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1949-04-12 第5回国会 衆議院 建設委員会 第6号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十四年四月十二日(火曜日)     —————————————     午後一時五十四分開議  出席委員    委員長 淺利 三朗君    理事 江崎 真澄君 理事 鈴木 仙八君    理事 内藤  隆君 理事 松井 豊吉君    理事 前田榮之助君 理事 池田 峯雄君    理事 天野  久君       今村 忠助君    宇田  恒君       越智  茂君    瀬戸山三男君       高田 弥市君    田中 角榮君       三池  信君    宮原幸三郎君       上林與市郎君    増田 連也君       久野 忠治君    笹森 順造君  出席國務大臣         建 設 大 臣 益谷 秀次君  出席政府委員         建設政務次官  内海 安吉君         建設事務官         (都市局長)  財津 吉文君         建 設 技 官         (河川局長)  目黒 清雄君  委員外出席者         議     員 大橋 武夫君         議     員 船田 享二君         議     員 早川  崇君         総理廳技官         (経済安定本部         建設局次長)  雨森 常夫君         建設事務官         (河川局防災課         長)      賀屋 茂一君         建 設 技 官         (道路局建設課         長)      落合 林吉君         建 設 技 官         (建築局住宅建         設課長)    鎌田 隆男君         專  門  員 西畑 正倫君         專  門  員 田中 義一君 四月九日  委員江崎一治君辞任につき、その補欠として伊  藤憲一君が議長の指名で委員に選任された。 同月十二日  理事江崎一治君の補欠として池田峯雄君が理事  に当選した。     ————————————— 四月八日  豊橋、富山間道路國道に編入の請願岡村利  右衞門紹介)(第一八六号)  国道二十三号線改修促進請願島田末信君紹  介)(第一八八号)  豊富村の石炭輸送道路改正並び開設請願(  玉置信一君外一名紹介)(第一九〇号)  赤石、神崎間道路開設請願小川原政信君紹  介)(第一九二号)  当別川、東土場間海岸開設請願小川原政信  君紹介)(第一九三号)  松浦川改修工事費國庫補助請願保利茂君紹  介)(第二一八号)  加茂川護岸工事施行請願大村清一紹介)  (第二二号)  利根川並び荒川改修工事に関する請願(阿左  美廣治君外十二名紹介)(第二五三号)  庶民住宅建設助成に関する請願瀬戸山三男君  外四名紹介)(第二六一号) の審査を本委員会に付属された。     ————————————— 本日の会議に付した事件  理事の互選  都市計画に関する件  災害復旧に関する件   請 願  一 太田川及び原野谷川改修費國庫補助請願    (足立篤郎紹介)(第一号)  二 猪名川改修工事施行請願原健三郎君紹    介)(第四号)  三 大澤田川砂防工事施行請願野原正勝君    外二名紹介)(第八号)  四 豊平川治水工事完成促進請願宇野秀次    郎君外十一名紹介)(第一〇号)  五 山関川水系國直轄砂防工事施行請願(    福田喜東紹介)(第一七号)  六 角井川砂防工事施行請願大橋武夫君外    一名紹介)(第二〇号)  七 藤木川砂防工事施行請願大橋武夫君外    一名紹介)(第二一号)  八 稗原川砂防工事施行請願大橋武夫君紹    介)(第二二号)  九 半場川砂防工事施行請願大橋武夫君紹    介)(第二三号) 一〇 祖父谷川砂防工事施行請願大橋武夫君    紹介)(第二四号) 一一 廣島縣内の道路改修促進請願宮原幸三    郎君外一名紹介)(第二六号) 一二 呉市の復興土地区画整理事業費國庫補助増    額の請願宮原幸三郎紹介)(第二八    号) 一三 大崎、鹿児島間道路改修促進請願上林    山榮吉紹介)(第三〇号) 一四 山口縣災害復旧土木事業費國庫補助増額    の請願青柳一郎紹介)(第三二号) 一五 木屋川河水統制事業施行促進請願青柳    一郎紹介)(第三三号) 一六 松尾川砂防工事施工請願大村清一君紹    介)(第三四号) 一七 由宇川改修工事促進請願青柳一郎君紹    介)(第三六号) 一八 倉尾村に砂防工事施行請願阿左美廣治    君紹介)(第三八号) 一九 村山野川及び白水川上流改修工事施行の請    願(牧野寛索紹介)(第四三号) 二〇 岡山縣下河川砂防工事施行請願外三    十二件(大村清一紹介)(第四八号) 二一 中津、飯田間道路改修請願平野三郎君    紹介)(第四九号) 二二 金山峠トンネル開設請願河口陽一君紹    介)(第五九号) 二三 都営青山第二共同住宅改善に関する請願(    船田亨二紹介)(第八四号) 二四 黒部川改修工事促進請願鍛冶良作君紹    介)(第六六号) 二五 富田川の治水工事施工請願早川崇君紹    介)(第六九号) 二六 東澤地内馬見ケ崎川砂防工事施行請願    (松浦東介紹介)(第七一号)     —————————————
  2. 淺利三朗

    淺利委員長 これより会議を開きます。  この際委員補欠選任についてお諮りいたします。去る九日理事江崎一治君が本委員を辞任せられまして、同委員補欠として伊藤憲一君が本委員に選任されました。理事が一名欠員となりましたので、その補欠選任をいたしたいと思います。これに先例によりまして、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 淺利三朗

    淺利委員長 御異議なしと認めまして、委員長において指名いたします。それでは理事池田峯雄君を指名いたします。  次にこの際ちよつと御報告申し上げておきますが、去る七日本委員会より議長に提出いたしました委員派遣承認申請書に対しまして、本日承認がありましたので御報告申し上げておきます。日程のことは本会議との関係もありますから、調査の上に決定いたしたいと思いまするが、大体二十日ごろになりはせぬかという見込みであります。  それでは日程に移ります。都市計画に関する件を議題といたします。区画整理につきまして、先日都の三十間堀の問題に関連いたしまして本委員会の問題になつてつたのでありましたが、この際当局よりこの問題の処理に関してご説明願いたいと存じます。大臣よりその対策についてご説明があれば好都合と存じます。
  4. 益谷秀次

    益谷國務大臣 三十間堀川埋立てに関する御質問に対して、私よりお答え申し上げます。第一は、三十間堀川埋立てに関する都市計画決定の経緯でございます。三十間掘川埋立てについては、昭和二十三年六月二十五日、東京都知事から都市計画として決定せられるように申請があつたのであります。建設省はこれを審査の上、八月十二日付本案都市計画東京地方委員会に付議いたしましたところ、八月十八日委員会を開催し原案通り議決いたした旨会長から答申があつたのであります。よつて建設大臣昭和二十三年十月八日、建設省告示をもつて、三十間掘埋立てを都市計画として決定する旨告示をいたしたのでおります。  次は三十間堀川立地利用について申し上げます。埋立ての件は、ただいま申しました通り、都市計画決定を見ましたが、そり利用計画については、東京都においても、特に三十間堀埋立運営委員会という官民合同踏間機関を設けて慎重検討の上、埋立地中央に七・二メートル——四間でありますが、四間の街路を設定、そり両側敷地を開放することを決定いたしました。その建物の構造についても鉄筋コンクリートを原則とし、やむを得ざる場合はモルタル塗りという防火上必要な條件を付し、また両側六メートルの後根建築條件をも附加いたしまして、すなわち街路幅員は計九・二メートルとなります。かつまた防火川水も四箇所に設置する予定となつておりますので、建設省といたしましても、防火支障なきものと認め、これを容認いたしておる次第でございます。
  5. 淺利三朗

    淺利委員長 ただいまの大臣の御説明に対する質疑はございませんか。
  6. 鈴木仙八

    鈴木(仙)委員 大臣のご説明はよくわかりましたが、この機会にもう一ぺんお伺いしておきたいと思います。それに都市計画の構想に対して、かりに東京都なら東京都が、これを遂行する、あるいはその他の問題に対しても、いろいろ事業を行う場合に、建設省として大臣並び都市局長は、これに対して十分にその意見をただすことにできない、また御自分たちが考えていることを織り込ませることはできない、どういうことをやつても差支えないということか。この点私はお伺いしたいと思います。  それから昨晩新聞でございますけれども、「眞田堀埋立て、地元民が反対叫ぶ」として、問題の眞田堀に、上智大学埋立代三千万円を寄附する代償しして、都の建設局が同大学総合運動場使用許可した皇居外苑四谷見附から南へ食い違い見附、元赤坂離宮前に至る八千坪の内堀で、戦後この内堀だけが水がかれ、草がほうほうと生え、荒れ放題になつていた。たまたま校庭に千坪あまりの狭い運動場しか持たず、敷地不足に悩んでいた上智大学では、自校の前にある内堀利用に着目して、昨年の八月、東京都にその貸與方を交渉してみたところ、都の方でもいろいろと残土処理に頭を悩ましていたという関係から、使用期間二十箇年で契約が成立しまして、大学と都と契約調印をしまして、内金千五百万が大学から都へ渡されて、さつそく都の直営で埋立工事が始まつている。こういう問題で今地元が騒いでおるのでありますが、また一方文部省社会教育局文化課では、昨年十月同省に開かれた委員会で、皇居外苑名勝史跡天然記念物に指定し、この旨管理者たる東京都に通達したにもかかわらず、都が文部省に無断で一学校の運動場のために指定地を開放したため、たいへん不満の意を表している。この問題に関し、文部省文化課長深見市之助氏の談として、皇居外苑はとうに文部省から都の方に指定方を通告してある。それを都の方であんなぐあいに処理されたのに遺憾千万である。國民各位十分理解を持つて世論をつくつてくれねば、史跡名勝の保存も今に重大危機に関する。こういうことが堂々と昨晩新聞に出ておりますが、これらに対して大臣並び都市局の御所見を伺いたいと思います。
  7. 益谷秀次

