られたということは、あなたもお認めになるのですか。区長さんとしては自分の立場上聞けないし、そこへあなた方が強硬に主張されるし、これは前々からいくら話しても話がつかなかつた。その問題をあなたが主張される。そうして特に外部の人がいろいろ來て気勢をあおるというので、区長が非常に困つておられたということは、あなた方も推測がついたわけですか。
  354. 中島登

    中島証人 いや、その区長が困つているということは、その目に民主團体が来たということによつてつたということでなくして、その前の日の六月四日の夕方その話をしたわけなのです。
  355. 大橋武夫

    ○大橋委員 その話とは。
  356. 中島登

    中島証人 区長がわれわれと一緒にやつてくれということを話したわけなんです。六月四日の晩に‥‥。そのときに区長とわれわれが話したら、区長も、皆さん一緒にとにかくやるということについて、私もたしかにやらなければいけないと思います。しかしながら今のところでは区長立場があるのでということで、言つてつたが、たまたま一つの妥協案が出された。その妥協案というものは、六月三日の業務課長と話をした席上でも業務課長から出されておつたわけであります。それで六月四日に区長と話したら、やつぱり三日に業務課長が出されたと同じ妥協案が出されたわけであります。そのときに、お互いに話し合つていたときに、管理部長から、自動車を向けるからすぐ来いと呼ばれたわけであります。で、向うへ行きましたら、管理部長から、お前は首をかけても新交番実施しなければいけないということを言われて帰つて来たわけなのであります、そのとき夜の八時ごろであつた区長さんはせつかくここまでこぎつけて來たものを、管理部長はそれすらいけない、首をかけても新交番実施しろということを言われたので困つたということを、ほんとうにしみじみと述懐しておられました。そういつた点で区長さんは、区長さんのお気持はわれわれと一緒にやりたいというお氣持を持つていながら、そういうぐあいに強硬に首をかけてもやらなければいけないというように管理部長から言われたという点で、非常に区長としては当時苦しい立場にあつたということは、われわれとしても認めておつたわけであります。
  357. 大橋武夫

    ○大橋委員 その妥協案というものはどういうのですか。
  358. 中島登

    中島証人 妥協案というものは、大体新交番をやると二十四人の人間が浮くわけです。管理部の方針としては、その浮いた二十四人をどうするかという点については方針を持つておらなかつた從つて場合によつては二十四人を遊ばしておくこともあるだろうという程度の方針しか持つておらなかつた。その結果新交番実施して浮いた人間を、今度は遊ばしておかずに、交番の中に繰込むわけです、だから実質的には、旧交番のような形になるわけです。
  359. 大橋武夫

    ○大橋委員 そうすると、その浮いた二十四人を新交番に繰込みますと、結局それだけ延びるわけですな。まわつて行くのがそれだけ延びるわけですな。
  360. 中島登

    中島証人 そうです。
  361. 大橋武夫

    ○大橋委員 たとえば百人でやるべきものを百二十人でやるというふうな関係になるわけですね。
  362. 中島登

    中島証人 結局從前通りというような形になるわけなんです。その妥協案で行くと、從前通りというよりも、やつぱり多少予備のはさみ方が少いものですから、総体的には同じような形になりますが、局部的にはやつぱり新交番によつて重くなるという面が出て来る。
  363. 大橋武夫

    ○大橋委員 そうすると、その妥協案については、組合としてはどういう態度でしたか。決定はしなかつたでしようが、氣持としては‥‥。
  364. 中島登

    中島証人 気持としては、当初六月三日に大体具体的にこういうぐあいにやれということは出されなかつたのですが、業務課長から、その浮いた人間を予備としてはさみ込む、どうだという形で出された。その席上で、それならばわれわれもいいじやないかというような考え方を役員が持つたわけなんです。一應持つたのですが、組合員の中からも、それじやいけないということも出たし、私たちもよく考えてみたら、結局当初区長は、その浮いた人間は荷扱手要員に充てて、將來必ず来るであろうところの首切りを車掌区から守るのだ、そういうことをして手を打つておけば、軽減されるというような考え方を持つて、それをわれわれに言つてつたわけなんです。そういうような関係で、その予備にするという二十四人の人間は永続性がないわけなんです。六月一日からその荷扱手というものに充てなければいけないので、結局それは空手形になることが大体わかつたわけなんです。
  365. 大橋武夫

    ○大橋委員 そうすると、結局妥協案で行つたところで、そいつは将来定員法に基く首切りがあれば、結局新交番そのものになつてしまうということがわかつたわけですね。
  366. 中島登

    中島証人 いや、それ以上に、定員法による首切りが来る前に、すでに六月一日から荷扱手に二十七人増員しなければならないという状態があつたわけです。それが当局の都合で六月十一日から荷扱手の要員を増員するという方針でおつたわけです。六月三日にそういう話をしたところで、六月十一日になれば、荷扱手二十七人を増員しなければならないという必然的な結果があるので、せいぜい七日か八日しかそういう態勢は維持できない。ですから首切りまでという、そんな長い期間でなくして、せいぜい七日くらいの保証しかなかつた
  367. 大橋武夫

    ○大橋委員 そうしますと、きのう伺いました他の証人からは、この新交番実施は、同時に首切りの前提である、これをやつて行くと首切りの準備をしておるのだというふうな感じがあつたので、それで非常にこの新交番に対してはわれわれとしては反対したのだ、こういう意見も出ておりましたが、組合の幹部としては、そうではなくて、新交番そのものの労働強化という面を主として反対理由としてお考えになつてつたわけですね。
  368. 中島登

    中島証人 それは、当初はそういう考え方であつた。それが次第に交渉をしておる間に、車掌区長から、千葉車掌区の新定員というものが出されたわけです。その新定員と現在定員とを比べますと、約七十人以上の冗員ができてしまう。そのための準備として荷扱手に二十七人増員するとか、あるいは車掌区新交番を適用して人を浮かすとかいうことがやられるということが、当然これは、だんだん交渉をやつて行く過程の中から、これは首切りをやる一つの準備工作であるということが大体わかつて来たわけです。それがわかつて来るに從つて、当初車掌区長は新交番によつて浮いた人間を荷扱手要員に充てるのだと言つてつたにかかわらず、そういう首切りの準備工作であることがわれわれにわかつて來るに從つて、前言を翻して、荷扱手要員をつくるためのものではないとか、あるいは‥‥。
  369. 大橋武夫

    ○大橋委員 よろしいよろしい。わかりました。現在はすでに荷扱いの方は人が充足されておるのですか。
  370. 中島登

    中島証人 現在は新交番実施しておつて車掌乗務交番表の中へ荷扱手というものを繰入れるという形で実質的に充てております。
  371. 大橋武夫

    ○大橋委員 実質的に何名ぐらいがそちらの方に増員されておりますか。
  372. 中島登

    中島証人 最初は二十七人なければならないという計画であつたわけです。その後実際にその小還元に伴つて荷扱手の仕事をやつてみると、小口扱い貨物が非常に少いわけです。それで話によりますと、二十七人の増員というものが減されて、二十一人になつたというような話も聞いておりますが、現在実質的には交番に繰入れられているような関係で、しかも勤務時間を重くとつた関係で、何人荷扱手に充ててあるかということは、まだ私調べてありませんからわかりませんけれども、現在何人かは充てております。
  373. 大橋武夫

    ○大橋委員 そうすると現在としてはあなたの感じでは、やはり車掌区のその新交番は荷扱いの人を出す前提であろたとお考えになつておられますか。そうでなかつたとお考えになつておられますか。
  374. 中島登

    中島証人 現在はそういう形になつております。実際問題として車掌がその仕事をしておるのですから、そのことのわかつたのは当初車掌区長が言明したからです。これを荷扱い要員に充てると言明しておつたのは、これは無條件にわれわれはわかつてつたのであります。
  375. 大橋武夫

    ○大橋委員 そうすると車掌区長はそう言つてつたけれども、管理部の方でそういうような話があつたので、一時誤解したというわけですね。
  376. 中島登

    中島証人 そういう点については管理部長は業務課長の話では、いろいろな点でちぐはぐがあつた。われわれにそれを追究されたために業務課長は、腹ではそういう計画を持つていたらしいのですがただ言明されなかつただけです。
  377. 聽濤克巳

    ○聽濤委員 ほんとうはいろいろ聞きたいのだけれども、時間も経つばかりで、本人が大分くたびれているようですから、ごく二、三点だけ聞きます。若宮区長がこの間ここへ来て証言しましたのには、問題の六月五日の会見ですが、これは実脅迫されて心ならずもああいうことを言つたのだと言つていたが、あなたの話によればそうではなくて、合意の上でやられたということは大体わかるのです。ところがとにかくその態度がかわつているということは事実なんですが、その間二日あつたか三日あつたか知りませんが、突如二、三日後にあなた方との話合いで、そういう態度をとつていたのを翻えした。これは一体どういうことが理由で翻えしたと組合ではお考えになつておりますか。
  378. 中島登

    中島証人 その点については六月五日に脅迫したかしないかということはこういうことがあるわけなのです。われわれとしては脅迫したということは絶対ないのですが、それを裏づけるものとして、区長とそういうような結果になりまして、また区長室で闘争委員と区長だけで、さつき申し上げましたようないわゆる心配の点について個人的に相談したわけです。そうしたらたまたま首席助役が管理部かどつかへ行つてつたわけですが、われわれが話しておるところへ帰つて来たわけです。その首席助役の言いますには、私は管理部へ行つてこういうことを言つて来ました。管理部でわれわれを車掌区へおつぽり出しておいて、苦しい立場に置かしておる。そうしていろいろ苦しむのは私たちだけだ。管理部の連中は業務命令だと言つて紙つぴらを書いて寄こせば済む。実際に苦しむのは私たちだけだ。それに対してあなたたちはそれほど親切な氣持を持つてつてくれるということは私はほんとうに泣けて来る。実際涙を流してわれわれに対して私は管理部を恨む、むしろあなたたちがそれほどあつたかい氣持でやつてくれておるということについて私は今まで氣がつかなかつた。私は皆さん一緒にやらせていただきますということを、われわれが何とも言わないうちに、管理部から帰つて來た首席助役がわれわれに言つて握手を求めて、お互いに泣きながらそういう話をした参わけであります。この事実から言つても、また区長もわれわれと涙を流しながら、君たちの誠意はわかつた一緒にやりましようと言つて泣きながら握手したという事実によつても、はつきりとすると思います。人間が脅迫されて、おそろしさのあまり車掌区長ぐらいの人間が泣くなんということはないし、また首席助役が全然山へ行つておらなかつたのですが——山というのは管理部ですが、管理部から帰つて來てすぐわれわれにそのようなことを言つておる事実から言つても、われわれと区長と、また首席その他の助役たちとが、いかにほんとうに誠意をもつて六月五日に話をし合つたかについては十分おわかりになろうと思います。その後、それにもかかわらずなぜ区長がかわつたかという点については、六日、七日、八日の三日間区長は檢察廳に呼ばれたそうです。そうしてその間にわれわれに言つたことは、毎日檢察廳に日参を申しつけられて、向うに行つていろいろ調べられるけれども、とてもきつくてかなわぬと言つて非常にこぼしておりました。また首席助役も六日だつたか七日だつたか、一日呼ばれてやはり区長と同様非常にその点で、むしろ責任を追究されるというような形でいろいろな点を調べられたそうです。そうして首席助役区長もともに、きつくてかなわぬ。どうも檢察廳に行くのはいやだというようなことをこぼしておりました。そういうような結果、六月五日にせつかくそのようにわれわれと一緒にやるというような態度をおとりになつたのですが、その態度が次第にかわつて行くような形が見えました。しかしながらわれわれに対して六月五日にああいうことを皆様に言つたけれども、私は事実そうではありません。あなたたちとはまた別な立場に立つて元の区長立場に立つてやりますと私たち一つも言つて來ないし、私たちとしては当然その態度をお守りになつて行くんじやないかという確信を持つておるわけです。
  379. 聽濤克巳

    ○聽濤委員 それであと六、七、八日の間ですが、檢察廳に呼ばれて非常にきつくて困る。責任追究されるような形で、どんどんやられて困るということを話したというのは、だれに話されたのですか。
  380. 中島登

    中島証人 それはいつだつたかは正確にわかりませんが、たしか七日だと思います。それも軌で、これから檢察廳へ行くというときだつたのです。そのとき私もおりました。それから林長太郎もおつたと思います。そのほか今記憶にはつきりしておりませんが、二、三の闘争委員がおりました。そのとき区長さん御心配なく、お互いにひとつがんばりましようと言つて励まして言つたら、そうですね、では私は行つて参りますからと言つて檢察廳に行きました。
  381. 聽濤克巳

    ○聽濤委員 もう一つお聞きしたいのは、十日の檢束の行われた日に、細野檢事が現場に出張して來て、いろいろ指揮命令をやつていたそうですが、このときに実は昨日の証言のときに崎山君がこういうことを言つておる。細野檢事助役から、いよいよ——電車の番号は忘れましたが、それに対して発車の信号をしようとしておつたときに、細野檢事の方から、この車をとめろと言つてとめておる間に、檢束が行われた。電車をとめたのは細野檢事だということをここで証言しているのですが、あなたはそのことを御存じですか。
  382. 中島登

    中島証人 警察は六月五日から十日まで五日間、ずつと約百人近い人間が動員されて、千葉駅の貨物ホームに待機しておりました。それでその十日の日にそういう問題が起つたとき、細野檢事は最初からそこにいて成行きを見ておりまして、いよいよ発表するというときになつたとき、これをみんな檢挙するのだから発表するのを待てと言つて待たした。しかも信号を赤を出したり緑を出したり、これをわれわれで言いますと、あおると言うのですが、信号をあおらして電車を出さないようにしておつたことは事実です。
  383. 聽濤克巳

    ○聽濤委員 わかりました。それからもう一つ最後に聞きたいのは、指導助役の加瀬君はあなたは御存じですね。
  384. 中島登

    中島証人 知つております。
  385. 聽濤克巳

    ○聽濤委員 加瀬君がここで証言したことの中に、こういうことがあるのです。自分は直接二回、間接二回ばかり、これが共産系分子であることは私にはわかりませんが、脅迫されたことがある、それはどういうことかというと、一つは今度新しく赴任して来た新区長が加瀬君に対して、君は下山の二代目にさしてやると言つておる者がある、氣をつけろと言われたということが一つ、それからもう一つ千葉車掌区の庶務係の戸村という人からお前はねらわれているぞ、こういうことを言われた。これは直接自分は聞いた。それからあとはいつか日はわかりませんが、例の管理部の山からおりて來ようとしたとき暗がりの中で加瀬を殺せというふうに二度ばかり言われたと言つておるのですが、こういう事実はあなたはお聞きになつたことはありませんか。
  386. 中島登

    中島証人 私はそういうことは初めてで、実はきのう加瀬君がここから帰つてゆうべ会つたとき初めて聞いた。今までにそういうことは聞いておりません。
  387. 聽濤克巳

    ○聽濤委員 もつとも加瀬君も、下山の二代目にしてやるとか、お前はねらわれているぞということをだれが言つているのか御当人は知らないと言つておるのです。また暗がりで加瀬を殺せと言つた者が何人であるかということもわからないと言つておるのですがね。ところでもしこういうふうなことが事実とすると、組合の中で加瀬君に対してやはり穏やかならぬ空氣があるとか、何かそういうふうな事情、雰囲氣というものがあるはずだと思うのですが、組合の中の実情はどうですか。
  388. 中島登

    中島証人 加瀬に対しては組合員はおそらくみんな不満を持つております。その不満を持つておるということは彼が前に、去年いつごろだつたかちよつとはつきりしないのですが、指導助役に抜擢された。それでその指導助役に抜擢されたときに、組合員の大半がその人について反対をしたわけです。それで反対をしたのでありますが、区長はもちろん強硬な態度で、発令した人は撤回しないという態度で押し切るし、加瀬もそれに対して別段——われわれのそういう反対に対して平氣で、そのまま指導助役に居すわつてしまつたというようないきさつもあつたし、日ごろから非常に不満が持たれておつた。その後金度の六月に起つた交番反対闘爭に対して非常に協力的な態度をとるように一應見られながら、その陰において六月六日の職場大会において闘爭委員に選出されて、しかも自分も受諾してやるというような態度を見せておつたにもかかわらず、しかもその後闘爭委員会にも参加することはないし、個人的に管理部に行きまして、管理部長あるいは業務課長というような人々と夜遅く、十二時過ぎまで会見して話をしておつたというようないきさつもあつたし、また新交番に乗らなければ管理部へ報告されて、将来定員法による首切りがあるというような場合は、対象になるぞというようなことを、個人的に車掌たちに対して話をしておつたというような事実もあつて、非常に不満は持たれておりました。しかしながら組合員としてはそのような不満があるからといつて、ぶち殺せとか、あるいは下山の二の舞いにしてやるというようなことを言つたということは、私は全然聞いてもおらないし、またそのようなばかなことを言う人間は、私はおらなかつたと思います。
  389. 石田一松

    ○石田(一)委員 前の区長さんが、わしは元の区長になつて任務を執行するのだ、あの五日に君たちに約束したのは自分の意思じやないのだ、ということをわれわれにもおつしやつていないから、多分われわれに約束した通りにやつてくれるだろうと思うというふうにおつしやいましたが、実は前区長さんは昨日ここで証言なすつたのに、大会へ行つて皆さんの前で、五日に皆さんに約束したことは、あれは自分の意思ではなかつたのだ、あれは全部取消すということを私ははつきり申し上げた、こういうことを言つておるのですが、あなたはその大会のときにはいらつしやらなかつたのですか。
  390. 中島登

    中島証人 いつの大会ですか。——九日の大会は私が議長をやつてつたのです。その席上でその取消しということについては、五日に言つたことは、あれは違うのだというようなことをはつきりと言われたとは私は思つておりません。それでわれわれ九人の解雇をその席上で区長自身が発表したわけです。この九人を本日で解雇する。その発表をしたとき、区長はあいさつをしたが、そのあいさつの内容は、われわれに対して前言を、あれはうそだつたというようなことを言わなかつたと思います。
  391. 神山茂夫

    神山委員 二つ関連することができたのだけれども、石田君の方から先に言いますと、それはきつと、こういうことの誤解じやないかと思うのです。九日の日のそのとき、職場大会かあるいは申渡しの席か、それは別としまして、九日の日に鈴木という助役が来て、九日から新交番制をやれというふうに、九時に業務命令を受けた、こういうことを言つた。十一時に言つたとあなたは先ほど言われたのですが、そのときに、しかしそれは実際実行は困難だから、十二日から実行するというふうな発表をしたということを言つておるのですが、これはあなたに言うのは初めですが、これは前から非常にもめている。向うの組合の一部の人は、十二日までに完全に実施すると言つた。こういうことを言つておるわけです。それからまた組合代表に向つては、十二日から実施すると言つた。こう二つあるわけです。区長さんにきのう聞いたのですが、この点がはつきりしなかつたのです。区長の氣持ちにすれば、鈴木君が九日の十一時に管理部が十二日から実施するという命令をしたときに、自分の態度が変つたということを同時に意味しておるのじやないか。こういうような解釈もできるのじやないかと思いますが、あなたはどう考えますか。
  392. 中島登

    中島証人 十二日から完全に実施するという点ですか。——そのいきさつは、朝九時ごろ業務課長が、今日から実施しろという命令を持つて来たわけです。それまでは一應六月六日に区長さんがそういう態度をとつたので、区長さんとの納得の上で旧交番でやつて行くという形で、ずつと九日までやつて來た。九日になりまして業務課長が車掌区へ來まして九日から強行しろという命令とともに持つて来た。その席上で区長も五日にわれわれとそういう約束をした関係もあつたので、一應われわれを区長室に呼んだわけです。大会をやる前にわれわれが呼ばれたので、区長室へ行つたら業務課長と一緒にいて、実は今業務課長からこの命令をもらつた。しかし私も立場があるので、一應皆さんに御相談申し上げますが、どうしましようということを相談を受けたわけなんです。そのときわれわれは、このことについてわれわれだけが返事するということはできません。從つてきようすぐ大会を持つことを予定されておるので、このことは大会できめてから御返事しますということで大会を持つてつたわけです。そうしたら十一時ごろ首席助役がわざわざ二階へ上つて参りまして、そうして十二日から実施する。いや、本日から実施するという命令が来ておるけれども、しかしながら十二日から実施するものである。從つて三日間の猶予期間があるということが発表されたわけなんです。
  393. 神山茂夫

    神山委員 その点今私が言つたのは、先ほどのように十二日までに完全に実施しろというのと十二日からというのと二つありますけれども、いずれにせよ鈴木君が来て九日から実施しろということを言つておる点、これは区長も認めておるけれども、実施をするためには三日間準備がいるということが立証されている。それを九日の晩になつて、あなた方が職場大会が終つてつた後に一方的にきめたことが、十日の紛乱を起す一つの原因ではなかつたのですか。そういうことではないですか。
  394. 中島登

    中島証人 そうです。
  395. 神山茂夫

    神山委員 それから、まあこれはくだらないことのようにも思いますけれども、今聽濤君が聞いたことにも開通するのですが、加瀬君を殺すとか、下山の二代目にしてやるとかいうようなことがあつた。これは第一時間的にもずれている問題なんです。この考査委員会が問題にしているのは、加瀬君が脅かされている、こういう問題ではなくて、六月十日の問題はどうして起つたかということを問題にしておるのであるから、従つてあなたは聽濤君にもそんなことは知らないとおつしやつたが、時間的にずれておることだから、これ聞かない。しかし大事なことは九日、十日、もつとさかのぼつて言えば五日の日から新交番の問題を問題にされておつて、それに対しても前から加瀬君がみんなに好感を持たれてなかつた。それが今度の新交番制の問題でまつたく自分でも言つているようなジレンマに陥つた。それから反労働者的な立場に陥つた。こういうことの結果でしよう、悪口というのは‥‥。そういうことでしよう。     〔「共産党の言うことだ」と呼ぶ者あり〕
  396. 中島登

    中島証人 そういうことです。
  397. 神山茂夫

    神山委員 今吉武委員がやじつたので、一應聞きますが、あなたが共産党に入つたのは六月十二日でしよう。
  398. 中島登

    中島証人 そうです。
  399. 神山茂夫

    神山委員 そうすると、六月十日の事件のあつた後のことですね。
  400. 中島登

    中島証人 いや、七月十二日に入つたのです。私六月十二日は刑務所におつた
  401. 神山茂夫

    神山委員 入りたてのほやほやか。(笑声)さて五日の日の区長を脅かしたとか脅かさないとかいうことが非常に問題になつておるのですが、ここで二つの会合がある。これは委員長尋問される意味からも、また皆さんはつきり区別してもらいたいと思うが、初めは中島君が案内して区長のところに縣労の人をつれて行つて話し合つた。それからその次に会つたのは二階で、これは組合員を中心にして指導員の席で話し合つた。この二つは性質から言えば、別のものでしよう。
  402. 中島登

    中島証人 そうです。
  403. 神山茂夫

    神山委員 結局ここで区長が全部つながつて一本のもののように証言しておる。もちろん区長はからだは一つなんだから、同じような感じを受けたと言つておる。だから一本のようにも思うかもしれないが、性質が違うということは、はつきりしてもらわなければならぬ。同じですか別ですか。
  404. 中島登

    中島証人 私は性質が違うからこそ二階へ行つてつたわけです。と申しますのは、さつきも申しました通り区長がわれわれと一緒にやつてくれということは、六月四日にわれわれがお願いしたのです。その席上で区長も同感であるというような態度をとられておつたわけです。そのとき管理部長に呼ばれて、首をかけてもやれということをがんと向うから言われて、それで区長としても向うから言われて困つたということで帰つて来ておつた。六月四日はそのままわかれたが、六月五日に民主團体の方が來られて、そうして両者のいろいろな話を聞きたいという建前でいろいろ話をしたわけです。その結果さつき申し上げたように区長からわれわれともう一回話をしたいということを言つたわけなんです。それで私は、では新交番をやるかやらないかという点で話したくないと言つた。そうしたら区長も、私もその点では話はしたくない、しかし違う点で話をしましようと言つたので、では話をしましよう。そうしたら区長は、ここではよその人がおつてしにくいから、二階へ行つてしてくれないかと言われたので、では二階に行きましようと言つて、私とそのほか居合わせた闘爭委員二、三人——たしか闘爭委員は四人だつたと思いますが、その人間と車掌区長だけで二階へ上りまして相談したわけです。その後区長さんがお氣持としては私たち一緒にやろうという決心をなさつたと思うのです。しかしながらそれを言う前に三鷹区長という立場がある、助役相談をしたいということを言つた助役を呼んで来てくれということを言われたので、われわれが、ではすぐ助役さんを呼んで來ますと言つて階下におる助役さんを呼んで、区長さんが御相談したいそうだから来てくださいというので、区長さん、助役さんを入れて二階で相談したわけです。その結果、助役さんが三人おつたのですが、三人の助役さんとその区長さんが涙を流して、みんな一緒にやりましようということをお互いが約束し合つたわけです。
  405. 神山茂夫

    神山委員 わかりました。それに関連して聞いておかなければならぬのは、今あなたの御説明を聞くと、助役さんを含めて、それから区長を中心にして二階では話合いがあつた。しかもそれは前に四日の日から打合せがあつたということであるにかかわらず、これは大橋委員でありますが、外郭團体から圧迫されたのは初めからしまいまで同じだというやじを入れておりますが、そこは同じだ、昨日の区長説明によりますとこういうことになつておる。速記を見ればはつきりしておるが、とにかく一番初め十一時十五分にあなた方二人つれて入つて来たときには、ある程度まで圧迫感を感じた、こういうことを言つておられる。それからその次になりますと、だんだん質問したり話をしておりますと非常に圧迫感を感じた、こういうふうなことになるのです。それがのつぺらぼうに二階に上つてしまつてだんだん今度は恐怖感に駆られたので、中島と話してどうしようこうしようと言つておる。それからたたきこわせと言われた。ばか——ばかという言葉は世間によくありますが、(「ことに神山君の常套語じやないか」)私の常套語でありますが、ばかというのは普通に言う。それからうそをつけ、こういうふうに言われて自分は非常に恐ろしかつた。まるで生命の危機を感じた。命はないのじやないかと考えた、こういうふうなことまで言つておるのですが、どうなんですか。
  406. 中島登

    中島証人 その場合区長室におつたのは、区長だけではなくて、首席助役もおつたわけです。それからそのほか助役が一人か二人、佐伯助役かなんかおつたと思うのですが、その結果、まあそんなたたきこわせとか何だとか生命に危害を加えるようなことを言つた者は一人もいなかつたし、またそういう行動をとつた者も一人もいなかつた。それで首席助役も、まあ私たち区長が話をしましようというようなところまで行つたとき、あいさつをしたいということを言つた。そのときの首席助役は、あなた方民主團体の方たちがわざわざ関心を持つてこちらへ來られたということは非常にいいことである、私も将来皆さん方と手をつなぎ合つて国鉄のためにやつて行きたいというようなあいさつをしたわけです。そのとき首席助役もにこにこしながらあいさつをした程度であつて、別段生命に危險を感じておつたとは思わない。從つてその程度のことであつたので、区長さんもそんなに生命に危險を感じておつたとは思わないし、私自身、もしそういうことがあつてはならないと思つたので、民主團体の中から来た人間に対して、新交番実施するかしな、いかについては、われわれはお互いにおくびの出るほど話し合つておるので、皆さんはわれわれの立場だけを聞いておくという程度にとめておいていただきたい。それ以外のことはここで話をしないでほしいということを前もつて頼んでおいたのです。その点については民主團体の人も納得しておつたので、別段その点について発言したということはないのです。
  407. 神山茂夫

    神山委員 むしろ泣いて話合つたということの方が眞相に近いのでしよう。これは民自党の、ことに吉武委員に痛いらしく芝居とか何とか言つておりますが、区長自身があなたが先ほど言われたのと同じように、親子のような氣持でいる。ことに平時はと言つて、あたかも今度は今が暴力の時代のようなことを言つて、大いに民自党の諸君を喜ばせたのでありますが、全体の組合側からの報告、ことにあなたの証言などを総合すれば、それはおびやかされたような空氣を自分で感じたのだから、あつたかもしれませんが、しかし主として組合員と話し合つて、しかもこれは首席助役もいたし、他の人もいたところで泣いて話し合つたからこそ、あとで首を切られたときに二百万円カンパをしようという話が出たのではないか。どうですか。
  408. 中島登

