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1949-04-18 第5回国会 衆議院 建設委員会 第7号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十四年四月十八日(月曜日)     午前十一時九分開議  出席委員    委員長 淺利 三朗君    理事 江崎 真澄君 理事 鈴木 仙八君    理事 内藤  隆君 理事 前田榮之助君    理事 天野  久君       今村 忠助君    瀬戸山三男君       高田 弥市君    宮原幸三郎君       上林與市郎君    増田 連也君       高倉 定助君  出席政府委員         建設政務次官  内海 安吉君  委員外出席者         議     員 青柳 一郎君         議     員 大泉 寛三君         議     員 大村 清一君        議     員 岡村利右衞門君         議     員 鍛冶 良作君         議     員 塚原 俊郎君         議     員 牧野 寛索君         議     員 山本 猛夫君         議     員 松本六太郎君         建設事務官         (河川局次長) 伊藤 大三君         建設事務官         (建築局次長) 師岡健四郎君         建 設 技 官         (道路局建設課         長)      落合 林吉君         專  門  員 西畑 正倫君         專  門  員 田中 義一君     ――――――――――――― 四月十三日  眞野川改修工事促進請願内海安吉紹介)  (第二九一号)  木曾川改修工事費國庫補助増額請願河野金  昇君外二名紹介)(第二九二号)  釜谷峠にトンネル開設請願内海安吉君紹  介)(第二九四号)  宮崎縣下産業道路及び観光道路開設に関する  請願田中不破三君五名紹介)(第三〇〇号)  西大阪防潮事業費國庫補助請願前田種男  君紹介)(第三〇二号)  八澤川に管の代川水流誘導工事施行請願(上  林與市郎紹介)(第三〇八号)  宮崎縣開発事業費町村負担に関する請願(田  中不破三君外五名紹介)(第三一三号)  淀川及び神崎川堤防復旧工事施行請願前田  種男紹介)(第三一六号)  北上川治水工事施行請願淺利三朗紹介)  (第三三八号)  同(山本猛夫紹介)(第三三九号)  戰災復興事業費國庫補助請願辻寛一君紹  介)(第三四三号)  房総國道改修工事促進等に関する請願小高熹  郎君紹介)(第三四五号) 同月十六日  和田村地内の道路改修に関する請願伊藤郷一  君紹介)(第三五九号)  熊原川並び杉倉川砂防工事施行請願(山崎  岩男君外一名紹介)(第三六二号)  大隅熊毛地区道路及び河川改修工事費國庫補  助の請願二階堂進紹介)(第三八五号)  高瀬川並びに地藏院治水工事施行請願(前  田正男紹介)(第四二五号)  熱海海岸道路幅員拡張請願畠山鶴吉君紹  介)(第四二六号)  伊東、下田間道路舗装請願畠山鶴吉君紹  介)(第四二七号)  伊豆半島の縣道を國道編入請願畠山鶴吉  君紹介)(第四二八号)  小田原、熱海間道路舗装請願畠山鶴吉君紹  介)(第四二九号)  熱海三島間道路改修及び舗装請願畠山鶴  吉君紹介)(第四三〇号) の審査を本委員会に付託された。 同月十四日  戰災復興事業に対する起債及び國庫補助等の陳  情書(第一六六  号) を本委員会に送付された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した事件   請 願  一 太田川及び原野谷川改修費國庫補助請願    (足立篤郎紹介)(第一号)  二 猪名川改修工事施行請願原健三郎君紹    介)(第四号)  三 大澤田川砂防工事施行請願野原正勝君    外二名紹介)(第八号)  四 豊平川治水工事完成促進請願宇野秀次    郎君外十一名紹介)(第一〇号)  五 山國水系國直轄砂防工事施行請願(    福田喜東紹介)(第一七号)  六 大崎、鹿兒島間道路改修促進請願上林    山榮吉紹介)(第三〇号)  七 山口縣災害復旧土木事業費國庫補助増額    の請願青柳一郎紹介)(第三二号)  八 木屋川河水統制事業施行促進請願青柳    一郎紹介)(第三三号)  九 松尾川砂防工事施行請願大村清一君紹    介)(第三四号) 一〇 由宇改修工事促進請願青柳一郎紹    介)(第三六号) 一一 倉尾村に砂防工事施行請願阿左美廣治    君紹介)(第三八号) 一二 村山野川及び白水川上流改修工事施行の請    願(牧野寛索紹介)(第四三号) 一三 岡山縣下河川砂防工事施行請願外三    十二件(大村清一紹介)(第四八号) 一四 中津、飯田間道路改修清願平野三郎君    紹介)(第四九号) 一五 金山峠トンネル開設請願河口陽一君紹    介)(第五九号) 一六 黒部川改修工事促進請願鍛冶良作君紹    介)(第六六号) 一七 東澤地内馬見ヶ崎川砂防工事施行請願    (松浦東介紹介)(第七一号) 一八 伊座敷、大泊間縣道全通促進請願前田    郁君紹介)(第八二号) 一九 今切川口の浚渫及び砂防工事施行請願(    柏原義則紹介)(第八三号) 二〇 庶民住宅建設助成に関する請願川野芳滿    君外四名紹介)(第九〇号) 二一 角野川災害復旧工事施行請願亘四郎    君紹介)(第九六号) 二二 魚野川水系河川砂防工事施行請願(    亘四郎紹介)(第九七号) 二三 新町橋改築に関する請願柏原義則君紹    介)(第一二九号) 二四 新潟、富山間縣道改修請願塚田十一郎    君紹介)(第一二一号) 二五 可愛川水系河川改修請願船越弘君紹    介)(第一二二号) 二六 阿武隈川下流改修工事に関する請願(庄司    一郎紹介)(第二一三号) 二七 勝田町地内の道路開設費國庫補助請願(    塚原俊郎紹介)(第一二六号) 二八 花尾峠トンネル開設請願川野芳滿君外    四名紹介)(第一四一号) 二九 大淀堰堤調査費増額請願川野芳滿君外    四名紹介)(第一四二号) 三〇 武庫川上流改修工事促進請願原健三郎    君紹介)(第一五一号) 三一 大仁町地先狩野川改修工事継続促進の請    願(畠山鶴吉紹介)(第一五六号) 三二 川井村地内の閉伊川切替工事    施行請願山本猛夫紹介)(第一六四    号) 三三 淀川及び大和川改修工事施行請願(淺香    忠雄君紹介)(第一七七号) 三四 豊橋、富山間道路國道編入請願(岡    村利右衞門紹介)(第一八六号) 三五 國道二十三号線改修促進請願島田末信    君紹介)(第一八八号) 三六 豊富村の石炭輸送道路改修並びに開設の請    願(玉置信一君外一名紹介)(第一九〇    号) 三七 赤石、神崎間道路開設請願小川原政信    君紹介)(第一九二号) 三八 当別川、東土場間海岸道路開設請願(小    川原政信紹介)(第一九三号) 三九 松浦川改修工事費國庫補助請願保利茂    君紹介)(第二一八号) 四〇 加茂川護岸工事施行請願大村清一君紹    介)(第二二五号) 四一 利根川並び荒川改修工事に関する請願(    阿左美廣治君外十二名紹介)(第二五三    号) 四二 庶民住宅建設助成に関する請願瀬戸山三    男君外四名紹介)(第二六一号)     ―――――――――――――
  2. 淺利三朗

    淺利委員長 これより会議を開きます。請願の審議に入ります。紹介議員の御出席都合もありまして、日程委員長において適宜変更いたしますので、あらかじめ御了承願います。それでは日程第一六黒部川改修工事促進請願文書表第六六号)、紹介議員鍛冶良作君、説明を願います。
  3. 鍛冶良作

