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1949-09-15 第5回国会 衆議院 建設委員会 第28号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十四年九月十五日(木曜日)     午後一時五十四分開議  出席委員    委員長 淺利 三朗君    理事 江崎 真澄君 理事 田中 角榮君    理事 内藤  隆君 理事 松井 豊吉君    理事 村瀬 宣親君 理事 池田 峯雄君    理事 天野 久君       今村 忠助君    越智  茂君       高田 弥市君    三池  信君       上林與市郎君    増田 連也君       中西伊之助君  委員外出席者         資源庁長官  進藤武左衛門君         建設政務次官  鈴木 仙八君         建設事務官   賀屋 茂一君         建 設 技 官 矢野 勝正君         建 設 技 官 木村 三郎君         專  門  員 田中 義一君     ————————————— 本日の会議に付した事件  小委員及び小委員長選任に関する件  委員派遣承認申請に関する件  地方総合開発に関する件  災害対策に関する件     —————————————
  2. 淺利三朗

    淺利委員長 それではこれから建設委員会を開会いたします。  日程には載せてありませんでしたが、先般八日の理事会において、今回のキテイ災害に対して、災害地委員を派遣することが相談されてあつたのであります。派遣するにつきましては、結局は災害地対策特別委員会と連合して出すことになると思うのであります。それでこの際現地委員を派遣して実地に調査をする方がいいと思うのでありますが、そういたしますと、衆議院規則第五十五條によりまして、委員派遣承認申請書を議長に提出しなければならぬのであります。これに対して皆さん異議がございませんければそういうふうにいたしたいと思いますが、いかがでしよう。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 淺利三朗

    淺利委員長 では御異議がなければそういうことにいたします。  なお派遣委員人選派遣期間及び派遣地等に関しましては、委員長及び理事に御一任を願いたいと思いますがいかがでしよう。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 淺利三朗

    淺利委員長 御異議がなければさように決します。  なおこれは運営委員会の方の諮問にもかかると思います。先刻申し上げたように、災害地対策特別委員会と両方から行く場合においては、人員の整理等も起るかも知れませんが、それもあらかじめ御了承願いたいと思います。     —————————————
  5. 淺利三朗

    淺利委員長 それでは次に本日の日程にあります通り地方総合開発に関する件を議題といたします。これにつきましてまずもつて当局より今日の大体の概況を御説明を願いまして、それからいろいろ審議を進めたいと思います。
  6. 鈴木仙八

    鈴木説明員 これまでの概況を申し上げたいと思います。國土計画地方計画を担当する建設省といたしまして、この際地方総合開発並びに全國的な地方計画推進に関しまして、一應申し上げたいと存じます。  御承知のように戦後の状態、すなわち國土の縮小に対しまして、かえつて人口は増大するという困難な事態に立ち至つて、國の再建をはかるにつきましては、特に経済的な力を高め、技術の基礎を養うことが緊要でありまして、ここに國土及び國内資源の高度の利用開発が重要なる事柄となつてつておるのであります。もちろんこれは自給自足的な観点に立つのでなく、國際経済において許される見通しの計算に立ちましての利用開発であることは申すまでもございません。從つてこの趣旨に基きまして、建設省といたしましては、資源に恵まれながらまだ開発に至らない未開地経済開発を戦後つとに意図して参つた次第であります。それは國の再建、重要なる各種資源を包藏する地域対象といたしまして、個々資源のみでは十一分採算のとれないこともありますし、なおかつそれではむだが多いわけでありますから、地域内の各種資源及びその地域防災的考慮等、すべてを勘案しての総合した計画を樹立することであります。建設省はかかる計画を一應特定地域総合開発計画と称しておりますが、本計画も最近は非常に地方においても重大なる関心を持つようになりまして、着々現地にこの種計画を樹立する委員会もできて非常に活機となつて参つた次第であります。かかる情勢に対処するには、当省といたしまして昭和二十三年度におきましては、各府縣より提出された地域のうち、諸般の情勢から検討いたしまして、奥曽津を初め十地域につきましては、経済安定本部とも協議をし、昭和二十四年度事業予算にその計画反映をする措置を講ずることといたしたのであります。昭和三十四年度におきましては、さらに全國的なこの種地域調査を実施するとともに、指定計画地域につきましてはさらに計画内容調査をいたしておりますが、現在全國から約三十有余の地域が提出されているので、そのうち重要なるものにつきましては、昭和二十五年度事業予算にその総合計画反映をするような措置を講ずべく考究中であります。以上が大体特定地域総合開発状況であります。  次に全國的な地方計画の問題でありますが、それにつきましてもつと具体的に申し上げますと、現在の公共事業が、府縣等地域別単位で申しますと、どうも各事業の配分あるいは事業優先順位等に均衡を往々失しており、経済効果が十分に期待できない点があるのであります。それは各縣が基本方針というべき府縣総合計画を持たないこと、あるいは持つていても、公共事業に十分反映しないこと等によるのでありまして、かかる事象は、経済原則下においては特に資金効率等を期待される今日、まことに遺憾でありまするので、建設省といたしましては特定地域開発計画と同時に、普遍的な全國の府縣計画の策定と、それに基く公共事業計画の樹立を勧奬いたしておる次第であります。國の経済復興計画も順次明らかとなつて参りましておる今日、各府縣はその立場と、おのおの特殊性と、國の要請とを勘案して府縣計画を樹立することは、まことに緊要なことと存じておる次第であります。以上特定地域計画府縣計画はいずれも合理的な経済的な建設事業を実施する基本というべきものでありまして、戦後の新しい建設考え方とも申すべきでありまして、建設省といたしましては今後これを強力に増進をして参りたいと存じております。そのため立法措置としては地方計画法を、予算措置としては昭和二十五年度公共事業費において特定地域公共事業計画の再調査書要求しておるわけでありますから、何とぞ皆さんの格別の御援助をお願いいたしたいと存じておる次第であります。よろしく御推進をお願いいたします。
  7. 今村忠助

    今村(忠)委員 ただいまの御説明について、ちよつと事務的な質問でありますが、承つておきたいと思います。第一はこの案がどうしてつくられたかという手続の問題でありますが、ただいま政務次官の御説明によりますと、提出されたものがあつてというように承つたのですが、これは各府縣から提出した意味でございましようか。
  8. 鈴木仙八

    鈴木説明員 もちろん各府縣から提出されてあるそうであります。
  9. 今村忠助

    今村(忠)委員 次にこれを建設省で担当しておるのはどこでしよう。局であるか課であるか。
  10. 鈴木仙八

    鈴木説明員 管理局企画課で一切これをやつております。
  11. 今村忠助

    今村(忠)委員 そこで第三段にお尋ねしたいのは関東の地区に、長野縣のところには調査対象地域名というものが入つておりませんが、これは縣から申出がなかつたものでしようか。
  12. 鈴木仙八

    鈴木説明員 申出がなかつたそうであります。
  13. 今村忠助

    今村(忠)委員 そこで次にお尋ねいたしますが、かようなことは縣から申出があるなしにかかわらず、國家的な見地からいたさなければ、刻下最も有用の資源を失うおそれがあると思うのでありまして、はなはだずさんきわまる計画のように存ずるのでありますが、この点はいかがですか。
  14. 鈴木仙八

    鈴木説明員 大体十地域をもつてまずこれをやつてみたいというような考え方であります。
  15. 今村忠助

    今村(忠)委員 次にちよつと承つておきますが、この調査対象になつておる項目のところに、イ、ロ、ハとあつてイの中に、水力及び水資源とありますが、この水力というものの中に水力発電を含むと思うのでありますが、いかがでありましようか。
  16. 鈴木仙八

