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1949-05-12 第5回国会 衆議院 建設委員会 第17号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十四年五月十二日(木曜日)     午前十時四十三分開議  出席委員    委員長 淺利 三朗君    理事 江崎 真澄君 理事 鈴木 仙八君    理事 内藤  隆君 理事 前田榮之助君    理事 村瀬 宣親君 理事 池田 峯雄君    理事 天野  久君       天野 公義君    岸田  恒君       大西  弘君    越智  茂君       瀬戸山三男君    高田 弥市君       田中 角榮君    飛嶋  繁君       松井 豊吉君    三池  信君       宮原幸三郎君    上林與市郎君       増田 連也君    笹森 順造君  出席政府委員         運 輸 技 官         (海上保安廳水         路局長)    須田 皖次君         建設政務次官  内海 安吉君         建設事務官         (建設大臣官房         長)      澁江 操一君         建設事務官         (総務局長)  中田 政美君         建設事務官         (都市局長)  財津 吉文君         建 設 技 官         (河川局長)  目黒 清雄君         建 設 技 官         (建設省地理調         査所長)    武藤 勝彦君  委員外出席者         專  門  員 西畑 正倫君 五月十二日  委員今村忠助君辞任につき、その補欠として天  野公義君が議長の指名で委員に選任された。     ――――――――――――― 五月十一日  庶民向け住宅建設促進に関する陳情書  (第四四七号)  国営工事分担金に関する陳情書  (第四四八号)  住宅建築用資材確保に関する陳情書  (第四四九号)  國道十八号線島根区内舗装陳情書  (第四五五号)  災害復旧工事費國庫補助等陳情書  (第四六四号)  庶民向け住宅建設促進に関する陳情書  (四七七号) を本委員会に送付された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した事件  水防法案内閣提出第一四〇号)  建設業法案内閣提出第一四八号)  屋外廣告物法条内閣提出第一七三号)  測量法案内閣提出第九一号)(予)  建設省機構改革に関する件     ―――――――――――――
  2. 淺利三朗

    淺利委員長 これより会議を開きます。  測量法案議題といたします。本案に現在予備審査中であります。質疑に入ります、質疑通告があります。村瀬委員
  3. 村瀬宣親

    村瀬委員 測量法案根本につきましては、海上保安廳の方からもお見えになりましたときにお尋ねしたいと思いますが、それまでに、やがて見えるそうでありますから、各條文につきまして明らかにしていただきたい点を伺つておきたいと思います。  第四十條と第四十七條との問題であります。ここに「測量計画機関は、公共測量測量成果を得たときは遅滞なく、その写を地理調査所の長に送付しなければならない。」とあるのでありますが、供出基礎になります農地測量あるいに山林林軒十箇年計画等に伴う林野測量にあたりましては、この規定嚴重に適用するといたしますると、非常に煩雜となりまして、事実上実行が不可能となる場合もできるのではないかと思うのであります。これにつきましては、四十七條を見ますと「小道路、建物又は宅地若しくは小農地の境界若しくは面積の測定のため等の局地的な側量には、この法律を適用しない。」こうあるのでありますが、小農地、小道路の限界を明らかにしていただくならば、この四十條の今申した農地測量等もおのずから氷解するのではないかと思います。この二点を伺います。
  4. 武藤勝彦

    武藤(勝)政府委員 農林省等で出しております農地あるいは山林等測量の件数は非常に多いのでありますが、多くはごく狭い地域測量でありまして、しかもそれが各地にばらばらになつております。たとえて言いますと、農地といつて一反歩よりもつと狭いものもかなりあるということでございます。一反歩だけでなく、たとえば五町歩、十町歩というようなものでありましても、この程度側量基本測量標石に連絡いたしますことは、技術的に申しましてかなりの困難がございます。それと同時に面積測量そのもの費用は大してかからないと思いますが、これを基本測量の位置につなぐために相当の経費を要することになります。それでこれを実施する方に対しまして、相当な経済的負担を與えることになりますし、しかもその結果はどうかと申しますれば、それを利用する面は比較的多いとは考えられない。從いまして、こういうような農林省で現在やつておりますあの程度のものは、私どもの方といたしましては、この法律対象とできないのではないかという意見を持つております。しかしながら今のに関連して申しますが、測量面積がだんだん廣くなつて参りますと、すでに設けてあります地理調査所標石というようなものが幾つ測量地域の中に含まれて参ることになります。こうなりますと、これに公共測量として扱つた方がむしろいいのではないか、それで道路に関しましても同じようなことは言われるのでありまして、標石幾つかをその測量に利用することができるような長いものになつて参りますれば、これはむしろ利用した方が有利になると思う。しかし標石は現在一里間隔くらいに置いてあります。從つてその程度道路のようなものでありましたならば、その石を利用するために、これに相当な特別な金を支出しなければならぬようなことになつて参りまして、受益者経済的な負担を負わせることになつて参ります。從つて村道とかそれ以下の道路のようなものは、この対象とすることが、できないのではないかと考えております。  ついでにもう少し述べさせていただきたいと思いますが、小農地等をこの法律から除外いたしましたが、これは決してこれらの測量が不確かなものであつていい都考えておるのではないのであります、こういう測量でありましても、実施する方が御希望でありますれば、それに対しまして十分な技術的な助言を與えることはできるのでございます。わが國の地積測量の結果がきわめて木確かなのであるということは、一般に認められているところでありまして、このためにこうむつている不便も多いように聞いております。それで現在やつておりますような個々ばらばらな測量は、できるだけ早い時期におやめしていただいて、全国的な統一ある地積測量が一日も早く実施されることを、技術者としては希望しているのであります。こういう測量が実現されますと、その測量に対しましては、この法律技術的な根拠を與えることとなると存ずるのであります。
  5. 村瀬宣親

    村瀬委員 四十七條の小道路意味村道程度というお答えがあつたのでありますが、町村道といいましても幹線で非常に重要な所で町村道になつている所もあるのであります。むしろ縣道以上の大事な場所も残つておると思うのでありますか、この四十七條の小道路は一律に村道以下を意味するとしやくし定規考えてよろしいのでありますか。それから小農地説明をもう少しはつきりしていただきたい。先ほど五町歩云々という話もありましたが、ここに四十七條意味します小農地の定義を、末端の市町村の役場の吏員にもわかるようにご説明が願いたいと思います。
  6. 武藤勝彦

    武藤(勝)政府委員 ごもつともな御質問でございます。小道路のことでございますが、これはご質問されたように、町村道にしましても非常に最近重要なものがございます。まだ私、道路の方の法律はよく存じていないのでありますが、縣道とか、そう言うものに準ずるような道路があるのではないと存ずるのであります。そういうものは当然その中へ含めた方がよろしいと思います。それから小農地でございますが、これは單に技術的の観点からでございますが、一里四方を含むとか、それ以上相当廣汎面積を包括する測量にこの法律対象としてもさしつかえないのでございます。
  7. 村瀬宣親

    村瀬委員 次に第五十條、第五十一條でありますが、測量士測量士補規定がこれによつて定められてあるのでありますが、いわゆる農業関係測量、これは供出の苦情を防ぐ意味におきましても、今わが國で一番先にやり遂げねばならぬ大事な測量だと思うのでありますが、農業関係測量は大体実際に当つておる者はどうしてやつておるかといいますと、農学校を出たような人が多いのでありまして、測量をいたしますと同時に、作柄も見てまわるという一挙両得の方法をとつておるのが多いのであります。そういたしますと、この五十條、五十一條にはつきりと定められました測量士測量士補資格は、そういう人では得られない。從つてこれらに該当する農業方面測量に当つております有資格者はきわめて少いことになるわけであります。事業遂行の上に、あるいは支障を來たすようになるのではないかとのおそれもあるのでありますが、これらの点に対してはどういうようなお考えでありますか。
  8. 澁江操一