    鍛冶良作君 黒部川改修工事促進に関する請願の趣旨を述べます。黒部川富山縣東部を貫流しております我國著名なる急流河川でありまして、その源は日本中部山嶽に発し、山間七十キロ余、下新川の平野に出て、さらに西流すること十四キロにして富山湾に注いでおるのであります。本川山間部はいわゆる黒部峡谷にて、平地まつたくなく、わが國有数発電水力地点であります。その理論水力平水にて四十二万八千八百三十五キロワツト、すでに発電を開始したもの十七万九百十キロワツトに及び、また九千二百四十ヘクタールの黒部平町は灌漑用水本川に求めております。しかれども本川はきわめて急流河川でありますゆえに、平地部においても船の便はまつたくなく、愛本橋から上流黒部川の流送堆積したる土砂によつて形成された扇状平野であります。本川水害はまた激甚なるものでありまして、六、七月の山地融雪期に際し、大出水を惹起し、泥土、岩石の流下おびただしく、破堤、溢水続出いたしまして、古來しばしば甚大なる水害損失をこうむつたのであります。ことに昭和九年七月の洪水は、千七百余ヘクタールの耕地、及び家屋千数百戸の流失浸水を見たのであります。本川改修につきましては、地元より熱烈なる要望をいたしましたところ、政府においてもこれを認められて、逐に昭和十二年度より十二箇年の継続事業として、待望久しかつた改修工事着手せられることと相なつたのであります。しかるに起工後幾ばくもなく支那事変が勃発し、國費はあげて戰費に振り向けられた結果、ほとんど工事費年度予算に縮減せられ加うるに諸物價高騰に伴い、工事は遅々としてはかどらず、わずかにその一部の補修工事を実施する程度にすぎないものでありまして、災害は依然として続出するのであります。最近五箇年における大なる水害は、昭和十八年度には、左岸櫻井五郎八地先五百二十メートル、同東山大橋地先三百五十メートル、昭和十九年度は、左岸櫻井五郎八地先二箇所で七百五十メートル、同東山大橋地先二箇所で二百五十メートル、同じく東山下立地先で二百メート、昭和二十年度は、左岸櫻井五郎八地先で三百メートル、やはり東山大橋地先で百三十メートル、昭和二十二年度には、左岸櫻井五郎八地先で三百メートル、右岸飯野上飯野地先で百七十メートル。二十二年度にも、同じく左岸櫻井五郎八地先二箇所で五百メートル、同東山大橋地先で二百五十メートル、右岸飯野板屋地先で三百六十メートル、同じく飯野高畠地先で百五十メートル等、毎年堤防決壊して、その都度多くの田地家屋流失を見たのであります。しかるに河状は惡化の一途をたどりつつあるにかかわらず、ほとんど休工状態にひとしいものでありまして、われら沿岸民の期待を裏切ることはなはだしきものがあるばかりでなく、このままに推移ぜんか、一朝大洪水に際会するならば、濁流は怒濤のごとく奔逸してたちまちにして沿岸九千一口余町歩の美田をのみ、水魔の跳梁にまかすのほかなく、損害優に五十億円を突破するの惨状を想起するものでありまして、まことに粟に泡するの感があるのであります。かくのごとく本川は今や累卵の危うきにあり、これが根本的改修計画促進は焦眉の急を要するのでありますから、願わくば右の情状とくと御賢察くださいまして、一日もすみやかにこれが改修工事促進をはかられんことを切望してやまないものでありまして、ここに関係町村長を代表して黒部川治水同盟会を設立し、会長櫻井町長、副会長新屋村長、その他沿岸町村長生地町長東山村長小摺戸村長飯野村長大家庄村長、野中村長等連名請願いたした次第であります。どうぞ御採択をお願いいたします。
  4. 淺利三朗

    淺利委員長 次に本請願に対する当局意見を伺います。説明員伊藤河川局次長
  5. 伊藤大三

    伊藤説明員 黒部川改修工事緊要性につきましては、政府におきましても十分その必要性を認めておるのでございますけれども、いかんせん國家財政都合上、地元の方々の御満足の行く程度事業進捗することができないのを、まことに遺憾に存じておる次第であります。しかし今後政府におきまして、財政が許します限りできるだけ工事進捗に努めまして、皆様方の御満足の行くように何とか工事のはかどるよう努力して参りたいと存じておるのでございます。
  6. 淺利三朗

    淺利委員長 採決は他日一括していたしたいと思いますから、次の説明を願います。大体今日までの請願審査状況を見ますと、あまりに実行不能の点までとり入るようでありまして、ほとんど当委員会において採択したものが実行に移されないということで、これがために國会の権威を損ずるようなことがありますから、本年は厳密に審査いたしたいと思います。     —————————————
  7. 淺利三朗

  8. 青柳一郎

    青柳一郎君 最初の請願山口縣知事から災害復旧土木事業費に対しまして、追加補助方途を講ぜられるようお願いしておるのでありますが、その要旨は、山口縣昭和十七年津波災害によりまして、また引続き連年の風水害に災いされまして、ことに昭和二十年の風水害山口縣の東部を壊滅に來し、その復旧は縣の大きな課題でありましたが、幸い縣民一致努力は、二十三年度をもちまして一應昭和二十一年以前の被害については、その復旧を了したのであります。しかしながら打続く物價の高騰によりまして、その被害箇所復旧の完璧を期するに至らず、なお多くの欠陥を持つております。これが出水期における水害の原因となつているのが実情でありまして、はたせるかな、昭和二十二年の水害によりまして、総額二億円、昭和二十三年の水害によりまして、八億余円に達する被害を見ました。これが復旧食糧増産運輸交通等に至大の影響を與えまして、その復旧なくしては供米の完遂も、産業復興もなり立たない次第でありまして、縣は一日もすみやかに被害の修復に努め、民生の安定の上に、食糧増産地方生産業の振興に寄與するところあらんとして、鋭意工事の遂行に邁進している次第であります。すなわちこれがため昭和二十二年度末においては約八千万円に達する一時借入れを余儀なくされ、二十三年度末におきましては約一億二千万円の國庫補助額の不足を來す次第でありますが、現在地方財政逼迫はこれ以上の財政負担に耐えないので、政府におかれましては、すみやかに本年度において國庫補助追加交付方途を講ぜられるように懇願いたしておるものであります。何とぞ御採択のほどを願います。  次に木屋川河水統制事業促進について政府助成を懇望する請願であります。これまた山口縣知事より出ております。この木屋川河水統制事業昭和十五年度から着工いたし、八五%の工程を終えたのでありますが、終戰直後の急激な情勢の変化に伴いまして、一方同じく昭和十五年から着工しておりまする厚東川河水統制事業完成に重点を置く必要に迫られまして、昭和二十一年度末におきまして、やむなく木屋川河水統制事業の方はこれを休止するに至つたのでありまするが、厚東川昭和二十三年度完成いたします関係上、資材、労務の轉換も容易であり、かつ下関市の復興及び長府地帯工場復活は、いよいよ本事業必要性を加重して参りまとたので、昭和二十四年度からこれを続行することといたしたいのであります。今後これが完成いたしますまでには三億三千七百万円——これには発電設備費の六千万円を含みますが、こういう巨額を要するのでありますが、このうち堰堤築造費のみでは二億七千七百万円であります。現在までの支出約二千万円を含めまして、一個当り建設費が約四百万円であります。しかも國庫補助がありますから、地方負担は余分の二百万円であります。現在ほかでもつて計画せられておりますものは、いずれも一個当り一千万円以上であると聞いておるのでありますが、これは四百万円で足りるのであります。この点よりいたしましても経済的なものと存ぜられるのであります。何とぞ二十四年度から本事業國庫助成のもとに完遂を期せられるようにお願いいたす次第であります。何とぞ御採択をお願いいたします。  次に由宇川の改修工事促進に関する請願であります。これは山口縣玖珂郡の由宇町長並びに町会議長及び地元関係者よりの請願であります。この請願要旨は、山口縣玖珂郡伊陸村に源を発しまして、防長米の主要なる生産地帶を貫流するこの由宇川は、昭和二十二年九月の風水害によりまして大氾濫を來し、沿岸耕地その他に大きい被害を及ぼし、以來二年余にわたる由宇町民の懸命なる努力によつて一應復旧の半ばを終えました。しかるにこの河川の川床は、災害前に比しまして平均一メートルないし二メートルも浅くなつて、なお憂慮すべき状態にあります。つきましてはすみやかにこの由宇川の水源地及び上流地帯に徹底的なる治水研防工事施行せられたいというのであります。これまた御採択をお願いいたします。
  9. 淺利三朗

    淺利委員長 次に本請願に対する当局川の意見を伺います。
  10. 伊藤大三

    伊藤説明員 山口縣におかれまして昭和十七年の津波以來連年災害の脅威を受けられまして、その被害の大きいこと、また財政の遍迫しておられること、及びその災害復旧の緊急になされなければならないことは、十分私の方も承知いたしておるところでありまして、從來極力これが助成に努めて参つたのでありますが、最近の國家財政逼迫のために、御希望の通りな補助もいたさず、まことに遺憾に存じておる次第であります。しかし今後財政上の都合がつき次第、なんとか補助額増額をはかりまして、災害復旧を緊急に処理したいこう存じておる次第であります。  次に木屋川河水統制事業についてでありますが、木屋川河水統制事業は、当初下関市並びに長府地帯工業用水を目的として事業を進めて参つたのでありましたが、終戰後におきまして経済上のいろいろの事情変化によりまして、計画の変更をしなければならないという事情に立ち至りまして、本省といたしましても再調査の要がございますので、今年度におきましては調査費を要求中でございます。なお厚東川河水統制事業も二十三年度において大体完了いたしますので、この木屋川調査の完了をまちまして、資金、資材等の見通しがつき次第、すみやかに工事復興努力して参りたいと存じて、おる次第であります。  それから次に由宇川の問題でございますが、由宇川の改修につきましては、政府におきましてもその緊要性を認めまして、縣の基本調査助成して参つたのでありますが、三十三年度においてその調査も一應完了いたしました。しかし財政都合上本年度ということはなかなか困難ございますが、近い将來におきまして中小河川として、なんとかこれを助威して参りたい。こう存じておる次第であります。     —————————————
  11. 淺利三朗