    中島証人 お互いに約束したのは二階だつた。そういう約束がなされておる。それで階下の宿直室に行つて闘爭委員と区長と話合つて、私たちの方から区長さんどうもありがとうございました。こういうことについて何か御心配がありましたら私たち言つてくださいと言つたら、こういうことでさつそく懲戒免官になつた場合生計が困るというようなことを区長が切り出した。そういう心配があつてはいけないから、それでは私たちが何とかできるだけカンパをしましようといつて話合つてつたわけです。そこで首席助役が来てその状態を見て、私はあなたたちがこんなに温かい氣持でやつてくれるとは思わなかつたというて、鈴木助役の方から私たち一緒にやりましようと言つた。その後先ほど申し上げましたように、檢察廳に呼ばれた結果次第に態度がかわり‥‥。
  409. 神山茂夫

    神山委員 今のことでわかつたが、あなた方の六日の日の大会の決定というのは、常識から考えてはなはだこつけいです。もし区長が首になつたら二百万円やる。管理部長が首になつたら何百万円やるのか。もつと上の方だつたらというようなことは常識で考えればおかしいことだ。二百万円やるということは‥‥。大橋君が賢明にも指摘したように、自分の首のことを考えておらなかつた。あなた方にすれば民自党の諸君は頭を切りかえてくれて、こういうむちやはしないと思つたかもしれないが、これは常識上異常なことだ。二百万円やるということは‥‥。こういうことで、あなた方がきめた事実を見ましても、お互いの間に話合いがあり、納得ずくだからこそそういう異常なことが行われたので、常識から考えて、一区長の首を食いとめても、すぐそこで問題になつておるように、現区長が罷免、新区長発令のことがあれば、この処分取消しの交渉をしなければならないでしよう。新区長が来れば前の区長がやつたことが新しい区長の権限ですぐかえられてしまう。いわんや管理部も上にあるし、二百万円出してもあなた方はむだであつて、それにもかかわらずこういうことをやらざるを得なかつたところに眞相がはつきりすると思う。あなた方にすればどういう氣持でやつたのか。
  410. 中島登

    中島証人 われわれのために区長が一應そういう態度をとつてくれて、そのために区長が個人的のいわゆる不幸な結果になるということについては、われわれとしては黙つておられないという氣持から、そういうことをやつたわけです。
  411. 神山茂夫

    神山委員 わかりました。  最後に一つ‥‥。十日の日に例の発車がとめられたかとめられないかということについて、さつき聽濤君も、一方は組合側がじやましたというし一方では正に檢事こそとめたのだという意見の相違がありますが、そのときに旧交番で乗ろうとするあなた方ほんものの車掌さん、それにかわつて乗ろうとしたその旧管理部から狩り出されて來た人、この中にはどんな人がおつたか。
  412. 中島登

    中島証人 その日管理部から狩り出された人間はわれわれたれとたれが狩り出されたかということは今わかつておらない。
  413. 神山茂夫

    神山委員 そうしますとあなたのおつしやつたことは信憑力ががなくなる。先ほど十年も前に車掌をやつた連中がいた。昨日若宮区長証言して曰く、中に十五年前に車掌をやつた人が出ておる。十年十五年も前の人が今のあの電車車掌さんが勤まるか勤まらぬか。あなたは専門家としてどうですか。
  414. 中島登

    中島証人 その例は、その電車のすぐあと一本の電車にこういう車掌が、乗務しておつたわけです。電車のドアのスイッチの扱い方などは車掌ならたれでもわかるが、それすらわからない車掌がその日に乗つてつたのです。それでその日の朝から管理部から来た人間はたれとたれか、実はわかつておりませんでしたけれども、まずわれわれから見ればしろうとに近いような人たちがみな乗務しておつたということは事実であります。
  415. 神山茂夫

    神山委員 わかりました。それたけでけつこうです。
  416. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それでは済みました。御苦労さまでした。  この際ちよつとお諮りいたします。七月十九日に出頭を求めることになつておりました東神奈川車掌区長伊藤栄一君は病氣入院中とのことでありますから、これを取消し、そのかわり東神奈川車掌区の首席助役神谷仲次君を証人として決定したいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  417. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 御異議なしと認めましてさようとりはからいます。  二時三十分まで休憩いたします。     午後二時九分休憩      ————◇—————     午後二時四十二分開議
  418. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 休憩前に引続き会議を開きます。  李証人より証言を求めます。こちらから質問するときは腰をかけられておつていいですが、あなたが発言されるときは立つてつてください。
  419. 李泰權

    李証人 さつきも申し述べた通り、私は民青時報の事務員じやない。だからあらゆる裁判とか取調べにおいて、私は民主青時報の通信員であるということを、たびたび述べてあるわけです。ここにおいてぼくのことを民青時報の事務員であるという資料を一体どういうところから集めたかということを見ても、この考査委員会の取調べの資料というものは全然でたらめであるということがわかる。だから民青時報の通信員と訂正してください。
  420. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 あなたは民主青年高等学院事務員ではない、そうおつしやるのですか。
  421. 李泰權

    李証人 そうです。民青時報の通信員です。
  422. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 民青時報というのは新聞ですか。
  423. 李泰權

    李証人 機関紙です。
  424. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それでは承りますが、民青時報というのは通信か新聞か何かやつているのですか。
  425. 李泰權

    李証人 大日本朝鮮民主青年同盟中央総本部の中央機関紙であります。そうして在留朝鮮六十万同胞の耳を啓発し、またあらゆる行動を示す唯一の機関紙である。
  426. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それは本社はどこにあるのですか。
  427. 李泰權

    李証人 本社は、中央総本部でやつているわけです。
  428. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 あなたは学校その他は日本でおやりになつたのですか。
  429. 李泰權

    李証人 そうです。
  430. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 どこをお出になりましたか。
  431. 李泰權

    李証人 高田馬場にありました東亞工業学校です。
  432. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 あなたは民主青年高等学院というものと何らか関係がありますか。
  433. 李泰權

    李証人 直接的な関係はありません。
  434. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 間接的でも、どういう関係がありますか。
  435. 李泰權

    李証人 間接的といいましても、その学校の入学式とか、また卒業式、ときどきそういう式のあつたとき通信記者として行くわけです。
  436. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 そうすると民主青年高等学院というものはどういう目的で建てられておるのですか。どういう学生を主としてやつておるのですか。
  437. 李泰權

    李証人 民主青年高等学院を建てた理由は、朝鮮人であるが朝鮮語を知らないという点におきまして、また朝鮮の歴史こういうものを教え込むために、千葉縣において初めて民主青年高等学院という学校を創立したのです。
  438. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 そうすると日本で生れて育つた朝鮮の人々、そう聞いた方がいいわけですね。
  439. 李泰權

    李証人 はい。
  440. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 わかりました。あなたは東京三一学院というものを御承知ですか。
  441. 李泰權

    李証人 聞いてはおります。
  442. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 どういうふうに聞いておりますか。
  443. 李泰權

    李証人 それは千葉縣でやはり行つた人がおりまして、その関係で知つております。
  444. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 これはやはり朝鮮の人を教えるのですか。東京三一学院というのは。
  445. 李泰權

    李証人 そうです。
  446. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 あなたには六月十日に千葉駅で新交番制、旧交番制で相当騒ぎがあつたとき、そこに行つておられたことはありますか。
  447. 李泰權

    李証人 行つておりました。
  448. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 どういう関係おいでになつたのですか。
  449. 李泰權

    李証人 それは私も、再三述べますけれども、私たちとしても新交番制と旧交番制、この問題に対して多少摩擦がある。それで民青時報の通信員という立場から、その記事をとりに行つたわけです。
  450. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 状況は初めからずつと見ておりましたか。
  451. 李泰權

    李証人 大体いない場合もありましたけれども、いた場合もあつた
  452. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 どんな様子でしたか。
  453. 李泰權

    李証人 それは三番線でやはり檢挙騒ぎがあつたとき、ぼくは行つたのです。
  454. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 どうして檢挙までに至りましたか。
  455. 李泰權

    李証人 どうしてと言うと‥‥。
  456. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 どういうところから始まつて、そうして檢挙に至るまでの実情。
  457. 李泰權

    李証人 それは六月九日の職場大会において、実力の行使だとかストライキだとかそういう決議じやなくて、われわれは新交番制を認めるか旧交番制を認めるか、この点でもつて職場大会を開いて決議した結果、百十二名が旧交番制で押して行く、残つた二十四票が反対して新交番制で行く、それで絶対多数で、旧交番制で行く、そのときに管理部から職場大会にあてまして、十二日から新交番制で行く、こういうことを言つたわけなんです。そうしてその翌日十日に、これは聞いた話ですけれども、十二日から新交番制でやると言つたにもかかわらず、十日朝に急に公安官たちを出動して、盛んに組合員を、あらゆるものでもつて威嚇した、この点でぼくたちも行つたわけなんです。そうしてその三番線のホームで旧交番制だとか新交番制だとかすつたもんだやつているわけなんです。大体ぼくたちも一應檢束されまして起訴されたのですけれども、その起訴状を見ますと、起訴された事実は電車を止めたことが第一と、それから業務を妨害した。この点です。そうしてこの点に対しわれわれ不可解なのは、電車を止めたのはわれわれではない。再三こちらの取調べによつて証言した通り当時立会つた細野檢事が権力を笠に着て、われわれがそこにいたときに、朝連かと聞いた。朝連だと助役言つたら、檢事が早急警察へ電話をかけまして、警官が來るまで電車を止めておいた。この点を見ましても、十二日まで旧交番制で行われるものをあえて権力を笠に着たその檢事が、十日朝自分が職権を乱用して電車を十五分ないし二十分近くも止めておいた。この点と、もう一つは前に述べました通り業務妨害はわれわれだけがやつたのじやなくて、細野檢事、またその他のあらゆる警官たちの一派、この連中が業務妨害をやつた、この点です。
  458. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それはよいですが、私らの聞かんとするのは、旧交番制実施するというので、車掌の方で車に乗つてつた者を新交番の者があとから乗つて來たものだからかわらせるというので、それをおろそう、おろさせまいとして、それで騒ぎが起つたと聞いておりますが、それで間違いありませんか。
  459. 李泰權

    李証人 そうです。
  460. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 そういうことをですね。それでそれをおろそうとしたのはだれです。
  461. 李泰權

    李証人 旧交番制で乗つかつて行こうとした車掌を、公安官の連中と新交番で乗つかつて行こうとする車掌、そういう連中です。
  462. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それではそれをおろそうとするものをおろさせまいとしたのはどういう人々がしたのですか。
  463. 李泰權

    李証人 それは大体乗客と、それから当時偶然民青高等学院の生徒たちが、当時六月十日学校が終りまして、その晩は送別会をやるために一應千葉駅まで来たわけです。その準備かたがた来たところが、ちようど乗客たちとやつているところで、群衆心理の一つで行つたわけなんです。そこでさつきも申しました通り、細野檢事の職権乱用の一つとして檢束されたようなわけです。
  464. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 スクラムを組んでずつとおろさせまいとしておつたようですね。
  465. 李泰權

    李証人 その点は‥‥。私自身はスクラムを組まなかつた
  466. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 組んだ者のおつたことは見られたでしよう。
  467. 李泰權

    李証人 はい。
  468. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 どういう人が組んでおりましたか。
  469. 李泰權

    李証人 それは乗客、または民青高等学院の生徒。
  470. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 ほかの外郭團体の人も入つてつたのじやないですか。
  471. 李泰權

    李証人 ぼくは外廓團体の人にはあまり知人がおらないからわかりません。
  472. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 その民主青高等学院の生徒はどうしてスクラムを組むようになつたのですか。今あなたの言われるように偶然にそこに行つたのかもしれませんが、そこまではいいが、スクラムを組んでそれを阻止する仲間に入つたのはどういうわけですか。われわれにはわからない。
  473. 李泰權

    李証人 そのスクラムを組んだわけですか。その点はさつきも申しました通り個人々々の意見もありまして、ぼくとしては弁明することはできないだろうと思います。
  474. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 あなたもわからぬと言うのですね。あなたはその中に入つておらぬと言うのですね。
  475. 李泰權

    李証人 ぼくは見ておりました。
  476. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 スクラムを組んだ中に入つておらぬのですね。命令した者がおつたでしよう。
  477. 李泰權

    李証人 やるときはみな瞬間的に組んだわけです。
  478. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 自発的にですか。
  479. 李泰權

    李証人 そうです。
  480. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 女、子供が多いようだが、だれか命令しなければやりそうもないと思うが、知りませんか。
  481. 李泰權

    李証人 その点は知りません。
  482. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 六月五日に車掌区長にいろいろ交渉をしておつた事実がありますが、そのときもあなたはその車掌区へおいでになりましたか。
  483. 李泰權

    李証人 その日はほかの記事のとりまとめで遅く行つたのです。
  484. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 何時ごろ行きました。
  485. 李泰權

    李証人 あれは大体二時ごろかそこらだと思います。
  486. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 そのときは区長はどこにおりました。
  487. 李泰權

    李証人 そのときは、二時か三時ごろ行つたのですけれども、大体区長交渉の結果同調で行く、組合側と一緒にやる。そういうことにぼくたちは偶然ぶつかつたわけです。
  488. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 行つたときは、もうそのときだつたのですね。そのとき区長は二階におつたのだそうですが、二階に車掌だけでなしに、いろいろな外郭團体の人々が入つてつたそうですが、そういう事実はごらんになりましたか。
  489. 李泰權

    李証人 見ました。
  490. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 おもにどういう方が入つておりましたか。
  491. 李泰權

    李証人 その点忘れました。
  492. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 大体あなたは一体どこにいるのですか。
  493. 李泰權

    李証人 ぼくのいるところは朝連千葉縣本部にいるわけです。
  494. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 そうでしよう。だからたいがい千葉民主團体と称するものは知つているのじやないですか。
  495. 李泰權

    李証人 ぼくは知らない。新米だから。
  496. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 どういう團体であるかあなたは知らぬというわけですね。六月六日にも何か朝鮮人連盟の人々が車掌区長に面会に行つたことがありますか。
  497. 李泰權

    李証人 その点ははつきりわからないのです。ぼくは忘れました。
  498. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 あなたは立会つたことはないのですね。
  499. 李泰權

    李証人 ええ。
  500. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 朝鮮人連盟の人々がこの國電ストに対して、いろいろ関係しておつたようですが、その事実は御存じでしようね。
  501. 李泰權

    李証人 そのような関係はしておりません。
  502. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 應援くらいやつてつたのじやないですか。
  503. 李泰權

    李証人 その点はぼくは知らない。
  504. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 九日の日なんかも行つて、いろいろ大会をやつたりなんかしたときにも、應援に行つたりしておつた事実はありませんか。
  505. 李泰權

    李証人 六月九日、その日は來ておりました。
  506. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 大会のところへ朝鮮人連盟の人々が來ておつたのですね。
  507. 李泰權

    李証人 ええ。
  508. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それから五日にも來ておつたでしよう。さつきの区長が同調すると言つた日です。
  509. 李泰權

    李証人 その日來ておりました。
  510. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 どうして朝鮮人連盟の人々がその電車区の中へ関與したり、應援したりするようになつたか、それは知りませんか。
  511. 李泰權

    李証人 その点はわかりません。
  512. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 主として朝鮮人連盟のどういう人が行つておりますか。
  513. 李泰權

    李証人 それは組織的なものではなくて、みな個人で行つたわけなんです。
  514. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 知つた人はたとえばどんな人がおりましたか。
  515. 李泰權

    李証人 それは普通一般の盟員たち行つております。
  516. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 この一号と書いてある写眞をお目にかけます。これはスクラムを組んでおろすまいとしている状況の写眞ですが、これをちよつと見てください。そこにスクラムを組んでいるのは、先ほどから聞いた民主青年高等学院の生徒がおものようですね。
  517. 李泰權

    李証人 こちらにまだいるわけです。
  518. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 そこに名前を書いてあるのは間違いありませんか。
  519. 李泰權

    李証人 名前は二、三知つておりますけれども、あとはわからない。
  520. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 では二号を見てください。それは今見せた一号のもつとこつちの方を写したわけでしよう。その中にあなたはおりますね。
  521. 李泰權

    李証人 ええ。
  522. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それを見るとスクラムの中に入つているようだが、そうじやないのですか。
  523. 李泰權

    李証人 これは当時電車でごたごたやつていたわけなんです。
  524. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 そこに朝鮮の人の名前が書いてありますね。それは大体合つておりますか。
  525. 李泰權

    李証人 合つております。
  526. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 何かお聞きになりますか。
  527. 高木松吉

    ○高木(松)委員 あなたが先ほど來お述べになつていることで、特に私どもの耳に入つて奇異に感ずるところがある。われわれは新交番制を返上するという言葉を使つておられますが、このわれわれという意味はどういう意味ですか。
  528. 李泰權

    李証人 この点は言葉の食い違いかもしれませんが、労働組合人たち立場から言つたのです。ぼくたちは新交番制だとか國鉄ストには直接に関係がないし、また間接的にも関係がない。この点われわれと言つたのは、労働組合員の人たち立場からのわれわれであります。
  529. 高木松吉

    ○高木(松)委員 私はあなたの言葉の表現をこう解釈したのです。あなた方労働者を理解して、労働者のためにそのときの行動にお互いに協力しておつたから、われわれという言葉が出たのではないかと思うのでお聞きするのですが、その通りではありませんか。
  530. 李泰權

    李証人 その通りではない。
  531. 高木松吉

    ○高木(松)委員 その通りでないとすると、どういう意味ですか。
  532. 李泰權

    李証人 その点はさつきも述べた通り、この件に対して一般大衆も非常に好奇心を持つていたわけです。この点から車掌区の職場大会にしろ、われわれ朝鮮人の一般盟員たちも、ときどきひまなときに参加し、また日本の人たち行つて職場大会において見守つていたようなわけで、千葉市内の一般市民たちはこの問題に対して一番好奇心も持つていた。この点からです。
  533. 高木松吉

    ○高木(松)委員 それから先ほどあなた第二号を御説明になつたようつたが、はつきり聞き取れません。第二号証のここにおられるのがあなたですか。
  534. 李泰權

    李証人 そうです。
  535. 高木松吉

    ○高木(松)委員 これはスクラムを組んでいますな。
  536. 李泰權

    李証人 これは押し切つていたのです。ここにちやんと助役がいるでしよう。ぼくたちはこの助役たちと同調して押したわけです。
  537. 高木松吉

    ○高木委員 押したというのはどういう意味ですか。
  538. 李泰權

    李証人 運轉手が旧交番で発車するからというので、この点でぼくがどけどけと押したわけです。
  539. 高木松吉

    ○高木委員 あなた自身がやつていて記憶がないのですか。組んでいたのじやないのですね。われわれが見たのでは組んでいるように見えるが‥‥。
  540. 李泰權

    李証人 それは見解の相違だ。
  541. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 うそを言うと、あなたはあとで迷惑になるが、ほんとうのことはどうか。
  542. 李泰權

    李証人 ぼくは事実を言うただけなんだ。
  543. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 組んでいるのじやないね。
  544. 李泰權

    李証人 そうです。
  545. 椎熊三郎

    椎熊委員 君はこの写眞を否認するわけですか。
  546. 李泰權

    李証人 写眞を否認するわけじやなくて、写眞の通りの事実があつたわけです。
  547. 椎熊三郎

    椎熊委員 写眞の通りだと手を組むことなんだが‥‥。
  548. 李泰權

    李証人 スクラムを組むということはこうやることなんだ。
  549. 椎熊三郎

    椎熊委員 そうなつている。
  550. 李泰權

    李証人 そうなつていない。片方を押しているのだ。
  551. 椎熊三郎

    椎熊委員 押していない。君とおれと論爭するのじやないけれども、この写眞を見たまえ。
  552. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 押したということになると、金義雄という人を押したことになるが‥‥。
  553. 椎熊三郎

    椎熊委員 見てみたまえ。この事実を無視するのは、どうかというのだ。
  554. 李泰權

    李証人 これはスクラムを組んでいるのじやない。助役が発車するからどけというので、ぼくは押したわけなんだ。
  555. 椎熊三郎

    椎熊委員 君のはこうなつているじやないか。写眞は嘘だと言うのか。
  556. 李泰權

    李証人 写眞は嘘じやない。これでもつてスクラムを組むとは言えない。  このスクラムは、あなたたちの言う意味では、妨害してのスクラムであるかどうかということ‥‥。
  557. 椎熊三郎

    椎熊委員 手を組んでいるこの写眞を否認するのかどうか。
  558. 李泰權

    李証人 否認しませんよ。
  559. 椎熊三郎

    椎熊委員 否認しなければ、写眞ではスクラムを組んでいるということじやないが、押していることになるのか。
  560. 李泰權

    李証人 そうなんだよ。(笑声)
  561. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 写眞は認めるが、スクラムではないと言うのだね。
  562. 李泰權

    李証人 そうです。
  563. 大橋武夫

    ○大橋委員 先ほどのあなたのお話によりますると、前の職場大会で十二日から新交番でやるということになつていたところが、急に十日の朝からやることになつた。それは事実ですか。
  564. 李泰權

    李証人 事実です。
  565. 大橋武夫

    ○大橋委員 それであなたが出かけて行つたわけですか。
  566. 李泰權

    李証人 ええ。
  567. 大橋武夫

    ○大橋委員 なぜあなたは出かけて行つたのですか。
  568. 李泰權

    李証人 その点は、九日の職場大会のときに、十二日からやると管理部から命令が來たわけだ。みんなそこでもつて喜んだわけだ。ぼくたち聞いた話なのだけれども、それが十日の日に急に朝早く公安委員の連中が職場の中に入つて組合員を新交番制に乗せるためにしきりに誘導しているわけだ。これを見ても業務命令はちやんと十二日からになつておるわけだ。にもかかわらず、十日の朝早く公安委員たちを引つぱつて來組合たちを誘導しているわけだ。
  569. 大橋武夫

    ○大橋委員 業務命令が出ている以上、公安委員がそれをやるのは当然なことじやないですか。
  570. 李泰權

    李証人 その点は業務命令としては十二日から新交番制で行く、こうなつているわけなんだ。
  571. 大橋武夫

    ○大橋委員 そんな業務命令は出ていないでしよう。
  572. 李泰權

    李証人 出ているのだ。管理部からちやんと出ているのだ。
  573. 大橋武夫

    ○大橋委員 だれに‥‥。
  574. 李泰權

    李証人 ぼくは職場大会にいたときに、組合員が來て、管理部から十二日目から新交番制で行くように‥‥。
  575. 大橋武夫

    ○大橋委員 それはだれが言いました。
  576. 李泰權

    李証人 その点は名前はわからないが、顏を見ればわかる。
  577. 大橋武夫

    ○大橋委員 そうすると、あなたは十二日にやるという業務命令が出ているのにかかわらず、公安委員は十日からやろうとして実力を行使した、こう言われるのですか。
  578. 李泰權

    李証人 ぼくの目から見た場合はそういうふうにうつつたわけです。
  579. 大橋武夫

    ○大橋委員 それであなたがそこに出かけて行つたわけですね。なぜ出かけて行つた
  580. 李泰權

    李証人 区長に面会に行つたわけだ。
  581. 大橋武夫

    ○大橋委員 区長はどこにおりましたか。
  582. 李泰權

    李証人 区長室におりました。
  583. 大橋武夫

    ○大橋委員 あなたは区長室に行かれましたか。
  584. 李泰權

    李証人 公安委員たちが拒否しました。
  585. 大橋武夫

    ○大橋委員 あなたはなぜ区長に面会に行つたのです。
  586. 李泰權

    李証人 業務命令がまつたく曖昧である点に対してぼくたちは詰問しに行つたわけです。
  587. 大橋武夫

    ○大橋委員 あなたが詰問する必要はないじやないか。
  588. 李泰權

    李証人 再三言うように民青時報の通信員として、区長の見解と、一組合員の見解を新聞記事に載せる種として聞いたわけです。
  589. 大橋武夫

    ○大橋委員 それであなたは一日から、その前日の九日までの間に、この新交番制に関する紛爭の問題についてどういう記事を送りましたか。
  590. 李泰權

    李証人 それは十日の日に檢束されて、出て來たときにほかの通信員の人がみな記事を送つていたわけです。
  591. 大橋武夫

    ○大橋委員 それであなたがとつたのは、一日から九日までは送つてありませんね。
  592. 李泰權

    李証人 大体概略的なものをほかの通信員の人たちが送つているわけです。
  593. 大橋武夫

    ○大橋委員 あなたは送つていない‥‥。
  594. 李泰權

    李証人 ぼくはその日に檢束されたから‥‥。
  595. 大橋武夫

    ○大橋委員 それはあなたの方の仕事の内容になるわけですが、あなたは記事をとると、社の方のどなたにそれをまわすのですか。
  596. 李泰權

    李証人 その点は通信員という役目で中統に送るわけです。
  597. 大橋武夫

    ○大橋委員 それは郵便あるいはだれか使いに‥‥。
  598. 李泰權

    李証人 使いでなく、郵便で送る。
  599. 大橋武夫

    ○大橋委員 それであなたは一日から九日までは一回も自分自身では送つていませんね。
  600. 李泰權

    李証人 ええ、送つていません。
  601. 大橋武夫

    ○大橋委員 毎日の日刊新聞ではありませんな。一箇月何回。
  602. 李泰權

    李証人 一箇月四回です。普通平均三回。
  603. 大橋武夫

    ○大橋委員 そのころの編集の締切はいつでしたか。
  604. 李泰權

    李証人 はつきりわかりません。
  605. 大橋武夫

    ○大橋委員 締切はないのですか。
  606. 李泰權

    李証人 この記事を託送する締切はない。
  607. 大橋武夫

    ○大橋委員 あなたの方は締切なしに、記事さえ送つておけば、向うが適当に締切つて本部の方で発行して行く。そうすると、月四回出せば、十日に一回ぐらい記事を送りそうなものですが‥‥。
  608. 李泰權

    李証人 平均して、財政面もあつて一箇月三回。その点でもつてぼくたちはこの事件はただ途中で送るべきじやなくて、事件がどういうふうに傾いて行くか、その展望を見るために十日までいた。その日に私が檢束された。
  609. 大橋武夫

    ○大橋委員 あなたはこの事件を注目しておつて、これを送りたいけれども、まだ最終的な結論にまでならなかつたから、どういうふうになるだろうか、まとまつたところで記事にして送りたい、こう思つていたので、その間は送らなかつた。そういうわけですな。
  610. 李泰權

    李証人 そうです。
  611. 大橋武夫

    ○大橋委員 あなたはこの記事を送られることがおもな御職業ですか。
  612. 李泰權

    李証人 そうです。
  613. 大橋武夫

    ○大橋委員 まつたくこれ以外には職業としてはほかの仕事はやつておられませんか。收入のためには‥‥。
  614. 李泰權

    李証人 私は民青時報の本部に勤めていますけれども、收入とか、人件費というものはもらつておりません。
  615. 大橋武夫

    ○大橋委員 そうすると、これは職業というけれども、それがために俸給をもらつておるわけではないんですね。
  616. 李泰權

    李証人 ええ。
  617. 大橋武夫

    ○大橋委員 そうすると、失礼ですが、生活はどういう方面の‥‥。
  618. 李泰權

    李証人 生活はうちの兄貴とおやじがやつているわけです。
  619. 大橋武夫

    ○大橋委員 わかりました。それで十日に行かれたのは、これは十日からはやらないのだから、普通はそれで落ちついているわけで、むしろ十二日から、やるのだから、十二日にあなたが駅へ行かれたのなら話がわかるのですが、なぜ十日に駅へ行つたのですか。
  620. 李泰權