    益谷國務大臣 都市計画については、私といたしましては十分に監督をいたして参るつもりであります。かつてに自由にいたさせません。  また眞田堀の点につきましては、私ただいま聞いたのであります。あの堀は緑地地帯として指定してあるそうであります。従つて建物をつくるとか住宅をつくるという場合に、緑地地帯でありますから、もとよりこれを許すことにできませんが、埋立てに関しては、東京都に委任をいたしておるのだそうであります。従つて東京都が埋立てをいたしましても、緑地地帯の目的に反しない限りは、かれこれ私の方から東京都に申す立場にないのであります。なお詳しいことは都市局長からお答えをいたします。
  8. 財津吉文

    財津政府委員 眞田堀の問題につきましては、あの地帯緑地決定がしてあるのでありまして、この緑地としての効用をなくするというようなことになりますれば、建設省としましても、これに対しまして何とか警告を発し、あるいはとりやめせるというような措置を講ずることができるのでおりますが、緑地効用を害しない範囲におきましては、一応東京都の方に敷地をまかせてもるわけでございます。ただこれを埋立てることにつきましては、公用水埋立法に基いて東京都知事の責任になつております。なおもう一つ申し上げておきたいことは、都市計画卒業を現になりつつあるところでありますと、都市計画事業すなわち区画整理事業として監督をいたしますが、現在のところ眞田堀のあたりは事業決定をいたしておりませんので、一應その処置につきましては東京都の方にまかせてあるわけでございます。
  9. 鈴木仙八

    鈴木(仙)委員 もう一点お伺いいたします。都市局長さんの所管はたしか都市計画及び都市計画事業に関する事務を管理し並び都市計画事業実施するということであると思いますが、こういう点から、東京都ばかりでなく、全國都市における計画性ある事業に対しては、一々あなたが御監督になり、あなたの意思を相当に入れていただくことと私は了承いたしておりますが、今の御答弁にいささか的がはずれているように思われるのでおります。  それからもう一点伺います。本日三十間堀の問題について、いろいろ各委員からお話があるそうでありまして、こういうことをお尋ねしていいか悪いか判断に苦しむのですが、今村忠助君が、何か三十間堀の問題に対して、自分が発言をした関係か、飯田能代災害復興事業費二千万円がすでに予算をされていたのに、都市局長さんの感情によつて、百五十万円減らされたという内報があつたということを今聞いて参りましたけれども、こり委員会であなたに質問をした結果、あなたの感情を害したためにそういうことが行われたかどうか。これに重大な問題です。私どもがいろいろお願いをしなければならぬが、國民のためにやつていることが、あなたの感情を害した場合それができない、またそれを道具に使われるような態度をとられる、これにたいへんな問題ですから、わかつていることでしようけれども、その点にはつきりお伺いしたいと思つております。
  10. 財津吉文

    財津政府委員 都市計画に対しましては、都市計画とその計画に伴う事業と二つございますが、計画といたしましては、全國都市において都市計画を行う場合には、必ずその計画を持つて来て、こういう計画によつてやるのだということを言つて来るわけでございますから、その際に監督をするわけでございます。さらにいよいよこれを事業化します場合に、何年計画でどこから先にやるかという事業決定をいたしますが、その場合には、またこれに対していろいろとこちらの意見を加えて指導をいたすわけでございます。眞田堀の問題は、これは事業の方に入つておりませんが、ただ計画としてはあそこが緑地になつているというわけでございます。従つて緑地として決定した場所緑地以外に使用して、緑地効用を害するということになりますれば、建設省としてもそれに対して監督を加えなければならぬと思うのでありますが、それ以外の場合には、一應これについてかれこれ言わないわけでございます。  次に飯田予算のことについてお話がございましたが、予算につきましては、まだ確定しておらないのでございます。従いまして、飯田に幾ら行くかということを言明いたしたこともございませんし、またこれを減らしたかどうか、そこのところはまだきまつていないのであります。従いまして、すべてこれは大体そのくらいもらえるだろうという憶測に基いて——その憶測が最初多くてあとは少くなつたかもしれませんが、そういう事情でありまして、その後飯田幾ら補助が行くかということはまだ確定しておりません。これからやる案もきまつていないのであります。そこでいろいろ質問があつたから、それに基いて感情的にどうするなどということは少しもございませんから、その点はどうぞ御了承願いたいと思います。さようなことに決していたさないのですから……。
  11. 淺利三朗

    淺利委員長 この都市計画の問題について、ほかにご意見あるいはご質問はありませんか。
  12. 田中角榮

    田中(角)委員 簡単に一つだけ伺いたいのであります。ただいまの問題に関連しまして、三十間堀、眞田堀というような問題がたくさんあると思うのでありますが、緑地風致美観という法規的に拘束をされる方面ばかりでなく、日本人的な感覚において、緑地風地美観というような立場に対しては、実施計画をつくる場合に、東京都に移管をしたから、風致美観立場から支障のないものに対しては文句を言わないということによくわかるのでありますが、この根本問題を決定してあのほりを埋めようというような場合を決定するまでには、どういうような処置をおとりになつて決定するかということに対して、ご説明願いたいと思います。
  13. 財津吉文

    財津政府委員 ほりを埋めますことに、公有水面理立法という法律がございまして、この法律に基いて埋立てをするわけでございます。この公有水町埋立法によつて埋立てを認めるか認めないかということは、元はこれは建設大臣所管に属することでおりますが、現在は大臣権限知事に委譲されております。知事のところでこれを許可するかいなかを決定するわけでございます。
  14. 田中角榮

    田中(角)委員 法律的な根拠なんかを聞いておるのではなく、この都市計画というものに対して、もちろん非常に慎重な計画を立案されておられるということは考えられるのでありまするが、私たちの日から見ますと、現在外ぼりもどんどん埋めておりまするし、しかも一般的な感覚から、大臣権限であろうとか、府縣知事の認、許可権限であるとかの問題ではなく、もちろん都市計画の衝に当つておられる方は緑地風致美観という、またそれよりももつと大きな意味で、日本人的な感覚という意味で、ただ現にあるところの法律だけをもつて、遺憾ない処置をとつておるからということをお聞きしたいのではなく、外ぼりを埋めるとか、それから眞田堀を埋めるとかいう問題は、國民感情ではなかなか大きな問題だと思うのであります。これをただ焼け土の運搬場所がないとか、土砂の捨て場所がないとかいう簡單なお氣持だけで埋められて、しかもそれで法律的に違法でないというだけでは、ちよつと納得しないのでありまして、これは相当大きな問題だと思うのであります。現在の外ぼりを埋めたり、眞田堀を埋めるという問題に対しては、私はできるならば市民投票によつたり、また民意というものを当然開かなければならぬというように考えておりますけれども、今までそれをなされたかなされないか。これからも現在のような状態で行くと、内ぼりでも何でもどんどん埋められるのではないかという論も成り立つのでありまして、そういう意味から、どういうふうな処置をとられて完璧を期せられるのかという問題について過去、現在、將來に対する御意見を拜聽したい、こういうわけであります。
  15. 内海安吉

    内海政府委員 ただいまの御質問はごもつともなことと思います。三十間堀の埋立ての例にいたしましても、これは埋立てを許可することは建設大臣がやるのでありまするが、許可するまでのいわゆる法的処置と言いますか、あるいはあなたのおつしやる民意と言いますか、それを徴する方法は、東京都では東京都の運営委員会というものがあります。その構成東京都議会議員並び当該地方を代表する区会議員等の人々で、これによつて決定したるもの建設大臣が妥当と認めたときに決定するというような形になつておるように考えております。從つてこの民意のあるところ、あるいはその情勢等は、この運営委員会構成決定によつて、それを参考として建設大臣は取上げて決定することになつております。
  16. 江崎真澄

    江崎(真)委員 三十間堀の問題につきまして、先般依頼いろいろ各委員よりそれぞれの要求があるようでありまするが、私どももこの問題を直接見、聞きいたしまして、いかにも明瞭しごくな時節柄重大なる問題であるというふうに考える一人であります。当然こういう問題はその場の状況、あり方というものを参酌して大臣許可を與える。これは一松大臣のときに許可を與えたものだそうでありますが、問題のあり方からながめまして、当然これは大阪にもあるいは名古屋にも、その他それぞれの大都市を中心として、都会に波及する前例になるというふうに私どもは考えるのであります。かかる重大なる問題を、当委員会に何ら諮らずしておやりになつたのは、一体どういうことであるかということも、ちよつとお聞きしてみたい。なお一つは議事の進行上からも、この問題はもう少し当委員会において慎重に研究してみる必要がある。すでにこれは東京都において着々実施中ではありまするけれども、しかし当然これは各方面に波及をします。しかもその場の情勢によつて判断をすると言われるけれども、この三十間堀よりもあるいはもつと條件をいろいろ具備したような他の問題が起きたときに、局長はいかに考えられるか。これも念のために承つておきたいと思います。そして私の希望といたしましては、この問題をもう少し当委員会において愼重に研究をいたしまして、他日なおこの問題を取上げてみたい、こんなふうに考えますが、この二点について御答弁を願いたい。
  17. 財津吉文