    淺利委員長 次に日程第一二、村山野川及び白水川上流改修工事施行請願牧野寛索紹介文書表番号第四三号を議題といたします。紹介議員説明を求めます。紹介議員牧野寛索君。
  12. 牧野寛索

    牧野寛索君 村川野川及び白水川上流改修工事施工請願は、山形縣北村山東根町長斎藤三郎外十一箇村の村長より提出せられておるのでありまして、山形縣北村山野川及び白水川はその源をそれぞれ舟形山及び東郷村荒山に発しまして、最上川に注ぐものであります。これは明治三十七年の大洪水に対しまして、不完全ながら改修工事を施しておつたものでありますが、戰爭中においては水源地帯立木伐採がはなはだしいために、その後非常に洪水によつて荒されておるのであります。この地方は東北のウクライナとも言われるほどの米産地でありまして、このために田畑が非常に荒されて、供出等においても阻害せられる点が多いのであります。ことにこの川がこういう状態にありまして、砂礫が流出されますと、最上川は非常にこのために被害をこうむりまして、この洪水というものが非常に甚大になつて來るものでありますから、何とぞこの河川上流改修工事をすみやかにしていただきたいというお願いをいたす次第であります。何とぞ御採択あらんことをお願いいたします。
  13. 淺利三朗

    淺利委員長 これに対する政府委員意見を伺います。
  14. 伊藤大三

    伊藤説明員 野川につきましては、最上川合流点附近下流部は、附帯工事として若干改修するのよしでありますし、また日水川は一應町村河川時代改修をせられ、上流部において砂防工事施行する必要があるということは聞いておりますが、まだ十分政府としても実情調査いたしておりませんので、縣と連絡の上、事情判明次第適当に考慮して参りたいと存じておる次第であります。     —————————————
  15. 淺利三朗

    淺利委員長 次に日程第九、松尾川砂防工事施行請願文書表第三四号日程第一三、岡山縣下河川砂防工事施行請願、外三十三件文書表第四八号及び日程第四〇、加茂川護岸工事施行請願文書表第二二五号、以上は同一議員紹介でありますから、一括して議題に供します。紹介議員大村清一君。
  16. 大村清一

    大村清一君 ただいま上程になりました請願は、渓流砂防工事施行に関する請願が三十四件、それから加茂川護岸工事施行請願が一件にわたつておりまするが、これらはいずれも地元町村長及び町村会議長請願にかかるものであります。  岡山縣の諸河川におきまして、時々水害を被つておることは他地方と同様でございますが、ことに昭和二十年におきましては、稀有の水害にあつたのであります。これは当時の台風の状況にもよつたことでありますが、一つにはまた戰時中及び戰後の山林の荒廃に基くものと認められるのであります。その災害はまことに莫大なものであります。全縣下に非常な惨害を及ぼしたのであります。また地元におきましては、この災害によつて非常に農耕地損害を及ぼしております。そこで渓流砂防工事を必要な箇処にわたりまして、ぜひすみやかに実施いたしたいというように地元の者は考えております。  なおまた、加茂川護岸工事も、関係耕地数百町歩を守る上におきまして、まことに重大でありますので、すみやかなる施行を望んでおるのであります。  幸いに國庫助成によりまして、これらの工事は逐次実施せられつつある次第でありますが、ここに請願にかかりますものは、特にその工事緊急施行を要するものがあるのであります。つきましては政府におかれましても、これらの工事がすみやかに実施せられますように、十分な御配慮と御援助とを請願いたすものであります。何とぞ御採択あらんことをお願い申し上げる次第であります。
  17. 淺利三朗

    淺利委員長 それではこの請願に対する政府委員意見を求めます。
  18. 伊藤大三

    伊藤説明員 岡山縣下砂防事業につきましては、從來國庫予算が僅少でありましたために、工事進捗もまことに微々たるものでありまして、着手したものにつきましても、なかなか工程がはかどらず、また、未着手のものも粕当ございまして、その施行が遅れておることを、まことに遺憾に存じておる次第でありますが、今後できるだけ予算増額をはかりまして、着手したものにつきましては引続き工費を増額してその進捗を進めたい。とともに、さらに未着手河川につきましてもすみやかに工事着手して参りたい。こう存じておる次第であります。  次に加茂川改修工事につきましては、政府もその重要性を認めまして、昭和三十三年度におきまして、國庫補助のもとに大体縣当局等において一應調査を完了いたしました。今後一定計画を樹立せられました上におきまして、これが樹立とともに、國家財政とにらみ合せまして、できるだけ早く善処して参りたい、こう存じておる次第であります。
  19. 淺利三朗

    淺利委員長 次に日程第三七、勝田町地内の道路開設費國庫補助請願塚原俊郎紹介文書表第一二六号を議題といたします。紹介議員説明を求めます。紹介議員塚原俊郎君。
  20. 塚原俊郎

    塚原俊郎君 茨城縣勝田町地内の道路開設費國庫補助についての請願いをたしたいと存じます。  茨城縣那珂郡勝田町は、内務大臣認可に基き、茨城縣知事執行の都市計画土地区劃整理を施行中でありますが、昭和二十四年度において、ただいま請願しております路線を生産再建事業として、國庫補助を受け、ぜひとも実施いたしたく、建設大臣並びに経済安定本部長官に再三再四陳情いたして参りました。衆議院におきましても、生産復興、人口配分並びに國民保健のため、本都市計画促進につき國庫補助相なるよう格別の御高配を賜わりたいと存じます。  請願の理由といたしまして、この勝田町は、戰時中株式会社日立製作所水戸工場並びに日立工機株式会社の操業に伴い、急激なる発展を來して参りましたが、さらに將來の拡張を予想せられ、政府においては、その面積四百余万坪に対し、人口三十万包容の都市計画を樹立し、昭和十七年別図の区域百六十余万坪を事業化するに至つたのでありますが、終戰後事業は一時停頓のやむなき状態となり、次第に人口増加し、都市化しつつある実情にもかかわらず、工事が中絶してこれを進行せしめることができず、非常に困却しておる現状であります。しかるに現下の社会情勢は、再び事業促進をはかるべき状況と相なり、かつまた都市計画の実現は、振興のかぎともいうべき緊急の問題でもあります。ことに勝田町は、水戸市の衛星都市であつて、現に人口二万六千余を擁し、地方計画案によれば、大水戸計画中の工場地、住宅地として茨城縣割当人口三十万のうち勝田町は七万の配分を受けております。加うるに両会社の工場復興による人口増加及び家屋の逐月増し、平均月百戸を示しております。將來の勝田町は、この増加人口を収容する上において、本都市計画に即して家屋の新築を行わしめるとともに、健康都市を建設するためには、可及的すみやかに都市計画をその緒につかしめなければならないと存ずるものであります。  今般生産再建事業として茨城縣執行予定の路線は、町内を通じておる府縣道に連なる那珂湊鉄道線及び常磐線に並行して本町を縦断し、隣接佐野村地内の府縣道大宮平磯線に連絡する町内唯一の交通幹線であり、これはまた勝田駅に連絡する道路の築造でもあつて、竣工のあかつきは府縣道となる路線であります。なおさきに、本都市計画決定にあたり、常磐線勝田駅及び駅前廣場は、北方に約七十メートルほど移動することと相なり、運輸省においては、駅前廣場については、すでに昭和二十四年度に、勝田駅舎については、昭和二十五年度において、これを事業化することに内定しておる現状なり、この運輸省の方針のみを單独に行わしめないで、併せて都市計画の実現を切望するものであります。本筋一期計画について國庫補助の申請は、生産再建事業としてすでに建設省にお願いしております。なお町会の決議書もたびたび届いております。その決議書は「勝田町都市計画について生産再建公共事業國庫補助を衆議院議長に請願することを決議する」こういうものがたびたび届いております。何とぞ御採択あらんことをお願いいたす次第であります。
  21. 淺利三朗