    李証人 十日の日に公安委員たちが來て誘導してその日に新交番制を強行しようとした、こういうことを聞いた。それで行つた
  621. 大橋武夫

    ○大橋委員 だれから。
  622. 李泰權

    李証人 それは盟員から聞いた。ちようど千葉に用足しに來て、それが千葉駅から本部に寄りまして‥‥。
  623. 大橋武夫

    ○大橋委員 千葉駅から本部まで何分間かかりますか。
  624. 李泰權

    李証人 大体十五分間。
  625. 大橋武夫

    ○大橋委員 その盟員はだれですか。
  626. 李泰權

    李証人 各支部がありまして、その支部の人たちがちようど、千葉に用足しに來たときに、本部に寄つて知らしてくれたわけです。
  627. 大橋武夫

    ○大橋委員 そのときに駅で何かかわつた様子があつたわけですか。
  628. 李泰權

    李証人 駅では公安委員の人が、十二日からと九日にきまつたにかかわらず、十日の日に新交番制組合員を誘導してむりに強行しようとしているということを聞かしてくれた。
  629. 大橋武夫

    ○大橋委員 その盟員のお名前は。
  630. 李泰權

    李証人 名前は知らない。
  631. 大橋武夫

    ○大橋委員 公安委員がそういうことをやつているということがその人はどうしてわかつたのでしよう。普通の旅客ですね。
  632. 李泰權

    李証人 さつき言つた通り、ぼくたちの民主青年同盟の盟員があるわけです。その盟員が車掌区にちよつと通りすがりに寄つてみて、状況を見て來たわけです。
  633. 大橋武夫

    ○大橋委員 あなたのところに知らせて來た盟員は、始終車掌区に通りすがりに寄る人ですね。
  634. 李泰權

    李証人 そうじやない。その日に千葉に用があつて、偶然通りすがつたときにその点を見たから來たわけです。
  635. 大橋武夫

    ○大橋委員 だから、車掌区へ寄つて様子を見てそうして來たわけですね。
  636. 李泰權

    李証人 そうじやなくて、千葉へ用足しに來て、ホームから降りるときに、車掌区がごたごたしていたわけです。いろいろ赤旗だとか、ぎようぎようしくやつてあるから、やつぱりわれわれ盟員が興味を持つてちよつと寄つてみたら、そういうような状態がわかつて‥‥。
  637. 大橋武夫

    ○大橋委員 そうすると、その盟員は、從來の千葉車掌区のこの問題についての紛爭のいきさつをよく承知しておつた方々ですか。
  638. 李泰權

    李証人 大体うすうすだれかに聞いていたのでしよう。ぼくはわからないのですが‥‥。
  639. 大橋武夫

    ○大橋委員 そうすると、その人があなたに連絡をして來た。
  640. 李泰權

    李証人 はあ。
  641. 大橋武夫

    ○大橋委員 その人は、大体そういうことをあなたに直接言つたのですか、それともそれとなく本部に來て言つたのですか。
  642. 李泰權

    李証人 本部へさつそく來て、知らしてくれたわけです。
  643. 大橋武夫

    ○大橋委員 本部のだれに。
  644. 李泰權

    李証人 本部にだれもいなくて、私が出勤していましたから‥‥。
  645. 大橋武夫

    ○大橋委員 わかりました。
  646. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 吉武君。
  647. 吉武恵市

    ○吉武委員 私は六月五日の場合の様子をちよつとお聞きしたいのですが、六月五日に組合中島君が他の外郭團体の人と二人づれで区長に面会に行つておりますが、そのときにあなたは立会いましたか。
  648. 李泰權

    李証人 ぼくは立会つておりません。
  649. 吉武恵市

    ○吉武委員 あなたはどこにいらつしやいましたか。
  650. 李泰權

    李証人 ぼくはさつきも述べたように、ほかの記事をとりまとめておりまして、その日はいなかつたわけです。これは大体二日か三日ごろだつたか、区長組合たち一緒に同調して、新交番制をけつて交番制で行くということを言つたときに、そのときに偶然ぼくはその場にあつたわけです。
  651. 吉武恵市

    ○吉武委員 何時ごろ事務所に行きましたか。
  652. 李泰權

    李証人 それははつきり時間は断定できないけれども、二時か三時ごろだつたと思います。
  653. 吉武恵市

    ○吉武委員 二時か三時ごろだつたというのだつたら、折衝のまつ最中ですね。大体あなたが行かれたときには二階の下で多数の人が区長と折衝しておつたでしよう。その様子を御存じでしよう。
  654. 李泰權

    李証人 知らないです。
  655. 吉武恵市

    ○吉武委員 下にだれもいなかつたですか。二時だというと、下で折衝しておつたでしよう。
  656. 李泰權

    李証人 時間は、さつき言つたように、はつきり断定できないけれども、大体二時か三時ごろだつたろうと思う、こういうわけです。その日行つてみたら、二階でわあわあやつておる。それで行つてみたら、小さい部屋から出て来て、車掌が片方の大会の講堂か何か知らないけれども、二階で泣いて誓つて、旧交番制で行くということを言つたわけなんです。ちようどそのときに私が上つて見たわけです。
  657. 吉武恵市

    ○吉武委員 二階に上つたのですか。
  658. 李泰權

    李証人 ええ。
  659. 吉武恵市

    ○吉武委員 区長がそう言つたのを聞きましたか。
  660. 李泰權

    李証人 ええ。区長だけじやなくて、区長も泣いて、交渉行つた人も‥‥。
  661. 吉武恵市

    ○吉武委員 泣いていた。
  662. 李泰權

    李証人 ええ。それでもつて、その区長のいる前でもつて、新交番制をけつて交番制で行くということを、交渉委員の一人が言つたわけです。
  663. 吉武恵市

    ○吉武委員 そうすると、あなたはその部屋の中におられたわけですね。
  664. 李泰權

    李証人 部屋じやないです。
  665. 吉武恵市

    ○吉武委員 指導室という部屋ですね。
  666. 李泰權

    李証人 交渉をやつておる小さな部屋には、ぼくは入りませんでした。
  667. 吉武恵市

    ○吉武委員 どこにいました。
  668. 李泰權

    李証人 ぼくは、だからそのときには、ちようど本部から、ほかの問題の記事をまとめて、來るときだつた
  669. 吉武恵市

    ○吉武委員 だから、そのときには、あなたは廊下にいたのですか。
  670. 李泰權

    李証人 廊下じやないです。片方の小さい部屋があるわけです。
  671. 吉武恵市

    ○吉武委員 そのときに、あなたが隣の部屋かどこか知らぬが、二階の、ある部屋におられたときには、外郭團体の人がたくさんいたというのですが、その中にはあなたの御存じの人がおられなかつたのですか。
  672. 李泰權

    李証人 それは、一般盟員の中で知つている人が二、三人おりました。
  673. 吉武恵市

    ○吉武委員 その名前はどなたですか。
  674. 李泰權

    李証人 はつきりわからないのですが、李という人がいたし、‥‥。
  675. 吉武恵市

    ○吉武委員 李何というのですか。
  676. 李泰權

    李証人 李‥‥はつきりわからないのです。日本で言えば、宮本なら宮本君で通用していたから、はつきりわからないのです。
  677. 吉武恵市

    ○吉武委員 そうすると、その人に会えばわかりますね。
  678. 李泰權

    李証人 ええ。
  679. 吉武恵市

    ○吉武委員 もう一人の方は‥‥。
  680. 李泰權

    李証人 あとの二人の人ははつきりわからない。
  681. 吉武恵市

    ○吉武委員 そのときに、たいへん大勢ざわめいて、区長の話によると、非常に脅迫されたというのですが、そういう状況は御存じないですか。
  682. 李泰權

    李証人 知らないです。
  683. 吉武恵市

    ○吉武委員 そういう様子は見えなかつたですか。
  684. 李泰權

    李証人 ぼくの目で見た場合には、そういう様子は見えなかつた
  685. 吉武恵市

    ○吉武委員 しかしあなたは、中には入らないけれども、隣りの部屋でそういう声は聞えたでしよう。
  686. 李泰權

    李証人 ぼくは知らないです。
  687. 鍛冶良作

  688. 神山茂夫

    神山委員 こまかいことを聞いても必要がないと思うんだ。ただ聞いておきたいのは、十二日の日から業務命令をやると言つたのですが、これは証人が知らないのです。九日の日に、あなたが見たように、鈴木という助役が來て、そうして大衆の前で十二日から業務命令によつて交番制実施する。これは事実なんだ。ところがその晩の十一時になつて、その区長が管理部から指図されて、どうしてもだめだというので、十一日にやるというのできあた。従つてこのことは組合員全体が知らなかつたのだ。そこで十日の朝になつて、乗るか乗らないか問題になつたことはありますが、こまかいいきさつは知らなかつたんだ。
  689. 李泰權

    李証人 ぼくはこまかいことは知らないのです。
  690. 神山茂夫

    神山委員 知らないことを聞いてもむりなんです。委員の諸君はそれを知つていて聞いてもだめだ。  それから今の写眞というのは、明らかに椎熊君が指摘したように、その面だけ見れば、あなたがスクラムの中に見えたかもしれません。しかし写眞というものは正面だけしか見えない。從つて証人がどういう意思であつたか、見えない半面にはどういう事実があつたか、これは正常に委員事会が(発言する者多し)弁護士諸君よく聞いてやれよ。その上に公正な判断をする必要がある。ただいま、あなたの写眞は左手がスクラムだと椎熊君は言つておるが、(発言する者多し)その部分だけが問題じやない。全体を見なければならぬ。さらに助役この関係が問題だと言つておる。もう一ぺん証人が自分の置かれた状況について、(発言する者多し)やじなんかかまわない。あなたが置かれた状態をおつしやつてください。     〔発言する者多し〕
  691. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 そこの討論はやめてもらいましよう。神山君、それで質問はよいですか。
  692. 神山茂夫

    神山委員 本人に答えさせろよ。
  693. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 そこで論爭しておるからいいかと言うのです。その点はもういいのです。さつきから言つた通りに、写眞は認めると言うのだ。
  694. 神山茂夫

    神山委員 同時に写眞に見えない問題があるから、その点を話しなさいと言つているのだ。
  695. 李泰權

    李証人 左手でもつて組んでいるのが写眞に出ていた。その点は僕も認めた、けれども片方の手でもつて押したという点が、そこにおいて見えないのだ。
  696. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 左に組んだというのは認めるのか。
  697. 李泰權

    李証人 組んだというのは意識的に組んだのじやないのだ。
  698. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 よろしいです。済みました。御苦労さんでした。
  699. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 ただいまお見えになつている証人方々は、戸田芳夫さん、若林秀一郎さん、細野良久さん、ただいまより國電スト問題について証言を求めることといたします。  証言を求める前に、各証人に一言申し上げますが、昭和二十二年法律第二百二十五号議院における証人宣誓及び証言等に関する法律によりまして、証人証言を求める場合には、その前に宣誓をさせなければならぬことと相なつております。  宣誓または証言を拒むことのできるのは、証言証人または証人配偶者、四親等内の血族、もしくは三親等内の姻族または証人とこれらの親族関係のあつた者及び証人の後見人または証人の後見を受ける者の刑上の訴追または処罰を招くおそれのある項に関するとき、またはこれらの者の恥辱に帰すべき項に関するとき、及び医師歯科医師、薬剤師、薬種商、産婆、弁護士、弁理士弁護人公証人、宗教または祷祀の職にある者、またはこれらの職にあつた者がその職務上知つた事実であつて黙秘すべきものについて尋問を受けたときに限られておりまして、それ以外には証言を拒むことはできないことになつております。しかして、証人が正当の理由がなくて宣誓または証言を拒んだときは、一年以下の禁錮または一万円以下の罰金に処せられ、かつ宣誓した証人が虚偽の陳述をしたときは、三月以上十年以下の懲役に処せられることとなつておるのであります。一應このことを御承知になつておいていただきたいと思います。  では法律の定めるところによりまして、証人宣誓を求めます。
  700. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 御起立を願います。細野さん代表で呼んでいただけませんか。     〔証人細野良久君各証人代表して宣誓
  701. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 署名捺印してください。     〔各証人署名捺印
  702. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 証言を承ります。順序は細野さん、戸田さん、それから若林さんの順序でやりますから‥‥。
  703. 神山茂夫

    神山委員 細野証人からすることに絶対に反対します。なぜかなれば、本日の尋問の順序はすでに中島さん、李さん、戸田さん、若林さん、牛島さんときまつているわけであります。細野君は昨日自分の——これは公のことでありましようが、都合上、昨日の尋問が本日に延びてきたのであつて細野さんは一番最後になるのが当然だと思います。それにもかかわらず、細野さんをなぜ初めにするのか、まず理由があれば理由を承りたい。承つた上でわれわれの意見を述べたい。
  704. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 昨日調べるべきはずでありましたが、昨日都合が惡かつたので今日お見えになりましたので、今日は午後一時にどなたも一緒に呼んであります。前に調べるべき証人なのですから先に調べるのは当然だと思います。それじや細野さん以外の方はしばらくあちらでお待ち願います。  細野良久さんですか。
  705. 細野良久

    細野証人 はい。
  706. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 あなたは千葉地方檢察廳の檢事をやつておいでのようですが、いつからですか。
  707. 細野良久

    細野証人 昨年六月から。
  708. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 現在どういう地位においでですか。
  709. 細野良久

    細野証人 次席檢事です。
  710. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 本年六月初めから、いわゆる新交番制をしくということで千葉車掌区においていろいろごたごたがあつたようでありますが、そのことについてあなたの方でこれに関係せられたことがありますか。
  711. 細野良久

    細野証人 あります。
  712. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 その大略をお話を願いたいと思います。
  713. 細野良久

    細野証人 古いことで記憶が正確でありませんが、六月五日の日に千葉車掌区において車掌の一部の者、外郭團体、共産党の民主團体が多数集まりまして当時の区長の若宮に対して脅迫的な言辞を弄し、長期間にわたりましていわゆるカン詰にいたして新交番制の撤回、旧交番制による乗務をやむなく承認することという件がありまして、その報告を所轄警察から受けましてからであります。
  714. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それは所轄警察で取調べの結果あなたのところへ報告したわけですね。
  715. 細野良久

    細野証人 取調べではありません。そういうことを聞知して私の方へ報告しました。
  716. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それで取調べについて了解を求めて來たのですか。
  717. 細野良久

    細野証人 取調べは私の方でしました。
  718. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 そこで取調べた結果いかがでした、その通りでありましたか。
  719. 細野良久

    細野証人 たしか六日から調べたと思いますが、まず被害者側である区長並びに首席助役——名前は忘れました、その他の助役などを調べておるうちに次の件が勃発したのであります。
  720. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 次の事件とは‥‥。
  721. 細野良久

    細野証人 十日の日の事件であります。
  722. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それでは十日のことはあとで聞きますが、そこで承りたいのは、区長の方へ外郭團体の者が押し寄せたというのですが、その團体は大体どういう團体で、ありましたか。
  723. 細野良久

    細野証人 これも相手に当つておるわけではありませんから、正確かどうかについてはわかりませんが、所轄署からの報告並びに管理部の千葉車掌区長その他助役からの報告によりますと、在日本朝鮮民主連盟委員長以下十七名、千葉第二高等学校生徒、千葉民報記者、千葉縣労働組合会議委員、東京大学第二工学部学生、市川市の小学校教員、千葉医大附属医学生、金属千葉支部民青分会、日本民主主義準備会、市川市委員、これは十四名、ソ連帰還者生活擁護同盟千葉縣支部、日本青年共産党員、千葉民報記者、千葉民報というのは共産党千葉地区委員会機関誌であります。在日本朝鮮人連盟千葉支部、京成電鉄労組青年部、日本共産党千葉委員会青年部、國鉄千葉電力区、電信区、千葉医大共産党細胞、全日本土建労組千葉支部、日本共産党千葉委員会書記、その他合計五十六名という報告になつております、これについてはいずれもまだ調査しておりません。
  724. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それは報告だけですね。
  725. 細野良久

    細野証人 そうです。
  726. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 その五十六名の者は区長部屋へ押しかけて入つたのですか、それとも外におつて声援でもしたのですか。
  727. 細野良久

    細野証人 それは若宮区長証言があつたと聞いておりますから、その方が正確だと思います。いずれも若宮区長その他の傅聞ですから‥‥。
  728. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それから今おつしやつた六月十日の実情を聞かしていただきたい。
  729. 細野良久

    細野証人 六月九日の夜だと思いますが、千葉管理部長から新交番制乗務のたしか業務命令が発せられたはずであります。從つて、私の方も何らかの事態が発生するということを警戒しておりましたが、十日の午後十時か十時半ごろだと思いますが、千葉駅において省線電車車掌区の者並びに外郭團体の者のために妨害されて正常運轉ができないという報告を受けましたので、当初千葉地檢の労働係をしております三輪檢事と飯村副檢事に千葉管理部及び駅に行つて状況を見るように申しまして見に行かせたのであります。私も千葉駅に参りました。千葉駅に参りますと千葉自治警察の小笹署長、署僚鈴木警部その他がおりまして、電車が出ない現状を見てくれ、こういう話でありましたので、私は所轄警察の署長その他に警備力を増強するように勧告してから駅のプラツトホームに行つたのであります。そうしますと十一時ごろでありますが、進駐軍カーのついておる省線電車が後部車輛、ことに最後部の附近に相当多数の人が蝟集しておりまして、列車を出発せしむる千華車掌区の出発指示助役がこれを出発さすことができない。とにかく車掌台のところには山ほどの人がおりまして、正規に業務命令によつて乗るべき車掌が本來の地位につけないという状況でありました。すでにその前に二つの省線電車がほぼ同様な状況になつておりまして出発が遅れていたのでありますが、だんだん集つて來る人間も多いし、このまま放置することができないと考えましたので、私一人でまずやじうまと暴力者の区別をいたしました。写眞をとつた上檢挙いたしました。
  730. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 その電車の出られない根本理由は正規に乗る車掌を乗せなかつたのですか、それとも正規にあらざる車掌が乗つて運轉しようとしたのですか。
  731. 細野良久

    細野証人 結局両方であります。
  732. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 正規の車掌は乗つたが正規でない旧交番制車掌が頑張つてつて‥‥。
  733. 細野良久

    細野証人 旧交番制車掌でありませんで、たまたま車掌区の事務室におりました関口という女車掌、これに村して車掌区の山本長之助という車掌がお前乗れと言つてつたのであります。從つて関口という車掌は旧交番制によりましても正規の車掌でありません。それが乗つておりまして、もう一人名前は忘れましたが、女の車掌が二人乗つておりました。そうして出発の際のこういうボタンを押すところに乗つておりますので、正規の乗るべき車掌が入りましても、その場所に行けない。公安官がその女の車掌をおろそうとしても、たくさんの人たちがスクラムを組んでこれを守る、そういう状況でありました。
  734. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 そのスクラムを組んだおもなるものはどういうものでありましたか。
  735. 細野良久

    細野証人 起訴してあります。
  736. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 もつと聞きたいのは、駅の車掌の仲間ですか、もしくは駅員でありますか、それとも外郭團体でありますか。
  737. 細野良久

    細野証人 それは檢挙した後わかつたのでありますが、約二十数名で九日の日に馘首というのですか、公共企業体の第十八條によつて罷免になつております。元車掌中島登、越川善行、東川鉄男、鉄道職員はこれだけであります。その他は日本共産党千葉委員会書記吉本正美、それから共産党員で千葉縣労働組合会議書記立松貞孝、それから共産党員千葉委員会青年対策部員、東京大学第二工学部学生世永元治、それから牛越良次、それとそのほかは朝鮮連盟の系統に属しまする千葉民青高等学院学生であります。及び先ほど証人になりました民青時報通信員の李泰權その他であります。そのほかに千葉民青高等学院の子供の生徒その他であります。
  738. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 この民青高等学院の生徒なんかはどうしてそういう仲間に入つたのですか、まだ子供でしよう。
  739. 細野良久

    細野証人 子供とおとなとあるのですが、今起訴した九人はおとなでありまして、あと十二名は子供であります。
  740. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それはどういうわけでそういうところへ入つてつたのですか。
  741. 細野良久

    細野証人 それは本人たちが申しませんからよくわかりませんが、子供たちの話によりますと、学校で先生につれられて行つたというのですが、その先生は金という人だけで、どれが先生だかわかりません。
  742. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 そこでスクラムを組まぬかと言つて連れて行つたわけじやありませんか。
  743. 細野良久

    細野証人 いや、五井駅からつれて行つたわけです。千葉から四つ五つ先の停留場でありますが、五井駅という駅があります。その駅から汽車に乗つてつて來たのであります。
  744. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それは何か偶然そこに当つたのですか、それともやらせようと思つて來たのですか。
  745. 細野良久

    細野証人 もちろんこれはやらせるために來たのだと思います。
  746. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それから何か電車が出るべき青の信号をしておつたにもかかわらず、あなたが出すなと言つて赤の信号にかえたという話があるのですが、それはどうですか。
  747. 細野良久

    細野証人 それは違います。
  748. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 その実情はどういうのですか。
  749. 細野良久

    細野証人 これは私は知りませんでしたが、そういう信号が出たことは、あとからの調査によりますとこういうことでありました。関口という車掌が出発合図をして出て行つてしまうおそれがあつたのであります。それで係はだれなんですか車掌区の助役が、その関口というかつてに乗つておる車掌が出発合図をして出て行くことになつてはいけないので、その車掌が乗つている間赤にかえたということであります。
  750. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 初めは青になつてつたのですね。
  751. 細野良久

    細野証人 はあ。
  752. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それはどの助役ですか。首席助役ですか。
  753. 細野良久

    細野証人 それは覚えておりません。
  754. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 そこで何名檢束されたのですか。
  755. 細野良久

    細野証人 その場で二十七名。
  756. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 その後もふえましたか。
  757. 細野良久

    細野証人 強行の途中二人。
  758. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それは今どうなつておりますか。
  759. 細野良久

    細野証人 結局起訴した人員が十六名であります。名前はわかつておりますが‥‥。
  760. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 あとでまた承ることにいたしましよう。あとはみんなもう釈放されたわけですか。
  761. 細野良久

    細野証人 学校の生徒で先生に連れられた子供はその日に釈放いたしました。
  762. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 その十六名はどういう被疑事件によつて……‥。
  763. 細野良久

    細野証人 業務妨害、それで公判を請求しております。
  764. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 ほかに何かお聞きになりますか。
  765. 神山茂夫

    神山委員 一番しまいの方から聞きますが、組合員側の方ではその信号があふられたというような言葉で言つておりますが、赤が出たり青が出たりする、それはあなたのおさしずでやられたということを言われましたが……。
  766. 細野良久

    細野証人 組合員側のだれが言いましたか、私はそういう覚えはありませんが……。
  767. 神山茂夫

    神山委員 絶対にありませんね。(「覚えがないのは絶対にないことだよ」)そうもあなたもなかなか氣が強くていらつしやいますが、共産党のいわゆる民主團体というものはどんなものか教えてもらいたい。
  768. 細野良久

    細野証人 共産党の方がよく民主團体の連中だと言つて來られるいろいろな團体です。私たちはそういうのを民主團体とは思わないのです。
  769. 神山茂夫

    神山委員 それではちようどいい。あなたは共産党を民主團体と思つていないですか。
  770. 細野良久

    細野証人 思つていません。
  771. 神山茂夫

    神山委員 それはあなた檢事としてお考えになつているんですか、個人としてお考えになつているんですか。
  772. 細野良久

    細野証人 御随意に……‥。
  773. 神山茂夫

    神山委員 あなたは弁護士の森長君を御承知ですか。
  774. 細野良久

    細野証人 一回面会に來られたことがあります。
  775. 神山茂夫

    神山委員 その森長君に、今度のことはGHQの指示でもない、最高檢察廳の方針でもない、細野さん御自分でおやりになつたとおつしやいましたが、間違いありませんか。
  776. 細野良久

    細野証人 記憶ありません。
  777. 神山茂夫

    神山委員 名答弁だ。高木弁護士を御承知ですか。
  778. 細野良久

    細野証人 知つております。
  779. 神山茂夫

    神山委員 これも記憶があるかないか存じませんが、おれががんばつておる限りは汽車はとめさせるとおつしやつておりますが……。
  780. 細野良久

    細野証人 そういう雑談は覚えておりません。
  781. 神山茂夫

    神山委員 吉田首相と同じ名答弁だ。代表はこの問題に関連してあなたにお目にかかつたことがありませんか。
  782. 細野良久

    細野証人 だれですか、組合代表たちですか。
  783. 神山茂夫

    神山委員 千葉の……。
  784. 細野良久

    細野証人 千葉のどこですか。
  785. 神山茂夫

    神山委員 私は千葉のどこの何かということは知りませんが、お会いになつたことがありますか、ありませんか。
  786. 細野良久

    細野証人 五百人ありますが、代表四、五名に会つたと思つております。
  787. 神山茂夫

    神山委員 そのときに、おれは人民はふみにじるということをおつしやつたですか。
  788. 細野良久

    細野証人 言うはずはありません。
  789. 神山茂夫

    神山委員 それからあなたは朝鮮にいらつしやつたことがありますか。
  790. 細野良久

    細野証人 どうも質問がおかしいのですが、ありません。そういうことは本件に関係ないでしよう。
  791. 神山茂夫

    神山委員 あるのですよ。朝鮮人連盟に対してあなたが特定の態度を持つておられるのじやないかということを言う人があるので‥‥。
  792. 細野良久

    細野証人 言う人は御随意です。
  793. 神山茂夫

    神山委員 言う人は御随意——まことにけつこうです。  それから先生たち子供たちを連れて來た。それをあなたはスクラム組んで列車を妨害するために來たのだろうとおつしやいましたが、それも自由におつしやつているわけでしよう。
  794. 細野良久

    細野証人 それはそういうぐあいに考えております。
  795. 神山茂夫

    神山委員 そうしますと、先ほど來た証人は、ちようどその日卒業式か何かあつたの子供たちを連れて來たと言つておりますが、こういうのは全然あなたはお聞きになつたことはありませんか。
  796. 細野良久

    細野証人 弁解は幾らもいたします。しかし私はそう思つておるというだけです。
  797. 神山茂夫

    神山委員 檢事さんともあろう者が、弁解と聞えるかもしれないが、しかし事実そのものをもう少しお調べになつて、あなた自身の判断でなくて、もう少し客観的におつしやつたらどうです。
  798. 細野良久

    細野証人 本人は名前も言いません。何も答えませんから聞きようがありません。
  799. 神山茂夫

    神山委員 それから今あなたがおつしやつたように市警からの報告でなくて、あなたが自分で六日から区長たちをお呼びになつたのですか。
  800. 細野良久

    細野証人 六日から調べたというのは五日の件に関連して参考人として調べたので、私は聞いておりません。
  801. 神山茂夫

    神山委員 三輪檢事がおつしやつた‥‥。
  802. 細野良久

    細野証人 三輪檢事以下多数の檢事です。
  803. 神山茂夫

    神山委員 その多数の檢事の取調べというものがきつかつた言つているのだが‥‥。
  804. 細野良久

    細野証人 若宮区長はそういうぐあいに証言しておりましたか。
  805. 神山茂夫

    神山委員 若宮区長組合員の前で言つたことを組合員が証言しております。
  806. 細野良久

    細野証人 そういうことはありません。
  807. 神山茂夫

    神山委員 それじやあなたとしては区長あるいは助役に対してはきつかつたということをお認めになりますか。
  808. 細野良久

    細野証人 参考人を聞くのにそんなにきつく調べるはずがないですがね。
  809. 神山茂夫

    神山委員 それからあなたは五日の日から十日の間に自治体警察約百名を駅附近へ動員していたということは御承知でしよう。
  810. 細野良久

    細野証人 三百名十日の日は動員しております。
  811. 神山茂夫

    神山委員 私が今お尋ねしておるのは、五日から十日のころ、まだ問題が起つてない前の間に、すでに百名動員されたということは御承知でしよう。
  812. 細野良久

    細野証人 記憶はありません。とにかく十日の日は三百名動員しておつたことは知つております。
  813. 神山茂夫

    神山委員 その前は知らない‥‥。
  814. 細野良久

    細野証人 前は忘れたというよりしようがない。なんなら照会すればわかりますが‥‥。
  815. 神山茂夫

    神山委員 一應照会した上で、正確なことは次の機会でけつこうですが‥‥。
  816. 細野良久

    細野証人 それは警察へ照会していただきたい。
  817. 神山茂夫

    神山委員 五日の日にデモがどこからどこへ行つたのですか。
  818. 細野良久

    細野証人 何かあのころデモがあつたように聞いておりますが。
  819. 神山茂夫

    神山委員 十日の日電車がとまつて出なかつた事情の中に、單に千葉だけの問題ではなくて中野がとまつたことが運轉の上に影響したことはあなたもお調べになつているでしよう。
  820. 細野良久