    鈴木説明員 もちそろんそうであります。
  17. 今村忠助

    今村(忠)委員 そうだといたしましたら、長野縣水力発電なるものが、各縣と比較して表の上で第何位にあるものでありましようか、それをお尋ねいたします。
  18. 矢野勝正

    矢野説明員 的確な数字はよく覚えておりませんが、二位ないし三位ぐらいだと思います。
  19. 今村忠助

    今村(忠)委員 さようだといたしますれば、二位か三位にある水力資源開発するということは、当然常識的にも大きく取上げるべきだと思うのです。私の意見をもつてすれば、テネシー渓谷開発のごときものを日本に当てはめるとすれば、長野縣とか岩手縣とかいう山岳地帯について、ことに長野縣は天龍川、信濃川、木曽川というような日本有数の大河を持つておるのであります。この水量たるや、天龍のごときは日本第一位を持つておると承つておりますが、かようなところを捨てておいて総合開発ということは、あまりにも研究がずざんきわまるものと私は信ずるのであります。これは最後的のものであるかどうか、もしそうでないとすれば、もう一度御研究し直してそのようなものを出していただくなり、あるいはまた委員長にお願いしておきますが、われわれ委員会自身において小委員会を設けて、委員会独自の立場でそのような案もつつてみたいと思うのでありますが、この双方に対して関係官並びに委員長に御意見を承りたいと思います。
  20. 鈴木仙八

    鈴木説明員 これは電源開発ばかりでなく、いろいろな問題から割り出して、たしかまず最初に十地域を出しておるものと思います。御説のようにさらに研究をいたしまして、最も重要のものであれば、これにさし加えることもさしつかえないと思います。
  21. 淺利三朗

    淺利委員長 ただいまの今村君の御意見でありまするが、総合開発について、小委員を設けてやるということも、必要なことと思うのであります。ただかねて閉会中における継続審査の事項のうちにこれが入つておりましたかどうか、それを取調べました上で御相談いたしたいと思います。
  22. 今村忠助

    今村(忠)委員 継続審議の中にかりに加わつておらなくても、官庁からかようなものが提出されて、それに應じて委員会において適当なる処置をとるのでありますから、新規のものでさしつかえないと私は信ずるものであります。でありますから委員長において、かようなものをつくるという信念でもつて御交渉願わなければ、お取調べの上あつたらという程度では消えてなくなるおそれが多分にありますが、その点について……。
  23. 淺利三朗

    淺利委員長 ちよつと速記をとめてください。     〔速記中止
  24. 淺利三朗

    淺利委員長 それでは速記を始めてください。  ただいまの問題は、継続審議のうちに國土計画審議が入つておりますからできると思います。  それではお諮りいたします。ただいま今村君の委員長に対する質問として小委員会等をつくる意思はないかということですが、これは皆さんにお諮りいたしまして、皆さんの御同意があれば、そう進行いたしてよろしいと思います。それでは今村さんの御意見によつて、この問題について小委員会を設けることに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  25. 淺利三朗

    淺利委員長 御異議がないようでありますが、そういたしますれば小委員会の構成は何人でありまするか、その人選等についても御意見があれば——何か今村さん構想はありませんか。
  26. 今村忠助

    今村(忠)委員 他の小委員会の例によりまして、委員長に一任いたしておきますから、おつくり願いたいと思います。
  27. 淺利三朗

    淺利委員長 それでは委員長においてあとで理事の方々と御協議の上決定することにいたします。さよう御了承願います。
  28. 天野久

    天野(久)委員 ちよつと建設省にお尋ねしておきますが、わが國の領土の関係人口関係上、総合開発の必要であることはよく認めておりまするが、この総合開発の問題はよほど前から叫ばれておりますが、現在建設省でこの総合開発に対してどんなふうに事業が進められておりますか、参考に承つておきたいと思います。
  29. 鈴木仙八

    鈴木説明員 お答え申します。予算的の関係がありまして、きわめて総合開発に対しては少額でありまして、調査をしている程度でございます。
  30. 天野久

    天野(久)委員 今のお答えを聞きますると、きわめてわれわれ悲観せざるを得ない御答弁でありまするが、今までは予算的関係上余儀ないといたしましても、今後においてこの総合開発に対するお考えはどんなふうか承りたいと思います。
  31. 木村三郎

    木村説明員 それではお答えいたします。総合開発の今までの大体の経過につきましては、今政務次官からお話がありましたが、もう少し砕いて申し上げますと、総合開発という仕事各省にまたがる仕事でありまして、單に建設省ばかりの仕事ではないわけでありますが、いろいろその他の関係及び國土計画地方計画を管掌しております関係上、建設省が一應仲介の役をとるというような建前で進んでおります。いろいろ調査をした結果、及び地方から出て來た計画案に対しましては、特定地域というものがまだ政府としてはつきり認識された段階至つておりませんので、建設省独自の立場におきまして、各省関係の方と個々に折衝いたしまして、そうして計画内容を十分検討いたし、一應安定本部公土事業の方に予算査定の上において、総合的な計画でいろいろの各省予算が配分されるような考慮を拂つてもらうべく、一應の参考案として安定本部の方に提出し、予算査定の過程においてその趣旨を汲んでもらうということで現在は進んでおる次第でございまして、各省はその趣旨をよく了解してくれましてそうして多少なりともその線が予算の面で現われて来ておるというような段階でございます。
  32. 天野久

    天野(久)委員 事務当局の御答弁及び次官の御答弁、今の國の予算関係からいえばもつともかと存じますが、今の國の状況から申しますと、こういう総合開発とか、いわゆる食糧増産、あるいは産業開発のためになすべき仕事は一番急を要するものではないかと思うのです。そこでこの総合開発なども、当局もつと力強く——ここに、せつかく総合開発計画ができ、そうしてこれが調査をしている。これをなまぬるいことでやられるということは、せつかくかけた予算が空費されてしまいますし、またむざむざ資源がそのまま埋てて、われわれ國民生活の上に役立たないという結果になる。従つて私はこれに対してもつと強硬なる理論を立てて、そしてりつぱに役立つ資源を早急に役立たせるようにすることが國のためではないか、こんなふうに考えます。われわれ山梨縣としては小さいのでありまするが、わが山梨縣などにおきましても、総合開発計画をいたして、これを実施するならば、今相当の量不足しておる縣の食糧などは、それによつて十分に満たし得る自信を持つておる計画がありまするが、むしろ全國的に見ますると、もつもつとより以上有効なものがあると考えております。またこれはあるいは総合開発を幾分離れるかもしれませんが、水力発電事業等におきまして、建設省関係のあるもので幾多やりかけの仕事がある。いわゆる金を相当な額投資しているが、そのまま寢かしておるという事業も幾多あるように聞いております。こういうものを有効に生かして、そうして社会公共のために使われるように努力されることが私は最も必要ではないかと考えますので、今後におきましては、ひとつ強くこの事業に対して推進されたいと存じます。またわれわれといたしましても、そのしり押しはでき得るだけいたそうと考えておりますので、どうかひとつ今の御答弁のような、何やら頼りにならない御答弁でなく、次の御答弁はかようまで進んだというような御答弁をいただくように御努力願いたいと存じます。
  33. 鈴木仙八