    淺利委員長 本請願に対する当局意見を伺います。説明員落合建設課長。
  22. 落合林吉

    ○落合説明員 ただいまの道路事業は、三十三年度におきましても、ただいま御説明に相なりましたような趣旨で一部事業施行しておるのでありますが、本年度道路整備事業の方針につきましては、補修に重点を置くように関係方面からも強く要請されておりますので、改良工事等におきましては、三十四年度工事を続行することにいたしましても、特段の効果のあるものだけをやるということになつておりますので、御期待に沿うような工事は三十四年度では施行が困難でないかと思うのでありますが、予算等の許す範囲で、二十三年度事業をやつたことでありますから、何とか工事を継続いたしたいと思いまして、交渉中でございます。
  23. 淺利三朗

    淺利委員長 次に日程第三四、豊橋、富山間道路國道編入請願岡村利右衞門紹介文書表第一八六号を議題といたします。紹介議員説明を求めます。岡村利右衞門君。
  24. 岡村利右衞門

    岡村利右衞門君 愛知縣豊橋より長野縣飯田事及び岐阜縣坂下、下呂、高山を経て冨山縣冨山に通ずる道路は、東海地方と裏日本の北陸地方とを結ぶ最も利用價値高き最短距離の路線にして、沿道各市町村の物資の交流と相まつて、その使用度はきわめ高い現況であります。元來これが路線は中部地方唯一の重要幹線なるにもかかわらず、その存在は往々にして隠蔽的であり、かつ僻陬の地域を從貫せる山間路線なるため、都市周辺の平坦道路等に比較し、ときにはきわめて忘却的存在であつたのであります。しかるに今回、わが國においては経済九原則が実施せられ、その裏づけとなる各種産業の開発は日一日と緊急化して参つたのでございます。幸いにして本路線の沿道は厖大なる天然資源に恵まれ、これが諸産業の振興はようやく活発に行われ、特に森林事業の興隆は世人の注目に値するところと相なつたのであります。併せて本路線の沿線は過來より観光地としても廣く世に知られ、特に日本アルプス、木曽の渓谷、天龍川の勝景等、天下にその名をうたはれた景勝地が多く、春、夏、秋を通し、その一日を楽しむ人たが幾万人あるかもわからないありさまであります。これに加えて温泉境として名高い下呂町は、特に四季を通じて湯客の絶えない現況であり、新生日本の観光路線としても、当然中部日本の第一指に数えられるべきものと推察でき得るのであります。かかる諸條件は近時ますます本路線の使用を盛んにし、特に豊富なる森林資源の搬送は、終日トラックによつて頻繁に行われ、併せて山間各市町村の唯一の交通網としてのバスの運縛に加うるに、観光客の増加による路線の使用は、既設國道中仙道をしのぐ利用價値を樹立するに至つたのであります。かかる結果は当然沿道各市町村民の問に、幹線道路として國道への編入問題が叫ばれ、各市町村相はかり、その筋への請願をなすべく檢討され來つたのであります。本路線の一部たる長野縣飯田市より岐阜縣坂下、下呂を経て高山に至る路線については、過般省営トラツクの運輔が採択せられ、隣接町村においては包み切れぬ喜びの間にその実現の日を待望しているのでございます。かかる重要な路線でありますので、何とぞこの路線を國道編入し、日本再建のための一助とならんことを切に希望する次第であります。右が請願要旨であります。何とぞこの請願を御採択あらんことを切にお願いする次第であります。
  25. 淺利三朗

    淺利委員長 本請願に対する当局意見を伺います。
  26. 落合林吉

    ○落合説明員 豊橋市から富山市に通じております、ただいま御説明の路線は、本州を横断いたしまする道路として、全國の道路網の中でも非常に重要な意味を持つておるのであります。当局といたしましては、この路線の重要性をよく認識いたしまして、將來改良工事等の予算資材等の許す範囲で、これを改良して行くように調査研究をいたしております。ただいま御要望のように、これをただちに國道編入いたしますことは、現在の道路法におきましては相当な困難が伴いますので、このことは道路法の改正に関連のある問題であるように承知いたしております。從いまして現在の道路法におきましては、相当困難が伴うものであるというぐあいに御説明申し上げます。
  27. 岡村利右衞門

    岡村利右衞門君 道路法の改正はいつごろあるのでありますか。
  28. 落合林吉

    ○落合説明員 ただいま準備中でございまして、いつ改正案が上程されますか、まだはつきりと申し上げられるようになつておりません。     —————————————
  29. 淺利三朗

    淺利委員長 それでは次に日程第三、大澤田川砂防工事施行請願紹介議員野原正勝君外二名、文書表第八号、日程第三二、川井村地内の閉伊川切替工事施行請願山本猛夫紹介文書表第一六四号を一括議題といたします。紹介議員説明を求めます。紹介議員山本猛夫君。
  30. 山本猛夫

    山本猛夫君 第八号の請願要旨を先に申し上げます。第八号の大澤田川砂防工事施行請願要旨と申しますのは、岩手縣九戸郡長内村地内にありまして、まだ改修工事施行せられておりませんために、豪雨に際会いたしますとはなはだしく出水をいたします。その出水が隔年または数年ごとにあるのでありまして、流域一帯はこのために、著しい被害を與えられて、これが現在窮乏せる地方財政をもつてしてはいかんともなし得ませんので、國庫補助によつてすみやかにこの河川砂防工事を行いたい、こういうのであります。どうか当局におかれましては、この請願をお取上げになつて、すみやかに本請願の趣旨に沿うようにおとりはからいを願いたいのであります。  次に川井村地内の閉伊川切替工事施行請願について趣旨を申し上げます。本請願要旨は、岩手縣下の閉伊川は、昭和三十三年アイオン台風によつて沿岸地帯に未曽有の被害を與えたのであります。ついては、流域住民の生活の安定と産業復旧のためこの河川の根本的恒久対策として切替工事をすみやかに実施されたいというのであります。閉伊川は、その線に沿うて御承知の通り山田線なる鉄道路線があります。これが寸断をせられまして、まだ復旧をいたされぬ状況にありますることは、御承知の通りでありますけれども、この閉伊川がかくのごとき状況で、常に氾濫し、そして被害を與えまするところ甚大なるために、鉄道普及の将來に対しても非常なる支障と相なるのでありますので、この請願要旨に対しまする説明書は、すでに委員会の方へ提出済みであります。どうかその要旨をごらんの上さらに付せられました地図等を御参考に相なつて、すみやかに本請願の趣旨が御採択せられまするようにお願いをいたします。以上本請願要旨であります。
  31. 淺利三朗

    淺利委員長 本請願に対する当局意見を求めます。
  32. 伊藤大三

    伊藤説明員 大澤田川の砂防工事につきましては、目下縣当局におきまして、砂防計画を樹立すべく調査中でございます。この調査の完了を待ちまして、國庫財政とにらみ合せましてそうして御要望に沿うて参りたい、こう存じておる次第であります。  次に閉伊川の改修の問題でありますが、閉伊川は川幅がせまく、そしてまた河積が不十分でありまする関係上、渦般のアイオン台風によりまして大惨害をこうむられたことは、われわれとしても十分承知いたしておりまして、まことに御同情にたえないと存じておるところであります。近くその基本的調査助成いたしまして根本的な改修計画を樹立させまして、これが実施に格段の努力をいたして参りたい、こう存じておる次第であります。
  33. 山本猛夫

    山本猛夫君 今の閉伊川の問題でありますが、これは近く調査をしてくださるということに対しまして、絶大なる敬意を表しますが、その調査はいつごろおやりくださいますか、おわかりになりましたらお知らせ願いたい。
  34. 伊藤大三

    伊藤説明員 これは縣におきまして補助費を出して調査をいたしまして、これを私の方でよく監督してやつて参るわけであります。一年かかるか二年かかるかわかりませんが、早急に調査を完了いたしたいと思つておる次第であります。なお調査が若干の点が不備でありましても、事情によりましては大体の計画が立ちますれば、その場合においても十分これを考慮してやつて参りたいと思つている次第であります。
  35. 山本猛夫

    山本猛夫君 閉伊川全体についての調査というように伺いましたが、本請願に現われました地点の調査はいつおやりくださいますか。
  36. 伊藤大三

    伊藤説明員 箇所別のことにつきましては、私はつきり存じませんが、結局あぶない所を先に調査して参ることと思います。なおこの点はとも連絡いたしてみませんと、私の方で十分これをつかむわけに行きません。     —————————————
  37. 淺利三朗

    淺利委員長 次に、日程第一四、中津、飯田間道路改修請願平野三郎紹介文書表第四九号を議題といたします。本請願紹介議員説明を求めます。平野三郎君がお見えになりませんから、かわつて岡村利右衛椚君より御説明願います。
  38. 岡村利右衞門