    細野証人 千葉ですか。千葉電車はとまつておりません。
  821. 神山茂夫

    神山委員 そうでしよう。だからとまらないが、中野がとまつたために乗込みや何かに影響して來て‥‥。
  822. 細野良久

    細野証人 中野がとまつたためにお茶の水どまりになりました。それだけです。
  823. 神山茂夫

    神山委員 運轉上の変更があつたことがやはりその一つの事情として考慮されていいんじやないですか。
  824. 細野良久

    細野証人 質問の趣旨がわかりません。
  825. 神山茂夫

    神山委員 もう一ぺんお尋ねしますが、中野の車掌区とそれから千葉車掌区との間には交路の上で行き違いがあるわけですね。たとえば中野まで乗り入れるような事態も今まであつたわけですが、そういう点で中野の車がとまつたために、從業員にかかわりなく運行の上に乱れて來るようなことが一つの客観的な事実としてあつたのじやないですか。
  826. 細野良久

    細野証人 私の聞いたところによりますと、中野電車区が非常に氣勢が上つておりますので、千葉車掌はお茶の水までなら行くが、その先はあぶなくて行けないということでありました。その結果お茶の水どまりになつたと思います。
  827. 神山茂夫

    神山委員 もう一つお尋ねしますが、組合員側の九日の晩に職場大会をやつておるわけです。それはあなたは御承知ですか。
  828. 細野良久

    細野証人 日にちは記憶しておりません。
  829. 神山茂夫

    神山委員 九日の晩まで組合側では職場大会をやつていたわけです。ところがそのときまでは、晝に鈴木という助役が來て十二日から新交番制実施する、こういうふうに言明したのをそのままのみ込んでいるわけです。ところがその日の十一時になつて車掌区長が自分の権限で明朝一番から新交番制にするというふうに言つた、こういう事実は御承知ないですか。
  830. 細野良久

    細野証人 そう聞いております。しかし初めの点はよく知りません。十一時からそのことを発表したという点を聞いております。
  831. 神山茂夫

    神山委員 從つて十一時であつたために從業員に徹底しなかつたということは考えられませんか。
  832. 細野良久

    細野証人 私の関知しないところです。
  833. 神山茂夫

    神山委員 いいところは関知されませんな。夜の十一時に区長が自分できめた。それを從業員に徹底させる意味において遺憾な点はあつたかなかつた——そう言つてはあなたがまた固くなるといけないとすれば、普通に十一時にきめたことがあしたの朝來る者にはつきり通達できたかということですね。
  834. 細野良久

    細野証人 その過程の質問がほんとうか、どうか私にはわかりませんので、お答えのしようがないのです。
  835. 神山茂夫

    神山委員 若宮区長もほかの証人も全部この点に関する限り一致しておるわけです。
  836. 細野良久

    細野証人 その証言を聞いておりませんから‥‥。
  837. 神山茂夫

    神山委員 それで今度は朝新交番で乗るか、あるいは旧交番で行くかという問題の場合に、あなたの関知しない、わからなかつたという問題がこれに一つ関連しているのですが、この点はあなたは知りませんか。
  838. 細野良久

    細野証人 質問の趣旨がよくわかりません。
  839. 神山茂夫

    神山委員 朝六時に始発が出るでしよう。それまでに從業員が來ますね。その連中はそのことがゆうべ十一時にきまつたことであるために、職場大会の決定に反しているというふうに考えるのが当然じやないですか。
  840. 細野良久

    細野証人 一方的に調査された資料に基いて聞かれるのですから、それはあなたの方で調査された人たちがあなたに申し上げたことだと思いますので、私はわかりませんです。
  841. 神山茂夫

    神山委員 細野証人に申し上げますが、あなたは何に基いて私の資料が一方的だとおつしやるのですか。私は國会における考査委員会の資料を持つております。考査委員会の資料が一方的だというのは、あなた方の意見ばかりを聞いているので一方的なので、むしろ逆に私たちは従業員諸君の意見もその全体に関連して聞いておるのです。  一方的だとは何ということだ。だからぼくは綜合して質問しているのです。従つて全体を考慮してやるのが君たちの仕事ではないのか。むしろ考査委員会が一方的なんだ。それをあなたが一方的だと言うのはどういうわけなんだ。
  842. 細野良久

    細野証人 そうい事実を私は知らないというのです。
  843. 椎熊三郎

    椎熊委員 証人にお伺いいたしますが、あなたが今度の事件を初めて知つたのはいつごろでありましたか。
  844. 細野良久

    細野証人 私は六日の朝です。
  845. 椎熊三郎

    椎熊委員 それは先ほどの証言によると、警察官の報告によると‥‥。
  846. 細野良久

    細野証人 警察官の報告を三輪檢事が五日に受付けていると思います。
  847. 椎熊三郎

    椎熊委員 そうすると、その三輪檢事からあなたはお聞きになつたのですか。
  848. 細野良久

    細野証人 そうです。
  849. 椎熊三郎

    椎熊委員 その当時の警察官の情報を得るまでの状況はどういうことだつたのですか。
  850. 細野良久

    細野証人 それはわかりません。
  851. 椎熊三郎

    椎熊委員 わかりませんか。それはその後もお調べになつていませんか。
  852. 細野良久

    細野証人 それを調べた結果は冒頭に申し上げたのですが、五日の状況は‥‥。
  853. 椎熊三郎

    椎熊委員 それじや別の問題をお聞きしますが、あなたのところに五百人からの労働組合員か何かしらぬが押しかけたというのですが、それは裁判所に押しかけたのですか。
  854. 細野良久

    細野証人 いや檢察廳へ‥‥。
  855. 椎熊三郎

    椎熊委員 それはどういう関係者ですか。國鉄労働組合ですか。
  856. 細野良久

    細野証人 まだわかつておりませんが、共産党の外廓團体と称する人たちです。
  857. 椎熊三郎

    椎熊委員 そのうち四名ほど代表があつたというが、その代表者も共産党の関係者ですか。
  858. 細野良久

    細野証人 佐藤次郎だけは覚えております。
  859. 椎熊三郎

    椎熊委員 それも共産党員ですか。
  860. 細野良久

    細野証人 まあそうだと思います。
  861. 椎熊三郎

    椎熊委員 その際にも五百人から檢察廳に押しかけたということは相当のことなんですが、そのために檢察廳の事務その他職務執行の上に何らの支障もなかつたのですか。
  862. 細野良久

    細野証人 そういうことは常にありますので‥‥。
  863. 椎熊三郎

    椎熊委員 そういう場合にはどういう処置をおとりですか。
  864. 細野良久

    細野証人 代表者に会うだけです。
  865. 椎熊三郎

    椎熊委員 あとは仕事じやまになるから帰れと言つて帰すのですか。
  866. 細野良久

    細野証人 そう言つて帰してしまうのです。
  867. 椎熊三郎

    椎熊委員 そう言うと帰りますか。
  868. 細野良久

    細野証人 帰ります。
  869. 椎熊三郎

    椎熊委員 四人の人に應待した時分の態度というのは、普通の常識で判断せられるような、たとえば檢車区長が言つたように威迫的な交渉であつたというようなことをここで言われておるのですが、あなた方に対する交渉もそういうものですか。
  870. 細野良久

    細野証人 私の方は非常に穏健であります。
  871. 椎熊三郎

    椎熊委員 何か聞いてやればそれだけで帰られるのですか。
  872. 細野良久

    細野証人 しかし外ではいろいろ演説会を催しておられます。
  873. 椎熊三郎

    椎熊委員 檢審廳の構内で。
  874. 細野良久

    細野証人 はあ。
  875. 椎熊三郎

    椎熊委員 そういうことを取締る方法は現在はないですか。裁判所の構内で演説会を許すわけはありません。
  876. 細野良久

    細野証人 演説会じやないですけれども、いつもやつているんでして、町の眞中で‥‥。
  877. 椎熊三郎

    椎熊委員 檢察構内じやないのですか。
  878. 細野良久

    細野証人 道路です。そういうことはどつちでもいいというのであまり意にとめてないのです。
  879. 椎熊三郎

    椎熊委員 あなたは十日の事件があつた時分に現場へ行かれて写眞はあなたがとられたか。
  880. 細野良久

    細野証人 それは新聞記者諸君がみなとられたのです。
  881. 椎熊三郎

    椎熊委員 それを檢察廳で、集められたわけですか。
  882. 細野良久

    細野証人 警察に集めてもらつて、それを受けたのです。
  883. 椎熊三郎

    椎熊委員 警察に命じて集めさせたものですか。
  884. 細野良久

    細野証人 命じてというと言葉が惡いですが。
  885. 椎熊三郎

    椎熊委員 命じなくても、あなたの腹を察して警察が集めたというのですか。そこで警察官が十日の日は三百名も出たということですが、それは檢察廳の許可を得て出たものですか。
  886. 細野良久

    細野証人 警察はやはり管轄区域の警備の責任がありますので、從つて危險の発生するおそれのあるときは警備の動員をするのは当然でありまして、署長の権限でやつていると思います。
  887. 椎熊三郎

    椎熊委員 スクラムを組んで列車の発車を妨害するような場合、三百名も行つていてその列車を守るわけにはいかなかつた状況ですか。
  888. 細野良久

    細野証人 何も駅にそんなに行つているわけではありませんで、当日は駅に少ししか行つておりません。
  889. 椎熊三郎

    椎熊委員 一番大事な駅などはそんなにたくさん行かなかつたわけですか。
  890. 細野良久

    細野証人 配置計画ですか、それはいますが本署に待機しているだけですよ。
  891. 椎熊三郎

    椎熊委員 いまの警察の多数の人が出動する場合は、やはり檢察廳との間に了解がある事項なんですか。
  892. 細野良久

    細野証人 警察が独自でやることであります。
  893. 椎熊三郎

    椎熊委員 後には報告されるのですか。
  894. 椎熊三郎

    椎熊委員 連絡は密にしております。
  895. 石田一松

    ○石田(一)委員 ちよつとお尋ねいたしますが、六月五日の若宮前区長に対して新旧交番制の問題で、多数の者が前区長を脅迫がましいことをして旧交番制を認めさせた。この事件の報告を警察官から三輪檢事が聞いた。それでその問題に対して地檢では着々捜査をまた取調べを進めていらつしやるちようどその中途においてたまたまこの十日の事件が起きたので、その脅迫という事件はまだ取調べは終了してないわけですか。
  896. 細野良久

    細野証人 そのままになつております。
  897. 石田一松

    ○石田(一)委員 それで私のお聞きいたしたいのは、この十日の事件のためにあなたが三輪檢事あたりを現場に先におやりになつたということをお知りになつたのは、あなたの方のだれからですか。
  898. 細野良久

    細野証人 千葉市警察だと思います。
  899. 石田一松

    ○石田(一)委員 電話か何かで‥‥。
  900. 細野良久

    細野証人 鈴木警部が來たんじやないかと記憶しております。
  901. 石田一松

    ○石田(一)委員 これはももろん十分お取調べになつて、ただいまお聞きしましたところ、今月の二十日に公判が開かれるということでございますが、起訴はいつになつておりますか。
  902. 細野良久

    細野証人 六月十六日。
  903. 石田一松

    ○石田(一)委員 そうすると、ただいまおつしやいました五十数名の関係者を、しかも業務妨害罪で起訴なさるのに、たいへん御努力なさいまして、一週間足らずで十数名の者を起訴決定をなしております。それで五日の事件と申しますのも、やはりこれも二、三十名の者が若宮前区長を脅迫したとかいう事件ですか、これが十日の日までといいますと、これもやはり六日ですか。同じ期間ですか。もちろんここにはいろいろな事務的な問題もあるでしようが、先の問題がいまだに起訴になつていないということは事務上の何か考え方でもあつたのでしようか。
  904. 細野良久

    細野証人 これは被害者側を調べましても、人間の特定がなかなかできないのであります。鉄道職員についてはある程度はわかりますが、外部團体については名前も何もわからない。どうせ否認するに違いないのですから、そう簡單に証拠収集もできかねる状況です。
  905. 石田一松

    ○石田(一)委員 あとの十日の方の事件は写眞の証拠でおやりになつたのですか。
  906. 細野良久

    細野証人 これは現行犯ですから私は現認しております。
  907. 石田一松

    ○石田(一)委員 実はちよつとおかしなことをお伺いするようでありますが、私は決して弁護するわけでも何でもないのです。実はあとの十日の事件がその原因となり、しかももしこれが犯罪として罰せられるといたしますと、その動機となつたものは、今あなたがまだ証拠の収集が困難であるから、取調べがなかなかむずかしくてそう簡單にいかないとおつしやつておる五日のこの問題が解決するかしないかによつて、このあとのいわゆる業務妨害の問題も相当に私は影響するというふうに考えるのでありますが、前の原因が未調査、証拠不十分であるというのに、あとの結果であるところの業務妨害罪の方を起訴決定されておる。ここに現行犯ではありますが、私はまことに言いにくいことを聞きますが、五日のあの脅迫とか何とかいうことが檢事殿の頭の中に、先入観のようになつていて、これがあとの点を非常に重要視する動機とはなつておりませんでしようか。
  908. 細野良久

    細野証人 状況判断上そう考えるのが妥当だと思います。客観的にそう考えるのは当然だと思います。
  909. 石田一松

    ○石田(一)委員 今後十分捜査あそばすことと思いますが、やはり前の事件もおやりになるのですか。
  910. 細野良久

    細野証人 現在のところ何とも申し上げかねます。
  911. 石田一松

    ○石田(一)委員 そこでちよつとお伺いしたいことは、御承知のように三輪檢事あたりは労働関係の檢事であるからよくお聞きになつているだろう。またあなたも研究になつていらつしやると思いますが、新しく労働組合法ができました。その一條の二項の但書に、たしか私の記憶するところでは暴力はいかなる場合もこれを正当な爭議行為とみなすことはできぬという但書がついて問題になつたことがあります。これについて檢務局あたりから來て、また法務廳あたりから來て、いろいろとわれわれに答弁をなさいましたことは、これはもちろん今回のこの爭議は正当な争議ではないということの前提はあると思いますが、檢察廳側としては少くとも爭議行為によつて生じた問題を刑法の威力を用いて、人の業務を妨害したる者は云々という業務妨害罪ではこれを罰しないように下部にまで浸透するよう十分これは傳えておく。ぜひこの点は労働委員会においても御了承願いたいという御答弁が立法の審議の当時なされているのですが、こういうことが下部まであつたでしようか。
  912. 細野良久

    細野証人 立法者がどういう説明をされたか知りませんが、私たちは私たち法律解釈でやつております。
  913. 石田一松

    ○石田(一)委員 あなたたち法律解釈でおやりになるというのですが、やはり檢務局あたりからの行政的な指示があつたならばそれにはお從いになるのじやないですか。
  914. 細野良久

    細野証人 お説のような指示はないと思います。
  915. 石田一松

    ○石田(一)委員 この点に関して私はちよつと疑問を持つのですが、仮定の上に立つようですが仮定ではないのです。これは速記録を調べればわかることですが、爭議行為に関する限り、この労働組合法の関係に関する限り、とにかく労働者の爭議行為に関する限りは、これを刑法の業務妨害罪の威力を用いて、人の業務を妨害したる者はということでやつたら、どれも皆これにひつかかる。もちろんこの場合の問題は、いわゆる正当な爭議行為ではないという観点に立つておりますが、そういうことがありますので、法律解釈についてそういう通知があつたでしようか。今あなたは法律解釈は立法の際が何であろうが、われわれの自由であるとおつしやいましたが。
  916. 細野良久

    細野証人 立法者の意思も参考になるかもしれませんが、必ずしも議会における説明事項などは法律解釈を決定するものではありません。
  917. 石田一松

    ○石田(一)委員 そういう逃げ口上ではなくて、さつきあなたがおつしやつたことと今おつしやることは違うのです。
  918. 細野良久

    細野証人 あまり國電スト関係ないようですから。
  919. 石田一松

    ○石田(一)委員 関係があるのです。今細野さんが、そういうふうに法律は自分の自由に解釈するというようなことをおつしやつては、これはいけないと言うのだ。そういうことを言われたのでは、またほかの問題も何とかということになる。そういうことは少くとも表現が強過ぎる。あとの方であなたのおつしやつた正しいという言葉をつけて、それならば私はわかるのだ。自由ということは少くとも檢事という、いわゆる行刑的な職務の方がかつて法律をあなたの考えでやる。私のただいま申したことは、意見ということになればなるのですが要するに五日の問題、これは十日の事件の大きな動機の原因になつておる。関連性がある。
  920. 細野良久

    細野証人 五日の事件が動機となつたのではない。動機は別にある。その現われが五日の事件であり、十日の事件であるこう言うのです。
  921. 石田一松

    ○石田(一)委員 それではその動機というのは何ですか。それは直接法律解釈としての——今の動機ですね。要するに新交番制という問題がまず直接表に現われた大きなこの問題の動機だ、表面上に現われた問題ではそう考えるべきだ、と私は思うのですが、それでぜひ五日の問題も非常に捜査も困難であろうと思いますが、徹底的に厳正にお願いしまして、できることならば十日の問題と結びつけて解決せられることが最も私は公正妥当なる檢察廳のやり方だ、こういうふうに考えます。
  922. 細野良久

    細野証人 そういうふうに解決いたします。
  923. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 ちよつとさつき写眞のことが出ましたが、ここに五枚ありますが、これを号を一号ないし五号とつけてありますが、これは十日の日の現状に間違いありませんか。
  924. 細野良久

    細野証人 これはそうです。
  925. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 大体名前は合つておりますか。
  926. 細野良久

    細野証人 これは性格に合つております。
  927. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それから五号は、さつきおつしやつた最後尾の車掌室‥‥。
  928. 細野良久

    細野証人 これは整理する前なんです。これは私が行く前の写眞です。
  929. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 四号ですか、これはさつきおつしやつた関口というのががんばつて降りなかつたそれですか。
  930. 細野良久

    細野証人 そうです。
  931. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それが関口というのですか。
  932. 細野良久

    細野証人 そうだと思います。
  933. 聽濤克巳

    ○聽濤委員 簡單なことを一つお伺いしたい。実は十日のあの紛糾があつた現場で組合員の人が大体みな同様のことを言つているのです。私は電車の番号をちよつと忘れましたが、助役か何かが発車させようとしている電車を、しばらく止めろというふうに言われた。あるいはもつとつつ込んで言う人は、とにかくその電車は止めろ、警察を呼んで來るから、というふうに言つて止めさしたということを言つている人が大分あるのですが、この事実はお認めになりますか。
  934. 細野良久

    細野証人 さつき申した通りであります。
  935. 聽濤克巳

    ○聽濤委員 先ほどどういうふうに言われましたか。
  936. 細野良久

    細野証人 そういう事実はありません。
  937. 聽濤克巳

    ○聽濤委員 そうですか、非常に多数の人がそういうふうに言つているのですが‥‥。
  938. 細野良久

    細野証人 私は現場におつたもので一番よく知つております。
  939. 聽濤克巳

    ○聽濤委員 大分そういうふうに言つている人があるのですが、あなたがその通り言わなくても、組合員にそういうふうにとられる機縁になつたような何か言動があつたのではないでしようか。
  940. 細野良久

    細野証人 そこに組合員がおりましたでしようか。私はよく知つているのですが‥‥。
  941. 聽濤克巳

    ○聽濤委員 いた人がある。
  942. 細野良久

    細野証人 そういないのですよ。
  943. 聽濤克巳

    ○聽濤委員 この通り言つたかどうか、あなたは否定なさつているが、そういうふうに誤解されるような、思わせるようなことはありませんか。
  944. 細野良久

    細野証人 とにかくわずか十分ぐらいです。私が行つてから捕まつた者は、発車が十六分ほどで、その間ですから‥‥。
  945. 聽濤克巳

    ○聽濤委員 こういう者は全然覚えがない。さらにそれに誤解を受けるような行動はなかつた‥‥。
  946. 細野良久

    細野証人 それは判断ですから、私としてはありません。
  947. 聽濤克巳

    ○聽濤委員 私の方としてはあなたの言葉を信ずるわけには行かんですから疑いが残るのですが、できるだけ残らないように、もしそういうふうにあなた自身もなお誤解されたのかと思われるような節があればおつしやつていただきたい。
  948. 細野良久

    細野証人 その点は私には感じられません。
  949. 聽濤克巳

    ○聽濤委員 大体新交番、旧交番というのは爭議上の問題ですね。
  950. 細野良久

    細野証人 私たちはあの現状は爭議行為と認めておりません。
  951. 聽濤克巳

    ○聽濤委員 現状のことは別です。大分長い間から千葉車掌区の中で起つていた紛爭です。
  952. 細野良久

    細野証人 紛爭と言うならわかります。
  953. 聽濤克巳

    ○聽濤委員 そうすると、この内容は具体的には、組合員は旧交番で新交番反対と言うし、当局の方では新交番でやる。こういうことが係爭点になつているのだということは、労働爭議の問題だということはおわかりになりますね。
  954. 細野良久

    細野証人 公共企業体とはちよつと違うように思います。
  955. 聽濤克巳

    ○聽濤委員 それはまた別です。それはあなたの方には関係ないと思います。公共企業体云々ということはあなたの方には関係はない。これは労働爭議の紛爭の内容であつたということは御存じの通りだと思います。
  956. 細野良久

    細野証人 それは公共企業体ですから、一般の爭議と別箇に考えなければならぬと思います。
  957. 聽濤克巳

    ○聽濤委員 私が聞こうと思つているのは、こういう労働爭議に対事して、檢察廳が手を出すときには、刑事上のいろいろな問題が起つているときに出すというのがあなた方の態度であつたと思う。そこでここで現場の状態をいろいろ私たちが聞いたところによると、新交番を強行しようとする当局側と、旧交番で行こうとしている組合側と、これもやはり爭議上の問題だと思うのです。結局あなたが業務妨害として多数の人を檢束された根拠は、一体どこにあるかということをお聞きしたいわけです。
  958. 細野良久

    細野証人 現行犯です。
  959. 聽濤克巳

    ○聽濤委員 その現行犯というのは言葉をかえて言えば車を止めたということですね。
  960. 細野良久

    細野証人 業務妨害または公務執行妨害の現行犯と見ております。
  961. 聽濤克巳

    ○聽濤委員 われわれにわかりやすく言えば、車を止めたということですね。
  962. 細野良久

    細野証人 そうですね。
  963. 聽濤克巳

    ○聽濤委員 車を止めたという事実、車を止めようとしたこと、私が聞くのは業務妨害ということの内容は、暴力行為ということの内容は、車を止めたということ、もしくは車を止めようとした、そういう現行犯だつたということでしよう。ところで、そうすると、この点では新交番で行くとか、旧交番で行くということはあなたの関知しないことじやないかと思います。
  964. 細野良久

    細野証人 業務命令が出ているということを知つております。
  965. 聽濤克巳

    ○聽濤委員 新交番、旧交番で行くことは紛爭上の問題であつて、あなたが出動したのは、とにかく車を止めようとしたその現行犯としてあなたは捕まえた。それならば理由があると考えたわけですか。
  966. 細野良久

    細野証人 その通りです。
  967. 聽濤克巳

    ○聽濤委員 それならばこういう行為は組合員の側、あるいはあなたは外郭團体と言われるかもしれませんが、外郭團体人たちがやつたということも事実かもしれない、あなたの解釈によれば‥‥。一方現場の事実にはつきり現われているのは、公安官が、たとえば旧交番で乗込もうとしている、これは自分の職場であると言つて乗込もうとしている車掌をも引きずり降ろそうとして妨害したことも事実じやありませんか。やはりこれも車を止める実際上の効果を持つのではないか。
  968. 細野良久

    細野証人 公判でありますので、公判で論告いたします。
  969. 聽濤克巳

    ○聽濤委員 公判ですけれども、公判公判と言つたら何も答えないでよい。その点も私は聞いておる。
  970. 細野良久

    細野証人 法律上の解釈の問題がありますので‥‥。
  971. 聽濤克巳

    ○聽濤委員 私はそのために新交番、旧交番というのは、爭議上の問題で、実際上あなたが出動したのはとにかく車を止めようとした現行犯でやつたとするならば、公で官の場合にも同様の状態が起つておるのじやないかということですが‥‥。
  972. 細野良久

    細野証人 もう一回説明いたします。関口という女車掌は旧交番制でも乗るべき車掌ではないのです。あれは地区委員の山本長之助から、お前遊んでいるのなら守つてやるからお茶の水まで乗つて行けと特に命ぜられてたまたまそれに乗り込んだ車掌であります。管理部から派遣された人は正規に業務命令を区長から受けて乗ろうとしたのをじやまされたのです。ですからこの点の解釈では関口というものが乗つて行くことを正当な業務とは認めておりません。
  973. 聽濤克巳

    ○聽濤委員 ところが一方において、当局の方が管理部から出した者は、これは無資格者であると言われている、こういうことはお取調べになりましたか、関口しげがそうでないというならば‥‥。それではスイッチ云々ということは調べておりますか。
  974. 細野良久

    細野証人 もちろん調べております。
  975. 聽濤克巳

    ○聽濤委員 それでどういう結果になつておりますか。
  976. 細野良久

    細野証人 管理部から派遣された人はちやんと乗るべき車掌であります。
  977. 聽濤克巳

    ○聽濤委員 ところがスイッチのひねり方も知らなかつたというような車掌だそうですね。
  978. 細野良久

    細野証人 電車はその車掌によつてちやんと行つてちやんと帰つて來ております。
  979. 聽濤克巳

    ○聽濤委員 電車の中で車掌に対して私は何も知らないのだから教えてくれと言つたところ運轉手がそれじや困るじやないかと言つた。乗客の中でもそういうしろうとの車掌に乗つてもらつちや困ると言う人があつたということも事実上現場に起つていたというのです。だからあなたの言うようにそう簡單な問題じやないと思いますが、あなたが関口しげが無資格者だというのならばこつちの方もほんとうに責任を持つて調べなければならぬ。また一方あなたが檢束なさつたよう人たちが業務妨害ならば、公安官もやはり業務妨害をやつているということを説明ができるように、もつと責任をもつて調べなければならぬ。
  980. 細野良久

    細野証人 御意見として拜聽いたします。
  981. 神山茂夫

    神山委員 先ほど外郭團体名前をいろいろおあげになりましたけれども、一つただしておきたいのですが、日本青年共産党員というのがありましたね。
  982. 細野良久

    細野証人 これは報告にそう書いてあるので、報告の間違いです。しかしこれは今どういう名前になつておりますか、青年共産党はいつも名前がかわるのでわからないのですが、そちらの方がかえつて御存じかと思います。(笑声)
  983. 神山茂夫

    神山委員 それを知つているから私はあなたに訂正してもらう必要があると思つて聞いたのです。
  984. 細野良久

    細野証人 確か民主主義青年連盟ですか。これは私の情報ですから‥‥。
  985. 神山茂夫

    神山委員 從つて今私が指摘した日本青年共産党員というものは、あなたの方もお認めになつているように、現在そういうものはない。あなたも日本青年共産党員というものはなかつた言つている。これは、あなたが惡いのではなく、多分報告が惡いのだと思うけれども、外郭團体の中にもそういうものはなかつた名前が違つているのだということはあなたも御承知でしよう。
  986. 細野良久

    細野証人 知つております。
  987. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それでは済みました。御苦労さんでした。     —————————————
  988. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 戸田芳夫さんですね。あなたは今國鉄の千葉に勤めておいでになるようですが、何をやつておいでになるのですか。
  989. 戸田芳夫

    ○戸田証人 千葉駅の小荷物係りです。
  990. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 國鉄労組千葉支部の執行委員長ですか。
  991. 戸田芳夫