    鈴木説明員 お答え申します。天野先生からいろいろ力強いお言葉を賜わりまして、非常に当局としては感謝する次第であります。もちろんこの総合計画につきましては、いろいろ各方面からそうした御趣旨のもとに要望があることが多いのであります。しかしながら何にいたしましても、現在のごとき経済状態でありまして、予算がないことは御承知のごとくで、手も足も出ないというふうなことがほんとうではないかと思うのですが、そのために先ほど今村先生からも言われたように、電力の問題につき、いわゆる水力電氣の問題につきましても、発電の問題につきましても、日本で二位か三位にある、それが計画の中に入つていないというようなこと、またそればかりではなく、鉄であるとか石炭であるとか、農業の問題であるとか、あるいは水産物の問題であるとか、全國各方面からいろいろ申されておるのでございますが、これを総合してほんとう計算をしてみると、もう日本が莫大もなく富裕になるというふうな計画のように考えられるのでありますが、これをほんとう総合計画いたしまして実行に移し、もつて日本経済の興隆をはかりたいということは建設省考えていますが、御承知通り皆様のお力によつて予算をとつていただかなければ、これはしかたがないのであります。この際天野先生のようなお言葉を承つて非常に感激しておるわけであります。ゆえに先ほど申しました通り立法措置といたしましては地方計画をし、また予算措置としましては、昭和二十五年度にはどうしても公共事業費において特定地域公共事業計画の両調査書要求しておるわけでありますから、どうか各位のなお一段の御協力をお願いしたい次第であります。
  34. 天野久

    天野(久)委員 政務次官の御答弁、今の國情に対してはごもつともだと存じます。しかし予算がないということだけで参りますならば、國の発展は期し得ないと存じます。そこで私どもから考えますと、昨年あたり予算を見ますと、災害に対し、あるいは開発に対しての政府の見解がいかにも聞違つておりはしないか。本年あたり價格差補給金に二千二十二億円、これに対して公共事業費がわずか五百億円、しこうしてその公共事業費災害等に使われる金は、使つた金の何倍にもなつて返るということははつきり現実にわかつておる。そういう予算は何ものをさいても使うべきではないか。これを使うところに初めて國の発展があり、國民の安定が期し得られる、こういうふうに考えられますので、これは政府当局を鞭撻して、この公共事業に対しての認識をもつもつと深めさせることが必要ではないかと考えます。そこでついでにお伺いいたしたいのですが、昨年の公共事業費が少かつたことも政府はお認めになつておられるようですが、現在において來年の公共事業費予算に対して、建設省はどのくらいの要求をされておられるか、参考に承つておきたいと思います。
  35. 鈴木仙八

    鈴木説明員 建設省といたしましては、十分に増額をしたい意図で進んでおりますが、今それをはつきり申し上げるわけには参らないと思います。公共事業費はいすれかなりの問題にぶつかるでありましようけれども、そのわくを拡げたいというふうに考えております。
  36. 天野久

    天野(久)委員 今はつきり言われないというお話でありますが、われわれとしては、この状態を見れば建設省としてはすでに來年度予算要求はどのくらいしなけれぱならぬ、どのくらいなければこれは完全に行かないということはおわかになつておるだろうと存じますが、おわかりにならぬというならばこれは余儀ないことであります。それでいま一つ承つておきたいことは、今新聞紙上などで傳えられるところを聞きますと、来年度災害に対する費用は國が全部負担するというふうに聞いております。これもまことにけつこうなこととは存じますが、國が負担をするというときにおける各府縣に対するその影響等に対して、何か相当な御研究、お考えがありますならば承つておきたいと思います。
  37. 鈴木仙八

    鈴木説明員 國が全部これを負担をし公共事業をやるという理想的な考えはあるかもしれませんが、それはとうてい不可能じやないかと考える次第であります。
  38. 田中角榮

    田中(角)委員 地方開発問題のうち、なかんずく電力問題というのは非常に大きな問題だと思います。しかも経済再建國土復興という面から見ましても、この電源開発ということをおいて地方開発ということは論じられないという問題であります。御承知通り見返資金特別会計の中からはすでに鉄道、逓信に重点的に振り向けられておるのでありますが、第三次の資金は残るところ電源開発というところまで参つておるのであります。この電源開発問題に対しましては、過般來参議院建設委員会その他で公聴会まで開いていろいろな問題を討議しておるようでありまするが、電源開発、なかんずく最も大きい新潟縣並びに福島縣境にあるところの奥只見電源開発問題、あるいは全國の約四五%を占めるという熊野川電源開発問題に対しましては、参議院状態等を見ますと、福島縣並びに新潟縣両縣案に対しまして、委員会において非常に議論を闘わせておるようであります。もうすでに事態がここまで來、しかも二十四年度には奥會律、すなわち奥只見電源開発問題などは着工準備が指令されておるようであります。二十五年度には当然優先的に工事にかからなければならぬという現在の段階にありまして、政府はこの電源開発問題に対していかなる構想をお持ちになつておるか。しかも見返資金特別勘定の中から電源開発に二十四年度、二十五年度を通じてどのくらい投資をされるお見込みであるかというような具体的のことを、その衝の主管者であられる資源庁長官にひとつお伺いしたい、こういうふうに考えておるのであります。今でも御発表になれる程度わく等に対して政府方針を御説明を願いたい。もう一つは参議院委員会などで非常に討議をやつておりますが、私は少くともこの問題は非常に重大な問題である、ただに新潟縣あるいは福島縣の両案が相爭うことをもつて議論が盡されたりというふうに断ずるわけには参らぬと思うのであります。しかもこれは最も大さな政治問題として、もつと深刻に、もつ廣汎に、もつと愼重に考慮すべき問題であると考えておるのでありまするが、こういう問題について政府の所信をただしたいと思うのであります。
  39. 進藤武左エ門