    岡村利右衞門君 本請願要旨は、岐阜縣恵那郡中津町と長野縣飯田市との間の道路はわずかに五十キロ、自動車で二時間にすぎない距離でありますが、中津町中津川地内の道路三千二百メートルの区間が幅員狭小であるため長野縣塩尻駅、辰野駅を経て飯田市に至る迂回道路を選ぶほかなく、その所要時間は六時間となり、そのため両地方間の産業の振興、資源の開発及び観光に多大なる支障を來しているのであります。ついては、すみやかに中津、飯田間の道路改修工事施行されたいというのであります。何とぞ御採択あらんことを切にお願いする次第であります。
  39. 淺利三朗

    淺利委員長 これに対する当局の御意見を伺います。
  40. 落合林吉

    ○落合説明員 この路線の一部は、生産都市再建の道路整備事業といたしまして、一應二十三年度施行をいたしますが、飯田町と中津川町との中間に山嶽地帯がございます。その部分は二十三年度におきまして、生産都市再建事業として取上げた分からは食い違いになつておりますので、一應都市局の方で生産都市再建事業として取上げたのでありますが、ただいま御要望の中間部の山嶽部の道路は、生産都市再建事業としては範囲外になりますので、これを一般の道路計画として改めて取上げるように、目下都市局と道路局との間で檢討中でございます。     —————————————
  41. 淺利三朗

    淺利委員長 次に日程第三五、國道二三号線改修促進請願島田末信紹介文書表第一八八号を議題といたします。本請願紹介議員説明を願います。島田君がお見えになつておりませんから、天野久君にかわつて説明を願います。
  42. 天野久

    ○天野(久)委員 坂出市は古くから天然の良港として知られ、昨年開港場として指定せられましたので、終戰後の日本産業再建のために重大なる國家的使命を帶び、四國と本土との最短連絡地点とし、また新興都市と相まつて海陸枢要の地であることはすでに御承知の通りでありますが、明日への一大飛躍が期待されているとき、本市を中心とした主要交通網は四國の動脈的幹線鉄道である予讃本線と、これにほとんど並行する國道二十三号線がありまして、この國道より分岐し坂出港に通ずる路線としては、府縣道中央臨港線及び西埠頭には府縣道西臨港線、東埠頭には市道東臨港線があり、また坂出市の後背地に通ずる路線としては、府縣道坂出貞光線がありますが、瀬戸内海四國側を縦断する交通路はこの國道と鉄道があるのみでありまして、坂出港に課せられている附近地方への物資集散の目的を完遂する國道重要性はいまさら贅言をしないところであります。  現在國道の現状を見ますと、まずその幅員は新興都市としては珍しい狭隘の極にあるもので、家屋櫛比の繁華街の中心部を旧態然として貫通し、異口同音に不便危害を直感しつつ今日に及んでいるのでありまして、高速度の交通機関と重量物搬送の発達した今日、唯一の道路輸送ルートであるこの國道改良の遅速は、実に國家再建、生産拡充への重大なる影響をもたらすことは想像にかたくないところであります。政府におかれましては、すでにこの点に深く意をとめられ、先年宇多津より仮出市内西新開までの区間は改修工事を出成しているのでありますが、市内西新開と江尻町までの区間釣二・八キロが今なお未完成のために、全交通量が旧國道の幅員わずかに五・四メートルにすぎない最も殿賑をきわむる市街地を通過し、当座の輸送を敢行しているのでありますが、一日平均トラツク二百五十台ないし三百台の往復する交通路としては、輸送機能の低下と保安上の点において、まつたく言語に絶する状況であります。この唯一幹線國道の未改修部分の改修完成は、坂出臨港鉄道線と相まつて、坂出港の使命を達成する不可欠のことでありまして、ひいては四國四縣の産業開発に裨益するところ実に大なるものがあると存じます。ここに五万市民の待望久しくするこの國道の早急改修方の促進請願いたす次第でありますから、國費多難な折、まことに恐縮ではありますが、右事情十分御賢察の上、特別の御詮議をもつて、至急施行方御高配をお願いいたします。
  43. 淺利三朗

    淺利委員長 本請願に対する当局意見を伺います。
  44. 落合林吉

    ○落合説明員 本國道継続事業といたしまして、昨年も改良事業を実行いたしまして、本年も予算の許す範囲で幾分でも継続事業として採択いたしたいと存じまして、ただいま資金、資材の面を勘考いたしまして、檢討中でございます。
  45. 淺利三朗

    淺利委員長 次に日程六二〇、庶民住宅建設助成に関する請願川野芳滿君外四名紹介文書表第九〇号、日程第二八、花尾峠トンネル開発の請願川野芳滿君外四名紹介文書表第一四一号、日程第二九、大淀堰堤調歩費増額請願川野芳滿君外四名紹介文書表第一四二号、日程第四二、庶民住宅建設助成に関する請願瀬戸山三男君外四名紹介文書表第二六一号、以上を一括議題といたします。紹介議員説明を求めますが、川野君にかわりまして紹介議員瀬戸山君の御説明を求めます。
  46. 瀬戸山三男