    ○澁江政府委員 お答えいたします。先ほどお答え申し上げましたように、測量士並び測量士補制度というものは、公共測量以上の測量に從事する者に対する一つ資格條件を定めておるわけでございます。從いましてご質問の点は、そういう農地測量公共測量に入るかどうかということによつて、ただいま御意見のありましたような技術者がはたして從事できるかどうかという問題が出て来るわけであります。先ほどお答え申し上げましたような小農地測量技術に從う者に関する限りは、測量士並び測量士補のこの法律で要求している資格は必要はないということになるのであります。
  9. 村瀬宣親

    村瀬委員 次は第五十六條でございます。五十六條に測量審議会委員規定されてありますが、この委員の中には測量士代表者を必ず入れるというお考えはあるのでありますか。
  10. 澁江操一

    ○澁江政府委員 測量審議会委員の構成に、五十六條に規定してあります通りに、技術関係ある学識経験者の中から選定することになつております。從いまして測量士測量士補資格を有する人が当然学識経験者の中に入つて來るかと考えますので、当然そういう專門の分野から選ばれることも想定されておるわけであります。
  11. 村瀬宣親

    村瀬委員 私のお尋ねいたしましたのはそういう意味ではないのでありまして、技術に関し学識経験のある者のうちでありますから、測量士が入つて來るのはこれは当然と思うのでありますが、測量士並び測量士補というものの一團があるわけでございますから、その代表といまするか、推薦母体、もう少し言いまするならば、これらの委員を單に建設大臣がただ任命するという御方針であるか、少くも測量士一つの総意をしんしやくして、單にその人が測量士であるからという意味でなしに、測量士代表というような意味で、必ずお入れになる御意思があるかという点をお伺いしたいと思います。
  12. 澁江操一

    ○澁江政府委員 実は測量士あるいは測量士補という制度が、この法案通りますれば確立するわけでございますが、今お述べになりましたような測量士あるいは測量士補に関する組織、全体的なそういう資格のある者をもつて構成する組織というものは、現在ないわけでしありますが、もしそういう組織ができまして、しかもこれが特定の人を推薦するといつたような事態がございますれば、その点をしんしやくいたしまして、建設大臣が任命するということも当然考えてさしつかえないかと思います。
  13. 村瀬宣親

    村瀬委員 次に御質問いたしたいと思いますのは、この法案を通覽いたしまして考えたことでありますが、陸上における湖沼河川深浅測量もこれによつてやることになるのでありますか、本法適用範囲に入れるといたしますならば、それに対する規定をどこかに入れておく必要はないのでありましようか。
  14. 武藤勝彦

    武藤(勝)政府委員 この法律土地測量考えたのでありますが、私たちは実は土地とうものは陸地だ、陸地土地というふうに考えております。陸地は何であるかと申しますと、それは地球の表面で海を除いた部分である。從つて陸地の中にあります湖や沼、河川等の深さ、そういうふうなものの測量は当然この法律に含まれておる、こういうふうに考えております。
  15. 村瀬宣親

    村瀬委員 一應これで打切りまして、海上保安廳の方がお見えになつてからします。
  16. 淺利三朗

    淺利委員長 本案に関しましては質疑の途中でございますが、都合によりましてこの程度にとどめ、後刻続行することにいたしたいと思います。では速記をとめて。     〔速記中止
  17. 淺利三朗

    淺利委員長 速記を始めてください。     ―――――――――――――
  18. 淺利三朗

    淺利委員長 次に建設廳機構改革に関する件を議題といたします。内閣委員会において審議中の建設省設置法の一部を改正する法律案に対する本委員会の態度を決定いたしたいと存じます。ただいま委員長の手もとに修正動議に対する発言の通告があります。―鈴木委員
  19. 鈴木仙八

    鈴木(仙)委員 建設省設置法の一部を改正する法律案につきまして、次のように修正されたいと思うのであります。   本法案日本再建基礎として、國土省または公共事業者として総会的國土計画を実施できるよう一大修正を要すると認むるも、この際少なくとも運輸省商工省両省の改組に関連して、港湾及び電源開発の二部門は、建設省主管となすべきことを至当と認められるにつき、特段のご考慮を煩わしたく、別紙修正意見を添付して申し入れます。   一、道路行政の統一を明確にすること、運輸省設置法案第二十八條九号及び第五十一條一五号の道路運送に関し、道路調査及び研究に関することを削除すること。   二、港湾に関する事務建設省所管とすること。運輸省設置法案中、港湾に関する條項を削除すること。   三、水力発電事業に関する事務建設省所管とすること。通商産業省設置法案中、水力発電に関する條項を削除すること。   建設委員会員長 淺利 三朗  内閣委員会委員長 齋藤隆夫殿
  20. 淺利三朗

    淺利委員長 ただいまの鈴木委員動議に御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  21. 淺利三朗

    淺利委員長 御異議ないものと認めます。それではさようとりはからいます。
  22. 淺利三朗

    淺利委員長 次に建設業法案議題といたします。本案につきましては前会において質疑を終了いたしております。念のために申し上げますが建設業法案印刷誤りがあります。第十九條第七号中「工事内容変動」とありますが、印刷誤りでありますので、「変動」を「変更」に訂正するように申して参りました。  これより討論に入ります。討論通告があります。池田峯雄
  23. 池田峯雄