    進藤説明員 ただいま田中さんからお尋ねがございましたことについてお答え申し上げます。電力問題は、御承知のように昭和二十三年度におきましては、総発生電力量日本の今までの最高記録であつた昭和十八年の二億キロワツトを突破しております。しかもなお電力不足であるというのが現在の状態でありまして、ことに北海道地域並びに九州地域電力不足が一番ひどいところであります。これに対処いたしまして、前から論ぜられておりまする経済安定本部の五箇年計画の線に大体浩つておりますが、あれを土台として開発計画を立てまして、本年度におきまして三十三箇地点の許可をとりました。すでに十四箇地点に対しましては電力局から建設命令を出しておるわけであります。これに対しまして本年度の見返資金は大体百四十五億一—これは自家用の日本窒素並びに昭和電工、あるいは大分縣等が入つておりますが、電氣業といたしましては百四十五億であります。しかしこれだけではなかなか足りませんので、自己資金調達等もやつて電源開発をやらなければならぬ。しかし御承知のように見返資金が今手続中でございます。すでに本年は半年を経過いたしておりまして、少し建設期間がずれて來ているというふうな状態でありますが、これはできるだけ早くやりまして、建設を促進し、電力不足を何とかしてなくしたい。ただ問題はいままでいろいろ議論されますところは、電源開発すれば経済復興ができるという総括的の議論でありますが、しかし発電所を起しただけでは経済復興にはなりませんので、起した電氣を何に使うか、起した電氣使つてほんとう経済復興に役立つものにしなければなりません。実は私の考え方としては、まだ起した電氣を何に使うか、発電利用面とを連絡する考え方が全体として薄いように考えます。つまり五箇年計画によりまして、全國的に見て何年度幾ら、これに対して幾らこれだけ電氣を起してこういうふうにして、足りないところはこうやつてやるという総括論で行つております。しかし今日はすでに電源開発に入つておるのでありますが、これだけの電氣を起したならば、何に使うかという、需要と結びつけましてこれは眞劍に討議さるべきで、その例として今お話のありました熊野川にいたしましても、奥只見建設にいたしましても、特に熊野川は政府といたしまして檢討中でありますが、あの計画を見ますと電源と需要とを直結いたしておるという形がとられておりまして、これは全國的に見てこういう形が当然とらるべきである。そういうふうに考えます。そこで今お話のありました奥只見電源開発は、日本のこれから先の開発としては一番大きなものでございまして、考え方によりましては、大体二百四十万キロ、または百六、七十万キロといういろいろ考え方がありますが、一應二百四十万キロ案というのが世間に出ております。しかし今申しましたように、奥只見で起した電氣を何に使うかという、その電氣を最も有効に使うということの結論を得ませんと、これは何キロの発電所にするかということは未決定なのであります。今一應案が出ておりますのは百七十万キロ、地点数にいたしまして十九箇地点、あるいは二十三箇地点という地点でございますが、そのうち六箇地点はすでに建設がされた。上の方に発電所をつくると出力に影響がありますが、六箇所でございます。いずれにいたしましても影響する発電所、今後つくる十九箇所、あるいは二十三箇所の発電にいたしましても、百七、八十万キロから二百四十万キロ程度になる非常に大きなものでありまして、大体キロワット時は五十七億キロワット時、石炭にいたしますと四百万トンというような非常に大きなものであります。今の建設費にいたしますと、実は八百七、八十億かかる大きなものでありまして、日本の今の経済から申しますと、この建設計画は國の非常に大きな建設計画として当然取上げられるべきものでありまして、そうして引起された電気は、日本経済復興ほんとうに役に立つように使われなければならない。これから先の建設考え方、あるいはこの電気の利用の方法につきましては、今のような点を突込んでほんとう研究いたしまして、それから建設にかかりませんと、この発電所を起したことが経済復興になるかならぬかという点に立ちますと、たとえば卑近な例で申しますと、発電所をつくりましても、それが都庁の消費方面だけに使われてしまう。都会へ持つて来て電燈へ——電澄は消費とは言いませんが、大体消費経済に使われる。すでにさつき申しましたように、昭和二十三年度は二百四十五億キロワット時くらいで、今までの最高記録を出して、昭和六年の電氣の平均の約二〇〇%を出しておるにかかわらず、日本の鉱工業生産が昭和六年の五、六割というふうなことで、電氣は消費方面に相当に使われておる傾向が強いのでありますから、今後起される電氣はやはり生産都市、輸出振興方面に使われる、こういう方向に持つて行きたい。こういうことで、尾瀬の開発につきましては徹底的な検討をして、自主的の計画を発揮しなければならぬ。これは今のお話のように、新潟案もありますし、また福島案の政府案もございますし、日発の案もございますが、この間国土計画審議会でも御意見が出ましたけれども、國として大きな問題でございますから、電源開発委員会というふうなものをつくりまして各方面の権威を集め、各方面の御意見を検討しまして、國家として一番よろしいという結論を出して、それによつて開発したいというふうに考えております。もちろん一部一番下の方にあります沼沢沼というのが、本年着手することになつております。これは下流の発電所でありまして、これから先にだんだん上流の方へ入つて参りますから、一應の考えはでき、一應の設計はできておりますが、今申し上げたような点で、今後十分檢討いたしまして、開発に間違いないようにいたしたいと思つております。ごく概要でありますが、御説明といたします。
  40. 田中角榮

    田中(角)委員 簡単にもう一回質問いたしたいと思います。現在の日本状態といたしましては、大体終戦後ポツダム宣言受諾によりまして、電源開発というものも相当制約をされておつたのでありますが、それに対する根本的な了解は大体どうであるかという問題を、ひとつこれはもしお述べになれなければ、速記をとめてよいと思います。  もう一つは、進藤さんは現在資源庁長官として政府立場にあるのでありますが、前には自発の副総裁をやつておられたのであります。現在日発では奥只見その他に対して、過去十年の歳月と相当の調査費用をかけてやつた案が出ておるのであります。この日発案というものに対して、日発は長い間かかつたものであるからこれが一番正しいのだということを非常に強く主張しておるようであります。これは長くかかつたから大体非常に正確な数字が上つておるだろうということは第三者でも一應うなずけるのでありますが、最良の案であるかどうかということにはいろいろな異論があると思います。もちろん日発がつくつた案は、人的の内容を見ましても、大体かつて商工省の電力局の名をもつて出されたものでも、日発のつくつたものを、政府の名前を印刷されて発表されておるということを考えますと、この日発案というものは、すなわち日発が十年間かかつてやつたからということで非常に強く響いておるように考えられるのであります。今進藤さんが言われたことは、非常に國家的の問題であるから、よい案があつならばどしどしこれを取入れるだけの考えがある。日発がつくつた案だからといつて優先的にこれを取扱うのではないというようなお話でございましたが、この日発の相当強い態度に対して、資源庁長官としてどういうふうにお考えになつておられるか。きのうまでは日発の副総裁であられた、きようは政府立場でありまして、副総裁であつたときと同じ心持でおやりになるとすると、日発案がそのまま政府案になりやすいという懸念がありますので、政府の代表者としての御意見を伺いたいのであります。  第三は、先ほどもお話がありましたように、現在この電源開発問題に対しましては、二十四年度で着工しておるものがございます。しかも百四十五億のほかに、見返り資金を使わずして復興しなければならない計画があるようであります。これは電燈料の値上げその他によつて行おう、すなわち自己資本をもつてまかなおうというような計画があるようであります。こういう問題は、今相当日発がこの建設にあたつております。しかも現在の状態は、日発がこのまま建設の衝にあたるというように考えられるのでありますが、しかもこれを日発がおやりになつても、多年の経験を持ち、大きなスタッフを持つておられるのでありますから、これに対してもちろん異議があろうはずはないのでありますが、日発では二十五年度計画も、大体本札において副総裁がこれをかねてやるとか、総裁がこれをかねてやるとかいうお話も各委員会で散見するようでありますが、少くともこれほど厖大なる建設をやる場合、建設と日発の経営は根本的に分離しなければならない問題ではないか、こういうふうに考えておるのですが、この日発が今とりつつある電源開発の現業に対する考えについて、政府はどういうふうな考をお持ちになつておるか。しかもこれが現在の状態ではなく、過度集中排除によつて日発が解体されることになつた場合も、現在のようた機構でやつて行くことがいいか悪いかということも相当議論がある。その意味ではいつ解体になつても、新しい事態における電源開発というものの建設部門並びに計画部門を担当する一つのものが残つていいのではないかと考えておるのですが、以上三点に対してお考えを伺いたい。
  41. 進藤武左エ門