    瀬戸山委員 ただしま御上程になりました案件のうち、第二〇並びに四二号の請願は大体一同趣旨でありますので、一緒に御紹介いたします。この庶民住宅建設助成に関する請願は、宮崎縣会議長、宮崎縣知事並びに宮崎縣の戰災地方でありますところの大市町村の外一千者以上の住宅困窮者の請願なつておる点をあらかじめ御紹介いたしておききます。要旨でけを御紹介いします。  本請願要旨は、終戰以來三年余を経ましたけれども、國民の切実なる要望にもかかわりませず、住宅の不足は依然深刻でありまして、國民の生活上大なる脅威となつておるわけであります。しかるに一般大衆の経済力はますます遇追いたしまして、自力による復興は極度に低下しておる現状であります。しかのみならず特に宮崎縣は御承知のように毎年夏から秋にかけまして、台風に見舞われる関係から、そのために家屋の倒壊を來す数が非常に多きに上つておる実情でありますので、これらの解決には政府の協力な住宅対策、國家資金の全面的注入によるほかは、次のような事項を政府において強力に実施椎していただきたい、こういう次第であります。  第一に、昭和二十四年度におきましては、國庫補助による庶民住宅の建設を大幅に増加すること。第二は、昭和二十四年度以降におきましても、國庫補助による庶民住宅の補助を四分の三程度の効率補助にしていただきたい。第三が、昭和二十四年度に住宅金庫を設置して、一般住宅の復興促進をはがつていただきたい。第四が、重要産業の労務者住宅建設に対する融資を増強して、産業復興促進をはかつていただきたい。第五が、臨時物資需給調整法を緩和し、市街地産築物法によるのほか、十五坪以下の小住宅は手持資材である限り許可を要しないこととして、建築促進をはかること。第六は、住宅敷地は常に農地との軋轢を生じまして、住宅建設の一大障害となつておりますので、農地法との妥協点を求めて、住宅建設に支障のない土他確保の法規の制定をしていただきたいというのであります。  最後に自家住宅の建設が低調になつでおりますので、貸家住宅を建設させるため、家賃補償等を考え、採算の立つ住宅の建築を助成されたい。こういう趣旨であります。  住宅問題については、各項目について愼重に考慮され、さらに大きな社会問題となつておりますので、特に請願の趣旨を御了解くださいまして、御採択くださらんことを切望いたします。  次に日程第二八の請願を御紹介いたします。本請願宮崎縣の花尾峠にトンネルを開設していただきたい、こういう目的であります。宮崎縣の都井岬福島線のうち、都井、本城間の隊道をうがつて平坦道路にしたいということは、実に数十年來の地元民の宿願であつたのであります。当地方の交通は最も不便の僻村で、他村との交通もようやく人馬によるはかなかつたのでありますが、明治四十二年度におきまして縣費の補助を仰いで、前後五箇年の継続事業として竣工しまして、当時の都井、本城間の文化は相当裨益するところがあつたのであります。ところが都井、本城間は最急勾配六分の一、最小半径五メートル、全幅三メートル内外の花尾峠がありまして、大型車や重量車輪の運行が激増いたしております今日、このまま放置することはきわめて危檢な状態なつておりますので、立宇津、黒井及び黒仁田を経由する道路を開鑿するときは、平均勾配二十五分の一、花尾峠に約八十メートルの隊道を施行いたしますならば、道路の延長において約三キロ増加するのでありますけれども、その輸送力におきましては、二十倍程度の増強を來し、自動車の燃料は約三分の一の節減となるのであります。さらに水揚高数百万円を誇つておりますところの立宇津港と黒井港は、水深も深く、本地方唯一の自然港でありまして、昔から沿岸航行の貨客船の避難した記録もありまして、なお後背地には建築材、造船材としてきわめて有望視されておりますところの飫肥杉の生産地黒井谷及び黒仁田が控えておるのであります。かような状況でありますので、宮崎縣におきましては、問題になつております鹿兒島縣の開発とともに、宮崎南部の開発を計画いたしておりますが、本路線の改修もその一環をなすものであります。何とぞ特別なる御詮議をもちまして、昭和二十四年度においては必ず実現いたしますよう國庫助成を仰ぎたい、こういう市町村長一致いたしましての要望であります。何とぞ御採択あらんことを切望いたします。  次に第二九、大淀堰堤調査費増額請願であります。これは宮崎縣を貫流いたしておりますところの大淀川に関するものでありますが、大淀堰堤の位置は、宮崎縣東諸縣郡高岡町本八重地先にあたりまして、あたかも大淀川中流部の狭谷区間に計画されておるものであります。この堰堤は計画堤の高さが約八十米、貯水量約一億七千万立方メートルの巨大な水量に達する見込みでありますが、しかもその水沒いたします区域は、おおむね雑木林に蔽われておりまして、耕地、人家の浸水がほとんどないという状況でありますことは、この堰堤にとつてわが國まれに見る強味と言わなければならないと思います。しかもこの堰堤の効果を考えて見ますと、ただいま政府の直轄によりまして大淀川下流の改修をいたしておりますが、さらに昭和二十三年度におきまして、大淀川上流部の直轄による調査をいたしまして、昭和二十四年度におきましてその一部の実施予算が出ているやに承つている状況でありますが、その大淀川上流改修工事の補強工作をする必要はないという利点と、次に大淀川上流改修計画を、その堰堤の築造によつてある程度縮小することができ得るという点とが、治水に関する利点とされております。さらに利水関係の利点としましては、第一に最大出力十万キロ、常時出力三万三千キロ、年間総発電量四億六千万キロワツト時の発電を見込まれております。なお渇水量を約六十立方メートルに倍加いたしまして、その中流にあります高岡、宮崎間約三十キロ区間の舟運の開発ができるという見込みであります。この堰堤の効果は上、下流直轄改修区間に及ぼす治水面の利点は申すまでもなく、発電出力の増強という甚大な利益を伴うわけであります。特に地元宮崎縣といたしましては、九州地方の水力発電の電源地として、現在約二十八万八千キロワツト発電しておりますが、その九割を超える電力が北九州に送電されまして、縣内ではわずかに二万三千キロワツトしか使用していないのであります。過去三箇年にわたりまして電力飢饉は宮崎縣下産業と民生をきわめて苦しい状態に陥れたのでありますが、縣内電力の確保は一日もゆるがせにできない最も緊要な問題となつております。さらにまた宮崎縣産業は、由來農林、水産業等のいわゆる原始産業に依存して、延岡市にあります繊維化学工業を除きますと、ほとんど見るべき近代的工業はないのであります。その隘路となつている最大の原因は電力の不足に帰せられておるのであります。さような観点からこの大淀川堰堤の計画が上つておるのでありますが、その実現によつて、これらの基本問題をすべて余すところなく解決することができまして、宮崎縣産業のみならず、現在日本において最も重要視せられておりますところの電源開発の強力な一助となろうと考えているわけであります。これに対しましては地元官民一同絶大なる関心を持つておりまして、実は昭和三十三年度において調査費の一部を他の方から流用して、現に調査を続けておりますが、根本的なる調査をいたしますために、昭和二十四年度においてぜひ調査費を支出してもらい、その調査の完了をお願いする、こういう趣旨であります。何とぞ御採択あらんことを切望してやまないのであります。
  47. 淺利三朗

    淺利委員長 以上の請願に対する当局意見事を伺います。まず日程第二〇及び第四二の庶民住宅建設助成に関する請願について、師岡説明委員の意見を伺います。
  48. 師岡健四郎

    ○師岡説明員 庶民住宅のことにつきまして申し上げます。國庫補助によります庶民住宅の建設が、現在の住宅不足に対処いたしまする政府の住宅政策といたしまして、きわめて重要なことは、ただいま御説明のあつた通りであります。從いまして、政府といたしましても、國庫補助による賃貸住宅の建設につきましては、從來非常に力を入れておるところであります。二十三年度におきましては、総建設戸数約一六万八千六百戸建つております。これは終戰後に建ちました貸家数の約八八%を占めておるわけであります。さようなわけでありまして、予算としましては、必ずしも十分でないのでありますが、現在の住宅建設状況から申しますと、この貸家の建設につきましては、政府といたしましては相当な力を入れておるということが申されると思います。しかしながら今後におきまして、なお住宅難というものは継続いたすのでありますから、この二十四年度以降におきましても、大いに建設をやつて行かなければならぬと考えるのでありまするが、二十四年度予算につきましては、当初におきまして、私どもといたしましては相当の金額を見込み、建設戸数を予定したのでありまするが、御承知のような予算全体の編成状況でありまして、從いまして公共事業費の中で約二十五億というものがこの住宅建設に向けられることになつております。從いまして二十三年度に比しましては、多少建設戸数は減少するわけであります。これに対しましては、合理的な対策をいたしまして、一戸でも多く建てて行きたいと思つております。  なお全國のどこに家を建てるかという問題になりまするが、これにつきましては、昨年度住宅調査を行いましたので、これを基礎といたしまして、住宅不足の最も深刻な地方に重点的に配置して行きたい。なお災害等も考慮いたしまして建設を進めて行きたい。かように考えておるわけでございます。  それから第二点でありまするが、住宅建設の上から資金問題がきわめて重要なことは、これまた申すまでもないわけであります。從いまして政府といたしましては、昨年來この問題の解決に努力しておるわけでありまするが、三十四年度予算要求といたしましては、全額政府出資によりまして、住宅金庫を設立したい、住宅金融公社ということで新聞に発表になつておりますが、住宅金融公社の設立をいたしたいというように考えておりまして、相当に話も進んで希望を持たれたわけでありますが、最後の段階におきまして、政府出資金が非常に大巾に減りましたので、この中に盛り込まれなかつた次第であります。はなはだ残念なことでありますが、ただいまも申しましたように、この住宅融資というものはきわめて重要な問題でありますので、さらにこの実現に向つて現在第二段の対策を檢討中でございます。  それから重要産業労務者住宅につきましては、一昨年來おもに石炭関係の労務者住宅につきまして、相当建設して参りました。二十三年度におきましては、約九十六億円の金が出ておるわけであります。二十四年度といたしましても、石炭初めその他の重要産業につきまして、相当住宅問題が大切でありますので、各方面と折衝いたしております。これが現在まだお話いたすところまでまとまつておりません。九原則下の資金事情が相当きゆうくつでありますので、あるいは昨年よりも減少すると思いまするが、いずれにいたしましても、現段階においてはまだまとまつておりません。  それから手持資材の問題でありまするが、これは現在の臨建の規則に基きまして、その許可準則により、正当なルートよつて入手した木材ないしは自家山林を伐採しました木材あるいは建物を解体しました古材、こういうものを使います場合には許可を要することになつておりまするが、別にやかましいこともなく許可されております。これをさらに一歩進めまして、そういう場合には許可を要しないことにしてはどうかというお話でございましたが、この点につきましては、現在全体としまして臨建規則の改正を檢討中でありますので、できますればこの中に織込んでみたいと考えますが、なお檢討を要する点もありますので、十分にただいまのお話の点を考慮に入れて行たいと考えております。  敷地問題でございますが、これはお話のように農地との関係を生じております。増産ということも大切なのでありまして、農地問題の解決はそう簡單には参つておりません。ただ現在戰災都市等におきましては、相当まだ焼跡で利用されておらない所もございます。そういう所のいわば遊休地の利用ということも相当考えて行かなければならぬ。さらにそういう点で不十分な所は、一歩進めて農地問題との調整もはからなければならぬ。かように考えております。しかしこの点は全体の土地問題とからみまして、土地政策全体が確立いたしませんことには、根本的な対策もまだ十分に確立できないというような情勢でありまして、この点につきましてはせつかく研究を進めておりまして、今後何らかの対策をとつて参りたい。かように考えております。  最後に貸家住宅の助成のお話でありましたが、現在の資金事情ないしは御承知のような地代家賃統制令におきまして、非常に低家賃政策がとられておりますので、かような情勢下におきましては、なかなか貸家が建たないのであります。しかしながら戰前におきましては、都市について申しますれば、貸家というものは約七〇%から八〇%もあつたようなわけでありますから、貸家を建設いたしませんでは、住宅問題は解決しないと申してもよろしいのであります。そこで貸家を助成するということになりまするが、これには結局長期低利の金を貸付けてやるということが第一段に必要であります。この長期低利の金を貸付ける問題になりますれば、先ほど申しました住宅金庫問題が解決いたしませんと、これは解決いたさぬとに相なります。  それから低家賃問題でありますが、これは現在残つている家の方が結局多いのでありまして、これに入つております借家人の立場から申しますれば、低家賃の方がよろしいのであります。住宅建設供給の上から見ますれば、高い家賃の方が採算がとれますから、結局その方がよいということになります。この問題の解決ということは、結局におきまして、家賃の補助ということになろうかと思いますが、これは私どもといたしましても、從來予算要求もいたしておりますが、現在におきましては、まだ民間の貸家の助成というところまでは手が届きませんで、先ほど申しました國庫補助による貸家の助成という段階にあります。しかしながらだんだんと経済事情もよくなり、産業界が回復いたしますれば、この民間の貸家による貸家経営というものも復活の機運に向いましようし、これに対しまして政府としましても、さらに助成方策を講ずべきかと考えております。
  49. 瀬戸山三男