    池田(峯)委員 私は日本共産党代表いたしまして、この建築業法案に対して反対意思を申し述べるものであります。  日本土木建築業者というものに実際不正はつきもののように言われております。実際芦田元総理大臣鹿島組であるとか、鉄道工業株式会社との関係とか、あるいは日本建設協会の主要なメンバーが西尾元國務大臣に数十万円の献金をしたというような、有名な問題等が巷間に喧傳されております。あるいはまた不当財産取引委員会等で問題になつ事件で、土建業者関係している事件はきわめて多いわけであります。從つてこれら大土建業者高級官僚、あるいはある政党幹部との結合によるところの不当利潤獲得に対しましては、國民の側から猛烈なる反対、糾弾の声が上つたことは御承知の通りであります。そこで本法案の提案の理由といたしましても、悪質業者の排除、建設工事の適正な施行、健全なる業者育成のためとうたわれておるのでありますけれども、はたしてこの法印によつてその目的をいささかなりとも達成することができるであろうかといいますと、私は断じていなと答えざるを得ないのであります。この場合小建築業者の中に悪質な業者がたくさんあるというようなことが、本委員会でも問題となりましたけれども、この小建築業者が悪質な、ないしに不正な工事をしなければならないというようなことも、実はその原因建築業者そのものにあるのではなくして、外部的な原因が非常にある。これは政府補助を出しまして、そうして住宅営團でつくつた建築物などにいたしましても、非常にお粗末な普請をしておりまして、まだ三、四年しかたつていない今日、屋根は落ち、天井は落ち、床は落ち、柱は曲つているというような建築物がたくさんある次第であります。これはすなわち建築業者がこれだけの請負金でやれ、これだけでやつてもらいたい、これは片務契約というようなことが問題となつておりますけれども、あながちそういう問題のみでなく、需要者が金がないこれだけで何とかやつてもらいたいというようなところから、勢い工事お粗末になつて來る。すなわち日本経済。やみとインフレというものが現在の工事お粗末にして行き、あるいは建築業者に不正をやむを得ずやらしてしまうというような、そういうところに原因があるのであります。また大土建業者の場合の不正は、これは日本政党政治、あるいは官僚機構に深くその根を落しておるのでありしまて、時の権力者はその権力を利用して、業者に法外な利潤を供與し、その代償として多額の政治献金を求め、あるいは豪奢な邸宅、金品をを贈與する、こういう例は決して少くないのでありまして、こういう点を徹底的に排除することなくしては、建築業者建築業界から不正を芟除するというようなことは、はなはだ不可能であるというふうに考えざるを得ないのであります。請負契約監督統制、金銭支拂い等をめぐつて、かような醜関係が存在するということは、これは中央地方を通じて、ほとんど常識的な公然たる事実でありまして、またこれは不断に再生産されておるのであります。すなわちこれは日本官僚統制、こういうものを根本から改革せざる限り、たとい法律においてどのような措置を講じようとも、こういう点をなくすることは不可能であろうと思うのであります。でありますから本法案業者登録を行い、ふるいにかけ、片務契約双務契約に改め、監督嚴重にするというようなことを規定いたしました場合に、困りますのは中小建築業者であります。從來から中央地方政治権力と密接な関係を持つておるものは、何らの制限も拘束も受けないばかりでなく、この中央建設業審議会あるいは都道府縣建設業審議会に参加いたしまして、ますます特権的な存在を強化することになろうと考える次第であります。特に昨今終戰処理費による工事が減少し、公共事業費の削減、地方財政の破綻による工事量の激減、支拂いの遅延、一般建築物減少等土建事業の全面的な繁巣を期し得ない状態に追い込まれておる現状であります。いな中小土建におきましては現在まつたく破滅の淵に追い込まれておるものもたくさんあるのであります。かかる土建業者の悪条件下におきまして、大部分官僚と大資本と大土建業者によつて構成されてあろうということが十分想像されるところの建築業審議会なるものに、工事を独占し、悪の花、毒きのこの温床になるということも、今後言をまたないところであります。でありますから、私はこの審議会委員半数以上に労働組合農業関係、あるいは市民団体代表者、すなわちこれはほんとうの利用者である眞の需要者によつて構成し、半数土地労働組合あるいは土建業者職員組合及び中小土建業者代表によつて占めることによつて、大土建官僚圧迫隷属から中小業者を解放し、働く者の監視、監督によるところの眞に適性公明な工事の施工を進め、初めて公共福祉に沿うことができると信ずるのでありますが、本法案にはこういう点がうたわれておりません。さらに特権的少数企業人民收機構のための警察費とか、かあるいは刑務所の費用であるとか、裁判所の費用であるとか、こういつた國費を徹底的に削減いたしまして、大々的に公共事業に向けて行くことをやりますならば、土建業の健全なる発達は期してまつべきものがあると信じますがゆえに、本法のごとく官僚独占を強化し、一部特権業者のみを利得せしめんとする政府原案に対しましては、共産党代表し、また全國の多くの真面目な土建業者の声も代表いたしまして、反対論をする次第でございます。
  24. 淺利三朗

    淺利委員長 次に高田弥市君。
  25. 高田弥市

    高田(弥)委員 本建築業法案は、建設事業重要性及び建設業現状からいたしまして、きわめて時機を得た法案と存じますが、第三條第一項の軽微なる工事は三十万円以下とすベきであること、建設業保護育成のため請負契約の是正に資するため標準契約約款を早急につくり、建設工事契約の範を示すべきこと、建設業審議会の運営にあたつては、特に民主的に行い、官僚独占あるいは業者代表委員工事独占にならぬよう留意するとともに、さらに信用保障制度あるいは工務士制度等の確立のため活発なる活動をすべきこと等の希望意見を述べまして、民主自由党代表いたしまして本案に全面的に賛成するものであります。
  26. 淺利三朗

    淺利委員長 次に笹森順造君。
  27. 笹森順造

    笹森委員 私は新政治協議会代表しまして反対意思を表明さしていただきます。反対理由の第一は、この制定の理由であります公共福祉尊重は新憲法の根本精神でありまして、これは國民が自発的になれて、これに徹底せしむるようにすべきでありまして、一々本案のような法律で定めて行くということは、かえつて國民自覚を促す上に適当と考えられません。またその工事の良否、施行行程適否等につきましても、これは当事者間の良心的かつ技術的な要素がありますることを必要としますので、この努力によつて相互信頼根本的に進んで行くことを必要と考えられます。こういう意味でこの立法はかえつて國民が法に依存するような習慣を馴致しまして、良識、良心、あるいはこの公共福祉を進めて行かなければならないという自然的な発生と発達を妨げるもののように考えられます。  第二に、登録制業者に手続上の非常な煩わしさを與えまして、特に中小規模逮築業者に対しましては、非常な不便と業界における圧迫をさえ感ぜしめることになると心配されます。たこの登録は一面において形式的な資格をつくり上げることに終りまして、表面的にできました資格によつて、実質的にかえつて注文者を誤らしめるようなことなきを保しがたいような心配があるのであります。その上また官僚行政の弊を増すようなおそれもあると考えられます。  第三に、請負契約の公正は、業者に対する多年の評價を参考として、かつ相互の道徳的な信頼によるべきものであると考えられます  最後に第四として、あえて審議会を設けなくとも、不適当なものがありますならば、それは当時者間の正確な判断と責任によつて決せらるべく、國民的自覚によつて左右せられるものと考えられます。  以上の理由に、よつて本案反対をいたします。
  28. 淺利三朗

  29. 上林與市郎

    上林委員 私は日本社会党代表いたしまして本法案賛成意見を述べ、たいと思います本法案立法的措置に対しましてわが党は賛成でありますが、若干の強い要望を持つておりますので、以下簡単に申し述べたいと思います。なおこの希望意見委員長報告の際に取入れていただきたいという要望あわせ持つておる次第であります。  まず第一に、從來のいわゆる土建資体とでも申しましうか、独占的な土建資本業者保護法に堕する危險があることを考えして、かかる從來土建資本ないしは独占的な土建資本業者擁護法に堕することのないように、運営上十分注意していただきたい。これが強い要望一つであります。  第二の点に、前に申上げまし点とうらはらの問題になりますが、いわゆる土木建築中小企業保護の問題であります。これが一方においていわゆる大資本的土建資本業者保護法に堕する場合に、反面において中小企業圧迫になると思うのであります。これを除去する運営上の十分なる配慮を、私ども希望として持つておるのであります。  いま一つは、現在または今後の問題として、從來大資本のもとに協力的関係にあつたたとえば自由労働者ないしは設計の技術を持つておる者、こういう土木建築関係を有し、從來協力的関係にあつたこれら一連の者が今後自己の資本あるいは技術、あるいは労力を結集して、土木建築事業主体たらんとする氣運がないとは言えないと思うのであります。また私どもはあつてほしいと思うのであります。こういう氣運がある場合には、あるいはこれが具体化された場合には、これを育成するに支障なきよう、運営に十分なる配慮をしていただきたいと思うのであります。  最後に建設業審議会の問題でありますが、この構成に関しては、先ほど申し上げました中小企業代表者、ないしは今後見通されるところいわゆる社会政策的、ないしは社会主義政策的な立場から起るのであろうところの業者代表者を、審議会の構成メンバーに入れてもらいたい。これが社会党の強い要望であります。  以上の要件を希望して本法案にわが党は賛成するものであります。
  30. 淺利三朗

    淺利委員長 次に増田連也君
  31. 増田連也

    ○増田(連)委員 本法案を目的とするところに建設事業公共性及び國民経済の再建上における重要性並びに建設業現状にかんがみまして建設業を営む者の登録の実施、建設工事請負契約の規制建設技術者の設置等によりまして建設工事の適正な施工を確保するとともに、建設業の健全なる発達をはかるというけつこうな趣意であります。私は民主党を代表いたしまして賛成の意を表するものであります。しかしながら希望意見を付します。すなわち本法実施にあたりましては、これより新しく建設業を営まんとする者及び小さな業者圧迫せぬようにされたいということ、建設業審議会委員の人選につきましては、万全の注意を拂つて、いやしくもこれがボス化されないように監督官廳として責任を十分に持つていただきたいという、以上二つの希望意見を付しまして原案に賛成いたします。
  32. 淺利三朗