    ○戸田証人 そうです。
  992. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 本年六月の初めに新交番制実施するということで、千葉駅ではずいぶんごたごたが起つたようですが、それに対してあなたはどういうことで関與なさいましたか。
  993. 戸田芳夫

    ○戸田証人 千葉駅でごたごたが起つたと言われても、質問の内容がはつきりわかりませんから、もう一度具体的におつしやつていただきたいと思います。
  994. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 千葉車掌区においては六月の初めから新交番制実施しようとするし、組合員の方ではこれに反対して、いろいろなことが起つたということですが、これにあなたは御関與になりましたか。
  995. 戸田芳夫

    ○戸田証人 関與いたしました。
  996. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 どういう程度に関與なさいましたか。
  997. 戸田芳夫

    ○戸田証人 当時私は千葉支部の書記長をやつておりました。その立場から直接これに関與いたしました。
  998. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 あなたはいつから執行委員長になられたのですか。
  999. 戸田芳夫

    ○戸田証人 昨日改選をされましてなりました。
  1000. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 そうすると一昨日までは書記長をやつてつたのですね。
  1001. 戸田芳夫

    ○戸田証人 そうです。
  1002. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 そこで車掌区のことでありますが、どういうところからいろいろな問題が起つて参りましたか、あなたが関與せられた程度でいいのですが‥‥。
  1003. 戸田芳夫

    ○戸田証人 六月の五日から新しい交番制実施されるが、その新しい交番制が非常に苛酷である、こういつたところから問題が発展をして來たというふうに考えております。
  1004. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それでは今苛酷とおつしやつたが、これに反対する人の主張の論拠は、労務が苛酷だという点ですか、まだそのほかにも何かありましたか。
  1005. 戸田芳夫

    ○戸田証人 この新しい交番制反対をする者の主張は、まず第一番目に、新しい交番を行いますると、一週間連続して家に帰れないような場合もある。もう一つ理由は、つまりこれが間接の首切りに結びつくものである。こういつた点から強く反対をされておりました。
  1006. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 そこで五日の日に車掌区長の方でたいへん問題が起つたようですが、第一、車掌区長に朝から組合員がいろいろ交渉したそうですが、そこであなたお立会いになりましたか。
  1007. 戸田芳夫

    ○戸田証人 立会つておりません。
  1008. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それから分会の者が來て区長にいろいろ迫つたようですが、その点は知つておりますか。
  1009. 戸田芳夫

    ○戸田証人 あとになつて聞きました。
  1010. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 どういうものが來ておつたか、お聞きでしたか。
  1011. 戸田芳夫

    ○戸田証人 私は單に友誼團体外郭團体から應援に來た、こういう程度に聞いております。
  1012. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 具体的にはどこの團体ですか。
  1013. 戸田芳夫

    ○戸田証人 どこの團体かということははつきり存じておりません。
  1014. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 どれほど來たか聞いておりませんか。
  1015. 戸田芳夫

    ○戸田証人 記録を調べます。——私が聞いたところによると、約四、五十名というふうに聞いております。
  1016. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 どういうことを区長迫つたと聞いておりますか。
  1017. 戸田芳夫

    ○戸田証人 これについてはいろいろ言う人がありまして、六月九日の日に千葉車掌区で臨時大会を開いたわけです。その席上において、昨日証人として喚問された前の区長の若宮氏が脅迫されたということをはつきり言明しております。それについて、脅迫されたといううわさも私は開いておりますと同時に、脅迫されていないというようなうわさも聞いております。それがはたして脅迫であるかいなかということについては、われわれまだ直接これは調べてはありません。しかし六月五日以後管理部長と千葉支部が交渉を持ちました際に、六月五日に千葉車掌区長は、新しい交番を一應保留して、昔の交番でやる、こういつたことについては、これは両者の話合いの結果行われたものであるというふうな確約を部長からとつております。われわれは現在は脅迫によつて行われたものではない、こういうふうに解釈したいと考えております。
  1018. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 あなたの意見ですね。
  1019. 戸田芳夫

    ○戸田証人 そうです。
  1020. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 なおその日の実情はそれ以上御承知ありませんね。
  1021. 戸田芳夫

    ○戸田証人 ありません。
  1022. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 ところがそれに基いて今おつしやつた九日の日にも車掌区分会の大会を開いたようですが、その事実は御承知ですか。
  1023. 戸田芳夫

    ○戸田証人 存じております。
  1024. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 そのときにも外郭團体がずいぶん大会に入つて來たそうですな。
  1025. 戸田芳夫

    ○戸田証人 入つ來ておりました。
  1026. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 あなたは出られたのですか。
  1027. 戸田芳夫

    ○戸田証人 私は当日出席をしております。
  1028. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 あなたもこの組合員になるのですか。
  1029. 戸田芳夫

    ○戸田証人 その大会の組合員にはなつておりませんが、國鉄労働組合の規約によりますと、上部機関の役員は下部のいろいろな会議出席して自由に発言してよろしい、こういう規約がありますので、われわれはしばしば各分会あるいはそのさらに下の組織の班の大会、あるいは職場大会出席をして、われわれの考えを発表し、指導して來ております。從つて私は組合員ではないけれども、上部機関の役員として、当日参加しております。
  1030. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 ところがその大会にも、傍聽者というか、應援というか、外郭團体の人がたいへん入つてつたそうですが……。
  1031. 戸田芳夫

    ○戸田証人 入つておりました。
  1032. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 おもにどういうものが入つておりましたか、その外郭團体はどういう外郭團体ですか。
  1033. 戸田芳夫

    ○戸田証人 どの團体ということは正確には申し上げられませんけれども、千葉縣には縣の労働組合会議というものがありますが、この縣労働組合会議関係團体組合員であろうと私たち考えております。しかし正確には確かめておりません。
  1034. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 いくつもの外郭團体があつたようですか。
  1035. 戸田芳夫

    ○戸田証人 團体の数はわかりませんけれども、当日集まりました人間の数は大体百名程度ではなかろうかとわれわれは数えております。
  1036. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 そこでその大会ではいろいろな決議が行われたようですが、主として旧交番制で行くか、新交番制で行くかということのようでしたが、その結果どういうことになりましたか。
  1037. 戸田芳夫

    ○戸田証人 その六月九日の千葉車掌区の、臨時大会において、新しい交番によつてやるか、あるいはこれをあくまでも拒否してやつて行くか、こういうことを採決をしました結果、百十四票対二十四票で新しい交番は拒否すると決定をしております。
  1038. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 そのときに、いろいろ外郭團体からあおられたり、騒がれたりしたので、実際自主的の決議ができなかつた、と言う人もあるようですが、その点はいかがですか。
  1039. 戸田芳夫

    ○戸田証人 自主的な決議ができなかつたかどうかという問題については、ほかからもいろいろな見方が成立ちますが、ただいまおつしやいましたようなあおられたとかそういう事実はなかつたものと私たち考えております。つまり、百名内外の集まつた外郭團体の労働者諸君は、靜粛であつたことは事実であります。今までの大会に見られたようにやじるとか、脅迫めいた言動をするというような事実は、当日の大会に見られませんでした。
  1040. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 もつと端的に言うと、そういうものが來ていると來ておらぬとで、空氣がかわるというようなことは認められませんでしたか。
  1041. 戸田芳夫

    ○戸田証人 ただいまの点でありますが、この外郭團体は確かにその場で煽動するようなことはやつておりません。しかしその当日の分会の大会の会場をちよつと御説明申し上げませんとおわかりにくいと思いますが、大体この委員会と同じように、代議員がずつと前の方に並んでいる。そのすぐうしろに傍聽者が約百名、これは外郭團体でありますが、詰めている。そういう中で現在の組合員の意識の状態によりますと、やはり相当無言の圧迫は受けているであろうと私たち考えております。
  1042. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 もつと言うてみると、まじめな組合員からいつたら、そういうものに來られたことが迷惑だということになりはしませんか。
  1043. 戸田芳夫

    ○戸田証人 その点で申し上げますが、六月五日の当日において外郭團体車掌区の中に入つたということで、いろいろな問題がとりさたされておつた。そのために六月九日の分会の大会においては一部の代議員から、傍聽者を全部会場から去らしてもらいたい、こういう要求が出まして、一旦引下らせました。その後いつの間にかまた入り込んで來た。こういうのが事実でございます。それが当日参加をいたしました千葉車掌区の組合に対して、無言の圧迫を加えたように考えた。これは私個人の考えでございます。
  1044. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それから六月十日に駅のホームにおいて省線電車が出ようとするときに、ずいぶん紛爭が起つたようですが、この点に対してあなたは現場におられましたか。
  1045. 戸田芳夫

    ○戸田証人 現場に出ておりません。当日私たちは文部の委員会を開きまして、千葉車掌区の問題をどう收拾するか、こういうようなことを朝十時から審議をしておりましたので、その千葉駅の紛爭については私たち直接見ておりません。
  1046. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 どうして起つたのか、どういう現状だつたかということを、何かお知りでしたら、そのお知りの範囲で……。
  1047. 戸田芳夫

    ○戸田証人 当日、六月十日に千葉の管理部においては新しい交番を強行しようとしたわけであります。千葉管理部長の業務命令として、多分六月十日だつたと思いまするが、六月十日から新しい交番によつて全部乗務せよ、こういうような業務命令が出されました。しかし、千葉車掌区分会、つまり組合側においては、あくまで古い交番によつてやれこういう指示をやつておりましたので、千葉車掌区の職場の中においては、つまり新しい交番で乗ろうとする人と、古い交番によつてあくまでも乗ろうという人の二つがあつたわけなんです。從つて一つ電車の中に、新しい交番によつて乗る車掌と、古い交番によつて乗る車掌との二つがかち合つた。そこで古い交番による車掌を乗せるために、新しい交番で乗つた車掌乗務を拒否しようとした、あるいはまた、そういうことをするためにスクラムを組んだ、こういうような話は後刻聞いておりました。
  1048. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 ところが旧交番制で乗つた車掌をおろそうとするし、おろすまいとして、ずいぶん爭つたようですが、そのときに、その爭いの中に入つた者も、主として外郭團体であつたということですが、その点はお聞きになつておりますか。
  1049. 戸田芳夫

    ○戸田証人 その点は聞いておりますが、單にうわさ程度にしか聞いておりません。
  1050. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 どういう外部團体であつたということも御承知ございませんか。
  1051. 戸田芳夫

    ○戸田証人 これは、その当日公務執行妨害ですか、業務妨害ですか、何らかの名目で三十数名檢束されておりますが、大体その檢束されておる者の所属する團体がそれに参加しておるだろう、こういうように想像してさしつかえないだろうと思います。
  1052. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 おもなる團体はどういうものだつたと記憶しておりますか。
  1053. 戸田芳夫

    ○戸田証人 正確にはわかりません。
  1054. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 どうしてこういう外郭團体が來たかということはお聞きになつておりませんか。
  1055. 戸田芳夫

    ○戸田証人 それについては聞いておりません。
  1056. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 全然知らない。
  1057. 戸田芳夫

    ○戸田証人 はい。
  1058. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 では吉武君。
  1059. 吉武恵市

    ○吉武委員 一言お聞きをしたいのですが、あなたは六月五日にいろいろな外郭團体の人々と一緒に、車掌の一部の者が区長に面会した。あの件には立会つておられないのですか。
  1060. 戸田芳夫

    ○戸田証人 立会つておりません。
  1061. 吉武恵市

    ○吉武委員 五日に外郭團体はそれに参加をしているが、国鉄労組の支部の書記長さんの方には、六月六日にそういう折衝はなかつたのですか。御存じないですか。
  1062. 戸田芳夫

    ○戸田証人 そういう大きな紛爭については、事後に私たちは報告を受けております。しかしこの問題がいろいろな形で当局との交渉、あるいは車掌区長との間の交渉、こういうふうに行われているということは前もつてつております。
  1063. 吉武恵市

    ○吉武委員 私がお聞きしようと思うのは、外郭團体が應援に出かけておるが、外郭團体が應援に出かけておれば、縣の直接の支部からも、案内なり應援が求めらたはずじやないかと思うのですが、そういう事実があつたかなかつたか、お聞きしたいのです。
  1064. 戸田芳夫

    ○戸田証人 事実はありません。
  1065. 吉武恵市

    ○吉武委員 そうすると、車掌区の現場の者が直接外郭團体に呼びかけたと見てよいわけですね。
  1066. 戸田芳夫

    ○戸田証人 その通りであります。
  1067. 吉武恵市

    ○吉武委員 六月十日の朝、いろいろ業務妨害の件で檢挙された事実があつたのですが、その日もいろいろ外郭團体が参加をしておりますが、その日もあなたの方には連絡がなかつたのですか。
  1068. 戸田芳夫

    ○戸田証人 連絡はありません。
  1069. 吉武恵市

    ○吉武委員 そうすると、直接外郭團体に連絡をしたと見ていいわけですね。
  1070. 戸田芳夫

    ○戸田証人 その通りであります。
  1071. 吉武恵市

    ○吉武委員 よろしゆうございます。
  1072. 大橋武夫

    ○大橋委員 証人は六月五日、それから六月十日等のこういう紛議のやり方、これが組合員の利益のためにどういう効果を持つてつたと判断されますか。これが組合員のためによかつたか、惡かつたか、その点についての効果はどう判断しておられますか。
  1073. 戸田芳夫

    ○戸田証人 ただいまの点は、やはり私の主観になりますので、できますならば差控えたいと考えております。
  1074. 大橋武夫

    ○大橋委員 その主観的なことをお伺いしたいと思うのです。
  1075. 戸田芳夫

    ○戸田証人 委員長にお伺いしますが、そういうような点に対する証言を拒否した場合はどうなります。
  1076. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 いやならいやでよいのです。それはおさしつかえなかつた言つてくださいという程度で‥‥。
  1077. 戸田芳夫

    ○戸田証人 その点については答えたくても、私が今まで申し上げておりまする言葉の中で大体おくみとりいただけるだろうと考えております。
  1078. 大橋武夫

    ○大橋委員 この爭議の結果組合としてはどれだけの犠牲を拂いましたか。
  1079. 戸田芳夫

    ○戸田証人 九名が業務命令違反として馘首をされました。と同時に國鉄の職員としては六名が檢束をされております。
  1080. 大橋武夫

    ○大橋委員 こういう馘首者並びに檢束者が出るについては、部外の外廓團体人たちの行為が相当そういう結果を引起すような原因をなしておるということはお認めになれますかしら。
  1081. 戸田芳夫

    ○戸田証人 私個人としては認めます。
  1082. 吉武恵市

    ○吉武委員 將來の労働組合の発達のために、こういう外郭團体がこういうふうな非合法的な行為もつて(発言する者あり)應援するという行き方は、これは決して組合のためにはいい結果をもたらさないだろう、こういうふうに私は考えるのでありますが、組合員の多数の人はどういうふうに考えておるとお認めになりますか。
  1083. 戸田芳夫

    ○戸田証人 ただいまの点でありまするが、ほかの事実をもつてお答えをしたいと思います。六月の十日にこの問題を收拾するために支部の委員会を開きましたが、そこにおいては、情勢を判断しました結果、不満ではあろうけれども新しい交番によつて乗務せよという、こういう指令を発しておりまするので、その指令を発したということで、ただいまのお答えにかえたいと思います。
  1084. 鍛冶良作

  1085. 神山茂夫

    神山委員 今の大橋君の質問にすぐ関連するので、お尋ねいたしますが、今の尋問の全体の感じは、おわかりになつておりますように、外郭團体ということを、この民自党の委員諸君が非常に気にしている。組合運動のことはわからないからね。あなたは六月八日の第二十二回の闘爭委員会で、部内に対しては情報宣傳部で一定の意識的な働きかけをするということを村田さんが言つた。そのあとを受けて、あなたは、部外に対する宣傳も行わなくてはならない、これに全員異議なし、この仕事は情報宣傳部長に一任するというふうになつておりますけれども、この点いかがですか。
  1086. 戸田芳夫

    ○戸田証人 六月の八日に、闘爭委員会を開きまして、そこでその千葉車掌区の問題につきまして、現在紛爭しておるこの眞相を大衆に訴えて、大衆の協力を求めたい、こういう意味で外部に対する働きかけをしたい。そこでビラの印刷、配布を決定をしております。しかし外郭團体との提携については当日も決定されておりません。
  1087. 神山茂夫

    神山委員 私がお尋ねしたのは、外郭團体の問題について直接お尋ねをしたのではなくして、あなたが今お答えになつた、すなわち國鉄の問題について部外にやはり宣傳する必要があつたのではないか、またそれがなくしてはあなた方の要求も通らないのではないか、この点あなたがお認めになつたからこそ、これを提案になつたのでしよう。これを聞いているわけです。
  1088. 戸田芳夫

    ○戸田証人 その通りでございます。
  1089. 神山茂夫

    神山委員 從つて、あなたがなすつたかどうかは別として、そういうふうな呼びかけに支部として現に——千葉縣労働組合会議がある。これはあなたの方も入つていらつしやるでしよう。
  1090. 戸田芳夫

    ○戸田証人 千葉縣の労働組合会議には、國鉄の労組は加盟しておりません。
  1091. 神山茂夫

    神山委員 しかし友誼的な関係をもつて應援に行つたということは了解できますか。
  1092. 戸田芳夫

    ○戸田証人 私、今まで三年間組合運動をやつて來ましたが、縣の労働組合会議には、当初は入つておりましたが、私はこれを脱退せよと最も強く主張した一人でありますし、現在におきましても、これと強く提携をしたい、こういう意向は持つておりません。当時におきましても、私たちは縣労会議とは提携するような意思を強くは持つておりません。
  1093. 神山茂夫

    神山委員 非常に名答弁でわかつたのですが、そこであなた加瀬さんとお知合いですか。
  1094. 戸田芳夫

    ○戸田証人 昨日証人に参りました加瀬勝運君とは面識がある上また親交を続けております。
  1095. 神山茂夫

    神山委員 あなたがいろいろな点で加瀬さんと御協力なさつているというようなことを言つておりますが、そういう事実がありますか。
  1096. 戸田芳夫

    ○戸田証人 どういう意味の協力かわかりませんが、陰に陽に協力しております。
  1097. 神山茂夫

    神山委員 それで今あなたのおつしやつた外部から來た人が九日の日は静粛であつた、これは事実ですね。ただそれを組合員の一部から、——どういう一部か問題ですが、これが無言の圧迫を受けたであろうということを個人の見解としておつしやるのですね。
  1098. 戸田芳夫

    ○戸田証人 そうです。
  1099. 神山茂夫

    神山委員 それで、けつこうです。六月五日のことにも関連しますが、あなたも御承知のように、若宮さんは檢察廳でもあるいはこの委員会でも脅迫された、殺されそうだつたという証言をしている。ところが一方ほかの組合員諸君に言わせれば、それどころか一緒に泣いて手を取合つて、なんとか一緒にやつて行こうじやないかという話もあつた。これに基いて五日の晩ですか、若宮さんが組合員の利益を守るために旧交番制を実行しようというようにおつしやつたと聞いているのですが、今あなたの御証言の中でも、管理部長も一應間接的ではありますが、両者の間の話が一致していたというふうに言われるのでしよう。
  1100. 戸田芳夫

    ○戸田証人 ただいまの点は管理部長からは確めておりません。しかし今の点に関連して申し上げまするが、六月五日に外郭團体に取巻かれて云々というようなことについては、区長は六月九日の分会の大会の劈頭におきまして次のようなことをはつきりと申しております。六月の五日に車掌区分会の要求に同調をしたその当時、私は身に危険を感じ、恐怖心にかられておつた、かつて三日間ほとんど寝ていなかつたために精神状態がもうろうとしておつた、この二つ理由で、何とか急場を切抜けて行きたい気持で同調した。こういうことをはつきりと申し上げております。
  1101. 神山茂夫

    神山委員 それはこの委員会でも言つておるのですが、多分九日の日には言つたでありましよう。しかしその九日の日になる前に檢察廳に二日ないし三日行つていることはあなたも御承知だろうと思います。從つて私が聞きたかつたのは五日のことなのですけれども、五日の場合両方の言分があつたのではないか。これがなければどうしてあの区長の首がなくなつた場合に、二百万円もカンパをするというような決定が行われるか、常識上考えられないのでお尋ねしたわけなのです。
  1102. 戸田芳夫

    ○戸田証人 つけ加えて申し上げまするが、六月五日の直後におきましてこの車掌区の分会長の山本長之助君という人がわれわれの事務所に参りまして、ただいま区長が私たちの手をとつて涙をこぼして同調を約してくれた、こういうことを言つております。それ、で六月の九日になりますと、分会の大会において車掌区長がそれとまつたく違うようなことを言つた。率直に申し上げまするが、この山本君という人は共産党員でありますし、車掌区の分会の大体のリーダーシップをとつておりまする者は共産党員でございます。今までの共産党の諸君の考え方あるいは言動によりますると、かりに六月九日に車掌区長が、こうした前言をひるがえすような、つまり組合側の信義を裏切るような発言をした場合には、おそらく車掌区の組合員の諸君あるいは指導者の諸君は黙つていないのが当然だろうと思います。しかしその当日、六月九日の劈頭において車掌区長がこういうような、つまりまつたく裏切りのような言葉を述べたことについて、山本君あるいは本日参りました中島君その他車掌区の有力な指導者諸君はもちろんのこと、全組合員は一言もこのことについては触れていないということについて御了解をいただきたいと存じます。
  1103. 神山茂夫

    神山委員 そこでお尋ねしますが、六月九日にはあなたは一番初めから一番最後までいらつしやつたわけですか。
  1104. 戸田芳夫

    ○戸田証人 一番最初から最後までおりました。
  1105. 神山茂夫

    神山委員 そうすると中島君が先ほど來てここで言つた場合に、区長からそういう話があつたということははつきり記憶しないというふうに‥‥。
  1106. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 むしろそういうことはないと言つている。
  1107. 神山茂夫

    神山委員 はつきりしないというふうに言つているのですが‥‥。
  1108. 戸田芳夫

    ○戸田証人 申し上げまするが、私は当日非常に重大な情勢でありまするので、他の闘爭委員約四、五名を連れまして、最初から最後までこの分会の大会に参りまして、かつ戰術轉換の必要を力説いたしました。そこで私ははつきりとこの車掌区長の言明を聞いております。そうしてこれが非常に重大な言明でありまするので、私はその内容をそのまま筆記してここに現に記録として持つております。
  1109. 神山茂夫

    神山委員 けつこうです、それではついでにもう一つお尋ねいたしますが、十一日に鈴木助役が來て、十二日から新交番制を完全に実施するということを言つたことは御承知ですか。
  1110. 戸田芳夫

    ○戸田証人 ただいまの鈴木助役というのはどこの方でしようか。千葉車掌区には多分鈴木助役という方はおらないと思います。
  1111. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 首席助役言つたのではないですか。
  1112. 戸田芳夫

    ○戸田証人 鈴木という人はおらぬですが、首席助役はおります。
  1113. 神山茂夫

    神山委員 私の間違いか、ここに鈴木助役と書いてありますが、それは首席助役でもいいのですが、あなたが九時に業務命令があつて、九日からやれというふうに言われたが、しかし十二日から実施するように自分の方では話をつけて業務命令を発したという事実はございませんか。
  1114. 戸田芳夫

    ○戸田証人 そういう事実はございます。
  1115. 神山茂夫

    神山委員 それは首席助役ですか。
  1116. 戸田芳夫

    ○戸田証人 この点については、私はその日に分会の大会が車掌区の二階でありまして、そういうことは車掌区の下の区長室あるいは助役の事務室で行われたのでありまして、私は後になつて聞いたことを申し上げたいと思います。一番最初千葉の管理部長は、六月十日から新しい交番に切りかえて、ぜひともこれによつて乗務せよという強い業務命令を出しております。その後において千葉車掌区長、昨日証言に参りました若宮氏が、はつきり文面は記憶しておりませんが、十二日から新しい交番に全面的に切りかえる、こういう意味の提示は出しております。しかしこのことについてはただちに撤去したように聞いておりますが、出したことは事実でございます。そのことについて非常に食違いがありますので、その後において私が若宮氏と直接会いましていろいろ眞意を聞きましたところ、それはこういう意味でございます、六月十二日から全面的に切りかえる、しかしその日から、つまり六月十日からできるだけ切りかえて行つて、六月十一日に全面的にきりかえる、こういうような意味で出したのでありますが、文面が非常にまずかつたためにいろいろ誤解を生んだ、こういうことを申しておりました。
  1117. 神山茂夫

    神山委員 それはあなたもそういうふうにお聞きになつたし、ここで私が聞いたことによつてもそういうことはあるわけです。一方では十二日からやるというふうに、首席助役名前はどうでもいいですが、そこに立つて組合員諸君の前で組合代表と会われたときには十二日から完全に実施するというふうに言われたらしい。ところが一方では、これは吉原さんも御承知でありましようが、吉原君に対して区長や、首席助役は十二日までに完全に実施するというふうに言つている。すでにこういう食違いがあつた。このことはすでにあなたも御承知だろうと思います。
  1118. 戸田芳夫

    ○戸田証人 そういう食違いがあつたことは率直に認めます。
  1119. 神山茂夫

    神山委員 しかも今言つたよう組合員の面前では九日からというのを十二日というふうに助役さんが言つているのですから、従業員諸君の眞劍に考えられたことは、反対の意思表示とは一應別に、事実としてあつたわけじやないのですか。もつと簡單に言いますと、十二日から新交番制実施されるのだというように一般組合員諸君は思つていたのじやないかということなのです。
  1120. 戸田芳夫

    ○戸田証人 その点は六月の九日の分会の大会最中に、事掌区のだれでありましたか、闘爭委員の一人が、六月十二日から実施をするということを大会の席で発表しております。その言葉を私たちも聞いたのであつて、ちよつと驚いたのでありますが、その言葉によつてわれわれが率直に受けた感じは、六月十二日までに延期された、つまり組合の力によつて六月十二日まで問題が延びた、こういうふうにわれわれは感じておつた。ところが千葉車掌区長の言明はそうではなくて、翌日から切りかえるのでありますが、車掌区の業務の特異性ですぐ切りかえられない、從つて十二日には完全に切りかえる、それまではできるだけ、こういうような意味で出した。問題の原因はやはり当日千葉車掌区長が出した文面が相当あいまいであつたために誤解を招いたものであろう、こういうふうに解釈しております。
  1121. 神山茂夫

    神山委員 その上に立つてこれが訂正されたのが、あなたも御承知のように九日の夜十一時前後のことでしたね。十日から実施するというように改められたのは、この点お聞きになつておりませんか。九日の八時に区長は管理部に呼びつけられて、どうしても即時にやれと言われて、帰つて助役相談して考え抜いた結果、十一時前後にその決心をしてやる腹になつたということをここでも言つておるわけです。
  1122. 戸田芳夫

    ○戸田証人 六月九日に千葉縣の車掌区長が管理部長から受けた業務命令は、すみやかに新交番実施せよというような関係方面の指示があつたから、明十日朝から新交番実施せよ、こういうような業務命令を傳えたのだそうであります。
  1123. 神山茂夫

    神山委員 それによつて区長がこれを実施するというふうに言つたのが十一時前後だというように言われておる。この点お聞きにならなかつたのですか。
  1124. 戸田芳夫

    ○戸田証人 そんなにおそくはなかつたと私は考えております。分会の大会の終らないうちに、ただいま申し上げましたようないろいろな食い違いが統一されたものと解釈しております。
  1125. 神山茂夫

    神山委員 そうすると、あなたの考えでは、分会の大会が終らない前に意見がまとまつていた‥‥。
  1126. 戸田芳夫

    ○戸田証人 意見がまとまつていたというよりも、車掌区長が誤解を招きやすいような文面を出した。それについて分会の大会が終了しないうちに、また車掌区長が統一された考え方を出した。つまり先ほど申し上げましたように十一日まで問題が延びたのではなく、十二日には全面的に切りかえる。それまではあしたからできるだけ切りかえるのだ、こういうような趣旨を統一されて発表し直した。こういうふうに考えております。
  1127. 神山茂夫