    財津政府委員 三十間堀川の問題は、行政の問題でありまして、直接この委員会にかけなければならないような性質のものではないと存じます。しかしながら委員会の方でいろいろ御意見がございますれば、御意見を尊重しなければならないとは存じますが、それを委員会に初めからかけなければやれないという形式のものではないと存ずるのであります。三十間堀川眞田堀と問題になつておるのでありますが、大体この三十間堀川にしましても、これが区画整理の区域内にありまする場合ですと、この三十間堀の埋立て後の道路問題にしましても、区画整理実施設計として建設省の方に参るのでありますが、それでない場合には建設省の方にも書類はまわつて來ないのでありまして、ただこれらの問題が都市計画上の大きな見地から、もし著しく不当である、東京都のなしたところが著しく不当であると思われます場合には、それに対して東京都の反省を促し、あるいは警告を発し、注意を與えることができると思うのでありまして、建設省監督権は、そういう場合に大体今まで発動しておるわけであります。
  18. 江崎真澄

    江崎(真)委員 もちろん行政面の問題であつて、当委員会に諮らなくてもよろしいという御意向は一應よくわかります、しかし諮らなくてよろしいというか、あるいはこういうむしろ全國的に波及するような問題は、事、事務面の問題であつても、一應委員会としての意向を聞くということも、私は必要でなかろうかと思うのであります。また同時に著しく不当である場合は、大臣がそれぞれ注意をするというお話であつたのでありまするが、しからばこの三十間堀の問題は著しく不当なものではないというお話でありますか、念のためにこれも承りたい。
  19. 財津吉文

    財津政府委員 先ほど大臣からお話になりましたように、この問題につきましては大体におきまして、埋立並び埋立て後の処置が、それほど不当なものではないかように考えてやつたわけでございます。
  20. 江崎真澄

    江崎(真)委員 私どもは相当これは不当なものであると思います。そこに見解の相違があるわけでありまするから、これは議論をしましても議論になりませんので、いま少しく私ども研究をいたしまして、この問題を後日あらためて取上げたいと思います。
  21. 宮原幸三郎

    宮原委員 大体江崎委員のお説に私は同調しておる者であります。実は私は銀座の方に小店を十何年も持つておりまして、あの方面のことはおそらく政府委員のお方よりも精通しておると思う。東京都の運営委員会お話もありましたし、また都市計画委員会承認にを得たものであるというようなお話大臣からありましたが、しかしこの細部の見解が、あのまん中道路の四間という幅員が、はたして適当であるかどうかというような点もあります。われわれ少くともあれは六間以上の幅員がほしいと思うのであります。しかしそれよりも、もつと根本の問題は、かつてどもが内務省の一属僚として、関東大震災の直後に慎重審議して、あの方面区画整理をいたした。それがこのたびの戰災後の区画整理地区にあれが除外された一つの大きな理由になつておるように承つておりますので、そういう銀座まん中整理の完備しておるところへ、あんなだれの目で見てもおよそ常識上相当不当であると思われるようなものについて、ある程度監督権の御発動を相なるべきか、相ならざるべきか、その適当であるかどかということについては、もつと考え下げてお考えが願いたいものと考えるのであります。従いましてただいま江崎委員のお説のごとく、將來ともにこういうことが他の例にならないように、何らか。措置をお講じになる考えがおありになるかどうか。ないとおつしやるお答えは、今ここでおよそ想像ができるのでありますけれども、しかしなお念のために私からお尋ねいたしたいと思います。
  22. 内海安吉

    内海政府委員 ただいまの江崎さんの御質問でありますが、やはり建設委員会の任務というものは、当然國土計画都市計画が入つておるのであります。もしその地方廳において、不法、不当なこと、あるいは國全体から見た場合において不合理な点、不当な点があれば、これに対して警告を発するくらいのことはできると私は考えております。とにかく委員会の意思を尊重いたしまして、善処したいと考えております。
  23. 田中角榮

    田中(角)委員 もう一つだけ御質問をいたします。建設大臣がこの種の認許可を與えるにつきまして、都市計画によりますところの風致美観の維持の観点から、文部省並び緑地風致美観というような條件を担当しておられる建築局長その他と協議の上でやられておるのであるか、それとも、都市計画の面だけをお持ちになつておる都市計画局長の調査に基いて、認許可を與えておるのであるかということに対して、ひとつお答えを願いたいと思います。  もう一つ東京都内において、この種の埋立てというようなものが、現在の三十間堀並び眞田堀のほかに出ておるかおらないか。しかも東京都以外の他府縣都市において、このような條件埋立計画が出ておるかおらないかということに対しても、御答弁を求めたいのであります。
  24. 財津吉文

    財津政府委員 第一の点につきましては、都市局だけの問題ではありませんで、むろん関係各局とも会議の上で決定をいたしております。それから第二点の問題につきましては、今のところ、そういうものは出ておりません。
  25. 田中角榮

    田中(角)委員 わかりました。そうしますと結果といたしまして、先ほど江崎君が発言になられたように、私たちは、この問題が行政上の問題であるので、もちろん國会の承認を得なければならないということはないという局長お話はわかつたのでありますが、これは当然本委員会としては非常に重要な問題でもありますので、本委員会は自発的にこの問題の調査並び研究に当ることはもちろんであります。こういうような問題が出て來た場合、都市局長は今度当委員会に諮問をされる意思があるかないかということを最後に伺いたいのであります。
  26. 財津吉文

    財津政府委員 埋立てを認めるかいないかということに、先ほども申し上げましたように知事権限であります。ただそれが都市計画として取上げられた場合にどうなるかと言いますと、その場合に初めて建設省の方へ來るわけでございまして、都市局といたしましては法上は埋立てが都市計画として決定せられる場合にのみこれを認めるかどうかということが問題になるわけでございます。ただしかしながら、先ほどからいろいろお話もありましたように、こういう問題を廣く考えまして、都市計画上いいか悪いか、あるいは風致美観を害しはしないかということにつきましては、常に総体的な監督権の発動をなすべきであろうと存じますので、そういう点につきましては、できれば問題が起らないようにいたしたいのでありますが、起りました場合にも、各方面から十分檢討いたしたいと存じます。またそういう問題が出ました場合に、埋立てのことを、一々この委員会にかけるわけにも参らないと思いますが、この委員会の御趣旨というものは、十分省としても尊重しなければならないと存じております。
  27. 田中角榮

    田中(角)委員 それでは認許可決定権を持つておられる建設大臣の御答弁をわずらわしたいと思います。ただいままでの局長の御説明によりまして、三十間堀並び眞田堀その他の埋立が、都市計画支障がない、しかも違法ではないということは認めらるるのでありまするが、私たちは顧みまするときに、遺憾ながらもつと大きな観点から、緑地風致美観という立場から考えまして、多少遺憾なところがあつたのではないかというような意味で、御質問をしておるのでありまするし、しかも將來このような問題があつた場合、もつと大きな観点から、もつと愼重な御調査や御研究の上に御決裁をしていただきたい。こういう観点から、先ほど都市局長質問をしましたと同じように、当委員会でも、こういう問題は掘り下げて調査研究するつもりでありますが、特にこのような風致美観という立場から大きな條件を持つようなものに認許可を與えられる前に、当委員会に御諮問になる御意思があるかどうかということについて、御答弁を願いたいと思います
  28. 益谷秀次

    益谷國務大臣 都市の緑地美観、その他先ほどの御意見にありました通り、日本人的に考えて参らなければなりません。また歴史なども尊重して参らなければならないのであります。從つて一般耳目を聳動すると申しますか、大きい世論となつ計画については、どこまでも当委員会の御意思を尊重して参りたいと思うのであります。埋立てその他都市計画個々について全部諮問をするということには参りません。今回の問題は、これは当初はこんな大きい問題になるとはおそらく予知いたさなかつたかと思いますが、これも十分いろいろの事情を勘案して、今回のように大きな問題となるような事柄については、どこでも当委員会の御意思を尊重して参りたいと思います。
  29. 池田峯雄

    池田(峯)委員 簡単にその問題に関連して質問いたします。今までの論議を聞いておりますと、建設大臣にいたしましても、あるいは都市計画の係のお役人の方にいたしましても、この都市計画というものに対する根本的な考えがきまつていないのだ。つまりこれはアイデイアと言いますか、あるいはイデオロギーと言いますか、どういう言葉で表現したら適当かしりませんが、要するに東京都なら東京都の都市計画というものは、いかなる観点からどういうふうに、しかもだれの利益のために推し進めて行かなければならないかという、その根本的な方針がきまつていないから、こつちから運動がありますと、はあそうですかと言つて許可して、そしてあの三十間堀みたいなとんでもないことになるんだと私は思う。だから東京都なら東京都の都市計画の根本的な、筋金になる要点をしつかりきめてもらいたいと思う。そういう点を委員会で審議する必要はないとか何とかいうようなことじやなくて、まさにこの建設委員会こそ、そういう根本的な大綱を立てる委員会でなければならぬと思うのです。今からでも遅くないと思いますから、東京都なら東京都の都市計画の根本となる観点、アイデイア、そういつたようなものをぜひ打ち立ててくれるようにお願いします。風致とか、美観とか、あるいはそういうものばかりじやなくて、これは文化的にもまた日本の経済というような問題、生産的な條件、そういうあらゆる條件から、都市計画の大綱というものは立てられなければならない。そういう点がまだ立てられていないということを感じますから、ひとつそうい点にいてあなたたちの御意見も伺つて、とくと本委員会においてそういう方針を立てたいと思いますが、いかがでございますか。
  30. 益谷秀次