    淺利委員長 次に天野久君。
  33. 天野久

    天野(久)委員 私民主党を代表いたしまして希望條件を付して本案賛成いたします。この希望條件につきましては、どうかひとつ委員長におかれましては本会議上程までは手続が完了いたすならば御提出願いたいと思います。  先ず第一に第二十二條の一括下請の禁止の條文でありますが、この條文にこのままでありますならば、今まで社会においていろいろボス的存在として非難を受けております者の跳梁にまかせることになつて参りはしないか。今請負業が各所に置きまして名義を出して、そうして一括請負をいたしまして二割くらいの頭をはねて下請に渡す。こういうようなことが非常に社会で非難を受け、建築業のがんとなつておりますので、いま少ししつかりした骨を入れて、二十二條の下に「主たる部分は請負業社がみずから施工せなくてはならない。また一部下請をなさしむるも、一切の責任は元受業者が負わなくてはたらない。」この條文を加入いたしたいと思います。  それから次に第十九條の第七に、價格の上に「賃金」の文字を入れたい。請負業の主たる部分は賃金が負うておるのでありまして、賃金は重大なものである。いま一つ第三條に関連いたしますが、この板金工事ととび工事とが轉倒しておりはしないか、いわゆる請負業に関するとび工事重要性と板金工事重要性とは非情に相違がある。とび工事は非常な請負工事の中の重要な役割を占めておるが、この條文を見ますと、とび工事はこの法案の適用を受けない。こういうことになつておりますが、これを十四と十五の位置をかえてもらいたい。それからいま一つに、地方におきまして小さな業者で非常に堅実なものがある、こういうものを、生かしてもらうために請負金額の額が政令で定めらる場合は、その人たちが働き得る余裕を持つ相当な額をきめてもらひたい、この希望條件を付しまして、本案賛成いたす次第でございます。
  34. 淺利三朗

    淺利委員長 これにて討論は終局いたしました。  これより採決いたします。本案賛成の諸君のご起立を願います。     〔賛成者起立〕
  35. 淺利三朗

    淺利委員長 起立多数、よつて本案に原案のごとく可決いたしました。     ―――――――――――――
  36. 淺利三朗

    淺利委員長 次に水防法案議題といたします。本案につきましては、前回におきまして質疑を終了いたしております。この際、昨十一日本案に関しまして地方行政委員長より意見の申入がございましたので、これを朗読いたします。    申入  地方自治体は目下財政的に非常な窮状に陷つている。しかるに今回提案せられた水防法案には地方財政に対する用意がない。この点に関して建設委員会として十分考慮せられたい。   昭和二十四年五月十一日         地方行政委員長   建設委員長殿  この申入れにつきましては、本委員会にて了承いたすに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  37. 淺利三朗

    淺利委員長 御異議なしと認めまして、さよう決します。これより討論に入ります。討論通告があります。上林委員
  38. 上林與市郎

    上林委員 私に日本社会党代表いたしまして、政府原案水防法案に対しまして、反対意見を述べたいと思います。  今回政府が本法案を提案いたしましたる目的を見まするに、消防法、消防組織法の一部を改正いたしまして、從來消防團の活動対象となつておつた水災害、火災、あるいは震災等から水災害のみを抽出して、市町村を含むいわゆる水防團体、特に指定水防團体の責任において、水災害を警戒し、防禦し、及びこれによる水災害を軽減し、もつて公共の安全を保全せんとするにあると考えるのであります。わが國が水災害にしばしば見舞われるということについては、いまさら申し上げるまでもないことであります。また戰時、戰後を通する治山活水に対策の不備、怠慢及び諸種の悪條件が競合いたしまして、近年は特に水災害が激増して、人命財盛産を脅かし、國民生活の安定、國土復興にはなはだしく支障となつておることは、私から申し上げるまでもないのであります。かかる現状にかんがみるときに、われわれは水災害施策の基本的課題としての完全なる立法の必要性を痛感するのであります。またこれが実現の一日も早からんことを期待するのものでありますけれども、本法案に対しましては、次の理由から反対せざるを得ないのであります。その要点をごく簡單に申し上げます。  一つは水防團の組織及び運営上の点であります。運営上の点はこまかになりますので、この際省略いたします。が、本法案を見るときに、都道府縣知事の指定を受けない市町村は任意ということにはなつておりますけれども、原則としては水防活動の組織主体とでも申しましようか、いわゆる水防團の設置を予定されておるのであります。ここに見られる水防團の活動対象としてあげられておる主たる事項は、從來消防団によつてなされている活動事項とほとんど同一である。すなわちダブッているものが多いのであります。かような点を考えてみる場合に、現政府が何ゆえに現行消防法の整備強化をはかつて、水災害対策の完全を有する方法を採用しなかつたかという点について、私は了解に苦しむものであります從つて政府があえて本法案を消防法と別個に單独法案として提案いたしましたことは、機構の複雑化、通俗的にいうならば、屋上屋を架するような、いたずらなる機構いじりにすぎないと私に考えるのであります。かりに今日の水災害の重要性にかんがみまして、根本立法を試みんとするといたしましても、現行消防法はそのままに存続せしめて、今度は水防法を制定するという部分的な対策を骨子とする立法はやめて、水災害は言うまでもなく、火災、震災等、一切の災害の防止、あるいは対策を織り込んだ総合的統一的立法こそ現下の急務であり、現下の要請にこたえるゆえんであると、私ども考えているのであります。これが反対の第一の理由であります。  次は費用負担に関する点であります。本法案は第三十二條及び第三十三條において、水防管理團体及び都道府縣の費用負担について規定を持つているのであります。これによれば、もし市町村が水防事務の処理のために水防團を設置する場合はもちろんのこと、一たび指定水防團体に指定されますと、当該市町村はこれに要する費用のことごとくを負担する建前になつているのであります。これでは諸経費の膨張の上に、貧窮にあえいでいる町村財政、ことに経済九原則実施の過程において、地方配布税は半減を見ておるし、公共事業費として計上さるべきはずの國庫負担もまたはなはだしき削減にあつて消防團の維持存続さえもあやぶまれる現状において、さらに別個の機構を新設して費用負担せしめることは、その血趣旨のいかんにかかわらず、地方財政を破綻に追い込んで、現実にはむしろ本法案の趣旨に逆行する結果になるおそれなしとしないのであります。そこでわれわれに、水災害の重要性にかんがみまして、かりにわれわれの主張するように、水害、火災、震災等、あらゆる災害を総合統一した立法を試みる場合においても、これに要する費用のごときは、基本的には政府の責任においてまかなわるべきであると考えるものであつて、この点において本法案は致命的欠陷を有するものであると思うのであります。  以上述べました他に、いろいろこまかい点にわたつて、議論の余地は多々残されておりますけれども、この際省略して、右主たる点だけを指摘いたしまして、本法案反対の表明するものであります。  なお一言つけ加えておきたい点は、災害防止のために氣象観測の施設を拡充することが先決的要件であると思うのであります。これに対するところの用意もないのでありまして、これに対しましても私どもは本法案反対理由といたしておるのであります。
  39. 淺利三朗

