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杉田證人 私はその根本原因は、税が非常に高いということも、一つの原因である。それから最近における
納税思想があまりよい成績を收めておらない。別に低下したとは考えておりませんけれ
ども、二十二年度よりも二十三年度は
ちよつと上昇しておりますから、低下したとは申し上げませんが決して理想的なものではございません。
申告所得税というものを普及宣傳いたしまますことは、なかなか容易ならない大
事業で、一年や二年ではなかなか理想的なものにはな
つて参りません。しかも
税金が非常に高い
関係で、
納税者は少しでも安くしたいという
氣持を持
つているわけでございます。それを
税務署では高く、正当なものに、適正な
課税をやりたいというので、
努力いたしてはおりますけれ
ども、そこにいろいろな隘路がございます。隘路と申しますと、これはたくさんございますけれ
ども、まずも
つて人に関する問題、物に関する問題、金に関する問題、こういうふうにいろいろなことがあります。そのほかに税務官吏が最近若干素質が低下しておる。こういうこともあるいは事実であるかと思います。ですからして、まずも
つて、税務官吏の素質を改善する。それからなお非常に能率が非能率的にな
つておるということも、これは考えられることだろうと思います。これは訓練とか講習とかいうようなものを頻繁にいたしまして、できるだけよいものをつくり上げて行くようにしなければならぬ。それからまずも
つて私がいつも申しておるのでありまするけれ
ども、二百人近くの人間がおりましては、監督も、なかなかこれは通牒やなんかには書いてございましても、実際問題といたしましては、どうもたくさんの人間が外部に出て出張をしている。それを署長が中にお
つて監督するということはなかなか容易ならざる困難事であります。できないとは申しませんが、これは容易ならない困難事でございますから、まずも
つて大宮あたりへ一署を分轄いたしまして、そうして管轄を少くする、
納税者を少くする。なおそれに從事する署員の数を分轄によ
つて減らして行く。そういたしまして監督を嚴重にするということが私は必要ではないか、こう考えております。なお私はこの機会に人の問題につきまして、これは二十三年におきましては、私の方の直税課長は
ちようど三人かわ
つております。
ちようど一年足らずの間に三人更迭いたしております
関係で、こういうような点につきましても、これは上局においてお考えをいただきたい。私といたしましては、課長が栄轉して参りますと、それをしもおさえるというか、やめてくれということはなかなか申しにくいのでございますが、首脳部が三月かそこらでじやんじやんかわ
つて行くということは、たいへんまずい。それからなおそのほかに、
係長の次の
個人所得の方の次席、あるいは三席級の者が四人ほど、ごぼう抜きされておる。これは私としては非常に痛いことであります。こういうようなこともできるだけやめていただきたい。それから最近非常に住宅難である
関係上、思うようなうまい人事というものができかねるのであります。そんな
関係でどうも東京、関東、信越
財務局で、近所に畠を持
つておらないという
関係で、どうも浦和、川口などという所から主任級、あるいは次席、三席級を抜きたがる傾向がありますので、これらの点はよほどお考えいただきたい。さらにまた徴收の方の係りにおきましても、主任を
財務局にとられまして、その後任には下から上
つて行く。上
つて行
つた者が今回の忙がしさのために、遂に病氣になりまして、約二月、三月欠勤して、最近になりようやく出て來ました。こういうような
状況でございます。次席、三席、主任級が非常に足りないわけであります。