    瀬戸山委員 詳細なる御説明、ありがとうございましたが、ただいま庶民住宅の建設につきまして、地方で一番困つておりますのは、家は建てたいが地方自治体の資金がきわめて困難であるということと、土地の取得がきわめて困難であるという点であることは御承知と思います。そこで本年度は不幸にして比較的住宅建設の計画が少いのでありますが、それについても地方自治体といたしましては、いわゆる起債によつてやらなければならない状態であります。住宅建設に関する地方自治体の起債についての見通し、並びに現在の庶民住宅は、いろいろ理由はありますけれども、集團住宅を建てるという点において、廣い地域の住宅を取得することがきわめて困難であります。そこで一戸二戸というように分散して建てるということになりますれば、焼跡の土地を自治体の手によつて取得することはさして困難ではないのでありますが、その点についての政府当局の御見解を伺つてみたいと思います。
  50. 師岡健四郎

    ○師岡説明員 團地経営の問題でありますが、これは主として建設の進捗能率の問題と、それから建てましたあとの住宅管理の面からきめておるわけで、あります。実を申せば、もつとたくさんまとめてやつた方が都合がいいのでありますが、ただいま申し上げましたような土地の関係もありますので、大体現在におきましても、十戸ということにいたしております。しかしながら土地の状況はだんだんと苦しくなつて参つておりますので、この團地としまして、十戸を基準としておりまする点も、なお檢討を要したいと思います。ただいま申しましたようりな、建てましたあとの管理というものも非常に大きな問題に一面なつて参つておりますので、なおこれにつきましては十分な檢討を加えてみたいと思います。起債につきましては、ただいまの國庫補助庶民賃貸住宅は三分の一補助で、三分一起債になつております。起債のわくにつきましては、地方財政委員会の方で所管いたしておりまするが、ただいままでに開いておりまするところでは、大体公共事業補助のある分につきましては、起債が許可されることになると考えております。前年同様に考えております。しかしながら起債のわく全体が相当圧縮されておるような点もありますので、なお十分にこれは注意して参りたいと思います。
  51. 淺利三朗

    淺利委員長 日程第二八、花尾峠トンネル開設請願に関して落合説明員より説明を求めます。
  52. 落合林吉

    ○落合説明員 花尾峠にトンネルを開設いたしまして黒仁田、本城に至ります間の通路の急勾配の部分を緩和しようということは、当局といたしましてもこの路線の重要性にかんがみまして、十分その必要性は認識いたしております。ただ前回も申し上げたように、本年度道路の整備、補修に重点を置くという方針が要請されておりますので、今後予算資材の面もよく勘考いたしまして、できるだけすみやかに後年度におきまして工事着手できるように処置いたしたいと思います。
  53. 淺利三朗

    淺利委員長 次に日程第三九に対して伊藤説明員説明を求めます。
  54. 伊藤大三

    伊藤説明員 大淀堰堤調査費増額請願でありますが、大淀堰堤の調査に関しましては、建設省といたしましても、その重要性を十分痛感しているところありまして、昭和二十四年一度の予算におきましても、できるだけ調査費を計上いたしまして、早急にその結論を得たいと考えている次第であります。
  55. 瀬戸山三男

    瀬戸山委員 二十四年度に計上してやられるというお話でしたが、大体の見通しだけでも聞かしていただきたいと思います。
  56. 伊藤大三

    伊藤説明員 調査費につきましては、これもたびたび御報告いたしておるところでありますが、わずか三千百万円、これで一般の河川調査並びに河水統制の調査、いろいろやつておりますので、どれだけこれへまわりますか、今のところはつきり申し上げる段階に至つておりませんのでありますが、先ほど申しましたように、調査をあまり長く続けているのもどうかと思いますので、なるべくできるだけ予算を上げまして、早くその結論を得たいと考える次第であります。
  57. 淺利三朗

    淺利委員長 次に日程第四一、利根川並び荒川改修工事に関する請願紹介議員阿左美廣治君外十二名紹介文書表第二五三号を議題といたします。紹介議員説明を求めます。紹介議員大泉寛三君。
  58. 大泉寛三

    ○大泉寛三君 紹介議員の一人大泉寛三であります。  本請願要旨は利根川及び荒川の改修工事は目下進捗しつつあるのでありますが、なお未完成の区域が多いのであります。また出水期を迎えまして、沿岸の住民が日夜不安におののいている次第であります。つきましては本年度出水期までには、ぜひともこの改修工事完成していただきたいというのであります。また利根川の栗橋鉄橋のつり上げ工事でありますが、これをぜひ実施していただきたいというのであります。國家予算の非常に圧縮されておる折柄、特にこの災害の継続工事として考慮してお力を入れていただきたいというのでおります。
  59. 淺利三朗

    淺利委員長 これに対する当局意見を求めます。
  60. 伊藤大三

    伊藤説明員 利根川並びに荒川両川の改修工事の緊要なことにつきましては、政府も十分これを認識いたしておりますところでありまして、昨年度におきましても、経費多端のうち、相当の経費を支出いたしまして、師定計画に基きまして重点的に極力工事施行して参つた次第であります。本改修工事は何分多額の経費を必要といたしますのと、資材も相当これに必要であります関係上、急速にこれを完成することはなかなか困難でありますけれども、今年におきましてもこの両川に対しまして相当な経費を計上いたしまして本改修をできるだけ短期にやり上げたいと存じて努力いたしている次第であります。     —————————————
  61. 淺利三朗

    淺利委員長 次に日程第一五、金山峠トンネル開設請願紹介議員河口陽一君、文書表第五九号を議題といたします。紹介議員説明を求めますが、河口陽一君にかわつて松本六太郎君に紹介説明を願います。
  62. 松本六太郎

    ○松本六太郎君 本請願の趣旨は北海道勇拂郡占冠村より根室本線金山駅に通じます地方軌道のうち、最も交通土支障のはなはだしい部分において、トンネルの開鑿をお願いいたしたいというのであります。この占冠村はすでに開村せられてより約五十年の歳月を経ておりまするが、現在戸数が約五百戸であります。面積は三十七万方里に及ぶば厖大な面積を持つところの村であります。ところが交通が非常に不便でありまするために、開発が遅々として進まないというのが実情であります。しかしながら最近においては開拓移民等の入地その他によりまして、急激に人口の増加を見ておる情勢であります。のみならずこの地帯には伐採計画をいたしておりまする森林資源、すなわち本材の堆積と申しますか、資源が約五千万石に及び、また石灰、クローム、石綿等の地下資源が非常に多いのでありまして、この鉱区の面積も五千万坪に及んでおるのであります。しかしながら非常に交通が不便でありまするために、これらの資源の開発も遅々として進まないという現状にありまするので、何とか交通の便をよくしていただきたいというのが本請願の趣旨であります。この占冠村から鉄道沿線すなわち金山駅に演じまする区間は大体二十四キロでありまするが、その中に上り下り十八キロに及ぶ急勾配の峠があります。これを俗に金山峠と称しておりますが、これにトンネルを通じますことによりまして輸送力は非常に増大いたし、交通は至便となりまして、これらの資源の開発あるいは今続々入地せしめておりまする開拓移民の交通の優等が改善せられまして、今日北海道の総合開発というようなことも問題になつておりまする折柄、かような地点にまず交通の便をはかるということが非常な急務であると考えられます。さような点につきまして予算資材その他の関係上相当の困難がありましようけれども、特に御配慮を願つて急速にこの目的が達成せられまするように、御配慮を願いたいというのであります事。  なおごの路線は昨年から運輸省の省営トラツク、バス等の運行も始つたのでありますけれども、これらもやはりこの峠のために能率が非常に阻害せられておりまするので、ぜひ至急ごの目的を達成いたしまするように特に御配慮と願いたいと思います。
  63. 淺利三朗