    神山委員 そこはわかりました。私が聞いているのは、そのあとなんだ。その夜八時半ごろというふうに言つたと思います。これは記憶ですから時間は少し違つておるかもしれませんが、管理部から呼び出されて、明日から完全実施せよというように言われたことがあるらしい。これについてあなた方は詳しいわけだが、私たち区長さんに聞いたら三日間準備があればできる、從つて十二日からなら全部やれるのを繰上げて十日からやるという腹になつたのが十一時ごろだというふうに言つておるわけですが、この事実をあなたは御承知ないですか。
  1128. 戸田芳夫

    ○戸田証人 この事実は、私ははつきり聞いておりませんが、こうだろうと思います。つまり六月九日の朝に車掌区長が発表の不手ぎわからいろいろな誤解を生んだ。そういうようなことをもう一度統一させるために、千葉の管理部長が車掌区長に対して再度業務命令を出したのじやなかろうか、こういうふうに考えております。
  1129. 神山茂夫

    神山委員 それを私が聞いたところを補足しますと、考えてみた結果実施いたしますというような腹になつたのが十一時ごろだつたというのですが‥‥。
  1130. 戸田芳夫

    ○戸田証人 その点については存じておりません。
  1131. 神山茂夫

    神山委員 それからもう一つお尋ねしたいのは、新交番制と首切りの関連ですが、超党派的であるべき本委員会で、民自党の諸君が一番氣にしているのは、新交番制実施されるということは、すぐ首切りになるということを一部の者が宣傳したと言つておる。ところがここに来る從業員諸君が言つているのは、自分たちはそんなことはわからぬ。山崎君のごときは全然わからぬ、ただ一生懸命交渉に行つた。新交番制は非常に労働強化になるから、首切りしてくれるなよと言つて頼むと確答を與えない。それで一つ間違うと、首切りの一環になると考えるようになつたというのですが、あなたのお考えはどうですか。
  1132. 戸田芳夫

    ○戸田証人 新しい交番制の問題は、間接には首切りと関係があるということは率直に認めます。しかし問題の起りました当初は、千葉車掌区分会の言い分は、首切り問題を表面には出していなかつた。つまり新しい交番が非常に勤務過重である。從つてこれを緩和してもらいたい、こういう意味で強く主張されておつた。ところが問題が進展するにつれまして、新しい勤務制がつらい、つらくないの問題を飛躍いたしまして、首切り反対というふうに轉化しておつたことは事実であります。從つて車掌区長に対する要求、あるいは千葉の管理部長に対する交渉、そういつた面については新しい交番制をかえろとか、かえないとかいうことは、むしろ第二義的になりまして、首切りを撤回する、あるいは撤回せよ、あるいはまた首切りしないことを確約せよ、こういつたところに問題のテーマが移りつつあつたということは事実でございます。
  1133. 神山茂夫

    神山委員 そこであなたに御確認願いたいのですが、やはり六月八日の十時四十分からこの第二十二回闘爭委員会で戸田さん自身、首切りの一環であるからその旨を確認しなくてはならないというふうに御発言がありまして、一同がそれを確認したというふうに、私たち記録を読んでおるわけですが、これは事態の発展の結果、おのずからここに至つたのじやないでしようか。
  1134. 戸田芳夫

    ○戸田証人 そうだろうと思います。
  1135. 神山茂夫

    神山委員 それでけつこうです。聞きたいことはたくさんあるのですが、あなたもお疲れになつておるし、今日おそくなると、皆さん大分お帰りをお急ぎの事ようですから、私、あと一つ二つでやめたいと思います。  戸田さん、あなた、長島一さんを御承知ですね。
  1136. 戸田芳夫

    ○戸田証人 存じております。
  1137. 神山茂夫

    神山委員 長島一さんからこういう話をお聞きになつたことはありませんでしようか。考査委員会から調べに來た、実は戸田芳夫さんを、お訪ねして來たのですけれども、あなたがお留守だつたので、長島さんがかわりにお会いになつたということをお聞きになつたことはありませんか。
  1138. 戸田芳夫

    ○戸田証人 聞いております。
  1139. 神山茂夫

    神山委員 それはいつでしようか。
  1140. 戸田芳夫

    ○戸田証人 日にちは記憶しておりませんが、その直後だつたろうと私は記憶しております。
  1141. 神山茂夫

    神山委員 六月十五日でありますから、委員長、これを記録にとどめておいていただきたいと思います。すなわち本事委員会がこの問題を取上げない以前において、本考査委員会の調査員がわれわれの承諾なしに、独自にこういう活動をやつたということははつきりしております。  それで聞きにくいことになるのでありますが、戸田さんと加瀬さんと仲がどういうようになつておるかは別としまして、加瀬さんが自分でもここで述べられたのですが、指導助役というような役割をしておられたために、非常につらい立場に立たれておつた。ある場合、一つのジレンマに陥つて二重人格的なことをやつたということを本人は言われた、これはあなたは御承知でしようか。
  1142. 戸田芳夫

    ○戸田証人 加瀬君から直接そういう悩みは聞いておりませんが、加瀬君は指導助役と申しましても、兼務の助役でありまして、実際の問題とすれば、助役としての責任はそう大してないと考えております。
  1143. 神山茂夫

    神山委員 ほんとうは組合との関係で、組合の委員として活動される方がむしろ妥当じやないでしようか。
  1144. 戸田芳夫

    ○戸田証人 その通りだろうと思います。
  1145. 神山茂夫

    神山委員 ところが残念なことに、あの人は闘爭委員になつておられたにもかかわらず、組合との関係があまりうまく行かない。かえつて当局との関係が密接であつた從つて反労働者的だというふうに言われておると自分でもおつしやつたのですが、あなたはそういうことをお聞きになつたことはありませんか。
  1146. 戸田芳夫

    ○戸田証人 聞いたことはありません。
  1147. 神山茂夫

    神山委員 それではこのくらいにしましよう。
  1148. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 御苦労さまでした。     —————————————
  1149. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 若林秀二郎さんですな。
  1150. 若林秀二郎

    ○若林証人 はい。
  1151. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 あなたの御職業は何でありますか。
  1152. 若林秀二郎

    ○若林証人 共産党員であります。職業的に革命をやつております。
  1153. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 職業的に革命をやるというのはどういうことですか。われわれにはわからぬ。
  1154. 若林秀二郎

    ○若林証人 革命に専心しておるわけです。ちよつとわからないでしよう。
  1155. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 そこでよく言う職業というのは生活の資料を得ることですが、それはやはり共産党の革命運動をすることによつて得ておるのですか。
  1156. 若林秀二郎

    ○若林証人 そうですね。ここにおられる代議士の方もおそらく公職でやつておられるのでしよう。私も職業という定義をきめろと言われると困りますけれども、要するにそういうわけです。
  1157. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 そこであなたはその共産党ではどういう役を勤めておいでになりますか。
  1158. 若林秀二郎

    ○若林証人 縣委員で宣傳教育部長をやつております。
  1159. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 千葉縣のですね。
  1160. 若林秀二郎

    ○若林証人 そうです。
  1161. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 ほんとうの名前千葉縣の何というのですか。
  1162. 若林秀二郎

    ○若林証人 千葉縣共産党委員会宣傳教育部長です。
  1163. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 今年の六月五日ぐらいから、あるいはもつとその前からであつたろうが、特にやかましくなつたのは五日でしようが、千葉車掌区において新交番制の問題でいろいろ紛議が起つたようですが、そのときにあなたはそこへおいでになりましたか。
  1164. 若林秀二郎

    ○若林証人 大会の傍聽なんかに行つております。
  1165. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 そうじやない。車掌区で‥‥。
  1166. 若林秀二郎

    ○若林証人 だから車掌区の大会の傍聽です。そういうものには行つております。
  1167. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 いや、そうじやない。大会は六日ですが、五日に区長の方に何か談判に行つておりますね。
  1168. 若林秀二郎

    ○若林証人 五日は行つておりません。私は五日は千葉におりませんから‥‥。
  1169. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 相当ごたごたがあつたということはお聞きになりましたか。
  1170. 若林秀二郎

    ○若林証人 ええ、あとで聞きました。
  1171. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 どういうふうにお聞きになりましたか。
  1172. 若林秀二郎

    ○若林証人 そうですね、新交番制でもめておる。それで区長のところに交渉した。ところが区長の方が組合員の前で涙を流して一緒にやろうと言つたことをあとで報告で聞きました。
  1173. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 ところがその交渉に行つたのはだれが行つたか聞いておりますか。
  1174. 若林秀二郎

    ○若林証人 さあ、それは聞いておりません。
  1175. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 組合員でない者も行つたようだが……。
  1176. 若林秀二郎

    ○若林証人 さあ、そこのところは聞いていません。
  1177. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 ところがその次の六日の日に大会を開いたようですね。
  1178. 若林秀二郎

    ○若林証人 そうですね。詳細はあまりよく知らないのですがね。
  1179. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 今あなたが大会と言われたのは、六日の大会じやないですか。
  1180. 若林秀二郎

    ○若林証人 六日の大会には行きました。
  1181. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 その模様はどういう模様でしたか。
  1182. 若林秀二郎

    ○若林証人 模様は私は組合員でないからそうこまかいことは知らぬのだけれども、区長を守るということを何か決定した、そんなふうなことです。
  1183. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 ところがそのときも組合員以外の外郭團体の人がその大会に出席していましたか。
  1184. 若林秀二郎

    ○若林証人 そうですね。外郭團体もおそらくいたでしよう。
  1185. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 大分行つていましたか。
  1186. 若林秀二郎

    ○若林証人 そんなにはいないでしよう。
  1187. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 どのくらい……。
  1188. 若林秀二郎

    ○若林証人 そんなことまで知らぬですよ。
  1189. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 こまかいことまで知らない……。
  1190. 若林秀二郎

    ○若林証人 ええ。
  1191. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 相当といつてもおつたようですね。
  1192. 若林秀二郎

    ○若林証人 相当といつても、そうはいつていないでしよう。私の記憶では十名内外じやないかと思います。
  1193. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 あなたはどういう立場でそこへ出て行つたのですか。
  1194. 若林秀二郎

    ○若林証人 私は職名にある通り、教育室伝部長ですから、方々のニユースを聞きに行つたり、それから機関紙の記事をとりに行つたりする。それはどこの組合でも同じです。
  1195. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 機関紙のために何か通信のようなこともやつてつたのですか。
  1196. 若林秀二郎

    ○若林証人 そうです。
  1197. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 機関紙は主としてアカハタですか。
  1198. 若林秀二郎

    ○若林証人 そうじやない。共産党は民自党と違つて全國至るところに一縣一つづつの機関紙を持つております。
  1199. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 あなたはそこへ出て何か発言でもなさいましたか。
  1200. 若林秀二郎

    ○若林証人 いや、発言はしません。
  1201. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それから何か大いにやれとかなんとかいうことも言つたのではないですか。
  1202. 若林秀二郎

    ○若林証人 そういうことは言いません。
  1203. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 九日の大会ではどうでしたか。
  1204. 若林秀二郎

    ○若林証人 九日の大会に何かあつたのですか。
  1205. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 新交番制で行こうか。旧交番制のままで押そうかという……。
  1206. 若林秀二郎

    ○若林証人 行きました。そのときも同じです。私は別に仕事を持つておるので、——ニユースを集めに行くのだから、いつも黙つて傍聽しております。
  1207. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 そのときもやはり外郭團体の人はたくさん入つておりましたか。
  1208. 若林秀二郎

    ○若林証人 外郭團体をばかに氣になさるようですけれども、外郭團体といつても、前とそうかわらないのじやないですか。はつきり記憶しておりません。
  1209. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 要するに傍聽席の方へほかの車掌以外の者が入つておることなんです。
  1210. 若林秀二郎

    ○若林証人 それはいましたね。
  1211. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 どういうような人々がいましたか。外郭團体……。
  1212. 若林秀二郎

    ○若林証人 記憶しておりません。
  1213. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 あなた宣傳部長なら、たいがい知つているんじやないですか。
  1214. 若林秀二郎

    ○若林証人 そのときは知つてつても、今まで覚えておるわけに行きません。
  1215. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それではそれは覚えていないが、そのときも外郭團体の人は大いに氣勢をあげてやつてつたのではないですか。
  1216. 若林秀二郎

    ○若林証人 そうですね、まあ組合のことをよく知らない方は労働組合はこういうものかというのでわあわあ騒いでおりましたが、この考査委員会よりずつと静かです。ですからそんなには騒いではおりません。眞剣に聞いていますよ、労働者は自分の食う問題ですから……。
  1217. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 あなたは初めから終りまでおつたのですか。
  1218. 若林秀二郎

    ○若林証人 大体いました。
  1219. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 ところが、あなたはそう言われるけれども、外部の人が入つてつたのでは正常な意思表示ができないから出てもらおうという説が出て、出てもらつたのではないですか。
  1220. 若林秀二郎

    ○若林証人 そのときは出ておりました。
  1221. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 そうすれば何でもない、出てもらわぬでもおとなしく待つておればよかつたのが、何か困つたことがあつたんでしよう。
  1222. 若林秀二郎

    ○若林証人 そんなばかなことはないですよ。どこをつかまえてそういうことを言われるんですか。
  1223. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 出てくれと言つたことは事実でしよう。
  1224. 若林秀二郎

    ○若林証人 それは事実です。
  1225. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 どうしてそういうことを言つたのですか。
  1226. 若林秀二郎

    ○若林証人 それは組合員の一部です。そのときはたしか加瀬君がそういう動議を出した。ところか加瀬君というのはあの中ではまあ札つきの連中だ。だからこれはほんの一部ですよ。だからあとでは傍聽をもう一回させるという決議をちやんとした。それで私たちは会場のうしろに行つておとなしく傍聽しておつたというわけです。
  1227. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 いや、傍聽されておるというのは、一ぺん出したのに、そのうちまた黙つてつてきたのではないですか。
  1228. 若林秀二郎

    ○若林証人 じようだんじやない。会場にはいません。
  1229. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 だから出たが、またその次にいつの間にか入つて來た。
  1230. 若林秀二郎

    ○若林証人 そうじやない。その動議が出て、それで入つて來た。そんな失礼なことはしません。
  1231. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 けれども戸田という人はさいぜんそう言つたですよ。
  1232. 若林秀二郎

    ○若林証人 戸田君はどうか知らぬが、私の記憶しておるところは間違いありません。
  1233. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 ところがその翌十日に今度は停車場のホームで相当爭議がありたようですがそのときは、あなたはおいでになりましたか。
  1234. 若林秀二郎

    ○若林証人 私はホームに駆けつけました。
  1235. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 そのときの模様をひとつ言つてください。どういうことからどうやつてどういうことになつたか……。
  1236. 若林秀二郎

    ○若林証人 そうですね、あのときに氣がついたのは、町の人がばたばたし出しましたから、それでぼくは飛び出してみたわけです。今ごろ労働者の彈圧というものは、はやりですから、これはまた何かしでかしたというので、ぼくはしよつちゆうニユース記事をとりに行きますから、駅の中に入つて見ておつたわけですよ。
  1237. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 そしたらどういうことだつたですか。
  1238. 若林秀二郎

    ○若林証人 そのときには電車のまわりでわあわあ言つおつてそこで檢束、その辺まで見たのですがね。
  1239. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 どういうことから檢束するようになつたんですか。
  1240. 若林秀二郎

    ○若林証人 さあ、それは知りません。
  1241. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 そういうこまかいことはあまり知らない……。
  1242. 若林秀二郎

    ○若林証人 ええ。
  1243. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 そのときもずいぶん外郭團体の人が入つてスクラムを組んでおつたそうですね。
  1244. 若林秀二郎

    ○若林証人 そういうことを言われておりましたけれども、ぼくはあまり見ておりません。
  1245. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 檢束するときに行つたんですか。
  1246. 若林秀二郎

    ○若林証人 いや、檢束する前に…。
  1247. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 スクラムを見なかつたですか。
  1248. 若林秀二郎

    ○若林証人 見なかつたです。
  1249. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 先ほどあなたは革命に奔走しておられると言うのだが、革命ということはどういうことですか。
  1250. 若林秀二郎

    ○若林証人 その辺は主観の相違です。
  1251. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 私らにはわからない、どういうことをやろうというのが革命か……。
  1252. 若林秀二郎

    ○若林証人 ぼくの意見ですか。
  1253. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 ええ、どういうことですか。
  1254. 若林秀二郎

    ○若林証人 革命をやると言つても、それは今ぼくが強調するまでもなく、あそこに神山さんだつて本職があるのですから……。
  1255. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 いや、それは神山君は委員だけれども、あなたは証人としてですよ。
  1256. 若林秀二郎

    ○若林証人 それはひとつアカハタでも読んでもらうよりほかはない。ここでもつて革命とはどういうことであるかと言つても始まらないでしよう。
  1257. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 その革命をやろうということと、その、千葉の運動に対してあなたが出られることには何か関連があるのですか。
  1258. 若林秀二郎

    ○若林証人 関連があるかと言つたつて、共産党は千葉縣下の革命をやろうと言つておるわけですから、それはあるにきまつております。
  1259. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 やはりこういつたものも革命の一つの機会としてやろうとお考えですか。
  1260. 若林秀二郎

    ○若林証人 そんなことは——大体ちよつと委員長にお聞きしたいのですけれども、大体きようここへ僕が証人として出ることについて、どういうふうな理由証人として喚問されたかが、ちよつと事前にできればお聞かせ願いたいと思うのです。
  1261. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 あなたが大会だとかそういう所に出ておつたということがわかつたから、証人として喚問したのです。  あなたはそういうからこちらは聞くのです。むりに聞いておるのじやない。そういうことにあなたは関連があるのか、ないのか。
  1262. 若林秀二郎

    ○若林証人 関連はないのです。
  1263. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それではちよつと聞きますが、この一点から五号までの写眞があるが、これを見てこの中にあなたは入つておりますか。
  1264. 若林秀二郎

    ○若林証人 いないです。
  1265. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 あなたは檢束されたり、そういうことはなかつたのか。
  1266. 若林秀二郎

    ○若林証人 檢束なんかされません。
  1267. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それはこういうような実情であつたかどうか。
  1268. 若林秀二郎

    ○若林証人 大分がたがたしておりましたね。
  1269. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 ほかに御質問はないですか。——では済みました。  これより五分間休憩をいたします。     午後五時四十五分休憩      ————◇—————     午後五時五十九分開議
  1270. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 ただいまから國電スト問題について牛島辰彌さんより証言を求めることといたします。  証言を求める前に、証人に一言申し上げますが、昭和二十二年法律第二百二十五号議院における証人宣誓及び証言等に関する法律によりまして、証人証言を求める場合には、その前に宣誓をさせなければならぬことと相なつております。  宣誓または証言を拒むことのできるのは、証言証人または証人配偶者、四親等内の血族、もしくは三親等内の姻族または証人とこれらの親族関係のあつた者及び証人の後見人または証人の後見を受ける者の刑事上の訴追または処罰を招くおそれのある事項に関するとき、またはこれらの者の恥辱に帰すべき事項に関するとき、及び医師歯科医師、藥剤師、藥種商、産婆、弁護士、弁理士弁護人公証人、宗教または祷祀の職にある者、またはこれらの職にあつた者がその職務上知つた事実であつて黙秘すべきものについて尋問を受けたときに限られておりまして、それ以外には証言を拒むことはできないことになつております。しかして、証人が正当の理由がなくて宣誓または証言を拒んだときは、一年以下の禁錮または一万円以上の罰金に処せられかつ宣誓した証人が虚偽の陳述をしたときは、三月以上十年以下の懲役に処せられることとなつておるのであります。一應このことを御承知になつておいていただきたいと思います。  では法律の定めるところによりまして証人宣誓を求めます。御起立を願います。     〔証人牛島辰彌君宣誓
  1271. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 署名捺印願います。     〔牛島証人署名捺印
  1272. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 証人に伺います。牛島辰彌さんですね。あなたは國鉄職員局長ですか。
  1273. 牛島辰彌

    牛島証人 さようでございます。
  1274. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 いつからおやりでありますか。
  1275. 牛島辰彌

    牛島証人 正確な日にちはちよつと覚えておりませんが、昭和二十二年の二月六日でしたか、とにかく二月の十三日に上京して來ました。
  1276. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 二月幾日ですか。
  1277. 牛島辰彌

    牛島証人 二月六日です。とにかく十三日に上京して引継ぎを受けました。そうしてそのときは運輸省の鉄道総局の職員局長でございました。今後この六月から國鉄が公共企業体になりましたので、日本國有鉄道職員局長ということになつております。
  1278. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 職員局長とはどういうことをやるのですか。
  1279. 牛島辰彌

    牛島証人 職員局長は、課で申しますと総務課、職員課、給與課、教育課、保健課、厚生課、それと労働課研究室を持つおります。そしておもな仕事は國有鉄道の労働組合に対する窓口と申しますか、労働組合関係の仕事をやつております。労働関係の仕事で私の局に関係のあることはもちろん私がやりますが、ほかの局に関連することにつきましては、その局で主管してはおりますけれども、窓口はやつている。こういうかつこうになつております。それから実際の仕事になりますと、総務課と申しますと労働組合関係の仕事、交渉に関する仕事、あるいは、労働文化に関する仕事、それから局内総括に関する仕事、職員課の方になりますと、職員の定員と申しますか、人員の数の問題、あるいは配置轉換に関する問題、服務と申しますか、職制に関するような仕事をやつております。それから、給與課は給與のことをやつております。保健裸は鉄道の医療機関に関する仕事、厚生課は福利厚生に関する仕事……。
  1280. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それでよろしいです。今聞かんとするのは交番側と言われていることですか、この交番制は先ほどおつしやつたその服務に明する問題になるのですか。
  1281. 牛島辰彌

    牛島証人 交番制と申しますと、服務ということになるかどうかは非常にむずかしいのですが、私のところで実際に仕事をやつておりますのは、服務と申しますより、勤務時間の関係で職員課でやつております。
  1282. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 あなたの方の……。
  1283. 牛島辰彌

    牛島証人 はあ、勤務時間から——交番と申しますか、乗務員乗務割の問題が出て來る。それを業務割ということになりますと、車掌のことにつきましては面接は業務局で扱うのです。
  1284. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 あなたの方じやないですか。
  1285. 牛島辰彌

    牛島証人 直接は勤務時間——御承知のように國有鉄道の職員は非常に各種の職がございます。その中の総括的な仕事を私のところでやつております。それから分課されております。運轉局というものがございますが、運轉局におきましては機関乗務員であるとか、あるいは電車でも運轉手の関係を取扱う。それから今國電ストで問題になりました車掌——列車、電車乗務員の中に車掌がございますが、車掌のことになりますと、業務局で一應仕事をしておりまして、そのほか保線のことは施設局でやるというふうに分課されております。それを総合して私のところの職員課また職員局で仕事をやる。こういう態勢になつております。私のところでは直接は交番制というものには関與いたしませんけれども、勤務時間、さらに具体的に申しますれば勤務時間規定というような面におきまして、私のところで関係することになつております。
  1286. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 わかりました。そこで六月の上旬にいわゆる車掌の新交番制をしこうとせられた事実はありますか。
  1287. 牛島辰彌

    牛島証人 その点は新交番制と申しますか、それはただいまで申しますと、國有鉄道の本庁として、直接にやれという命令はしておらないわけでありますが、問題はこういう点にあるのであります。御承知のように本年の一月一日だと記憶しましたが、國家公務員に対しまして、実働四十八時間の勤務をするということに相なりました。当時國有鉄道も國家公務員でございましたので、四十八時間制を実施することになりました。ちようど正月の休みでございましたが、四日の日にそういうことをわれわれが知りまして、ただちにこれを官廳出務時間によるところの勤務者に適用をするということで、たしか四日即日であつたか、あるいは五日であつたか、速急にこれを実施しました。それと同時に、現業等におきましても日勤勤務者の者もございまして、これらは從前労働協約を締結しておりました当時におきまして拘束八時間制をとつておりましたが、これを実働に切りかえる。また工場等におきましてもそういう関係で実働で勤務時間を延長した関係がございます。運輸省陸運関係職員勤務及び休暇規程というのがございますが、これを改正いたしまして、ずつと四十八時間制にすることにいたしました。鉄道の勤務にはいろいろの勤務がございまして、この問題になりました列車、電車、自動車等の乗務員に対する勤務はいわゆる常務になつておりますが、日勤勤務者に対しては、官廳執務時間勤務者のように、今日からただちに実働を一時間延ばす。退庁を一時間延ばす、あるいは登廳を一時間早めるというように簡單に参らない点もございまして、その実施が遅れていたという点はございます。当時組合側も、國家公務員の時代でございますから、團体交渉ということはございません。組合側とも、実働四十八時間に伴つてこの規程を改正をする場合に、たしか三回であつたか、四回であつたか、話し合つたことがございます。それでその当時におきましても、ただちに乗務員勤務を変更するかどうか。ほかの方は非常に急いで変更いたしましたが、これは交番と申しまして、交番を組んで勤務を指定しなければできませんものですから、これはただちにはやらぬけれども、規程の改正はこの程度にやるということで一應改正をいたしたわけでございます。その当時組合側といたしましては、根本的にこの四十八時間勤務ということについては賛意を表しない点がございました。しかしその四十八時間のわくを動かすことができないという点は十分知つてつたのであります。從いまして、その前提に立ちまして話合いの結果、一月のたしか二十二日か三日ごろにその規程改正を出した。他の勤務の方は全部行つたのですが、乗務関係だけは、乗務割を組みかえる関係がございますので、普通の場合に組みかえるよりは、四月になればあるいは時刻改正もある、あるいは通勤電車関係も普通の場合ならばかわる点もありますので、そういうときに組みかえよう、そのときまではすぐには組みかえないということを、私たしか組合言つたことは覚えておりますが、そういうことで延びておつたわけです。從つてその交番割の組みかえのときにこれを実施するということで参つておるのでありまして、規程は一月の二十二日か三日に出してそのままになつておりましたが、今回東京鉄道局におきまして、小品貨物の取扱い等において、日通に下請さしておりましたのを省直営にするというような関係交番の編成がえをやつたようであります。そのことは私の方には事前に連絡はなかつたわけでございますが、勤務時間規程ができておりますので、そのまま東京鉄道局においてその編成がえを実施するというような関係になつておるわけです。
  1288. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 ところがそれを実施しようとしたら、たいへん組合側の方で反対があつたのですが、それはお聞きになつておりますね。
  1289. 牛島辰彌

    牛島証人 たしか六月の五日か六日ごろにちよつと聞きました。当時聞きましたのは、單なる労働問題というような意味合いで、どうして今交番編成がえをするのだというようなことをちよつと聞いたことがございます。
  1290. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 その反対理由はお聞きになりませんでしたか。
  1291. 牛島辰彌

    牛島証人 その後最初に聞きましたのが、たしか五日か六日ですが、その後いろいろ問題がむずかしくなつて参りまして、反対理由ということもそうですが、東京鉄道局がなぜ今交番の編成がえをやるのだということも聞いたわけです。反対理由は、やはり交番制について反対だということを聞きましたが、またそれを交渉するんだ、團体交渉で解決するというようなことを言つておるということは聞きました。ただその後に至りまして、車掌区長等が、非常に多数の人々と連日面会交渉の結果、非常に疲れて來て仕事にならない、しかも新交番制実施ができない、非常に事務がとれない状態になつたということも聞いております。
  1292. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 われわれがここで調べた結果、反対理由の主たるものをあげますると、勤務時間が長くなる、非常にからだが疲れる。それからこれをかえると車掌区で泊るときが多くなる。ところがその泊る設備ができておらぬ。はなはだ不潔きわまるものである。その次は、こういうことをして人員整理をするのは、後日出て來るであろう首切りの前提にこれをやつておるものだと思う。大体この三つに開いているのですが、それはどうですか。
  1293. 牛島辰彌