    進藤説明員 ただいまお話のございました第一点でございますが、電源開発計画に対して政府考えはどうかというお話でございました。これに対しましては、昨年、一昨年ふたりは電源開発をわれわれは強く要望いたしたのでありますが、これはなかなかむずかしい点がございます。ことに昨年幕れあたりは、さつき申し上げましたように日本発電状況が非常によくて、キロワット・アワーがどんどん上昇いたしまして、昭和十八年の最高記録を突破したという状況になつておるのに、鉱工業生産はあまり上つておらぬじやないか。つまり電氣がむだに使われておるから、將來の建設よりもまず現在のむだな電氣を整理することをやらなければならぬというふうなお話も、私直接その御意見を承つたのでありますし、本年に入りまして日本経済復興電源開発に負うところが非常に大きいということを、政府においても十分理解されておりまして、今後の電源開発に対しましてはわれわれはきわめて明るい氣持をもつて実行しつつあるわけであります。  第二番目に建設案に対する日発の見解はどうか。これは非常にむずかしい問題でございますが、しかし私先ほど申し上げましたように、日発の副総裁として、ことにあの開発に対しましては非常な関心を持つておつた一人であります。われわれは技術的に最もいい案だと確信をして実は世間へ出したのでありますが、さつき申し上げましたように、電源開発経済復興じやないのでありまして、起した電気をどういうふうに有効に使うかという需要をひつくるめた檢討が当然されなければならない。たとえば最大二百四十万キロ出すというのは、火力代用にあそこの発電所を使うという考えが相当入つておる。そこから電氣を大阪あたりへ持つてつて、石炭が高いし大切であるから、火力をできるだけあれに置きかえようという考えでありますが、この考えで行きますと、送電線をうんとつくらなければならない、電力の損失も考えなければならないという点がございます。それならばある程度地元でもつて工業を興して使うということになりますと、電力原價が非常に安くつく、建設費が少くて済む、電力損失も少くて済むという経済の面がございますから、地元でもつてできるだけ使うということになると、しよつちゆう継続した電氣、常置電熱と申しますか、継続した電気を得られる。この考えで行きますと十七、八万キロでもよろしいというふうなこともできるわけであります。問題は今までは発電所をつくるということが中心で、技術的議論が相当強かつたのでありますが、私の氣持としては、今申し上げましたように発電所をつくるだけが経済復興ではなく、何に使うかという用途との直結を眞劍に考えなければならぬ。それによつて発電所の機能等は変更し得るものと考えております。それでありますから技術的に申しまして、日発案あるいは日発の立場において一番いい案だとわれわれは確信してやつたのでありますが、今申し上げたような点、あるいはまだほかにいい案があるかもしれませんから、冒頭に申し上げましたように、私は各案を委員会で眞劍に御討議されて、國の案として決定することが一番いいことだと考えております。  それから第三の御質問の、今の日発の機構でやり得るかという点でございますが、スタートのときは、もともと自発は建設を主とする会社としてできたのでありますから、技術陣もそういう配置になつております。現在まで発電だけやつて建設ができておらなかつたのでありますが、そういう配置によつておりますから、さしあたりは今建設局をつくり、各支店に建設の担当の部をつくつてつておりますから、今の程度でいいしと思います。しかし建設が急激に進展いたしますと、今の機構だけではいけない。おそらく日発でもその機構について考えられると思います。  それから日発は集排法によつて解体された場合はどうかという御質問でございますが、この集排法の問題につきましては、われわれ全然わからない。國内でもいろいろの意見がございます。それから関係筋の意向も全然わかりませんからここで申し上げかねますが、この点だけははつきり申し上げられます。集排法いかんにかかわらず、工事を遅らしてはいかぬ。あるいは経済界に非常な影響を與えてはいかぬということは、これは向うも十分了承しておられると思います。われわれもその氣持でおりますから、企業形体にいかなる変更がありましようとも、建設が遅れないような処置を当然とらるべきだ、こう考えております。田中さんの御意見ですと、何か別に建設会社をつくつたらどうかというような意向もあるのではないかと思いますが……
  42. 田中角榮

    田中(角)委員 違います。
  43. 進藤武左エ門

    進藤説明員 要するに集排法の決定いかんによりまして、今の形で行くのか、あるいは七つになるか、九つになるかわかりませんが、いずれにいたしましても、企業形体の変更によつて建設を遅らさせないような処置をとるということは、ぜひやりたいと思つております。
  44. 田中角榮

    田中(角)委員 ちよつと誤解があるようですが、現在の自発の機構に対して御質問したのは、新しく別に会社をつくつてというような考えを申し上げたのではありません。日発であなたが副総裁をおやりになつておるころからだと思うのでありますが、建設部長は、副総裁が、このままやつて行ける、奥只見をやつてもやれます、こういう話でした。そういうものに対して、いわゆる日路の経営というものと、これから大きな建設をやる面というものは、おのずから分離された方がいいのではないか、こういうような小さい問題ですが、ちよつと伺つたわけです。それは御了解になればいいのですから、けつこうですが、もう一つは、これは予測で非常なむりな御注文かもわかりませんが、電源開発というものに対する外資の見通しと、政府のこれに対する腹というものがもし公表できたら……。もし政府の見通しが得られないという場合は、あなたの技術家としての考えでもけつこうですから……
  45. 進藤武左エ門

    進藤説明員 外資導入のお話でございましたが、今電氣企業として一番大きな問題になつている一つに、外債の処理の問題があります。これは御承知のように、英貨債並びに米貨債がございます。これを早く処理して、そうして米国並びに英國の信用を得るということ、これをどうするかという問題は、最近新聞等に出ておりまして、政府は非常な関心を持つております。それと將來の電源開発に対する外資導入、これは私はまだ見通しは全然わかりませんが、ただしかし、これだけ大きな開発日本資金だけでできるかというと、非常にむずかしい問題です。それでわれわれとしては、ぜひ外資を導入したいという希望を持つておる。これは技術方面、あるいは機械製造方面におきましても、われわれとしては遅れたくないのでありますが、技術的にも相当遅れ、また工事の方法等についても学ぶべき点が非常に多いのでありますから、技術の形においておるいは機械の形において、ぜひひとつ向うの発電の設備その他を導入したいという強い希望を持つております。機会あるごとにわれわれはこの点希望を述べ、またいろいろ処置も講じたいという強い希望を持つております。これは私の推測でございますが、米國においても、ある人たちは相当日本水力電氣に関心を持つておられるらしいという観測もつきますので、こういう点と、われわれが今申し上げました事業の信用を得なければどうしてもだめでありますから、事業の信用を得るため、従来の借金等ははつきりいたしまして、そうしてなおこちらの経営なり、あるいは國の法的措置等を講じてもらつて、外資の導入のできる措置が講ぜられることを早くいたしまして、できるだけ早い機会に今申し上げたような方法を講じたいと思います。
  46. 田中角榮

    田中(角)委員 もう一点だけ伺いたい。電源開発。しかも終戦前までのわれわれ日本人がやつた電氣の技術面というものには、二つあると思います。それは山岳地帶の非常に狹陶な所をうまく利用してつくつた内地の電氣技術者、もう一つは、建設技術者としては東洋という大きな面で満洲、北支それから朝鮮方面で、新しい技術をもつて、相当の危險負担を冒しながらやつて来たという、異なつた二つの面の技術者があると思います。しかも現在日発におられる方々は、日本にばかりおつて、ずつと内地の状態を見て結論を出す方と、それから大陸や何かで同じ統制をやつてみて失敗もし、相当強硬な処置をとつてつて来た方と、この統制の方式は非常に違つております。内地をずつとやられて退官されて來た方と、満洲や朝鮮をずつとやつて來られて、いわゆる新しい地歩を開いて來られた方々の感覚というものは、同じ統制をやつても、一年後に來るものはどういうものか、二年後に来る数字はどういうものか、すなわち結論的な数字を押える面に対しては、非常に大きな角度の開きがあります。そういう面から言つて日本人が過去においてなし得た電源開発という大きな技術は、やはり大陸であつたと私は思います。この意味において、これらの大きい、電源開発方針を立てて企画をし、これを実施するという面になつたら一—私が日発の副総裁であつたら、当時つくつた日発の案は非常にいいものであると思うが、それが最善のものかどうかはわからない。これは非常に大きなものであるから、衆知を集めなければならない。もちろんよい案だつたらこれをとるにやぶさかではない。これは確かにそうでなければならぬ。もしそうであるならば、でき得べくんば近き將來実施に移されるであろう、また巨大な國費が投資されるであろう、しかもそれに民族の荒廃がかかつておるという大きな電源開発に対しましては、技術屋の持つ偏狭さ、すなわちわれわれが日本電源開発を押さえて來たのだという小さな偏狭さを捨てて、祖國再建という大きな基盤に立つて、私は廣く経験者を求めることが政府の最良の道ではないか、日発の方々にもそういう意見を申すのでありますが、なかなか私が思うようにばかり行つておらないのであります、これに対して何か進藤さんのお考えがありましたらお聞かせ願いたい。もし今の立場でもつてはつきりしたことが申し上げられないということならば、私の希望といたしまして、少くとも政府がこの電源開発の問題に対して根本的に腹をきめて、巨大な國費をぶち込んで、これに民族の生命をかけるのだという氣持があられるのであつたならば、そういうような小さなこだわりをなるべく排除されて、間違いのない計画を実行していただきたい、こういうような希望だけ申し上げておきます。
  47. 今村忠助