    益谷國務大臣 東京都の都市計画については確固たる計画を立てております。これにいろいろの事情で先ほど申し上げた通り、ほとんど利用していない河川でありますから、これを東京都のそれぞれの機関に諮つて埋立てるということに決定いたして、建設省といたしましても、この埋立てに対して、都市計画として許可する決定をいたしたのであります。ただ率直に申し上げますと、私ども自身もあの埋立地は緑地帶にでもしたいと思つてつたのであります。しかしながら東京都の財政その他の上から見まして、あれは大体ガラを捨てる所がないので、埋立てをして東京都の財源の一部に充てたいというのが目的であつたようであります。それで防火方面に意を注ぎまして、先ほど申しました通り、道路は四間でありますが、建築物の後退をおのおの両側とも一メートルずつ認めました。從つて両側の家と家との間隔はつまり九・一メートルあることになります。そして建物については鉄筋コンクリートの建造物を原則とする。今日の資材の上から見て鉄筋コンクリートにできない場合は、防火建築としてコールター塗りにするという制限をし、さらに防火用水と申しますか、それを四箇所設定いたすという條件で、これならば防火方面もさしつかえないだろうという考えから審議をいたして参つたのであります。今度は埋立てをいたしてただちに三十間堀のような処置をとるようなことは原則とはいたしておりません。いろいろ民意のあるところをどこまでも尊重して参りたいと思つております。
  31. 池田峯雄

    池田(峯)委員 それでは建設省としての都市計画の理想といつたようなものを至急提出していただきたいと思います。それがわかれば、三十間堀がそういう、理想に反しておるか反していないかということがすぐわかることですから、そういう理想を至急出していただきたいと思います。
  32. 鈴木仙八

    鈴木(仙)委員 私、先般の委員会質問した三十間堀が委員会質問になつておるようでありますが、今の大臣の御答弁は、何か益谷大臣でない一松大臣許可された責任を負われての御答弁であつて、この内容については、私どもまだ深くいろいろ研究する余地があると思うのであります。大臣の御答弁に対して、ここでもつてうのみに承認するということは良心的にどうかと思いますがとにかく本日は三十間堀並び都市計画に対する質問はもう少し研究さしてもらつて、それから継続することにして、この程度にしていただきたいと思います。
  33. 松井豊吉

    ○松井(豊)委員 ちよつとその問題に関連して一言……。この機会に一言御参考までに当局のお耳に入れていただき、同時に修正ができるものなら御実行願いたいと思います。板橋の五丁目に私の郷里の者が長く居住しておりますが、都市計画國道関係ある事業でございまして、二十一年度に発表されております。そのときの図面で承諾を得て、家屋の移轉その他各般にわたつて整備して建築も施行されたので、大体その安定を得たのでありますが、たまたまその区の都市計画委員が、どういう風向きであるか、交渉した結果さらに数十軒の家を移轉して、大体二十度くらいの屈曲角度でしたが、四十度近くさらに今度角度を強くして、そこでロータリーをこつちに移轉する。それで警察署の近くございますが、警察署を移轉すれば、大体だれが見ても見よくなる。こういう意向なんです。そこにも何かありそうなんですが、ひとつ二十一年度に発表して決定されたその計画で御了承ができるならば、そうしていただきたい。きよう郷里の者でございまして、選挙区は違いますけれども、私が建設委員であるということを聞いてたずねて参つたのでございます。いずれ建設省の方にも陳情に見えると思いますが、この機会に一言お耳に入れておきます。あるいはさらに現状を、後日場合によると建設委員諸君に調査を願うようになるかもしれませんので、一言御参考までに申し上げておきます。
  34. 淺利三朗

    淺利委員長 それでは本問題はこの程度で打切りまして御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  35. 淺利三朗

    淺利委員長 それではさようにいたします。
  36. 淺利三朗

    淺利委員長 さらに日程によりまして、災害復旧に関する件を議題といたしますが、これに先だつて、これと関連しておりますので、過日の懇談会における各委員の総意によりまして、総指令部を訪問いたしたのでありますが、その結果を御報告申し上げたいと存じます。  本日午前十一時に委員長理事の諸君と総司令部に参つたのであります。その結果の報告は、これから懇談会において詳細申し上げたいと思います。速記を止めて懇談会に入ります。      ————◇—————     〔午後二時十四分懇談会に入る〕     〔午後二時五十一分懇談会を終る〕      ————◇—————
  37. 淺利三朗

    淺利委員長 それでは懇談会を終つて、これから災害復旧の問題に移ります。天野委員
  38. 天野久

    ○天野(久)委員 ただいまいろいろ御報告を承りまして、委員長の御労苦に対して感謝いたしますが、幸いに今日は大臣もお見えになつておりますので、大臣の御所見を承りたいと思います。このいろいろの表を拜見いたしますと、いまだ四百十六億に及ぶ國庫補助の未拂いがある。これに対してわずか百億の予算しか今年は組めない、こういうような状態であると承つておりまするが、わが國が今一番困つておりますものは食糧問題でございまして、この食糧問題の確保には、どうしても災害の復旧を完備いたさなければならないことは、私が申し上げるまでもないのでありまして、この僅少な予算で、大臣はこの災害復旧に対してどんな御覚悟を持つておられるか、その御所見をまず承りたいとおもいます。
  39. 益谷秀次

    益谷國務大臣 大体昭和二十二年度災害、昭和二十三年度災害のうち、國庫補助を要するものと査定いたしまして、國庫補助金の未交付金額は大体三百五十億余と記憶いたしております。これに対して今回の災害復旧費は百九億何がしかになつておりますが、中小河川に対するものは大体百億であります。從つて昭和二十二年度及び昭和二十三年年度の災害に対してまだ二百五十余億残ることになります。從つてどもといたしましては、先般政府委員より申し上げたことと思いまするが、とりあえず本年度の中小河川に対する國庫補助百五十億を要するというのであります。しかるに百億でありますから、もとよりの金では十分とは申し上げることはできません。よつてきゆうくつな予算でありますが、本年は天候等に恵れまして、また地方廳の人たちが熱心に工事を進められましたので、大体一月までに四十一、二億の超過工事をいたしております。從つて四十二億に対しては國庫補助をいたさなければならぬのであります。そこでわれわれは緊急なる地点に工事を進めて、できる限り効率的に與えられた予算を使つて参りたいという考えでおります。問題は、天野委員も御承知の通り、公共事業費は四期にわけて使うのであります。しかも御審議を願つております予算が通過いたしましても、全部を一度に使うということにできません。四期にわけて使用するのでありますから、これをなるべく出水期までに與えられた予算の範囲においで多く出して、最も有効に使つて参りたいという考えから、建設省といたしましては予算が通過いたしますと、同時に、いな今日からと各関係方面と協議をいたし、緊密な連絡をとつて、できるだけ多くを第一期分にまわしてもらうように努力いたしたいと考えております。そうして出水期までに、先ほど申しました通り最も緊急を要する地点の工事をいたして参りたいと考えております。しかしながらただいま申しました通り、與えられた予算自体が足りませんので非常に心配をいたしておりまするが、これも地方の公共團体とも緊密に連絡をとり、協議をいたして、重点的に工事を進めて参りたいと思うのであります。そうしてまた災害復旧工事のみではなく、一面維持工事の方面にも十分に氣を配つて参りたいと思います。すなわち早期に出水の原因箇所を発見して、それに対する應急措置を講じて参りたい。また防災の面においても相当効果を上げております。これに対しても同時に工事を進めて参るような措置をとつて参りたい。そうして比較的僅少な金で被害を防止し、あるいは軽減をいたして参りたいと考えております。
  40. 天野久

    ○天野(久)委員 詳細な御説明を承りましたが、われわれとしては、いま少しく大臣に積極性を持つていただきたいと思います。御承知の三百五十億以上を要する未拂いものに対してわずか百億しかない。しかして地方の現状は、今の予算で参りましたならば、せつかくつくりかけた建物を中止しなければならない状態であります。あるいは石積みをやめなければならぬとか、砂を盛つても、砂盛のだけで張芝ができないような状態もときどき出て参ると思いますが、もしそういうことでありますならば、耕地の健全は全きを期し得ないという結果になつて参りまするが、これに対して、大臣として積極性を持つて予算の組み直し要求とか、あるいは追加予算に対する見通しとか、何かもう少しわれわれ國民に安心を與え得るようなお答えを、ここに御吐露願えぬものかと私は思いますが、それに対して御意見を願います。
  41. 益谷秀次

    益谷國務大臣 御承知の通り本年の公共事業費の総額は五百億であります。これはこのわく以上にはどうしても國の財政の上から公共事業費を投ずることはできない事情に相なつておるのであります。しかし、五百億のうち、河川に対するものは御承知の通り約十七億あるのであります。比較的政府といたしましては運用に対する方面重点を置いて使用をいたして参りたいと存じておるのであります。しかしながらもとよりこれでは足りません。ただいま申し上げた通り前期に区分をいたしまする公共事業費を、なるべく多く出水期までに投入をいたしたい。そのために安本その熱筋等とも今後十分に協議をいたし、努力をいたしたいと思つておるのであります。また追加予算等のお話でありまするが、これは今日の場合、私としては追加予算を要求して皆さん方の御議賛を願うということは確言はできません。できませんが、税その他の問題もあります。また河川の現状をよく関係方面等に認識をしてもらいまして、また皆様方の御協力によりまして、でき得るだけ御希望に沿うように、懸命の努力をいたしたいと思つております。
  42. 天野久

    ○天野(久)委員 どうも予算は何といたしがたいというお話でありますが、これに対して私は大臣のいま一段の御努力を願いたいと思います。  それから災害復旧費は四期にわけて使つているが、それをできるだけ出水期前に余分に使つて行くようにしたい。これはたいへんありがたい御言葉で、ぜひとも御努力願いたいが、いま一歩進んで何とか一年の予算でありますので、これに対する大体全額を出水期前に使うように安本と御折衝願つて、これが支出できるお見通しがあるかどうか、またこれに対してどんな御労力が願えるか、これも承つておきたいと思います。
  43. 益谷秀次