    牛島証人 勤務時間が長くなることはないと私は思うのです。と申しますのは、先ほど申しました規程を改正いたしましたときに、もともとこの規程におきまして、乗務員の一日の平均勤務時間をきめておりますが、列車乗務員は八時間ということになつております。また電車乗務員は七時間三十分ということになつております。この改正にあたりまして、八時間あるいは七時間三十分を延長したことはないわけなんです。ただ一應改正をいたしましたのは、列車の乗務員勤務時間と申しますのは、実際に乗務する時間がございますのと、前後に準備時間というものがあります。実際に乗務する時間の間、その他に列車から列車に移る待合せの時間というのがございます。この待合せの時間二時間を、一時間にするということで、実際に待合せ時間というものを減しまして、それから準備時間については何ら変更がない、こういうことになつております。それで、作業の密度がふえたという点は言えると思いますが、勤務時間そのものについて延長され、強化されたということはないと思います。
  1294. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それから、設備が惡いということは……。
  1295. 牛島辰彌

    牛島証人 設備が惡いということは、これは全國的に見まして設備の惡い点もまた若干はあるかもしれませんが、交番割がかわつたことによつて起る問題じやないのですが、戰災を受けたところ等によりましては、全部が全部復旧しておりませんから、惡いところ——惡いと申しましても今までの交番がかわつたから、急に惡くなつたというような意味合いではなしに、鉄道財政あるいは資財の面からいたしまして、復旧のできるもの、あるいはまた整備のできるものは、いたしておりますけれども、全部が全部、完全な休憩所を持つておるということは、私ここで申しませんけれども、交番の問題とは切離して考える、事情の許す限り、惡いところから直して行くという方針には、私どももかわらないのであります。
  1296. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それから、首切りの前提だというのは……。
  1297. 牛島辰彌

    牛島証人 私どもの方としては、ただいま申しあげたように、首切りの前提というような関係で、これを直接鉄道局に申したこともございませんし、前の四十八時間制の問題として考え、また新たに、從來日通等に下請けさしておりました小品貨物関係の事務等によりまして、人員を必要とする面から推しまして、勤務時間の規定の範囲内において、交番組かえをやつておる、こういうふうに考えております。
  1298. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 ところがこれをやりますと相当人間が余るそうですね。
  1299. 牛島辰彌

    牛島証人 これは場所によつては違うと思いますが、今度問題になつたところでは、人員の余剰が出て來たということは聞いております。
  1300. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それで、これも小口扱いのところへまわされるのだが、まわるのと、余るのとでは、またいくらか残りがあるという、それを一番氣にしておつたようですが……。
  1301. 牛島辰彌

    牛島証人 その点は、組合側と申しますか、労働者の立場として定員法も通過しておつたくらいですからそういうように考えておつたかもしれませんけれども、私どもとしましては、東京鉄道局から聞きましたことによりましても、直接に、それに関係して六月一日にこれを組みかえて新交番を編成したというふうには考えておらなかつたわけでございます。
  1302. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 むしろもつと前にやるべきものだつたのですか。
  1303. 牛島辰彌

    牛島証人 はあ、もつと前に……。実は東京鉄道局の話を開きましても、從來なら四月に電車の時刻の改正等があつたわけです。ことしはサンマー・タイムの関係で延びたというのと、あるいは時刻改正を五月にやるのだということで、ずるずると延びたということはあらゆる機会に聞いておりますが、ときたま六月一日にそれを他の理由から組みかえを実施したということで……。
  1304. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 これが問題になりますると、團体交渉をやつてくれという申出があつたそうですが、これをあなた方の方では團体交渉の対象にならないものだと言つてけられたそうですが、これはどういうことですか。
  1305. 牛島辰彌

    牛島証人 私ども交番というものは直接勤務時間でもなし、また労働條件の問題でもないと考えておるのでありまして、これは実際に職員に対する勤務の指定を定期的にやつておるものであるというふうに考えておるのであります。私ども團体交渉をやつて実際に勤務時間、労働條件として考うべきものは、先ほど申し上げました休暇及び勤務規定で、この規定團体交渉の対象としてしつかりつくり上げて行く。組合側に要求があるならば、この規定によつて、根本的といいますか、原則的な條件をもつと仔細に書いてもいいと思つておりますが、これがこの規定から出て参ります規定の範囲内においてきめます乗務割につきましては、これは駅関係等におきましていろいろ勤務を指定視するところのものと同様に考えております。もちろん乗務割をつくりますのは、列車のダイヤ、時刻表等が基準になりまして、それにどういうふうに職員を、車掌を、あるいはまた荷扱手を乗務させるかというような面から來て参りますので、これは管理運営の問題であると思うのでありまして、管理運営する者が勤務指定もできないということになりますと、どうも経営の責任は持ち得ないのじやないかと考えておるのであります。
  1306. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 ところがあなたの方で團体交渉をやらないでいろいろ紛議が起つて千葉、東神奈川、それから中野を中心として八王子までにかけていろいろ紛爭が起つたようですが、それは大体間違いございませんね。
  1307. 牛島辰彌

    牛島証人 最初に東神奈川、千葉、続いて蒲田、中野等に起つたことは事実であります。
  1308. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 いわゆるストをやつたのはどこでございますか。
  1309. 牛島辰彌

    牛島証人 ストをやめましたのは東神奈川車掌区、千葉車掌区も——ストということがはつきりしないのですが、どうも私の方の公共企業体労働関係法でいいますと、十七條に該当する事項、同盟罷業、あるいは怠業であるとか、いろいろ列挙されております正常の業務を阻害する、いわゆるストという観念をそういうふうに考えてお答えいたしますけれども、東神奈川車掌区、千葉車掌区、蒲田の車掌区、中野の車掌区、中野の電車区、三鷹の車掌区、停止の寸前に下十條の電車区もストを決議し、一部実施に移つたか、ほとんど移らないかのところじやないか。私のよく知つておりますのはその程度でございます。
  1310. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 その結果、とうとう連合軍総司令部から命令が出て、そしてストをやめることになつた。こういうのですが、その事実はいかがですか。
  1311. 牛島辰彌

    牛島証人 たしかにその通りでございまして、十一日分午前十一時二十分ごろですか、組合側並びに私たち経営者がレーバー・セクシヨンの方にに参りまして、その命令——組合側はこの部屋を出ればただちにストを停止するように、また経営者側はこの爭議状態と言いますか、爭議状態が続いている間は團体交渉はしていかぬというようなこと、もう一項目何かあつたと思いますが両方命令を受けました。
  1312. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 その團体交渉をしてはいかぬというのは、新交番制に関する團体交渉の意味なのですか。それとも一切の團体交渉なんですか。
  1313. 牛島辰彌

    牛島証人 それは私どもとしましては、その当時ははつきりはしなかつたのでありますが、幸いにして、十一日の日に治まりました。翌日さらにレーバー・セクシヨンに参りまして、大体電車も動き出したから、再び團体交渉をするようにという話は受けたのであります。
  1314. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 これはあなたの方とそれから労働組合側も両方十二日に呼ばれたのですね。
  1315. 牛島辰彌

    牛島証人 そうです。
  1316. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 十一日もそうだし十三日もですね。
  1317. 牛島辰彌

    牛島証人 そうです。
  1318. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それで團体交渉をやれというのは、このあなた方の考えでありまする團体交渉の対象にならぬものだということ、そういうあなた方は見解だが、しかしなるものだから團体交渉はやるという意味ですか。
  1319. 牛島辰彌

    牛島証人 その辺ははつきりしないのですが、自分たちは意見をはつきり言わない。総括的な第八條二項に團体交渉をしてよろしいというような規定がございますが、「團体交渉の対象とし、これに関し労働協約を締結することを妨げない。」こう書いてありますか……。
  1320. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 第八條の第二項でありますね。
  1321. 牛島辰彌

    牛島証人 そうです。その規則の説明をしております。
  1322. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 言うてみれば、法律のいかんにかかわらず、團体交渉で早く片つけたらいいということですか。
  1323. 牛島辰彌

    牛島証人 そうではないんで、自分は法律家ではないけれども、こういうふうになつておるこの趣旨はこういう趣旨だ。自分はこの問題について直接具体的に話はしない。話はしないけれどもきようから話し合つて、なにかうまい話ができればいいんじやないか。こういうことなんです。そうして当時組合側と私の方と九日以降爭議が起りましてから、九円、十日また十一日の朝もたしか話しまして、十一日の午前中レーバー・セクシヨンに行くまで話したのですが、それからあと交渉しない、こういうことになつております。十二日は日曜であつたと記憶しますが、午後から開始して夜遅くまでやつたのでありますが、組合側の主張した点は、こういうことです。解雇処分を白紙に戻せということ。これからこの問題について今後これ以上の犠牲者を出さないこと。それから新交番実施については團体交渉できめる。こういうような意見だつたものですから、この三つについて、レーバー・セクシヨンでも話合いをしろと言つたのでしようが、それでは一の問題はどうだ、二の問題はどうだ、三の問題はどうだというと、抽象論を言つていたわけであります。
  1324. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 結局團体交渉かなんか知らぬが、話合いでまとまつたのですか。
  1325. 牛島辰彌

    牛島証人 それは結局はまとまりませんでした。いろいろ経過はございますが、私の方もこれは爭議が九日に起りまして、何とかして組合側と話合いをして自主的にこれを解決しようと思いましたので、話合いをしたのでございますが、自主的に遂に解決ができなくなりまして、十二日の会見におきましても、やはり組合側は同じ要求をされたわけでありますが、私の方としましては、この問題について今後これ以上の犠牲者を出さないという点については、あとにおいてある程度確認をしたわけであります。たしかはつきり覚えておりませんけれども、十一日までの紛爭に伴う行為については、これ以上日本國有鉄道、公共企業体体労働関係法による処分者は出さない。こういうような意味だと思いましたが、そのとき約束をいたしました。
  1326. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 その程度で治まつたのですか。
  1327. 牛島辰彌

    牛島証人 治まりませんで、この問題は大体それで話し合いはついたわけですが、解雇者を白紙にもどせという問題につきましては、これは話はつきません。私の方といたしましては人事権として発動したものは白紙にもどすわけにいかない。こういうことを言つてあります。それから交番の問題につきましては、この交番制自体、交番を組むというようなことは、團体交渉の対象ではない、勤務時間規定そのものについての團体交渉はいつでも應ずるということを言つております。今でもその考え間違いはないのであります。ところが組合側としましては交番制についてあくまで團体交渉をするという態度を捨てなかつた点もございまして、十五日に交渉しかけたわけであります。
  1328. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 ところがこういう騒動は、あなたの先ほどのお話から言えば、内部の人の理由は大したことでないが、むしろ外部からの煽動によつてつたこういうことを言つた人があるということですが、その点に関してあなたはどうごらんになつておりますか。
  1329. 牛島辰彌

    牛島証人 こういう爭議が起つたこと自体については、私は必ずしも外部の人の関係とは言えないのじやないかと思いますが、一たん爭議が起つてしまいましてからは相当外部の人——爭議の当事者以外の人、鉄迫部内もありますが、部外の人も相当これに対して関係が深かつたという点はあるということを聞いております。私は現地を見たことがございませんが、そういう報告は受けております。
  1330. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 主としてどういうものが、そういう影響を與えておりますか。
  1331. 牛島辰彌

    牛島証人 私ども聞いておりますのは、東神奈川の事件を一番よく聞いておるのでありますが、外部團体の附近の工場等における人々が相当來ておつた。また部内の者にいたしましてもその当事者以外の者が相当集團をなして來たというようなことを聞いております。
  1332. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 そこでその後いよいよ本格的な行政整理をやられたようですが、これは実際新交番制によつてつた人間には何らの関係もなくやつておりますか。
  1333. 牛島辰彌

    牛島証人 そういう御質問はなかなかむつかしいのですが、もともと六十一万おりましたものを五十万に減らすのでありますから、これをどういうふうにやつて減らすかという問題——鉄道の作業をとめない、能率を下げずかえつて能率を維持して向上させるような意味合いから政府の案をつくらなければいけないのでございます。それにはただ單にお前が惡いからだとかお前は女だからというようなことではもちろんやつておりませんので、五十万余の人員で鉄道の作業がやり得るように、各系統各職についての新しい定員というものも全國的につくりまして、それに基いて作業が円滑に行くように人をあてはめて行くというような仕事をやつておりますから、ある者は轉職をし、ある者は降職をしておる者もございますし、またやめて行く人もございます。新交番の問題だけではなしに全部についてやつておりますから、新交番の者がどうだと言われてもちよつと困るのであります。
  1334. 吉武恵市

    ○吉武委員 証人にちよつとお開きしたいのですが、ただいまのお話を聞きますと、勤務時間制は今年の一月にきめたのであつて、新交番制によつてかわりがないということですが、先般千葉車掌の一人の証言を開きますと、今まで拘束八時間であつたものが今度は拘束十時間になつた言つております。そういう事実があるのでございますか。
  1335. 牛島辰彌

    牛島証人 お答えいたします。実際に交番を組んでおりますのに拘束八時間と申しますのは、一日の交番の中にはあるときは長いのもあります、あるときは短かいのもあります、これをならしまして平均週四十五時間あるいはまた四週でいくらになるというふうになつておりますから、車掌区によつて若干は違うようであります。いろいろぐるぐるまわりますから、その面において拘束十時間というのはどういう意味か知りませんが、週平均の問題ではない。
  1336. 吉武恵市

    ○吉武委員 それでは重ねてお願いをいたしますが、千葉車掌区においてそういう事実があるという、これは念を押してはつきりした証言を得ておりますので、もう一度失礼でございますが、千葉車掌区についてお取調べを願つた上、御報告を願います。なお千葉車掌区の車掌に崎山昭治という人がおりますから、この人個人の勤務時間をもあわせて至急御報告を願いたいと思います。
  1337. 牛島辰彌

    牛島証人 承知いたしました。
  1338. 吉武恵市

    ○吉武委員 それから先ほどお話になりました列車乗務が八時間であつて電車乗務は七時間三十分である、これは前からかわつていない、ただ待合いの時間その他の仕組が変更になつたというお話ですが、その列車乗務の八時間または電車乗務の七時間半というのは実働時間でございましようか、拘束時間でございましようか、大体今まで言われておる概念で……。
  1339. 牛島辰彌

    牛島証人 今度の勤務時間規定は四十八時間の問題に関連いたしまして、実働時間という意味合いにおいて改正をしたものでございます。
  1340. 吉武恵市

    ○吉武委員 その点今までの勤務時間と今度きまつた勤務時間について、もし実働時間と拘束時間について差があればそれぞれについての比較が欲しいわけであります。私どもは実働時間は從前よりも増しても大体一週のうち平均一日九分程度、長くて十五分程度と聞いておりましたが、証人の言によりますと二時間も延長になつたということでありますので、その差を御報告願います。  それからもう一つ証人にお願いしたいのでありますが、最近列車事故が非常に多い。これについて國民が非常に不安を持つておる。昨日も三鷹において人の乗らない電車が急に飛び出すというような事件が起つて、われわれは新聞紙上を通じてだけでも不安に思つておるのでありますが、世間ではこれらの事件の裏には背後関係があるのではないかという点も心配しております。今まで國有鉄道でお調べになつた上でそういう事実がございましたならば例をあげてお話を願いたいと思います。
  1341. 牛島辰彌

    牛島証人 お答えいたします。はつきりした数字も持ち合せておりませんが、概括的に申しまして最近新聞紙等に出ておりますように、列車の線路の上に石を置いたりあるいは投石をするというようなものが相当ふえております。その件数は持つておりませんが、しかしこれらについて私の方としまして直接にそれを行つた者を聞いておりませんので、どういう背後関係があるかという点につきましては、まだしつかりしたことをここで私は証言するわけには参りません。ただいま三鷹の事件でお話がございましたが、この点についても國民の皆さんに申し訳ない事件でございまして、私どもも昨日來非常に心痛しておるのであります。何分にも人のいない電車が動き出すというようなことになりますと、この点については何としても科学的な調査をし、また実際の警備その他についても遺憾のないようにしたいと思つて、おります。私がこつちへ出て参りますときには新聞の号外等で逮捕状が出たというようなことを言つておりますし、私の方の運轉の技術を実際に取扱つている者にしましても、ごく五、六百メートルのところで相当の速度が出たというような点につきましては非常に心配もし、また計画的なことではないかというような略式な談話を発表しておるような次第でございます。ただ私どもとしまして背後関係がこれだというようなことはしつかりは申し上げられないと思います。
  1342. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 井手君。
  1343. 井手光治

    ○井手委員 証人に二、三お伺いいたしますが、交番制というものは國鉄の労働組合が結成をされて何回くらい一体変更になつておりますか。
  1344. 牛島辰彌

    牛島証人 お答えいたします。この交番制と申しますのは、列車の運轉時刻がかわりまする場合におきましては必ずかわるのです。また新線が開業をしますと必ずかわるものでございます。
  1345. 井手光治

    ○井手委員 列車の運行によつて必然的にかわつて行かなければならないものですか。
  1346. 牛島辰彌

    牛島証人 必然的にかえなければならない。よほど余裕のある人員を持つておりますればよろしゆうございますが、そうでなければ必然的にかわつて参ります。
  1347. 井手光治

    ○井手委員 そこで私の伺いたいのは、鉄道の列車運行、業務運営の上に必然的に伴う問題であつて、これは一般の官廳の公務員諸君が、ときの事務の内容あるいは事業の運営の変化に伴つて、当然勤務の内容に変化が來る状態と同じだという見解を私とつております。今あなたからも御証言がありましたが、そこでこのたびの新交番制の切りかえにあたつて、たまたまこういう新交番制反対である、賛成である、基本的な勤務規定というものも制定され、勤務時間の変更も労働基準法の命ずるところによつて明らかにされておるにもかかわらず、しかも自然に業務運営上、列車の運行上必要な交番制の切りかえが、このたびに限つて組合の大きな問題として取上げられなければなかつたということについては、あなた方の從來の経驗から見て一体どこに大きな要因があるのでありますか。今度に限つてこの問題が新たに取上げられて、こういうふうなストに突入しなければならないというような、いわゆる労働爭議の要因をなすということについて、從來の点とどういう点に変更があるかということをお伺いいたします。
  1348. 牛島辰彌

    牛島証人 この交番の問題というのは、実際のところ申し上げまして從來非常に事務的にやつてつたものであろうと思います。もちろん車掌区あるいは電車区、機関区等でやります場合に、やり方は若干ずつかわつておるように聞いております。また車掌にはいろいろ組がありまして、世話役というものもおるようです。そういうものの意見も聞いて、これはたいていの事掌区ではやつておるわけです。それでできるもので、いまだかつてこの問題でこれだけ大きな問題になるということはだれも考えておりませんし、私どももどうも交番の問題で少し東鉄の現場がいろいろごたごたしているということは聞きましたが、こんな問題になるとは思わなかつたわけです。ただ後ほどいろいろ私どもも本省の組合の本部の人とも話し合つてみますと、先ほど委員長が御質問になりましたように、やはりこれは今度の行政生理の前提だというふうに強くとつた点がありはしないかと思いますが、それに対してさらに当事者以外の力も相当影響して大きな問題になつているのではないかと思つております。
  1349. 井手光治

    ○井手委員 もう一つ伺いたいのですが、そういたしますと從來交番の新編成をいたしますときには、いわゆる労働組合車掌区の分会でありますとか、電車区の分会でありますとか、そういう方面と事ごとに交番制の編成についても、從來國鉄労働組合が結成されまして以來、具体的にそういう御相談をすることによつて進めておつたかどうか。と申しますのは区長なら区長が新交番制をこういうふうに変更するということを明らかに発表すれば、その通り何ら具体的の折衝というようなことなく行われたかどうか、この点お伺いしたいと思います。
  1350. 牛島辰彌

    牛島証人 お答えいたします。この交番の問題で組合側と話をするということは、まず私は聞いておりません。休暇規定にしても、これができましたのはちようど二十二年の五月だと記憶しておりますが、その当時は労働組合團体交渉権を持つておりましたので、この二十二年の五月につくりました規定そのものはちやんと團体交渉をしてつくつた。その中には車掌乗務割のことが書いてございまして、これは五十一條でございますが、先ほど申し上げたように第一項では乗務員の時間をきめまして、第三項で、鉄連局長は第一項各号の標準により所属乗務員勤務割を作成するものとするということで、この規定そのものをつくつてからこの規定はかわつておらないのでありまして、鉄道局長が経営の面からして乗務割を作成するということは、われわれ理論的にもそうであると信じておりますが、また現にあります規定の面の上においても、鉄道局長乗務割を作成するのだということが入つておる。その規定そのものは團体交渉できめたものであります。
  1351. 井手光治

    ○井手委員 そういたしますと、このたびに限つていわゆる定員法の関係その他によつて交番制実施することは、結局首切りの前提だというふうに考えられておつた組合員の一部の考え方、あるいはそういうものは誤解であつたということもだんだん明らかになつたようですが、そういうふうな考え方及びそういうものを前提としての國鉄の一連の動きとしてあるいはストに持つて行く、そういうことは熱海大会の実力行使の見解等にもよりましよう、そういう諸般の客観的な情勢、もしくは首切りがありはしないかということを前提としたいろいろな方面の、先ほどお話がありました外郭團体その他の國鉄の内外にわたるいわゆる一つの動きとして、このたびの新交番制実施を契機として、むしろ言いかえるならばそういうふうに持つて行こうとした、行きつつある組合の一連の動きに対して、事前にそういうことを看取される情勢にあつたか、あるいはこれは突然交番制の発動に來たか、あるいはあなた方局長とされて、そういう一連の動きとしてたまたまこういう大きなストに突入するような状況にどう変化して來たか、そういうふうな事柄についてどうお考えになつておりますか。
  1352. 牛島辰彌

    牛島証人 お答えいたします。先ほどもちよつと申し上げましたが、私が話を聞いたのはたしか五日ごろだつたと思つておりますが、その当時話を聞きまして、一体それはどこの命令でそういうことをやつているのかということを確かめたわけでありますが、本部の命令なのかあるいは支部の命令なのか、分会自身の行動なのか確めたのであります。ところが支部ではそういう命令をしていないという話を聞きました。もちろん私が五日に聞きましたのは、千葉よりはむしろ東神奈川のことですが、支部ではしていないということを聞いたわけであります。それならば分会のどういう決議でそういうことをやつているか早く確かめなければいけない、それを確かめなければ個人の問題であるか、分会としての問題であるかわからぬじやないかということを言いましたところ、関係の者もそれを調査に行つたようでありますが、なかなか調査ができないと言つてつて來ました。そうしていろいろ事情を聞きますと、非常に仕事が混乱して正常の業務がとれない状態にあるということでした。私は組合関係の事務をやつておりますけれども、新交番の問題でそれほど問題が激化するとは考えておりませんでしたから、非常に驚いたわけでありまして、これは相当対策を立てなければいけないというふうに私自身も考えましたし、そして東京鉄道局がもちろんこの事務をやつておりますので、私の方の事務そのものから言えば間接的になるのですが、その点については非常に大きな関心を持つておりました。ときたま蒲田の車掌区もそういうふうに動揺していることを聞きましたし、また新橋の支部も何かちよつと決議を行いましたので、これは私のところで出しておる記録でありますが、新橋支部として、乗務員の新勤務時間制は当局の行政整理の現われである。支部は本部指令十七号、並びに支部大会の決定により関係分会にも旧運行により乗務することを指令する。——本部指令十七号と申しますのは、当局は首切りを一方的に強行しようとしている。各支部は、本部と大臣の確約に基く交渉の結果、別途指示するまで、首切りに関する一切の調査、試驗、諮問等を拒否せよ。こういうのが五月三十一日に本部指令の十七号として出ておりますので、それに対しまして新橋支部では、六月七日に先ほど読み上げましたような指令を出したのであります。これに対しまして、新橋支部と申しますと、ちようど今度の問題では蒲田の問題がひつかかつておるわけでありますが、私の名において組合に対し、本日國鉄労働組合新橋支部は支部指令第八号で、乗務員の新勤務時間制度は当局の行政整理の現われである。支部は本部指令十七号並びに支部大会の決定に基く旧運行により乗務することを指令する。この指令を発したとのことであるが、本部指令第十七号は支部指令第八号の行為を含むものであるか、本日十七時までに文書をもつて回答せられたい、もし期限までに回答のない場合は肯定したものと認める。こういうようなものを出したこともあるのでありますが、ただ蒲田の問題は、この指令に基いて蒲田がやつたのではないと組合側の人は言つております。しかし私の立場としましても、旧運行で運行しろというような指令がもしも出てしまいますれば、すでに東京車掌区にしましても品川の車掌区にしましても、新運行でみなやつておるときに、新橋支部がこういう指令を出されると混乱しても困ると思いまして、本部に対してこういうことを申し入れたわけであります。それで私どもとしましては最初はほんとうに單なる交番の問題だと思つておりましたが、こういうふうにだんだん行政整理の話だ、首切りだというように話がこんがらがつて來たことは事実であります。
  1353. 井手光治

    ○井手委員 そうしますると、われわれの労働組合に対する一般的の常識論として、今度の行動は本部指令でもなければ支部の正式な指令によつておらぬ。言いかえますると、各分会その他の一つ組合運動の分派的なものであつたという結論が出て來ると思うのです。そこで今度の一つの動きを特徴として各分会におけるいろいろなごたごたの内容を明らかにしてみますと、大体先ほどから言われておる外郭民主團体と称せられる部外者の圧力によるものが非常に多い。具体的の事実としてそういうふうに思われるのですが、鉄道の構内というものは一般の民衆にとつては危險地帶でもあるし、鉄道の業務は技術的に規則的に行わなければならぬので、容易に立ち入ることは遠慮しなければならぬということが國民一般の常識になつておる。にもかかわらず今度の場合に限つて交番制をむりに取上げたことになつたのですが、そこでこういうふうな外部團体の勢力を内部に引用することによつてそういう雰囲氣を醸成した、言いかえまするとその外部團体の圧力を活用してひとつの爭議行為に持つてつたのじやないかというように感ぜられるのですが、あなたの御見解はいかがでございますか。
  1354. 牛島辰彌

    牛島証人 お答えいたします。私は今回の問題、殊に東神奈川の問題につきしましては、單なる労働問題ではなくなつている、そういうふうに感じております。
  1355. 吉武恵市

    ○吉武委員 私は先ほどちよつと証人にお願いをいたしました事項一つ抜けておりますので追加をしてお願いしたいと思います。先ほど勤務時間についてお願いをしましたが、勤務時間以外に、從來二日続けて宿泊になつてつたのが、今度の交番制改正によつて三日になつた、連続三日泊らなければならないという人もおりますし、また中には一週間うちに帰れないということを言つているのがあります。そこで先ほど申しました千葉車掌区全体についての平均と、それからもう一つは先ほど申しました崎山昭治氏個人についての問題と、そのほかにだれか例外的に一週間帰れない勤務表があるかどうかという点もあわせて御報告を願いたいと思います。
  1356. 神山茂夫

    神山委員 少し長いからそのつもりでお願いいたします。それでは牛島さんにお尋ねしますが、世間では下山総裁と言わないで牛島総裁と言う人があるが、あなたにお尋ねする場合には、具体的な資料でお尋ねしますが、まず新交番制の問題です。先ほどのお答えでは時間は長くなるはずがないとおつしやつているわけです。しかし今度また同じあなたが説明して、実働時間が列車が八時間で電車が七時間三十分になつておると言つていらつしやる。さらに待合せ時間が二時間から一時間になつた、こうおつしやつているのですが、これはことごとく事実ですか。
  1357. 牛島辰彌

    牛島証人 お答えします。七時間三十分、八時間の中には待合せも準備の時間も実際の乗務の時間もひつくるめてあるのです。
  1358. 神山茂夫

    神山委員 全部が含まれているのですね。
  1359. 牛島辰彌

    牛島証人 全部含まれております。待合せも準備も実働とみて入れておるのです。
  1360. 神山茂夫

    神山委員 東神奈川の諸君が言つていることなんですが、あなたが東神奈川を出されたので私も東神奈川も出すのですが、一人十分ずつの労働強化になる。きのう山田東鉄の業務部長が來ましても、八分か九分と言つておる。ところが実際これは平均ですから、車掌諸君が一人あたりについては二十八分くらいの延長になつているというようなことも言われておりますが、こういうことはあり得ないことでしようか。
  1361. 牛島辰彌

    牛島証人 私も一々各車掌区の交番がどのように編成されているということを存じませんが、私の聞いている範囲では東神奈川についてそんな時間延長になることはないと思います。
  1362. 神山茂夫