    今村(忠)委員 この際意向をお聞きしておくのでありますが、先ほど申しました通り長野縣その他数縣が回答というか、希望が遅れておつたために、これに載つてない。希望がなかつたから、國家総合開発へ入れなかつたというようなことは私は考えられない。本省は本省の立場で、國家全般のものを開発するという計画を持たれていいのじやないかと思うのでありまして、これが予算だとすれば、長野縣調査には入らぬということになる。かようなことでは、総合開発としてははなはだ片手落ちのように思う。われわれ委員会においても小委員会ができて、今後研究に当ることになつておりますが、いつまでにわれわれ小委員会の意向を行政庁たる建設省の方へ連絡したなら、この予算の変更ができるかどうか、この点をお聞きしておきたい。
  48. 木村三郎

    木村説明員 総合開発計画概要というのは二十三年度、二十四年度調査をしてほしいといつて出て来たものでございまして二十五年度に関しては今各縣から盛んに出ております。長野縣は一應私の方も要請いたしましたが、向うが手が足りなくてできかねているということでございました、われわれ十分價値を認識している事実もありますので、來年度調査に関しては、その予算がとれさえすれば、適当に今後配分したいと思います。
  49. 今村忠助

    今村(忠)委員 われわれ小委員会の意向はいつごろまでに連絡したら、二十四年度予算要求額と関連を持たしてつまり予算に計上するのに間に合うでしようか。
  50. 木村三郎

    木村説明員 全体公共事業査定のにらみとも関係がありますけれども、十月一ぱいにはつきりすればよくはないかと、私どもは思つております。
  51. 今村忠助

    今村(忠)委員 政務次官もお見えでございますから、この際特にこの問題と関連して、またこの委員会と行政府との間の問題としてお願いしておきたい。われわれ小委員会が設置されることになりましたから、すみやかに総合開発に関する研究をして、行政府とも連絡をとるつもりでありますが、はなはだ遺憾な点は、御承知通り委員会においては、この春名新國道の問題について請願があつた。委員会では政務次官を加えて七名の人が調査に当つて、詳しい報告も出し、また委員会においては請願が通つている。ところが私つい十日ほど前、今月の初め関東建設局に参りまして、國道計画に関する地図を見ましたところが、いわゆる名新國道、われわれが大いに調査までし、報告もしてある問題が取上げてない。つまり建設省建設局に聞いてみると、官報にも出ており、議会も通過している問題を建設局で知らぬでいる。これはしばしばわれわれが委員会で言うたことでありまして、つまり委員会で決定したことを行政府がほとんど知らない。はなはだけしからぬ話である。自分の職に関係のあることが官報に出ていたら、係の者に読まして、こういうものが議会において決定してあるということを、係の者は当然知らなくちやならぬ、これは官僚の独善というものであつて、行政府が立法府を無視しているものと私は信ずる、民主主義とは、どこまでも議会を中心にして政治が行われることでありまして、議会できめられたことを、行政府の者が全然知らぬ顔をして通れるということは、断じてふつではならぬと思う。この問題は小委員会ができるのでありますから、小委員会委員を尊重してもらいたいのですが、同時に今までの議会できめたことを、今言うように、それぞれの責任者において見てもおらぬ、知らんでいるというようなことがあつてはならぬから、この際厳重なる通牒を発して、議会を尊重すべきである、民主々義政治に切りかえたということを官僚独善者に知らしめまして、どうしてもかようなものを無視する者があるなら、どんどん行政整理をしてもらいたいということを御希望申し上げます。
  52. 鈴木仙八

    鈴木(仙)説明員 今村先生の御説、まつたくその通り考えます。十分に私の方で調べまして、さつそく御趣旨に沿うようにいたしたいと思います。
  53. 淺利三朗

    淺利委員長 ちよつと先刻承つたんですが、何か電力開発は需要を見て開発すると、こういう御意見のようでありますが……
  54. 進藤武左エ門

    進藤説明員 いや、違います。ただ需要を見て今やつておりますが、具体的に発電所開発するのは、需要との結びつきを明確にしたい、こういうことです。
  55. 淺利三朗

    淺利委員長 ただ問題はこういう点が疑念か残るのです。需要に結びついてということになれば、需要の多いところに開発するということになりますが、電源開発すれば、それにより將來その地方事業が当然起ると思う。先年東北の開発のために東北電力振興会社を設立して、電力を利用して東京に事業を起したということは、明らかにこれは電力開発によりその地方開発するということが目的であります。現在東北のごときは六万ボルトの線しかないために、あの辺は電力不足して事業が起つておらない。そういう地方を積極的に事業開発をする意味において、電力を起すということは必要だと思いますが、そういう点についてはどういうふうに御考えでしようか。
  56. 進藤武左エ門

    進藤説明員 たとえば福島なり新潟で電力が起ればどういう計画を立てるということができて、また具体的に需要面との結びつきができる、今は発電所ができますと、それを東京に持つて來るとか、大阪に持つて来るとかいう大綱だけであつて、土地の産業については具体的な動きがない。発電所建設はきまつた。あとは需要方面で、どこへどういうふうにするということが具体的に並行して推んで行く。こういうことです。
  57. 村瀬宣親

    ○村瀬委員 地方総合開発につきまして先ほどから答弁がありましたけれども、どうも了解しがたい点がありますので、重ねてお尋ねをいたします。本委員会が国土計画常任委員会となつておりました時代から、すでに地方開発委員会をつくりまして、いろいろ研究をいたしまするし、またこの地方開発なるものが、資源開発は申すに及ばず、人口問題がきわめて重要であるという点から研究をされて参つたのでありまするが、先ほどからの御説明によりますると、結局地方開発に対しては調査費だけを政府はお組みになる。ここに資料としてお配りになりましたものは、ただいま今村委員がお尋ねになりました特定地域総合開発調査費が二十五年度で、これはまだ通つておらぬのでありますけれども、要求が三千七十五万円、それからことしなかつたもので來年度組もうという公共事業総合計画調査費が三千百五十万円、去年から見れば非常にふえておるのでありますが、ことは調査費であります。ところで、この要求の内訳を見まして一地建に五十万円ずつ六地建分を組むというようなこと、あるいは都道府縣にずつと渡すというようなことだけでありまして、せつかく今村委員のいろいろお話しになりました長野はまだ入つておらぬようでありますが、十箇所の総合開発地域を今まできめてやつておられる。そこに一体どれだけ予算を來年度組むのか、これによるとわからぬのであります。これは單にそんな調査費だけで、実際地方開発費としては何億円かを別に組むというのであるならば了解できるのでありますが、もし組むというのならばどのくらいの金額を御要求になつているのでありましようか。これはただ名目的調査費だけでありまして、他はほかのものにやらせるというのでありまするか。ここにもテネシー開発計画式にやるものもあろうし、國直轄方式もあろうし、いろいろな方法はあるということが書いてありますが、一体政府はどの方針で進まれるのか、もう少しわかる御説明を伺いたいと思います。
  58. 木村三郎

