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目黒政府委員 水防の一番重点と
考えますところは、
水害を未然に予知することが一番大切であります。それに対していかなる
水防活動をするかの準備態勢を整えるというのが、一番大事だと思うのであります。現在におきましては、洪水の予報ということにつきましては、大河川におきましては、中央氣象台及び安本の資源局などが寄り集まりまして、もちろんわれわれも参加いたしておりますが、大体大きな河川につきましては、ある
程度洪水の予報の協
議会をつく
つて、ある
程度の見通しをつけておりまするが、これにはいろいろ過去の資料が必要なのであります。これらの資料を蒐集いたしまして、できるだけ早くこれらの洪水波の傳播の予報をいたしたいと
考えておりまするが、目下のところはまだその域に達しておりません。しかしながら大体の雨量によるところの予報は、現在におきましては中央氣象台においてこれを取扱
つておりまするので、ある
程度の洪水の予知はできるのであります。その場合に、われわれは
水防團あるいは
消防團というものを活用いたしまして、最後まで堤防を守ることに奮戰しなければならぬと思います。この
消防團、
水防團の
活動を続ける場合におきましても、やはりこれは相当、技術を要するのであります。
從つてこれらの
活動を常に先から訓練いたしておきませんと、その非常時にあた
つて間に合わないという
ようなことが起りますので、われわれとしては
消防團、
水防團の訓練をいたす
計画を立てておるのであります。それと同時に
水防には必要なる器具資材を相当量備蓄しておかなければならぬのであります。このためには、適当な箇所に
水防小屋を設置し、それにそのとき必要と思われる十分なる資材と器材を備蓄しておくべく各府縣に勧告いたしておるのであります。それで
水防活動が始まりまして、最後のどたん場まで
活動して行きたいのでありますが、いよいよその
活動が効を奏しないという段階に入りますと、最初お話の
ような退避の
命令を出さなければならぬと思うのであります。どうしても未然に人命を失うことを避けるためには、やはりある
程度の退避を安全な時期において
命令を下すことが当然だと
考えております。しかしながらわれわれの
考えておりますのは、その退避よりもできるだけ現在の堤防を最後の一線まで
水防活動によ
つて守りたいというのが念願でありまして、そのために先ほど申しました
通りの訓練と資材の備蓄とを主眼にいたして参りたいと
考えております。