    益谷國務大臣 災害費全部出水期前までに投入することができるかどうか、見通しはどうかというお話であります。これは税の徴收その他とも関係があります。また災害復旧費として全部出してしまうということになりますると、おそらくは他の公共事業費は一切出ません。そういう苦しい事情がありますので、私といたしましては、目前に迫つております出水期、これに対してはでき得る限り一度に多く出水期前までに災害復旧費を投入いたしたい。そのためには皆様方の御支援及び御協力を得て、そして目的を達成するように懸命の努力をいたしたいと思つております。
  44. 天野久

    ○天野(久)委員 率直に申し上げますと、いま少し大臣の積極性ある御努力による予算の獲得を願いたいと思うのでありますが、どうもそれができ得ないでまことに遺憾に存じます。実は先般來各府縣の代表が集まつて、実情をつぶさにわれわれに訴えますところは、何とかしてこの災害が完全に復旧してもらえぬということならば、一体ことしの米の收穫は確保できない、從つて供物にも非常に影響があるというようなことを強く唱えられておりますが、わが國としてこの災害がほんとうに完全にまでとは言わずとも、その耕地の保全ができる程度にいたさなければ、これはゆゆしい問題だと、存じます。從つてここに予算が組まれて五百億に限定されたと申しましようが、しかし私はこれにはまだまだ何かの方法がありやしないか考えておりまするので、どうかくどく申し上げますが、大臣としてこの予算獲得に、ひとついま一層御努力が願いたいと存じます。しかして急を要するところから、またやりかけた工事などが中止しないで進むようにひとつ御善処を願いたいと存じます。地方の要望は切なるものがありますので、これは大臣としてもすでにお聞き及びのことと存じますが、これをどうぞひとつてつていただきたい。しかもなおこの予算を拝見いたしますると、まず二十二年度が四百億、あるいは二十三年度もこれに劣らない数字がある。本年の災害といたしましても、おそらくこれは災害がないとだれでも保証はできないと思いまするので、こういう災害に対しても、また必ずや急を要するものが出て参ると思いますから、いずれの面から申しましてもこの予算には、本予算にもし獲得ができませんならば追加予算、あるいは組みますものができまして、これができますならこれを獲得していただく。そうしてあと追加予算等について今からお心がけのもとに予算の獲得を願つて、そうして國民が安心して耕作ができるよう御盡力願いたいことを切望して、私の質問を終ります。
  45. 前田榮之助

    ○前田(榮)委員 建設大臣にお尋ね申し上げておきたいのですが、いろいろ建設大臣が、本年の災害の事業に対して、いわゆる公共事業費の増額に対して、予算編成に非常な努力を拂われたそのあとを、われわれは率直に認めて、これには敬意を表しておきます。しかしわれわれ委員といたしましては、大臣の努力には敬意を拂いますが、ただこの問題は敬意を拂つただけて済まない大きい問題があると思うのであります。ここで私は大臣に率直なる答弁をお願いいたしたいのは、日本の災害というものは、私があらためて説明するまでもなく、皆さんの御承知の通りに、あの戰争以來山林の荒廃から起る水害等は、歴年増加の一途をたどつて、最近における実情は、日本全國のうちただの一箇年として災害のない年はない。必ずどこかに災害を受けておるのであります。しかもその災害というものが、こんな災害を受けぬでもいいようなものが、最近においてだんだん増加の一途をたどつておる。これはすなわち災害の復旧が遅れる点もありましようし、また戰争以来山林等の荒廃が問題であるのでありますが、これに対してただ予算がとれないからやむを得ないということでは、私は済まされないと思う。しかも建設省を主管されるところの大臣といたしましては、日本国家をあずかつてこの問題を処理するところの責任というものを持たれなければ、國務大臣といたしましてもこれはゆゆしき問題だと思う。現在の公共事業費の五百億に対しての災害復旧が、百億や百十億の程度では、おそらくわれわれの観察いたしたところでは自信が持てないと思うのでおりますが、ことに残額工事が、今大臣がおつしやつたように、二百五十億というものの半額も施行できないという状態では、おそらく物價の値上りその他の関係から言つても、また事業量の上から言つても三分の一程度ではないかと思うのでありますが、これで責任が持たれるか持たれれぬか、この点ひとつまず第一にお伺いたしたいと思います。
  46. 益谷秀次

    益谷國務大臣 むろん建設省をあずかつておりまするから、建設省に関する限り私は責任を持つておるのであります。災害復旧費については、私どももその復旧の重要性を十分に認識いたしております。従つて省といたしましては、相当金額の要求をいたしたのでありまするが、窮乏せる今日の國家財政の上から、河川に対してはただいま申しました通り、百七十億足らずの予算しか與えられなかつた。この点にまことに遺憾でありますが、私としてはできる限りこの與えられた予算を最も効率的に使つて、そうして災害をなるべく軽減しようという考えでおるのであります。もとよりたびたび申し上げまする通り、これで私ども十分だとは思つておりません。足りませんが、足りないところは地方公共團体とも十分に連絡をとり協議をいたして、最も必要な部分を急速に施行いたしたいと考えております。
  47. 前田榮之助

    ○前田(榮)委員 最高の盡力を拂つて、最高の効率的な方法を行う、これは当然そうならねばならぬと思うのであります。ただ今日の予算は、九原則によつて一定のわくの中に押し込められざるを得ないようなところに、今日本が置かれておるという点につきましては、一應納得は行くのでありますが、しかしながらすでに議会において吉田総理大臣は、吉田内閣の責任において、また吉田内閣は九原則を実行することを、みずから主張するものである、かように申されておるのであつて、まさかいまさらある時間からの制肘を加えられるということは、言い訳にはならぬと思う。從つてこの予算がとれないということでは、國家財政の上からとおつしやいますが、しかしいかに國家財政といえども、年々の損害、あるいはまた御希望の通りに、昭和二十一年、二十二年、二十三年を通じてお考えになつても、すでに田畑の流失等によるところの損害は、六%ないし八%の減收を來しておる。こういうことは未然に防がれ得ることであり、またこれらの田畑の流失その他減産等の損害を計算いたしますると、決して採算の上から言つて、日本國民に損害を與えることでなしに、今百億、百五十億の余分の金を講ずることは、むしろ國家財政を堅実ならしめるところの基礎であるとわれわれは考えておるのであります。生産的なやり方であると考えておる。そういう点から、むしろ積極的に建設大臣は、いわゆる命をかけてもこの問題に対して、もつと積極的でなければならぬのじやないかと思うのであります。その点に関してもつと決意をひとつお聞かせを願いたいと思うのであります。
  48. 益谷秀次

    益谷國務大臣 ただいま前田委員の仰せり通りであります。私は微力でありますが、微力のあらん限りすみやかに災害復旧をいたしたいと思つております。
  49. 前田榮之助

    ○前田(榮)委員 ただいまの問題は、これ以上お尋ねすることをやめますが、ここでもう一つお伺い申し上げておきたいのは、建設省予算あるいは公共事業等の予算の減額によつて、相当な整理が行われると思うのであります。大体私の聞いておるところによりますれば、建設関係では八千人からの整理をしなければならぬように聞いておるのであります。行政整理の問題の論議は別の場合にすべきだと思いますが、建設省整理に対しては、他の省とは趣の違つた点があると思うのであります。それは主として技術屋の多い点でございます。この技術屋は一年や二年養成したのではだめなのであります。ことに河川等の工事を行う場合においては、その河川独特の癖があつて、その河川に精通した技術屋を持つて行かなければ適当な最高能率をあげるところの工事が行われぬと思う。私は今度の整理に対して、こうした技術屋を失うことは——一般労働者を失業せしめることについても反対でございますけれども、私もある技術をやつてつたのでありますが、ことに技術屋を失うことは、日本の將來に対して、また建設事業を行うことに対して、非常に重大な問題だと思うのであります。これに対して大臣は、他の省とかわつた性格を持つたところの整理の仕方をされるお考えがあるか、あるいは技術屋をいかなる方途で温存して行こうという考えでもおありになるか、この点もう一つお伺いしておきたいと思います。
  50. 益谷秀次

    益谷國務大臣 政府といたしましては、大体本省は予算定員の三割、現場に二割という原則を閣議で決定いたしておるのでありますが、各省各局、また出先の局等の特殊の事情はどこまでも考慮して行かなければならぬということも、また決定いたしております。從つて、ただいま前田委員の仰せのごとく、利根川なら利根川、北上川なら北上川、木曽川なら木曽川、その川のおのおの癖と申しますか、他の河川と違つたところがあるそうでありますので、その河川に精通した人は、やはり急に一年や二年で育てることはできません。技術屋と申しますか、技術方面の人などは、やはりあなたの仰せのごとく、急に間に合うものではございません。こういう特質を建設省に持つていることを、本多國務大臣が主管しておりますが、その方面にも十分に強く申してあります。すなわち各役所の特質をよく見て、そうして実際の整理に当るということに決定いたしております。御要望に沿うべく努力いたしたいと思つております。
  51. 淺利三朗

    淺利委員長 建設大臣予算委員会から再三呼びに参つております。それで江崎委員から建設大臣に対して発言の通告がもつてありましたが……。
  52. 江崎真澄

    江崎(真)委員 私はけつこうです。
  53. 前田榮之助

    ○前田(榮)委員 簡單にちよつと……。
  54. 淺利三朗

    ○淺利委員 簡單にお願いいたします。
  55. 前田榮之助

    ○前田(榮)委員 先般測量施設を視察いたしまして、あそこの技術方面のいろいろなところをつぶさに見て参りましたが、その際におきましても、あの求められぬ技術屋の待遇というものが何ら考慮されておらないのであります。これは今の失業の問題とは別個に、建設省では技術屋を何らかの方法で——これは別な待遇でない、私は適当な当然な待遇だと思うのですが、他の者とは違つた俸給の支給など、何かの方法で優遇する方途をひとつお考え願いたいという希望を申し上げて、質問を打切ります。
  56. 池田峯雄