    木村説明員 御説のように企画課で担当しておる分でございますが、企画課要求しておりますのは調査費だけでございます。ただこれの実施の面におきましては、先ほど申し上げましたように、一應の参考案をつくりまして、参考案を安本の各省公共事業の査定の際に、その案によつてなるべく査定をやつていただきたいというような参考案を提出いたしておるわけでございます。二十四年度におきまして、この十地域に実際に金が着きました額は、大体拾つてみますと十八億ばかりの金が十地域に着いております。これは各省がこの地域に対して行う事業の集計でございます。今年度は今作業中でございまして、昨年十地域を取上げましたけれども、もう少し科学的に、この地域がはたして総合開発として大きな金を投資して、利益のある地域であるかどうかということについては、まだまだ昨年は資料が足りませんでしたので、ことしは一つの調査様式を定めまして、各縣にその様式に從つて候補地を出していただいておりまして、その様式に基いてもう一度検討し直そうという段階でございます。はたして幾地域年度こういうような作業をやるかどうかということについては、まだ未決定でございますし、なお安本の方とも相談いたしまして、この地域の確定をいたすことになつておりますので、地域がわかりませんが、何分公共事業費が限られた予算でございまするので、その線とにらみ合して数倍の量を、事業費をこの地域にぜひ流すようなことをやつてみたいというので、目下作業をいたしておるような次第でございます。
  59. 村瀬宣親

    ○村瀬委員 調査費だけを扱つてつて、実際の事業各省なり都道府縣が寄つて、二十四年度は十七億ほどやるというようなお話でありまするが、その調査をした結果各省へ、たとえば南九州地域の屋久島に水力電氣がよけいあるというようなことでありますが、そこえは調査の結果、こういう状態だからこのくらいのものをつぎ込んだらよかろうというようなことは、この調査企画課の方で御連絡になるのでありますか、そういたしまするといわゆるこの総合開発に関する限り、企画課ちようど現在の安本の役目をするということになるのでありますが、それだけの実力と権威を持つておやりになつておるのであるかどうか。つまりこれだけの調査費によつてした仕事の結果は、各省にわたり各都道府縣にわたるのでありますか、どういうふうな結びつきをなさつておるか。またその力の強さというようなものをお聞かせいただきたい。  それからこれによりますと、今年もう十七箇所調べるということが書いてあるのでありますが、大体今の十箇所のほか十七箇所というのは、どこどこを御予定になつておるのでありますか、その点を承りたい。
  60. 木村三郎

    木村説明員 お答えいたします。総合開発に対して実力いかんの問題がございましたが、これはいろいろ研究した結果どこでこれをやるかどうかという、その最もいい事業及びその計画の担当者というものが、はつきりだれがやるべきかということがどこもつかみ得ないようでありまして、その間建設省企画課が仲介の労をとつているという状態でございまして、いずれ小委員会なりをお開き願つた結果、こういう線で行くべきであろうというような結果にまつて善処すべきであろう、こう思つておる次第であります。安本の代理を務めてはたしてやり得るかどうかということについては、われわれはベストを盡くしておりますが、なかなか思うように参らないのが現状でございます。  次に調査地域でございます。十七箇所とおつしやいましたが、二應われわれがマークしているのを申し上げますと、青森縣に一箇所ございます。下北牛島を予定いたしております。それから岩手縣に二箇所ございます。これは安家地域と申しております地域であります。それから石炭石がよく出る優秀なところでございますが、大船渡の地域というのがその一つでございます。それから茨城縣と福島縣にまたがつております地域に常磐炭田がございます。この地域を一應対象といたしております。それから新潟縣に入りまして——これは長野縣新潟縣とにまたがつておる地域で、富山縣の境でございますが、姫川という川がございます。この川の流域を対象とした姫川地域考えております。それから岐阜縣に入りまして、岐阜の大垣を中心とした西濃地域というのを対象にいたしております。次は京都と兵庫縣にまたがる日本海面の地域でございますが、丹後但馬地域対象にいたしております。次は徳島縣に那賀川という川が流れておりますが、この那賀川を一應対象といたしております。次は廣島縣に入りまして、廣島縣の廣島市に流れて参ります太田川という川がございます。この川を中心にいたしました藝北地域というのを考えております。次は山口縣に入りまして、宇部炭田地帯を一應対象といたしております。次は西彼杵地域と申しますが、長崎縣の長崎市を中心とした西彼杵の牛島がございますが、これを対象といたしております。次は福岡縣に入りまして筑豊炭田を考えております。次は滋賀縣でございますが、琵琶湖を対象とした地域を一つ考えております。次は群馬縣に入りまして、群馬縣の浅間山の地域に関連しておりますが、吾妻郡がございまして、ここに吾妻地域というのを考えております。それから秋田縣に入りまして田澤湖の付近一帶でございますが、阿仁田澤地域というのがございます。それから山形縣に入りまして、亜炭のよく出るところでございますが、亜炭の最上地域というようなところを考えております。大体以上であります。
  61. 淺利三朗

    淺利委員長 ほかに御質問はありませんか。
  62. 村瀬宣親

    ○村瀬委員 最後にはつきりもう一度伺つておきたいのでありますが、そういたしますと、結局今きまつております十箇所をかりに対象として考えますならば、その十箇所のうちの北海道なら北海道へいくら予算を注ぎこんで事業をするのがよいということは、調査を担当しておられる企画課が原動力となつてその工事が始まるのか、あるいは各省がかつてにめいめいそれでは今年は総合開発で何億くらい注ぎこまれるといつて適当にやられるのでありますか。北海道なら北海道の総合開発でどれだけの予算を注ぎこんで、どれだけの工事ができるということは、ただぼやぼやつとできるのか、どういう順序で、あなたの方が基礎となつてどういう経路を経て実際にでき上るのか。その点をはつきりもう一度伺います。
  63. 木村三郎

    木村説明員 大体総合開発計画は、五箇年間を目標にした一應の計画をつくつております。そして毎年度の年次計画も一應つくつております。そしてこの線によりましで各省に連絡いたしまして、予算を組んでもらうように事前の連絡もいたしますし、なお各現地からも、その計画の線で各原局に連絡するように努力をいたします。
  64. 村瀬宣親

    ○村瀬委員 政務次官に希望を申し上げておきますが、ほんとうに國の喫緊の事業として地方開発をおやりになろうとお思いになりますならば、いま少し機構を強力なものにする必要があるのではないかということを、今の御答弁で思うのであります。いかに努力をなさいましても、一企画課というので、各省に君臨をするということは、これはとうてい困難なのであります。これはただ調査にとどめるのだ、民間によつて調査したあとをやらすのである。あるいはテネシー開発計画式なもので、國は直轄ではあまりやらないという御方針ならば、現在のままでよいかもしれませんが、そうでなしに、これをほんとう國土計画の根源として、地方総合計画として開発をやろうとなさる御方針でありますならば、十分その実力を発揮し得る機構をまずお考えの必要があると思います。この点を特に希望いたします。
  65. 鈴木仙八