    淺利委員長 次に、瀬戸山三男君。
  40. 瀬戸山三男

    ○瀬戸山委員 私は民主自由党代表いたしまして、二、三の希望意見を付して、本法案賛成の意を表するものであります。本法案は、第一條にも明定されておりますように「洪水火は高潮に際し、水災を警戒し、防ぎよし、及びこれに因る被害を軽減し、もつて公共の安全を保持することを目的とする。」といたしておるのであります。このことに、現下わが國においてきわめて重要なことであります。現在の法制におきましては、消防組織法、並びに消防法にその活動の基礎を置いておるのでありますけれども、現行法律におきましては、その法律の体系が、主として消防に重点を置いておるように見受けられるのであります。水災に関しましては、單に二、三の規定を置いて、法律上これを軽視しておるがごとき観を呈しておるのでありますが、この点にかんがみまして、この法案が提案されたということがよく了解できるのであります。きわめて重要な水災に対しまして、法的の根拠をつけるということは、その活動に対しまして熱意を示す根本になる、かように考えておるのであります。ただ問題は、各党派方の方々も心配されております通り、消防團のほかに水防團を置くということについてでありますが、しさいはこの法案を研究いたしますと、第五條にあります通りに、原則といたしましては現行の消防機関によつて水災の防除をする、また災害の救済をするということに原則が相なつております。それによつてどうしても十分に果し得ないときに、やむを得ざる方法として水防團を置かなければならない、また指定管理團体以外においては、その実際に即應して置くことができるということになつておりますので、法は運用のいかんにより、各自治團体において、その時宜に適した処置をとることができるのでありますから、あながちこの点において混乱を來すということはないと思いますけれども法律が字句によつて動くという場合もありますから、政府におきましては、本法案の精神をよく下部末端まで滲透していただきまして、消防團と水防團との混乱を来すことのないように、よろしき指導をお願いいたしたい、これが第一の希望であります。  さらにまた、先ほども地方行政委員会からの申出もありました通りに、きわめて財政窮乏の折柄であります。地方公共團体の当然負わなければならぬところの責任ではありますけれども、本法案の眞の効果を現わすためには、財政的根拠がなければ相ならぬのであります。その点は十分なる御用意と、好結果をもたらすように、適切な処置をしていただきたい、こういう点であります。  さらにまた、ただいまも社会党の意見が出ましたが、本法案は現在における特別な手段としてやられたと私は考えるのでありますが、本來ならば、この法律にも書いてあります通りに、消防機関によつてこの目的を達することかできない場合は水防團とあるのでありますから、近き將來において、統一せる防災法というようなものをぜひ立案、提案されんことを希望いたすわけであります。  さらに、これは当然のことでありますが、根本的な対策を樹立するということが、この法案を生かすべき最大のゆえんであると、かように考えております。政府当局におかれましては、年年つのつて参りますところのわが國の水災における災害を未然に防ぐという偉大なる計画と、それを実行されんことを切に希望いたしまして、この法律が将来不要になるような、きわめてよい日本の状態にしなければいけないということを要望いたしまして、この法案賛成するものであります。
  41. 淺利三朗

    淺利委員長 次に、村瀬宣親君。
  42. 村瀬宣親

    村瀬委員 私は民主党を代表いたしまして、本法案反対をいたすものであります。  申すまでもなく、わが國のごとき災害のはげしい図におきましては、國土再建の基盤となるものは、水害を未然に防止する施策を講ずるとともに、一たび災害が発生すれば、強力なる水防組織を整備して、水防活動を強力に実施せればならないことは、これに当然であります。しかしながら、本法案を見ますると、この法案が種々の災害対象から、特に火災のみを分離していること、わけても指定水防團体たる市町村に対し、既設の消防組織から独立した水防團を設置すべしとする変則的規定を設けていることは、今までできております消防組織の水災に対する無力ないし不適当視を前提とするがごとき感じ起こさすものでありまして、消防團員の士氣を高揚するゆえんでないと思うのであります。特に狭小な地方町村の場合におきましては、かりに水防團を設けるといたしましても、明らかに水防團員たる者は從來の消防團員と多くその人的構成を重復することになるのでありまして、町村自治しただに消防組織に屋上屋を架するにとどまるものであると思うのであります。ことにこの法案が水防團の新設に重点を置かれておることを考えまするときに、いろいろその設置は任意であるとか、今までやつておるところへ都道府懸知事が指定するにすぎないとかいう議論がありましても、私は今の時期として、この法案にはまず反対をいたしたいのであります。  第二点といたしましては、地方財政負担を考慮せずしてこういう法案を今つくるべきでないという観点であります。これは本二十四年度の予算を知らない者ならばともかく、われわれが責任の位置にあつて地方財政を最も虐待した二十四年度予算を通した本年度におきまして、さらにその上地方負担を負わすことのわかつておるこの法案を、今ただちに設けるということに賛成はどうしてもできないのであります。いわんや毎年水害に悩まされま」て、膚旗その出任の任に立つております全國町村長の会長が、当然水防に対する施設は喜んでこれを受けねばならない立場であるにもかかわらず、反対意見書を提出しているゆえんも、実にここにあると思うのであります。  以上をもつて民主党を代表しての反対意見といたします。
  43. 淺利三朗

    淺利委員長 次に、天野久君
  44. 天野久

    天野(久)委員 私に民主党を代表いたしまして、希望條件を付して本案賛成をいたします。  まず第一希望希望いたしたいことは、わが國が水害のために年々悩まされておりまして、水防上いろいろな施設の必要なことは申すまでもありません。しかしそれでは今まで水防はそのまま捨てておいたのかと申しますと、さにあらずして、各地方における消防團が、全責任を負うて水防の衝に当つておつたのであります。ここに突如として水防法をこしらえまして、もしこのために地方の消防團といきさつができるようなことがありまするならば、この法案が出たために、かえつて水防を阻害するようなことがある。この観点から、地方における消防團との摩擦、いわゆる屋上屋の形をつくらずして、むしろ消防團を活用いたして、しかして本法案を有効に水防のために利用する、この点についてほんとうに十分なる注意を拂つていただきたい。  それから次に、第九條を見ますると、水防團員は河川及び海岸を視察いたして、危險の箇所があるならば、ただちに申し出でなければならない、こういたしております。しかし申出をいたすことはごく簡単であまりするが、せつかく申出をいたしまして、その申出に対して施工をいたさなかつたならば、何にもなりません。今の現状におきまして、地方財政は、ますます窮迫に陷つておりましが、この場合申出がありましたら、ただちにこれを施工いたす準備があるかどうか。ないといたしまするならば、この申出に対してただちに施工ができる準備を完備いたしてもらいたい。  それからいま一つ、この二十三條、二十四條を見ますると、水防に対して縣知事及び建設大臣が指示することができるとは書いてありまするが、河川の水防に対しては、往々にして対岸はそれぞれ、利害が相反するものであります。ここにあらためて水防團が設置されますると、その水防團の任に当りました者は、自村の水防に汲々といたし、今より一層その施設に入念なる注意を拂うということは、当然の結果であります。対岸の水防が完備いたしますれば、それは反対の側の水防がもろくなる。こういう結果になつて参りまして対岸同士の相爭いが深刻になつて参るということは、これ自然の結果ではないかと存じます。この場合に、甲の方が堤防をあるいは新設いたし、あるいは強化いたして、水を反対側に向けるような施設をいたす。そういたしまする場合には、反対側は危險を受ける。また反対側でもそれをやる。自然に川に狭まる。あるいはそのために、非常に被害を受くるような結果になることに、往々にしてありがちでありますので、この点につまして、いま少ししつかりとした、大きな観点から対岸双方の利害をにらみ合せて、しつかりした指示をする機関を設けてもらわないと、せつかく出た水防法案が爭いを引起し、その結果不幸を生するようなことかあつてはならぬと存じまするので、この点にも格段の注意を拂つていただきたいと存じます。  なお最後に、いま一つ希望條件といたしましては、今わが國の災害は、火災ひんぴんとして起きます。また水害もありまするし、あるいは天災地変もありましよう。これを一括して、しかしてその住民がこれを未然に防ぎ、完全に守り通す機関をこしらえるのでなくてはならぬと存じます。だだ水防のみをとり上げて、ここに一つ法案をこしらえてみましても、わが國の災害が完全に防ぎ得るとは考え得ないのでありますので、これらに対する総合した、完備した、いい法案をこしらえて、これに当るということが最も必要ではないか。こういう機会に、災害に対する全般にわたる防衛体制を整える法案考えていただきたいと存じます。  以上の希望條件を付しまして、本案賛成いたす次第であります。
  45. 淺利三朗