    池田(峯)委員 関連して大臣質問したいと思います。先ほど前田委員質問に対しまして、大臣は五百億というわくはもうどうにもしようがないのだといつたような意味のことを御答弁なすつたと思うのですが、これは重大なる大臣の言葉であると私は思います。なぜならば、まだ予算委員会も開かれておりまして、決定されてないし、本会議においてわれわれは予算の審議にあずかつておるわけでもありません。五百億というのは、われわれが決定する。大臣が、五百億はきまつていてどうにもしようがないのだ、そのわく内でしかるべくというような御答弁では、先ほどの質問者が言いました通り、はなはだ積極性のない大臣であると私言わざるを得ないのでありまして、これは非常に重大な発言だと思うのであります。從つてまだ予算はきまつているわけではございませんし、あなたたちにまだ人民とは別に、陰でこそこそどつかの筋と交渉なさつているだけでありまして、國会においては今論議の最中なのであります。そこで五百億のわくは、突破しようと思えば、絶対不可能であるというような問題では全然なかろうと私に考えるのであります。これだけにいたします。
  57. 益谷秀次

    益谷國務大臣 私の申し上げるのは、ただいま提出して御審議を仰いでおります政府提出予算におきましてはという趣旨でありますが、皆様方が政府提出予算をいかに変更せられましようとも、またいかなる決議をせられましようとも、それは最高議決機関である國会の権限であります。政府といたしましては、政政提出の予算を五百億以上のわくをとることはできないということを申し上げておるわけであります。
  58. 池田峯雄

    池田(峯)委員 では大臣は五百億の予算には大いに不満なんですか。満足しておるのですが。その点はつきりしていただきたいと思います。
  59. 益谷秀次

    益谷國務大臣 私所管といたしましては、十分とは申し上げることはできません。足りません。もう少しほしいのです。しかしながら今日の窮乏せる国家財政の上から見てがまんをしなければならぬという建前から、俗な言葉で申しますと、一應がまんをして、御審議を願つている次第であります。それでこの與えられた予算を御協議賜わりますれば、努めて効率的に使つて行きたいと考えております。
  60. 淺利三朗

    ○淺利委員 それでは建設大臣に対する御質問はこの程度にとどめます。  なお本日は災害費予算につきまして安本長官及び大蔵大臣から、この不足している予算に対する善後措置について御意見を伺うつもりでありましたが、予算委員会の都合で聞くことができないのであります、ただここに安本の建設局次長が見えておりますから、もし政府委員に対して御質疑がありますれば、この際御質疑願いたいと思います。
  61. 久野忠治

    ○久野委員 ただいま大臣からまことにカ強い決意のほどを示されまして、私非常に感銘をいたしたのでありますが、限られた予算内における御苦心もさこそと拜察せられますが、しかしながらこのわずかな災害復旧費で最大の効率をむけることに、私はでき得ないことはないと思う。その第一は、災害の状況をつぶさに御視察願いまして、総花式でなく、最も重点的にこれを施工していただくこと、それから第二に最も早期にこの災害復旧を実行していただくということ、この二点に盡きると私は思うのであります。この早期に復旧を完成するためには、やはり第一期において、先ほど大臣からも申されましたように、予算を多数出していただきたいということ、すなわちこれに対して安本関係のお方もおいでになりますので、こうした建設大臣に御意向に対しまして、安本当局としては、いかなるお考えを持つておいでになりまするか、安本当局のお考えをお尋ねいたしたいと思います。
  62. 雨森常夫

    ○雨森説明員 先ほどその点につきましては建設大臣からお話がありました通り、私も同感なんです。繰返して申し上げるようでありますが、第一・四半期と第二・四半期の金が、夏の洪水期までに有効に働く予算であると思います。  現在われわれの方の手元で第一・四半期の承認の額を関係筋の方と折衝し、なお細目の分類をいたしておるのでありますが、その主要なる点は、できる限り北海道、東北等の雪の降る方に第一、第二の金を持つて行きたい。第二点に災害復旧のごとき、植付までにできるだけ重点的にやつて行きたいということから、復旧費のごときものをできる限りよけいに出したい。この一つの点を加味いたして、今やつておるような次第であります。
  63. 久野忠治

    ○久野委員 よけいに出したいというお話でありましたが、その具体的な内容についてもう少しく御説明いただきたいと思います。
  64. 雨森常夫

    ○雨森説明員 現在作業中なのでありまして、どのくらいの程度、たとえば河川災害復旧費を第一・四半期に予算を計上するかということについては、まだ未定でございまして、申し上げられません。
  65. 久野忠治

    ○久野委員 万一努力の結果でき得ない場合に、大蔵当局と折衝せられまして、大蔵証券とかあるいは預金部の資金を運用していただくとか、そうした便法を講じていただけるかどうか。
  66. 雨森常夫

    ○雨森説明員 資金の点につきましては、國庫予算関係と併行いたしまして、大蔵並びに地財委の方面と折衝しながらやつておりますが、これに主として御承知の通りの地方分担分についての資金であります。今お尋ねのような國の財政補助にかわるべき資金につきましては、現在のところまだ考えておりませんけれども、と申しますのは予算が第一・四半期にどれくらい充てられるかということがきまつておりませんので申し上げられません。
  67. 淺利三朗

    ○淺利委員 本日は大臣がいませんから質疑はこの程度にとめます。
  68. 江崎真澄

    江崎(真)委員 資料の要求をしたいと思います。実は先般建設省の各局に対しまして、予算内示による一つの予定額と申しますか、およその方向を承つたのでありますが、本日道路局、あるいは河川局それぞれからお出しをいただきまして喜んでおります。実に今日大臣は特に河川災害の問題等につきまして、重点的にこれが予算配分を決定いたしたいということを言つてつたのでありますが、これに関連して河川局長大臣それぞれに質問したいのでありますけれども大臣が中座をいたしましたので、質問に次の委員会に譲るといたしまして、とりあえず次の資料を要求いたしたいと思います。要するに大臣のいう重点的急速に実施する面の予算配分、たとえば直轄河川の改修費のごときは、三十億五千万円という一つの内示予定額がここに示されておるのでありますが、大体直轄河川の改修費をどういうふうに事務当局としてはまかなおうとしているか。今日の段階においては決定的なものは、もちろんあろうはずはないし、また同時になかなかその結論的なものもできていたいのではないかということも、予想するにかたくありませんが、およその事務当局案というものがあるはずだと思います。これがどのような程度のものであるか、これを承り、なお同じく中、小河川の改修費補助ついて、大体今年の予定河川にどういう河川をほぼ予定しているか、ほぼでけつこうです。これも至急承りたいと思います。なお災害復旧費に関しまして、道府縣災害土木費補助というのが八十三億ばかりありますが、一体土木費を府縣別に幾らづつ割当てんとするのであるが、およその事務当局案というものがあるはずでありますが、これを念のために府縣別に、何縣に幾ら幾らという程度でけつこうであります。すみやかに当委員会に提出せられんことを望みます。
  69. 淺利三朗

    淺利委員長 当局においてできるだけ早く資料をおまわし願います。     —————————————
  70. 淺利三朗

    淺利委員長 これから請願審査に移ります。都合により日程第一一、廣島縣内の道路改修促進請願宮原幸三郎君外一名紹介、文書表第二六号。日程第一二、奥市の復興土地区画整理事業費國庫補助増額の請願宮原幸三郎紹介、文書表第二八号を一括議題といたします。  紹介議員宮原幸三郎君の説明を願います。
  71. 宮原幸三郎