    鈴木説明員 お話の点はよくわかりましたから、十分にその御趣旨に沿いまして研究いたしたいと思います。
  66. 淺利三朗

    淺利委員長 ちよつと当局に補足して説明していただきたいと思いますが、ただいままでの御説明によると、地域開発計画という名の示すごとくに、ごく小局部であります。建設省の主管する地方総合開発計画というものは、こういう小地域だけのものにとどまるのか。あるいは先般建設委員会の東北視察班の報告の中に、東北地方のごときは総合的に、もつと積極的に開発計画をもつて臨むべきであるという意見も出ているはずであります。かつては東北振興ということが唱えられまして、國策会社として東北興業株式会社、東北振興電力株主会社があり、また政府においても東北局を持つて、未開発資源として残されたる東北を、北海道と同様に開発するというような計画も立てられたのであります。ただいまの建設省の機構としては、そういう点については権限がないのか。またそういう廣い地域のものについては、地方総合開発の中に入らぬのか。その点を当局から一應説明をしていただいたならば、この委員会の檢討の上において参考になると思いますから、その点について一應の御説明を願つておきたいと思います。
  67. 鈴木仙八

    鈴木説明員 その点につきまして現在はきわめて小規模で、その調査程度のものでありますが、やはりお説のように、將來は日本全土を対象として、この地方計画をやりたいという方針であります。また先ほど村瀬先生が御質問になりましたように、建設省といたしましてはこれを立法化したい。いわゆる地方計画法でも出したい。そしてそれを実現さしたいというような意思を持つております。さよう御承知を願います。
  68. 淺利三朗

    淺利委員長 政府におかれては委員会の報告書等についても、よく御檢討を願いたいと思います。  ほかに御質問はありませんか。     〔「なし」と呼ぶ者あり〕     —————————————
  69. 淺利三朗

    淺利委員長 なお災害対策に関する件と、公共事業の一元化に関する件がありますが、その前に先刻問題になりました地方総合開発委員会を設置することに決定いたしましたが、名称は地方総合開発委員会といたすことに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  70. 淺利三朗

    淺利委員長 御異議がないようでありますから、そういたします。  小委員委員長に一任になつておりましたが、理事の方の御意見も伺いまして、この際私より指名いたします。小委員の数は、住宅対策小委員会の先例によりまして十一名といたし、その小委員として   今村 忠助君  内海 安吉君   越智  茂君  田中 角榮君   内藤  隆君  三池  信君   上林與市郎君  増田 連也君   池田 峯雄君  天野  久君   高倉 定助君を指名いたします。  なお小委員長の選任は前例によりまして、委員長より指名いたすことに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  71. 淺利三朗

    淺利委員長 御異議がなしと認めます。よつて地方開発委員長田中角榮君を指名いたします。     —————————————
  72. 淺利三朗

    淺利委員長 なお先刻來本年度の臨時國会に追加予算として建設省より提出したる要求額、または二十五年度の通常予算に対する要求額というものは、昨日までの委員会において十分明らかになつておりませんので、もしさしつかえなければその点を明らかにいたしたいという御意見があつたのであります。よつて政務次官も見えておりますが、岩澤技監、河川局長の出席を求めたのでありますが、二人の方は見えないので、防災課長がやがて見えるそうでありますから、瞬時速記をとどめ、懇談をいたしたいと存じます。     〔速記中止
  73. 淺利三朗

    淺利委員長 それでは速記を始めてください。  ただいま防災課長がお見えになりました。一昨日來の合同会議におきましても、建設省当局が今回追加予算としてどれだけ要求しておるか、また二十五年度予算としてどれだけを要求しておるか、さしつかえない限りにおいて当委員会においてもお示しを願い、それによつて建設省の最後の腹を伺つて、当委員会意見を定めたい、こういうので特においでを願つたわけであります。そのことについて一應御説明願いたいと思います。
  74. 賀屋茂一

    賀屋説明員 御説明申し上げます。建設省全体といたしまして二十五年度要求しておりますのは、総額として二千百八十八億七千百四十六万三千円であります。それから二十四年度の補正予算といたしましては、河川局に要求しておるものしかわからないのでありますが、これを申し上げますと、河川局関係で二十四年度の補正として要求しておりますのは、防災関係が二百三十七億四千二百九十四万千八百九十二円ということになるわけであります。それから砂防の関係で十五億、治水の方の関係で三十五億、合計いたしますと二百八十七億四千二百余万円となるわけであります。補正の方の関係内容を申し上げますと、防災方面関係では、これは都道府縣災害復旧費、四國方面の地盤変動対策事業費、その内訳を申しますと、災害復旧といたしまして北海道関係が十二億三千六百余万円、それから都道府縣災害復旧費が三百十八万八千八百万円あまりであります。それから地盤変動対策事業事費が五億六千五百万円、それに都道府縣事業費の補助五千二百十二万円、これだけでございます。この合計が二百三十七億四千五百九十四万一千八百九十二円でございます。
  75. 淺利三朗

    淺利委員長 改良費は含んでおりますか。
  76. 賀屋茂一

    賀屋説明員 改良費は含んでありません。
  77. 淺利三朗

    淺利委員長 補正予算には改良費はないのですか。
  78. 賀屋茂一

    賀屋説明員 補正予算には改良費はございません。災害関係のみでございます。
  79. 田中角榮

    田中(角)委員 二十五年度の二千百八十八億の大体の内訳だけお聞かせ願いたい。大わくでよろしいのですが……
  80. 賀屋茂一

    賀屋説明員 それでは二十五年度要求の局関係だけ申し上げます。管理局関係九十七億六千六百万円であります。河川局関係千六百四十八億五百万円、道路局関係が二百億六千三百万円、都市局関係が百二十四億四千二百万円、それから住宅局百十六億九千二百万円、その合計の概数は二千百八十八億七千百百万円であります。
  81. 田中角榮

    田中(角)委員 二十五年度の請求予算の中に、労働省関係等の失業対策費というものを別途に見ておられるのですか、それともこの中に含んでおられるのですか。おわかりになつたらお知せ願いたい。
  82. 賀屋茂一

    賀屋説明員 他局の関係はあまり詳しくわかりませんが、大体河川局の例から申しますと、含んでおりません。
  83. 淺利三朗

    淺利委員長 ちよつと伺いますが、過日岩澤次官が全國治水連盟で、改良費が七百億、災害費は八百九十何億と申しておりましたが、それはこのうちにやつぱり出ておるわけですか。
  84. 賀屋茂一

    賀屋説明員 七百億と申しますのは、大体改良費でございまして、直轄防災の方で行きますと、災害防除施設というものを含んでおります。それから災害復旧費が九百八十億ぐらいになります。
  85. 淺利三朗

    淺利委員長 速記をやめて。     〔速記中止
  86. 淺利三朗

    淺利委員長 速記を始めてください。
  87. 田中角榮

    田中(角)委員 今般の災害に関する特別委員会との合同審議をやりました関係上、当委員会としても当然明確な結論を出さなければならないと思います。その結論を出すために、明日引続き委員会を招集されましてその委員会において討議をせられんことを望みます。
  88. 淺利三朗

    淺利委員長 ただいまの田中君の動議に御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  89. 淺利三朗

    淺利委員長 御異議ないものと認めます。それではさようにいたします。明日は午後一時を予定して開会いたします。  それでは本日はこれにて散会いたします。     午後四時二十三分散会