    淺利委員長 これに対する当局意見を伺います。
  64. 落合林吉

    ○落合説明員 ただいまの道路は札幌、根室間を通じまする北海道の幹線鉄道の路線と、それから南海岸の方を通つておりまする鉄道の富川を連絡いたしまする連絡道路としての意義、それからその中間にありまする鉱山資源、林産資源の開発を促進する意義がありまするので、政府といたしましても、ぜひこれをすみやかに着工いたしたいと存じまして、本年度予算を要求いたしますときには、これらの工事を着工できるようにという計画のもとで予算を要求したのでございますが、道路予算が非常に圧縮されましたので、この圧縮された予算の範囲では本年度着手は非常に困難になつて参りました。特に金山峠は相当隧道工事を伴いまするので、資金資材の見通しがつきましてからでありませんければ、着工しても効果を発揮することができませんので、それらのことを十分に勘考いたしまして、資金、資材の見通しができます次第、すみやかに着工いたしたいと存じます。     —————————————
  65. 淺利三朗

    淺利委員長 次に日程三九、松浦川改修工事費國庫補助請願保利茂紹介文書表第二一八号を議題といたします。保利君にかわりまして天野久君に紹介説明を願います。
  66. 天野久

    ○天野(久)委員 佐賀縣西北部穀倉地帶に、天惠を與える縣下第一の河川松浦川は、遠く源を長崎縣界甚六山に発し、黒髪、八幡岳等より流れる小河川を併流して、紆余曲折東松浦郡に入り、ここで嚴木川を合せ、さらに徳須恵川を合流して唐津市に至り、玄海灘に注ぐのであります。その延長四十五キロ、沿線七千町歩の美田を潤し、その恩惠に浴するもの二万余戸、十二万余の住民が水利船運の便を享受しております。しかしながら松浦川の治水と沿岸一帯の治山に関する対策は、ここ数十年來捨てて顧みられず、幾多の惡條件は年ごとに洪水を意起し、河川堤塘の決壊、田畑の埋没等辛じて今日まで小規模の復旧を繰返して來たのであります。しかるに過般七月、九月の二回にわたる豪雨による洪水は猛威を振い、濁流は二千有余町歩の美田を浸し、三十有余の人命と人家をのみ、実に悲惨をきわめたのであります。これらの被害額は鉄道、河川、堤防、道路耕地復旧及び流失浸水家屋の損失、農作物の被害を見込むときは優に数十億に達するのであります。こうした現状に対しまして、年々小規模の姑息的復旧を繰返すのみでは今次のごとき災害は後を断たず、莫大なる國費もいたずらに泥土に放棄するにひとしく、さらにまた地元の経費負担の能力も底をとき、前途は暗澹としてまことに寒心にたえないものがあります。しかしながら松浦川の改修事業は必須であります。よつて地元におきましては、今次の災害を契機とし、打つて一丸となり、本格的改修を実施し、治水の完璧を期したく、特に國庫の高額補助を渇望いたしております。どうか御当帰におかれましては、関係諸地域の民生を安定し、生産の増強と輸送力の強化をはかり、ひいては日本再建のため本改修事業の実現につき格段の御高配を仰ぎたく、ここに愼んで請願いたす次第であります。
  67. 淺利三朗

    淺利委員長 これに対する当局意見を伺います。
  68. 伊藤大三

    伊藤説明員 松浦川が毎年災害を受けまして、その沿岸被害が甚大でありますことにつきましては、まことにお氣の毒に存じておる次第であります。從つてこの改修の重大性につきましては、政府におきましても十分これを認めておるところでありまして、すでに縣に助成をいたしまして、この調査をさせておりましたが、一應その調査も完了いたして参りましたので、近く中小河川改修工事といたしましてこれを取上げ、本格的な改修工事施行いたしたいと、こう存じておる次第であります。     —————————————     〔委員長退席、天野委員長代理着席〕
  69. 天野久

    ○天野委員長代理 次に日程第四、豊平川治水工事完成促進請願宇野秀次郎君外十一名紹介文書表第一〇号を議題といたします。紹介議員説明を求めます。紹介議員高倉定助君。
  70. 高倉定助

    ○高倉委員 石狩川の支流であります石狩原野を横断しております豊平川治水工事完成促進に関する問題でありますが、御承知の通り豊平川は第二期治水工事残程部分をすみやかに施行完備するとともに、新水路の堰堤を苗穂鉄橋下附近に移設し、かつ鴨々川水門取入口附近及び束橋下発電所用水取入口附近に、新たに床止堰堤工事を施し、もつて質平川の治水事業を早急完備せられるよう請願する次第であります。  豊平川の治水工事は、北海道拓殖計画に基きまして、護岸堤防、新水路開鑿等の工事も大体完了いたしまして、これによつて沿岸各市町村は洪水災害から免れ、水利を確保し、民生の安定、産業の振興に寄與するところきわめて大きいものがあつたのでありますが、ひとり地方的の利益のみに止まらず、わが國のためにもまことに喜びにたえないところであります。しかし第二期治水工事の残程部分が、なお約二〇%もあり、またその後の情勢の変化によりまして、さらに追加施設を要するものも少くないと推察せられるので、この残程部分と本年度着工に決定した豊平川下流部水路の開鑿旧豊平川逆流阻堰堤工事を急速に完成するとともに、左の諸工事をなるべく急速に行つていただきまして、もつて河川治水工事の完備を期せられたいのであります。すなわち既設の豊平川新水路を永遠に利用し、札幌附近まで船舶舟艇を運行せしめ得るよに現在の堰堤を苗穂鉄橋下附近まで移設してもらうこと、最近拂下舟艇による石狩川水運の再開が計画せられ、石狩河口より多度志、音江、千歳に至る本流及び両龍川、千歳川沿岸各町村の物資旅客を、主として札幌市に輸送すべく計画されておるのでありますが、現在の豊平川新川路には、雁木附近に堰堤があり、その上流まで船舶舟艇を乗入れることができない状態であるのでありますから、その堰堤をなるべく上流に移設し、札幌市と附近の関係各町村とを直結いたしますることにすれば、貨車貨物及び旅客の輸送交流が至便となり、本道中心部の総合開発上裨益するところが少くないのであります。  第二は鴨川水門取入口附近豊平川の本流は急流なつておりますため、洪水時におきましては導水設備及び同水門がたびたび被害をこうむり、創成川の水利権も脅かされ、これが復旧工事に多事額の経費を要するのでありますから、恒久的治水設備として、同取入れ口附近豊平川本流に國費をもつて床止堰堤を設置することが必要であるのであります。  第三は束橋下の発電所用水取入口附近、豊平川本流、國費をもつて床止堰堤工事を施すことであります。豊平川新河川切換工事竣工後、豊平川下流一帶は河身低下いたしまして、そのため東橋下発電所用水引入口の取水に支障を來しますから、豊平川本流に床止堰堤を設置することが必要であるのであります。なお同堰堤の設置によりまして、豊平川より伏古川に河水の導入も可能となり、札幌、篠路両村水田適地の造田可能となり、食糧増産、土地開発にも寄與することができ得るのであります。かような次第でありますので、石狩川札幌地方総合開発協議会を設置いたしまして、札幌市長及び各関係町村九市町村の協議会におきまして、これを取上げ、促進をうながしているような次第でありますので、國事多端の折柄でございますが、ぜひ早急にこれが実現するようにお願いしたい。これが請願の趣旨であります。以上申し上げましてお願いする次第であります。
  71. 天野久

    ○天野委員長代理 本請願に対する当局意見を伺います。伊藤説明員
  72. 伊藤大三

    伊藤説明員 豊平川の改修工事緊要性につきましては、政府といたしましても十分これを認識しておるところでございますが、従來國庫財政都合上、地元の方々の御要望に十分沿うほどに工事進捗して行くことができなかつたことについては遺憾に思つているのであります。なお今後におきましても國庫財政の許します限り、何とか早期にこれが完成に努めて参りたいと存じておるわけであります。なお今述べられました具体的な工事箇所の問題につきましては、工事施行者の北海道聽と十分よく連絡いたしまして善処して参りたいと存ずる次第であります。
  73. 天野久

    ○天野委員長代理 本日の審査はこの程度にとどめ残余の請願は延期いたします。  次会は公報をもつてお知らせすることにいたし、本日はこれにて散会いたします。     午後一時二分散会