    宮原委員 日程第一一、廣島縣内の道路改修促進請願紹介議員として説明をいたします。  廣島縣の道路網は相当延長はあるにもかかわりませず、山地に妨げられてその整備はたいへん遅れておりまして、昔ながらの状態にありますので困ります。このたび請願せんとする改修要望の五つの路線ですが、請願書に添付せられております通り、改修区域はいかほどもなくて、ほとんど未改修になつております。元來廣島縣という所は立地條件がよろしくて、また林産物、農産物、水産物、鉱産物、そういうように各方面において資源が豊富でありまして、それを基礎とする基本産業も相当あるのですけれども、産業経済的にはめざましい発展をしていないというのは、やはり道路網が、重要幹線路線でさえも未改修の面がまことに多いということが、大きな原因になつているということは、一般に認められているところであると申して決して過言でないと思います。そのうちの例示の一つでありますところの縣道、三原、與線という改修要望の一線をとつて見ましても、既改修のパーセンテージわずかに一八%にすぎません。未改修の八二%という区域は、幅員はわずか三メートルから四メートル半、まことに狹隘であります。それから坂道のごときも、最も急勾配のところは十分の一から十二分の一という所もあります。路線の線形というものもよほど曲折が多いというようなありさまでありまして、近代的の自動車道路というような方面から見ましても、まことに不適当なる現状になつております。しかもこの三原、與線というような重要路線がしかりであります。三原、與線というのは呉市と三原市と両臨港の工業都市を連絡し、またその港湾の後方地域並びに四國内海沿岸島嶼部方面の生産物資の搬出道路として見ましても、また瀬戸内海の景勝地の観光ルートの面から見ましても重要であるばかりでなく、連合軍が呉、廣島辺に多数進駐しておりますので、その占用道路としても非常に重要度が高いのであります。しかるにかかわらず、わずか一八%という既改修の区域というような状態でありますので、このたびこの三原、與線だけでなく、廣島、油木線、廣島、浜田港線、粕淵、三次線、大竹、浜田港線のごとき路線を、合わせてここに改修の促進要望の請願を提出せられて参つたのでありますか、審査いたしましたところがまことにその現用の事情、同情に値するものが最も多いと存じましたからして、私が御紹介申し上げた次第であります。なおお尋ねがありまするならばお尋ねによりまして詳しく申し上げることにいたしまして、この日程第一一の説明は一應これだけにいたしておきます。  次に日程第二を御説明申し上げます。これは呉市の復興土地地区画整理事業費國庫補助の増額の請願であります。呉市というところに特異な所でありまして、元軍港が置かれたために人口四十万の中都市として発達したのが、戰爭のために軍港を失いましてから人口が一時に十三万に轉落して、元の一町村に帰るであろうという悲観すべき状態でありましたのが、最近ようやく十九万人の人口に回復いたしておるのであります。從いまして復興の上におきましては他の都市とは違う意味で相当同情に値する地域であります。土地区画整理が復興事業の管轄でありますことはどの都市も同じでありますけれども、呉市において焼失面積九十三万八千坪のうち、事業区分として事業費の総額一億一千余万円をもつて昭和二十一年度から区画整理実施いたしております。しかるにもかかわらずただいままでの國庫補助一千万二千二百三十四円の補助を受けまして、これは八〇%くらいでありまするが、その事業費に対しまして、わずかに総事業費の一〇%だけを現在施行したという程度でありまして、前途まことに遼遠なのであります。これではこのままの状態で進みますると、区画整理の完成はいつの時であるかほとんど予測できないような状態でありまして、区域内に続々として復興意欲のためにバラツク同様の家屋か密集しつつもるのでありまして、このまままで放任しましたならば、あるいは区画整理実施できないというような困難に終着するのではないか、これは他の地方と同様以上にその困難度が高いのでもあります。従いまして昭和二十四年度の区画整理におきまして、呉市の計画いたしておりますところは二千二百九十九万六千円の経費をもつてその事業を施行しようとしているのでありまして、これに対するだけの國務補助費をいただきたいという趣旨の請願になつております。
  72. 淺利三朗

    淺利委員長 以上の説明に対しまする政府当局の意見を伺います。
  73. 落合林吉

    ○落合説明員 ただいま廣島縣内の道路のことにつきましていろいろ事情の御説明がございましたが、そのうち特に改修の請願がございましたのは、ただいま御説明のありました通り、三原、呉線と、大竹、浜田港線、廣島、浜田港線、粕淵、三次線、廣島、油木線、この五路線になつておりますが、このうち一つ一つ状況を申し上げます。三原。呉線はただいま御説明いただきましたように、非常に廣島縣としては重要な路線でございまして、國道二号に並行しておるのであります。國道二号が山岳部を通つておりまするが、ただいまの三原、呉線は海岸線を通つております関係で、改修もしやすいという関係にありまするので、二十三年度から國庫補助事業としまして継続改修中でございます。二十四年度は改良新設の面が非常に切り詰められておりまするので、大規模な改良は計画できないのでございますが、非常に路線が重要なものでありまするので、二十三年に引続きまして、予算、資材の許す範囲で二十四年もぜひ工事を継続いたしたいと思いまして、いろいろと今作業中でございます。  次に大竹、浜田港線でありますが、この路線も廣島から島根縣の浜田港に通ずる非常に重要な路線でございますので、二十日年度にも一部改良工事を施しましたが、二十四年度におきましても、特に必要な部分を予算の許す範囲で改良を継続いたしたいと存じまして、今作業中であります。  次に粕淵、三次線でありますが、これも道路の沿線に豊富な林産資源がありまして、その開発のために改修をいたしたいのでございますが、これはまだ手をつけておりませんので、本年度の非常に切り詰められました改修費の中では、本年度着手は困難と存じます。  第五番目の廣島、油木線、これはやはり道路の沿線に林産資源がございまして、林産物の開発のためにも重要な路線なのでありますが、これも二十三年度にはまだ着手しておりませんので、本年度のこのきゆうくつな予算では、着手でき得る見込みがただいまのところございません。大体以上のような状況であります。
  74. 財津吉文

    財津政府委員 呉市の土地区画整理事業費補助額の増加に関しましての請願がございましたので、これについてお答えを申し上げます。お話の通りまことに土地区画整理は重要なのにもかかわりませず、なかなか思う通りの補助ができませんで、呉市においても困つておられるだろうと存じます。私たちといたしても、できるだけこの補助額を多くしたいと努力いたしたのでありますが、御承知のような状態で、ただいまのところ区画の整理に充てられておる金額は非常に縮減されております。從いましてただいまお話になりました呉市の予算を充足するほどの補助はむずかしいのではないかと考えております。予算の許す範囲内におきまして、できるだけ御趣旨に沿いたいと考えております。     —————————————
  75. 淺利三朗

    淺利委員長 次は日程二五、富田川の治水工事施行の請願早川崇紹介、文書表第六九号を議題に供します。紹介議員早川崇君の紹介説明を求めます。
  76. 早川崇

    早川崇君 富田川の治水工事施行に関する請願説明を申し上げます。  宮田川は和歌山縣の中部地方を流れでおる河川であります。元来この河川は流水落差がきわめて緩慢であると同時に土質軟弱のために常に出水に災いされておるわけであります。すでに河床が耕地より二メートル隆起しておりまして、一朝出水の場合には、水田一面が水に洗われるというような惨状を呈しておる難物の河川であります。昭和二十一年の南海震災におきまして、上流の地盤が沈下しました。かてて加えて土砂の崩壊、堆積がはなはだしく、さらに二十二年の大洪水には河床がさらに一メートル隆起して合計三メートルの天井川になつておる実情であります。この河川の流域は、御承知のように中部紀州の食糧の四三%をまかなつておるきわめて重要な河川でありまして、このままに放置いたすときには、一朝出水期に出水いたしますと、予想外の惨事が巻き起される、かような惨憺たる予感すら抱かれる次第であります。この河川の上流の砂防工事と沿岸の堤防の南海震災その他大水害でいたんだ箇所を予防するために、先般参議院の赤木委員を中心といたしまして、本省の方からもたびたび実情視察に参つておるわけでありますけれども、まだこの上流の砂防工事と沿岸の堤防補強に関しては見るべき成果が上らないような実情であります。かかる次第でありますので、当建設委員会において本請願を御採択願いまして、ぜひとも建設省においてかかる災害を未然に防ぐ措置をとられたい、かように任じておる次第でありまして、この機会に紹介議員といたしまして御説明かたがたお願いを申し上げる次第であります。
  77. 淺利三朗

    淺利委員長 以上の説明に対して、政府当局より意見を伺います。
  78. 賀屋茂一

    賀屋説明員 和歌山縣の富田川は、先年も災害を非常に受けまして、この復旧設計は一應実はできておるわけであります。縣におかれましては費用も少いのでありますから、この工事には非常に苦労されておりますが、復旧の点はできるだけ十全な措置を講じたいと思つております。なお富田川の全線につきましては、これは改良工事を実施したければ今後間に合いませんので、先年來河川の根本改修計画を縣において実施しておつたのでありますが、ようやくこの基本調査もでき上りましたので、その結果をさらに検討いたしまして、財政上許されます限り、早期にぜひ着工いたしたいと考えております。
  79. 早川崇

    早川崇君 ちよつとこの際今の御答弁に対して防災課長にお聞きしたいのです。この問題に関しましては、地元の縣会議員や和歌山縣の山口、世耕、私その他六名の議員が一致して実は再三陳情しているわけであります。予算に未決定の現状でありますけれども、二十四年度におきましては、上流の砂防工事に対する予算計画が当然あられると思いますから、でき得るならばその点もひとつ御説明を願えれば幸甚と存じます。
  80. 賀屋茂一

    賀屋説明員 來年度の砂防工事はまだ各箇所の選定がきまつておらぬのでございまして、御意見のあるところはよく上司に傳えまして、十全に使用でさますように考慮して行きたいと思います。     —————————————
  81. 淺利三朗

    淺利委員長 次に日程第二三、都営青山第二共同住宅改善に関する請願船田享二君紹介、文書表第六四号を議題といたします。紹介議員の説明を求めます。紹介議員船田享二君。
  82. 船田享二

