○久下
政府委員 田代委員の御質問に対しまして、私からお答えを申し上げます。ます第一に病院職員の不正
事件の事実でございまするが、これにつきましてはかねてからさようなことを指摘されておりまして、私
どもとしては、その問題のあることをすでに数回にわたりまして直接
調査をいたしておりまするし、また出先の医務出張所を通じまして、詳細な
調査をいたさせておるのでございます。問題は今日すでに檢察廳の手に取上げられておりまして、その方のとりはからいを待つて私
どもの方の行政上の措置をいたしたいと思つておりますが、司直の手による適正なる解決を待ちまして措置をいたすつもりでございます。ただ私
どもが今日まで承知いたしておりまするところでは、確かに御指摘のように不正な事実はございますが、この点は監督の責任を持つておりまする厚生省といたしましてはたいへん申訳なく思つております。司直の手による解決を待ちまして、それに適應する行政上の措置を講じたいと思つておる次第であります。
第二の患者の強制退所に対してのお尋ねでございまするが、患者の強制退所の問題は、その不正を摘発したためにやつたものではないと、再三の
調査によりまして承知をいたしておるのでございます。
〔
委員長退席逢澤
委員長代理着席〕
患者の強制退所をいたしましたのは、ここに詳細な報告も來ておるのでございまするが、所内の秩序を乱し、所長の指示に從わずに患者として適当と思われないような行動がございましたので、その意味におきまして退所をさせることにいたしたのであります。ここに至りますまでには、病院側におきましても再三注意もいたしまするし、また身元引受人を呼びまして、そうして勧告をいたしたり、いろいろと手を盡しておるのでございまするが、依然としてそれを改むるところがありませんで、最後の手段といたしまして、強制退所をしてもら
つたのであります。これは療養所の入所規定にも明らかにしてある点でありまして、その入所規定の定むるところによりまして、かような措置をと
つたのでございます。ところがこの強制退所を命じました後におきまして、今の不正の事実の摘発というようなことはむしろあとで起つておるのであります。さような意味合いにおきまして、問題はおのずから別であります。先ほどから申しております
通り、患者の強制退所ということと職員の不正事実ということは、これは確かに別個の問題でありまして、おのずから別の問題として以上申し上げましたような取扱いをいたしたいと思つております。