    神山委員 あなたはないとお思いになるが、組合の諸君は、そういうておる。さらに二十八分、組合員諸君はそう言うのです。二十八分という單なるこれだけの延長が——あなたも御承知のように、鉄道職員は相当遠いところから通つていらつしやる。神奈川の場合ですと二時間以上の所を通つているのは二百十九人、二時間から四時間が七十九人、こういうふうな人にとつては、結局今吉武君の聞いたところで、どうしても困るようなことが多くなると言つておりますが、そういうことは考えられませんか。
  1363. 牛島辰彌

    牛島証人 お答えします。私が話を聞いているところでは、新交番になつたから特にふえるということはまずないのではないか、こういうふうに聞いております。
  1364. 神山茂夫

    神山委員 あなたはそう聞いていらつしやるのですが、当然あなたも鉄道ばかりでお育ちになつているのですから、昭和四年から始め今日までやつていらつしやるのですから、お詳しいだろうと思つて特に過去のそういう実情を御存じないかとお尋ねしておるのでありますが、それも御存じないのですか。
  1365. 牛島辰彌

    牛島証人 何分にも業務機関はたくさんございまして、新交番といいましても、その車掌区の全部の受持々々でいろいろ違つておりますので、それを実際に編成いたしますのは鉄道局長の責任として編成をいたしておりますので、私がすべてどこの車掌区の交番が何時間何分になつているというようなことまでは存じておりません。
  1366. 神山茂夫

    神山委員 実は一番初から委員長に言いたかつたのですが、職員局長を呼んだのはあまり賢明でなくて、実は業務局長に來てもらつた方がよかつたかと思うのですが、來ていただいたのだし、しかも熱心に諸君が聞いた後ですから、私も聞いておかないとつり合いがとれないのでお尋ねしたわけです。ただあなた自身がおつしやつた言葉があるのですが、こういうふうになつて作業日数がふえたということはお認めになるでしよう。
  1367. 牛島辰彌

    牛島証人 お答えします。もともと拘束のときも、実働のときも同じ考えですから、その点についてその時間内において若干よけいになつたということはあります。しかしこれがただちに労働強化になるという考えには私どもは賛成してない。
  1368. 神山茂夫

    神山委員 それはそうでしよう。あなたが賛成されたらこういうことにはならない。実は昨日は区長に聞くと大したことはないと言う。助役に聞くと相当こたえると言う。從業員諸君は青くなつて訴えている件ですから、あなたがお感じにならないのはもつとものことです。そこで今度は設備の問題ですが、あなたは先ほども詳しく御説明なさつているようにいいところもあり惡いところもある。よくしようと思つてもよくならない。それで設備が惡いことが一つ問題だと思うのです。それはあなたが詳しいように今度新交番制の問題が起つた四つのところは——下十條をお読みになつたが、半熟だからこれはこのままにしまして、この四つの駅は大体において戰災を受けている。車掌諸君の休憩室の設備が特に惡かつたじやないか。これはなぜお尋ねするかと言いますと、あなたも御承知のように、比較的世間で言う共産党の強い分会でこういう問題が起らずに、必ずしもあなたの御所見のそうでないと思われたところにこういう問題が起つて來た。從つて交番制実施に伴つて車掌諸君が泊らなければならぬことが多くなつた。しかもその設備があまりよくない。これがこういう支部で問題が起つている根拠じやなかつたかと思つているがどうですか。
  1369. 牛島辰彌

    牛島証人 私は前から人事とか、こういうことをやつておるのですが、車掌の問題が起つたというのは実際問題としてないのです。労働組合になつて車掌そのものについて小さい問題は少しありましたけれども、大きな問題はないのです。今度に限つて二十五の車掌区があつてそのうち二十一は新交番でよろしいと言いながら、四つの車掌区だけがやつたという点に私どもは非常に不審を持つておるのです。それが必ずしも休憩所が惡いとか何とかいうことではないじやないかという氣もするのです。もちろん私は昔は新橋の事務所長をやつておりまして、現場の末端まで歩きまわりましたけれども、実際問題として終戰後はどこも見ておりませんから、どこがいいとか惡いとか言えないのです。またどの駅がどつちを向いてるというようなことまで調べることはほんとうはできないですから、その点で問題が起つたのかと言われてもそれは困るのです。ただ問題として戰災を受けたところは、私正直に申しまして、設備がいいのにやつたんだとは申しません。しかも何分にも財政が非常に惡いし、いろいろ順位がありますので、應急的にやつているものとか、また中間的な、本建築にならぬものとか、そういう問題もあるということは、先ほど申し上げた通りで、しかしその問題が新交番になつたから急になつたわけでもない。新交番の問題は問題として、普通の状態では從來の車掌諸君のように考えてもらえば、それはいろいろ計画も予算の許す限り、資材のある限り立てて行くという氣持においては、われわれはいつでもそういう氣持でいるのです。福利厚生あるいは休憩所の設備、宿泊所の設備ということは、できるだけのことはしてやらなければならない、かように思つております。
  1370. 神山茂夫

    神山委員 よくわかりました。ただ民自党のしろうと委員に対する御答弁であれは、それでいいのです。その点ちよつと聞きたいのは、新交番制になつたつて大したことはないとおつしやいますけれども、新交番制について、ぼくのところには交番表が大部あるのですが、これが実施されて、今まで二日働いて一日とまればよかつたのが、三日になつた例は無数にある、何ならあなたに参考として差上げてもいい。極端な例を吉武君は一つだけかじりついているようですが、極端な場合家が遠かつたりすることによつて相当とまらなければならなくなる。交番制のこういう單なる組みかえでなくて、あなたのおつしやる労働の内面的な強化に関連して、まだあなたが知られていないところの、実際に二十何分の延長に耐え得られないということがあるためにとまる機会がよけいになつている。それがために自分の寝るところの設備の問題が現に神奈川から出ておるということは、あなたは先ほど例を引かれたから私も例を引きますが、それには設備から炭、まきの問題、電氣こんろの使い方まで要求事項の中に入つておる。あなたは上の方にいらつしやるから現場をごらんになつていない、特に戦後の現場をごらんになつておらないことは非常に遺憾で、この際ひとつ見ていただいて——委員会からも兄に行きたいと思いますが、この点について何とか考え直してもらいたい。從業員諸君が直接訴えるのはまさにここなんで、南京虫、しらみの合奏、ふとん等もめちやめちやで、雨に漏る、風は吹き込むということを言つておりますから、この原因調べてみます場合には、ぜひあなたも外郭團体のことばかりお調べにならないで、そう言う実情を調べてもらいたいと思います。  次に首切りの前提の問題です。首切りの前提ではないということはもちろんあなた方としては、趣旨はそうでしようが、あなたの答弁そのものの中にもやはり直接の関連はないが、何ども言えないあまりはつきりしにくいところが出て來ておる。こういう事情はやはり確言なされるのですか。
  1371. 牛島辰彌

    牛島証人 それは先ほども申し上げましたが、約六十万の人員を五十万人に圧縮するのでありますから、どこでも全部そのままにいるというわけにも行かないわけでございまして、作業と人員とを合して、また從來御承知だろうと思いますが、鉄道の人員の配置が地域的にもまた職種的にもアンバランスの点がありました。人員を減らすならば、適正な人員を適正に配置することが必要と思いますから、そういう点で先ほど私申し上げたわけであります。
  1372. 神山茂夫

    神山委員 その点はよくわかつておりますが、從業員諸君にしますと、初めは新交番制を労働強化で困るといつて区長や管理部に相談に行く、これに関連してちようど六月一日差迫つておるので、首は大丈夫かと聞くと回答の限りでない、責任を持つたことは言えないというところから、むしろ自然発生的に首切りと関連さして行く、この点は先ほどここへ証人に來た民同系の方も認めておる。牛島局長そのものもここに明白な回答ができない。それから自然に從業員諸君の不安の大きな條件となつておるということはお考えになりませんか。
  1373. 牛島辰彌

    牛島証人 ただいま申し上げましたように、この新交番を東鉄としましては首切りの前提としてやつたのではないということは、おそらく東鉄からだれか來ただろうと思いますが、言つておると思います。私も先ほど來申し上げておりますように、六月一日に新交番に切りかえろというようなことは、交番については言わない。本廳としましては言つておりません。かえつていろいろ問題が起つてからわれわれが聞いた、こういうような関係にあるわけでございます。
  1374. 神山茂夫

    神山委員 あなた方の方では、この新交番の問題は、交路法の第八條第一項の管理運営に関する問題だというようなことを言われておりますが、これはあなた方の主張では、大体終始一貫しているように見えますが、それにもかかわらず、この点についてやはり不明確な点があるというように自分ではお考えになりませんか。自分としては終始一貫していると思いますか。
  1375. 牛島辰彌

    牛島証人 どういう点でしようか。不明確というのがわからないのですが……。
  1376. 神山茂夫

    神山委員 單に管理運営に関する問題だから、團交の対象ではないとあなたはおつしやつている。それは初めからしまいまでまつすぐすんとしているのですか。
  1377. 牛島辰彌

    牛島証人 その通りであります。それでわれわれとしては、いろいろ組合と折衝の過程におきまして、組合側の主張を聞いていると、個人的の問題、個人的の労働條件、先ほど神山さんもおつしやつたような、通勤が非常に長いというような問題にからんでの労働條件という話も出ております。從つてわれわれの方としては、これは團体交渉の対象ではないけれども、苦情処理機関というのがありますから、苦情処理機関によつてお互いに憩いところを修正するということでやろうじやないかというようなことは言つたことはないのです。
  1378. 神山茂夫

    神山委員 それはけつこうです。それとは別個に、たとえばこの問題について、東鉄では團体交渉をするという話も聞いたというように、あなたが先ほどおつしやつた、ようですが……。
  1379. 牛島辰彌

    牛島証人 東鉄が團体交渉をするということは、私は申さなかつたと思います。東鉄においても交番制そのものについて團体交渉をするというようなことは聞いておりませんから、私、先ほどおそらく言つておらぬと信じております。
  1380. 神山茂夫

    神山委員 それではもう二つ聞きますが、エーミス氏に十一日の日ですか、お会いになつたときに、新交番の問題は團体交渉で何とかしてはどうかというような意見があつたことはありませんか。
  1381. 牛島辰彌

    牛島証人 これは十一日ではなく、十二日の月曜日に、これから交渉を再開しろという話が出たときに、いろいろ組合側も質問もしたのですが、私もその日は行つておりましたが、その日は具体的な問題は極力避けておられた。そうして抽象的に概括論を言われ、こうだ、ああだというふうに言つておりました。
  1382. 神山茂夫

    神山委員 その後はそういう話がありませんか。
  1383. 牛島辰彌

    牛島証人 その後は私どもの方と組合側と一緒にこの問題について行つたことはありません。
  1384. 神山茂夫

    神山委員 その次にあなたにお尋ねしたいのは、今度の爭議が起つたときのことなんですが、あなたは総裁ではない、局長さんでよくこまかなことは知らないかもしれないのですが、東神奈川の場合にしましても、千葉の場合にしましても、レーバー・セクシヨンの指示があるその前に爭議が從業員の自主的な支部の決定、あるいは本部の指示というような形で打切られていることは御存じでしよう。
  1385. 牛島辰彌

    牛島証人 どういうことですか。
  1386. 神山茂夫

    神山委員 千葉では十日に新交番制で乗るというふうに支部の大会の構成員がきめているわけです。東神奈川でもやはりGHQから指示が出る前にきめているのですが、こういうことは御存じないでしようか。
  1387. 牛島辰彌

    牛島証人 それは私はつきり記憶がありません。
  1388. 神山茂夫

    神山委員 それではまた方面をかえてお尋ねしますが、六月九日、これは問題の円なんですが、この日東達甲五八三号というものが出ている、この事実を御報告を受けていらつしやいませんか。
  1389. 牛島辰彌

    牛島証人 内容はどういうのでしようか。
  1390. 神山茂夫

    神山委員 内容は東神奈川車掌区の管理区域を次のごとく変更して來た。櫻木町、大森間を品川車掌区に移管、横浜線全線を八王子車掌区に移管し、東神奈川車掌区の管理区域を鶴見線全線と新鶴見操車場、高島間の貨物線の二線区だけに縮小する。こういう内容なんですが、お聞きになつていませんか。
  1391. 牛島辰彌

    牛島証人 それはやつたあとで聞きました。もどすときは私はまたさらにいつて戻したわけです。
  1392. 神山茂夫

    神山委員 組合側の諸君にすればあなたも御承知のように永久命令のような形で來ている、これはいろいろ解釈もありましようが、そういう点で非常に刺激している。しかも時間的に言つて紛爭はまだお互いの話合いできめるべきときに、当局側がこういう処置をしたということが非常に刺激しているのですが、この点あなたが知つておられて対抗されたということならばけつこうです。
  1393. 牛島辰彌

    牛島証人 私が聞きましたのは十日の日に横浜支部の人が交渉一緒に入つて來たときに、われわれの知らないことを言い出した。それじや一体どういうことだというので聞きました。それを聞いたら、よく列車の受持変更をやるのでありますが、それをある程度つていたようです。実際に爭議が中止されて後において、東神奈川をもどすことになりました。
  1394. 神山茂夫

    神山委員 ただこれを組合員の諸君が非常に挑戦的な行為だというふうに受取つたという事実はこういうものから起つておるということをお考え願いたかつた。さらにあなたは御存じのように、鶴見や蒲田で電源を切つたことは御存じですか。
  1395. 牛島辰彌

    牛島証人 電源を切つたということは、私の知つておりますのは例の人民電車です。行先不明の人民電車なるものが飛出したというので、とにかく鶴見川崎間か、鶴見蒲田間かどこかに止めてありますというような報告を受けました。そのときに電源を切つてあるということを聞きました。
  1396. 神山茂夫

    神山委員 ただこれをこの間業務局長に聞きましたら、自分の方とすれば対抗するアクシヨンだというふうに聞きましたが、これは事態を紛糾させ、ある場合には組合電車を止めたのか、当局側がアクシヨンで止めたのか、こういう点も問題になると思います。それで今度は今あなたのおつしやつた組合側と交渉のときに、先ほどお話にあつた首切りを撤回し白紙にもどす、二にこれ以上の犠牲者は出さない、三が問題の新交番制についてですが、この二の点は確認されたという点ではあなた方のおつしやることと組合側とも一致しているわけです。一の点では決裂したということも組合側の意見と同じわけです。三の点で新交番制について、あなたは勤務規定の問題なら断行でよいが、この問題は別だというのでつつぱねられて決裂したというふうにおつしやつていますが、一部では三の問題について、ある程度まで話合いが十日の日についたというふうに言つておりますがどうでしようか。
  1397. 牛島辰彌

    牛島証人 新交番制の問題について話合いがついたというふうに組合側がとつているとすれば、これはちよつと話が違うと思います。ただ九日、十日、十一日の朝の交渉と、十に日以降の交渉とはこれは性格が違うと思うのです。われわれはとにかく組合の自主的な力によつて、また自分らとしても讓るべきところは讓つてストライキを解決したい。こう思つて話した点は事実ですが、何としても組合側としてはその当事解雇者を白紙に返す問題に非常に力を入れて要求されておりました。とにかく君たちはこの爭議を止めるような指令を出せと再三言つたのですが、どうしても話合いがつかなかつた。その当時申しました問題は、新交番制の問題について團体交渉をする用意があるということは十日の日に言うたのです。新交番の問題について、新交番自体についてではない。新交番そのものが團体交渉の対象でないということはわれわれも初めから知つておりますが、新交番の問題について話合いをする用意があると言つたのですが、組合はついに自主的な解決ができないうちに、指令がとにかくああいう事情で解決されたという点で、ストが止まつたということになつたので、その後の交渉はわれわれとしては新しい交渉考えております。しかしそれは新交番の問題について、われわれは十二日以後においても新交番そのものの内容の檢討、それから新交番そのものがどういう性格のものであるかというような点についての團体交渉をやりました。その結論としてわれわれの方の考え方は新交番團体交渉すべきものではない、管理運営の問題であるということを先ほど來申し上げたのであります。
  1398. 神山茂夫

    神山委員 そのときに休憩がありましたね。十日の交渉中に……。
  1399. 牛島辰彌

    牛島証人 ……。
  1400. 神山茂夫

    神山委員 牛島さん、その記憶を起してもらう前に一つ問題が違つて來た。GHQ側からの中止命令が出てから態度が違つたということはわかりますが、その前に、私が一番初めに言つたところですが、千葉では自発的にやめている、東神奈川でも自発的にやめているということは御存じないかと言つたことは、こういう点に関連しているからです。十日に千葉では新交番で乗るという形で問題を打切つている。それから神奈川でも十一日の午前にこの問題については態度を決定している。こういうことは御存じないのですか。
  1401. 牛島辰彌

    牛島証人 組合内部の態度決定については私どもは知つておりませんが、東神奈川が新交番乗務したのはずつとあとです。
  1402. 神山茂夫

    神山委員 それは問題が漏れただけです。支部で勧告に暴いてそういう決議をしているのを御存じないかということをさつきから聞いているのです。
  1403. 牛島辰彌

    牛島証人 私は存じておりません。
  1404. 神山茂夫

    神山委員 それで今の休憩の問題ですが、休憩はなかつたのですか。
  1405. 牛島辰彌

    牛島証人 思い出しました。初めは大臣應接室でやつて、何分であつたか記憶がありませんが、一時休憩して、それから総裁の部屋でやりました。
  1406. 神山茂夫

    神山委員 そこでその休憩に入られた理由はどういうわけですか。ただ生理的にお疲れになつて休憩に入つたのですか。それともあなた側の方か組合側の方で意見がまとまらない点があつたのでしようか。
  1407. 牛島辰彌

    牛島証人 このときはたしかわれわれの方としては非公開で組合と折衝を開始したのですが、一部横浜支部の関係の人が入つて、その結果相当詳細に、また相当激烈に横浜支部の連中も発言し始めましたが、相互に話合いをして行く上において非常に時間もかかつたという点もありますので、中ごろに、支部の人というか、それは傍聽人の形式だつたのですが、出てもらいたいということは私の方から言つたことがございます。神山さんも御存じの通り、われわれの方の團体交渉となりますと、一番えらい人に皆つつかかつて來るから相当お疲れになつた点もあつて、総裁からここらで一ぺん休憩しようじやないかと言われたわけであります。
  1408. 神山茂夫

    神山委員 下山さんが疲れてふらふらになつたということ……。
  1409. 牛島辰彌

    牛島証人 ふらふらでもなかつた
  1410. 神山茂夫

    神山委員 問題は下山さんは從業員側の申入れを入れてもいいというふうになられたのではないですか。
  1411. 牛島辰彌

    牛島証人 そのとき先ほど神山さんが読まれた交路の変更をやつた結果、横浜支部の人が、おれたちはゆうべ乗ろうと思つたら新橋の運轉から乗らぬでいいと言つたという話を聞いたのでこれは少し話が違うから、どういう話だと話を聞いて、それを調査するつもりもあつて、われわれはその後においてそれもさつそく調査いたしました。
  1412. 神山茂夫

    神山委員 それは東達甲第何号が出て、こういう問題に関連して乗ると決定して乗りたいと思つたけれども乗せなかつたということをあなたに聞きたかつたのですが、下山さんがお疲れになつたばかりでなく、そういう実情もお聞きになつて、ある程度妥協してもいい、あるいは考慮してやつてもいいというときになつて、加賀山氏、牛島さんあたりの世間で強硬派と言つている連中が、休憩時間にがつちりと昔の線にかえしたと言われているのだが、この点あなたはつきり言つてはどうですか。
  1413. 牛島辰彌

    牛島証人 そういうようなことはございません。とにかくわれわれはあの問題について当然のことを当然に考え言つておりましたから、さほど強くなつたり弱くなつたりしているつもりはございません。
  1414. 神山茂夫

    神山委員 彼の場合はわからない。あなたは初めから終いまで強いのだ。しかし下山さんは必ずしもそうじやなかつたということも一言言つておけばいいんだ。  それから行政整理の問題に関連するのですが、行政整理を行われるにあたつて共産党員だから特に首を切るという指示をされたり、あるいはそういうヒントを與えられたようなことはないのでしようか。
  1415. 牛島辰彌

    牛島証人 それははつきり申し上げます。そういう点はございません。
  1416. 神山茂夫

    神山委員 ところがそれが実際下の方になるとあるのです。これは先ほどの吉武君の話とともに、あとでお調べを願つて、事実を適当な形で報告していただきたいのでありますが、新橋支部の池袋電車区分会で最近起つたことです。吉岡君と田中君、この人たちの首が切られる場合に、人事係長の藤巻一彌という人は、前もつてこの人たちは共産党員だから首を切るということを分会で言つて歩いている。この問題について管側にお願いに行きますと、管理部長は会つてくれないという事実もあるわけなんです。これはほんの一例ですが、あなた方の趣旨に反するからこういうことがあつてはならないのだが、こういうこともあるので、行政整理を行われるにあたつては、この点についてあなた方がぜひ公正にやつていただきたいということを私は希望せざるを得ない。この問題についてぜひ調査をして、そういう一方的な行為のないようにあなた方としてはやつていただきたいと思います。(「あたりまえのことだよ」と呼ぶ者あり)そのあたりまえのことをやつておらないから問題なんだ。
  1417. 牛島辰彌

    牛島証人 これは速記をとめてもらつていいですか。
  1418. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 速記をしばらくやめて。     〔速記中止〕
  1419. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 速記を始めて下さい。
  1420. 神山茂夫

    神山委員 最後にこの新交番制を東鉄局長命で発令しているのですが、これが五月三十日である。ところがなぜこの五月三十日という日が選ばれたかどいうことになつてお聞きになつたことはございませんか。
  1421. 牛島辰彌

    牛島証人 私は存じませんが、事務の都合じやないかと思います。
  1422. 神山茂夫

    神山委員 これが事務の都合なのかそれとも五月三十日あるいは三十一日すなわち古い今までの公務員法が適用される。そのときにしばつて置いて、それからあとで六月一日から國有鉄道になつたということを追いかけて來た。こういうふうに解釈されても仕方がないのじやないのですか。
  1423. 牛島辰彌

    牛島証人 それは先ほど申し上げました、これは東鉄から開いてもらうのが一番いいと思いますが、小口関係の日通から省に國有鉄道に移管する事務を、私ども聞いておるところでは五月の中ごろからやれどいう強い勧告もあつたわけで延ばし延ばししておつたわけであります。從つて、それに伴つてあれは何日からやつたか私ちよつと記憶しておりませんが、そういう点で六月一日を選んだ。その意味合で事務的にできたのじやないかと思います。
  1424. 神山茂夫

    神山委員 それで今度もともとの陸運関係勤務規定に帰るわけですが、この問題については今年の一月ごろ組合側から反対の意思表示があつたというようなことはございませんでしたか。
  1425. 牛島辰彌

    牛島証人 お答えします。この規定は先ほども私ちよつと申しましたが、人事院の指令によりまして四十八時間勤務になつた。その結果、これは内閣の方、総理廳関係の指令によりまして各主管大臣がきめることになつておりますから、もともとそのとき四十八時間に突然やつたという点について組合側は賛意を表しなかつた。この点は先ほど言つておる通りであります。しかしそれもどうにも動かすことができないという点に立つて、その規定改正について約三回か四回ほど話合いをして、希望がある者は希望を出して置き、直し得るものは直そうといつてできたのです。根本の実動四十八時間については、組合としては賛成しなかつたが、それ以外の点についてはまず賛意を表したものと、あの当時において、團体交渉は全然ないのですから、一方的にやつてもいいものを三日か四日の話合いをして各組合の人も出て來て、私もその会合に二回くらいは出て話を聞いております。
  1426. 神山茂夫

    神山委員 それでさらに新交番制の問題について、中鬪との間にやはりある程度交渉があつたのじやないでしようか。
  1427. 牛島辰彌

    牛島証人 どういうことでございましようか。
  1428. 神山茂夫

    神山委員 六月七日と八日、あなた方との間に交渉の申入れはなかつたですか。
  1429. 牛島辰彌

    牛島証人 八日の午後だつたと思いますが、一ぺん申入れがありました。それが初めてです。
  1430. 神山茂夫

    神山委員 八日の日はそれでいいです、私の言うのは今度下の方で勢い自然発生的に問題が起つて來たときに、その裏づけとして労働條件の一つである宿泊條件が関連していたのではないか、この点を諦められませんか。
  1431. 牛島辰彌

    牛島証人 私は交番の問題について組合としてたくさんの要求を出して來るのは通例である。新交番とたくさん並べて來ますからその中の一つだろうと思いますが。
  1432. 神山茂夫

    神山委員 あなたは民自党の諸君の意見に支配されておるわけでもないでしようが、外部からの勢力が非常に強かつたというような一つの先入感を持つていらつしやるから、あるいは局長だから上から見ておるからそう見るのであるから、一方下にそういう條件があることをあなたの言葉でよく御確認を得たいが、あなたはなかなか澁つている。さらに山田業務部長がこの間來まして、新交番の問題について業務部長の山田君は旧交番制をやめて新交番制でやれというふうに言つておるところでも、実際においてははたから見れば旧交番制と同じだというようなところが大分今度あつたと聞いておりますが、こういう報告を聞いておりませんか。
  1433. 牛島辰彌

    牛島証人 その点につきましてはそこまで聞いておりません。
  1434. 神山茂夫

    神山委員 東神奈川区長などはほかの職場では名目的に新交番にして、実際は旧交番に乗つておるところもあるから、これは区長の権限で何とかしてやるという話も出ておると思います。これが紛爭の種になつたことはお開きになつたと思う。聞いておりませんか。
  1435. 牛島辰彌

    牛島証人 その点については聞いておりません。
  1436. 神山茂夫

    神山委員 残念ながら結論としては末端の事情にあなたは詳しくないという結論が出ますが……。
  1437. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それでは済みました。よつとこの間お聞きしたいと思つておりましたが機会がなかつたのですが、熱海のストをも含む実力行使を行うという決議がありましたために、あの決議に基いていろいろの惡い事情が起つたかどうか、この点をどうお認めになりましようか。
  1438. 牛島辰彌

    牛島証人 非常にむずかしい問題ですが、あの決議は、最惡の場合はストをも含む実力行使を行うということになつております。その後中央委員会から帰りまして、各地の支部あるいは分会等多数決議をやつております。しかし中には実力行使をやるといつておる所もありますし、実力行使はしないといつておる所もある。いろいろばらばらな決議をやつておりまして、実際の整理に当りまして、一部実際に実力行使の状態を現出したと思われるところもございます。     〔「この問題と何の関係があるのか」と呼ぶ者あり〕
  1439. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 関係がないことはない。前から聞こうと思つてつたことだから……。
  1440. 大橋武夫

    ○大橋委員 ちよつと伺いますが、先ほどから團体交渉の問題に、新交番がなるかならないかという点がありましたが、今後の御方針としまして、やはりかような交番の問題は團体交渉の問題としては取上げないという御方針でありましようか。
  1441. 牛島辰彌

    牛島証人 お答えします。先ほど來何回も申し上げましたように、交番を編成するということは公共企業体労働関係法に言う國体交渉の対象にならないものと私どもは解釈しております。
  1442. 大橋武夫

    ○大橋委員 今後の方針としてもそれで行かれるのですか。
  1443. 牛島辰彌

    牛島証人 私どもとしましては、今後もこの考え方をかえない。かえる必要もないと思つております。
  1444. 大橋武夫

    ○大橋委員 それから省側で、この車掌区長の指定した交番によらずして勤務する者は、これは公共企業体労働関係法の第十七條違反として將來ともお取扱いになるお考えでありますか。
  1445. 牛島辰彌

    牛島証人 お答えいたします。車掌区長交番を指定して、これによつて乗務すべきしことを命令することは、普通の一般の場合でありますと、業務命令でありますから、業務命令に違反したものとなります。但し労働運動としまして、労働運動と言いますか、労働爭議と言いますか、爭議の形態といたしましてそういうことが現われますれば、業務命令に違反すると同時に、公共企業体労働関係法十七條違反ということになると思います。
  1446. 大橋武夫

    ○大橋委員 それだけです。
  1447. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 では済みました。どうも長時間ありがとうございました。  本日はこれにて散会いたします。     午後八時四分散会