    淺利委員長 次に池田峯雄君。
  46. 池田峯雄

    池田(峯)委員 私は日本共産党代表して、本法案に絶対反対するものであります。  私は、この法案が本委員会に提出されましたときに、往時軍部、官僚が横暴をきわめておりましたときのあのやり方を、ふと連想せざるを得なかつた次第であります。すなわち彼らは、やまと魂、あるいは皇國精神、滅私奉公、一億玉碎等の言葉を盛んに使用いたしまして、雨あられと降り注ぐ爆彈、焼夷彈に対して、ばけつと火たたきで対抗せよ、対抗できると指導し、原子爆彈に対しては白い着物を着よ、敵の本土上陸に対しては一人一殺、竹やり戰術を唱導した、あのやり方が、そのまま本法案の中に生かされているということを指摘することは、私は決して困難ではないと思います。本法案の提案理由には、こううたつております。「御承知の通り近年洪水による災害は激増の一途をたどり、昭和二十三年度のごときは、公共土木施設の被害のみでも五百億円に上つております。一方治氷の根本対策たる河川砂防費用は、國家財政の現状より思うにまかせないありさまで、このまま放置いたしますならば、洪水の害は遂にとどまるところを知らないであろうと考えられます」云々。すなわち今や國土の荒廃その極に達し、本年度のごとき僅少なる公共事業費をもつてしては、本年予想されるところの大水害、この被害をとうてい防止することができない現状にあることを、政府自身認めているのであります。しかも吉田内閣の力ではこの被害を未然に食いとめることは不可能である。政府政府の任務を全うすることができない。税金は遠慮なく取上げるけれども公共事業費の方は、わずか五百億しか出さない。大部分を特権大企業、少数の大企業の擁護に傾け盡さなければならない。こういつた民自党政府の性格としては、荒れ果てた國土を顧みるいとまがない。そこで政府考え出したのがこの水防法であろ。往年の防空訓練さながらの、竹やり、ばけつの戰術であるのであります。しかもこの水防に要する費用は、当該水防管理團体が負担するというふうに規定されてしおり、政府の責任は毫末も規定されていないのであります。しかるに市町村、あるいは市町村組合、水防予防組合に対しましては、その区域における水防を十分に果すべき責任を有するというふうに規定されておる。一体現在の地方公共團体に、かような経費をまかない、しかもその責任を十分に果すことができる経済基礎があるでありましようか。地方の財源はほとんど中央に吸收されております。地方配付税の配付率は、削減されております。二十二年、二十三年の災害復旧、あるいは六・三制の学校建築のために、莫大なる負債を負つておる現状であります。さらに自治警察費、教育費等、これは当然國庫で負担すべきものを地方自治体が負担し、一方地方産業の疲弊もようやくその極に達しようとしておりますときに、政府は災害防除のための費用をとつてやることができない。お前達で責任をもつてやれ、もし堤が切れても災害が起きても、それはお前たちの責任だぞと言わぬばかりの法案がこの水防法案だといわなければならぬのであります。また團員の定員、服務規則等は、市町村の条令できめることになつておりますが、消防團に入つておるだけで非常な負担になつているところでありますから、半ば強制的に團員に組織されることになるでありましようし、仕事を休んだ場合でも、それに対する報酬というような点も全然考慮されず、特に水防作業のために負但し、あるいは病氣にかかり、または殉職したというような場合における規定も明確にされておりません。こういう殉職者に対しましては、当然本法において國庫が何らかの処置をとるというような規定がなければならないのでありますけれど、これが市町村の條令で定めることにたつておりますために、現在の地方財政の疲弊した状態から見ますならば、きわめて僅少な涙金になるであろうということは明らかであります。從つて戰時中のあの國家総動員法の徴用令と同様に、強制的に一般住民が政府の責任を逆に轉嫁されまして、肉彈となつて水の中に飛び込み、命を捧げる責任を負わせられることになるであろうということが考えられるのであります。  さらにまた、本法案におきまして、水防團と警察署の関係でありますが、第十五條に主として市町村でありますが、水防管理者は、水防のため必要があると認めるときは、警察署長に対して、警察官または警察吏員の出動を求めることができることになつておりますけれども、この場合に、水防作業全般の指揮権は何ら明確にされていないのでありまして、この場合十数箇町村を管縦し、独自の通信綱を持ち警察権を持つのが当然優位に立ち、事実上警察権の指揮下に入ることになるでありましよう。民自党政府の企図しておりますフアツシヨ政策が、ここにもその若芽を出しておるというふうに私に考えるのであります。水害はかような一片の法律によつて防止できるものでほ絶対にありません。近代的科学兵器に竹やりで対抗すると同様、あたらとうとい人命と労力と資材を、いたずらに荒れ狂う自然の猛威の飜弄にすかせるのみであると思うのであります。共産党は、大企業、独占資本の擁護のための経費を全面的に削減いたしまして、財源を減らし、公共事業費を大々的に増額いたしまして、國土の復興に充当すべきこと、これをまず第一現在の政府がやらなければならないということを要求いしまして、本法案反対の意を表明する次第であります。
  47. 淺利三朗

    淺利委員長 次に笹森順造君。
  48. 笹森順造

    笹森委員 私は新政治協議会代表しまして、本法案反対の意を簡單に申し上げす。わが國河川の実相にかんがみして、水防強化の提本的樹立が特に必要でありますことは、何人もこれを痛感せざるを得ないのでありまつ。しかるに本法案はその根本的対策にかなつておるようにに考えられません。すなわち本法案のごとくに、市町村に促來の消防團のほかに水防團を新設せしめて、重い責任をこれに負わせんとするがごときことは、いたずらに窮乏しております地方の財政負担を増し、かつ機構を複雑にし運営を澁滯せしむるおそれがあるのであります。もしも本法が暇に強行せられたとしますみならば、よつてつて起る今後の弊害、並びに起るであろうと考えられます催災地民の不平が、今から予想せられるのであります。よつてむしろ公共事業費を國家がその必要限度において増額し、もつて水防の根本的なる指導を講ずべきでありますが、それが望みがたい間は、むしろ現在の消防團の組織及び機構を一層合理的に整備して、その経費には機動性を持たせて、もつて一段の効率を上げるのが適当と考えるのであります。  以上の理由によりまして本法案反対をいたします。
  49. 淺利三朗

    淺利委員長 これにて討論は終局にいたしました。採決いたします。本案賛成の諸君の御起立を願います。     〔賛成者起立〕
  50. 淺利三朗

    淺利委員長 起立多数。よつて本案に原案通り可決いたしました。     ―――――――――――――
  51. 淺利三朗

    淺利委員長 次に屋外廣告物法案議題に供します。  本案についても前会において質疑は終了いたしております。これより、討論に入ります。討論通告がございます。前田榮之助君。
  52. 前田榮之助