    船田享二君 都営青山第二共同住宅改善に関する請願につきまして、紹介議員としてできるだけ簡単に説明申し上げたいと思います。  東京都営青山第二共同住宅は二階建のアパートづくりなのでありますが、もともと住宅営團が立てまして後に東京都が経営することになつたものでありまして、非常に不完全なバラツクのままであります、これに住んでおる人たちの要望、請願の趣旨をまとめて申しますと、一つはガラス戸を設置してもらいたい。都営青山第二共同住宅のうちの一部分は、まつたくガラス戸がないために、雨が降るたびに障子紙がどんどん破れてしまつて、雨が降り込むというような状態になつております。それが一つ。それから第二に井戸、水道、これはいずれも非常に足りないのでありますが、それが雨ざらしになつておりまして、非常に不衛生であるのと、雨の降るときにこれを利用するのに非常に難澁するから、これに屋根を設置してもらいたい。それから第三番目に下水の排水集と申しますか、その他を完備してもらいたい。ことに住宅に一階、二階とありまして、それぞれ各家庭が一部屋ずつ占めておりますので、二階に住んでおります家族の人たちの流し、その他が下の方にあふれたりなんかいたしまして、非常に不衛生な状態になつておるのであります。それと下水の施設が非常に不完全でありまして、ついに、三日前に私も現地で見ましたところが、ほとんど歩くことのできないような状態に下水があふれておるような、不衛生な状態になつておりますので、この点を改善してもらいたい。また二階の方に給水設備をしてもらいたいというのが四番目の請願の趣旨でございます。これは防火、消火という点から申しましても、また日々の炊事のために必要な水を運ぶ、なおその苦労を避けるためにも二階に給水設備をしてもらいたい。第五番目には、共同でもいいから炊事をする箇所を設けてもらいたい。各家庭が二階でもそれぞれ廊下でこんろに火を置いたり、かまどを置いたりして炊事をしておるような状態で、火災予防という点から申しましても、炊事場所を別につくつてもらいたいというのが第五番目の請願の趣旨でございます。最後に、これはもともとバラツク建でありまして、まだ完成しないうちに人が入つて住んでしまつたので、そのままになつて、工事が未完成のまま放擲してあるところがありますので、そういうような損害箇所の修理及び未完了の工事を早急に実現してもらいたい、こういうような請願の趣旨なのであります。実を申しますと、これに東京都の経営にかかる住宅の問題でありますので、本委員会に御審議をわずらわす、問題であるかどうかということは、実は疑わしいとも考え、御めんどうをおかけすることはどうかとも思つたのでありますが、しかしこれは東京都営青山第二共同住宅から請願が出ておりますが、同じような状態、あるいはもつとひどいような状態にありますものが東京都内、ことに赤坂地区にはまだあるのでありまして、御承知のように昨年の二月十五日には青山一丁目の方の都営の住宅が焼けまして、多数の死傷者を出しましたことを皆さん御記憶かと思うのでありまするが、こういう防火、消火という方向から、あるいはまた衛生という方面から申しまして、こうした例が各所にあることに対して、何らか建設省の方から統一的に処置を講じていただきたい。もちろん請願者も東京都に対して、あるいは港区役所に対して、それぞれ同趣旨の請願を前々から提出いたしておるものでありますが、なかなからちが明かないような状態になつておりますので、そういう趣旨から、こういう請願者の請願の趣旨をすみやかに貫徹することができるような方法を、何らか御調査くださいますようにと思いまして、私紹介議員として本委員会に対してどういう方法ということを申し上げるわけにも参りませんが、この請願を御採択くださいまして、適当な処置を講じていただきたい、こう存ずる次第でありまして、よろしくお願い申し上げます。
  83. 淺利三朗

    淺利委員長 政府委員意見を求めます。
  84. 鎌田隆男

    ○鎌田説明員 この請願の個々の問題につきましてお答え申し上げる前に、今、木造アパートの問題につきまして、ちよつと御説明申し上げたいと思います。木造アパートにつきましては、確かに火災予防上あるいは衛生上非常にまずい点が考慮されますので、二十二年度から木造アパートはつくらないことにいたしております。しかしアパートは都会の生活の要請としましてどうしても必要でございますから、なるべく鉄筋コンクリートあるいはコンクリートの木造、石造というような不燃性なもので、今後アパートをつくつて行きたい、かように考えておる次第であります。なお今まで各地にできております木造アパートの改造につきましては、これを今ただちに手を入れますには非常な資金がかかります。むしろ本格的に改造をいたしますと、新築に近いくらいの金がかかりますので、二十三年度ないし二十四年度に今後やりたいと考えておりますのは、なるべく予算を効率的に使う意味におきまして、木造でしたら一個建、二個建をたくさんつくりまして、その方面に入つていただくというふうにして参りたいと考えております。しかし緊急の問題としまして、今すぐ生活に困る箇所は何らかの方法で修繕はいたして参りたいと考えております。  この都営青山第二共同住宅の、ただいまの第一のガラス戸の設置でございますが、これは同じ地区に二十二年度につくりました木造の方は、この共同住宅がつくられた当時と若干事情が違います関係上、全部ガラス戸にいたしておりますが、二十一年度にできました共同住宅の方は、その当時ガラスの需給の関係が非常に悪かつたので、これは紙障子でやつたのでございます。これをガラス戸に改善いたしまするに、相当量もかかりますと、また費用もかかりますために、自然家賃の方にも響いて参りますので、この建物を居住者の自費で購入してもらいまして、ガラスの方は都から無償で配給するというふうにいたしております。但しもとの管理の問題になりますと、住宅管理の都合上、新たに入りましたガラスは都に寄付をしてもらいまして、家賃は今まで通りの家賃とする、こういうふうに考えております。  第二番目の井戸及び水道口の屋根の設置でございますが、これは確かに衛生上必要なことでございますので、ただいま工事の手続を進めております。多分四月の十六日に着目する予定でございます。  次に第三の流しといを二階に設置する問題でもありますが、これはとりかえるつもりでございます。多分今日あたりから着工しておることと思います。  次は第四番目の階上に給水設備を設置するという問題でもあります。給水設備はあるのでございますが、現在東京都上の水圧が非常に低下しておりますので、階上では水がないのでございます。この水圧の低いのをカバーするためには、タンクを設置しまして、モーターを設備しなければならぬのでございますが、これには非常に多額の費用が要りますので、急速にはちよつとできかねる事態でございます、当分の間屋外の給水場、あるいは井戸を利用していくよりほかはないと思います。その次の第五番目の炊事箇所の設置でございますが、これは現在小規模ではございますけれども、共同炊事場はできておるのでございます。ただできている炊事場の設備があまり適当でないと思われるのであります。これは廊下の所に多分できておるのだと思います。が、何とか、部屋ぐらい共同炊事場を設けたいと思うのでございます。これは現在居住しておられる、部屋をつぶすか、あるいは外に、一棟建てるかという問題になるのでございますが、これは今都において研究いたしております。都の住宅経済の予算が許すことでありましたならば、ぜひこれをつくりたいと思います。第六番目の破損箇所の修理の問題であります。これは下見板あるいは便所の雨漏りというようような、緊急必要なものから逐次着工する予定でございます。
  85. 淺利三朗

    淺利委員長 次に日程第六は、角井川砂防工事施工の請願大橋武夫君外一名紹介、文書表番号第二〇号、ないし日程第一〇、祖父谷砂防工事施工の請願大橋武夫紹介、文書表番号第二四号を一括議題といたします。紹介議員の説明を求めます。紹介議員の大橋武夫君。
  86. 大橋武夫

    大橋武夫君 御承知の通り中國山脈の上質にいわゆる風化花楓岩でございまして、非常に崩壊しやすいものが大部分でございます。また一部三瓶を中心といたしました火山の附近におきましては、火山灰を基盤にした上質が多いために、これまた水に対する抵抗力が非常に弱まつております。従いまして、中國山脈並びにその支脈から流れておりまする各河川の上流部におきましては、山腹の崩壊あるいは渓流の崩壊、また下流部におきましては、土砂が推積して、河床が上昇する。従つて洪水の危険を痛感いたしておるような次第なのであります。ことに他の区域に比較いたしまして、従来砂防に対する地元民の考えが遅れておりました関係上、他地方に比して砂防の必要性が最も大なるにかかわらず、比較的閑却されておつたことは、まことに遺憾と存じておる次第でございます。幸い近時地元民の熱意も高まりましたので、また政府においてもだんだんお考えいただきまして、この方面において砂防工事の御努力を願いたいと思うのであります。ことに最も大きな川であります菱伊川の上流におきましては、従来砂鉄の採集による山腹の崩壊が非常にひどい。また飯梨川におきましても同様の関係がございますので、これらのうち、特に菱伊川の上流につきましては、政府においてかねて直轄をもつて砂防工事を実施するというお考えのもとに、近く御調査を開始なさる運びになつておるそうでございますが、ただいま議題になつておりまする角井川、藤木川、稗原川、半場川、祖父谷川、これらはいずれも菱伊川の支流あるいは神門川の支流、また仮梨川の支流でございまして、この砂防工事にいずれも同様焦眉の急務となつておるような実情でございますから、重要な部分について直轄砂防工事を御実施くださると同時に、これらの支流等につきましても、すみやかに御計画をお立ていただきまして、直轄もあるいは補助という方法をもつて、急速に砂防工事を実施せられ、國土の保安並びに地元水害防除のために御盡瘁賜わりたいというのが請願の趣旨でございます。何とぞ御審議の上御採択あらんことを願います。
  87. 淺利三朗

    淺利委員長 政府の意見を求めます。
  88. 目黒清雄

    ○目黒政府委員 ただいま大橋委員からいろいろお話になりました通り、島根縣の山脈は大体火山灰の土質が多いのでありますが、さらに最近の濫伐による山地の開発が著しく加えられました。従つて河川は、そのために土砂が埋没し、河床が上昇する等によつて、洪水の被害も非常に多くなつてつたのでございます。従つて今のお話のような角井川、藤木用、半場用及び祖父谷川等の河川につきましては、徹底的に調査いたさなければならぬのでありますが、その中でも調査の完備したものもありまするし、さらに調査を続けて行かなくてはならぬものもあります。これらの河川の調査が完了いたしまして、計画が樹立されましてから、これらの砂防工事を予算化いたしたいと考えております。
  89. 淺利三朗

    淺利委員長 本日はほかの請願に対しては紹介議員が見えておりません。それでこれはこの次に保留いたしておきます。  なお本日はただいままで紹介議員の説明並びに当局のご意見のありましたものについては、他との関連もありまするし、一括して他日採否を決することといたしまして、本日はその採否を留保いたしておきたいと思いますが、いかがでございますか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  90. 淺利三朗

    淺利委員長 そういうことにいたします。  今は本日はこれをもつて散会いたします、次回は公報をもつて御報告申し上げます。   午後四時 十一分散会