○
折本證人 そうです、
浦和の
役員がみんな
折本さんなんかは二十五万円でも安いくらいだ、安いくらいだと申すので、私
どもでもしようがないから、
せがれが一人おるのでございますが、その子と一生懸命に計算を始め
たんです。今までは計算したことはないのですが、大体覺えているので、一日どのくらい入
つてどのくらい出るということは大体わか
つております。それで大略計算してみました。あるときで一万三千円
收入があり、少いときは七千五百円のときもあれば、八千円のときもあれば、八千円何がしのときもある。ですから自
轉車は十月から約四月
一ぱいは霜枯れでございますから、
夏場景氣がよくてもその間空白がございます。それだのにとても夏場もぎりぎり
一ぱいでは、冬場に行
つて食べるのにおぼつかないし、全部計算しますと、月に九千円か一万では足らない。それでたくさんあ
つても一万三千円くらいなんです。ですからひつくるめて計算しますと月一万一千ではむずかしい。ですから二十五万円の
税金を滞納しないで納めれば九万八千何ぼかでございます。それにそのほか
営業税や
市民税や縣民税。
家屋税、道路の
寄付等がいろいろつきますと、一万一千くらい予算しておかないと足らないのでございます。そうすると全
收入を差上げないと間に合わないというような勘定になると思います。それでせめて五百円や千円足りないなら私がおはずかしい話ながら
競馬の馬券賣りに出かけても、補
つて行けると思いますが、やむを得ずやめて、
せがれに四千円
そこらしかとれないのですが勤めさしたのです。月に一回あつたりなかつたりする
競馬へ馬券賣りに出かけまして、一日百三十円日当をもら
つて、その中から一円ずつ
税金を支拂わされる、それでもそれが毎月あればよいけれ
ども、この間は四月にあ
つて五月に競輪が
大宮にあ
つて出かけましたが、一日
行つたきりで子供がはしかにな
つてわずらいついて行かれなくな
つて、七月
あたりにならないと行かれないのです。