○葛西
説明員 それでは
あとで質問をいただくことにして一應申し上げます、実は
予算の
関係は今折衝中でありますので、具体的に申し上げますと大蔵省の方の第一次の査定が先日ありましただけでありまして、今押しもどしをしておるようなわけであります。
新聞でも御
承知のように、十四日ごろの閣議で全体的に本ぎまりになるというようなわけでありまして、目下折衝の途中でございます。
從つてこれから申し上げますことに、大体折衝の途中の第一次の大蔵省の内示案、
政府のごく内輪のことをごく大ざつぱに申し上げてみたいと思います。
厚生省の一般会計の
予算は、昨年は御
承知のようにごく大ざつぱに二百七十五億あ
つたわけでありますが、本年度の第一次内示は三百二十億ということにな
つております。このうちごく大ざつぱの内訳の増したのは、四十億ばかりが
生活保護費の増加であります。それから七億ばかりが児童福祉法の施行による児童福祉の
関係、それから十二億円ばかりが結核の増床
計画の要求を認めたというような点であります。そういたしますと昨年度の第一次案くらいというふうなことになるのでありまる。今川井専門員からの
お話では、シヤウプ・ミツシヨンのレポートに基く平衡交付金のことを主として申すようにということでございましたから、この中の平衡交付金
関係のことを申し上げたいと思います。中に入ると大蔵省が言うて内示して参りましたものが百八十七億でございます。
從つてその残りの一般会計と言いますか、
厚生省
所管になりますものは残りの百三十三億ばかりのものがあります。シヤウプ勧告の言うところによりますと、大体社会福祉あるいは児童福祉、
衛生の
関係というようなもので一部の
補助金を出してお
つて、そうして國と
地方とで社会福祉、保健
衛生の仕事をしてお
つたものについては、大体これを平衡交付金に入れるというようなことにな
つておりますので、自然大きな
生活保護法の金、児童福祉の金、それから
傳染病予防の金、民族昆虫の駆除の金、そんなようなごく大きな億を単位とするようなものの
補助金は、すベて千二百億の平衡交付金の中に入れてや
つて行くというのが現在の案でございます。平衡交付金が一体どういうふうにな
つて、どんなふうな手続で使われて行くかということについては、シヤウプ・ミツシヨンのレポートの中にもいろいろに読めるようなところがありまして、私の了解するところでは明瞭でないようであります。
從つて政府部内の現在までの折衝の途中においては、この金がどういうふうなかつこうで具体的にいかに配付され、その後いかに
監督されどうな
つて行くかというようなところは、まだ実ははつきりしておらないようでございます。
平衡交付金の話に関連しましてシヤウプ・ミツシヨンの報告は、
從來の
補助金を大体五つくらいにわけておるのですが、第一は今言うように
地方の一部、國と
地方といろいろな利害がある
関係について平衡交付金でや
つて行くというようなもの、それから第二は、一部の
補助金であ
つても——特別にシヤウプ・ミツシヨンのレポートに書いてあることでありますが、たとえば結核の予防についてこういういい
方法がある、こういういい
方法をもし
地方でやるならば半分の
補助をしよう、奨励的にやろうというわけで
補助金を出そう、これは
從來通りの
補助金でよかろう、これがシヤウプ・ミツシヨンのレポートには百五十億円ぐらいのものが入
つておるのであります。第一次の平衡交付金は千二百億であります。それから第三番目は、
從來全額の國費をも
つて補助して仕事をしているものでございます。これはいろいろな統計をとりまとめる仕事でありますとか何とかいうようなもので、
地方に負担をさせることがどうか、しかし國が直接やるわけにも行かないから、
地方に
補助を出す、そのやり方は
地方に渡さず、
中央だけで出すというような、
金額補助の
制度があるのであります。こういうものは内容を検討して、これはむしろ国費としてやるべきである。これを
地方へ委託をする場合には
地方の金を使わずに、國が十分の金を出してやることが必要である、というふうに書いてあると私は思います。そういう全額
補助のものを國費に移して、國が
責任を持
つてやるべきものというふうなのと、それからもう
一つは御
承知の公共事業の
関係でございます。
從來公共事業としてや
つてお
つたものは、これを公共事業としてや
つたらよかろうというような点、それからごく特殊な例で長い五箇年なら五箇年の
計画を持
つて一定の水道を完成しようというわけでずつとや
つているもの、それを今率を加えたりすると
計画に齟齬を來しますから、かようなものは
從來の
補助金という形で行われる。具体的に申しますと、今のように五つぐらいの
種類で
補助金をや
つて行く。この大部分のものが平衡交付金千二百億円という非常に大きな額でありますが、そういうふうになります。ことに
厚生行政の中におきましては、第一次三百二十億、第二次において百七十億が平衡交付金の中に入る。將來私
どもとしてはこの平衡交付金というものの使い方によ
つては、
厚生行政が伸びるか縮むかという非常に大事なせとぎわにあるというふうに考えまして、これが使い方についてはただいま
関係方面、あるいは國内のいろいろな緒機関とも打合をいたし、十分私
どもの
厚生行政が伸びるようにしたいと考えておる次第でございます。
從つてただいまここでこういうふうになるということと申し上げる段階に至
つておらぬことをたいへん遺憾に存ずるわけでございます。
なおこれは余談でありますが、お許しを得れば申し上げたいと思いますが、昨日ある縣の知事が私のところへ見えまして、一体平衡交付金はどうなるのだという話をしておりました。これは
從來の交付税、デイストリビユーシヨン・タツクスのようになるのか、あるいはそうでなしに、ひもつきというので、この金はこういうふうに使え、この金はこういうふうに使えということになるのか、その知事は、
從來の交付税と同じように、ぱつと
地方へ行
つてごちやごちやに
地方で使われるのだろうというようなことを聞いたらしゆうございまして、
自分はこういうふうに聞いておるが、ほんとうかという質問があ
つたわけであります。私
ども関係方面で若干漏れ聞いておるところによりますと、かようなものではない、ひもつきで行くものであると、シヤープ・ミツシヨンの中にもそういうところが節々でいろいろ実は見られるわけでありますが、そういうようなことを話しましたところが、その知事は、いやそうしてもらわなければならん、全部
地方にまかされてしまうということになると——実はその知事は結核の問題を引いて話ししておりましたが、結核問題というようなことがこの縣では実は大事である。ぜひこれをやらないといけないというふうに思
つて、
予算を提案したければも、これが議会等から入れられないというようなことがあ
つて、議会等が、ことに——こういうことを申し上げてよいかどうかわかりませんが、選挙が違いというようなことから、
自分のところの道路に入れたいとか、橋をかけるという
方面に全部使い切
つてしま
つて、そうしてそういう経費が削減される。更正してしまうということにな
つてしまうと、
自分としてはバランスのとれた健全な行政が行えないような結果になるおそれがあるので、君から聞いたひもつきのようなことであれば、
自分はそういうふうにぜひしてもらいたい。
從來のようにあまりこやかましいことをいうであれさるなら返上したい。やはり少しある
程度の大わく的のひもをつけてもら
つて、これはこう、これはこう、
あとは
地方で任意でやれということが今の
現状としては一番適当ではないかと思うから、これはそういうことにや
つてもらいたいということでありました。実は私も内々この平衡交付金について考えておることと、昨日某縣の知事の話しました点とは、心持においては似ておりますから、御披露申し上げた次第であります。なお御質問等によりましてお答申し上げます。