    ○前田(榮)委員 私は日本社会党代表いたしまして、本案に対して反対意見を陳述いたしたいと思うものであります。  本案のねらいは、第一條に明記されておる通りに、「美観風致を維持し、及び公衆に対する危害を防止するために、」という点に重点があるのでありまして、この法案の精神については、われわれも判対するものではございません。なおこの法案の多くの不備の点につきまして、われわれ相当意見を持ち、この目的の精神が、われわれの企図しておりますように一大修正が行われるならば、本案賛成するもやぶさかでないのでありますが、そういうことに、すでに会期の切迫いたしておる今日、現実が不可能である点を考えまして、われわれは全面的にこの法案反対せざるを得ないのであります。その理由といたしましては、本案が成立いたしまする結果として起りまするところの、いわゆる第二條に揚げてありまするところのはり紙及びはり札という点が、労働運動その他、社会運動等に大影響のある点なのであります。申すまでもなく現在、日本はその使命といたします民主革命を行う途上にあるのでありまして、今日の日本に、民主主義國家としての一應の形態は、戰後の國民の努力によつてできているようでありますが、なお内容については、今後國民の努力によつて完成されなければならぬものが多くあることは、万人の認めるところであります。その際におきまして、民主革命を行う途上におけるところの最も民主主義的なる國民運動、こういうものが、この法案成立後における結果として起る問題は、憲法の第二十一條規定されておるところの集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由はこれを保障するとされてあるのでありまするが、この中の言論、出版その他一切の表現の自由を保障するという点に、本案成立後において影響するところが甚大であることをわれわれに憂慮するものでございます。この点は政府側の説明によりますると、これは憲法違反にあらず、公共福祉のために行われるものであつて國民の力によつて憲法を守ればよいのである。從つて國民が民主的なる制度によつて守られ得るものであるという御意見であつたのでございます。もちろんわれわれといたしましては、國民の力によつてそれを守らなければなりませんけれども、問題は風致美観を維持し、及び公衆に対する危害を防止する点と、いわゆるはり紙その他の一切の表示等が、民主運動の重要なる点との比重の問題になると思うのであります。民主的運動の発展に貢献するためには、この点に多少の難点があるといたしましても、比重の点からわれわれは絶対にこの民主運動に支拂障があり、それを阻害するようなことには賛成でさないのであります。こういう点におきまして、いろいろこの條文を見ましても、多くの欠陷があることを指摘しなければなりませんけれども、時間の都合もあるのでそうい詳細の指摘は劣略いたしまするが、ただいま申し上げましたような点に重点をおきまして、日本社会党本案成立については反対するこをここに表明するものであります。つきまして、この案は恐らく多数をもつて成立すると思いますが、私にもし多数をもつて成立する場合には、少数意見を保留することをここに言明いたしまして、反対意見を表するものであります。
  53. 淺利三朗

    淺利委員長 次に大西弘君。
  54. 大西弘

    ○大西(弘)委員 私に民主自由党代表いたしまして、屋外廣告物法案に絶対賛成の意を表するものであります。  第一、本法の第一條に揚げてあるところの美観風致を維持する、この目的であります。日本の新憲法下における今日の現状に、まつたく観光日本として自他ともに賞賛され、許されておる今日にああした美観風致を害する現状を見たときに、まことに嘆かわしい事柄が点々として目前に現われておのであります。なるほど民衆運動あるいは労働運動等の表示に対して、こういうことを制限することは、それを圧迫するかのように見える節もありますが、これに見解の相違であつて、そういう意思表示は一枚のポスターを張つて、それが万人に見え、万人に納得できるものでけつこうなのであります。しかるに今日の廣告の実情は、同じ文句のものを何百枚も張りつらねるというあの現状こそ、まことにもつて取締りの必要があると、私はかように信じて疑わないのでありますゆえに本法案こそまことに時代に適したものでありまして、この法案の罰則の第九條に、三條から九條までの規定に基く條例には罰金のみを課することになつておりますが、私はこの規定こそ軽きに失するものたと考えておるものであります。今日の実情から考えてみて私は本法案に心から賛成するものであります。
  55. 淺利三朗

    淺利委員長 次に池田峯雄君。
  56. 池田峯雄

    池田(峯)委員 共産党は、現政府が住年の治安維持法、あるいは治案警察法、あるいは帝國憲法の條文を非常に小きざみにいたしまして、つまりよろいの上に法衣をまとうあの清盛の故知にならう粉飾に苦心しながら、こつそりとすべての法案の中に忍ばせて來ることに対しまして、徹底的に反対をいたすものであります。本法案はかような意図が明らかに看取されますがゆえにこの政府原案に絶対反対を表明するものでございます。  この法律は、美観風致維持、公衆に対する危害防止というきわめて漠然たる範疇に基きまして、都道府縣條例による一定の地域内の屋外廣告物の表示あるいは廣告物を提出する物件の設置を制限ないし禁止することができるという、憲法第二十一條に保障されている一切の表現の自由を束縛せんとするきわめて重大なる法でございます。政府委員説明によりますと、美観風致の維持を必要と認める区域内において、すべての屋外廣告物に対して制限ないし禁止の処置をとることができるけれども、個々の廣告物の内容について制限ないし禁止するようなことははないという御返答でもありましたが、本法第五條には「廣告物及びこれを提出する物件の形状、面積、色彩、意匠その他表示の方法について禁止又は制限することができる。」ということになつておりますから、もし内容について制限または禁止せんとする意思をもつてこの第五條を適用せんとするならば、あらゆるもの、あらゆる場所で禁止ないし制限することにきわめて容易なのであります。また政府委員説明によりますと、美観風致を維持するに必要な地域内においても、当然例外は認められなければならないという御返事でありましたから、極端に申しますと、かりに、日本全國を美観風致維持の必要な区域と都道府縣が認めたよで、あるものは例外として存置を認め、あるものは禁止し制限するということも、あながち不可能ではないのでありす。公衆に対する危害というような範疇につきましても、また同様のことが言えると思うのであります。從つてこれは現政府のきわめて陰険な、反人民的意図がこの法文の中に隠されているということを、われわれは絶対に見のがすことができないのであります。今全國で大きな問題になつている公安条例の問題、これに対しては、基本的人権の蹂躙だといつて一大反対運動が起つているのであります。つまり労働組合運動の街頭行進を制限し、集会を制限せんとする各都道府縣の公安条例に対して、大きな反対運動が巻き起りつつあるのであります、この現実、この事実こそ、今審議中のこの法案がだれのために使われるかというとが、きわめて明々白々であります。すなわち今吉田内閣の政策が刻々破綻に瀕し、労働者、農民、市民、大多数の人民大衆がようやく現政府批判と反対の機運を色濃くして來たことに不安を感じましてこれ國民の自由なる思思表現を奪わんがために、すなわちあの接吻や裸踊りの看板、エログロ廣告などを取締るのではなくて、まさに共産党、労農党、社会党、労働組合、農民組合等のビラ、ポスター、プラカードまで禁止制限せんとするにあることに、きわめて明らかであると断言できるのであります。  かつて治安維持法が制定されましたときに、この適用は單に凶悪無比なる共産主義者に対してのみという政府説明でありましたが、しかし治安維持法は共産主義者ばかりでなく、多くの社会改良主義者、進歩的学者、自由主義者、ブルジヨア、民主主義者も、この法律によつて逮捕され、監禁され、投獄されたのであります。あるいはまたあのドイツ・ワイマール憲法がヒツトラーによつて蹂躙されたいきさつを考えますならば、美観風致という耳ざわりのいい慨念から憲法の一角が崩れ落ちまして、基本的人権が次々とはぎとられ、遂にはこの民主主義の傳統も、黙れというあの軍部官僚の一喝によつて、軍部の鼻息をうかがわなければならないというような、そういうでくのぼう議員にならないと、だれが保障できるでありましようか。  私は民主主義を守り、憲法で保障された國民の権利を守るために、この法案に絶対反対するものであります。
  57. 淺利三朗

    淺利委員長 次に増田連也君
  58. 増田連也

    ○増田(連)委員 現在実施されております廣告物取締法は明治四十四年制定されたもので、すでに三十八年という長い日子を経過しておりますので、今の時代に適さないことはもちろんであります。ここにおいて今回の屋外廣告物法案が提出されたゆえんであろうと思います。  私は民主党を代表いたしまして、本案賛成するすものであります。
  59. 淺利三朗

    淺利委員長 次に天野久君
  60. 天野久

    天野(久)委員 私は民主党を代表いたしまして、本法案に心からの賛成をいたします。  先ほど來聞いておりますと、各党の方々が廣告はまず政党の宣傳だけであるやにお考えになつているのではないかと思います。決して私はそういうものでないと存じます。先ほど來言われましたが、わが國は観光日本として立たなければならない國であり、しかも人間として住む上には、すつきりしたきれいな、いやみのない所に住むということは、人間万人の要望であろと存じます。今かりにこの議場の表門を出てみますと、向う側の壁に廣告がべたべたはりつけてある。一体だれが氣持よく見ましようか。あれをはつきりと、きれいにはつたならば、だれが見ても非常に氣持よく感じましよう。はつた方々はその廣告を見たら氣持がいいかもしれませんが、しかし万人が氣持よく見るのでなければ、廣告價値もおそらくなかろうと存じす。從つてわが國が観光國として立ちまするには、この法律を制定いたし、しかして風致美観を整えて世界万邦の人を迎えるといことが、わが國として最も望ましいことではないかと存じますので、どうかこの法案を制定いたし、利用する上においては、決して政党の圧迫や、部の政党の利用にまかせずして、風致美観を整えて保持いたして、そうして日本は世界におけるりつぱな國であるとし、われわれ民族は敗れたりといえどもやまと民族として世界に優秀の民族であることを自負してわれわれはともにともに美しく清く住みたいと存じまするので、この法案に心からの賛成をいたします。
  61. 淺利三朗

    淺利委員長 次に笹森順造君。
  62. 笹森順造

    笹森委員 新政治協議会代表しまして、私は本案賛成いたします。理由を簡單に申し上げます。明治四十四年の制定にかかる屋出外廣告物法は、新憲法及び地方自治法の新精神に基いて、根本的に改正せらるべきものとする本法案の趣旨は当然と考えるのであります。すなわちこれが布政を、官廳命令から全國一般に通ずるように法律化することをもといといたしまして、都道府縣の條例に讓つたということは意見のあることと考えます。また單にこれを美観維持及び公衆に対する危険を防止するということにとどめまして、廣告物の内容に触れないということは自由の原則に沿う一段の進歩であると考えます。ただその実際の適用にあたりましては、ただいま両論のありましたように、新憲法に保障された國民意思の表明は自由で、しかも健全になされることが最も大事であるという点、ここに当事者が留意せられることを要望いたしまして、本案賛成をいたします。
  63. 淺利三朗

    淺利委員長 これにて討論は終局いたしました。採決いたします。本案賛成の諸君の起立を願います。     〔賛成者起立〕
  64. 淺利三朗

    淺利委員長 起立多数。よつて本案は原案通り可決いたしました。  この際お諮りいたします。以上三案に関しまする報告書の作成並びに提出手続等に関しましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。     〔「異趣なし」と呼ぶ者あり〕
  65. 淺利三朗

    淺利委員長 御異議なしと認めまして、さようとりはからいます。
  66. 淺利三朗

    淺利委員長 次に先刻に引続きまして測量法案議題といたし、質疑を継続いたします。当局側は建設省関係のほか、海上保安廳より水路局長が出席されております。それでは通告順によつて行います。村瀬君。
  67. 村瀬宣親

    村瀬委員 海上保安廳の方にお伺いいたします。測量法案という表題よりいたしましてまず感じますることは、すべての測量がこれに統一されておるかどうかということであります。陸地測量部というものがありましたが、陸地とも土地とも何とも書いておらない測量法案であります。そこでわれわれは今日の日本の事態よりいたしまして、すベて統合的に効率的に機構を改善し、能率を上げて行きたいということを申しておるものでありまして、建設省の設置を多年主張して來ておるゆえんもここにあるのでありますが、測量につきしましても、できることならば日本の全部の測量一つにまとめるということが、技術の点におきましても、また人員、資材その他あらゆるにおいても、今日必要なのではないかと思うのであります。ところで水路測量の方におきましては、別途いろいろな歴史もあるようでありまするが、今海上保安廳の方に所属しておるようであります。もちろん海上の測量にはロイドルール等を適用しなければならない点もありまするし、また主として船によつて特殊な測量を必要とするのでありますから、嚴密に申しますならば、陸地測量とはおのずから限界があるとも言えるものでありますから、また同じにこれが統合いたしますならば、種々の便益も生じて参ると考えるのでありますが、この点に対しまする海上保安庁の御意見るお伺いたします。
  68. 須田皖次

    ○須田政府委員 水路局長としてお答え申し上げます。実は水路の測量というものと陸地測量というのは、もともと両方が重なる点は海岸だけであります。それでこの測量法の第一に土地測量をするということがありますので、その土地陸地と解釈すれば、これでもつてすベての測量を統轄するという意味にはならないと考えます。それから水水路測量の業務と、今陸地測量の方でやつておる業務と非常によく似ておるとしておられますが、一部に水路測量の方は、單に地形の測量だけでなしに、いろいろと海の現象の測量をやつております。それらの点が違つておるのであります。それから海上保安の立場から申しますと、海上保安廳の中に水路局が入つておるゆえんは、まつたく航海の安全を保障しようという考えに出ておる。でありまして、少くとも海上保安廳の水路局長としては両方を一緒にするということに対しましては、賛成することはちよつと困難ではないかと存じます。これはちよつと委員長にお聞きしますが、一科学技術者としての意見を述べてさしつかえありませんか。
  69. 村瀬宣親

    村瀬委員 それが聞きたいのです。
  70. 須田皖次

    ○須田政府委員 ただ測量に関する一科学技術者としての立場からこういうことを申し上げることはできます。それはつまり測量の方面において、非常に両方とも類似のところがある。潮汐の観測も行う。実際図をつくるのには製図、製版、印刷等において、よく共通な点がある。これらの点を考慮に入れますと、両者とも一緒になるということは、人員、経済、科学技術の方面等から見まして、非常に都合のいいことではないかと存じます。以上であります。
  71. 村瀬宣親

    村瀬委員 科学者の良心に基かれまして、非常に率直な御意見を承ることができましたことは、セクシヨナリズムに十重二十重に囲れております今日の官界におきまして、非常に見上げた感じがいたすものであります。ただいまの御答弁もあつたことでありまするし、この際はこれでやむを得ないかもしれませんが、これは内海政務次官に伺つておきたいのでありますが、ここに表題も測量法とあつて土地とも陸地とも何も書いてない、りつばなのができておるのでありますから、將來すベて海であろが陸であろうが、この一つ測量法によつてすべてのものができるというふうに、法律機構技術陣も御統合になるお考えがあるかどうかを承りたいと思います。
  72. 内海安吉

    ○内海政府委員 今度制定いたしますこの測量法というのは、水路測量陸地に関する限りこの法律を適用して何らさしつかえないことになつておるのでありまして、從來陸地測量標條例が明治三す三年法律二十三号で出ておるのでありまして、これらによつてつて参つたのでありまするが、今度の法律によつて測量法を水路測量に利用する場合には、一、二の字句を修正すればよろしいことになつておるのでありまして、いわば陸地測量の一歩前進というような法律をつくつたようなことになつておるのであります。從いまして将來において陸地と水路とを同一にして、この法律のもとにやつて行きたいという考えは持つております。
  73. 淺利三朗

    淺利委員長 それでは本日はこの程度にとどめまして、質疑は次会に続行いたします。  本日はこれにて散会いたします。なお明日は午後一時から開きます。     午後零時五十三分散会